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■ドラゴン傑作選13  


生龍活虎小英雄
Little Super Man
必殺ドラゴン鉄の爪


大陸版VCDということでしょぼいタイトルに

はぁ・・・なんか・・・なに書けば良いんだ・・・
これで'72年製作か。
それはすげーや


何がここまで魂のぶつけ合いのようなファイトにさせた?

今さらながらこれが'72、'73年辺りで公開されてたら多少なりとも歴史が変わったのではないか?と思われるぐらい、つまりリアルタイムで李小龍にグッと迫れたのではないか?と思われるぐらい、梁小龍のアクションは素晴らしい。(実際の香港公開は'75年)
いや何がって、そんなの見りゃわかるというのが一番適切だが他にもいた足技ファイターと彼がはっきり違ったというのは説明できそうだ。

お話

カンタンだが、字幕無し北京語なのではっきりせず。

恐らく、ゼロ戦の墜落現場で何かの機密文書を南宮勳(ナン・ゴンクン)率いる日本軍が探したが見つからず。
後は香港、マカオで文書を巡って中国人側と日本軍の争奪戦、
孟海(マン・ホイ)少年が文書を守って撲殺され、中国人側のリーダー梁小龍の怒りが爆発。南宮勳(ナン・ゴンクン)率いる日本軍を根絶やしにするのだった。

といった具合だ。

要はいつもの

日本人が現れてやりたい放題

キャラの誰かが殺されて主人公怒り爆発

仇討ち

ってパターンであることには変わりはない。
劇中のドラマは決して誉められるべきでない退屈なものだし、功夫場面以外の部分はまだまだ。ただし、これが呉思遠(ウー・セイエン)監督の手にかかると すこ〜しだけ妙味が変わってくるんだな
通常だと李小龍のような強烈なキャラクターが他を圧倒できたりしない限りは「老虎急星」「新精武門」「黄飛鴻少林拳」みたいに
陰惨だな〜 で感想が終わってしまう。

本作は梁小龍という素晴らしいアクションを持った若者が暴れる上に、
実は表情豊かに面白い悪役・李家鼎
(見難くてごめん)
監督独特の明るい作風が影響して、他の反日映画の暗さからはちょっとだけ一線を画している。この最終形がやはり「蛇拳」「酔拳」に繋がっていくというのは、何度も言ったかな。

ただ孟海らカンフーキッド4人がなぜ梁小龍に忠誠なのかは、字幕無し北京語では解読できなかった。梁小龍が孤児を拾ったということかな?

カンフーキッド

1人、名前がわからんが(彼が一番凄く感じたなぁ)

左から呉明才(ウー・ミンサイ)、韓國材(ハン・クォツァイ)、???、孟海(マン・ホイ)
彼らが元祖・カンフーキッド?
彼らが見せる京劇で培ったと思われる、アクロバティック抜群、池谷君も真っ青なアクションは製作年度も考えて目を見張るばかりである。
個人的にはここまでバリバリ動いてる呉明才を見るのは初めて。
さすが中国戯劇學院、于占元先生の元で苦しい修行を積んだ1人だ。

そして彼らが象徴的であるように、武術指導も兼ねた梁小龍アクションの魅力の1つはこんなところにもあると思う↓

こんなところって?

京劇アクションの要素も多く入ってるよ

呉思遠が梁小龍の次に主にコンビを組んだのは、
袁和平(ユアン・ウーピン)らの袁家班、
そしてテコンドファイターの劉忠良、黄正利。トドメにジャッキー。
ここでは、
功夫+テコンド足技+袁家班のアクロバティックな京劇動作
で、オリジナリティ溢れる功夫シーンを演出した。

しかし、それ以前から李小龍のように足技でベキバキと敵をなぎ倒していくアクションと京劇を組み合わせたアクロバティックさで功夫シーンを構築し、そして成功させたのは梁小龍その人と言っても過言でないかもしれない
他の李小龍を真似た映画では、そして李小龍に続け!と出てきた俳優の中には足技に秀でたヤツもいたが、それ以外で何があるのか? というと何も無いヤツばかり。ただ動きが硬いだけでつまらない映画の多い中でこれは
・梁小龍そのもののポテンシャルの高さ
・京劇を取り入れたハードソフトどちらもあるアクション
・呉思遠監督独特の明るい作風が手伝って
当時のそこら辺の功夫映画とはアクション面ではさらに大きく一線を画しているのがわかる。

梁小龍の魅力

彼を見てやっぱ確信したことがある。

スターは仕草も決まってないとね

というわけで、李小龍、ジャッキー、傅聲、周潤發、周星馳・・・マイケル・ホイの井出立ちだけで笑いが取れるキャラクターはともかくとしても、
表情、クセに特徴があって、その特徴が可愛かったり、格好良かったりすることもスターの条件に入ってると思う。

梁小龍さん合格!
仕草が可愛いのよね、彼。
こういうのっていわゆるスターに必要な"華"を形成する大きな要素だと思う。隠れて黄元申は影が薄かったな。

ブレーキの無い戦い

むかーしから、数々あまた各々と絶賛の声が沸き上がっている

梁小龍vs南宮勳
どの方のレビューを見ても、とにかくこのバトルにシビレているようだ。
ではでは、


ブレーキの無い車が高速でぶつかり合うような戦い

南宮勳が突然装着してた"鉄の爪"がさらに"煮えたぎる鮮血"を演出し、
観客の興奮を加速させる!

お互いの危険を顧みないハイテンションスピードバトル!

キャプチャーしようにもキャプチャしきれないスピード!!

確かに彼のベストバウトですね。
こんな人と人がぶつかり合うだけでこれだけの興奮を呼び起こせる映画が最近作られているだろうか・・・

そしてそして、この画質汚いVCDでわかりますように
いつかこの辺も復刻高画質DVDが欲しいですね!ほんとに!

関係ないけど

張午郎(チェン・ウーロン)若っ!!

以下はLONELY PLAYER様、minnie様、七海様より頂いた書き込み及びレスです。書き込み有難うございました。
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必殺ドラゴン鉄の爪 LONELY PLAYER
投稿日:2003年12月9日<火>23時48分
なるこうさんお久しぶりです。
レビュー拝見しましたがカンフーキッド4人組の中で名前のわからない人は元七小福の「元泰」ではないでしょうか??私もずっと前から気になっていたのですよ(笑) 全然違う人だったら済みません(^-^;
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Res:minnie 題名:わーい♪
投稿日 : 2003年12月10日<水>02時11分
なるこうさん皆さんこんばんは!
なるこうさんの鉄の爪レビュー、ひそかにひそかに楽しみにしておりました。 オープニング画像見ただけであのテーマ曲が頭の中でガンガン鳴ってます。 カンフーキッド(!)4人組の画面、あそこ好きなんですよ何故か♪
勲さんとの死闘場面のキャプチャばっちりですね!
(動きの速さに苦労されたようですが) 躍動感が伝わってきます。
楽しませて頂きました、ありがとうございます。
----------------------------------------------------- Res:なるこう(管理者) 題名:re:
投稿日 : 2003年12月10日<水>13時39分
おお元泰!?
お久しぶりです!LONELY PLAYERさん。
元泰は私は顔を覚えていないので、何とも言えませんが呉明才も隣にいますし、可能性高いですね。一番、彼が動きが良かったように思いました。
ぴょんぴょこ跳ねてましたね! だからこそ気になりますよね。
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こんにちは!minnieさん。
ちゃーちゃ、ちゃーちゃちゃー!!♪↑
ちゃーちゃ、ちゃーちゃちゃー!!♪↓
(minnieさんならこれでもわかるかな)
音楽は周福良さんが担当されてらっしゃるみたいなんですが、 この人が持ってくる音楽はどれも選曲良いんですよね、センスあります。 おかげで私もこのフレーズが今ガンガン頭の中で(笑)
オープニングは「ドラゴン危機一発」に倣ったものだと思いますが、 こっちは4人組や黄元申も登場して、暗にキャラ説明もされていてちょっと深いですね。 第一、あんだけの腕前だったら李小龍っぽくても堂々納得です。

>キャプチャばっちりですね!

