| ■CAST&STAFF |
| 監督 |
徐蝦 |
| 出演 |
汪禹（ワン・ユー） |
| 黄正利（ホアン・チョンリー） |
| 楊〔目分〕〔目分〕（パメラ・ヤン） |
| 蒋金（ジャン・ジン） |
| 任世官（ニン・シークワン） |
| 劉家勇 |
| 元德 |
| 關海山（クァン・ホイサン） |
| 顧冠忠 |
| 強漢 |
| 關鋒 |
| 小麒麟（ユニコーン・チェン） |
| 蔡國慶 |
| 何柏光 |
| 黄薇薇 |
| 楊志卿 |
| 徐發 |
| 鐘榮 |
| 武術指導 |
徐蝦 |
| 元德 |
| 徐發 |
| 脚本 |
李柏寧 |
| 音楽 |
成錦榮 |
| 蘇板厚 |
| 製作 |
邵逸夫（ランラン・ショウ） |
| 方逸華（モナ・フォン） |
| 制作年度 |
1982 |
雙辣
Two Fists Against the Law
■
というわけで、黄正利（ホアン・チョンリー）18本目のレビュー作です。
本作を製作したのは呉思遠（ウー・セイエン）。
呉思遠（ウー・セイエン）と言えばスター発掘。
スター発掘と言えば呉思遠（ウー・セイエン）と言っても良い。
これまでにこの黄正利、劉忠良（ジョン・リウ）、倉田保昭、
成龍（ジャッキー・チェン）、梁小龍（ブルース・リャン）、陳星（チン・セイ）、
ジャン・クロード・ヴァンダム、そして李小龍（ブルース・リー）でさえも最初に目をつけたのは彼だと言われている。
だがしかし、孤高の人、というイメージもある。
ショーブラザーズ、ゴールデンハーベストのような大手とは違い呉思遠プロは低予算しか組めない映画製作会社であり続けた。後年こそハリウッドとの共同出資で合作を連発したが、呉思遠プロの作品と言えば正に私のような者がガキンチョ時代に思い描いた功夫映画の舞台、
あばら家、野原、丘、道場、台湾映画村、
基本的に呉思遠プロの作品にはこれしか出てこない。
呉思遠プロの作品の魅力はまさに裸一貫の猛者たち、彼らのポテンシャルそのもの一点にいつも賭けていた。
倉田保昭vs陳星のド迫力ガチンコファイト、
倉田保昭vs梁小龍のド迫力マラソンファイト、
黄正利vs劉忠良のド迫力テコンドファイト、
ジャッキーの・・・
つまりはそういうことで、そのジャッキーの「蛇拳」「酔拳」以外には数本のヒット作しかない・・・という印象もある一方で、低予算で体1つ、アイデア1つで良質な作品を送り出してきたのだから賛辞を贈るしかない。
呉思遠プロは決して大きな会社にならなかったかもしれないが、呉思遠個人1人の粗利益といった部分では凄いものがあったのではないだろうか。
安い、上手い、早い、これこそ呉思遠プロの真骨頂だ。
■流れ（簡単に）
本作の内容はいわゆる金塊を巡っての戦いで、詐欺師まがいの徐忠信と班潤生が・・・班潤生！これを主役級にしますか！冒険ですな。
金塊輸送をしていた黄錦〔炎木〕（メルヴィン・ウォン）に利用されて、黄正利と戦うことになるといったもの。
流石にこの時代になってくると逆に悪道場と善道場の戦い・・・といったような展開の功夫映画を作るものはおらず、逆にアイデアも出尽くした感もあって金塊探し的なものに走るしかないだろう。
終劇
■
李小龍のあとに李小龍無し。
ジャッキーのあとにジャッキー無し。
ジャッキーが去ってから呉思遠プロに決定的に欠けていたものはスターである。それは今までの呉思遠プロの歴史を見れば明らかだ。
同時に折りしも、1980年代と言えば香港映画が全盛を極めていく時代であり、同時に他のヒット作を見渡してももう男1人の体がウリの映画は通用しなくなっていく時代である。そりゃそうだ、ジャッキーやサモハンのグループは勿論のこと、お隣台湾のアクション映画までもが高レベルなスタントを組み込んだ現代アクションを作り出したのだ。主役も絡み役もみんなが体を張ってスタントやアクションをやる。そんな時代に男1人のポテンシャルだけ、アイデア1つだけで映画を作っていくには無理がある。呉思遠プロのやり方も流石にここで無理が来る。だからこそ呉思遠は海外に目を向けたのであろう。
本作は、
いつもの通り黄正利の素晴らしい足技と、
これを打ち負かさんとする黄錦〔炎木〕、班潤生、徐忠信の素晴らしい功夫ファイトが見れる功夫映画の良作である。
相も変わらず黄正利は本当に良い。
と、同時にその展開や黄正利以外にノンスターであること、功夫映画のお約束が全て茶化された奪還劇に終始しており、1980年製作であればまだまだ功夫映画が量産されていた時代ではあるが、先見の明を持つ呉思遠の作品として考えると既にこの作品から功夫映画の終焉を迎える悲哀さえも感じさせてしまうのである。
どの段階でどう、というのは難しい。
決定的なのはやはりワイヤーワークが主流になってからであるが、1980年代のウチに功夫映画は終わった。あのような映画は二度と作られることは無い。今、目の前にある最新のワイヤーカンフー映画は私にとって古き良き功夫映画とは全く違ったものなのだ。
