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■ドラゴン傑作選25  
 


蔡李佛小子
New Shaolin Boxers
ヒーロー・オブ・カンフー 蔡李仏拳




どれかの書籍で読んだのだが、まぁ「酔拳」も考えてみればアル中の不良青年が遂には人を殺して刑務所に行く話で、「蛇拳」は孤児の青年が白人の宣教師と拳法の達人と自分によくしてくれた道場の世話係を殺害してしまう物語である。なんて考えてしまうと身も蓋も無いのだが、その身も蓋も無い話が先であったのが功夫映画の史実で、それは本作に当たると言っても良いだろう。なんかそう真面目に言われてしまうとどうにもこうにもしようがないのだが。


流れ


傅聲(アレクサンダー・フーシェン)は困ってる人がいると助けずにはいられない正義感の強いやんちゃな青年。
今日も甄〔女尼〕が梁家仁(リャン・カーリャン)に襲われていたので、これを助けるのだが、街の人たちは「トラブルはごめん」とばかりに知らんぷり。

いつも揉め事ばかり起こす傅聲に近隣の住民はおろか、親戚までもが冷たい視線。
それでもめげずに今日を生きる傅聲はいつものように道場へ。

道場の山茅(サン・マオ)師匠は見抜いていました。
町の人とは裏腹に傅聲が実は純粋で正義感の強い素晴らしい人間であるということに。
だからこそ彼の身を案じ、師匠は彼に破門を言い渡します。

流石に腐りそうになる傅聲でしたが、事件は裏で動きます。
舎弟の梁家仁を叩かれたボスの王龍威は納得いかない感じ。こういう組織は何よりもメンツを大切にしやがるので、血気盛んな傅聲という小僧を叩いておこうということで。
素質抜群の傅聲なので、王龍威の子分どもは蹴散らしましたが、王龍威が凄腕でボコボコにされる感じでまた。
これを助けたのは山茅師匠。

このままでは彼は殺されてしまう。
そう考えた山茅師匠は蔡李佛拳の達人である陳慧樓(チェン・ウェイロー)師匠のところに彼を預けることに。
「強くなれるのなら!」
と、修行にもやる気満々だった傅聲ですが、やることは水汲みとか水汲みとか水汲みとか・・・そんなに水いらんやろ。
ってことで、早速陳慧樓師匠に挑戦!
・・・軽くあしらわれる傅聲。
しょうがないので納得して修行を続ける傅聲でありました。

一方、傅聲を助けたことで王龍威との遺恨を残してしまった山茅師匠は道場をたたんで逃げようとしていましたがその王龍威の魔の手が。
おお、これは王龍威vs山茅という悪役俳優同士の夢の対決!
山茅さんの良い役って本作以外にあるのかなぁ・・・?
・・・全然、思い出さんなぁ・・・

ちなみに「片腕カンフーvs空飛ぶギロチン」では単なる木こり役があったが。
とにかく、やっぱ悪役としても格上の王龍威には勝てず、殺されてしまいます。

蔡李佛拳をマスターして意気揚々と街に戻るが師匠の死を知らされて愕然とする傅聲。
さらに、幼馴染の呉小惠は一見真面目で好青年の葉天行と付き合っていたが、その葉天行はギャンブルで借金を作って王龍威組織のお世話に。
金が返せないということで何と呉小惠を売り払ってしまう。
正義感の強い傅聲は呉小惠を助けるため、そして師匠の仇を討つために王龍威のところに乗り込むのだが、そこには張徹(チャン・ツェー)監督らしい結末が待ち受けているのであった・・・


終劇





早い。
こうして考えると「酔拳」という映画の正体が段々と見えてくる。
李小龍(ブルース・リー)が去り、キラ星の如く登場したジャッキー功夫映画の数々。日本から見てこのギャップにはとても大きなものがあった。
功夫アクションそのものの形成方法が全く違い、ストーリーも全く違う、セットや衣装やロケーションはむしろ安っぽいものに変わった。同じなのはその肉体ポテンシャル。

「燃えよドラゴン」から「酔拳」まで。
この間の隔たりを埋めるのが、日本では知られていないと言ってもいい(発売されてはいるが)、本作や

ワンス・アポン・ア・タイム英雄少林拳」「マジッククンフー 神打拳」そして「南拳北腿鬥金狐」等などになるのだ。
これらの作品の面白いところミックスして、コメディ路線に乗せ、ジャッキーの天性の明るさを大きくプラスした当時の功夫映画の集大成が「酔拳」という映画の正体なのである。

袁小田(ユアン・シャオティエン)が他界してしまい、まぁ当時羅維プロにいたジャッキーでは彼を起用できたかどうかもわからないが、それにかわって

「笑拳」で登場した八本足師匠が陳慧樓であったことも、本作を観れば納得。
本作はとかく蔡李佛拳の再現度が素晴らしく、オープニング演舞からラストに至るまで蔡李佛拳の魅力を余すことなく伝えているところも見所で、ラストファイトも素晴らしい仕上がり。固い演出が続く作品だけにそして儚くて報われない傅聲が可哀想になる物語ではあるが、その儚さを惜しみつつ、鑑賞を楽しみたい1作。実際に「蛇拳」主演のオファーをジャッキーではなく最初に傅聲を袁和平(ユアン・ウーピン)監督が考えていたのならば、それはその儚くて素敵な笑顔にハッピーエンドを求めたからではなかったろうか。

■CAST&STAFF
監督 張徹(チャン・ツェー)
出演 傅聲(アレクサンダー・フーシェン)
甄〔女尼〕
王龍威
梁家仁(リャン・カーリャン)
陳慧樓(チェン・ウェイロー)
山茅(サン・マオ)
呉小惠
盧迪
葉天行
李影
林輝煌
陸劍明
戴徹(ロバート・タイ)
郭振鋒(フィリップ・コク)
王力
王慶良
呉燕
王昌熾
楊易木
ケコ祥
王菲
王耀
祖勃林
程天賜
孫樹培
鹿峰(ルー・フェン)
江生(ジャン・シェン)
王圻生
李小明
楊烈
潘章明
馮澤雲
徐永康
武術指導 謝興
陳信一
甄日良
脚本 倪匡(イ・クオン)
張徹(チャン・ツェー)
音楽 陳勳奇(フランキー・チェン)
※クレジットは陳永U
製作総指揮 邵逸夫(ランラン・ショウ)
制作年度 1976


少林英雄榜
Abbot of Shaolin
少林寺英雄伝



何夢華(ホー・メンファ)監督と言うとウチでレビューしているのは

仙女下凡」「北京原人の逆襲」「空とぶギロチン
で、まだ一回もオーソドックスな功夫映画を紹介していなくて、本作が最初となる。なので興味深い。監督作品としては晩年の作品だ・・・が。


流れ


・・・少林寺開き直りすぎ(笑
反清復明を掲げる少林寺は最早、反政府軍の重要拠点。
今日も悪い清軍を倒すために修行に励んでいた。
それにしても清軍を倒すためには武器が足りない(笑
あんた、倒すために武器が足りないとか・・・少林言うてるやん。
なので高弟の姜大衛(デビッド・チャン)は武当山の協力を経て、武器の設計図を入れる旅に出る。

武当山の首領・楊志卿は姜大衛を快く受け入れ、設計図が手に入るまでここで修行することを快諾したが、副首領の白眉道人・羅烈(ロー・リエ)は・・・って、いったい彼が出てくる作品を幾つレビューしたんだ!?・・・ってのはもういいとして、白眉道人は首領と仲違い。

首尾よく設計図を手に入れ少林寺に帰る姜大衛であったが、政府はこの少林寺を快く思っているはずがなく(そりゃそうだ)、江島や・森といった刺客を連れて少林寺襲い掛かって、あっさりと少林寺は皆殺し。1人生き残った姜大衛は広東に逃げる。

一方でやっぱり白眉道人が裏切り。
首領を毒殺するとこっちは清軍の犬となって、姜大衛を探しにかかる。

広東に逃げた姜大衛は、名士・井Eに気に入られてそこにご厄介に。
その間に、姜大衛は徐少強(ツイ・シャオチャン)や呉杭生、唐炎燦(トン・インチャン)といった町の勇士、武当山から追われた李麗麗(リリー・リー)を集って着々と反同盟のメンバー固める。

さぁ皆で白眉道人と戦え!