動きの速さでピタッと一時停止させるのが大変で、おまけに画質が悪いので いざピタッと止めたらほとんど真っ暗になってたりして結構苦労しました。 是非、綺麗な画面で見てみたいですね!
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初めまして! 七海
投稿日:2004年1月28日<水>23時30分
なるこうさま こちらでは初めましてですね!七海です!
いつもお話させて頂いているのに、お邪魔出来ずに失礼しました。
今「必殺ドラゴン鉄の爪」のレヴューを拝見してきたところです。
もうなんだか興奮してしまって、
それで書き込みさせて頂こうと思った次第です^−^
素晴らしいレヴューでございました!
拝読してる途中、何度も顔がにやけてしまって^^; ですよね、ですよね〜
梁さんはすんばらしいんですよ〜!と心の中で叫んでおりました!
私も、梁小龍は絶対華があると思っております!
芝居や仕草の一つ一つがすっっっっごくキュートなんですよね!
私的にはあの気取らない感じが好きなんです。
それに絶対男前です、誰がなんと言おうと!(笑)
立ち回りの時のスプリットステップのような動きがまたかっこいいんですよね!
ああ、「必殺ドラゴン鉄の爪」・・・ホント、ぜひともDVD化してほしいですよね!もちろん北京語で!(^0^)
という訳で、お初に書き込ませて頂くのに、興奮していて馴れ馴れしくてすみません<(_)>
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■CAST&STAFF
監督 呉思遠(ウー・セイエン)
出演 梁小龍(ブルース・リャン)
黄元申(ウォン・ヤンスン)
孟海(マン・ホイ)
呉明才(ウー・ミンサイ)
韓國材(ハン・クォツァイ)
南宮勳(ナン・ゴンクン)
孫嵐
胡錦(フー・チン)
李家鼎(リー・カーティン)
劉莉莉
張午郎(チェン・ウーロン)
張權
陳龍
陳樓
韓義生
林克明
梁小熊
武術指導 梁小龍(ブルース・リャン)
脚本 呉思遠(ウー・セイエン)
秦丘
音楽 周福良
製作 色明(パイ・ミン)
制作年度 1972


少林與武當
Two Champions of Shaolin



五毒とは?ということで、
中国玩具舗様の「手紙入れのページへ」の冒頭に説明があります。
この「へび、さそり、かえる、むかで、やもり」それぞれの拳法を身につけた5人が戦うのが「五毒」で以後、彼らは五毒メンバーとして活躍をしました。
しかしながら、これまで彼らの作品は日本に一つとて入ってなかったので、その存在をほとんど知られていません。私も長い間全然知りませんでした。

五毒メンバーを覚えるためにもここにご紹介を。
(画像は「倭寇掃討作戦 忍者外伝」)
まず、郭振鋒(フィリップ・コク)
当時は郭追の名義で活躍しました。本作では武術指導のみ担当。
今回出演はありませんが、世間的には彼が一番ポピュラーですね。
「ハードボイルド/新・男たちの挽歌」で周潤發(チョウ・ユンファ)と死闘を繰り広げた殺し屋と言えば、思い出す方もいらっしゃるでしょう。最近は倉田さん渾身の一作「黄龍/イエロードラゴン」でアクション監督を務めています。

孫健(スン・ジェン)
足技が得意なのが彼。
今回は出番が少ないです(いや他知らないんだけど)

羅奔(ロー・マン)
今回メイン主役は彼と江生と錢小豪ですね。
肉体美と力強い功夫が魅力。

江生(ジャン・シェン)
ああそうか、彼が「上海13」のタバコくわえナイフ使いか(いまさら)。
身軽さが素晴らしく技のスマートさはピカイチかも。
女の子には人気があったかも?故人。

鹿峯(ルー・フェン)
そして日本からはその個性的な顔ということで香港(蔵野)さんが呼ばれました(笑)・・・・・・なにーっ!?別人!?
技のキレは素晴らしくいつも悪役の悪役たる強さを披露します。
それにしても「倭寇掃討作戦 忍者外伝」 での善役は唯一だったか?

以上が五毒メンバーです。
今後もちょくちょくHPに登場するだろうと思われますのでお見知りおきを。



五毒がどうこうの前にこれが張徹作品であることを忘れてはならぬ。
今までの作品もそうだけど、
パンチばい〜ん
いつもオープニングが気合入ってるね!
このチャイナアニメなオープニングも格好良い!
気持ちを奮い立たせるようなBGMもよか!
腕ばい〜ん
俺これでかなり満足しちゃったりして。
こっちは「少林サッカー」のオープニング
似てるんですよタッチが。もしかしたらもしかですね。

ほんとに結構な数の少林與武當つまり、少林vs武當が入った映画を見てきたがこんだけ血生臭い少林vs武當はやはり張徹らしいというか、武當が完全に清朝側にいるということで他とは違う印象がある。

【他の少林與武當が入った映画】

「少林寺2」
 少林vs武當が一応終わった後なのかな?
これは最後の最後で協力して盗賊を打ち倒し、何と少林與武當で結婚しちゃいます。

「少林寺武者房」
 原題がこれと同じ「少林與武當」でバリバリ、ただし清朝に対立関係を利用されるも、陛下を諭して何と両者和解する。

「少林寺 怒りの大地」
 悪役の于榮光が会得しているのが武當拳で、少林寺館長の徐小明と対決。この時、于榮光が見せる武當拳がすげー好き。後に少林僧の主人公が この武當派からこっそりと武當拳を学んで復讐(ということは既に少林vs武當は終わってたんでしょうかね)。

で、今回は
少林vs武當 完璧に殺し合い

少林vs武當戦争真っ只中という感じか。
当たり前のように両者の血が流れ、死者が続出。
うーん、いやそうですか。

主な流れは簡単。

少林派 羅莽 江生
     孫建 楊菁菁(2人は少林派ではないが余太平と怨恨)

武當派 曹達華総帥が少林派撲滅を託すメンバー
     文雪兒 楊熊 王力
     余太平(以前に孫建、楊菁菁の師を殺害)
     鹿峰(少林派に仲間を装って近づく)
     錢小豪(実は反清つまり少林派、でも文雪兒と恋仲)

彼らが激しい功夫バトルを展開する。
もうなんか「報仇」の連打連撃、卵が先かニワトリが先か藤原のりかみたいな感じで、
繰り返しだ。シンを殺して何が変わるんだ!?」(from 「男たちの挽歌」)
と、周潤發(チョウ・ユンファ)を諭そうとした狄龍(ティ・ロン)のような気分である。

