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〔足易〕舘 The Challenger ■ 曾志偉の監督デビュー作。 オンラインで偶然見つけたのと、なんかパッケージに期待させるモノがあったので買ってみました。いやいやこれは当たりですよぉ、なかなか。 ホームビデオの題名みたいなしょぼさですな。 まず冒頭、上記タイトルのしょぼさにかんなり不安を抱きましたが、前半はよく見るあの顔この顔の連続と、なかなかのアクションで楽しめます。 陳龍と黄蝦 外見は全く違うが、「こいつらは兄弟か!?」っと思うほど、いっつも一緒に出てる印象があります。「鬼打鬼」「プロジェクトD」とか。ほんでもって、お互いに道場主の役なんですが、 ヒゲを取ると、実は優しいお顔立ちなんですよね。 主役の徐少強がこの二道場に道場破りとして乗り込み、どっちの道場も潰してしまいます。ここで発見、 題名の「〔足易〕舘」とは、どうやら道場破りの事のようです。なるほど〜 ジャッキー・チームに入る前の太保。 変わらんな、きみー。 極楽とんぼの太ってる方、そっくり。 出るんちゃうかな?と思ってたら、やっぱり出ました監督曾志偉。え〜と、「悪漢探偵」を撮った'82年が30歳だから、27,8歳ってとこですか。凄いな〜 その若さで監督って! いったい誰が何を認めて、彼を監督にしたのだろう??? 珍しくニヒルに決めていない姜大衛。 今回、姜大衛はあんまり近藤正臣してません。どちらかと言えばジャッキー風のお金大好き軽薄兄ちゃん(でも強い)を演じてらっしゃいます。無難にこなしていて、悪い感じは全然しませんが、画像を見てもらえばわかるように、一瞬一瞬に見せる表情はやはりニヒルです。ほんでもって、ここは賭博場。 姜大衛さん、イカサマがバレて逆ギレしたのか、イカサマを見破ってキレたのか、とにかくやっぱりケンカをおっぱじめ。 火星。 なんか可哀想な役柄でした。 この火星はじめ、賭博場の従業員をボコボコに。なんか元彪「猿拳」での賭博場のシーンとよく似てて、コミック調。 李麗麗。 今回アクションは見せてくれず。ほんで賭博場のオーナーがどうやら彼女みたいですね。今回はどちらかと言えば悪女を演じてらっしゃいますが、中盤泣き崩れたりしてどうもキャラが中途半端。どうせやるなら、つよ〜い悪女を演ればよかったのに。 ほんでもって(全然説明してませんが)、この二人は出会い頭は闘い合っていたものの、 実はサッカーが巧い。 家族を大切にする優しいパパでもあるそうで。この高飛に二人ともボコボコにされたので、一致団結する雰囲気に。それにしても高飛って役柄選ばないよなぁ。本作とか「威發龍」とかだと強力なボス敵を、堂々と演じてらっしゃるのに、どっかでは気の弱そうなチンピラとか、クンフーのクの字もできない単なる兄ちゃんとか、俺は「飛龍猛将/サイクロンZ」の弱気なチンピラ役が一番好きですが。(自分が闘いたくないから、子分に闘わし、敵がヒロイン(楊寶玲)と見るや一転、「ぐへへへ」とヒロインに迫りますが、逆にヒロインにマイクで殴られて気絶するアレ。) いやぁ、なかなかのアクションですよ。 二人は高飛の待つ道場を「〔足易〕舘」しに出向きます。 サモハンも袁和平も劉三兄弟も絡んでいないと思われる作品ですが、どうしてどうしてアクションは充分面白いと思える出来映え。制作が羅維と陳誌華(ジャッキー「少林寺木人拳」監督)である事から、ジャッキーと色々なアイデアを出し合って映画を撮っていた陳誌華の影響もあるのではないかと勝手に推測したりする。 実はジャッキー本人が殺陣つけてたりして。結構あるんですよ、これが。サモハン監督デビュー作の「三徳和尚與春米六」も、ジャッキーは自伝で 「俺が殺陣つけた。」って言ってますし、まぁこれは勿論アシスタントですけど。 ・・・ともかく、本作のアクションはよろしい。極めつけは、 二人を開脚で蹴りつけまして・・・ 李麗麗にフライング・ボディアタック!! ちょっとちょっと高飛さんっ! いくら李麗麗さんが魅力的だからってアプローチが情熱的過ぎっ!! さすが香港。女性の扱い紙切れの如く、軽い事この上なし。 さらにラストでね〜、もう言っちゃいますけど姜大衛さんは 「お金大好き。でも人殺しはいけません。」 というやっぱり優しい人だったと思うのですが、高飛のアタックで虫の息になった李麗麗を見て、怒り爆発!! さっきまで徐少強の攻撃を静止していた事も忘れて、コー・フェイを草葉の陰へ! ・・・まぁ、ここまでは良くある王道パターンで格好いい。 しかし、倒した後、瀕死の李麗麗の首根っこ捕まえ、 「金はどこだっ!?」 その問いに答えることもなく、事切れる李麗麗。 その瞬間姜大衛さん、李麗麗を床にポイッ! 「結局、金はどこなんだーっ!!??」 「はっはっはっはっ!!」(徐少強) 劇終っ!! ってな感じで、主人公はヒロインの命よりもあくまで金に最後まで固執。いくら悪女だったとはいえ、到底、この辺の感覚は日本映画には相容れないな・・・と思いました。 いやでも、面白かったです。
