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■ドラゴン佳作・珍作選10  
 


少林童子功
Shaolin Chastity Kung Fu


「激突!少林寺vsラマ(紅衣刺嚇)」はひと月に一度や二度、どこかのTV局で必ず功夫映画を放映していたという今考えてみれば夢のような時代がとっくに過ぎ去ってしまった後にポツリと突然深夜にTV放映された作品で、
「なぜこれを今放映?」
と何の期待もなく観賞したのだがどうしてどうして、
ストーリーは如何にも羅鋭(アレクサンダー・ルー)主演だなと思わせる余計な人間全部殺して後は復讐みたいなどうでもいい展開だが、アクション面ではコマ落としが目立つものの、当時の初見の感想としては久々に「いいもの見たな」と唸らせるものであった・・・だからと言ってTV放映を納得させるだけの出来ではなかったかもしれんが(一般見地からしてみれば)
これの放映って16年前ぐらいだったかなぁ。
そんな作品とほぼ同じスタッフ・キャストが「シャー・プワンリの女少林寺」「ビリー・チョン/カンフー風林火山」「妖怪奇兵」等でしっかり動けるアクション女優であることを証明している劉皓怡さんをヒロインに迎えて製作した作品が本作である。


流れ


いきなり牛と戦って村の子供達に力自慢する羅鋭。
「あのガキャ、目立ちやがって」

とこれをいぶかしがっていたのはヒロイン・劉皓怡。
朴訥な村景色の中、身軽な子供達にやんちゃ青年にやんちゃ姉ちゃんとくれば

「少林寺2」を思い出しますなぁ・・・どーもこっちが先製作みたいですけど。
と、いきなりその「少林寺2」と同じように羅鋭vs劉皓怡かと思ったら、
もういきなり村が台湾悪役大集合軍団によって焼き討ち!展開はやっ
武術指導の王圻生も一瞬だけやられ役で登場だ!
親兄弟を殺された子供達は羅鋭、劉皓怡に護られながら逃げたが、悪役軍団の方がまだ強い感じで。
と、そこに少林寺から托鉢の旅をしていた張紀平和尚と劍勳小和尚が助けに入って蹴散らしてくれる。

んで、子供から大人まで童子功修行開始!
童子功は無敵の鐵布衫(銀魔王が使うやつ)と同じようなもんです。
修行シーンで見せる子供たち(武術団から来てもらってるみたいです)の素晴らしい動きは一見の価値あり!

と思ったら日本人役で出演してる王圻生・・・あなたさっき殺られてませんでした?
とにかく張紀平和尚に逢いたいらしいが、道中で悪役軍団の李海興らに遭ってしまってバトル!
弟と幼き息子を逃がして息絶える王圻生・・・あなたさっきも殺られてませんでした?

逃げてきた日本人の青年と子供は張紀平和尚がいつの間にか匿う。
状況をガンガン端折ってますな。

さぁ子供大人も関係ないぜ。
女子達は全裸で全員行水だ!
残念ながら劉皓怡さんは参加してません。
とそこに、堂々と一緒に入水してくる日本人の青年と子供。
おなご達 「きゃーきゃーきゃーきゃー!!」
日本人 「日本では混浴が当たり前なのだ」

張紀平和尚 「ここは中国やで。そんなうらやま・・・ごほごほっ」
と説教する和尚。そりゃそうやがな。というか日本でもあかんがな。

ほんでもっていきなり捕まってラスボス・唐龍(「死亡の塔」の唐龍とは別人です)と戦う羅鋭。ある程度童子功を習得していて奮戦したが、唐龍はやたらと強くて敗北。
これを助けに来た張紀平和尚であったが、悪役大集合に囲まれてしまい、羅鋭を逃がして張紀平はボコにされて息絶える。

だから復讐だ!
物語の繋ぎ目である
どこで見つけたどうやって見つけたどうやって手はずした、
なんていうシーンは全て無いので脳内補完が欠かせない作品だ!

それにしても台湾悪役大集合が困ったもんだ。
今回爆笑の髪型で現れる台湾デブゴン・荊國忠に、

クレージー・モンキー・笑拳」でジャッキーオカマ戦法にしてやられた巨漢に、名前の知らない大巨漢に、小太りの王コ生に、体格がっしりの楊雄に、ラスボスは小太りの唐龍に・・・って
敵はデブだらけ!!
動けるのは李海興とあと1人ってどういうことだよそれ!?

というわけで、このデブ軍団相手に
中国武術団で技を磨いた子供たちが大旗戦術やら人海戦術やら軽功やら縄やらパチンコやらを駆使して立ち向かう!
それまでは必ず団体で現れていた悪役軍団であったが、ここからは律儀にも1人ずつ!だからなぜそうなったかを描けっての!

1人1人潰して行きましたデブ軍団、そして
ヒロイン劉皓怡vs李海興!!
・・・(笑 なんちゅうかさぁ・・・この対決を喜ぶ俺ってどうなのっていうか(笑
右の方が李海興
李海興は「激突!少林寺vsラマ」でも素晴らしいアクションを披露したお方で「忍者大戦」のラスボスとしても活躍されているお方・・・だからそれと劉皓怡様との対決でなぜ「おお!」となってるんだ、俺は。

そして遂には小太り唐龍 vs 羅鋭であるのだが、
この対決は何と羅鋭が負けてしまい!しかし!!