終劇





これはちょっと・・・やっつけ仕事のような・・・
典型的な少林寺映画として手堅くまとめている・・・だけである。

歴代の少林寺映画の中でも本作ほど少林寺が戦闘本能剥き出しで清軍と戦っている映画はちょっと珍しい。そこに、
「争いをしてはならない」
等という描写は全く無く、延々と少林寺と清軍は戦い続けるといった感じ。
道徳性の描写がここまで無いのはある意味爽快。

物語としては半端な「少林寺三十六房」といった感じで、修行の描写もそこそこに終わって、仲間集め、その「少林寺三十六房」からスピンオフしてきたかのような童千斤役の呉杭生、
←これね
それに徐少強(ツイ・シャオチャン)、マニアックに陸劍明も仲間になったりなんかして。

それで仲間集めて、白眉道人をどうやって倒すのか!?
・・・・意外とあっさり倒したな。おしまい。って感じ。

及第点には達している作品なので、功夫面での頑張りもあるし決して悪くない作品なのであるが、それ以上に何も無くてうーん、特色ある映画を撮っていた感の強い何夢華にしては随分と無味無臭な作品であるなぁ。

■CAST&STAFF
監督 何夢華(ホー・メンファ)
出演 姜大衛(デビッド・チャン)
羅烈(ロー・リエ)
李麗麗(リリー・リー)
徐少強(ツイ・シャオチャン)
呉杭生
井E
顧冠忠
楊志卿
江島
・森
沈勞
唐炎燦(トン・インチャン)
潘冰嫦
思維
于榮
馮敬文
姜南(チャン・ナン)
王清河
陸劍明
王憾塵
強漢
李壽祺
黄志明
徐蝦
蕭コ虎
戚毅雄
譚寶
郭恩治
雷達
戴君コ
黄哈(ウォン・ハー)
江全
馮明
李允武
張作舟
方茹
丁東
楊棋
李恆
班潤生
杜永亮
黄公武
劉準
金天柱
武術指導 ケコ祥
脚本 倪匡(イ・クオン)
音楽 王居仁(エディ・ワン)
製作総指揮 邵逸夫(ランラン・ショウ)
制作年度 1979


三闖少林
Shaolin Intruders
少林羅漢拳




この作品と同時期に唐佳(タン・チァ)監督が撮った「少林拳王子」が非常に面白い娯楽アクション映画だったので、本作にも自ずと期待が高まるといったものだが・・・その期待に十分応える傑作でした!
功夫映画にこんな傑作があることを忘れるな!と言いたい作品です。


流れ


江湖に名だたる名士達が謎の刺客4人組に次々に襲われ、金銀財宝が奪われる。
彼ら刺客を捕らえるように頼まれたのが、腕は抜群だが博打好きのお調子者・白彪(パイ・ピョウ)と一匹狼の爾冬陞(イー・トンシン)。
2人ともその依頼をこなすつもりは無かったのだが、大金が絡んできたので白彪はノリノリに。しかし、それを頼んだ名士もまた殺されてしまう。

当初は殺害現場に金刀が落ちていたことから、その金刀を使うことで有名なヒロイン・劉玉璞に疑いがかけられたが、その後名士・谷峰(クー・フェン)の前に現れた刺客が少林金剛掌の技を使っていたことから、犯人は少林寺に潜んでいるのではないかと容疑はそちらに向けられる。

その刺客4人組の顔を見たと言う劉玉璞と一緒に少林寺に向かった白彪と爾冬陞。
「なんでやねん。冗談じゃありませんよ。」
そう言って突っぱねたのは少林寺館長の・森。
戒律院長の李海生(リー・ハイサン)・・・また戒律院長ですな(笑
「ふざけんな!そんな奴がおるわけないやろ!」
とこちらも怒り心頭。
それでもどうしてもこの少林寺で捜査がしたいのなら、
少林寺自慢の羅漢三関門に挑戦しろ!この野郎!ってなわけですな。

さぁまず高弟・高飛(コー・フェイ)を筆頭にする羅漢房に白彪が挑戦!
ほんで徐錦江(チョイ・ガムコン)を筆頭にする羅漢房に爾冬陞が挑戦!
ラストは館長・・森とガチンコバトル!

この難関を次々に突破した2人は遂に捜査開始。
というか、やっぱ戒律院が怪しいということでそこの僧侶全員集合。
「はい、前に並んでる4人が犯人」
犯人の顔を見てるのであっさりと犯人を割り出した劉玉璞。
「そんなわけねぇだろ!だいたいどこに財宝があるというんじゃ!」
自分の弟子を犯人と断定されて怒りが頂点に達した李海生はヤケになってその辺の物に八つ当たり。机やタンスを壊して回っていたが、なんと壊した机から金銀財宝ザックザク!

「そそそ、そんな!私の弟子が犯罪を・・・・」
茫然自失した李海生は戒めに犯人とされた弟子達を始末すると、自身も責任を取って自害。
次いで、その場で自分が責任を取れなかったことを悔いた館長・・森も事件後に自害。

事件は悲しい一幕の末に解決した。
ということであったのだが、劉玉璞と良い感じになっていた爾冬陞は突然彼女に冷たくしてその場を逃げ出した。
「あれ?どしたの爾冬陞?」
というわけで、問いただした白彪に爾冬陞は、
「事件はまだ解決していない」


終劇





秀逸なサスペンスストーリーとハイレベルな功夫アクションが見事融合した文句無しの傑作である。
劇中に2回あるどんでん返しがまさに二転三転ストーリーを象徴しているし、物語に引き込まれていく演出が見事。ポイントとなっているのは"少林寺"である。
本作はいわゆる古龍式武侠片的な物語展開なのだが、通常武侠ファンタジーというものは我々と全く違う遠い世界を描いているようで、だからこそファンタジーなのだが、本作はその舞台を少林寺に置くことで、親近感あるスターとして一気に人気を獲得したジャッキーのコメディ功夫(この辺が白彪の役割)や李連杰(ジェット・リー)の少林時代を彷彿とさせ、要は私が慣れ親しんだ世界と武侠サスペンスの世界、こちらも見事に融合しており、
「ああ、この世界とこの世界は融合可能なんだ!」
と改めて認識させてくれた次第、舞台が馴染み深い少林寺ということで一層物語にこちら側が感情移入しやすいのだ。

クールな爾冬陞とおちゃらけの白彪。
この主演対比も抜群で、これはその「少林拳王子」でもクールな爾冬陞の対比で何とおちゃらけに狄龍(ティ・ロン)を持って来ているのだが、同様におちゃらけ役を演じる白彪というのもこれ一本しか知らない。知らないがこの白彪の、
「うわうわ負けそうだ・・・」
という台詞を言い放ちながらも、力溢れる功夫技で危機を次々と突破する活躍は、むしろその生死を賭けて戦う自分を楽しんでいるかのようで、逆に頼もしく格好良い。予想外のオチも含めて見事。

豪華なセット、秀逸な物語、ハイレベルなアクション。
ついでに言えばなかなか可愛い劉玉璞というヒロインも含め、
まさにショーブラザーズならではの傑作である。大当たり。

「プリズン・オン・ファイヤー」で周潤發(チョウ・ユンファ)を散々苦しめた徐錦江の功夫アクションも貴重だなぁ・・・

■CAST&STAFF
監督 唐佳(タン・チァ)
出演 爾冬陞(イー・トンシン)
劉玉璞
白彪(パイ・ピョウ)
高飛(コー・フェイ)
・森
關鋒
李海生(リー・ハイサン)
徐錦江(チョイ・ガムコン)
陳國權
艾飛
谷峰(クー・フェン)
魚頭雲
李耀敬
沈勞
ケ偉豪
黄偉棠
楊コ毅
凌志雄
何柏光
王清河
洪新南
元華(ユン・ワー)
張國華
李發源
黄培基
黄志明
馬漢(三元)
魏添材
林志泰
蘇漢生
王小明
李恆
尹相林
張榮祥
杜偉和
馮明
江全
龍英
譚偉民
陳勇
劉準
馮敬文
武術指導 唐佳(タン・チァ)
黄培基
元彬
元華(ユン・ワー)
李海生(リー・ハイサン)
江全
脚本 倪匡(イ・クオン)
洪克
凌雲
葉錦鴻
音楽 成錦榮
蘇振厚
製作 方逸華(モナ・フォン)
製作総指揮 邵逸夫(ランラン・ショウ)
制作年度 1983


