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■ドラゴン傑作選3  
豪侠


臥虎藏龍
Crouching Tiger, Hidden Dragon
グリーン・デスティニー



ぺろっと言うと、毎日が平穏無事で、何の用事もない日曜日に「笑点」の歌丸さんを見てるようなフィーリング(なんのこっちゃ)と、次に何が起きるか息も尽かせぬアクションと緊張感の連続という、まさに対称的な命題が絶妙なバランスで融合されたのが本作品だと思う。

なんでやねん」にも昔書いたが、バランスはいついかなる場合でも、恐らく一番重要だ。例えば「プロジェクトA」。
これはジャッキーの命がけアクションと、ドラマ展開、サモ、元彪との完璧な役割分担。これらの要素が奇跡的バランスの良さで支えられて、大傑作となった。勿論、映画だけでなく全てにおいてバランスは重要だ・・・・・・
ま、それはともかく。

「動」の部分、いわゆるアクション部分を盛り上げるのは実はそんなに難しいアイデアはいらない。ビルの一つも爆破すれば、誰だって感嘆する。
問題は「静」の部分、ここで何を演出するかによって、作品の善し悪しは大きく左右する。

香港の監督さんで「静」の部分の演出が巧いのは、やはり巨匠胡金銓。
彼の作品はどの部分でも緊張感が途切れず、例え「静」の部分が長くても観るに値する。
胡金銓亡き今、ああいったフィーリングの映画はもう撮られないのか?
と思っていたが、本作を観てとても安心したのが正直なところ。(いや、李安が全く違う作風を持っていることは知ってるつもりですよ。)

説明の簡単なクンフー映画とは明らかに一線を画しているね。で、一線を画すとアクションが控え目になってしまうのが定石だが、本作では全くそんなことはない。そこが本作の一番いいところ。


貫禄ある演技はアジアNo.1!
まさに名優と言えるでしょう。 周潤發のワンマン映画ではなく、あくまで出演者の一人。伝説の英雄、リー・ムーバイを堂々と演じてらっしゃいます(クンフー新人のくせに)。そのクンフー新人でありながら、劇中はそれを微塵も感じさせない演技は素晴らしいの一言。「孔雀王」で三上博史が見せたヘナヘナ・クンフーとはレベルが違いすぎます。(「天使行動」の西城秀樹はよく頑張った)
今までも「江湖情」「英雄好漢」「賭神/ゴッド・ギャンブラー」「アンナと王様」等で、優しさ、強さ、寛大さを全て兼ね備えたスーパー貫禄マン(なんだそれ)を演じてきた周潤發。
本作もアクションシーンを除けば彼の真骨頂、貫禄の演技がたっぷりと堪能できます。
:はぁ〜・・・ジャッキーにもワンマン主義を捨てて、こういった形の作品にも出演してほしい・・・

ミス・マレーシアから世界No.1と言えるアクション女優へ。
もうなんちゅうかこの人には叶わないでしょう。なんてったって、「ポリス・ストーリー3」ではジャッキーを喰ってしまうアクションを見せたし、本作では「周潤發が弟子か?」と思えるほど、華麗流麗スーパー・ウーマンだし、「007シリーズ」出演時は、「なんで彼女の出番が少ないんだ。」と観客からブーイングをもらい、(そりゃジェームス・ボンドですから、しょうがないんじゃ・・・・) 「チャーリーズ・エンジェルズ」の3人掛かりで戦いを挑んだところで、楊紫瓊なら足だけで軽く倒してしまうでしょう
さらにそれに加え、 本作での彼女の演技は一際素晴らしい。アクション抜きでも堂々とやっていけるでしょう。なんか賞貰わなかったのかな?
さらにそれに加え、僕が彼女に対して一番尊敬の念を抱いているところは、 「アクションも演技も両立させてやっていきたい。」
ってところ。真田広之、志穂美悦子、スタローンにブルース・ウイリス。みんな脱皮しました。しきってない人もいますが。ここで、個人的に腹が立つのは 「なんでアクション辞めたら脱皮なの?
「アクション俳優と普通の俳優でなんで格差があるの?」
ってところ。
脱皮という表現はとても失礼だと思います。なんでアクションやってる奴は半人前なんや?楊紫瓊は「体力が続く限りは両立させたい」と申しております。心から尊敬の念と、応援をさせて頂きたいと存じ上げてます。

