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■ドラゴン佳作・珍作選12  
 


幽靈神功
Phantom Kung Fu


これはもう明らかに佳作としてこのカテゴリーではなくて、珍作怪作としてこのカテゴリー入りの作品である。
先に言うが、功夫アクション云々ではなくて観終わった後に妙な、非常に奇妙な後味の悪い、だけでは済まない実に不思議な余韻を残す作品である。
この何とも言えない気持ちの悪い感じ・・・だけじゃないような感覚・余韻を残す作品というのは功夫映画では知らないなぁ・・・日本のホラー映画では経験したことあるような無いような・・・そんなに観てないが。似たような体験はしたはずだけど他での作品名が思い出せない。

タイトルが示す通りに、そして監督・李作楠(リー・ツォナン)と言えば出来不出来は置いといて一筋縄ではいかない功夫映画を撮る監督だけに、本作は反清復明を掲げる反政府分子を駆逐する朝廷の殺し屋の登場から想像される凡庸なストーリーかと思いきや正に一筋縄ではいかない作品であったりする。
惜しいな、もしこれタイトルが「幽靈神功」でなかったらもっとびっくりしたのだが。


流れ


ほら(笑
もうオープニングBGMの曲チョイスセンスが素晴らしい。
相変わらず良い仕事してますな、周福良さん。
幾らなんでも大袈裟過ぎるBGMがよかです。


朝廷に呼ばれて殺し屋・張翼(チャン・イー)登場・・・
この頃レビューに張翼登場続いてるなぁ・・・
早速、反政府分子を殺して来いと将軍から言われるわけで。

ちなみに王道(ワン・タオ)がターゲットの1人・・・
と思ったら、もう王道のところに乗り込んできた張翼!はやっ!
居場所ムチャクチャわかってたのね!
そして、功夫映画でいつも厄介な技として登場する白眉道士の必殺技"八卦掌"←で良いのか知らんが。これを使いこなす張翼に負ける王道。
手負いのまま逃げて池に落ちて這い上がってボスの馬驥に何かしら言伝してアッサリと死んでしまう王道・・・開始10分経ってませんよ!?

いきなり主役が死んでしまった本作!
いったいどうなってしまうのか!?

次のターゲットである爺さんも張翼に早々と殺され・・・ここでやっと10分だ!
さらにもう1人も殺され・・・展開早いなおい

馬驥一行は洞窟に逃げ隠れた上で、協力要請を各地に。
しかし、協力要請された護衛局をやっている苗天(ミャオ・ティン)は張翼の強さを知っており、また家族を守りたいと思っているので尻込み。
その代わりに本当に役に立つのかこんな奴な、
唯一コミカルを担う
李昆(リー・クン)さんとお付きの荊國忠。
苗天は来たと思ったら、部下の蘇真平(スー・ツェンピン)が裏切っており張翼が来襲。
馬驥一行は何とか逃げたが馬驥の子供3人は捕まってしまい、殺される。

若き日の龍方(ロン・ファン)
残りの息子である龍方は怒りに燃えたが、脇役なので出番多いが見せ場無し(涙

着々と冷淡に仕事をこなす張翼であったが、彼の前に現れたのは何と王道。
確かに張翼は彼の遺体を見たわけではないので死亡確認は出来ていない。
急いで王道を追って張翼が飛び込んだのは苗天の屋敷。
どうも苗天が怪しいと感じた張翼は
馬場さんも当然出てます
部下の馬場に屋敷捜索をさせる。
当然のように見つかる"反清復明"の旗。
結局は苗天も奥様も蘇真平も殺されてしまいます。

新しい演技を見せてくれる荊國忠
お調子者の李昆さんに頭の弱いお付きの荊國忠と、荊國忠はなかなか良い演技をしていたのですが、荊國忠もあっさり殺されてしまいます。ちょっとした新境地開拓な演技だったのに残念。

王道復活!
そして遂に張翼の前に姿をハッキリ現した王道vs張翼!
・・・また負けました。
もう張翼にボコボコにされて死にます。
今度は張翼もしっかりと殺したいので既に死んでるのに見てるこっちが引くぐらいに殴り続け。