非洲和尚
Crazy Safari
ブッシュマン キョンシーアフリカへ行く



※Amazonリンクの商品は「ブッシュマン」シリーズの2枚組BOX。ニカウさんとキョンシーが、巨大ゾンビに立ち向かう『ブッシュマン キョンシーアフリカへ行く』と、ニカウさんが悪党からパンダを守る『ブッシュマン ニカウさん中国へ行く』を収録です。


そもそもの「ブッシュマン」は1981年の作品で、私なんかはこの映画で起きたニカウブームを覚えている世代なのだが、20代以下にはさっぱりわからないだろう。完全な一過性のもので、「ブッシュマン2」公開時には大した盛り上がりを見せなかったのを覚えている。
ただ、実際に「ブッシュマン」という作品が他に与えた影響は少なくなく、

「ドラゴン特攻隊」では「ブッシュマン」そっくりなシーンが登場したり、後の「クロコダイル・ダンディー」やその派生である許冠文(マイケル・ホイ)の「ミスター・ココナッツ」など"田舎モノ大活劇"といったジャンルのエポックであったことは想像に難くない。

最初に誰がどう取り合わせたのか知るべくも無いが、この取り合わせは素直に面白い。異質なものと異質なものの取り合わせ、その違和感を楽しむ不思議な感覚がこの映画にはある。


流れ


流れて・・・まったくもう(笑
キョンシー化した陳龍はオークションでセリにかけられていた。
これを競り落としたのは林正英(ラム・チェンイン)道士を連れてきた陳山河。
陳山河のご先祖様なので大事に持ち帰りましょう。

だから、大事に・・・って言ってるのに!
飛行機がガス欠で落ちたりなんかして、陳龍キョンシーはアフリカのどっかへ。林正英と陳山河もアフリカのどっかへ。

かつて、ニカウさんが拾ったのはコカコーラの空き瓶であったのだが、
今回拾ったのは陳龍キョンシー!!
コカコーラの空き瓶を神様からの贈り物と勘違いしたニカウさん、今回は神様そのものが降りて来たと勘違い!
村に持ち帰って大切にしましょう。

その頃、林正英と陳山河は野獣だらけのアフリカ大陸で陳龍キョンシーを捜し回っていたのだが、そのすったもんだでニカウさんと出会い、やっとこさ陳龍キョンシー捕獲。
しかし、どこから出てきたかわからんような悪者達が原住民を買収して悪さを企んでいるのであった・・・


終劇





このようにピンポイントに作ってくれると気持ち良いよね。
本作は明らかなファミリー映画であり、キョンシー映画でもありながら血は出ない。家族揃って楽しく観れる作品である。
キョンシーという誰にとっても異質な文化と、ニカウさんという僕達にとって異質な文化がぶつかり合う変てこさを見てるだけでも楽しい。

まぁ様々な噂のあるニカウさんだったがそんなことは置いといて、林正英がニカウさんに功夫を教えるシーンなど、国境を越えたささやかな異文化交流
が微笑ましかったりするのだが、本作の魅力の底にはこんなものがある。
アフリカ、キョンシー、ニカウ、野生物、etc・・・
こういったものを使ってどういった面白いシーンを撮れば良いのか?
というところでクルーも大いに頭を悩ませたと思うのだが、今までコメディ、アクションとどんちゃかアイデアを出し合ってきた香港映画人の力っていうのかな、これが壮大なアフリカで存分に発揮されており、ニカウ一族の特徴や現地独特の大自然を生かすことに成功している。
周星馳(チャウ・シンチー)と呉孟達(ン・マンタ)をナレーションに持ってきたのもとても良いアイデアだし、アチョー!ニカウさんシーンが何てったっておもろい。

この作品は実際、
「ニカウとキョンシーの取り合わせは面白いだろう」
ってことで撮られた単なる娯楽映画である。
しかし、異文化交流という意味では

「ダンス・ウィズ・ウルブス」や「ラストサムライ」等の映画もあるが、いつでもNo.1気分な白人の立ち入らない素直な異文化交流を描いた作品としては貴重で、劇中にどっちの文化が偉いだの悪いだの良いだのといった描写は全く無い。ただあるがままにお互いの文化を描写している。ここが決定的に白人が描く異文化交流映画と違っており、
あんたらの文化は変ですよ。でもそれはそれで理解できますよ。何たって私ら白人ですから。
といった白人王道は存在しない。
単なる娯楽映画だから存在しないのではなく、
「お互いの文化を尊重し合うのはハナから当然だ」
だと思っているからこそ存在しないのである

林正英道士が異部族の英雄になる必要など毛頭無い。
劇中でどちらかの文化が優位性を保っていないことに是非注目して欲しい(即ち、結局白人文化最高!なんてことになってないってこと)。

林正英道士の乗るダチョウ君もとっても可愛い一篇です。

■CAST&STAFF
監督 陳會毅(チェン・フォンイー)
出演 ニカウ
林正英(ラム・チェンイン)
陳龍
陳山河
周星馳(チャウ・シンチー)※ナレーション
呉孟達(ン・マンタ)※ナレーション
李小龍(ブルース・リー)
鮑コ熹
動作指導 李フ柱
脚本 黄炳耀(バリー・ウォン)
音楽 盧冠廷(ローウェル・ロー)
策劃 李炯佳
製作 向華強(チャールズ・ヒョン)
黄炳耀(バリー・ウォン)
製作総指揮 向華強(チャールズ・ヒョン)
向華勝(ジミー・ヒョン)
制作年度 1991


百戰保山河
Immortal Warriors


この作品がひょっこり出てきたのには驚いた。
一番最初に役に立った成龍(ジャッキー・チェン)のフィルモグラフィは

蛇鶴八拳」のパンフレット掲載のもので、既に28年も前のことになる。思えば幼い時からそのフィルモグラフィを読んで、
「どんな映画なんだろう」
と妄想に勤しんだもんだ。
そっからその28年を経てまぁ出るわ出るわと他にもジャッキーが端役で出ていたり、武術指導を手掛けていたり、プロデュースを行っている作品が発見された。
ただまさか紛いなりにも主演をやってた羅維(ロー・ウェイ)時代にまだ武術指導をしていた作品が残っているとはおもわなんだ。

百戦保山河。
これまで数々の映画を観てきたが、監督がこんなにいる作品は初めてだ。ほんまになんじゃこりゃ!12人!
12人の優しい監督!
しかもどの人も名の知れてる監督ばかり。
羅維と郭南宏(ジョセフ・クオ)がコラボってるってどういうことよそれ!?
さらに配役も凄い。
全てありそで無かったような組み合わせ。
そこになんか当たり前のように特にアピールするわけでもなく、武術指導ジャッキーの文字が。武術指導ジャッキーですけど、何か?みたいな。

おかしいなぁ不思議だなぁ。
なぜこれほどまでの大作のことを今までじぇんじぇん知らなかったんだろ。
今更そういうワクワク感ある作品が出てくるとはねぇ・・・
だってあれですよ、孟飛(メン・フェイ)や上官靈鳳(シャンカン・リンフォン)や戚冠軍(チー・クワンチュン)とジャッキーが一緒の作品で仕事してた!
そんなんあるのか! どんな作品か!?
それだけでジャッキー迷の私ならワクワクするに決まってますがな。

で、ジャッキー迷なら当然
「どこ殺陣付けたんだろ?」
って推察したくなるのもので・・・はてさて!!