|
| ■CAST&STAFF |
| 監督 |
陳全 |
| 出演 |
黄正利（ホアン・チョンリー） |
| 黄錦〔炎木〕（メルヴィン・ウォン） |
| 徐忠信 |
| 戚毅雄 |
| 蒋金（ジャン・ジン） |
| 鍾發（チュン・ファット） |
| 杜少明 |
| 陳狄克 |
| 班潤生 |
| 盧慧 |
| 劉晃世 |
| 陳全 |
| 徐發 |
| 張作舟 |
| 李發源 |
| 王憾塵 |
| 鐘榮 |
| 楊世鈞 |
| 李恆 |
| 製作 |
呉思遠（ウー・セイエン） |
| 制作年度 |
1980 |
龍虎門
Dragon Tiger Gate
かちこみ！ドラゴン・タイガー・ゲート
■
甄子丹（ドニー・イェン）は本作製作時で43歳である。
未だに軽い兄ちゃん役を演じることの多い53歳のジャッキーってのもいるが、もしかしたらドニーはもっと凄い。
本作の主演は製作当時
43歳のドニーと、
謝霆鋒（ニコラス・ツェー）26歳と、
余文樂（ショーン・ユー）25歳である。
なんつーか、堂々かよ！
って、感じで「ジェネックス・コップ」にゲスト出演したジャッキーを見て、この作品は若者ばかりが出てくる作品だけに
「じじいが出てきた・・・」
とジャッキーに老いっぷりが如実に出た、ゲスト出演するべきではなかった作品であるが、こっちはもっと凄い。
いうなれば「ジェネックス･コップ」の若者刑事3人の1人を43歳ドニーが演じるようなもんで、しかも大した違和感を抱かせないといった次第だ。
■流れ（簡単に・・・てか簡単です）
幼い頃に生き別れた兄弟、ドニーとニコラス。
ドニーは陳觀泰（チェン・カンタイ）率いる黒社会組織"江湖"に引き取られ、ニコラスは功夫道場・龍虎門に残る。
10数年後。
道場の一番弟子となっていたニコラスはたまたま食堂でメシ食ってる時に、"江湖"と揉み合いになり、この時激しいバトルを繰り広げたのが生き別れた兄のドニーだった。
ほんで兄弟の間でごちゃごちゃ
強い奴を捜して旅をしていたヌンチャクの達人・ショーンは龍虎門の門を叩いたが、師匠・元華（ユン・ワー）にこてんぱんにやられ、改心して弟子入り。
一方、黒社会に嫌気がさしていた陳觀泰は足を洗おうとしたが、親会社的存在の羅刹門に睨まれて強襲をかけられる。
ドニーとニコラス、2人が駆けつけた時には既に陳觀泰は死んでいた。
さらに羅刹門ボスは龍虎門をも強襲し、元華の反撃も虚しくこちらも殺されてしまう。
それぞれの仇を持ったドニー、ニコラス、ショーンは羅刹門に戦いを仕掛けるのだが・・・
終劇
■
原作が漫画なので何ともコメントしにくいところもあるが、
タイトルにもなっている龍虎門の師匠である元華がショーンを前にあれだけの強さを見せ付けていたので、羅刹門ボスと互角ぐらいの腕は持っていて欲しかったのが正直なところ。あっさりタイトルの龍虎門が潰されてるのはどうかと。いやそんなもんか。久しぶりの陳觀泰は非常に嬉しく黒社会のボスといえば元祖的存在であるがゆえに感慨もひとしおだったがワンアクション見せて欲しかったな。
つーか、ニコラスとショーンが羅刹門を倒すために一生懸命修行したのに勝てず、その間怪我の治療とヒロインとのイチャイチャに終始していたドニーさんが最後は美味しいとこ全部持って行きましたぁ！
この辺は途中から事件に参加して美味しいとこ全部持っていった
「SPL/狼よ静かに死ね」に似てますね。
やっぱりこれはうーん、ドニーらしいドニーの映画だ。
展開そのものは自分が予想していたよりアクションシーンが少なく、中盤のダラダラした展開はカッタルイ印象があって思わず早送りしたくなる。同監督のその「SPL/狼よ静かに死ね」はサスペンス性があるのでその辺で引っ張っていけるのだが、兄弟の確執ぐらいしか主軸がない本作はそれだけで引っ張っていける力を出せなかった感がある。
ただし、やっぱりアクション面で高く評価したい作品である。
功夫映画、その見せる功夫シーンというものは時代を超えて様々な様相を呈してきた。
チャンバラスタイル、王羽（ジミー･ウォング）スタイル、
李小龍（ブルース・リー）スタイル、マラソンファイトスタイル、
劉家良スタイル、サモハンスタイル、
そしてジャッキーのコメディ功夫スタイル、
さらにワイヤー功夫スタイル・・・
ちなみに「燃えよデブゴン」と「酔拳2」そして「グリーン･デスティニー」でも観れば功夫スタイルの流れというものが大まかにでも理解できると思う。
しかし、ワイヤー功夫スタイルになってからの話だが流石にその進歩は止まりだした。これ自体が本格的に始まりだしたのは「スウォーズマン 剣士列伝」が登場する1990年ぐらいからと思うが、10年以上経った今もそのワイヤー功夫スタイルにさしたる変化はない。ハッキリ言って飽き飽き感が俺にはある。世間一般からすれば「マトリックス」の1999年かもしれないが。
そんな中で新たな功夫スタイル、格闘スタイルを見せるアクションを構築しようと頑張っている奴が1人いる。
