さてさて、記念すべき第一回はこの方だ!
凌雲(リン・ワン)
思うに彼は香港映画界では数少ない一芸スター型の1人ではないかな。
俳優さんには2つのタイプがあるように思う。分けてみると、
【一芸スター型】
ジャッキー・チェン 李小龍 孟飛 田村正和 木村拓也
【多芸俳優型】
谷峯 王青 梁家仁 李海生 劉家榮 西村雅彦
つまりは一芸スター型は
「何の映画に出てもジャッキーはジャッキー」
といったように、自分のキャラがいつも統一されているのだ。それだけなら単なる不器用な役者になってしまいがちだが、"スター"であることの魅力がカバーする。田村正和さんは実はわかりやすい例で、役柄がニュースキャスターであろうとニューヨークの浮浪者であろうとお洒落な刑事であろうと田村正和は本当に田村正和そのものなのだ。
一方の多芸俳優型は説明するまでもないがそのままに、悪役、善役、お調子者、三枚目、どれでも違和感なくこなしてみせる役者さんのことである。
凌雲の魅力は実に挙げやすい
・ハードボイルドばっちり
・寡黙で渋い男ぴったり
・顔が濃い
・そして強い
・三枚目は似合わなそう
女性でも高齢の方であれば思い切り人気が出そうな特色を持っている。そして男であれば、例えば「三少爺的劍」の爾冬陞青年よりも助演で渋すぎる演技の凌雲に注目がいく可能性は非常に高い。
そして顔の濃さから私に
ルイス・フィーゴ、若林豪、凌雲
3人合わせて「フィーゴ三兄弟」!!
と命名されているのも興味深い(俺だけじゃん)。
とにかく、トータルな俺からの印象としては
渋くて格好良いぜ凌雲!!・・・で、でもなんか少しズレてるような・・・?
こんな感じだ。
それではレビュー済みの作品紹介へ、どうぞ。
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「香港ノクターン」('67)
って、いきなり現代劇かよ!
この作品ではあんまり目立ってませんです。物語中盤に何莉莉さんと恋に落ちるトランペッター(設定は格好良い!!(笑))
何莉莉さんと一緒に興行を続けますが、くだらな〜い理由で破局。
「三少爺的劍」('77)
最後まで執拗に三少爺(爾冬陞)との対決を迫り、対決のためにわざわざ三少爺をベストコンディションに戻してやるなど、「男たちの挽歌U」のサングラス男よりも更に勝負にこだわる侠客役で、冒頭から美味しいとこをさらい、ヒゲモジャの医師に扮したり、ラストは正に一番美味しいとこ持っていって格好良いにもほどがあります。彼的にもお奨め間違いなし。
「楚留香之二蝙蝠傳奇」('78)
主演の楚留香(狄龍)と共に冒険にいそしむ殺し屋・胡鐵花を演じています。「三少爺的劍」と同じようにハードボイルドですが、目立った出番が少なめかな。
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