同じく張徹作品「刺馬」は簡単に言えば"悪ガキ3人衆"が力だけでのし上がり名を成すが、因果応報を喰らって結局自滅するといったもので、ラストシーンの後味の悪さも個人的にはむしろ心地良いぐらい、これはそうなってくれないと困るというかなんちゅうか、
例えば最近「グランド・セフト・オート3」というPS2のゲームを遊んだのだが、これの第一作がきっかけでアメリカで事件が起きて問題になったように、 "人殺しまくり轢きまくりおまけに娼婦車に連れ込みアリ"
と、主人公が悪いことし放題のゲームで(もちろん出来るだけ悪いコトしないでゲームを進めることも可能だが、仮想ではそうはイカンだろ。せっかく買ったゲームで全てのことをやろうとするのは至極当然の流れだと思う)、 しかもラストがまるで
「これからも悪いコトするぜ!イエーイ!」
みたいな終わり方で、全く因果応報ではなくこれでは
"どっちにしたって教育上悪いのは確かだわ"
ってな感じで面食らった。その分、「刺馬」のラストには納得がいく。

んだけど、今回の作品は
復讐が復讐を呼び、そして誰もいなくなった
置いてけぼりを喰らった文雪兒の呆然とした表情が観客の気持ちまで代弁させるというか、
それで何を感じれば良いんだろう
というような感想になってしまったことは否めない。

その要因の1つに出てくるはずの"清朝の存在"がないことが挙げられる。 よくある流れである、
"対立させられて殺し合いになりそうだったけど、そうはいきませんよ"
というパターンを踏襲せず、
"ていよく清朝に利用されて殺し合いまして滅しました 劇終おいおい"
これじゃーあんたら利用されっぱじゃん
と今回清朝側に完全についてはいるものの絶対的な悪ではない武當派が倒れたところで当然カタルシスも得られず、かと言って因果応報も得られない。
素晴らしい功夫があったから不快では無いにせよ、首を傾げたくなってしまうかな。

■ほほぉーー

というわけで、展開される功夫バトルは素晴らしいモノで、さすがにチームワークを組んでやっていただけのことはあるチーム全体でのキレ、スピード、力を存分に発揮しており、この辺のバランスは流石ですね。

羅莽vs余太平
羅莽vs余太平
羅莽vs王力
主に羅莽バトルでは素晴らしい技と力のぶつかり合い、 劉家良も唸らせるよなどっしり功夫を披露したかと思えば、

白服が江生

↑ この後、江生の右手が楊熊の大事なところをっ!
江生vs楊熊では江生の技のキレとスピード、そして身軽さを利用したアクロバティックな戦法と、楊熊の足技がしのぎを削る(孫建も足技メイン)。

鼻の穴が気になる錢小豪 錢小豪vs王力
デビュー当時でメチャ若い錢小豪が他に見劣りしない功夫を披露すれば、


羅莽vs鹿峰にて鹿峰の武器使いの巧みさが光り、圧倒的な強さを演出する。


ハイジャンプ脳天撃破!
おまけにこっちは孫悟空vs猿の子分みたいな、江生vs猿棍トリオの戦いが炸裂!(ボス猿は「愛奴」に出てきた燕順子(役名)やね)

こと功夫シーンに関しては、バラエティ豊かに何の申し分もない面白さなのだ。
個人的には江生さんが良いっすね。技の正確性とキレとスピードと身軽さと色々揃っていて抜群です。「上海13」でも腕前が光っていました。
まぁなぜ「五毒」から出さなかったのだろうという気もするが、これからも五毒メンバーの作品が楽しみです。この頃、楽しみ増えすぎ。


陳樹基(李亞松役)と蕭玉明(謝亞福役)
後は、彼らが結構良い味出してたなぁ・・・

以下はスズキ様より頂いた書き込み及びレスです。
書き込み有難うございました。
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五毒組のレビューだ!
スズキ 投稿日:2003年12月12日<金>22時15分
待ってました、いつかなるこうさんが五毒組をフィーチャーしてくれるその時を(喜!)来年はその名も「五毒拳」なるタイトルでDVD国内リリースが決定した様ですし、彼らが日本で名前を知られるのもこれからって所でしょうね。
郭振鋒は実は、裏方さんとして「孔雀王」や「帝都大戦」にも参加しており、役者としては倉田さんと共演する等、意外な日本絡みのご縁がありました。武術指導では世界的な活躍を見せておりますが、俳優さんとしても妙な存在感があって好きです。
得物(槍とか棒とか)を持たせると凄い技巧派、鹿峯。「南少林與北少林」がショウブラ時代では珍しいイイ人役で、茶店で女性と談笑するシーンが印象的でした(似合わなくて素敵)。
江生は重力無視のトンボ返り連発芸もさる事ながら、笑顔や仕草が何ともチャーミング。後の「バカ拳」は彼にババァ役を振る、梁家仁にカンフーできないジジィ役を振る、ラスボス高飛の死に様がバカ過ぎ、と掟破りな作品でした。
孫健は他の五毒映画でもワキ役が多いのですが、それだけに善人役から悪党まで演じる幅は広く、アクション面でも異様に上がる脚技で画面を賑わせてくれました。
羅奔はどうしてもあの筋肉に目が行きがちになりますが(とにかく脱いでますから…笑)力強いタッチの蟷螂拳が実にカッコ良く、演技面でもクッキリした喜怒哀楽の表情がまた魅力的で。 えー、ダラダラ書いてしまいましたが、それだけ私は彼らの映画が好きなんです。乱筆失礼しました。
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Res:なるこう(管理者)
題名:五毒やっと拝見しました 投稿日 : 2003年12月13日<土>10時54分
私も逆にスズキさんを待ってました(笑)
今回、レビューを書くときもスズキさんの五毒ページを参考にさせてもらいました。第一印象としてはそうですね・・・ほんと成家班や洪家班という意味とは異なり、劇団カクスコや東京シティボーイズといった劇団が織り成す戯曲のようなものを感じましたね。集団で一つのものを作っている安定感と安心感に激しい功夫、ということでこりゃ面白いですよ。

>「五毒拳」
結構確か来年5,6月だったと思いますが、そこまで我慢できるかなぁ・・・ 通常の復刻が先に出たらそっち買うかも・・・早く見たい&そっちがたぶん安いですしね。
>郭振鋒さん
超単純な感想ですが、郭振鋒さんって感じ良いっすよね。仰るとおり存在感もある。今もたぶん見られるかと思いますが、倉田さんの公式サイトにて「黄龍」でのエピソード、
「俺(倉田)の殺陣は俺が付ける。後の殺陣は郭振鋒にやらせたので、
 郭振鋒の面々はさっさと終わらせてカラオケが楽しそうだった。」
みたいな発言が面白かったです。
>「南少林與北少林」がショウブラ時代では珍しいイイ人役
おおありましたか!香港さん(笑)
「少林寺」つまり'76の時点で悪役でしたので、善役の道は閉ざされていたかと(笑)思いました。「南少林與北少林」そのものもかなり楽しみな作品です。
>江生さん
キレが良いっす!
それこそ元彪vs江生なんて見たかったなぁ。
構築次第で凄いバトルシーンになりますよ。「バカ拳」だけは確かに「邦題に文句のつけようが無い」というかバカですね(笑) スズキさんからあれは江生だと教えてくれなかったら私は一生気づかなかったかもしれません。
>とにかく脱いでますから…
くくく(笑) クライマックスでも 「俺も戦うんだ!」 と死地に飛び込みますが、その前に「なぜ脱ぐ!?羅奔!?」でした(笑)
いやーほんと、これからが楽しみです。
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■CAST&STAFF
監督 張徹(チャン・ツェー)
出演 羅奔(ロー・マン)
江生(ジャン・シェン)
錢小豪(チン・シュウホウ)
文雪兒
孫健(スン・ジェン)
鹿峯(ルー・フェン)
王力
楊熊
林志泰
陳漢光
陳樹基
蕭玉明
余太平
楊菁菁
曹達華(チョウ・ダッワー)
關鋒
尹相林
劉晃世
武術指導 郭振鋒(フィリップ・コク)クレジットは郭追
鹿峰
江生
脚本 張徹(チャン・ツェー)
倪匡(イ・クオン)
音楽 王居仁
製作 方逸華(モナ・フォン)
制作年度 1980


秦俑
Terra Cotta Warrior
テラコッタ・ウォリア
※題名クリックAmazonで確認できます。


あ、あの・・・
英雄」よりよっぽど面白かったのですが・・・

この作品は膨大な制作費と年月、大量のエキストラを配して大々的に製作された壮大なスケールでお送りする一大歴史スペクタクル。邦画の「敦煌」とかさっきの「英雄」とか、そんな感じ・・・・

だとてっきり思ったが!!