それは勿論このドニー、その人だ。
本作のアクションは例えば
袁和平（ユアン･ウーピン）が周星馳（チャウ・シンチー）を振付けました
というようなレベルではない。
温故知新を巧みに織り交ぜた功夫に、さらにドニーお得意のリアルファイト的スピード感、これにワイヤーとCGを加味して周星馳的ド派手演出を組み込んで、嘘でも本当でもない、そして嘘でもあり本当でもある迫力の功夫アクションを作り上げることにこの作品は成功している。
前作の「SPL/狼よ静かに死ね」で呉京（ウー･ジン）やサモハン相手に技のバリエーションの豊富さを見せ付けたドニーは、技の豊富さに付け加えて、今回はさらに古き良き功夫映画のエッセンスと周星馳的ド派手演出さえも編み込んできたのだ。
今、新しい功夫スタイルを期待するならドニー･イェン、この男だ。
ドニーとトニー・ジャー、一緒に映画を作るべきだな。
|
| ■CAST&STAFF |
| 監督 |
葉偉信（ウィルソン・イップ） |
| 出演 |
甄子丹（ドニー・イェン） |
| 謝霆鋒（ニコラス・ツェー） |
| 余文樂（ショーン・ユー） |
| 董潔（ドン・ジェ） |
| 施祖男 |
| 李小冉（リー・シャオラン） |
| 陳觀泰（チェン・カンタイ） |
| 元華（ユン・ワー） |
| 黄玉郎 |
| 行宇 |
| 阮民安 |
| 陳宇? |
| 林詠倫 |
| 鄧萃? |
| 嚴華 |
| 薛立賢 |
| 譚竣浩 |
| 動作設計 |
甄子丹（ドニー・イェン） |
| 脚本 |
黄子桓 |
| 音楽 |
川井憲次 |
| 策劃 |
許安 |
| 雷宇揚 |
| 製作 |
黄百鳴（レイモンド・ウォン） |
| 施南生 |
| 許朋樂 |
| 于冬 |
| 製作総指揮 |
黄百鳴（レイモンド・ウォン） |
| 任仲倫 |
| 李南 |
| 制作年度 |
2006 |
奇招
Crystal Fist/Jade Claw
ドラゴン・カンフー水晶拳
■
ノスタルジー。
この作品は幼い頃に観て以来、ずーーーーっと観ていませんでした。
私が少年の頃はまさに功夫映画が跳梁跋扈していた（大げさ）。
成龍（ジャッキー・チェン）というのは子供にとって英雄であり、その当時のギャルにとってアイドルであった。
そして彼の映画のTV放映は軒並み良い数字（視聴率）を取っていた。
ということは、当然他の功夫映画も宛がわれるわけで。
当時は数々の功夫映画が放映されて、自身もTVガイドとかで功夫映画が放映されないかチェックするのが非常に楽しみだった。放映されるのを知ったのにUHFなため、自分の家には電波が入らず見れないものもあった。
「香港カンフードラゴン少林寺」・・・だったっけ？
これは香港のTVシリーズで董〔王韋〕（ツン・ワイ）とかが出演していたらしい。テレビ東京系では帯で放映していたのだ。一回も見てないなぁ。
後のビッグスターの主演作は置いといて、やはりこの当時で印象的だった無名の功夫映画というと、
「ドラゴン・カンフー/龍虎八拳」
「ドラゴン太極拳」
そして本作、といったところか。
残念ながら「酔馬拳・クレージー・ホース」は観たことがない。これも観れるなら日本語吹替えで観たいのだが。そういえば「ドラゴン水滸伝」という映画もあった。「ドラゴン水滸伝」は何とアニメ功夫映画で、李小龍（ブルース・リー）チックな主人公がジャッキーの技をからめて敵を倒していく物語。た、確か朝放映しているのを観たなぁ（面白くなかったような気がする）。
本作「ドラゴン・カンフー水晶拳」は「ドラゴン・カンフー/龍虎八拳」と並んで印象に残る作品であった。昨今でも私の世代で覚えている人の多い作品ではある。が、今となってはジャッキーの主演作と勘違いしている人も多い。
「あ、あれなんだっけ？手が鶏の手になるやつ・・・？」
と言われてこの作品だと教えてもジャッキー主演と勘違いしているパターン。
（"手が鶏の手"の意味は後述）
それだけ、本作はもう滅茶苦茶に「蛇拳」「酔拳」の亜流でありバッタもんである。余りに似ているからジャッキー主演と混同してしまうのだ。
■流れ
莊泉利（ビリー・チョン）の父・侯朝聲は、朱鐵和・袁振威・宋錦成に殺される。
成人して復讐を誓っている莊泉利は町の道場へ。
とはいえ文無しなので下働きの身で功夫を覚えることに。
ここで「蛇拳」ジャッキー同様、師範代の胡大爲（デビッド・ウー）とかに苛められる。
これを影から見ていたのは道場で飯を作っていた袁小田（ユアン・シャオティエン）その人。彼にちょこちょこと功夫教えて莊泉利はちょっぴり強くなる。
朱鐵和・袁振威・宋錦成はその昔、侯朝聲・袁小田と戦って破れ（何で戦ったか不明）、その復讐で侯朝聲を殺し、袁小田を捜していたのだった・・・ってほとんど「蛇拳」まんまですな。
ロシア功夫が強い！などとぬかしていたアレクサンダー・グランドを懲らしめた莊泉利であったが、袁小田直伝の虎拳を使っていたためその弟子であると見ていた朱鐵和にばれる。
