監督・製作 |
黄正利(ホアン・チョンリー) |
出演 |
黄正利(ホアン・チョンリー) |
高雄(エディ・コー) |
樊梅生(フォン・メイサン) |
王將(ワン・チェン) |
郭燕燕 |
杜少明 |
楊威(ヤン・ウェイ) |
張莽 |
金有行 |
白黄基 |
元奎(ユン・ケイ) |
武術指導 |
元奎(ユン・ケイ) |
孟海(マン・ホイ) |
錢月笙(チェン・ユーサン) |
制作年度 |
1981 |
南拳北腿
The Secret Rivals
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はてさて、かくしていつの間にか始めてしまった猛暑を吹き飛ばせ!な黄正利(ホアン・チョンリー)祭りもこれで一旦ラストにしましょう。最後を飾るのはやっぱりこの作品かな?ということで黄正利さん香港映画デビュー作の本作です。
いきなりデビューから凄いんですよね、この人は。これは香港のお客さんびっくりするわ。黄正利と劉忠良(ジョン・リウ)だもん。
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流れ
お、
「
蛇鶴八拳」冒頭に出てくるあの場所ですな。
大きい寺の広場って言うか。
確かここって今では凄いことになってるんだよねぇビルが立ち並んで周りは大都会って感じで・・・
ここで練習してます南宮勳(ナン・ゴンクン)とその子分。
・・・まぁたぶんこれ、中国から韓国に金持って(?)逃げてきた将軍が韓国の村を牛耳っていたのだが、これを倒したりなんかするため中国から腕利きが送られて来るって話でしょうね。
というわけで、王道(ワン・タオ)&劉忠良登場。
いやねこれ殺陣のキレが良いわぁアクション良いわぁ、王道さんのアクションもとても格好良いの、うふ。
・・・っていうか、王道&劉忠良どっちもが旅館のマドンナ・呂秀貞に恋したりなんかして!そういう映画なんですかこれは!?
さぁどっちがマドンナの前で良いとこ見せるか!?
将軍がその"腕利き"を倒すために新たな用心棒募集でケンカオーディション開催。
ちゃっかり参加する王道&劉忠良。
派手な登場した割にはあっさり王道にやっつけられる白人ってことで。
将軍 「じゃあ君を用心棒に」
王道 「いやいやマドンナにアピールしたかっただけなんで別にいいっす」
将軍 「まじかよ!」
王道こそが"腕利き"では?
と疑った将軍が刺客を放つ・・・放つが弱い。
だってだから用心棒募集してるんだし。
刺客の中には地味に元彪(ユン・ピョウ)さんが稼いでます。残念ながら大した見所は無いです。うーむ
劉忠良 「お前なかなかやるじゃんかそうじゃんか。でもマドンナは俺のものじゃんか。」
ってことで、早速対決する南拳王道&劉忠良北腿!
でもま、そこにマドンナが現れて王道とイチャつき出したので、
劉忠良 「後から来た俺がやっぱ不利かな・・・」
とへこむ劉忠良さん。男はつらいよ。
遂に将軍と一緒に金を盗んだ(?)共犯者・黄泰珠が姿を現す。
黄泰珠?
おお、これは韓国芸名でまだ登場してた黄正利さんのことである。
早速、vs南拳 vs北腿
って感じだったが、やっぱ黄正利はつえーわ。いつでもどこでも。
両手の動きを封じられて敗れた劉忠良は、
劉忠良 「やっぱ俺は脚だわ」
って感じで、リベンジ修行開始!
王道さんはマドンナと恋を育むのに忙しくて特に何もしてないのか!?
ほんで誘拐されかかっていたマドンナを劉忠良が助けて、
劉忠良 「よっしゃ!王道を出し抜いたぜ!」
と思っていた劉忠良さんであったが、王道の顔を見た途端にそっちに駆け寄るマドンナの姿を見て劉忠良さんは恋愛での完全敗北を悟る。
劉忠良 「王道め!ぶっ殺してやる!」
冒頭にかなり強そうな描写で登場していた南宮勳であったが、いよいよ佳境も押し迫って実に王道さんにあっさり倒されるの巻。かつては「
必殺ドラゴン鉄の爪」で死闘を繰り広げた南宮勳さんも本作では弱かった。
遂にマドンナを巡っての一大決戦が幕を開けた!
南拳王道&劉忠良北腿!
激しい戦いの末に勝利したのは劉忠良北腿!
黄正利 「お前なかなかやるじゃんかそうじゃんか。わはは」
試合を見届けて帰ろうとした黄正利に、
劉忠良 「次はお前の番じゃんかそうじゃんか。わはは」
と迫る劉忠良。
かくしてここに劉忠良 vs 黄正利なるラストバトルが始まるのだが、
ここには意外なる・・・意外でもなんでもないか。
終劇
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ひょんなことから始まった黄正利祭りなので佳作・珍作選のコーナーにこの作品も収めてはいるが、本作は傑作である。
もっとスピーディにテクニカルに熱気溢れた新しい功夫映画を撮ろうとチャレンジしている呉思遠(ウー・セイエン)の頑張りと、香港で功夫スターになるべく目も手も足も輝かせて頑張る黄正利と劉忠良、今一度良いとこ見せてやるぜ!と頑張るゴールデンハーベストから移籍した王道、彼らの熱い気持ちが画面からバンバン伝わってくる迫力が素晴らしい。もうその通りに活気とテクニック、スピード、パワーがしっかりと同居した功夫ファイトは文句の付け様も無いところだ。特にラストバトルは素晴らしい。もうほんと、この作品は後の成龍(ジャッキー・チェン)に繋がっていく新しい功夫映画の芽吹きを著しく感じるのよね。そこがたまらない。
ザッと黄正利レビュー連打でお送りしてみたことでわかったことが一つ。
それは如何に彼の足技が誇り高いものなのかということだ。
無論、彼の出演作を全て観たわけではないので「あの作品のアクションはどうしようもないですよ」といったものもあるだろう。
ただ彼が出るだけでアクションレベルが必ず水準またはそれ以上になるという黄正利伝説はほとんどの作品に該当する。
いつもはつまらないアクションにどうしてもなってしまう呂小龍(ブルース・リ)までもが黄正利と対峙して功夫スターとして輝いていた。
テコンドーファイターとして恐らくデビュー当初は慣れるのに大変苦労したであろう功夫と真っ向から向き合いこれをいち早く吸収し、その上で自分の持ち味である脅威の足技をどう活かしていくのか、デビュー当初に金銘や袁和平(ユアン・ウーピン)といった腕の良いセンスある武術指導家が着いていた幸運は勿論あるが彼らから離れても決してその足技が鈍ることはなかった。
これこそ己が身に着けた技を辱めまいとする、彼の意地と誇り。
その意地と誇りに惜しみ無い称賛を送りたい次第である。
・・・いやいやいや、これが国内発売されてない?
おかしいでしょそれは。
Part2の「
南拳北腿鬥金狐」と合わせて絶対発売するべきですよ!