フタを開ければ、
まるで監修に王羽(ジミー・ウォング)を呼んだんじゃねーか?
と思われても仕方ないような超メチャクチャな展開を強引にまとめてしまう、
まさに
This is Hong-Kong Movieたる王道作品!!
予備知識を入れていなければ全く予測できない展開に唖然の物語を香港娯楽映画テイストで見せきってしまうバイタリティ!たくましさ!
そこにどうしても一見して、芸術作品に偏重している印象を受ける張藝謀(チャン・イーモウ)と鞏俐(コン・リー)さんが、まるっきし香港映画テイストのお芝居でシリアスからコメディまで演じきってしまう度量の広さと、映画人としての心意気の良さ!(鞏俐さんは他にも色々やってらっしゃいますけど)

香港映画の面白さとはこういうことだ

と、改めてそれを楽しませてくれる一品でございました。

なんという流れ

時代は3000年ぐらい前、日本という国が何にもあらへんような時代。
時の始皇帝は万里の長城を建設中。
建設主任にして第13代武術指南の張藝謀(チャン・イーモウ)は優しい人で、建設に使う村民を気遣える心の広さがあった。

しかし、有名な話で始皇帝は暴君。
忠誠を誓いつつも張藝謀(チャン・イーモウ)は心を痛ませていた。

始皇帝に仕える道士たちは不老長寿の薬を研究。が、失敗。
始皇帝 「きさまら生き埋めじゃっ!」

いいわけいいわけいいわけいいわけいいわけいいわけいいわけいいわけい
道士  「お、お待ちください皇帝様!いいわけいいわけいいわけ ここより遥か東の島国に不老長寿の薬を作る術を知っている仙人がおります!いいわけいいわけいいわけ だだだ、だけどその仙人に合うためには吉日の日に美女をいっぱい連れて旅立たねば仙人は会ってくれませぬっ!!」いいわけいいわけいいわけいいわけいいわけいいわけ

あんた完全に自分で何言ってるかわかってないやろ

始皇帝 「ほー、では旅の準備をせよ。」

納得するのかよっ!!
メチャクチャ言い訳じゃったやんか!!


処刑を逃れるため口から出たデマカセを信じたバカの始皇帝のせいで、
旅の準備が始まった。
村の美女である鞏俐(コン・リー)も連れて行かれる1人。
だが彼女は
「そんなとこ行くぐらいなら死んでやる!」
と、反目。
これを優しくとがめたのが始皇帝の親衛隊長に任命されていた張藝謀だった。
張藝謀 「自分を大切にしなさい」

その後も反目する鞏俐にあくまで優しく接する張藝謀(チャン・イーモウ)ということで、張藝謀&鞏俐カップルが誕生した。

それにしても、張藝謀さんの二枚目じゃないとこが逆にリアリティがあって渋くて結構良い感じだ。

張藝謀 「大事な行いごとの前にイチャイチャしてたら謀反になってしまう」
とか言いながらも、また寒そうなところでエッチはしっかりとこなす張藝謀&鞏俐であった。

ところが、旅の前に不老長寿の薬が完成してしまう。
道士たちはこれを、
「また失敗したらやだ(次の言い訳がさすがにない)」
つーことで、破棄する。

鞏俐は旅立ちの前に遂に脱走を計るものの捕獲される。
立場上、彼女を処断せねばならない張藝謀であったが、
既に彼女と共に死ぬことを決意していた張藝謀は2人の処刑に臨む。

始皇帝のわずかな助けを無視し、死を選ぶ張藝謀。
鞏俐は火あぶりの刑に処され、張藝謀は土で塗り固められ人型の柱、つまり兵馬俑にされて生き埋めにされてしまう。

と、ここまでは歴史スペクタクルであってまともだ。
それにしても「ゴッド・ギャンブラーU」で敵の超能力者が周星馳によって幻覚をかけられるシーンがあるんだけど、それってこの鞏俐火あぶりシーンのパロディだったのね。

1930年代

  ・・・え?
空港で新作映画の派手なプロモーションが行われた。
女優の鞏俐が主演の于榮光に売り込み。
でも主演女優はちゃんと用意されてた。はぁーあ
売れないってのは辛いやねぇ・・・

その後も、脇役の鞏俐が撮影でドジ連発。
お前は「インベーダー作戦」のマイケル・ホイか!このやつこのやつ

つーかあれ?なにこの展開?

だけど、実は于榮光はじめ監督など撮影クルーは骨とう品荒らしの盗賊団だった。そんなあほな。
この于榮光、金儲け至上主義らしいが、

あんた大スターなんだからそのまま稼げばなれるやんか!

そんな俺の声は于榮光が調べる洞窟に空しく響くだけだった。
ガセネタ掴んできた情報屋の爺さんを1人殺したところで、鞏俐に見つかるも、于榮光の機転で撮影のリハーサルとごまかした。

秘密を知られた于榮光は鞏俐殺しを画策。
自家用飛行機(2人用)で飛んだところで銃殺する腹だ。
それにしてもこの緊迫感の無いのんびりBGMはどうしたものか。
しかしもって、
殺す前に銃を落とした于榮光、それを拾った鞏俐が銃を暴発!
飛行機操縦不能!
于榮光はパラシュートで脱出したものの、
鞏俐は飛行機とともに落下!落下した先は空洞になっており、そのまま飛行機ごと鞏俐は地中へ引きずり込まれた!(よく生きてるけど)

ここは始皇帝の墓。落下の衝撃で
兵馬俑になっていた張藝謀の土がはがれるとなんと本人復活!
鞏俐は火あぶりにされる前に密かに持ち去っていた不老長寿の薬を張藝謀に呑ませていたのだ!

んだけど、1930年代の鞏俐は張藝謀をバケモノ扱い!そりゃそうだ!
そりゃそうだもなにもそれは間違いなくバケモノだ!
年齢が3034歳ぐらいだぞ!
撃っても死なない!そりゃそうだ!薬飲んでるもん
完璧にバケモノだ!


盗賊団が落ちた飛行機を追って、穴に降りて来た。
知らずに助けを求める鞏俐、逆に盗賊団に捕まってしまう。
張藝謀がこれをブシャブシャ斬って助ける! 2人で飛行機脱出!

ついに1930年代の中国に出てしまった張藝謀。
まるで「続・猿の惑星」・・・いやいやあれは「新・猿の惑星」だな。
ちなみに「猿の惑星・征服」「最後の猿の惑星」と無理な話が続くのだ。
当初のチャールトン・ヘストンもこんな素晴らしい映画が、無理やりシリーズ化されることによって、B級娯楽映画に成り果て、しかしカルト的なシリーズになるとは予想だにしなかったろう。モキー!