流れ


歴史モノなんですが・・・
解説もあるのによくわからず・・・情けなや・・・
そうなんだよなぁ、俺に無いのは語学力。勉強しないと。

と、とにかく大戦が起きてます。
城攻めにやって来た金剛(カム・コン)将軍と苗天(ミャオ・ティン)副将軍、
そして城を護る戚冠軍(チー・クワンチュン)将軍との戦いの行方はやがて金剛将軍側に傾き、城は落とされます。
「息子を何とかしないと!」
というわけで戚冠軍家の血筋を守る為に、妻の歸亞蕾とその息子は金剛側の人間に化けます。
格好良い将軍の戚冠軍
そして、戚冠軍らは自刃。
金剛将軍は戚冠軍一門を根絶やしにするのでした。

数年後。
成人した戚冠軍・歸亞蕾の息子である孟飛(メン・フェイ)は、金剛の娘である姫・上官靈鳳(シャンカン・リンフォン)と共に羅烈(ロー・リエ)師匠・・・もうまた羅烈ですよ。本当にウチのレギュラーです(笑 羅烈師匠の修行でメキメキ強くなる2人。
そんで実は金剛が父の仇であることを知りません。

雙槍の達人である田俊(ジェームス・ティエン)は反政府分子。
酒屋のフリをして関所を切り抜けようとしたが、官憲に虐められている女子たちを見て奮起。あっさりと正体をばらしてバトル!田俊格好良いっす!
やって来た苗天とバトルして良い感じでしたが、引き連れてきた矢兵に射られてしまい死亡・・・あれですね、ゲスト出演の人たちは短い出番って感じで。今回の田俊さん格好良かったのになぁ・・・

この一報を受けた羅烈師匠。
実は彼は全てを知っていました。その田俊の雙槍の技までも。
この雙槍の技を孟飛に伝授する羅烈師匠。
そしてこれ以上事情をしっている自分がいるのはまずいって感じであっさりと羅烈は自害。ゲスト出演終わり。

相変わらず自分は金剛将軍に仕える身と思っている孟飛は敵との戦で勝利を挙げていきます。
敵将・李中堅とのバトル!
「俺、素手だからお前も素手にしろや!」
って言っておいて孟飛が素手にしたら早速武器を手にする李中堅(笑
しかも負けてます。こちらは格好悪いですなぁ。

ここまで余り活躍の場が無い上官靈鳳が一計を案じます。
敵側にスパイとして潜り込んだりして、そしたら相手側の副将軍・柯俊雄(オー・ジョンファン)に気に入られて・・・って、
や、やめて・・・クスクス笑いが止まらない!
おい!やめろ!この濃いロマンスは(笑
上官靈鳳と柯俊雄という濃い顔同志のロマンスはやめとくれ!
柯俊雄、あんた顔がゴツイんだよ。
上官靈鳳、化粧濃いよいつもいつも。
くすくす笑いが止まらない!

柯俊雄は頭が良いです。
実は上官靈鳳が密偵であることは見抜いていました。
さらに、敵側の孟飛が使う雙槍の技を見て、彼が何者であるかさえ見抜いてしまいます。
しかし柯俊雄は副将軍。
将軍の許可なくして動けません。
将軍との密談を重ねた末に今度は柯俊雄が逆に金剛側に寝返ったということにして、上官靈鳳をたらし込み(別にやらしいことはしまへん)、金剛側に。

そこで密談する柯俊雄と孟飛の母・歸亞蕾。

全てを聞かされた孟飛。
今度こそ仇討ちだ!・・・って感じもありましたが、姫・上官靈鳳は良き親友であり、金剛将軍は父同然の育ての恩師、彼は最後にどうするのか!?
とりあえず恩義の薄い苗天副将軍は殺します(笑
そして、金剛とのバトルが始まったら段々孟飛有利な展開に。

金剛 「上達したな!おい小僧!」
孟飛 「・・・・・。」
最後の一撃まで後一歩の孟飛!
金剛 「・・・・・!!」
孟飛 「・・・・・。」

・・・って、何かこの展開どっかで見たことあるぞ!?
「例え一日でもあなたは師匠。師匠!」
ってどっかの一重まぶたの無口な青年が金剛に言ってたのと重なる気がするのは気のせいか?



終劇





いやこれ結構面白いすよ!
採点甘いかも?でも面白いすよ!

それにしてもだからあれだよなぁ、孟飛主演の作品としても名前を全然知らなかったもんなぁ、上官靈鳳としても。不思議不思議。
ゲスト出演の威厳ある将軍を演じた戚冠軍、一匹狼ファイトな田俊、白眉道人を彷彿とさせる羅烈、何れも格好良い。
物語としても孟飛がどのような形で真相を知るのか?ってことに興味が湧くしそれでいて上官靈鳳や金剛との関係はどうなるのか?あっさり戦って殺すって感じかと思いきや、その辺もちゃんと細かく演出があったりして結構面白かった。
ただ、呼びすぎた豪華監督陣と豪華キャストということであの、そっちに予算を使い過ぎたんじゃないですか?
というのも、オープニングの城攻めシーンこそお金のかかっているものなのだが、その後はやっぱりオールロケと台湾映画村?って感じで安く、国を牛耳る金剛将軍がラストの戦いに一人で馬乗って現れるし、近衛兵が近くに全然いないじゃんってぐらいにエキストラを使っておらず(または雇えず)、いつもの台湾功夫映画のスケールに戻ってしまったのは残念だったな。

アクション面について想像すると色々見えてくるものがあって、柯俊雄の功夫アクションなんて見たこと無かったので興味深かったのだが、さて!

どのシーンをジャッキーが殺陣付けたのか?
ってことですが、確証はありませんが推察は容易に出来ました。
たぶん、田俊のバトルシーンですね。
他と違って手数が多くて細かいし、田俊の動きそのものがジャッキーとの共演作

龍拳」「拳精」に酷似しています。逆に他アクションシーンにこのシーンのようなテイストを感じられないのも証明なのでは?と思いますね。
もう一つ言うと、この映画は台湾で活躍していた映画人たちが空いたスケジュールを併せ持って作られた映画でしょうし、どちらかと言えば羅維組に当たるであろう田俊(1979年ということはジャッキーの「クレージー・モンキー・笑拳」に出演していますし)とバリバリ羅維組だったジャッキー、逆にこのシーンに孟飛や上官靈鳳は出演していないという時点で、
「このシーンは羅維組がやって来て撮った」
という推察が容易に出来ます。
そうなると連鎖していくのですが、やたらアクロバットにトランポリンな上官靈鳳の功夫シーンは韓英傑(ハン・イェンチェ)っぽいなって思いますし、孟飛の功夫シーンは彼と繋がりのある游天龍が付けたんだろうなって推察できるわけですね。
ポジティブに捉えると様々な功夫アクションも一同に介して見られるし、そのアクションも全体的に良いので(贔屓する訳ではありませんが田俊のバトル良いです)その辺も合格点の作品かと。

これ、
ジャッキー武術指導!
武侠片ブームの原点がここに!
なんて嘘こいて日本でちゃんと発売してくれませんかねぇ。
面白い映画にはいつもこう言っていますが。

■CAST&STAFF
監督 程剛
申江
羅維(ロー・ウェイ)
張曾澤
王星磊
李冠章
金聖恩
歐陽俊
徐天榮
郭南宏(ジョセフ・クオ)
徐搓G
孫聖源
出演 孟飛(メン・フェイ)
上官靈鳳(シャンカン・リンフォン)
金剛(カム・コン)
柯俊雄(オー・ジョンファン)
苗天(ミャオ・ティン)
歸亞蕾
羅烈(ロー・リエ)
戚冠軍(チー・クワンチュン)
田俊(ジェームス・ティエン)
薛漢(シュエ・ハン)
李中堅
江青霞
李允中
趙雷
游天龍
胡光
葛長生
劉幼斌
劉傳華
武術指導 韓英傑(ハン・イェンチェ)
陳世偉
游天龍
成龍(ジャッキー・チェン)
脚本 程剛
申江
貢敏
音楽 黄茂山(ウォン・ムーサン)
製作 王峯
製作総指揮 張英
制作年度 1979