合間に李昆が達人連れて来ましたが(上パッケージの前二人) 、とにかく"八卦掌"が強すぎて誰も張翼には勝てません。

と思ったら
またまた復活!
死んだはずの王道がまたまた復活!
・・・またまた負けました。
王道もいい加減学習しろよ!八卦掌を破る方法考えてから来いよ!
とも言いたくなります。
殺してもまた出てくる王道に流石に気が狂ってきた張翼は殺した王道の遺体を土中深く埋めて、今度こそこれで蘇ってきやしないと・・・

ダブルで王道またまたまた復活!
ああもう!!
完全に気が狂った張翼
殺しても殺しても蘇ってくるので遂におかしくなった張翼・・・


終劇





・・・オチはそっちかよ!?
って、思いますよこれ。
そっちの方が無理があるだろ!って。でもオチは書きません。

この作品を通して監督は何を伝えたいんだろうって、いや単なる娯楽映画で何もメッセージなんかは無いなって映画なのですが、申し上げた通りに見終わって何とも不可思議な余韻が残る作品で、功夫シーンもまぁまぁいいものを見せていますがそんなのは何も印象に残らない。

まず目立つのは悪役というよりほとんど主役と言っていい張翼の怪演で、
張翼と言えば黄正利(ホアン・チョンリー)や任世官(ニン・シークァン)と同じようにクールな悪役を演じさせたら抜群に格好良い俳優さん、「燃えよデブゴン!地獄の危機一髪」「邪拳迫る!死守せよ少林秘伝」での悪役がそれを証明していますが、
「邪拳迫る!死守せよ少林秘伝」の張翼
本作では悪役でありながらその芸風は全く違い、どちらかと言えばそして大袈裟に言えば、
「必殺鉄指拳」石天(ディーン・セキ)
↑石天さん十八番のこんな感じの軽薄意地悪キャラでありながら、それでいてその芸風で最強で罪無き人を次々とぶち殺して最後は気が狂ってわけがわからなくといった実に取り合わせの悪い、気持ちの悪いキャラクターを演じており、その憎たらしさは半端ではない。
出演作の中でも隋一の怪演
どうして悪役をこんなキャラクターにしたんでしょうね。小悪の仮面を被った超悪なのだから憎たらしいこと、また凄惨で引いてしまうことこの上ないのだ。

またそれに立ち向かうのが、開始10分経たずに死んでしまう王道で、殺されても殺されても蘇る演出そのものは他でもよくありそうなものなのだが、張翼の怪演もあいまって妙に気持ち悪い。こうなると全てにフィルターがかかるというか、唯一コメディリリーフを担っている李昆さんのギャグシーンまでもが何だか気持ち悪く感じたりするから不思議なものだ。

いや変な映画だなぁ・・・

誰にどう薦められる作品でもないが、功夫映画の歴史の中で異質な光を持っている作品であることもまた事実である。


■CAST&STAFF
監督 李作楠(リー・ツォナン)
出演 王道(ワン・タオ)
張翼(チャン・イー)
李昆(リー・クン)
馬驥
龍方(ロン・ファン)
金銘(トミー・リー)
張萍
馬場
苗天(ミャオ・ティン)
蘇真平(スー・ツェンピン)
史亭根
王太郎
荊國忠
葛香亭
茅敬順
余松照
歐立保
張宗貴
閔敏
王圻生
馬金谷
王耀
劉幼斌
陳金海
許文鋭
裴コ雲
武術指導 金銘(トミー・リー)
音楽 周福良
制作年度 1978


大地龍種
Fury in Storm

↑これは本作が入ってるとされるDVDパッケージです(中身は未確認)