つーか、白人が出てくるのも「蛇拳」まんま。
帰り道に朱鐵和・袁振威・宋錦成に捕まった莊泉利はボコボコにされ、手を焼かれる。これがその
「手が鶏の手になるやつ・・・？」
ってシーンで、何故か炎に手が入った時の手が鶏の手なのだ。変な描写なので子供の時は印象に残ったのだろう。
莊泉利は袁振威の尾行を振り切って逃げる。
「だから功夫なんか覚えんほうがいいのじゃ・・・」
と看病する袁小田師匠。
ここで彼が身に付ける翡翠を発見して気づく。
彼は袁小田の愛弟子・侯朝聲の息子だったのだ。
「彼に奥義を授けて、仇を討たせてやろう」
本格的な修行が始まった。
途中で抜け出して全然物語と関係ない奴とバトルしたりもするが。
この辺のさぼりぐせは「酔拳」そのものだ。
修行が終わると袁小田は姿を消す。
もうこの辺も・・・まんまですな。
強くなったいつかのイジワル師範代らをコテンパンにすると、
さぁ朱鐵和・袁振威・宋錦成にリベンジだ！
終劇
■
観てみて納得。
これはジャッキー主演と混同するがな。
もうかなりどうかと思う物凄いパクリ度で、「蛇拳」同様に赤バックの演舞で始まり、師匠役も袁小田だし、配役のパターンも「蛇拳」「酔拳」と同じ。同じようなシーンの連続で幼い時に功夫映画を見てそれっきりの人にはどれもこれもごっちゃになるのは当たり前である。
しかし逆にコメディ功夫映画とは？
を証明した映画である。
有名なスターはいない。
ほぼオールロケでセットはあばら屋だけ。
衣装も使いまわしのどうでもいいもの。
後は台湾映画村？
って感じで低予算にもほどがある作り。
の上に実際はジャッキーというスターも出ていない。
それでもこれだけの良質なコメディ功夫が出来るのだ。
まさに肉体ポテンシャル。
主演の莊泉利の腕前は確かなもので、しなやかな体つきから繰り出される功夫技は見ていて気持ちの良いものがある。
武術指導は「蛇拳」「酔拳」に関わった面々で、問題なし。
袁振威＆宋錦成の合体功夫も面白い。
それにしても珍しく感じたのはラスボスが朱鐵和ということで、顔の迫力は悪役として問題なしだが、ショーブラザーズではどうも悪役の2番手、3番手の印象が強い。後年はジャッキー映画にも出演している彼だが、この作品が惜しむらく残念なのはここで、実は・・・実はこの映画、私はこれを幼い頃から十数年経って再見するまで、ラストバトルは全く覚えてなかったのだ。
袁振威＆宋錦成の合体功夫は覚えていたのだが、
「あれってラストはどんなだっけ？？」
と全く記憶に無かったのである。
今観てみればラストバトルも良いものに仕上がっているのだが、「蛇拳」「酔拳」と比べて一番劣っているのはここで、ラスボスの印象が薄すぎる。
もしここに本家・黄正利（ホアン・チョンリー）や或いは黄仁植（ウォン・インシック）などの猛者を持ってこれたらさらに傑作になったのになと残念。
しかしもって
「これならちょろく作って、ちょろく儲けられそうだ」
と、量産された亜流コメディ功夫映画の中でも、こうやった時代の熱き肉体ポテンシャルと情熱によって救われる映画もあるのだ。
いやぁ久しぶりに見たなぁ・・・
|
| ■CAST&STAFF |
| 監督 |
華一泓 |
| 出演 |
莊泉利（ビリー・チョン） |
| 袁小田（ユアン・シャオティエン） |
| 朱鐵和 |
| 袁振威 |
| 宋錦成 |
| 侯朝聲 |
| 馬宗徳 |
| 胡大爲（デビッド・ウー） |
| 倫家駿 |
| 陳狄克 |
| アレクサンダー・グランド |
| 王憾塵 |
| 張照 |
| 班潤生 |
| 張作舟 |
| 李恆 |
| 李發源 |
| 譚寶 |
| 武術指導 |
袁信義（ユアン・シュンイー） |
| 錢月笙（チェン・ユーサン） |
| 元奎（ユン・ケイ） |
| 袁振威 |
| 武術顧問 |
侯朝聲 |
| 脚本 |
林展偉 |
| 音楽 |
陳勳奇（フランキー・チャン） |
| 製作 |
包明（パウ・ミン） |
| 制作年度 |
1979 |
癲馬靈猴
Crazy Horse and Intelligent Monkey
Crazy Horse and Drunken Monkey
酔馬拳クレージーホース
■
毎度当HPに登場する「香港電影百科」（芳賀書店）だが、今回はこれをやってみよう。
著書には1974年から1984年上半期までの功夫映画TV放送一覧表が載っている。載っているのだが気づいてみれば未だ知らないものも多い。ちょっと引用させてもらいつつ、検証してみよう。
【'74～'84上半期】（当HP未レビューのもののみ）
「燃えよ！カンフー」
「燃えよ！ジャガー」
「燃えよ女ドラゴン（地獄から来た女ドラゴン）」
「怒れドラゴン」
「激突！ドラゴン対ジャガー」
「ドラゴン稲妻の対決」
「怒れカンフー」
「必殺！ドラゴン飛竜剣」
「ドラゴン荒野の猛殺」
「荒野のドラゴン兄弟」
「凄艶！飛燕のカンフー女活殺拳（女活殺拳）」
「いれずみドラゴン嵐の血斗」