負傷してるので(でも不老不死だから関係ないが)病院に連れて行かれる張藝謀。

不審者が近くにいたので、様子を確かめるべく障子に穴を空けようとする張藝謀、しかし障子ではなくガラスだった!!
不審者が近くにいたので、行灯の火を消そうと息を吹いた張藝謀、
しかし行灯ではなくランプだった!

張藝謀面白すぎ!
真面目な顔してるからなおさらおかしい。
つーか映画のジャンルが変わってるんですが

鞏俐がバカで撮影に戻り、
于榮光を責めたもののさっき殺されそうになった件はうやむやに。

張藝謀は3000年前の姿で中国を駆け回った!
あの「英雄」の監督さんがこんなバカ、いやいや何の迷いも無く頑張ってらっしゃる姿が素晴らしい。

張藝謀が3000年前の人間であることを知った于榮光、取引先の相手に彼を売り、自分は張藝謀から聞いていた始皇帝の墓を探ることに。列車の中でハメようとしたが、彼の剣の腕では銃も歯が立たず、計画は失敗。っていうか、不老不死なので銃だろうとなんだろうとですが。

やっと彼への愛に気づいた鞏俐は3000年後の万里の長城で再び結ばれた。

再び始皇帝の墓へ。
于榮光率いる盗賊団と一戦交えたところで、
張藝謀、鞏俐、于榮光が墓の奥に取り残された。
遂にそこから大量に兵馬俑、そして遂に始皇帝が眠る棺が現れた!

そして何でだか理由はさっぱりわからんが、
墓場そのものが地上にせり出した!!どかーん!!
地上は空港でジェット機やらなんやら、
そこに始皇帝の親衛隊が復活し、馬に乗ってやってきた!
盗賊団vs親衛隊の時空を超えた戦いが始まった!!


なんじゃこりゃ!!

なんで復活するんじゃ!!
そんな疑問に答えるような余裕は劇中のどこにもなかった。

壮絶な戦いの末に、何とか盗賊団そして于榮光を倒すものの、
鞏俐は被弾してしまう。

鞏俐 「また生まれ変わって出逢えるわ・・・」
張藝謀 「ずっと待っている」

1990年代

観光客が訪れる。
たくさん発掘されたあの有名な兵馬俑を見るために。
兵馬俑を興味深く眺める観光客の美女。
彼女の名前は言うまでもないだろう・・・


終劇



すげーな、これ。
一つ間違えば、いや正しければなのかようわからんが、
いわゆる歴史の勉強の一環として使われそうな映画、
歴史の授業で学校で先生が流しそうな一編ではある。
最初の40分ぐらいは。
しかし、実際に流したとなったら後半の展開で
生徒たちの爆笑・失笑かうこと間違いなしになってることうけあい。

純粋な歴史スペクタクルロマンとして作ろうとすれば、いくらでも作れたところを敢えて一大エンターテイメント王羽的バカ入った映画に見事仕立ててしまうこの感性こそ、香港映画そのもの暴走バイタリティな醍醐味だといえよう。

それにしてもあの難しい顔して「英雄」撮ってた張藝謀(チャン・イーモウ)が、この映画でこんなにも(いや、劇中も本人は真面目なのだが)香港映画らしい活躍をしてるとは驚いた。「英雄」が同じく始皇帝暗殺の話であったことも何かしら本作と関連があるのだろう。本作の策劃は張藝謀である。

鞏俐にしても全く同じ。
他のアジア女優、日本の女優さんの羨望の的でもある鞏俐さんだが、
"それがどうした、私はやりたいからやるだけ"
と、余裕で今回の役をこなすサマは本当に気持ち良いものだ。

私は堅苦しい映画は苦手なので、歴史モノはあんまり好きではない。
ということで、この作品も手を出しにくい感があったのだが、
そのように思っている方が他にもいれば是非手に取ってみてほしい娯楽映画である。


■CAST&STAFF
監督 程小東(チン・シュウトン)
出演 張藝謀(チャン・イーモウ)
鞏俐(コン・リー)
于榮光(ユー・ロングァン)
呉天明
陸樹銘
謝博文
張俊英
趙志剛
武術指導 程小東(チン・シュウトン)
劉志豪
王赤
胡智龍
脚本 李碧華
音楽 願嘉輝(ジョセフ・クオ)
黄霑(ジェームス・ウォン)
主題歌主唱 葉倩文(サリー・イップ)
製作 朱牧(ジュー・ムー)
徐克(ツイ・ハーク)
韓培珠
策劃 張藝謀(チャン・イーモウ)
制作年度 1989


新鴛鴦胡蝶夢

さてさて。
年明け(2004)一発目はというか、私今年は年始に1人ですよ。
紅白も1人で見たんですよ。なんという寂しさか。

というわけで、
年明け一発目は台湾より傑作B級アクション映画の紹介です。
この映画、なにとも知れずにいつもの安価入手なのですが、
パッケージがなかなか格好良く、キャスト読めば台湾映画とわかるし、馴染みのある顔は
画像は「少林鬥喇嘛」より
羅鋭(アレクサンダー・ルー)しかいないものの、
「面白いかもしれない武侠片だ!」
となること請け合いである。
しかし、観た感想としては全然違うものになっちゃったんだな。
それでは行ってみましょう!

流れ

幕が開けるといきなり、羅鋭(アレクサンダー・ルー)扮する烈陽がギャル連れて戦ってます。1993年製作でわかるとおり、ワイヤーアクションブームの真っ最中。
台湾でもそれは例外に漏れず、ワイヤーびゅんびゅんの剣劇アクションが冒頭からビシバシ展開!

先に言っちゃうけども、この台湾製ワイヤーアクション、
結構良い!

多分推測だけど、香港に比べて予算も技術も無いので、
それと同じ事やるには俳優個人のポテンシャルがより要求される
つまりそのワイヤーアクションやる人間が実際に腕自慢でないと出来ないだろうってこと、林青霞(ブリジット・リン)じゃ無理だろうってことだ。
ということは、その分アクションがより生身アクションになる!
ってことで、より俺好みのワイヤーアクションになっちゃうという形だ。

烈陽 「お前は弟弟子の古雲!?」

烈陽の敵は弟弟子の古雲だった。

烈陽 「裏切ったのか!?」

?? 「ちょっとセリフが臭いわねぇ、書き直しましょ」

烈陽 「どうしてお前が!?」

?? 「おんなじようなもんか・・・」

古雲 「ふははははは!」

?? 「あっはーん♪うっふーん♪」
古雲 「ふははははは!」
?? 「あっはーん♪うっふーん♪」

?? 「うるさいわねぇ・・・」

ピッ

?? 「お姉ちゃん、どうして消すのよ!」

・・・・・・・・・・・・・・というわけで、ってそのわけがわからんって、
つまりですな。
武侠片が始まったのではなく、武侠片の漫画を執筆中のお姉さんだったのだ(その漫画に羅鋭が出てたのだ)。そして隣の部屋で妹がポルノ映画を観ていてうっふんあっはんというわけだ。

武侠片じゃないのかよっ!!