張翼(チャン・イー)さんの悪役作品ばっかりレビューしてるのでたまには主演の方を。
元は張翼さんもショーブラザーズで「奪魂鈴」等に主演していたが、いやショーブラってのはよほどギャラが安かったんでしょうね。
活躍の場(恐らくお金も)を求めてゴールデンハーベストへ。そしてそこでも定住出来ずに台湾流れ。このパターンの人がほんと多い。
本作当時の張翼はそのクールなルックスを活かした格好良い主演が多く、王羽(ジミー・ウォング)に呼ばれて出演した「怒れるドラゴン/不死身の四天王」でもクールで頭の切れる紳士を好演。本作でもクールで格好良いヒーローを演じている。

何気もなしに張翼主演の一本として観た本作ではあるが、これが意外と価値あるそして意味ある一本だったりするのだな。


流れ



冒頭から

でっかい十字架担いで歩いてる白人・パトリック・ケリーさん。
段々、わかってくるのだがこの男はロクでもない人間。
線路の上を十字架担いで歩くと後ろから列車が来てるのに無視。
このままだと轢いてしまうので列車は急停車、とそこに乗り込むケリーで、最初から列車を止める気でいたりなんかする。
何と悪役じゃない山茅(サン・マオ)
列車止めたりなんかするから・・・いやこれってケリーが手引きしたのかな?
ここに現れる日本人山賊列車強盗!
ボスは勿論、
迫力たっぷりの登場
・・・つーか、俺何回彼をキャプチャーしたんだろって思う龍飛(ロン・フェイ)さんが勿論ボスです。
乗客として乗り合わせた山茅は車内に乗り込んできた山賊どもを蹴散らしたが、政府高官が持っていた金印は龍飛に持ち去られてしまう。

結局山賊の仲間だった(?)ケリーは持ってた十字架に貼り付けにされて警察に他の捕まった山賊と一緒に銃殺されるが、何故か助かる(何故助かってるのか全然わからん)。

引き続き十字架担いで旅をするケリー。
この男が何をしたいがさっぱりわからん。
とにかく龍飛が手にしたい"何か"を持ってるみたいで、今度は龍飛が放つ山賊に狙われる立場に。とそこに
超格好良い登場シーン
夕陽(朝日?)の中から登場した
まだまだ若いですなぁ
張翼が山賊撃退してくれた上に、怪我の面倒まで見てくれる・・・
くせにケリーはハッキリ言って悪者・・・これようわからんな、罪人として張翼が引っ張って行くということなのかな?
もうここから張翼とケリーの騙しあい殴りあいの変てこ旅が始まる。

ケリーは腕前は大したこと無いが、悪知恵が働くので超強い張翼も手を焼きながら彼を引っ張っていく。

ケリーが改心・・・なんてことは全く無く、
マンガみたいな顔してますな
何故か合流した金露さんを強姦・・・ほんまに普通に悪人やけどね。

そんなクズ白人と金露さんを連れ立って

いよいよ龍飛軍団と対決を迎えるほんで、
そんなオチかい
十字架の中身はガトリングガンだったー!

ケリーはどうしようもないチンケな悪者、
しかし最後の最後で・・・


終劇





ああ、なるほどなぁ・・・
と思った作品であった。

その物語は岡本喜八監督「EAST MEETS WEST」なんてのがあったが本作はその逆の「WEST MEETS EAST」。 そこを意識して作ったというほどではないだろうが、多くのウェスタン(マカロニウェスタン含む・・・であろう)劇を参考にして本作が作られているだろうことがよくわかる。

この辺のところを詳しく解説出来ないのが西部劇に暗い私自身の残念なところなのであるが、この主人公がどうしようもないクズだったり、コンビを組みながら決して味方でもない友情も無いような奇妙な関係の描写は後に麥嘉(カール・マック)が監督したウェスタン劇を強く意識した作品「燃えよデブゴン3」「燃えよデブゴン2」を連想させる。特に「燃えよデブゴン3」は主人公二人、洪金寶(サモ・ハン・キンポー)と劉家榮(リュー・チャーヨン)の間に友情は存在せず、また正義の味方でも何でもなく、殴り合い騙しあいを続けながら旅をするってことで本作との合致する点は多い。ジャンルがコメディかそうでないかだけである。
本当に奇妙な関係を描いている
なので、その辺の凡庸なストーリーに比べて一歩先を行く内容であったことは間違いないのだが=個人的に面白いと言うほどではないのは残念なところか。一生懸命作っているというのはとても良く伝わって来るんですけどね。
また、中国人と白人が共闘して悪い日本人をバンバン倒すって内容も日本人としては気持ちのいいものではないので・・・