このシーンすんげーよなー
さてさて、何だか湿っぽくなってしまいましたが、次。
本作の特徴の一つとして、流麗なアクションの後ろで流れる背景も本当に美しいところ。
これは300年前ぐらいの北京城を再現したシーン・・・
ああ、劇場で観ればよかった・・・
実はまた個人的ですが、こういった背景画鑑賞は大好きなんです。

うおおお!?
確かに「マトリックス」どころじゃないアクション。序盤の静かな演出でもダレることなくいつの間にやらのファースト・アクション。このシーン、ものすんごく面白いです。細かくは観て下さい(説明できるかっ)。
とにかくスパイダーマンはアジアに活躍の場は無いです。

ほらほら周潤發のアクション。
かなりスタント無しでやってますよ。
で、もう一つ。 むか〜しから思ってたのですが、袁和平はスタントの使い方というか隠し方が実に巧い。ジャッキー「蛇拳」「酔拳」での袁小田爺さんの功夫をもっぺん見直してみてください。スタントの使い方の絶妙さがよくわかるはずです。

ほんでほんで、 いやーびっくりしましたよ、これは。
なんとあの鄭佩佩(チェン・ペイペイ)が・・・・・・ねぇ?
このキャスティングも絶妙ですよね。
特に古い香港映画のマニアには溜まらないというか、 とても複雑というか、まぁ僕にとってはとても良かったですけれども。
(鄭佩佩を詳しく知らない方は調べてみてくださいね)

大河内奈々子+ブリグリのボーカル
強いて言うなら主役はこの子、章子怡。日本で言うなら裕木奈江(消えたけど)みたいなタイプではないでしょうか?
先日、俺のタイプは「ぼんやり美人」。というのがある程度判明した今日この頃ですが、この子も「ぼんやり美人」の部類に入りますよね?
でも、嫌いじゃないけど別に。ってのが素直な印象だなぁ・・・・
「ぼんやり美人タイプ」説も薄くなってきた(私事ですいません)。


とにかくさぁ、この吹き抜け二階建ての食堂&宿屋のシーンってのは香港映画の定番だけど、どんな映画であろうともクンフーが無ければいけないのね。このシーンには、
武侠映画のエッセンスはちゃんと入れますよっ文芸だけじゃありませんよっ という監督の意図というか、意気込みを感じます。
この定番、食堂ファイトのシーンだけをいろんな映画から集めて編集したら面白そうだな・・・


この対決シーンはあまりワイヤーを使わずにリアル・ファイトしてますね。
それにしても楊紫瓊はともかく、章子怡は大変だったでしょうね。

間違いなくベストバウトの闘いと言い切っちゃおう。必見必見。

まさに何でもあり。
先程の対決とは対称的にこっちは完全にやりたい放題のシーン。それにしてもここのシーンは撮影に時間かかったろうなぁ・・・・
もうビュンビュン飛んでます。

まるで水彩画のような美しい風景・・・
行ってみたいな〜

エンディングの是非については、賛否両論あるでしょうね。
ただこれって、原作モノだからどの程度が監督の意向かも不明なとこありますしね。全てが派手派手派手派手のハリウッド映画とは違い、所々にアジア独特の静かな間を取りつつも、アジア発の超絶アクションが展開する本作品はやはり極東に住むモノとして、是非観ておいてもらいたいものです。
楊紫瓊がインタビューで言っていた、この映画の前のエピソードになる部分の映画化も 是非実現して欲しいモノです。
■CAST&STAFF
監督 李安(アン・リー)
出演 周潤發(チョウ・ユンファ)
楊紫瓊(ミシェール・ヨー)
章子怡(チャン・ツー・イー)
張震(チャン・ウェン)
郎雄
鄭佩佩(チェン・ペイペイ)
武術指導 袁和平(ユアン・ウー・ピン)
音楽 譚盾(タン・ドゥン)
脚本 ジェイムズ・シェイマス
蔡國榮
王〔艸惠〕玲
原作 王度廬
製作 李安(アン・リー)
江志強(ビル・コン)
徐立功
制作年度 2000