パッケージをもう一回見直してみる。
うーん・・・・・これはどっからどう観ても武侠片と思わせるパッケージ!
しかし、よーくよーく見ると真ん中に小さく写ってる忍者みたいな奴がジーパンを履いている!ややこしいパッケージにすんな!
だから観た感想というか、観たジャンルが変わってしまったのです。

ってことで、現代劇が始まってしまい、ちょっと不満な私。
話は続く。

武侠片女流漫画家の岳虹は新作の執筆中(お前は高寶樹か)。
漫画に登場させるキャラクターとして自分の身近にいた人物をモデルにしてキャラクターを作っていた。そう言えば、「千と千尋の神隠し」の千尋は親戚の子供と宮崎駿監督が言っていたように、そういうことはよくあることなのだろう。

そして、漫画キャラ古雲のモデルは友人の焦恩俊、
烈陽のモデルは焦恩俊の兄である羅鋭、ちなみに羅鋭は劇中でもアクション俳優で、またも突然功夫映画が始まったと思ったら、こちらも劇中劇とわけがわからなくなるのだが。
妹の安安(役名)と友人のシャオ、4人がファミリーである。
彼らがレストランで武侠片について、林青霞(ブリジット・リン)について、梁家輝(レオン・カーフェイ)について、「ドラゴン・イン」について何か会話してるのだが、はっきりわからないのが残念なところ。

どうもどっかのチンピラどもに妹・安安がバカにされたらしく、
怒った焦恩俊とシャオは仕返しに。
ところが、チンピラどもはダイヤ取引の最中で、そのうやむやに相手組織がダイヤをネコババ。チンピラどもは焦恩俊がダイヤを取ったと勘違い。
功夫映画撮影のロケ場所でダイヤを巡って大乱闘になり、
羅鋭が撮影用のバズーカ持ち出し、一旦組織は逃げ出した。

羅鋭 「やれやれ、焦恩俊には困ったもんだぜ。」
岳虹 「そんなことより、うふふ・・・・」
といきなり始まる濃厚なラヴシーン。
ここに焦恩俊がハチアワセ!焦恩俊は岳虹大好き人間、そして羅鋭との関係を知らなかったもんだから、さぁ大変!

焦恩俊 「漫画の中ではあれだけ格好良いキャラ(古雲)にしてくれてたのに、好きなのは俺じゃなくて兄貴なのか!!」

羅鋭 「まぁまぁ、漫画は漫画で現実は現実やから・・・なぁ兄弟。」

焦恩俊 「俺は岳虹に指一本触れてねぇ!兄弟なんて言うんじゃねぇ!!」

羅鋭 「その兄弟と違うがな!まぁまぁここは話を聞いてやな・・・」

焦恩俊 「うるせー!!現実がみじめやから、漫画でフォローか!?漫画でフォローか!こらぁ!!

岳虹 「漫画でフォローです。」

焦恩俊 「うがー!!きさまら、もう許さん!!」

側にあった、デッサン用の剣を取り構える焦恩俊。

焦恩俊 「俺は古雲!きさまは烈陽!俺の敵だ!!

憤然とその場を後にする焦恩俊。
その後は失恋中の焦恩俊をシャオが慰めるも無駄無駄。
傷は相当深いようだ。

執筆を続けるのがしんどくなってきた岳虹だったが、締め切りがあるので描かないわけにもいかない。
劇中劇である、武侠片の中では古雲はさらに活躍、ある一派の強いボスを打ち倒し、その首に賞金をかけていた一派に届けるといった展開だ。

ぴきーん!!
この漫画を読んだ(掲載されるのが早いっすね)焦恩俊が狂い始めてしまう。
焦恩俊 「俺こそが古雲だ!俺こそが古雲だ!」

いつ気づいていたのかわからんが、
ダイヤをネコババした組織のとこに乗り込んだ焦恩俊はたった一人で組織を壊滅させ、ネコババした奴とダイヤを持って、以前のチンピラどものボスに突き出した。つまり漫画と同じことした。

ボス 「なかなかやるじゃん。組織に入らないか?」
焦恩俊 「そのつもりだ。」
ボス 「お前の名は?」
焦恩俊 「俺こそが古雲だ!俺こそが古雲だ!」
ボス 「わかったわかった(なぜ名前を主張するのだ?)。」

その日から、黒社会のヒットマンとして焦恩俊、いやいや古雲が暴れ出す。
相手組織の邪魔なやつらを次々と抹殺。ここのボスにとって、目の上のたんこぶであった巨大組織までも粉砕してみせた。

それにしても彼、焦恩俊は初めて見る人だけど前半のお調子者な二枚目半のコメディから、中盤にかけて1転、長髪をなびかせ完全二枚目クールで芸風が全く変わってしまうあたりが凄い。また孟飛(メン・フェイ)に似てるんだよね。

古雲として活躍する焦恩俊。
しかし、これに対して岳虹が更正させようと取った手段が実に効果的なものであった。

焦恩俊とイチャイチャしてしまえばいいのだ!

もともと、失恋から始まった狂騒劇なのだから、岳虹が振り向けば解決するのだ。岳虹とイチャイチャするうちに、だんだん元の自分を取り戻していく焦恩俊。

焦恩俊 「兄貴。いや兄貴というか俺はイチャイチャはしたが、ナニはしてないので兄弟じゃないけど、兄貴。」

羅鋭 「どないやねん。」

焦恩俊 「兄貴に岳虹は譲るよ。色々迷惑かけて悪かったな。」

兄弟というか兄弟じゃないけど兄弟はその仲を取り戻すのでした・・・


終劇?


ボス 「ふざけるな!勝手に終わるな!」

怒ったのは焦恩俊を雇っていたボスだった。
そりゃ漫画キャラになった気分で、黒社会を荒らして正気に戻って「ハイサヨナラ」じゃ誰だって怒るだろう
というわけで、岳虹を誘拐。

ボス組織と焦恩俊、羅鋭らの最後の戦いへ。
ボスはとんでもない足技の使い手・・・ん?足なんだから使い足?
そんな疑問をよそに、ワイヤーアクション、ガンアクション、功夫アクション、爆発アクション、
流行の全てを取り入れた大クライマックスバトルが始まった!!


ほんとに終劇




面白かったです〜!
冒頭は激しいワイヤーアクションに始まり、くるくる展開するアクションに目を奪われつつも、突如現代劇に戻ってしまいがっかり感が漂いましたが、
焦恩俊が古雲化するという、漫画と現実をリンクさせる話の展開が面白く、
劇中劇では武侠ワイヤーアクションが、
劇中では香港ノワール爆発アクション+功夫アクション
と2つのアクションが楽しめ、
ラストにおいては、「スウォーズマン 女神復活の章」も「男たちの挽歌」も「ニンジャ・ハンター/炎の勇者たち」も全部来ましたー!!
ってな凄い勢いと迫力あるバトルで大満足!
ボス役やってた人の足技と焦恩俊、羅鋭の功夫ワイヤーバトルもかなり面白いです。

相当な火薬量も使っておりますので、かなりの大作だったんでしょう。

お話も武侠片、コメディ、香港ノワールと一緒くたでありながら、ぶつ切りにならずにうまく統一されてあって、古雲化のアイデアも結構新鮮で十分良い感じ、日本でビデオ化があっても全然おかしくなかった作品ですね。

台湾も侮れません。


■CAST&STAFF
監督 蘇〔三元〕峯
出演 焦恩俊
岳虹
羅鋭(アレクサンダー・ルー)
黄倩茄
張蓋騰
邸英洪
朱昆洋
陳裕正
虜金寶
武術指導 張蓋騰
朱昆洋
邸英洪
脚本 ケ文華
音楽 黄志遠
策劃 徐永明
製作 李信
製作総指揮 呉福運
制作年度 1993


The Matrix Reloaded
マトリックス・リローデッド


とりあえずあれっすね。
話如何の厳しいご意見は色んなところから聞こえてくるので、
俺まで言うことはないわなってわけであんまり言わないが、
ここまで前作は観てない、
予備知識が無い人を切って捨てている映画ってのも凄いね。
前作観てないとさっっっっっっっっっっっっっっっっぱりわからんでしょうね。

話の感想は色々書いてみたけど、やっぱいいや。
いちいち俺が言う必要もないでしょ。

「だからこそアクションいっぱい増やしたので、そっち見てください!」
兄弟の声がここまで聞こえてくるようだし、
そっちだけに焦点をあててみよう。

その前にキアヌくんとフィッシュバーンさんとトリちゃんは好きです。
普通に役者として。

白人功夫の限界?