アクション面はまぁまぁ頑張ってます。


■CAST&STAFF
監督・脚本 徐進良
出演 張翼(チャン・イー)
パトリック・ケリー
魏蘇
龍飛(ロン・フェイ)
金露
山茅(サン・マオ)
鄭富雄
武コ山
安童
李容身
楊烈
劉幼斌
荊國忠
馬金谷
葛炮
齊後強
江生
戴徹
葉照旭
周明清
林光榮
張鴻基
武術指導 王永生
音楽 温隆信
製作 石雲華
制作年度 1974


奇門怪拳
Of Cooks and Kung Fu



バリバリの偽ジャッキー・チェン、陳少龍の登場です。
とは言っても陳少龍、慣れてくればくるほど全然似てないわけで、まぁ後姿はねぇ同じ山東人なのかなんなのか知りませんが、背中の広さは似てるんですけどね。この辺の背中の広さを持っている人があんまりいませんから。

んで、本作はバリバリのジャッキーパクリ。
・・・いやだから勝てるわけねーじゃん、って思うんだけど前も書いたけどこういう低予算ジャッキーパクリ映画って粗利益は良かったのかね、悪かったのかね。それなりに入るというより低予算を天秤で少々のお金が入るからというところもあったとは思うんだけど。


流れ(も、書く気ないけど・・・)



クレージー・モンキー・笑拳」と同じようなもんです・・・

終劇


・・・もちょっと細かく書くか。

爺さん・嘉凱の下で料理&功夫の修行をしていた

陳少龍だったが、
爺さんは元宮廷料理人で、同僚・常山の陰謀によりはめられて陳少龍の両親は殺され、爺さんは子供連れて逃げ出し、料理の技術を元に奇門怪拳を編み出した(?)んでそれを陳少龍に伝授。

恐るべし鉄の爪の使い手になっていた常山を倒す。


終劇





「香港電影百科」(芳賀書店)より、「ドラゴンの逆襲」作品説明が
"特にどうと言うことのない典型的功夫映画の一本"
になっており、
「・・・いやいやそこ書かなきゃ本にならないんじゃないの?」
って思ったんだけど、すいませんが本作を説明すれば
"特にどうと言うことのない典型的コメディ功夫映画の一本"
って感じで、本当にまた・・・

ただこれ以前レビューした「太極陰陽拳」より後に作った作品じゃないのかしら?
というのも「太極陰陽拳」はジャッキー物真似度は高い作品ながら功夫アクションはモタモタしていてイマイチだったのですが、本作は本家ジャッキーには及ばないものの、功夫アクションのクオリティは格段にアップしており、嘉凱・常山といった配役も相俟って功夫アクションは十分楽しめる出来なのだ。だから「太極陰陽拳」より本作がずっとオススメ。
ごっつ練習したでしょ
冒頭から見せる陳少龍の演舞が見事だし、一番の見所は劇中二回出てくる陳少龍&嘉凱で魅せるコンビ演舞だろう。このシーンはもうダンスの振り付けのように二人が一生懸命練習して披露しているのがよくわかる。このシーンだけで随分と時間がかかっただろうなぁ。

ラストアクションも相手が常山という猛者なのでバッチリ。
鉄の爪が武器ということでそりゃもう「クレージー・モンキー・笑拳」を強く意識しすぎて
ほとんど同じやがな
鉄の爪を跳ね返す演出とかそのまんまなんだけどなかなか面白い。