終劇





うーん、「激突!少林寺vsラマ」でメチャクチャ良い動きしてた王浩が、今回はコメディリリーフに回っちゃって大したアクションしてないのは残念だな、それ結構楽しみだったのに。

はい。
もう書いた通りに必要な事柄までバンバン端折ってご都合主義でバトルをつなぎ合わせたストーリー的には非常に適当なやっぱり実に羅鋭作品である。
いつもの通りに功夫アクションは見所が多く(徐忠信が武術指導の「激突!少林寺vsラマ」と比べると負けてはいますけど)、子供たちが主役な面もあるだけに羅鋭&劉皓怡の活躍が少なくなっている残念さもあるが、その分その子供たちが妙技を披露してくれるのでまぁよしかとする趣もあり、まぁまぁ良かったかと。

ただほんま敵役がデブばかりなのでそこだけは何とかしとけよと。



■CAST&STAFF
監督 戴徹(ロバート・タイ)
出演 羅鋭(アレクサンダー・ルー)
劉皓怡
劍勳
唐龍
王浩
楊雄
張紀平
荊國忠
羅震
鐵人
瑪莉
葉勇
王圻生
王コ生
李海興
蕭明魁
武術指導 王圻生
脚本 張建信
音楽 周福榮
総策劃 藍天虹
製作 祁忠林
製作総指揮 張g
制作年度 1981


龍虎門
The Dragon and the Tiger Kids
The Hell's Wind Staff



かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート」は新しい功夫映画の可能性を感じさせる作品であった。香港アクション映画の流れを決定的に変えた「風雲ストームライダース」と同じくコミックが原作の「かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート」であるが、1979年という「かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート」より27年も前に既に映画化されてるものが本作である。
そもそも歴史上(演義含む)の英雄たち、黄飛鴻や方世玉や洪熈官等そしてエピソードを題材にして作られている功夫作品が多い中でコミックが原作の功夫映画は当時としては異質、ということはさぞかしのヒットコミックだったんだろうなぁ、とは思うが詳細は個人的に知らず。
ちなみにコミックが原作と言えば石天(ディーン・セキ)主演「財叔之横掃千軍」なんて作品もあったなぁ。思い返せば監督はあの徐克(ツイ・ハーク)自らだし、

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明」登場直前の作品ということでこちらも新しい香港アクション映画の先駆け的作品であった・・・とも言えないこともない。
本作は原作者の黄玉郎が玉郎影業公司なる会社まで興して製作しており、
監督脚本とガッツリ関わっている力の入れようをみると本作のほうがより原作イメージに近いものなのかなぁと思うがはてさて。

強敵に黄正利(ホアン・チョンリー)、主演に孟海(マン・ホイ)、孟元文、脇を固めるのが白彪(パイ・ピョウ)、權永文、徐蝦とキャスト布陣もバッチリで、武術指導は元奎(ユン・ケイ)、錢月笙(チェン・ユーサン)、袁信義(ユアン・シュンイー)、徐蝦、袁振洋の五人という一流ブランドと言っていいだろう。
ちなみに元奎、錢月笙、袁信義の武術指導で連想する作品は「ドラゴン・カンフー水晶拳」か。


流れ


・・・これ、原作が必要だったか?

葉飛揚・・・だよなぁ?なんか太ってるが?
葉飛揚が道場を営む徐蝦の娘を姦淫し、追われる。
葉飛揚は劉鶴年が営む道場の門下生で・・・って、ああまた劉鶴年・・・
・・・どうせまた道場破られるんでしょ?だめなんでしょ?
道場破られ役者としてトップに君臨していた劉鶴年先生の登場です(笑
・・・しかも劉鶴年先生の道場名が"龍虎門"・・・やばい、やばすぎる。
「かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート」で龍虎門道場長だった元華(ユン・ワー)よりもっとやばすぎる。

徐蝦に追い詰められた葉飛揚は片目を潰されて道場を破門に。

事件後は劉鶴年のドラ息子である孟元文がはるばるやって来た白彪(パイ・ピョウ)先生に弟子入りしてお決まりの厳しい修行と友人?孟海(マン・ホイ)との絡みって感じで。
それにしても今回は陽気な旅武芸者って感じで芸風が軽い白彪さんの演技力に感嘆した次第。

さぁ逆恨み。
破門された葉飛揚はいつの間にか黄正利道場の一番弟子に。
こりゃいかん。
早速、身につけた技で復讐だ!とばかりにまずは徐蝦一門を根絶やしに。
ほんでもって色々あったかなかったかとやっぱ龍虎門道場を急襲!

・・・ほらな。というか何というか劉鶴年先生。
もう黄正利が登場するまでも無く、元弟子の葉飛揚に良い所無くボコられて息絶える劉鶴年先生・・・これが龍虎門ですか・・・情けなや・・・
一足遅く道場に戻ってきた孟元文、孟海、白彪は黄正利らの待ち伏せを喰らって、これがもう黄正利がまた強いのなんのって感じですから全然歯が立たず、白彪が犠牲になって孟元文、孟海を逃がす。

黄正利と因縁のあった孟海の師匠權永文の所に匿われた2人が修行してリベンジ!!


終劇






やはりは彼らが振付けた功夫シーンは一流のもので、アクロバティックアクションに強い主演の二人に、結局はそのお馴染みの強烈足技を次々と炸裂させる黄正利との戦いが特に面白い一篇だ。

んだけど、ストーリー面において何の工夫も無いというか、ほんまにお決まり過ぎる展開の上にコメディでもシリアスでも無い様な中途半端な感じが頂けない。
いやアクションはほんと一流のものを見せてるんだけど、惜しいなぁ・・・


■CAST&STAFF
監督 黄玉郎
魯俊谷
出演 孟元文
孟海(マン・ホイ)
黄正利(ホアン・チョンリー)
白彪(パイ・ピョウ)
劉鶴年
權永文
葉飛揚
王憾塵
徐蝦
黄梅
李春華
班潤生
泰山
林克明
張照
盧慧
徐發
譚寶
江全
龍英
朱剛
李恆
金天柱
張志平
何志偉
武術指導 元奎(ユン・ケイ)
錢月笙(チェン・ユーサン)
袁信義(ユアン・シュンイー)
徐蝦
袁振洋
脚本 黄玉郎
杜良〔糸是〕
ケ偉雄
音楽 陳勳奇(フランキー・チェン)
原作 黄玉郎
製作 李文耀
製作総指揮 黄玉郎
黄来光
制作年度 1979