〔足易〕舘
The Challenger


曾志偉の監督デビュー作。
オンラインで偶然見つけたのと、なんかパッケージに期待させるモノがあったので買ってみました。いやいやこれは当たりですよぉ、なかなか。

ホームビデオの題名みたいなしょぼさですな。

まず冒頭、上記タイトルのしょぼさにかんなり不安を抱きましたが、前半はよく見るあの顔この顔の連続と、なかなかのアクションで楽しめます。
陳龍と黄蝦
外見は全く違うが、「こいつらは兄弟か!?」っと思うほど、いっつも一緒に出てる印象があります。「鬼打鬼」「プロジェクトD」とか。ほんでもって、お互いに道場主の役なんですが、

ヒゲを取ると、実は優しいお顔立ちなんですよね。
主役の徐少強がこの二道場に道場破りとして乗り込み、どっちの道場も潰してしまいます。ここで発見、
題名の「〔足易〕舘」とは、どうやら道場破りの事のようです。なるほど〜

ジャッキー・チームに入る前の太保。
変わらんな、きみー。

極楽とんぼの太ってる方、そっくり
出るんちゃうかな?と思ってたら、やっぱり出ました監督曾志偉。え〜と、「悪漢探偵」を撮った'82年が30歳だから、27,8歳ってとこですか。凄いな〜
その若さで監督って!
いったい誰が何を認めて、彼を監督にしたのだろう???


珍しくニヒルに決めていない姜大衛。
今回、姜大衛はあんまり近藤正臣してません。どちらかと言えばジャッキー風のお金大好き軽薄兄ちゃん(でも強い)を演じてらっしゃいます。無難にこなしていて、悪い感じは全然しませんが、画像を見てもらえばわかるように、一瞬一瞬に見せる表情はやはりニヒルです。ほんでもって、ここは賭博場。 姜大衛さん、イカサマがバレて逆ギレしたのか、イカサマを見破ってキレたのか、とにかくやっぱりケンカをおっぱじめ。

火星。
なんか可哀想な役柄でした。 この火星はじめ、賭博場の従業員をボコボコに。なんか元彪「猿拳」での賭博場のシーンとよく似てて、コミック調。

李麗麗。
今回アクションは見せてくれず。ほんで賭博場のオーナーがどうやら彼女みたいですね。今回はどちらかと言えば悪女を演じてらっしゃいますが、中盤泣き崩れたりしてどうもキャラが中途半端。どうせやるなら、つよ〜い悪女を演ればよかったのに。

ほんでもって(全然説明してませんが)、この二人は出会い頭は闘い合っていたものの、

実はサッカーが巧い
家族を大切にする優しいパパでもあるそうで。この高飛に二人ともボコボコにされたので、一致団結する雰囲気に。それにしても高飛って役柄選ばないよなぁ。本作とか「威發龍」とかだと強力なボス敵を、堂々と演じてらっしゃるのに、どっかでは気の弱そうなチンピラとか、クンフーのクの字もできない単なる兄ちゃんとか、俺は「飛龍猛将/サイクロンZ」の弱気なチンピラ役が一番好きですが。(自分が闘いたくないから、子分に闘わし、敵がヒロイン(楊寶玲)と見るや一転、「ぐへへへ」とヒロインに迫りますが、逆にヒロインにマイクで殴られて気絶するアレ。)


いやぁ、なかなかのアクションですよ。
二人は高飛の待つ道場を「〔足易〕舘」しに出向きます。


サモハンも袁和平も劉三兄弟も絡んでいないと思われる作品ですが、どうしてどうしてアクションは充分面白いと思える出来映え。制作が羅維と陳誌華(ジャッキー「少林寺木人拳」監督)である事から、ジャッキーと色々なアイデアを出し合って映画を撮っていた陳誌華の影響もあるのではないかと勝手に推測したりする。
実はジャッキー本人が殺陣つけてたりして。結構あるんですよ、これが。サモハン監督デビュー作の「三徳和尚與春米六」も、ジャッキーは自伝で 「俺が殺陣つけた。」って言ってますし、まぁこれは勿論アシスタントですけど。