特別悪い作品ではないです。アクションは良いですよ。


■CAST&STAFF
監督 丁重
出演 陳少龍
嘉凱
常山
李昆(リー・クン)
金彬
孫越(スン・ユエ)
李冠章
張冰玉
午馬(ウー・マ)
王若平
鄭世耕
茅敬順
余松照
金萬希
何維雄
張義貴
歐立保
嚴重
何剛
戴良
徐永康
張宗貴
呉可
裴コ雲
武術指導 陳少龍
脚本 司徒敏
製作 黄榮
陳永鈞
製作総指揮 丁伯〔馬先〕
制作年度 1979


洪拳大師
Opium and the Kung-Fu Master



完全なる主観になるが唐佳(タン・チァ)という武術指導家の殺陣は楚原監督が撮った一連の武侠片(「流星・胡蝶・剣」「三少爺的劍」等々たくさん)に於いて抜群の効果を挙げていた。重力二分の一のような剣士達の軽い身のこなしは程好く武侠ファンタジーの世界を感じさせてくれるもので、これぞ武侠チャンバラというに相応しいものであったろう。成龍(ジャッキー・チェン)「成龍拳」「ファイナルドラゴン」でのチャンバラアクションは唐佳の殺陣を強く意識したものと思って間違いない。
だがしかし、これが功夫片となってしまうと長年コンビを組んで張徹(チャン・ツェー)監督作品で殺陣を構築していた劉家良(リュー・カーリャン)や洪金寶(サモ・ハン・キンポー)、ジャッキーと比べてイマイチ力強さに欠けた殺陣になってしまっていた印象も拭えない。殺陣がどうも軽く感じられるのである。武侠片では魅力的に映えていたのに何故?
とこの辺が面白いのだが、

例えば「ドランク・モンキー酔拳」や「ユン・ピョウ in ドラ息子カンフー」等々で披露された、一般人が到底真似出来ない芸術的な功夫シーンの数々は限りなくファンタジーに近い、つまり実際の拳闘とは程遠いものと認知しながらもだ、そこに求めているのはファンタジーではなく真逆の体一つのポテンシャルで見せきる鍛練と切磋琢磨の芸術的な成果なのだ。
功夫片では体一つでそこまで出来るのか魅せられるのか、というのを見たいのだ。
武侠片と功夫片、この同じジャンルと言っても差し支えないような二つのジャンルではあるが、時と場合と作品によっては武侠片ではファンタジーを功夫片では肉体ポテンシャルのリアルな素晴らしさを、といった具合に求めるものが全く違ってくることがある。
唐佳の殺陣はその辺の分け隔てに於いて、もう一つクッキリとしたメリハリを付けられていない、と感じてしまうのだな。
だから・・・


流れ




広東十虎の1人・鐵橋三に扮する狄龍(ティ・ロン)。
彼は夜盗をしていた高飛(コー・フェイ)、關鋒と戦ってこれを蹴散らすが、關鋒が死んでしまったので夜盗の恨みを買う。

夜盗のボスは陳觀泰(チェン・カンタイ)、道場と煙館(アヘンの館)を牛耳る実力者の裏の顔である。

元から名声のあった狄龍だが、屈強な夜盗を倒したことでさらに名を挙げる。
彼の道場は隆盛を極める。
しかし、一方で彼にはアヘンに溺れているという一面もあった。

裏では夜盗仲間を殺され、表では道場評価で出し抜かれてと全く面白くない陳觀泰、当然そこの師範の李海生(リー・ハイサン)も面白くないのでお互いの弟子同士はケンカばかり。
この一瞬だけかな?元華(ユン・ワー)
前半はコメディ調だが、しかしもって事態は嫌でも急転。
狄龍道場の弟子だった魚頭雲は陳觀泰が営むアヘンの館に入り浸りすっかり中毒に。
そして魚頭雲の家族はアヘンの影響で全員が死に、絶望した魚頭雲も自害。
アヘンの恐ろしさと悲しさに怒りを燃やした同門の麥コ羅は、アヘンの館に押し入って放火。

館は甚大な被害を受けたが、弟子から放火魔が出たということで著しく名を落としたのは狄龍の方だった。

麥コ羅を助けてvs陳觀泰になるが、天下無敵だったはずの狄龍の方が何故か息切れ。原因は勿論、アヘン。
逆に麥コ羅が命を捨てて狄龍は助けられ、敗北した狄龍は失意と恥辱のうちにこの場を去る。

なので、中毒克服してリベンジだ。

んだけど、ラストはvs陳觀泰、李海生、高飛 といった超屈強三銃士!!