いや、結構面白いですよ。
でも限界なのかな?

感じたことはこの2つ。
醉拳U」で述べたように、
単純に功夫シーンがいっぱいあってそれだけである程度の満足感を得られる私にしてみれば

キアヌくんvs倪星(コリン・チョウ)
サモハン秘蔵っ子の登場だー!

キアヌくんをさがせ!
キアヌくんvsスミスくんたっぷり

しぇけなしぇけなべいべー♪
ダブル内田裕也とか


唐李禮監督だったらCG使わないでやっただろうな・・・
魚バーンvsエージェント

と功夫対決はたくさんあって時間も長く、
話題の高速道路シーンも面白いのでまぁそれだけで十分良かったかなというか、
まぁいいや。って気分ではある。
そうじゃない人はどうすんだろってのもあるが。
つーか、そこだけが面白かった。

ごちゃごちゃ言ってみる前に、
キアヌさんはじめキャストの皆さんが一生懸命にトレーニングに励んで
このようなアクションシーンを撮ったのは素晴らしいこと。
それだけ頑張ったということには敬意を払いたい。

映像効果の素晴らしさ斬新さは言わずもがな。これぞ大スクリーンで見ておくれってシーンがてんこもり。それだけでも非常に楽しめる映画だと思う。ただし、どうしても厳しいのかなと思う点が2つ。

救世主・キアヌくんが全く強く見えない そして 
彼らの功夫アクションはここまでなのだろうか


面白いことは面白い。
ただその前にこういった限界を強く感じたのが正直な気持ちだろう。
前作で救世主として目覚めたキアヌくんは今回とてつもなく強く、見たままスーパーマンだった。その演出の批評はどうでもいい。ただ、
強いことが功夫において美しく映えていたか?
と問われれば「全然強く見えない」ということになる。強すぎる設定だけど強く見えない。
なんかごめん、俺の書き方がそのままマトリックスの禅問答みたいになっちゃった。

いやね。
足りてないんですよ、どう見直しても功夫シーンに必要なあれとかあれが。
袁和平(ユアン・ウーピン)様がどうしたことかなぁ?と思ったんですけど、やっぱ足りてないと思うんですよ、これ。

最低限、リズムと間は必要でしょ

兄弟は座頭市とか黒澤作品とかもいっぱい見てるはずでしょ?
それなのにどうしたの?
って感じで、激しい功夫が確かにそこにあるけど同時にそこからリズムも間もバリエーションも感じられないの。
じゃもう1人、中国武術界の救世主・黄飛鴻、いやいや李連杰(ジェット・リー)を思い出してみよう。
できれば、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱」('92)の最初に白蓮教と闘うシーンなんか思い出してくれればベストだ。
パパッ パパパパッ  パパパッ  ボンッ
ちょ、ちょっと正確じゃないけどサクッと最初に白蓮教の連中を4,5人なぎ倒していくとこ、ソフトを持っている人は画面を見ないで音だけ聞いてみてもらいたい。そこにはしっかりとした
"功夫リズムと戦いと戦いの間"が刻まれているはずだ。
ザイオンの救世主と中国の英雄、どっちが強く格好良く見えたかな?

これこそが強さを表現するものだ そして 
功夫シーンを面白く興奮させてくれるのだ



でも、キアヌくんと李連杰を比べるのは余りに酷でしょ?

まぁ半分はそうだろう。酷だ。最初から比べることがおかしい。
俺がおかしいのよ、らりぱっぱーって、こらー!
とノリツッコミはおいといて、さらに例を出してみよう次はジャッキー「龍拳」だ。
「龍拳」でジャッキーが龍拳習得後、
高強(コー・チャン)とこのチンピラをサラッとなぎ倒すシーンを振り返ってみたい。
特に龍拳3発をサクッと白服のチンピラに叩き込むとこに注目してほしい。

まさにリズムと間だけで強さを格好良く表現したシーンである。
なにもCGたくさん使ったりしなくとも"リズムと間"だけで強さというものは表現できるのだ

でも、キアヌくんとジャッキーを比べるのは余りに酷でしょ?

シャンハイナイト」なんか見ればわかるが、小道具を使ってのアクションバリエーションの豊富さ、リズムと間に関してはもう王様だろう。
ただ「龍拳」ジャッキーはそうではない。
冷静に考えて、この3発叩き込むシーンだけなら俺にでさえ真似できる。
それであればトレーニングしまくったキアヌくんなら、これぐらい再現できるはずだ。
この映画の功夫シーンには決定的にリズムと間が無いのだ。
だからどうしてもスカスカペタペタボソボソしたものに感じるのだ。キアヌくんが強く格好良く見えないのだ。
もしこれにあったらと思うとそりゃーすげーCG効果と相まってもっと凄いシーンになってた気がする。

それじゃーあんた
武術指導に袁和平じゃなくて、誰を呼ぶって言うのよ?
載徹(ロバート・タイ)でも呼ぶか?

と自分で反論思いついたりするのだが、そこが今回の問題というか「限界なのかな?」と思うところで、

ハリウッドで求める功夫シーン、つまり従来のハリウッドファイトテイストを考慮した上での、
あくまでアメリカ感覚で求めている功夫シーンの頂点がここなんじゃないかと思うのです。
そこに当然、香港映画的功夫の旨味は望めず、アジアマーケット向きとしては何れ飽きられるものだと。

袁和平が以前に、
「私は監督の表現したいアクションを構築するだけ」
と語っていたように、功夫映画のように武術指導にそんなに権限があるとは思えないし、
監督が「違う」と言えば、しょうがない。

波及して心配なのは、ワイヤー功夫ブームはさすがに下火になっていきそうだなってことで、
下火ついでに大挙してハリウッドに駆け上がった香港スター達はどうなるのだろう?
っては気はするかなぁ。


余談で倪星(コリン・チョウ)格好良いね!