師兄師弟齊出馬
Incredible Kung Fu Mission


2009.02.14のレビュー「師妹出馬」然り、この本作「師兄師弟齊出馬」然り、ジャッキーの

ヤング・マスター・師弟出馬」公開に先駆けて或いは混じって色んな"出馬"を冠する功夫映画が登場した。
この「ヤング・マスター・師弟出馬」という作品の存在はとても大きく「癲螳螂」や「プロジェクトD」等様々な功夫映画の殺陣でその影響が垣間見られた。
特にジャッキーが黄仁植(ウォン・インシック)に蹴られて横回転しながら落下するスタントは後の現代アクションでもよく使われるスタンダードなスタントとなった。
また戦闘の展開において絶対勝てない相手に死に物狂いで向かっていって奇跡の勝利を収める、といったパターンは私のような少年に大きな感動と衝撃、そして夢を与えた。
逆に本作は恐らく「ヤング・マスター・師弟出馬」公開前に製作されたもので、
「ジャッキーが今作ってるのはこんなのかなぁ・・・」
という流れてきた情報を元に想像で作った映画、だと思われる。
それだけにその物語は余りにもタイトルそのままであったのだが、はてさて。
うーむ
北京語字幕無しは難しいなぁ。広東語なら結構わかるんですけどね聞き慣れていますから。
ちなみに北京語と広東語、どっちが好きかと言われるとそりゃ広東語ですね。

なんとかかんとかはいやぁ
うんとかすんとかやいやぁ

語尾の母音が「あ」になることが多いの。
これって、
なんとかかんとかよかぁ
っていう九州弁に似てる気もするのね。
やっぱ南の言葉の方が楽観的なのんびりした語感になるのね。


流れ


とは言ったものの、やっぱ北京語字幕無しは難しい。
というか、これ物語があるのかなぁ・・・みたいな。

徐忠信と戴徹(ロバート・タイ)が話し合い。
徐忠信 「あんた村長捕まえたやろ。あかんやん。」
戴徹 「存じません。」
というわけで物別れ。
困ったので、劉忠良(ジョン・リウ)師匠に相談する徐忠信さん。
とりあえず村に行ってみますか。

村では血気盛んな若者達がケンカ。
おおおおこの豪勢な奴らなら村長を助け出せそうだ。
その神の足でケンカを鎮める劉忠良師匠。
「おいおまいら!俺に弟子入りだ!」
・・・師匠の方から弟子を強制する映画も珍しいな。

というわけで弟子になった若者は5人。
怪力坊主の程清、
身軽な少年・丁華寵、
お調子者の金龍、
大道芸人(芸名不明)、
そして一番目立ってない羅鋭(アレクサンダー・ルー)・・・
おお、調べてみれば本作はどうやら羅鋭のデビュー作!?
五人の中で一番小さい扱いだ!

そしてすぐ始まる5人の功夫修行。
劉忠良師匠は厳しいぞ、ランニング、ランニング、ランニング。
うわぁ功夫云々言う前に滅茶苦茶基本的なことをやらしてますなぁ。
爽やかなBGMに雄大な景色でランニングな爽やか青春映画・・・
これってそんな映画なんですか?
いよいよ功夫修行に入るかと思ったら、まだ匍匐前進とか基礎体力つけるトレーニングで段々腐ってくる5人。

劉忠良師匠 「だって、おまいら弱いもん」
腕試しに売春宿でいつも小悪党の魏平澳(ウェイ・ピンアウ)の手下達とバトルする5人であったが、結局コテンパンにやられてしまう。

くそお!悔しいぜ!
心を入れ替えて修行に励む5人!
今度はメキメキ腕を上げる5人。
そして、魏平澳一行にリベンジ!

しかし、彼らは何のために修行してんだっけ?

というのは、敵の襲撃で逆に明らかにならんこともない。
この辺りから戴徹が刺客を放つ。
三下程度は5人で何とか片付けたのだが、師匠の劉忠良は王圻生の騙まし討ちに遭い、多勢に無勢。
急いで駆けつけた5人によって形勢は逆転、何とか敵を追い払うのだが仲間の1人、大道芸人が犠牲になってしまう。

もう許さん!
復讐を誓う4人と劉忠良師匠。
物語的に何で戦ってるのかここまでようわからんかったが、仲間が死んだらもう許さん!

ここまで目立った活躍の少なかった羅鋭が遂に目立ちだす。
1人荷車に潜んで戴徹のアジトに乗り込んだ羅鋭であったが、いともあっさりと戴徹に見つかる。
頑張って戴徹と戦う羅鋭であったが、圧倒的に強い戴徹は左手を一切使わず羅鋭をボコる。

一方、その間に崖からアジトに潜入する残り3人と劉忠良師匠。
ロープを使って崖を登ったのだが、一番最初に登りきった程清が頂上で戴徹の手下に襲われ、かと言ってロープを放すわけにもいかないので仲間の為に犠牲になる。
気がつけば、生き残りは丁華寵、金龍、劉忠良師匠。
捕まってた羅鋭と村長(そもそも村長か何なのかわかりません)を助け出していよいよアジトでラストバトル!
丁華寵、金龍で戴徹に立ち向かうがマントを翻し鉄指拳で戦う戴徹に歯が立たず、2人とも死亡。
その後は羅鋭が捨て身の攻撃で戴徹の動きを封じ、劉忠良師匠によってやっとこさ戴徹に鉄槌を下す。

村長を助け出した劉忠良師匠だったが、弟子は全員死んでしまった。
ほんとにやっとのことで救出したというに
「ありがとう」
と冒頭以外全く出番のなかった徐忠信がお礼を言った途端に村長を撲殺。
かくしてここに真のラストバトルが始まった!

五毒拳」で鹿峯(ルー・フェン)が見せた蠍拳みたいに素早い手技で襲い掛かる徐忠信。得意の足技でこれを何とか防ぎきり、徐忠信のチンポコ潰して勝利!
ただ1人生き残った劉忠良師匠、何故かここで明るいBGM。
みんな死んでしまいましたけど・・・・


終劇






ストーリーは至極単純なものでみんなで修行して悪い奴やっつける、それだけである。
出演者が劉忠良ただ1人しか生き残らず、なのにまだ明るいBGMがかかりっぱなしのも変な気がするが、まぁいいや。そこまでの展開は爽やかでテンポ良く、弟子5人組もちゃんとキャラクターを描き分けていて観てて楽しいものがあるし。

親分肌の程清も頼れるおっさんとして魅力あるし、仲の悪かった金龍と丁華寵が最後には力を合わせて戦っているところも面白い。
中でも特筆はやはり羅鋭であろう。
前半は本当に見せ場もなければ顔もロクにアップにならないと苦しい下積み時代を披露していたが後半はこれが一転、1人で功夫アクションの見せ場を作って大立ち回り、5人組の中でも最後まで生き残って奮闘する一番美味しい役どころに変わっている。
これ、監督が彼の功夫スターとしてのポテンシャルの高さを撮影途中から感じたのではないかな?
翌年に既に主演作があることを考えても間違いなさそうである。

肝心の功夫アクション面で言えば、劉忠良が多勢に無勢になる辺りから大きな盛り上がりを見せるし、マントを駆使して戦う戴徹も格好良い。
ラストバトルでは劉忠良師匠の足技も嫌と言うほど味わえるし、何しろ徐忠信とのバトルコンビネーションが抜群で息の合ったファイトが素晴らしい。

主演の劉忠良が今回爽やかで感じの良いのもポイント高いす。
この人はなんか感じ悪いイメージが多いしね。
劉忠良作品としては文句なしの傑作と言えるかも。


■CAST&STAFF
監督・脚本 張信義
出演 劉忠良(ジョン・リウ)
徐忠信
戴徹(ロバート・タイ)
羅鋭(アレクサンダー・ルー)
程清
金龍
丁華寵
余松照
馬金谷
孫嵐
魏平澳(ウェイ・ピンアウ)
程天賜
王圻生
王永生
呉燕
潘章明
齊後強
楊奎玉
曾明昌
王國輝
陳金海
黄蕾
葛長生
扈漢章
張玉清
葉照旭
武術指導 戴徹(ロバート・タイ)
音楽 黄茂山(ウォン・ムーサン)
策劃 藍天虹
製作 呉玉雲
陳伯元
製作総指揮 呉玉雲
制作年度 1979