「ドラゴン水滸伝」
「モンキー・カンフー」
この中で正体がよくわからないのとか、注目は
「怒れドラゴン（廣東好漢）」
これは調べてみると郭南宏（ジョセフ・クォ）監督で聞江龍主演作らしい。
「燃えよ！ジャガー（嶺南之虎）」
これもよくわからない。
「怒れカンフー」
怒れカンフー・・・って、こんなの本当に放映されたのか？
視聴率まで書いてあるから放映されたんだろうけど全然知らん。
※醒龍様からの情報によるとこれは「無敵のゴッドファーザー/ドラゴン世界を征く」のことのようです。1977/8/10の水曜ロードショー。
醒龍様、情報提供ありがとうございました。
「必殺！ドラゴン飛竜剣（縱橫天下）」
これは王羽（ジミー･ウォング）作品でヒロインには「聾唖劍」の馬海倫（ヘレン・マ）。ジミー先生の作品は全部観たい。
「ドラゴン荒野の猛殺」
これもようわからん。
「荒野のドラゴン兄弟」
「荒野のドラゴン」ならレビュー済だが兄弟？・・・
調べてみると西部劇風のこんな作品があるみたい。
※こちらも醒龍様からの情報によると「龍虎征西」という作品で白彪（パイ・ピョウ）主演らしい。
「モンキー･カンフー」
これは「真説・モンキーカンフー（醉歩迷猴）」のことでいいのかしら。
まぁなんにしても当時は何処からバータで買わされたかわからないような功夫映画がローカル局の時間の穴埋めに役立っていた。意外と視聴率も取れたりするし、テレビ大阪のナイター中継中止の時は「燃えよデブゴン！お助け拳」の出番だった・・・まさにお助けですな（笑 本当何回もやってた・・・じゃなくてナイターが雨天中止とかにならないとやらないので、その度に雨が降らないか期待してたのを覚えてるなぁ・・・
ブームは完全に過ぎ去り、そんな功夫映画のTV放映は完全に無くなってしまった・・・寂しいが当たり前と言えば当たり前で、功夫映画に限らず昔の作品と言うものはよほどの名作で無い限り放映されることは無くなるのだから。
考えてみると成龍（ジャッキー・チェン）製作の「老鼠街」「孖寶闖八關」なんかは逆に何故鄒文懐（レイモンド・チョウ）が売り込みに来なかったのだろうと思う。
それはともかく、「酔馬拳・クレージー･ホース」である。
この当時の功夫映画タイトルは面白い。
「猫拳カンフー無宿」とか「スリーピング・モンキー・睡拳」とか「女デブゴン！強烈無敵の体潰し！！」とか。
猫拳もどうかと思ったし、睡拳はかなりどうかと思った。
そして、酔馬拳もどうかと思った本作である。
しかし、当時にこういった功夫映画が観られるかどうかというのは正に運で、何処に住んでてどのローカル局が映るのかが問題だった。本作は放映されたことは知ってるが、当時の地元局では放映してくれなかった一篇で、今回が初見である。
■流れ
また・・・簡単な・・・
長く書くほうが難しいな。
田舎で功夫を学んでいた戚冠軍（チー・クァンチュン）は、連絡の来なくなった遠い街にいる母を訪ねて旅へ。
旅の途中で知り合ったお調子者の韓國材（ハン・クォツァイ）と共に母がいるとされる街へ。
親戚の叔父さん・朱鐵和は快く2人を迎えて入れてくれたのだが、何だか様子がおかしい。
どうも朱鐵和は凶悪な盗賊団から脅迫を受けているとのこと。
戚冠軍が彼を問い詰めると母は盗賊団に殺されていたのだった。
早速、仇討ちに向かい盗賊団に殴りこむ戚冠軍と韓國材だったが、やたらと強い盗賊団の前に返り討ち。絶体絶命のところで謎の老師・關海山（クァン・ホイサン）が現れて彼らを助ける。
実際は朱鐵和こそが盗賊団のボスで、叔父さんになりすましていたとのことで、今度は叔父さんの娘である文雪兒も加わって關海山の下で功夫修行。
気がはやった戚冠軍は修行もそこそこにまた仇討ちに向かったが、正体を現した朱鐵和は強く、またしても返り討ちでまたしてもこれを關海山が助ける。
「どうしたら仇討ちできるんだ・・・？」
思い悩む戚冠軍であったが、その目の前でたまたま酒の入った水飲み場で水と間違えて酒を呑んでしまった馬が大暴れ。
これを見ていた戚冠軍は何をトチ狂ったか、酔った馬の動きをヒントに酔馬拳を編み出してしまう・・・そんなこと言うたらなんでも、どんなアニマルでもできそうだが・・・
さぁ酔馬拳・クレージー・ホースを身に付けて今度こそ仇討ちだ！！
終劇
■
うーむ・・・・
面白い。
逆に言えばこれこそが功夫映画の凄いとこである。
話薄っ！
衣装が安っ！
ロケが安っ！
セット無しっ！
キャスト安っ！
これだけネガティブポイントが存在しても、撮りようではこのように面白い功夫映画が出来るのだ。
このような作品の肝は一重に監督の手腕と武術指導者のセンス、役者のポテンシャル、それだけにかかってくる。
そこにいくと本作は監督がテンポよく場面を繋いで飽きさせず、武術指導者が軽快な動きのアクションを振り付け、それを実現させる力のある役者たちがアクションを魅せる。おまけに言えば音楽を振り分けた陳勳奇（フランキー・チャン）のセンスも相まって、三位一体の強さを発揮。