豪侠 Last Hurrah for Chivalry ■ 日本ドラマの定番といえば、時代劇だけど、香港ドラマの定番といえばこの武侠片になります。本作はそんな定番パターンの武侠片が呉字森らしい演出によって素晴らしいモノに仕上がった、「男たちの挽歌」はじめ、呉字森が生み出す香港ノワールの原型ともいえる傑作でした。お話も面白い! 「ヤング・マスター・師弟出馬」での印象が俺にとって悪い韋白。 主演は元ショウブラザーズ・スターの韋白。格好いいと思うんだけど、イマイチ垢抜けしてない印象だなぁ。やっぱビッグにはならなかったし。しかし本作での彼は素晴らしい腕前も披露するし、獅子奮迅の活躍です。 凄くよく見てるよな気もするし、見たことないような気も・・・ もう一人の主演が劉松仁。なんか格好いいんだかブサイクだかわからんような顔してます。役柄は「女より酒が大好きで、滅法強い剣士」 今回、彼の強姦シーンは無し。 ピンで武術指導ということで、とても気張っているのがわかる馮克安。 ちょうど制作年度が「ヤング・マスター・師弟出馬」とかぶるので、お互い刺激し合って作られていたのではあるまいか?同じゴールデンハーベストだし、「ヤング・マスター・師弟出馬」でも彼はジャッキーに並んで武術指導にクレジットされているし。(さらに街中でのシーンは、「ヤング・マスター・師弟出馬」と同じ風景!) 今回の彼の役どころは強姦役ではなく(怒られるで)、ひたすら剣の勝負のみを追い求める剣士の役。(「男たちの挽歌2」での周潤發と殺り合ったサングラスの彼を連想します。) 前半最大の見せ場。素晴らしいソード・バトル!! で、馮克安は韋白がごっつ強い剣士と見るや、韋白の知人をぶっ殺し、強引に試合に誘い、1:1での決闘! 斬るも斬られるも皮一枚の死闘の末に・・・ 壮絶な戦いの中、韋白が勝利を収めます(そりゃ主役だもん)。馮克安の出番はこれで終わり。後は武術指導に徹してます。 敵か味方か、呉字森こういうの本当好きね。 出会うべくして、出会った二人。何度か出会ううちに友情が芽生え、二人はごっつ悪い李海生がいる道場に乗り込みます(思いっきり説明省いてますが。ご了承しなさい。) ここの道場で、子分から李海生を倒すまでの一連のシーンは もう呉字森と馮克安の武侠アイデアの結晶とも言える見応えたっぷりシーン。 なぜか忍者服を着た子分との闘いから、槍から何から、主人公二人を斬り斬られで、普通の人間だったらとっくに死んでる血塗れの状態になるのですが、死にません。この辺、やっぱ「男たちの挽歌2」とかと同じ。セオリーとして主人公は何回斬られても、銃で撃たれても死なないのです。 死地戦線を命からがら切り裂く二人。これは間違いなく・・・・ これとかぶります。「狼/男たちの挽歌・最終章」での周潤發と李修賢。 呉字森の傑作と呼ばれてるこの作品と。この作品がアメリカで大当たりしたことにより、呉字森はハリウッド進出しました。血だらけになりながらも闘う二人の姿はまさにこれと同じ! ぐ〜・・・すやすや。 起きたら攻撃っ! ぐ〜・・・すやすや。 起きたら攻撃っ! 一番、印象に残ったのはこの何というか・・・睡眠剣??? すんげぇ強いのですが、寝るときに勝手に頭をぶつけたりして、ほとんど自滅。緊張感溢れる戦いの中で、なぜか何となくホッとさせるシーンです。しかし、主役二人はここまでで、30回ぐらい斬られてますけど。 ついにラスボス李海生との戦いですが・・・・ 強すぎっ! 強すぎっ! 強すぎっ! それでも何とか協力して・・・・ ついに、李海生を撃破します! それにしても本当にアイデア一杯のアクションで全く飽きさせません。 おおっ!? 倒した途端にどうした劉松仁!?これでは、 やっぱ「狼/男たちの挽歌・最終章」ですが。 やっぱ、こんな感じじゃないかぁ!? しかし、冒頭には若干の不安はあったものの、終わってみれば傑作だったと納得できた呉字森演出と馮克安の殺陣が光る、会心の作品でした。 本作はまだまだ終わりません。最後まで見て初めてイラスト・ポスター(載せられたら、載せます。)の意味がわかる、 衝撃のラストが待ち受けています!! 後はご自身で、どうぞ!