血雙
Five Fingers of Steel
Blood Child


どうにもおかしな映画だ。
妙なテーマと功夫映画お決まりのストーリー、
それとそれを掛け合わせて一体何だっていうの?って感じなのだが、
珍しくも黄正利(ホアン・チョンリー)がイイ人役という作品ではあるが、この登場模様を見ていると「ああこれは・・・」と思うところもあってだな・・・
なんつーか、変な映画。


流れ


赤ちゃんをあやしているヒロイン・李依依。
・・・と思ったらあやしているのは赤子の死体だった!
という妙に気持ち悪いオープニング。
いきなり冒頭からこれは。

と思ったらこちらは朱鐵和道場お祝い。
甥の任世官(ニン・シークァン)や弟子の元武とかそのヒロインの李依依とかで楽しくやっていたが、ここに林克明と劉鶴年が・・・えっ!? 劉鶴年!?
劉鶴年と言えば・・・(笑 まぁいい後にするか。
後にするかと思ったら、うおお!獅子舞かぶって劉鶴年が暴れだしたー!
お祝いを無茶苦茶にする気だ!劉鶴年が今回は悪役だ!
んでもって結局、
任世官と元武 vs 林克明と劉鶴年
になるのだが、善側が一枚上手の上に結局は朱鐵和が蹴散らして締める。

っていうか元武が主演級の映画って珍しいけどそれ以前にここまで挙げた役者の名前考えてみても、全員が悪役役者と言ってもいいね(笑

「なにやっとんじゃ!」
林克明と劉鶴年の不甲斐無さに怒るボスの權永文・・・
なんかこの直前は「龍虎門」(こっちは權永文、とてもイイ人役)見てたからさぁ・・・
またいつもの悪役に戻ってることに変な気分。

ほんで、甥の任世官は宮仕えの陳樓に金塊護送を頼まれる。
報酬が良かったからなのかこれを快諾する朱鐵和一門。
早速、護送に向かったがこれがやっぱ罠で、待ち伏せた林克明と劉鶴年、そしてやたらめったら強い上に靴に仕込み刀ついてる權永文によって元武は崖から叩き落され、朱鐵和は殺されてしまう。

崖から落ちた元武は・・・なぜか下にいた黄正利によって匿われた!
そういやあんたが主演じゃなかったのかよ!

・・・って、まだ生きてた!?道場まで戻ってきた!!
さっき完全に死んでたぞ!ってな感じの朱鐵和。
引き受けた本人なのに何故か護送に参加していない任世官に
「これこれこうだから罠だから伝えたから死ぬから」
と言って息絶える朱鐵和!
あの場所で死んだらそれできないことに後から気づいて撮影してるぞこれ!

責任を感じた任世官は權永文一門に殴り込みをかけるが、やっぱ權永文が強いので逆に捕虜に・・・なぜ殺さない?勢いよくさっき朱鐵和を殺してしまって後から話が合わなくなると焦って生き返らせたので、今度は保険か!

さぁそして!
【劉鶴年さんの道場破られ無念のヒストリー】

五爪十八翻
黄正利さんによって道場破られる

龍虎門
黄正利さんによって道場破られる


非情のハイキック〜黄正利の足技地獄〜
黄正利さんによって道場破られる

背叛師門
王龍威さんによって道場破られる

激突!キング・オブ・カンフー
陳耀林さんによって・・・いやこれは主演の梁家仁(リャン・カー・リャン)さんが救いました!

私が確認しただけで何と3回も黄正利さんによって道場破られてます(笑

さぁ、それが!
朱鐵和殺して、任世官捕まえたので弱体化した朱鐵和道場を劉鶴年さんが逆に破ったぁ!!おめでとう!遂に積年の恨みを晴らしましたね!

何て茶化している場合ではなく、
さらに捕まってしまった李依依は權永文に犯されてしまう。
しかも、妊娠。
産まれた赤ちゃんに喜ぶ權永文であったが、
赤ちゃんは何とモンスターであった?(ここがさっぱりわからない。確かに宇宙人グレイのような赤子が出てきます。しかしなぜ?)
落胆した權永文は赤子殺害。
悲劇の連続で李依依は頭がおかしくなってしまい、死んだ赤子を抱きかかえる(これがやっと冒頭に繋がるわけではありますが)

黄正利の下で怪我の治療をして回復した元武が捕まった任世官を逃がして
2人で林克明と劉鶴年を倒して後は權永文とのラストバトルでありますが、そうなってもなかなか黄正利が出てこない!
と思ったら半分ぐらいのところでやっと出てきた。と思ったら・・・


終劇





これさぁ・・・
黄正利に悪役のオファー出したけど、大人気でとてもスケジュール調整が利かず、急遽權永文に悪役を頼んで、黄正利はゲスト出演だけで終ったみたいなそんな印象を受けるなぁ・・・イイ人役も何もほとんど出番ありませんよ。

ほんでこれ一体何なの?
って感じで、オカルトサスペンスぽく始まる冒頭は陰惨ながらも期待を沸かせるものでワクワク感もあったのだが、死んだくせに都合上生き返る朱鐵和
とかその場凌ぎで作っている感アリアリでストーリーは完全破綻か、町を牛耳りたい陳樓と權永文が手を組んで目障りな朱鐵和一門やっつけてってお決まりの話にわざわざ赤子殺害の結局は単なる気持ち悪いエピソードくっつけて、だからそれでどうなの?って作品なんだよなぁ。

思い返してみればイイ人側の面々が全て悪役としてお馴染みの方達ってのも面白いし、挙げたように功夫猛者が集まってるだけあって、こと功夫シーンに関してのレベルは高く、なかなかいいものを見せている。流石は黄正利が出るとアクションレベルが一段二段と高くなる伝説は健在だ。なので功夫シーンはなかなか良い作品ではあるんだけどなぁ・・・