ただこれだけでも功夫映画は出来るんだ、作れるんだというのを証明している。「酔拳」亜流のコメディ功夫の中でもなかなかの出来だし、同じ戚冠軍主演の「イーグルマスター決死拳」なんかと比べると、ネガティブポイントは何も変わらないのに面白さの差は歴然である。
今回は日本語吹替え版を見たのだが、韓國材の声を吹替えた小松政夫さんはなかなか合ってて面白かったなぁ・・・
|
| ■CAST&STAFF |
| 監督 |
魯俊谷 |
| 出演 |
戚冠軍（チー・クァンチュン） |
| 韓國材（ハン・クォツァイ） |
| 文雪兒 |
| 朱鐵和 |
| 關海山（クァン・ホイサン） |
| 劉鶴年 |
| 王光裕 |
| 葉天行 |
| 黄志明 |
| 張照 |
| 周江 |
| 何柏光 |
| 蕭德虎 |
| 班潤生 |
| 杜偉和 |
| 李發源 |
| 彭潤祥 |
| 馮明 |
| 江全 |
| 何雲 |
| 武術指導 |
徐忠信 |
| 錢月笙（チェン・ユーサン） |
| 音楽 |
陳勳奇（フランキー・チャン） |
| 制作年度 |
1982 |
怒火威龍
Crystal Hunt
ドラゴン･バーニング
■
今もってしてみれば最後の本格派・・・というのは誰になるのだろう？
というところで、本作主演の甄子丹（ドニー・イェン）が最も顕著な存在ではあろうが、呉京（ウー・ジン）や鄒兆龍（コリン・チョウ）といった更に若い世代もいる・・・あれ？趙文卓（ウィン・ツァオ）ってどこ行った？
ただ彼ら功夫スターは功夫スターと言われながらもそのほとんどがマーシャルアーツスタイルのファイティングに終始している場合が多く（呉京はそうとは言えないかもしれないが）、古き良き功夫映画に出た役者という意味ではドニー1人だけになる（「ドラゴン酔大極拳」）。
彼が本当の意味でのブレイクというのはやはり
｢ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱｣になるのだろうが、そこに至るまでの主演作がクローズアップされることは少ない。
本作はそんないきなりデビューから過渡期みたいなドニー時代の一本で、指揮を執っているのは徐蝦である。徐蝦と言えばやはり功績としてジャッキー「蛇拳」「酔拳」での武術指導者ぶりが目に付くし、「廣東〔靑見〕仔玉」のような良作も監督している。なので、期待してなかったこの作品も始まってから期待してみてみたのだが・・・
■流れ
元々黒社会のボスだった田靑は病因不明で死にそうだ。
ほんでもってこれを治すには金色に輝く水晶が必要だ。
とにかく必要だ。
なので娘の呉家麗（ン・ガーライ）は部下の盧惠光（ロー・ワイコン）を引き連れて徐蝦教授に捜索を依頼する。
早速、捜索を開始した徐蝦教授であったが、教授の部下であった男が裏で悪い古物商組織と繋がっており、水晶の話を喋ってしまい、その組織に男は殺されて教授は行方不明となる。
この事件を捜査していたのは胡慧中（シベール・フー）で、教授の娘である高城富士美と恋人で元刑事のドニーも協力して物語の真相に近づいていくのだが、当然、捜索を依頼したのに消えてしまった教授と水晶を探して呉家麗連中もそこに絡んできて三つ巴のバトルをまじえ・・・
終劇
■
こんな感じか。
意外と言っては失礼かもしれないが、悪くない作品である。
話は単純明快で後はひたすらアクションを楽しめーってな具合だし、そのアクションも流石は徐蝦と言ったら良いのか、ドニーのキレある足技を存分に堪能することが出来るし、同時に盧惠光のアクションも・・・そう言えばジャッキーの絡まない盧惠光アクションと言うのは個人的にあまりお目見えして無かったかな。更に胡慧中、高城富士美、呉家麗のスリー女ドラゴンもたっぷりとアクションの見せ場があってなかなか楽しめる。それにしても呉家麗さんがアクション女優としてもこんなに動ける人とは思わなかったな。
白人の悪役の顔が濃くて疲れるし、ラストはグダグダ感が出てしまったがアクション的にはなかなかの作品ではなかろうか。
・・・他に書くことが思いつかない・・・
|
| ■CAST&STAFF |
| 監督 |
徐蝦
※クレジットは徐栢霖 |
| 出演 |
甄子丹（ドニー・イェン） |
| 胡慧中（シベール・フー） |
| 高城富士美 |
| 呉家麗（ン・ガーライ） |
| 盧惠光（ロー・ワイコン） |
| 米高活斯 |
| 尊沙維特 |
徐蝦
※クレジットは徐栢霖 |
| 徐發 |
| 田靑 |
| 何家駒 |
| 譚鎮東 |
| 梁家仁（リャン・チャーリャン） |
| 劉家輝（リュー・チャーフィ） |
| 朱鐵和 |
| 龍生 |
| 王志強 |
| 製作・製作総指揮・動作導演 |
徐發 |
| 動作指導 |
龍生 |
| 譚鎮東 |
| 脚本 |
孔憲鵬 |
| 策劃 |
呉雄超 |
| 制作年度 |
1991 |
功夫無敵
Kung Fu Fighter
カンフー無敵
■
一招半式馬永貞闖江湖