■CAST&STAFF
監督・脚本・製作 ウォシャウスキー兄弟
出演 キアヌ・リーブス
キャリー・アン・モス
ローレンス・フィッシュバーン
ヒューゴ・ウィ―ビング
ジェイダ・ピンケット・スミス
グロリア・フォスター
モニカ・ベルッチ
倪星(コリン・チョウ)
ノーナ・M・ゲイ
ランダル・ダク・キム
ハリー・J・レニックス
ハロルド・ペリノー・Jr.
ニール・レイメント
エイドリアン・レイメント
ランバート・ウィルソン
アンソニー・ウォン
ヘルムード・バカイティス
クレイトン・ワトソン
アンソニー・ザーブ
マット・マッコーム
動作指導 袁和平(ユアン・ウーピン)
制作年度 2003


無問題2
No Problem2
無問題2


さぁて、正月(2005)らしい作品選びになったかなという感じです。やっぱ正月はこういう楽しいのが良いやね。
前作の「無問題」はアクション控え目でかといってコメディアクターとして岡村くんが縦横無尽に振舞ったというわけでもなくイマイチだったのですが、今回は監督も錢嘉樂(チン・ガーロッ)に代わってアクションもコメディも香港の濃い味付けバッチリ、パロディたっぷり、岡村くんも大活躍の作品になりました。

流れ

オープニングアニメから良い感じす。
キック・ザ・カン・クルーの主題歌は香港でもやっぱ流れたんだろうな。

のっけから呉字森(ジョン・ウー)映画の夢なんか見て香港映画大好きの岡村さん。でも実際は厨房で働くケチな料理人で、今日もオーナーの六平直政さんに怒られる毎日。ボーイの田口浩正から出前を奪い取って、サボリに繰り出してパチンコ・・・全く当たらず。しかし、岡村くんは開店一万人記念だったとして香港旅行に当選!

ところで田口浩正さんがもとお笑いコンビのテンションだったって知らない人も多いんじゃないでしょうか。早い段階から俳優の方で芽が出ましたから。ダウンタウンが出た後の天素は結構面白かったなぁ。

香港。
財閥・太田グループの跡目争いで、お嬢様の酒井若菜と叔父の菅田俊が争うような感じに。
裏で密輸や横領を繰り返していた菅田は倪星(コリン・チョウ)率いるマフィアに酒井若菜暗殺を指令。
それにしても。
グループの総帥に笑福亭仁鶴師匠ですよ!
どんなかなー
これは笑った。関西圏に住む人なら誰でも笑うでしょう。

全然関係ない岡村くんは香港旅行をそれなりに満喫。
しかし、突然出てきた元彪(ユン・ピョウ)に殴られKO。
元彪がずっと捜している裏切り者の弟弟子・無敵と彼を間違って殴ったそうで、お詫びに食事をおごることに・・・おごると言っておきながら、元彪逃げやがった!

高級料理の御代を払わされて財布も寒くなった岡村くん。
ボケたフロントじいちゃんのおかげで自分の部屋を間違えたりなんかして。その間違った部屋には酒井若菜暗殺を依頼された殺し屋・無敵が!全く持って敵うはずない相手だったが、これを殺虫剤で何とか片付ける岡村くん。おかげで自分が殺し屋と間違われ、酒井若菜暗殺実行へ。

現場に登場するも岡村くんは酒井若菜に一目惚れ。
そんなあんた、そのぐらいの芸能人は見馴れているでしょうにっていうのは置いといて、任務を遂行しない岡村を見て組織は手下に酒井若菜を殺させようと一騒動起こすが、逆にこれを岡村くんが助けることになる。あっという間に一目惚れしたのは酒井若菜も同じだった。岡村くんにボディガードを頼む酒井お嬢様。

恋敵のライバルである刑事の李燦森(サム・リー)とすったもんだしながら楽しいデートをしていたが、その最中に酒井若菜は誘拐される。
お嬢様を追って「ポリス・ストーリー/香港国際警察」のバス追っかけパロディが楽しい。
楽しいがお嬢様を助けることは出来ず、さらに捕まってしまう。

警察署に出てくる曾志偉(エリック・ツァン)や監督の錢嘉樂(チン・ガーロッ)ゲスト出演もまた楽しい。楽しい最中に今度は元彪と妹の盧巧音(キャンディ・ロー)が署に乱入。得意の功夫で警官を蹴散らし、岡村くんを脱出させる。その最中に偶然盧巧音とキスをしてしまった岡村くん。出っ歯の盧巧音に惚れられることに。

殺し屋・無敵を捜している元彪に軟禁されてしまった岡村くんは、これを脱出してお嬢様奪還を狙う。が、ここで倪星(コリン・チョウ)にボコボコにされて自信喪失。元彪家で気の無い人間になってしまう。
元彪 「俺が功夫を教えてやる!」
とか言いつつ、早速「ベストキッド」のパロディをさせられる岡村くん。こんなんで強くなるのだろうか。一応、奥義は習ったんだけど。

遂には殺し屋・無敵と対決。
元彪が功夫バトルを披露した後は、中途半端に習い覚えた酔拳と"かめはめ波"のような奥義でこれを遂に倒した!
後は倪星(コリン・チョウ)らだけだ!

最後の戦いに臨む岡村くん!
しかしこの戦いの結末がどのようなことになろうかは全く予想がつかない岡村くんなのであった・・・

終劇




ベタだけど、最後のオチが好き。
正直、盧巧音(キャンディ・ロー)の方が可愛いもん。
お嬢様の役を常盤貴子様がやってたら最高だったんだけど。

厳しい目で見たら、そりゃああかんですよ。途端に面白くなくなってしまう。いきなりお嬢様がどこの馬の骨とも知らない岡村くんにボディガードなんか頼むわきゃないし(せめて強いか弱いか判断するだろ)、ベタなギャグも続くので醒めた目で見たら一気につまんなくなってしまう。

しかしこれ、正月の呑気な目で観たら実に楽しい映画。特に俺のような香港映画迷にしてみれば、
・元彪がアクションにコメディに頑張ってくれるし
・倪星(コリン・チョウ)の悪役ぶりが良い感じだし
・数々のパロディがバカバカしくとも面白いし
・相変わらずの曾志偉(エリック・ツァン)が笑えるし
そのレベルどうこうではなく、お馴染みの面々が2002年になっても'80年代当時のテンションのままで出ていること自体が楽しいのだ。ながーく香港映画と付き合ってればわかることだが、私はこの映画に過激な香港アクションなぞ元より望んでいない。それぐらいは観ずともわかる。

日本人キャストのゲスト出演も面白く、田口さんや六平さん、仁鶴師匠に「メッセンジャー」の矢部さんまで登場して楽しませてくれます(「メッセンジャー」は香港でヒットしたらしいです)。

それにしても流行りはもう原宿というより新宿というより下北沢というより、東京なんか特に何処でも売っているような状況なので、何処でもいいんだけどね。

しかし、岡村くんはサモハンにも元彪にも蹴られて、キアヌ・リーブスと闘った倪星(コリン・チョウ)にも蹴られて、後は成龍(ジャッキー・チェン)を残すのみだな。

気楽に観るには良い作品す。


■CAST&STAFF
監督・動作指導 錢嘉樂(チン・ガーロッ)
出演 岡村隆史
元彪(ユン・ピョウ)
酒井若菜
盧巧音(キャンディ・ロー)
李燦森(サム・リー)
菅田俊
黎耀祥
倪星(コリン・チョウ)
元振
笑福亭仁鶴
六平直政
角替和枝
田口浩正
矢部浩之
羅家英(ロー・ガーイン)
劉以達
曾志偉(エリック・ツァン)
錢嘉樂(チン・ガーロッ)
李珊珊
香海
松本志のぶ
長井律子
春日井静奈
梁國輝
マーク・レッドモンド
陳詩雅
張偉理
黎強根
脚本 梁コ森(サム・レオン)
音楽 山田次朗
富樫春生
ヲノサトル
製作 木村政雄
梁コ森(サム・レオン)
製作総指揮 奥田誠治
川城和実
木幡久美
制作年度 2002

少林與武當
テラコッタ・ウォリア
新鴛鴦胡蝶夢
マトリックス リローデッド
無問題2

 

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