・・・ともかく、本作のアクションはよろしい。極めつけは、

二人を開脚で蹴りつけまして・・・
李麗麗にフライング・ボディアタック!!
ちょっとちょっと高飛さんっ!
いくら李麗麗さんが魅力的だからってアプローチが情熱的過ぎっ!!
さすが香港。女性の扱い紙切れの如く、軽い事この上なし。

さらにラストでね〜、もう言っちゃいますけど姜大衛さんは
「お金大好き。でも人殺しはいけません。」
というやっぱり優しい人だったと思うのですが、高飛のアタックで虫の息になった李麗麗を見て、怒り爆発!!
さっきまで徐少強の攻撃を静止していた事も忘れて、コー・フェイを草葉の陰へ!
・・・まぁ、ここまでは良くある王道パターンで格好いい。
しかし、倒した後、瀕死の李麗麗の首根っこ捕まえ、
「金はどこだっ!?」
その問いに答えることもなく、事切れる李麗麗。
その瞬間姜大衛さん、李麗麗を床にポイッ!
「結局、金はどこなんだーっ!!??」
「はっはっはっはっ!!」(徐少強)
              
劇終っ!!


ってな感じで、主人公はヒロインの命よりもあくまで金に最後まで固執。いくら悪女だったとはいえ、到底、この辺の感覚は日本映画には相容れないな・・・と思いました。
いやでも、面白かったです。

■CAST&STAFF
監督 曾志偉(エリック・ツァン)
出演 姜大衛(デビッド・チャン)
徐少強(ツイ・シャオ・チャン)
李麗麗(リリー・リー)
高飛(コー・フェイ)
火星(マース)
黄哈(ウォン・ハー)
陳龍
太保(タイ・ポー)
陳國權
陳狄克
徐忠信
黎強權
曾志偉(エリック・ツァン)
武術指導 黄哈(ウォン・ハー)
水怪
脚本 倪匡(イ・クオン)
製作 羅維(ロー・ウェイ)
制作年度 1980

豪侠
Last Hurrah for Chivalry



日本ドラマの定番といえば、時代劇だけど、香港ドラマの定番といえばこの武侠片になります。本作はそんな定番パターンの武侠片が呉字森らしい演出によって素晴らしいモノに仕上がった、「男たちの挽歌」はじめ、呉字森が生み出す香港ノワールの原型ともいえる傑作でした。お話も面白い!


「ヤング・マスター・師弟出馬」での印象が俺にとって悪い韋白。
主演は元ショウブラザーズ・スターの韋白。格好いいと思うんだけど、イマイチ垢抜けしてない印象だなぁ。やっぱビッグにはならなかったし。しかし本作での彼は素晴らしい腕前も披露するし、獅子奮迅の活躍です。

凄くよく見てるよな気もするし、見たことないような気も・・・
もう一人の主演が劉松仁。なんか格好いいんだかブサイクだかわからんような顔してます。役柄は「女より酒が大好きで、滅法強い剣士」


今回、彼の強姦シーンは無し。
ピンで武術指導ということで、とても気張っているのがわかる馮克安。
ちょうど制作年度が「ヤング・マスター・師弟出馬」とかぶるので、お互い刺激し合って作られていたのではあるまいか?同じゴールデンハーベストだし、「ヤング・マスター・師弟出馬」でも彼はジャッキーに並んで武術指導にクレジットされているし。(さらに街中でのシーンは、「ヤング・マスター・師弟出馬」と同じ風景!)
今回の彼の役どころは強姦役ではなく(怒られるで)、ひたすら剣の勝負のみを追い求める剣士の役。(「男たちの挽歌2」での周潤發と殺り合ったサングラスの彼を連想します。)

前半最大の見せ場。素晴らしいソード・バトル!!
で、馮克安は韋白がごっつ強い剣士と見るや、韋白の知人をぶっ殺し、強引に試合に誘い、1:1での決闘!