何となく意味わかるかな？
さぁ「カンフーハッスル」の人たちが抜け出して1作撮っちゃった様な作品がこれで、なんか鑑賞してみてなかなかどういう評価を下せば良いのか困ったちゃんな作品がこれだ。
■流れ
幼い時に父に捨てられ、母に死なれてしまった呉建豪（ヴァネス・ウー）はその父を捜して上海へ。
怪力を持つヴァネスなので父も怪力、その辺を考慮して闘技場に怪力の男が現れないかと彼はそこで働いていた。
ひょんなことから詐欺師の林子聰（リン・ヅーソォン）と田啓文（ティン・カイマン）率いる黒組織との揉め事に巻き込まれたヴァネスはマフィアと戦いながらも梁小龍（ブルース･リャン）が経営する食堂に匿われる。
小さな禍根も許さない田啓文は林子聰とヴァネスを捕まえてくるよう部下に指示。
意気揚々と食堂に乗り込んだ部下達だったが、食堂は梁小龍を始め全員が拳法の達人でいともあっさり返り討ち。
この食堂を拠点に父親を探したいヴァネス。
田啓文との対立組織のボスであった陳國坤（チェン・グォクン）、その恋人の黄伊〔三文〕（エメ・ウォン）と親交を深めるのだが、哀れこの2人は田啓文によって殺されてしまう。
あくまで林子聰とヴァネスを許さない田啓文組織。
食堂連中にも面子を潰されたということで凄腕の樊少皇（ルイス･ファン）を送り込んでくるのだが・・・
終劇
■
父親はお前かい！
って感じのオチですが、にんともかんとも。
さて、にんともかんともどーにもこーにも中途半端な出来上がりと言うのが物語に関する自分の感想で、もう冒頭を聞いただけで
ああこれは「上海ドラゴン/英雄拳」いわゆる"馬永貞もの"って思うのだが、進むにつれて
そーでもないなむしろ「裸足のクンフー・ファイター」？「上海灘」？かなぁと思うに連れて、
終わりかい
って感じで、その辺の上海テイストをふんだんに取り込みつつ消化しきっていないというような印象でどれもが中途半端。
ラストも実にあっさりと終わり、腐敗した上海に大きな一撃を食らわせてスカッとさせてくれるような主人公も富と名声を求めて上海灘に儚くも散っていく主人公もいないのは残念だ。
じゃなんで傑作選？
というのは勿論アクション面で、ワイヤーアクションを最小限に抑えたリアルファイトは旧式の功夫映画を連想させる懐かしくて激しいアクション、「カンフーハッスル」ではSFXに頼ることが多くてイマイチその真の腕前を発揮出来ていなかった梁小龍の衰え知れぬ腕前もバッチリ見れて満足。
主演のヴァネスも最近のスターとしては申し分ないノースタントな頑張りぶりで特に不満は無いし、ラスボスとして登場する樊少皇（ルイス･ファン）とのクライマックスは功夫迷も納得の仕上がりだろう。
ただ、今頃になって改めて気づいたのだが、
あの昔の功夫映画のような派手な効果音が欲しいなぁ・・・
僕は功夫映画を音で見ている
ということに改めて気づいているのかもしれぬ。
手が合わさる度に竹をぶつけ合った様なパンパンパン！
空振りするたびに風が舞うようなブォンブォンブォン！
殴られる度に有り得ない音がするドボードボードボー！
こんな音が大好きなのだ。
技術があったら最近の功夫映画の効果音を旧式に差し替えたバージョンを作りたいよなぁ・・・ジャッキー映画も。
ところで、樊少皇って「検事Mr.ハー/俺が法律だ」に出てた目撃者のガキが彼だったんですねぇ・・・・
|
| ■CAST&STAFF |
| 監督 |
葉永健（イップ・ウィンキン） |
| 出演 |
呉建豪（ヴァネス・ウー） |
| 梁小龍（ブルース･リャン） |
| 林子聰（リン・ヅーソォン） |
| 陳國坤（チェン・グォクン） |
| 黄伊〔三文〕（エメ・ウォン） |
| 樊少皇（ルイス･ファン） |
| 田啓文（ティン・カイマン） |
| 張文傑 |
| 張晉 |
| 陳碩 |
| 莫美林 |
| 陳永霞 |
| 樊文杰 |
| 動作指導 |
樊少皇（ルイス･ファン） |
| 陳碩 |
| 脚本 |
袁立強 他 |
| 製作 |
楊〔目分〕〔目分〕（パメラ・ヤン） |
| 張康達 |
| 製作総指揮 |
張啓平 |
| 宋岱 |
| 制作年度 |
2007 |
魔翡翠
Magic Crystal
マジック・クリスタル
■
恐らくであるが王晶（バリー・ウォン）は純粋な功夫映画を撮っていない。脚本で関わった作品はあるのだが、武侠片ブーム以前の時代に彼は功夫映画を撮っていないはずだ。ただ、傅聲（アレクサンダー・フーシェン）の初監督作「南斗官三鬥北少爺」での共同監督については内容が功夫映画っぽいのでわからないが（未見）。
フィルモグラフィーを見てみると本作製作当時は動作導演の梁小熊とコンビで作品を撮っているものが多く、本作を見てみると他の作品もそこそこに興味が湧くといったものだ。というのも、改めて十数年ぶりに本作を再鑑賞したのであるが、純粋な功夫映画と言っても差し支えないぐらいに功夫シーンがこれ見よがしにたっぷりでその一点だけで今だと満足出来てしまうような一品だったからである。