男兒本色
Invisible Target
インビジブル・ターゲット



結局、更新が止まる時って自分のリアルの方で環境が変わった時でして、ま、その環境に慣れるまでは更新する余裕が無かったのが主な原因なのですが、原因はそれだけではなくて色々重なりましたね。
も一つの原因はサモハン祭りかなぁと。
元々観たいものから観てたのにサモハン連打して勝手に、まさに勝手に疲れましたね。やっぱり自分が楽しみながら更新しないと。苦しんじゃいけない。仕事でないうちは・・・いや逆に仕事だったら割り切れるからバンバンやれるか・・・
ともかくそれが悪かった。
そしてその辺に気づいて更新再開だ!
と思って掲示板に書いた辺りで今度は夏風邪引きますた。
とりあえずインフルエンザではなかったのでホッとしましたが・・・それにしてもインフルエンザ怖いですね〜
あの〜あれですね「20世紀少年」、これはネットカフェでまったりしている時に何となく映画の粗筋をネット読みしてて興味を持ったので読んでみた次第で原作も読んでみたのですが、
面白いなぁ!なんつーか、マンガも進化しましたねぇ!
明らかに話題が遅すぎるんでしょうが。
というのもマンガってそれこそ十数年前から読んでないんですよ。だからマンガの進化には全然気が付いていなかった。
カット割りが凄いすね。
普通、
「このマンガを映画にしたら・・・」
って想像すると原作から実写のイメージをひねり出すのってなかなか難しいものがあるのですが、これはむしろ想像する必要が無いというか、そのまま映画を観ているかのような気分にさせてくれますなぁ。
なんか頭の中で勝手に絵が動く感じで。

だから映画観たけどやっぱそのまんまって感じでした。

しかしね、
その一見現実離れした「20世紀少年」のストーリーはよく考えなくても現実とそんなに大差ありませんよ。
メディアは規制の嵐で音楽シーンもガツンと来る曲が全然出てこない。いやそもそも世に出て来れないのでしょう。
政治はご覧の通り荒れ果てて、私みたいな政治知らずには舛添さんしか信用できない。さらに彼は既に与党じゃない。
そして蔓延するインフルエンザ。
ワクチン配布がどうのこうので大騒ぎしてますね。
ああもう本当に「20世紀少年」と大差無い。

・・・話を元に戻しまして、 ええと、風邪を拗らせてそもそものリアルで復活に時間がかかりました・・・年々体が弱くなってるような気がするよなぁ全く。
とりあえず、リハビリ程度に簡単にレビューします。

本題に入りますが「インビシブル・ターゲット」。
ジャッキー抜きでジャッキー「ポリス・ストーリー」シリーズを超えるポリス・ストーリーを作る!
そういった意気込みがヒシヒシと伝わってくる作品である。何にしろ映画の面白さに大きく作用する見えないファクターというものは映画製作に対する製作者達の情熱が如何にフィルムに封じ込めてあるか、なのだということを改めて感じさせてくれた作品である。


流れ


呉京(ウー・ジン)一派が起こした現金強奪事件。
刑事・謝霆鋒(ニコラス・ツェー)の婚約者はこれに巻き込まれて死亡し、謝霆鋒は復讐の鬼と化していた。
呉京一派を捕まえようとして逆にフルボッコにされた警部補・余文樂(ショーン・ユー)も逮捕に執着。
一方で、心優しい警官の房祖名(ジェイシー・チェン)は呉京メンバーの1人に兄がいるということで、心悩ませる。

呉京一派を一網打尽にするため、まずは房祖名に近づいた謝霆鋒と余文樂。
とても相容れあう3人は見えなかったのだが、事件に解決に向けて力を合わせていくことで奇妙な友情が生まれはじめる・・・


終劇(これからですが)





やや残酷描写が強い印象があるが、確かにジャッキーに負けない然とした素晴らしいハードアクション映画である。

これまで陳木勝(ベニー・チャン)監督は「衝鋒隊怒火街頭」「ジェネックス・コップ」「香港国際警察 New Police Story」等、次々とハードなポリスアクションを放ってきてジャッキーを主演に迎えた「香港国際警察 New Police Story」は一つの集大成であったことは間違いないのだろうが、まだまだその制作意欲は衰えないどころか増すばかりというのを証明する作品である。

そもそもCG全盛で映画に於ける"手に汗握るスリルアクション"の表現方法や定義そのものが変わりつつある時代に、本来の"手に汗握るスリルアクション"をしっかりと描こうとする監督はメジャーシーンを見渡しても数少ない。監督本人が仰っている通りに、この映画はハリウッドでは作れない。まさにメイドinホンコンだからこそ作れるアクション映画である。

メイドinホンコン、
やはりそこにあるのは"熱"そのものである。
本作は「面白いものを作ってやろう!作ってやる!」という気概に満ち溢れている。

今回、いつもこざっぱりハンサムな印象から一転してアウトローな役柄を演じた謝霆鋒は・・・彼は偉いなぁ。あのね、謝霆鋒ほどの男前さんなら何もジャッキー目指さなくても演技派のイケメン男優として十分やっていけますよ。そこを敢えてジャッキーに迫る勢いで本当に体張ってアクションやってる・・・偉いよなぁ本当に。色々ありましたが奥様と幸せにやってほしいところ。
余文樂も青臭い若さが払拭されて役者的に成長、渋みが出てきたところに非常に魅力を感じましたし、アクションも勿論頑張る頑張る。
それとおっさんになった鄭浩南(マーク・チェン)も渋みが出てきたなぁ。
そして、やっぱ房祖名ですね。

ツインズ・エフェクトU」での彼を観た時は
「これは・・・色々な意味で・・・あかんなぁ・・・」
と思ったのが正直なところですが、今回は十分良かったのではないでしょうか。滅茶苦茶失礼ですがルックスも以前より大分見られるようになって来ましたし、役柄も彼自身に合ってる。そして所々やっぱり父親・ジャッキーの面影がちらつきますね。泣いてる時の演技が「香港国際警察 New Police Story」でのジャッキーまんまじゃないすか。
この3人が最初に集合する喫茶店と言うか、現代風"客棧"というか、客棧と表現した通りにここで見せるアクションは何気に張徹(チャン・ツェー)監督リスペクトじゃないすか!(もっとわかりやすく言えば「酔拳2」ですが)

ただちょっと可哀想な・・・というか敵役の呉京ですが、今回も抜群なキレ味の功夫技を披露していてとても満足・・・ではあるのですが「SPL/狼よ静かに死ね」以来すっかり悪役として定着してしまいそうでその辺が可哀想ですねぇ・・・なんか今後ジャッキー映画の悪役にも抜擢されそうな雰囲気。対決は観てみたいがもうジャッキーが戦うにはきつい相手っすよ。今後、倪星(コリン・チョウ)のようにハリウッドでも活躍するんじゃないかなぁ、その辺に期待。

ただ一つ難を言えば、ちと上映時間が長すぎるかと。
まぁ香港アクション映画好きなら文句無しのオススメ作ですね。
「コネクテッド」もあるし、今後の陳木勝監督にも続けて期待したい。

余談ですが房祖名の祖母を演じてた女性、どっかで観たことあるなぁと思っていたら「14アマゾネス 王女の剣」「傾國傾城」の盧燕さんですね!お元気で何より!