斬るも斬られるも皮一枚の死闘の末に・・・
壮絶な戦いの中、韋白が勝利を収めます(そりゃ主役だもん)。馮克安の出番はこれで終わり。後は武術指導に徹してます。


敵か味方か、呉字森こういうの本当好きね。
出会うべくして、出会った二人。何度か出会ううちに友情が芽生え、二人はごっつ悪い李海生がいる道場に乗り込みます(思いっきり説明省いてますが。ご了承しなさい。)

ここの道場で、子分から李海生を倒すまでの一連のシーンは もう呉字森と馮克安の武侠アイデアの結晶とも言える見応えたっぷりシーン。
なぜか忍者服を着た子分との闘いから、槍から何から、主人公二人を斬り斬られで、普通の人間だったらとっくに死んでる血塗れの状態になるのですが、死にません。この辺、やっぱ「男たちの挽歌2」とかと同じ。セオリーとして主人公は何回斬られても、銃で撃たれても死なないのです。

死地戦線を命からがら切り裂く二人。これは間違いなく・・・・

これとかぶります。「狼/男たちの挽歌・最終章」での周潤發と李修賢。
呉字森の傑作と呼ばれてるこの作品と。この作品がアメリカで大当たりしたことにより、呉字森はハリウッド進出しました。血だらけになりながらも闘う二人の姿はまさにこれと同じ!

ぐ〜・・・すやすや。

起きたら攻撃っ!

ぐ〜・・・すやすや。

起きたら攻撃っ!
一番、印象に残ったのはこの何というか・・・睡眠剣???
すんげぇ強いのですが、寝るときに勝手に頭をぶつけたりして、ほとんど自滅。緊張感溢れる戦いの中で、なぜか何となくホッとさせるシーンです。しかし、主役二人はここまでで、30回ぐらい斬られてますけど。

ついにラスボス李海生との戦いですが・・・・

強すぎっ! 強すぎっ! 強すぎっ!

それでも何とか協力して・・・・
ついに、李海生を撃破します!
それにしても本当にアイデア一杯のアクションで全く飽きさせません。

おおっ!?
倒した途端にどうした劉松仁!?これでは、

やっぱ「狼/男たちの挽歌・最終章」ですが。
やっぱ、こんな感じじゃないかぁ!?

しかし、冒頭には若干の不安はあったものの、終わってみれば傑作だったと納得できた呉字森演出と馮克安の殺陣が光る、会心の作品でした。

本作はまだまだ終わりません。最後まで見て初めてイラスト・ポスター(載せられたら、載せます。)の意味がわかる、
衝撃のラストが待ち受けています!! 後はご自身で、どうぞ!

■CAST&STAFF
監督・脚本 呉字森(ジョン・ウー)
出演 劉松仁(ダミアン・ラウ)
韋白(ウェイ・パイ)
李海生(リー・ハイサン)
馮克安(フォン・ハックオン)
王鍾
劉江
魏秋樺
銭月笙(チェン・ユーサン)
王光裕
李雲裕
徐蝦
鄭雷
黄哈
張景坡
黄志明
張華
班潤生
泰山
陳狄克
亦嘉
徐發
水怪
徐忠信
張鴻昌
張景坡
武術指導 馮克安(フォン・ハックオン)
音楽 陳勳奇(フランキー・チェン)
製作 朱盛喜
孔耀開
制作 張儀玲
製作総指揮 鄒文懐(レイモンド・チョウ)
制作年度 1979

少林鬥喇嘛
Shaolin vs Lama
少林寺逆襲ラマ剣法



友人がインドから持ち帰ったVCDにて、俺が買い取った分の中に入ってた功夫映画。
「絶対知ってる作品だろう」と思っていたのですが、観てみると未見のもので得した気分でした。なにこれ?
しかも、意外にも面白いでやんので、傑作選の方に書いております。

まだ昔の名前で出ていますね。
主演は「スーパー・ニンジャ」で一時期、人気を博した羅鋭。香港ではなく台湾のアクション・スターで、同じく台湾のアクション女優、林小樓とも「女学生与流=鬼」で二人は共演しております。それにしても、大好きなオープニング・パターンで幕が開け、なんかもうそれだけで、嬉しいなって感じ。功夫迷はみんな演舞オープニングは好きなんじゃないかなぁ?