■流れ
なんかまぁその・・・題名そのままですよ。
警察から任務を請け負ってこなしていたフリーの・・・この人何屋さん？
劉德華（アンディ・ラウ）は今日もvs鍾發（チュン・ファット）戦をこなしてボスの沈威を逮捕するなど活躍していた。
彼の知人である高飛（コー・フェイ）から
「KGBに命を狙われている」
との情報を受けて彼がいるとされるギリシャへ相棒の王晶と子供の小彬彬を連れて旅立つ。
観光を楽しみながら高飛と会おうとしていた劉德華であったが、その高飛はKGBに襲われてバトルに。これを助けようと奮闘する劉德華の前に警察の羅芙洛（シンシア・ロスロック）と莫少聰（マックス・モク）が現れて加勢。
1人逃げた高飛であったが、劉德華の泊まっていたホテルでの敵の待ち伏せに遭い、被弾。そしてKGB組織のボスであるリチャード・ノートンに捕まってしまう。
訳もわからずに香港に帰った劉德華一行。
とにかく高飛がピンチとなればその妹の張敏（チョン・マン）もどうかって感じで彼女を訪ねるが、案の定ここにも刺客が待ち構えていた。
刺客を跳ね除けて高飛と再び会う約束を取り付けた劉德華であるが、これはリチャードの罠で高飛は既に殺されており、劉德華は殺人犯に仕立てられて刑務所へ（この辺、全然覚えてなかったな）。
実は組織が狙っていたのは謎のマジック･クリスタルであり、持っていたのは高飛だったのだがいまわのきわに彼は小彬彬のカバンにそれを隠していて、それが組織に見つかってしまってクリスタルと共に小彬彬は誘拐。
警察にいた組織のスパイを炙り出すため、わざと劉德華を刑務所から抜け出させた莫少聰やシンシアと共に小彬彬奪還で組織のアジトへ。
大バトルの末に小彬彬奪還には成功するのだが、クリスタルの力で操られた小彬彬は1人でギリシャに行ってしまい、これをまたまた善玉と悪玉が追いかけてギリシャでラストバトルさ！
終劇
■
なんかすんまそん。
途中から説明がやっつけ仕事で適当に書きました。
これ頭のギリシャロケとラストのギリシャロケを一緒に撮ったな。
昔は大して面白くないと思っていたのになぁ・・・・・・
何にしても功夫、である。
今の目で見て本作が面白いのはその功夫スタイルの異質さにある。
やはりはサモハンやジャッキーがメインとなって構築していった現代スタイルのフリーファイトな功夫シーンも本作では存分に楽しむことが出来るようになっているが、同時にサイや槍や剣などを交えた非常にトラディショナルなつまりは純粋な懐かしの功夫シーンを中国人だけではなく白人のシンシアや白人のリチャードが存分に見せてくれるという色んな魅力が交じり合わずに混在していると言った感じで、時代劇でもないのに蟷螂拳で戦う白人のシンシアがいて、フリーファイトで戦う劉德華がいてとその様々なバトルシーンの混在は、実に寄せ鍋娯楽映画王・王晶の作品らしい味がする。
まぁなんちゅうか様々なスタイルの功夫アクションをアレンジせずにパルテノン神殿を背景にそのまま出してるってことやな。
動作導演の梁小熊も「実に良い仕事をしたな」って感じで、一つ一つの功夫シーンはレベルも高くて濃密しており、十分楽しめることだろう。
変な話、永らくの青年・劉德華が功夫スター的にバリバリ活躍してる作品としても最近作を見てファンになった方には貴重かも。良い俳優さんになりましたしね。
他作品でも何度か行われているリチャードvsシンシアも本作がベストバウトと言っても過言ではないだろうし、まだ初々しい張敏のレオタード姿とかも見もの。
しかし、日本製DVDパッケージのレイアウトはどうにかならんかったものかのう・・・センス無さすぎとういかやる気無さすぎ。
|
| ■CAST&STAFF |
| 監督・脚本 |
王晶（バリー・ウォン） |
| 出演 |
劉德華（アンディ・ラウ） |
| 羅芙洛（シンシア・ロスロック） |
| リチャード・ノートン |
| 張敏（チョン・マン） |
| 王晶（バリー・ウォン） |
| 小彬彬 |
| 莫少聰（マックス・モク） |
| 陳百祥（ナット・チャン） |
| 高飛（コー・フェイ） |
| 石堅（シー・キェン） |
| 沈威 |
| 鍾發（チュン・ファット） |
| 成奎安（シン・フイオン） |
| 梁小熊 |
| 呉育樞 |
| 麥偉章 |
| 黄薇薇 |
| 余慕蓮 |
| 梁盛熊 |
| 陳強 |
| 馬愛迪 |
| 賴建國 |
| 黄靖華 |
| 洪新南 |
| 杜偉和 |
| 譚偉民 |
| 曾醒光 |
| 伍國健 |
| 賀永憲 |
| 成福安 |
| 黄家良 |
| 夏國榮 |
| 關佩琳 |
| 動作導演 |
梁小熊 |
| 音楽 |
葉肇達 |
| 策劃 |
汪惠謙 |
| 製作 |
張國忠 |
| 製作総指揮 |
向華勝（ジミー・ヒョン） |
| 王應祥 |
| 制作年度 |
1986 |
|
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