うーん、ストーリー、せっかく集めた功夫猛者たちの使いどころ、
色々な箇所で残念な作品だ。


■CAST&STAFF
監督 梁永燦
出演 任世官(ニン・シークァン)
元武
黄正利(ホアン・チョンリー)
權永文
李依依
朱鐵和
陳樓
林克明
劉鶴年
白沙力
許瑩英
陳飛龍
廖學明
岑潛波
黄志偉
何寶星
鄭家生
武術指導 元武
製作 羅嘉甫
制作年度 1982


~龍猛探/威龍神探
Challenge of the Tiger


いつの間にか黄正利(ホアン・チョンリー)祭りになっちゃってますが、ネタは少々あるのでもちっと続けようかな?
やっぱ彼の足技は最高だからねぇ!今更ながらやっぱり彼は凄かったと思いますよ、ほんまに。
数々の対戦歴のある黄正利だが洪金寶(サモ・ハン・キンポー)、元彪(ユン・ピョウ)この2人は茶化したバトルで終ってしまってるのが残念で、特に劉家輝(リュー・チャーフィ)とガッツリガチンコしてないのが残念だ。劉兄弟との対決ということになると正に中国武術vs韓国テコンドーやからね。
というところで、この人とは(笑 少なくとも二度の対戦があるんだよな。

呂小龍(ブルース・リ)。
それが「ブルース・リの復讐」と本作。
本作は監督・脚本・武術指導・主演呂小龍という正にワンマン俺様映画で、となると観る側の期待も自ずと下がってしまうものなのだがはてさて。


流れ(も、適当に)


研究所ですな。
研究が成功しましたな。
成功したけど研究者は殺されましたな。
研究成果のファイルが盗まれましたな。

「おっぱいバレー」なんて映画もありましたが、こちらは
「おっぱいテニス」!
すげーぜ!リチャード・ハリソン
なかなか質の良い白人美女を3人も揃えてしかも!
おっぱい丸出しテニスを楽しみ、
すっぽんぽんプールを楽しみ、
その後も3人すっぽんぽん白人女とプールサイドでいちゃいちゃ。
流石は(?)呂小龍がブッキングしたおっぱい6個だ!
「死亡の塔」で出てくる白人女のおっぱいとおっぱいがえらい離れてて、
「こういうおっぱいもあるんだ・・・」
と子供ながらに勉強したなぁ・・・なに勉強しとんねん

と、そこへ仕事の電話が・・・って、
超ハーレム!
あんたこれだけ広大な屋敷でテニスコートもプールも女3人も揃えて、今更何を稼ごうというのか!!

さぁ・・・なんか・・・捜査開始だ!
ファイル捜索だ!
というわけで(なにが)、とにかく呂小龍とハリソンはバディコンビだ・・・刑事じゃないが(じゃ何なんだこいつら)とにかくバディコンビだ。

だから 呂小龍 vs 闘牛だ!

とりあえずパンチ一発と手刀落として牛を叩き殺す!
おお、これはあの大山・・・まぁいいやそんなこた。

なのでファイル持ってる白人女をハリソンが口説いて、お風呂でおっぱいイチャイチャだ!
その隙にこっそり忍び込んだ呂小龍がファイル奪還!
ハリソンの役割がうらやましい限りだ。

ということはいかん!
とばかりに何か江島とか黄正利とか楊斯(ヤン・スエ)とか悪い奴らがファイル目掛けて動き出した!・・・ほんでこれってさぁ悪役同士でも徒党が違って争い合ってる上に、黄正利が味方を裏切ったりするからもうわけわかめちゃん。

香港に戻ろうぜ!
つーか、今までスペインロケだったのか!?って感じですが、そうなんだろうな。たぶんな。

香港と言えば海水浴だ(?)!
砂浜でバカンスしてた呂小龍とハリソンであったが、
ここで貝如花さんがハリソンを上手いこと誘惑して、さぁセックスだ!

しかし貝如花さんは非常に美しい裸体でらっしゃいますねぇ・・・
ここはなんちゅうか、ほんとお美しいです・・・後姿が素晴らしいです。
とりあえずデスクトップに保存です。
・・・しみじみ・・・しみじみしてる場合か!
貝如花さんは黄正利の手下なので、ファイル持って逃走だ!

ってなわけで実現する 黄正利 vs 楊斯!!
来たー!!いいねいいね!このマッチ!・・・ってすぐ楊斯負けたーっ!
い、いやちょっと待ってもうちょっと対決してよ!

そしてさっきからゲリラ撮影の嵐なので、本物の大勢人が集まるイベントごと
ゲリラ撮影しちゃってるからなかなかの臨場感だ!そりゃそうだ!

気が付けば登場人物のほとんどが死んでますが、
ここからの
vs 筋肉白人男
vs 江島

vs 黄正利
の三連戦は呂小龍ファイトとして抜群だぜ!とりあえず頑張ってるぜ!

頑張ってるぜ!・・・って、あっ!?