この人誰?PART1
いや顔は知ってるんですよ。
出演作品
「蛇鶴八拳」・・・三銃士の一人。
「クレージー・モンキー・笑拳」・・・またまた三銃士の一人。
「醒拳」・・・オープニングで殺されるチン・ジャン・ドン役。
「少林寺vsラマ」(本作と別作品)・・・槍の使い手役。
「上海一八灘太保」・・・ザコキャラの一人。
パッと思いだしても、こんだけ出てきますが名前は知りません。知ってる方、情報下さい。(後に彼は王圻生と判明)

やっぱ若いなぁ・・・
羅鋭は血気盛んな若者。付け焼き刃にしてはなかなかの功夫で序盤から魅せてくれます。というか、全編功夫しかないのか?
ってぐらいクンフーだらけです。

酔拳のじーちゃんのパターンやね。
しかし、この肉は食うは酒は飲むはの道楽和尚にボコボコにされ、恐らく弟子になります。

ジャッキーのせいで、みんなこんなシーンをやらされるハメに。
定番修行シーンに。このように前半はコミック・クンフーの流れで話は進みます。


どこ?
なんかいろんな作品によく出てくる「偽少林寺」。実際、これは何処にあるんでしょうね? めちゃくちゃ門がデカイですよね。

あんまりなぁ・・・・ 本作ヒロイン。
ハリウッドでは「どんなピンチでもヒロインだけは何故か無傷」ってセオリーがありますが、香港には全くなし。彼女は惨殺されます。

この人誰?PART2
左のヒゲは「少林寺木人拳」で金剛の舎弟役とか、「天中拳」の悪漢役とか、ですが名前は知りません。知ってる方、情報下さい。
(李敏郎と判明。fake様情報提供)

この人誰?PART3
顔は知ってるが名前は知らないシリーズ。知ってる方、情報下さい。実はこれのパッケージに彼がデカデカと載ってるんですよね、今回悪役のくせに。 っていうか、羅鋭を使えよ、羅鋭を。
出演作品
「少女戦士’88」・・・悪役の一人。メイン悪役は狄威。
「女学生与流=鬼」・・・超悪役。
「阿羅漢vs忍者」・・・僧侶役。
「忍者大決門」・・・珍しく善役。最初に銀魔王モドキと闘います。
今気づいたけど内藤剛士に似てる。
「羅鋭のいるとこ、彼あり。」というぐらい、いつも一緒に出てます。
同じチームだったんでしょうね。
(常山と判明。fake様情報提供)


師匠との壮絶な決闘・・・・
で、師匠と上記のあいつが凄い死闘を繰り広げ、ほぼ互角ながらも師匠は殺されてしまいます。

ただ仇討ちのためだけに出家。
どこが出家じゃ! さらに、功夫学ぶため少林寺へ。 こんな動機の奴の入門を許すなっての。殺人目的だぞ、殺人。

鉄乾指で一騎打ち!
「少林寺vsラマ」(別作品だがこれもルー主演)と全く同じような方法で敵に挑む羅鋭。

なぜに水!?
羅鋭系統の映画って、殴られると何故か水を吐くんですよねぇ?
それにしても、なかなか一見の価値ありの名勝負ですよ。

なぜに水!?

ワイヤーもあり。

「止め!殺すな!」
勝利した羅鋭。しかし、師匠の抑止もあり、僧侶は人を殺してはなりませぬ。

監督の李作楠は「撈家撈女撈上」「上海灘大」「忍者之故事」「地獄のニンジャ軍団クノイチ部隊」 この辺の倉田保昭出演作品の監督さんと同じ人だと思うのだが。ニンジャ絡みもあるし。
全く知られていない作品としては十分の出来映えの作品です。