■CAST&STAFF
監督・製作 陳木勝(ベニー・チャン)
出演 謝霆鋒(ニコラス・ツェー)
余文樂(ショーン・ユー)
房祖名(ジェイシー・チェン)
呉京(ウー・ジン)
安志杰(アンディ・オン)
江若琳
劉梓妍
林嘉華
鄭浩南(マーク・チェン)
李燦森(サム・リー)
盧惠光(ロー・ワイコン)
王雪梅
施祖男
盧燕
林雪(ラム・シュー)
郭富城(アーロン・クォック)
動作指導 李忠志
脚本 陳木勝(ベニー・チャン)
呂思琳
凌志民
策劃 林炳坤
鄭劍鋒
張浩
製作総指揮 林小明
趙雪英
宋岱
于冬
制作年度 2007


雜家高手
The Dragon, the Hero



何誌強(ゴッドフリー・ホー)と言えばフィルマークの看板監督・・・知らない人には聞こえが良いが、著作権完全無視にして台湾やフィリピン、インドネシアから安く買い漁ってきたアクション映画のフィルムに流行りの忍者やキョンシーなどのシーンを追加撮影して付け足して、勝手に何誌強と自分名義にして公開するといった、今考えればよくそんな会社が何年も経営できたな、というか何と今現在でも姿を変え名を変え存続しているらしいと言うのだから驚き呆れたもんだ。
つまり、張徹(チャン・ツェー)の助監督を務めていたこともある何誌強名義の作品はいつも勝手にクレジットをほぼ変えただけで、この何誌強の監督としての真の実力というものがサッパリわからなかったのだ。

そこへ来てこの作品である。
後にフィルマーク作品にも登場する巨龍(ドラゴン・リー)が新人として紹介される本作は純粋な何誌強作品なのだ。


流れ


大好きな赤バック演舞オープニング!
何にしてもこれが大好き!

そして、二十年後。
・・・な、なにが?なにが二十年後???

説明せずに物語は進む。
陳流は何か・・・金持ち?
とにかく偉いらしくて手下に高飛(コー・フェイ)と楊斯(ヤン・スエ)配置。
そして陳流さんは強い奴が好きなので、武芸者に楊斯と勝負させて賭けを楽しんでいたのであった・・・そして楊斯ボロヤンに勝った!としても!
帰り道を高飛さんが待ち伏せ。
今回の高飛さんはすげえ。
相手の得意技を見ただけで瞬時に習得!
その相手の技で相手を倒しちまうのさ!
しかも自分で砂時計片手に制限時間付きで!

ということは白人が横暴をふるうぜ!
「これは許せん!」
と立ち上がったのは町の若者・王將(ワン・チェン)と巨龍。
この白人がまた全く強くないというか武芸者でも何でもないの。
単なる権力者。

ニンマリニンマリニンマリ
影からそれをニンマリ見てる劉忠良(ジョン・リウ)が実に桑田真澄。

後から王將とこ行って
「お前、なかなかやるじゃんかそうじゃんか」
と一褒めする劉忠良。
「っていうか、お前は俺の父の仇の息子だ!死ねや! 」
劉忠良が見せた技がそんな感じだったのでお褒めも聞かずに怒り心頭の王將。

二十年後・・・なんの?
そうなのだ。
赤バックで戦ってる劉忠良と王將は敵同士で(のようなシーンもあって)、劇中出てくる2人はそのそれぞれの息子役なのだ!だから二十年後。
・・・ま、劉忠良の方が技は一枚上手。

ほわちゃあ!!
さぁ陳流のアジトに潜入する巨龍。
なんで?さぁ知らん。
アジトでは陳流が女相手に不気味な妖術実践中。
この陳流は以前強姦魔で、強姦しようとしたその時に野犬に襲われてチンポコ噛み切られますた・・・
その辺から狂犬病拳を編み出しますた・・・
ほわちゃあ!!
李小龍(ブルース・リー)ごっこを楽しむ巨龍。
・・・確かにこの人・・・なんか意味もわからず演ってる感じやな。
でも、高飛は勿論陳流も意外と強いので負けて退散って感じですな。

一方で、劉忠良は高飛に殺されたどっかの捜査官の手がかりを・・・多分頼りに陳流屋敷へ堂々入場。
陳流が放った刺客三人を軽く倒すと陳流の仲間になって潜入。
・・・ここの刺客の一人が火星(マース)なのですが、名前も五番目に登場する割には顔もロクに映らず出番は僅か(涙

改めて劉忠良に挑戦する王將だったが得意の足技は勿論、

ドランク・モンキー・酔拳」で黄正利(ホアン・チョンリー)が見せた"無影手"まで駆使する劉忠良に歯が立たない王將。
悔しいので酔いどれ師匠に弟子入り。

物語は陳流が先の外人と組んで国宝の横流しを企むなどしてますが、むしろブレイクタイムかのように良い奴も悪い奴も功夫修行に明け暮れています・・・明け暮れています・・・明け暮れています・・・話進めろよ!!

俺に従わないなら俺の敵だ!
ってことで対決となる陳流、高飛vs王將、巨龍!!
途中から劉忠良も
「おい!おまいら!」
って感じで参加して盛り上がってきましたラストファイト!
巨龍は相変わらず李小龍ごっこに夢中!ほわちゃあ!!

陳流が結構しつこくて死なないんだよなぁ・・・死ぬけど。

いつの間にか画面から消えた巨龍はおいといて、
始まる高飛vs劉忠良、王將!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・長いっ!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・長いっ!!


終劇






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・長いっ!!
これ本当に製作は1979年なのかな?

まるで「ヤング・マスター・師弟出馬」のラストバトルに影響されたかのような長いラストバトルだ。

それにしても何でもぶち込み闇鍋満漢全席何とも贅沢なような気もするような作品だ。
改めて説明する必要も無いが、李小龍から成龍(ジャッキー・チェン)まで、さらにホラー要素までを大した脈略も無く同じフィルムにぶち込んだサービス満点映画!・・・ただ、これは例えるならローソンやセブンイレブンやサンクスやAMPMやミニストップなどのコンビニ弁当をズラリと揃えられて、
「さぁ食え!」
と口を開けさせられて詰め込ませさせられた・・・そんな気分でもある。

何誌強の監督としての真の実力というものがサッパリわからなかったのだ。
と述べたが、本作鑑賞後に思ったことが、
「ああ、でもこれは何誌強やなぁ・・・」
なのだから不可思議である。
ただそう思ったのは本作が
「流行を全て詰め込んだら売れるだろ」
って精神に満ち溢れており、後のクズ映画の基本になっている精神だと思ったからだ・・・だからどうなんだよ!その後もちゃんと撮れよ!
何誌強。
進むべき道を間違えなければ後ほどカルトな映画を撮る監督として名が知れたかもしれないのに至極残念だ。

本作そのものは確かに脈略無いが、その荒唐無稽さは面白い。
面白さはやはりケコ祥が振付けた立ち回りで・・・この人は袁和平(ユアン・ウーピン)をだいぶ意識して立ち回りを決めてますね。それは勿論、劉忠良、王將主演で袁和平武術指導の「南拳北腿鬥金狐」の影響というかそのままでしょう。
もうね功夫シーンがたっぷりなんですよ。ラストバトルもやたらと長いし。
その辺が超一流には及ばないが十分良いもの見せてますので、功夫映画ファンならいけるかな。

■CAST&STAFF
監督 何誌強(ゴッドフリー・ホー)
※クレジットは何到強
出演 劉忠良(ジョン・リウ)
王將(ワン・チェン)
高飛(コー・フェイ)
巨龍(ドラゴン・リー)
陳流
※クレジットは陳樓
火星(マース)
呂玉坤
楊斯(ヤン・スエ)
蒋金(ジャン・ジン)
胡大為
西瓜包
官雁玲
李天鷹
西力山大
占占士
黄志明
王友浩
李炳洪
白沙力
黎劍雄
李發源
李恆
譚寶
張炳燦
錢似鶯
朱剛
陳少佳
武術指導 ケコ祥
脚本 司徒安
音楽 馬文
陳重
製作 ケ格恩
製作総指揮 黎幸麟
制作年度 1979


醉猫師傅
Kung Fu Master Named Drunk Cat



いやね、色々こういったHP活動を行ってきて思うんだけど、約十年前から
「あれ発売して!これ発売して!俺が見るから!」
と宣って来て、振り返ってみれば地団駄踏んで発売待ってた作品の多くのものが今では日本という世に出てるわけですよ。

故広川太一郎さん吹替のミスターブーシリーズ、少林寺映画の数々、「プロジェクトA」の未公開シーン、「ドラゴンロード大陸版」、ショーブラザーズ映画の数々、さらに王羽(ジミー・ウォング)作品の数々。
そして今度は何と「カンフー・クエスト/覇者の剣」を除いて今まで全く日本では陽の目を見ることが無かった協利作品までもが発売されていくことになったわけですよ。
この現状を見るとですな、自分が宣って来たことも無駄じゃなかったのかな?作品の普及にほんの少しは貢献出来たかな?
と思うわけです。
これウチと同種のHPやってる人は全員ちょっと誇っていいんじゃないかな?