終劇





こういうのを徹底的なやっつけ文章と言います。
も、なんちゅうか完全なる勢いで書きました。
も、この文章のぶつ切りテイストを正に呂小龍映画そのものを楽しむ時と同じように楽しんで頂けたらと存じ上げます。

と、とにかく・・・呂小龍作品としては良い映画だ・・・って良いんかいっ!
だって、今回はやっぱり黄正利様々効果なのか、アクションのレベルはなかなか高くてテンションも高い感じで頑張ってくれてるので良い感じだ。
そして物語は実に適当だが出てくるセクシー担当美女の質も高い感じで頑張ってくれてるので良い感じだ。

そして本作の一番の見所はレオナルド・ダ・ヴィンチが惚れ込み、ルノワールが横恋慕しそうな貝如花さんの美しい後ろ姿裸体!・・・なのかもしれない。

ああ、また駄文。失敬。


■CAST&STAFF
監督 呂小龍(ブルース・リ)
出演 呂小龍(ブルース・リ)
リチャード・ハリソン
黄正利(ホアン・チョンリー)
貝如花
江島
楊斯(ヤン・スエ)
ブラッド・ハリス
ディック・ランダル
呉傑強
廖學明
岑潛波
楊世鈞
麥偉章
武術指導 呂小龍(ブルース・リ)
江島 他
脚本 呂小龍(ブルース・リ)他
音楽 周福良
製作 鄭良安
馬潔懿
製作総指揮 呂小龍(ブルース・リ)
ディック・ランダル
制作年度 1980


少林彌沙/狂龍血戰忍者
Martial Monks Of Shaolin Tenple
Secret Ninja, Roaring Tiger


馴染みの顔が出てこないこともあって、なかなか手を出しにくい韓国産功夫映画に久々に手を出してみました。というのも黄正利(ホアン・チョンリー)と巨龍(ドラゴン・リー)が出てたから。
今はさぁ、韓流韓流って韓国タレントもイケメンが多いけど当時の韓国産功夫映画を考えるとさぁ・・・ねぇ、ちょっと。

・・・?
ひょっとしたら私が見てるバージョンは大幅カットされてるのかなぁ?
場面が飛んでるようなところが多いです。その上、「狂龍血戰忍者」ともありますが忍者が出てきませんでしたので、これは何誌強(ゴッドフリー・ホー)監督十八番の後で忍者追加撮影バージョンのタイトルなのかもしれません。


流れ(やっぱも、適当に。だって飛んでるもん)


すいません。
やっぱりわかるようなわからんような内容なのですが、

とにかく黄正利派は少林派を一網打尽にしたくてたまらん感じで、早速托鉢に出ていた出家和尚が殺されたという一報が少林寺に入り、少林寺から駆け付けた別の和尚が五獣拳で黄正利派に応戦するも、いつもの通りにお強い黄正利によって返り討ちに遭い、和尚の娘?的な女の仇討ちも含めて少林寺弟子の巨龍が黄正利と対決するが負けて

ドランク・モンキー/酔拳」のジャッキーよろしく靴を舐めさせられる屈辱を受けて、旅をしていた?坊さんがとても強いので弟子入りして修行して、さぁリベンジと思ったら何故かその坊さんも黄正利の仲間だったので倒して、

最後は仲間の若い坊さんと一緒にvs黄正利みたいな感じだ。


終劇





伝説は健在だ。
先述の通りに韓国産功夫映画に余り免疫が無い自分としては立ち回りシーンに於いて、当たり前だがテコンドー偏りの足技だらけを想像してしまうのだがどうしてどうして。この作品もまた黄正利伝説を継承するだけのアクションクオリティを保っており、香港功夫映画とはちょろっとニュアンスの違うような功夫アクションを楽しめることは間違いない。

考えてみれば深い話になるのだが、韓国が当時にどうしてこのような作品を製作していたのか、と考えると実に歴史の重責を感じずにはいられない。
当時の韓国で隣国日本とのまともな文化交流などは非常に厳しく、結果として日本の娯楽文化は韓国人にとって未知なるものであり、自国での娯楽産業の反映というものもまだまだ芳しいものではなかった。
そこでお隣台湾香港を覗いて見ると、功夫映画がお盛んで、自国から呼ばれた黄正利始め多くの韓国人が功夫スターとして活躍している、であるならばこれを韓国娯楽として取り込まない手は無い。いや、取り込むしか無かったのではないか。当時の韓国の娯楽の少なさの裏返しではなかったのだろうか。
私達が見ると似て非なる五獣拳や偽少林寺など思わず苦笑に転ずるものではあるが、何誌強監督はこの韓国で何を見せようとしたのか、伝えようとしたのか。良い悪いではなく需要があった。
決して潤沢とは言えない当時の韓国から潤いだけを吸い上げようとしていたのであろうか?

今となってはわかりにくいものが多々あるが、なぜ劉家輝(リュー・チャーフィ)は韓国産功夫映画に主演しているのだろうか?(「香港の竜・酔八拳」「少林寺の復讐」等)・・・そう考えると単純に韓国産功夫映画、といっても色々な意味で興味深い"思慮"というものもあるのだ。


■CAST&STAFF
監督 何誌強(ゴッドフリー・ホー)
出演 巨龍(ドラゴン・リー)
黄正利(ホアン・チョンリー)
洪觀泰
黄永佳
陳尚志
白黄基
林子虎
徐驩
金起弘
李芸敏
朱相鎬
脚本 金時顯
製作 ケ格恩
製作総指揮 黎幸麟
制作年度 1982


借刀殺人
Hitman in the Hand of Buddha


結局ゲスト出演だった「血雙」と違って本作こそが黄正利(ホアン・チョンリー)が主演を務めた作品である。
黄正利影業公司なる会社まで興し、更に監督まで務めた作品ということで、彼がいったいどんなことをやってみたかったのか?と非常に興味が湧くというか湧く暇も無くすぐわかったというか、なんちゅうか
「ああ、やっぱそれやってみたかったのね」って言うか。


流れ

もう出だしから格好良いんすよね!
いきなり盗賊元奎(ユン・ケイ)らが襲い掛かった人を助けて黄正利大暴れ!
蹴散らしたー!いきなり格好よすぎるぜ!