終劇





狄龍の功夫アクションは抜群!
だから、武術指導に元彬、元華、李海生、黄培基、江全これだけのアシスタントを揃えて弱点を補おうとしたのではなかろうか。
本作の功夫アクションは素晴らしく、勿論本作最大の見せ場は二度に渡って行われる vs陳觀泰でお互いにショーブラザーズスターとしてそして張徹映画の申し子として生きてきた力と技がぶつかり合う醍醐味が気持ち良い。
狄龍の華麗なアクションがたっぷり堪能出来る、その辺では実に楽しい作品である。ただただ彼の華麗な功夫アクションが観たいと言うなら十分に薦められる作品であろう。

翻って物語は余計な死人が多い上に、余計だと思うのに過剰な演出で泣かせようとしている印象があってあまり快いものではなかったかな。前半コメディ調から一転するのはいい、だけどその後のシリアス編が面白くなければ前半も気持ちの良い前座とは結局成り得ないだろう。

この顧冠忠がまさか後に・・・
余談になるが本作に出演している顧冠忠、ショーブラザーズ映画ではよく拝見する役者さんでありながらその役は情けない役柄が多く、本作でも例に漏れず情けなかったのだが、

後に「来来!キョンシーズ」での若い道士さん役をゲットして当時の日本の子供たちにもその存在を強く認知してもらった役者さんであったりするのだから、人生というものは面白い。恐らく当時に彼の名前を知っていた日本人はほとんどいなかっただろうが、テンテンちゃんのに出てる若い道士と言えば多くの日本人が知っていたのだから。ちなみに彼の声を吹替えていたのはジャッキーでお馴染みの石丸博也さんである。


■CAST&STAFF
監督 唐佳(タン・チァ)
出演 狄龍(ティ・ロン)
麥コ羅
劉雪華
陳觀泰(チェン・カンタイ)
唐佳(タン・チァ)
高飛(コー・フェイ)
顧冠忠
陳國權
李海生(リー・ハイサン)
魚頭雲
王清河
何慧嫻
徐錦江(チョイ・ガムコン)
井E
沈勞
黄培基
關鋒
・森
楊志卿
張國華
黄偉棠
肥堅
李耀敬
楊コ毅
何永祥
黄志明
元彬
李恆
龍英
黄志強
魏添材
凌志雄
伍元勳
元華(ユン・ワー)
何柏光
張石庵
丁東
馮明
方茹
張作舟
王憾塵
凌漢
呂紅
江全
陳勇
陳月茹
江浪
黄曙光
林威
蔡國強
陳鴻
薛春偉
王華
金天柱
武術指導 唐佳(タン・チァ)
元彬
元華(ユン・ワー)
李海生(リー・ハイサン)
黄培基
江全
脚本 黄鷹
音楽 蘇振厚
成錦榮
製作 方逸華(モナ・フォン)
製作総指揮 邵逸夫(ランラン・ショウ)
制作年度 1984


刀劍霸王拳
Killer from Above


当HP超常連役者さんでありながら主演作品の紹介は非常に少ない羅烈(ロー・リエ)さん。ただ考えてみれば王羽(ジミー・ウォング)さんと同期でショーブラザーズのニューフェイスとして役者活動を始めた羅烈さんだけあって初期は主演作品が目白押しだったりすることを結構忘れてたりなんかして。
さて本作は羅烈さんの台湾での主演作、もう無数にも感じる程台湾映画に出演している彼だが台湾での主演作というのは珍しいのではなかろうか。
敵役には黄家達(カーター・ウォン)を配しているので、個人的にこりゃ夢の(別に夢じゃないが)金魔王vs銀魔王対決じゃないか!わはは!
・・・と思ったりしながら観てみたら・・・