少林鬥喇嘛 Shaolin vs Lama 少林寺逆襲ラマ剣法 ■ 友人がインドから持ち帰ったVCDにて、俺が買い取った分の中に入ってた功夫映画。 「絶対知ってる作品だろう」と思っていたのですが、観てみると未見のもので得した気分でした。なにこれ? しかも、意外にも面白いでやんので、傑作選の方に書いております。 まだ昔の名前で出ていますね。 主演は「スーパー・ニンジャ」で一時期、人気を博した羅鋭。香港ではなく台湾のアクション・スターで、同じく台湾のアクション女優、林小樓とも「女学生与流=鬼」で二人は共演しております。それにしても、大好きなオープニング・パターンで幕が開け、なんかもうそれだけで、嬉しいなって感じ。功夫迷はみんな演舞オープニングは好きなんじゃないかなぁ? この人誰?PART1 いや顔は知ってるんですよ。 出演作品 「蛇鶴八拳」・・・三銃士の一人。 「クレージー・モンキー・笑拳」・・・またまた三銃士の一人。 「醒拳」・・・オープニングで殺されるチン・ジャン・ドン役。 「少林寺vsラマ」(本作と別作品)・・・槍の使い手役。 「上海一八灘太保」・・・ザコキャラの一人。 パッと思いだしても、こんだけ出てきますが名前は知りません。知ってる方、情報下さい。(後に彼は王圻生と判明) やっぱ若いなぁ・・・ 羅鋭は血気盛んな若者。付け焼き刃にしてはなかなかの功夫で序盤から魅せてくれます。というか、全編功夫しかないのか? ってぐらいクンフーだらけです。 酔拳のじーちゃんのパターンやね。 しかし、この肉は食うは酒は飲むはの道楽和尚にボコボコにされ、恐らく弟子になります。 ジャッキーのせいで、みんなこんなシーンをやらされるハメに。 定番修行シーンに。このように前半はコミック・クンフーの流れで話は進みます。 どこ? なんかいろんな作品によく出てくる「偽少林寺」。実際、これは何処にあるんでしょうね? めちゃくちゃ門がデカイですよね。 あんまりなぁ・・・・ 本作ヒロイン。 ハリウッドでは「どんなピンチでもヒロインだけは何故か無傷」ってセオリーがありますが、香港には全くなし。彼女は惨殺されます。 この人誰?PART2 左のヒゲは「少林寺木人拳」で金剛の舎弟役とか、「天中拳」の悪漢役とか、ですが名前は知りません。知ってる方、情報下さい。 (李敏郎と判明。fake様情報提供) この人誰?PART3 顔は知ってるが名前は知らないシリーズ。知ってる方、情報下さい。実はこれのパッケージに彼がデカデカと載ってるんですよね、今回悪役のくせに。 っていうか、羅鋭を使えよ、羅鋭を。 出演作品 「少女戦士’88」・・・悪役の一人。メイン悪役は狄威。 「女学生与流=鬼」・・・超悪役。 「阿羅漢vs忍者」・・・僧侶役。 「忍者大決門」・・・珍しく善役。最初に銀魔王モドキと闘います。 今気づいたけど内藤剛士に似てる。 「羅鋭のいるとこ、彼あり。」というぐらい、いつも一緒に出てます。 同じチームだったんでしょうね。 (常山と判明。fake様情報提供) 師匠との壮絶な決闘・・・・ で、師匠と上記のあいつが凄い死闘を繰り広げ、ほぼ互角ながらも師匠は殺されてしまいます。 ただ仇討ちのためだけに出家。 どこが出家じゃ! さらに、功夫学ぶため少林寺へ。 こんな動機の奴の入門を許すなっての。殺人目的だぞ、殺人。 鉄乾指で一騎打ち! 「少林寺vsラマ」(別作品だがこれもルー主演)と全く同じような方法で敵に挑む羅鋭。 なぜに水!? 羅鋭系統の映画って、殴られると何故か水を吐くんですよねぇ? それにしても、なかなか一見の価値ありの名勝負ですよ。 なぜに水!? ワイヤーもあり。 「止め!殺すな!」 勝利した羅鋭。しかし、師匠の抑止もあり、僧侶は人を殺してはなりませぬ。 監督の李作楠は「撈家撈女撈上」「上海灘大」「忍者之故事」「地獄のニンジャ軍団クノイチ部隊」 この辺の倉田保昭出演作品の監督さんと同じ人だと思うのだが。ニンジャ絡みもあるし。 全く知られていない作品としては十分の出来映えの作品です。
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