その後、今度はあっさり子供のスリにあって、追っかけると元締めの樊梅生(フォン・メイサン)が。
対決してみれば腕はちーとばかし樊梅生が上か。まぁ本当はそんなわきゃないんだが。
んで、妹夫婦郭燕燕・杜少明の米屋を訪ねる黄正利。

そしたら米屋vs米屋って感じで、
ご近所の商売敵がモダンな商売やってるもんだから売り上げガタ落ちの上に、その商売敵が嫌がらせ。
これを早速黄正利が蹴散らすのだが、ここからが悲劇の始まりだった。

商売敵米屋は用心棒として屈強な王將(ワン・チェン)を招聘。
ここでの黄正利 vs 王將 は抜群の良いバトルである。あの、黄正利にしては珍しく足技もありますが手技重視のキメ細かい殺陣なんですね。この辺は武術指導家のセンスが光ってます。
光った末に勝利する黄正利。そうそう王將なんかには負けません。

米屋どうこうよりも個人的に怒り心頭の王將は・・・
もうこうなってくると借刀殺人じゃなくなってくるような・・・展開考えるとそうでもないのか。しかし米屋vs米屋がことの始まりってスケールの小さい展開ってどうよ。どうよってつまりなんちゅうかそれはそれで穏やかにやってほしいっていうか。まぁ後で話すかやめとくか。
師匠の高雄(エディ・コー)に復讐お願いの王將。
早速急行。
妹夫婦は殺され店は潰され、さらにそんなことを知らない黄正利は高雄と戦って敗れてしまう。すんでのところで助けたのは樊梅生。

「今のお前じゃ勝てん」
というわけである寺を紹介されてそっち行って修行開始の黄正利。
・・・あれですな、もう基本はバッチリ出来てますのでいきなり実践編トレーニングですな。
この辺の坊さんとのバトルも良い感じですぞ。

ほんで、修行終えて帰って来てやっと悲劇の真実を知る黄正利。
今までずっと知らなかったという展開も苦しいのだが。

とにかく怒り爆発で・・・
と思ったら都合よく王將の方からやってきた。
ここが格好良いんですよ!
飛び蹴り一回で三人に攻撃とか二人同時にトドメをさすとか
黄正利先生足技最高です!

そしていよいよリベンジ!
黄正利 vs 高雄だ!


・・・米屋が米屋を潰したいから第三者(同盟)を敵対させて戦わせるってのが借刀殺人ってことになるのですが、これ結局借りた刀を壊しただけで話が終ってますがな。刀を借りた商売敵の米屋は繁盛のままやで。


終劇





まぁそうですよね!
今までどれだけの若者がにっくき黄正利を倒すために、変てこ老人の下で修行して戦ってきたことか。たまには黄正利さんだってそっちの"若者"ってやつを演じてみたいよね、そうよね。
んでもって、この人は実際にメチャクチャ強いので弱弱しい青年なんてものが演じられるはずもないのでその辺が難しいところだよね。逆にこんなに頼れる主人公ってのも珍しいってぐらいにつえーし。友達だったら彼と二人で何処でも平気で歩けるよね。虎の威をかるなんとかで。

豪快にして繊細。
柔にして剛。
しなやかさと力強さ。
黄正利先生の魅力がたっぷり詰まった中々の作品であった。
もう何にしろ黄正利先生がかっちょいい!
抜群の技のキレと連続で繰り出され鞭のようにしなる美しい足刀、圧倒的な強者の迫力・・・
現場を想像すると、黄正利先生の強さに魅了された武術指導の面々が如何に先生の魅力を引き出すかということに一生懸命しかも楽しそうに心を砕いて知恵を絞っている姿が浮かんでくる。
「先生、悪役お勤めご苦労様です!」
まるで今まで数々の作品で強大な悪役を務めて香港映画を盛り立ててきた先生への恩返しのように。

この作品の総評としてはそこそこの出来ではあるのだが、黄正利先生アクション集大成という意味で彼の凄さを知れる一本として絶対に残しておきたい作品でもあるぞ、これは。

非情のハイキック〜黄正利の足技地獄〜」を国内発売したのだからこの作品も是非!「非情のハイキック〜黄正利の足技天国〜」として発売されて欲しいですね!
多くの人にこんな凄い人がいたんだぞ!ってのを知ってもらいたいですよ、ほんとに。


■CAST&STAFF
監督・製作 黄正利(ホアン・チョンリー)
出演 黄正利(ホアン・チョンリー)
高雄(エディ・コー)
樊梅生(フォン・メイサン)
王將(ワン・チェン)
郭燕燕
杜少明
楊威(ヤン・ウェイ)
張莽
金有行
白黄基
元奎(ユン・ケイ)
武術指導 元奎(ユン・ケイ)
孟海(マン・ホイ)
錢月笙(チェン・ユーサン)
制作年度 1981


南拳北腿
The Secret Rivals


はてさて、かくしていつの間にか始めてしまった猛暑を吹き飛ばせ!な黄正利(ホアン・チョンリー)祭りもこれで一旦ラストにしましょう。最後を飾るのはやっぱりこの作品かな?ということで黄正利さん香港映画デビュー作の本作です。
いきなりデビューから凄いんですよね、この人は。これは香港のお客さんびっくりするわ。黄正利と劉忠良(ジョン・リウ)だもん。


流れ


お、

蛇鶴八拳」冒頭に出てくるあの場所ですな。
大きい寺の広場って言うか。
確かここって今では凄いことになってるんだよねぇビルが立ち並んで周りは大都会って感じで・・・
ここで練習してます南宮勳(ナン・ゴンクン)とその子分。
・・・まぁたぶんこれ、中国から韓国に金持って(?)逃げてきた将軍が韓国の村を牛耳っていたのだが、これを倒したりなんかするため中国から腕利きが送られて来るって話でしょうね。

というわけで、王道(ワン・タオ)&劉忠良登場。
いやねこれ殺陣のキレが良いわぁアクション良いわぁ、王道さんのアクションもとても格好良いの、うふ。
・・・っていうか、王道&劉忠良どっちもが旅館のマドンナ・呂秀貞に恋したりなんかして!そういう映画なんですかこれは!?