■CAST&STAFF
監督 李作楠(リー・ツォ・ナン)
出演 羅鋭(アレクサンダー・ルー)
常山
王圻生
李敏郎
孫榮志
張紀平
李寥|
彭金萬
荊國忠
武術指導 彭剛
脚本 張信義
製作 荊國忠
制作年度 1983


黄飛鴻之六西域雄獅
Once Upon a Time in China & America
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ&アメリカ 天地風雲



「黄飛鴻の西部劇」
「李連杰黄飛鴻、再び」
「サモハンが監督」
と3拍子来たら、もうワクワクしませんか?
俺はしますよ。しかもワクワクしてるくせに、ワクワク方向が斜(はす)。
期待部分はサモハンの暴走
「結局、舞台が香港だろうがフロンティアだろうが、やること同じっしょ。」
というのが、予想でした。
論評では酷評をよく聞きますが、果たして・・・

話としては、
「黄飛鴻が冒頭で記憶喪失」「舞台が西部」で
それじゃあジャッキーの「我是誰?」+「シャンハイヌーン」じゃん。
って事になってしまいますが、・・・ジャッキーごめん、 俺、
「シャンハイヌーン」より正直こっちの方がいいかも。やっぱアクションが。いやいやスケールも練られた脚本も「シャンハイヌーン」が上ですよ、そりゃあ。 ・・・でも、アクションはやっぱ香港資本のサモハン指導で作られたこの映画の方がいいな〜 ただし、
「舞台が香港だろうがアメリカ・・・」
って部分は予想通り。お馴染みの呉耀漢なんて顔も飛び出し、周りは中国人だらけで、クライマックスはちゃんと功夫。
何をどう考えても当時のアメリカ人がこういった武術を使えるわけないんすけどね・・・ さすがサモハンお構いなし

ところが、サモハンの暴走はジャッキー「ナイスガイ」程でもなく、そこそこにドラマ部分も作られています。そこはあれ・・・
やっぱ徐克がプロデューサーだからでしょ。
徐克の歯止めが利かなくなった後の、呉字森「ワイルド・ブリット」なんてもの凄かったし(まさに「ナイスガイ」呉字森版みたいなもの。呉字森の表現したいことが、フルスピードで回転する凄い映画。観る前に栄養ドリンクを。)。

一番面白かったシーンはあれ。
「黄飛鴻の記憶を取り戻すため、弟子の鬼脚七が過去戦った敵に扮して挑む」
ここ。これは、鬼脚七(熊欣欣本人)が「黄飛鴻之三」での自分自身(前半は敵なのだ)を再現してみたり、布槍を作って「黄飛鴻之二」での甄子丹扮する総督をやったり。
作品全般的にも熊欣欣鬼脚七は、
強くて頼れるうっかり八兵衛
って感じで、格好いいし作品のアクセントになってると思います。
昔、黄飛鴻の敵だった・・・というバックボーンがいいやね。

ラストは何故か黄飛鴻vs足技を使う白人との一騎打ち。
だから何で功夫使えるんじゃ。でも面白かった。
例によって例のごとく、黄飛鴻はダメージ受けず。
この敵からダメージを全く受けないヒーローってのは意外に今でも斬新に感じる。サモハン殺陣のアクションも素晴らしく、まぁ白人相手にはやはりキツイものもあるが、充分見応えある出来映え。

マイセオリー「映画は期待して観ない」が見事に当てはまりました。
サモハン、徐克のコンビってなかなかいいかも。

■CAST&STAFF
監督・武術指導 洪金寶(サモ・ハン・キンポー)
第二組監督 劉家榮(リュー・チャー・ヨン)
出演 李連杰(ジェット・リー)
關之琳(ロザムンド・クワン)
熊欣欣(ホン・ヤン・ヤン)
ジェフ・ウルフ
陳国邦
呉耀漢(リチャード・ウン)
脚本 史美儀
許莎朗
郭偉鐘
司徒卓漢(シー・トウ・チャ・ホン)
蘇文星
音楽 廬冠廷(ローウェル・ロー)
製作 徐克(ツイ・ハーク)
制作年度 1996
〔足易〕舘
豪侠
少林寺逆襲ラマ拳法
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ&アメリカ 天地風雲
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