さてそこに来て、今回ご紹介するのもひょっとしたら日本発売があるかもしれない協利作品である。

なんたって「天才カンフー」や私一押しの「タイガー&タイガー〜猛虎激突〜」それどころか何宗道(ホ・チェンタオ)の「ブルース・リィの『大金塊』」までが発売予定だというのだから本作が発売されても何ら不思議は無いだろう。

今回のゲストはやっぱり来ました袁小田(ユアン・シャオティエン)。
本当に「蛇拳」「酔拳」がヒットしてからというもの、爺さん休む暇無かったんだなぁ。未だにそこからお亡くなりになるまでの間で観てない作品が結構あるんだから。


流れ


って、おお!?
「醉猫師傅」って如何にもクラシックな功夫映画タイトルなのに現代劇です!

香港の空港は確か着陸が一番難しい空港・・・
都心部のすげー近くを飛行機が飛ぶのでうるさくて仕方ありません。
その騒音と安普請アパートがたたって揺れて眠いところを起こされる青年・張午郎(チェン・ウーロン)。
しかし、妹の楊〔目分〕〔目分〕(パメラ・ヤン)以下パメラ、パメラさんは今日も元気一杯に功夫の練習に精を出しています。
起きて来た兄貴・張午郎相手に練習しますが、腕は互角兄さんが若干上って感じかな?

やっぱり袁小田爺さんは道場主です。現代の。
・・・って、弟子にさりげなく巨人の蕭錦がいるのですが!
余りにデカイからさりげなくもなんともありませんが。

張午郎さんは功夫の腕前はなかなかのものだが、現実はクラブのボーイ・・・
これが現代劇でなく時代劇であったならば、その腕前で町の人にも一目置かれる存在になったでしょうに、時代が変わって侍必要無しと言った所で可哀想なもんです。

そのクラブでは趙志凌先生の演舞ショーが行われてますよ。
「先生と2分半戦っていられたら賞金です!」
というわけでお客達が挑戦しますが先生ですから歯が立ちません。
「俺がやるっす!」
賞金に目が眩んで挑戦する張午郎、
マスター 「お前は従業員なので駄目っす」
と言ったのも無視して挑戦!
張午郎 vs 趙志凌先生!!
・・・えっ?というかレア対戦でも何でも無い?
つかちょっとあれですねレア対戦って言っても、功夫映画見りゃ一つか二つはそういう対戦があるわけで、何もかもレア対戦って言うのもどうかと思うんですよ。
腕は先生の方が一枚上手でしたが、何とか2分半戦った張午郎、
「賞金ゲットっす!」
マスター 「お前は従業員なのでやらん。つーか空気よめ」
というわけで、ショーを台無しにした張午郎は賞金ゲット!・・・どころかクビになってしまうのであった。

その辺の野原で寝てほとんどホームレス状態の張午郎。
とそこにランニング中のパメラさん。
パメラ 「何でこんなとこで寝てんの?」
張午郎 「仕事クビになってん」
パメラ 「そんなことより功夫やりーや」
張午郎 「功夫なんか金にならへんやん。嫁にもいけへんやん。」
パメラ 「なんですと!」
というわけでタイミング良く現れた暴漢2人と功夫ファイト!

さっきから現代劇なのにクラシカルな功夫ファイトが続々と炸裂する映画である。

パメラ 「ほな道場いこーや」
ってなわけで袁小田爺さんの道場を訪れる張午郎(今までの功夫技は独自で学んでいました)。
ここでのギャグで何故かやたらと強い木人の中に人が入っていたというギャグは面白いなぁ・・・色んな意味の皮肉で。
張午郎 「テコンドーから空手やら柔道やら色々かじってきました!」
袁小田 「ほぉほぉ、では見せておくれ」
というわけで出てきたのは先の巨人・蕭錦!・・・かと思ったら、
その又の下から小人の張善明が出てきた!・・・ってほとんど「Mr.Boo!!」まんまのギャグじゃないすか!
しかも小人の張善明が結構強かったりなんかして。
続いては、
張午郎 vs 袁小田!
・・・つーか爺さんすげぇ!!
あのあれですよ、爺さんの実際の息子たち、即ち袁和平(ユアン・ウーピン)らは上手く父さんのスタントダブルをやって素晴らしい功夫シーンを構築して見せましたが、本作は爺さんまんま!爺さんまんまで素早いファイト!
うーんこれはとにかく観てほしいなぁ、「蛇拳」でジャッキーとお椀を取り合うシーンがあったでしょ?あれのスペシャルバージョンといった感じで。

爺さんに全く勝てなかった張午郎。
しかし現代だからそんなことはどうでもいい。
それよりも以前自分をクビにしたクラブのマスターの車発見!仕返しだ!
とここで余安安登場、いやクラブのシーンにもいたかな?あそこのシーンは画面が暗くてようわからんかったんですよ。

「あげるっす」
なんかを余安安から貰った張午郎。
家帰って開けてみればダイヤ!
ひょんなことからダイヤを手にしてしまった張午郎とパメラは高岡率いる魚頭雲らずっこけ三人組相手にダイヤ争奪戦を繰り広げることになるのだが・・・


終劇





まぁまぁこんなところで。
その後のダイヤ争奪戦もそこそこ面白いです。
ラストはボスが高岡だけで、本当は強力な敵役が欲しかったがまいいか。
そんでラストも袁小田爺さんが美味しいとこ持って行くのですが、ここでもスタントダブル無し!(たぶん)
この作品で袁小田さんが見せたアクションは爺さん役でブレイク後で最も激しい功夫アクションかもしれないなぁ。凄いよこの年齢でこの動き。

本作はその袁小田さんを担ぎ出した作品ではあるが、単に小汚いいつもの老師役をさせてるだけの他の無数にも感じる作品とは一線を画している。そんなものよりもっと大きな作品を目指して製作されているのがわかる。
現代劇になっているのが何よりも顕著だが実際の中身を見てわかるのだが、簡単に言うとこの作品は
Mr.Boo!! + 酔拳 なのだ。
徹頭徹尾完全なる血の出ないコメディであり、功夫アクション映画、ただ現代であることを活かしたスタントアクションや現代劇らしい小道具をあまり使ってないのは残念だが(木人とかだし)、二つのものを掛け合わせて新しいアクション映画を作ろうとしたことは評価できる。
で、単純に面白い。
慣れない現代劇に転じてモタモタする功夫映画かぶれも数多く観てきたが、
デビュー当時の周潤發(チョウ・ユンファ)作品など様々なジャンルの作品を撮って来た張森監督にそんなものは無縁だったのだろう。物語のテンポもよくギャグのセンスもそこそこ良いもので、女ドラゴン・パメラさんも元気に明るく跳ね回ってくれるので気持ちが良い。個人的に非常に好感を持った作品である。

この作品も日本発売に値する作品・・・かな?
どの作品だってそう思ってた。
「実現する可能性は非常に低い」
とは言ってもそれは段々と適って来た。

「少林寺への道」も発売される。
本作が発売されても何ら不思議は無いだろう。

しかし、その為に本作もこれを言っておこう。
是非、日本で発売されて欲しい一作である。

■CAST&STAFF
監督 張森
出演 袁小田(ユアン・シャオティエン)
張午郎(チェン・ウーロン)
楊〔目分〕〔目分〕(パメラ・ヤン)
余安安
高岡
張華
魚頭雲
何柏光
趙志凌
張善明
蕭錦
陳嶺威
洪玲玲
許瑩英
廖學明
林滿華
黎劍雄
周吉
劉鴻義
梁小熊
甘露
陳劍雲
余慕蓮
劉準
占占士
武術指導 廖學明
音楽 陳勳奇(フランキー・チェン)
製作総指揮 呉協建
制作年度 1978

 
 
 
 
 
 
 
 
 

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