さぁどっちがマドンナの前で良いとこ見せるか!?
将軍がその"腕利き"を倒すために新たな用心棒募集でケンカオーディション開催。
ちゃっかり参加する王道&劉忠良。
派手な登場した割にはあっさり王道にやっつけられる白人ってことで。
将軍 「じゃあ君を用心棒に」
王道 「いやいやマドンナにアピールしたかっただけなんで別にいいっす」
将軍 「まじかよ!」

王道こそが"腕利き"では?
と疑った将軍が刺客を放つ・・・放つが弱い。
だってだから用心棒募集してるんだし。
刺客の中には地味に元彪(ユン・ピョウ)さんが稼いでます。残念ながら大した見所は無いです。うーむ

劉忠良 「お前なかなかやるじゃんかそうじゃんか。でもマドンナは俺のものじゃんか。」
ってことで、早速対決する南拳王道&劉忠良北腿!
でもま、そこにマドンナが現れて王道とイチャつき出したので、
劉忠良 「後から来た俺がやっぱ不利かな・・・」
とへこむ劉忠良さん。男はつらいよ。

遂に将軍と一緒に金を盗んだ(?)共犯者・黄泰珠が姿を現す。
黄泰珠?
おお、これは韓国芸名でまだ登場してた黄正利さんのことである。

早速、vs南拳 vs北腿
って感じだったが、やっぱ黄正利はつえーわ。いつでもどこでも。

両手の動きを封じられて敗れた劉忠良は、
劉忠良 「やっぱ俺は脚だわ」
って感じで、リベンジ修行開始!
王道さんはマドンナと恋を育むのに忙しくて特に何もしてないのか!?

ほんで誘拐されかかっていたマドンナを劉忠良が助けて、
劉忠良 「よっしゃ!王道を出し抜いたぜ!」
と思っていた劉忠良さんであったが、王道の顔を見た途端にそっちに駆け寄るマドンナの姿を見て劉忠良さんは恋愛での完全敗北を悟る。
劉忠良 「王道め!ぶっ殺してやる!」

冒頭にかなり強そうな描写で登場していた南宮勳であったが、いよいよ佳境も押し迫って実に王道さんにあっさり倒されるの巻。かつては「必殺ドラゴン鉄の爪」で死闘を繰り広げた南宮勳さんも本作では弱かった。

遂にマドンナを巡っての一大決戦が幕を開けた!
南拳王道&劉忠良北腿!
激しい戦いの末に勝利したのは劉忠良北腿!

黄正利 「お前なかなかやるじゃんかそうじゃんか。わはは」
試合を見届けて帰ろうとした黄正利に、
劉忠良 「次はお前の番じゃんかそうじゃんか。わはは」
と迫る劉忠良。

かくしてここに劉忠良 vs 黄正利なるラストバトルが始まるのだが、
ここには意外なる・・・意外でもなんでもないか。


終劇





ひょんなことから始まった黄正利祭りなので佳作・珍作選のコーナーにこの作品も収めてはいるが、本作は傑作である。
もっとスピーディにテクニカルに熱気溢れた新しい功夫映画を撮ろうとチャレンジしている呉思遠(ウー・セイエン)の頑張りと、香港で功夫スターになるべく目も手も足も輝かせて頑張る黄正利と劉忠良、今一度良いとこ見せてやるぜ!と頑張るゴールデンハーベストから移籍した王道、彼らの熱い気持ちが画面からバンバン伝わってくる迫力が素晴らしい。もうその通りに活気とテクニック、スピード、パワーがしっかりと同居した功夫ファイトは文句の付け様も無いところだ。特にラストバトルは素晴らしい。もうほんと、この作品は後の成龍(ジャッキー・チェン)に繋がっていく新しい功夫映画の芽吹きを著しく感じるのよね。そこがたまらない。

ザッと黄正利レビュー連打でお送りしてみたことでわかったことが一つ。
それは如何に彼の足技が誇り高いものなのかということだ。
無論、彼の出演作を全て観たわけではないので「あの作品のアクションはどうしようもないですよ」といったものもあるだろう。
ただ彼が出るだけでアクションレベルが必ず水準またはそれ以上になるという黄正利伝説はほとんどの作品に該当する。
いつもはつまらないアクションにどうしてもなってしまう呂小龍(ブルース・リ)までもが黄正利と対峙して功夫スターとして輝いていた。
テコンドーファイターとして恐らくデビュー当初は慣れるのに大変苦労したであろう功夫と真っ向から向き合いこれをいち早く吸収し、その上で自分の持ち味である脅威の足技をどう活かしていくのか、デビュー当初に金銘や袁和平(ユアン・ウーピン)といった腕の良いセンスある武術指導家が着いていた幸運は勿論あるが彼らから離れても決してその足技が鈍ることはなかった。
これこそ己が身に着けた技を辱めまいとする、彼の意地と誇り。
その意地と誇りに惜しみ無い称賛を送りたい次第である。

・・・いやいやいや、これが国内発売されてない?
おかしいでしょそれは。
Part2の「南拳北腿鬥金狐」と合わせて絶対発売するべきですよ!


■CAST&STAFF
監督・製作 呉思遠(ウー・セイエン)
出演 劉忠良(ジョン・リウ)
王道(ワン・タオ)
黄正利(ホアン・チョンリー)
※クレジットは黄泰珠
呂秀貞
南宮勳(ナン・ゴンクン)
李芸敏
南忠一
全孝鎮
金光一
湯錦棠
杜偉和
金銘(トミー・リー)
元彪(ユン・ピョウ)
南浦童
馬道植
金王國
朴東龍
武術指導 金銘(トミー・リー)
脚本 呉思遠(ウー・セイエン)
童路
音楽 周福良
制作年度 1976

佛掌皇爺
The Buddha Assassinator


また黄正利(ホアン・チョンリー)であるが、これは前から見たかった作品で、独立プロの低予算映画でありながらこれぞ功夫映画と納得に値する作品である。


流れ


対立する羅漢派と佛掌派。
いつの間にかそれは対朝廷といった図式になり、羅漢派の長である黄正利は朝廷の将軍、佛掌派を根絶やしに・・・って結局いつものパターンか。

佛掌派も負けてはいなかった。
レジスタンス組織として暗躍。
とある寺に黄正利がやって来るという情報を入手し、刺客を放つ。
寺の小男として働いていた孟海(マン・ホイ)がたまたま刺客の存在に気づいてしまい、確執など何も知らない彼が刺客の存在を叫んだことで暗殺計画は失敗に。黄正利は命を救ってくれた孟海を雇い、技を教えることに。

何も知らない孟海を媒介にして、黄正利は佛掌派・錢月笙(チェン・ユーサン)の存在を、錢月笙は黄正利の正体を知ることになる。
孟海の素質は抜群だったようで、教えた黄正利も満足顔。
夜半に孟海が黄正利に襲い掛かってきた刺客を倒してみると、その正体はずっと孟海の面倒を見てくれていた姉と言っても良いぐらい親密な方芳であった。

自らの手で親しき人を殺してしまったことで、悲しみに暮れる孟海。
フォローする錢月笙師匠であったが、ついに彼も黄正利と対決。
いつものようにどの映画でもそうだが黄正利は恐ろしく強く、佛掌派達人の
錢月笙でも適わなかったので逃亡。

全てを伝え聞いた孟海は改めて羅漢派と佛掌派との争いに決着を着けるため、佛掌派・錢月笙に弟子入りするが・・・


終劇





主演の孟海はジャッキーと同じく京劇出身でむしろ幼い時の子役時代の活躍の方が印象に残る。

「燃えよドラゴン」では小舟を引っ張る少年で登場、李小龍(ブルース・リー)繋がりなのか、李小龍の友人であった小麒麟(ユニコーン・チェン)の「麒麟掌」では早速アクロバットを披露して小麒麟と競った。

その後は呉思遠(ウー・セイエン)に気に入られたか、梁小龍(ブルース・リャン)が連れて来たのかわからないが

必殺ドラゴン鉄の爪」「帰って来たドラゴン」「無敵のゴッドファーザー/ドラゴン世界を征く」と立て続けに梁小龍映画の相棒役で出演、とここまでは順風満帆な感じだが青年になるにつれ彼があまり使われていない不遇の時期があるようで、振り返ればわずかの年数であろうが、私がおぼえているのも「必殺!少林寺武芸帳」で猿拳を披露するが陳星(チン・セイ)にパンチ一発喰らって死ぬ役ぐらいで、かつて天才子役と言われた彼としては実に悲しい陥落ぶりである。

ただこの辺で洪金寶(サモ・ハン・キンポー)との接点が出来たことは良かったのかな?サモハン主演作「燃えよデブゴン」や「燃えよデブゴン3」で武術指導助理やカラミ役での出演で食い繋いだという印象がある。
ジャッキーから始まったコメディ功夫ブームは彼にとってもラッキーだった。
どう見てもシリアスよりコメディが似合うお顔立ち、たちまち彼もポストジャッキーのお鉢が回ってきて「龍虎門」や本作の主演と相成った。

結果として肉体ポテンシャルは抜群ながら功夫スターの仲間入りをしたと言うほど成功したとは言えないだろうが、徐克(ツイ・ハーク)監督の評価を決定的なものにしたヒット作

「蜀山奇傳/天空の剣」にて元彪(ユン・ピョウ)の相棒役に抜擢されたのがまたまた幸運だった。子役時代から主人公の引き立て役が多かった彼は、この後も「ファイヤー・ドラゴン」で李國豪(ブランドン・リー)の友人役を、「ファースト・ミッション」でジャッキーの友人役を演じて彼らしい好感の持てる芸風を披露している。また武術指導家としても評価は高い。

ただ引き立て役を自分の芸風としたためにアクション面で大きく活躍することが無くなったのは惜しいな。本作で見せる彼のアクションはとても素晴らしく、演舞シーンの完成度も実に高い。幼い頃から京劇で鍛えた柔らかいバネを十二分に活かした素晴らしい演舞だ。ラストバトルもお互いに奥の手をポンポン出してたちまち有利不利が入れ換わるスピーディーな接戦が非常に心地よくとても面白い。

話題変わって、
その名前を世界に広めた本作武術指導の元奎(ユン・ケイ)と違って同じく武術指導の錢月笙の名前が現在見られないのは寂しいものもある。というのも、本作の功夫アクションはモロ自分好みの立ち回りでアクロバティックにスピーディーにジャッキーに負けてられないぞ!とジャッキー作品を意識した高度なアクションが見られるし、彼も立派な一流武術指導家であることを証明しているし、今彼は何をしているんでしょうね。

それにしても相変わらず黄正利が出ている作品はアクションレベルが高いですね。その伝説は健在です。


■CAST&STAFF
監督 董今狐
出演 孟海(マン・ホイ)
黄正利(ホアン・チョンリー)
錢月笙(チェン・ユーサン)
龍飛(ロン・フェイ)
余松照
元奎(ユン・ケイ)
侯伯威
方芳
張義貴
乾コ門
朱客
張寶善
葉照旭
扈漢章
李龍吟
張宗貴
李祖榮
裴コ雲
孔子羽
武術指導 元奎(ユン・ケイ)
錢月笙(チェン・ユーサン)
脚本 倪匡(イ・クオン)
杜良〔女是〕
音楽 陳勳奇(フランキー・チェン)
策劃 劉立立
製作 李文耀
製作総指揮 杜慶
制作年度 1980
 
 
 
 
 

龍虎門
血雙
~龍猛探
少林彌沙
借刀殺人
南拳北腿
佛掌皇爺
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