流れ


手が分身!
もういきなり手やら何やら分身する無敵の拳法使ってる羅烈さんが唐偉成(ウィルソン・タン)とかその辺の強豪を血祭りに挙げる。
えっ?本当に主役かな?間違ったかな?
顔が悪役っぽいな?それはもともとか。
みたいな暴れっぷりが心配だ。


もっと心配していたのは江湖の総裁的存在になっていた黄家達(カーター・ウォン)。
「もうすぐ武術大会だというのに変な奴出てきて困るなぁ・・・」
というわけで、羅烈を賞金首に。
そして各武芸流派には大会の招待状を。

当然、羅烈の下には刺客がウジャウジャ。
今回の羅烈さん、すげー強い
戴徹や王圻生などこの当時のいつものヤラレ面子が勢揃いだ(笑
結構活躍する凸凹コンビ
この賞金首・羅烈を偶然見つけた鄭富雄&小亮哥。
当然捕まえようとしたが彼らでは歯が立たないということで、逆にこのコンビは羅烈の子分的存在に。

てなところで、強盗に遭う

汪萍(ワン・ピン)さん。
すぐ後ろで見ていた羅烈であったがこの汪萍を助けたのは彼ではなく、
・・・もう、ほんとに・・・
またまたまたまたまた張翼(チャン・イー)。
今年(2011年)はまだ半分過ぎてませんが(現在、2011.4.29)年明けから数えて彼の出演作レビューするのもう6本目。去年も結構やったし。
んだけど、
張翼 「まぁ報酬としてあなたの小袋は貰いますよ」
汪萍 「小袋だけはいやぁ!!」
と・・・それじゃあ結局強盗じゃないすか!
てなわけで止む無く登場した羅烈さんによって張翼さんあっさり退却。

ですから、
はいどうぞ!抱いて!
展開はやっ!
余りに早いアプローチに羅烈さんドギマギ
さっきは必死で小袋渡さなかったのに体はあっさり渡してる。
と思ったら汪萍&張翼はグルで不意打ち喰らった羅烈さんは捕まってしまうのでした。


捕まったけど凸凹コンビが助けてくれました。
ほんで「俺を捕まえてどうするつもりだった?」って感じで、今度はわざと捕まって敵地に赴く羅烈さん。しかしもって、

何か知らんが勝手に仲間割れした汪萍&張翼は殺し合って死んでます。
出番すくなっ
ちなみに少ない出番ながらも清純→妖艶→悪役と演技を次々と変えた汪萍さんは本当に何でも演じれる一流の女優さんで、彼女の演技の集大成は李翰祥(リー・ハンシャン)監督「武松」で拝見することが出来ます。どうぞお楽しみに。

賞金首賭けたのは黄家達だが捕獲仕事は手下の龍飛(ロン・フェイ)さん。
ここからですな、捕まえる逃げる捕まえる突然現れた

金童(クリフ・ロク)によって助けられる。んだけどまたわざと捕まって

「お前、結局何がしたいねん」
とキレ気味の龍飛さん。そりゃそうだ。おちょくられとるがな。

捕まって敵の本拠地に行ったらウォーターダンジョンに落とされました。
いやほんま、汚いドブ川がある地下ダンジョンに。
ここでいよいよ真実が!
以前にも武芸大会を開いた黄家達はそこで優勝して名声と高い地位を勝ち取ったわけだが、裏では霸王拳の達人・陳少鵬を不意打ちで(正面からは負けましたので)ウォーターダンジョンに落としており、ダンジョンから陳少鵬が事情を書いた手紙と霸王拳奥義書を川に流し、これをたまたま拾った羅烈が知って使命に燃えましたか。
なので、

こうやって修行をして霸王拳を会得・・・って、この人形はまさに銀魔王とか白眉道士を破る練習として必ず出てくる秘孔くん!(今勝手に名づけたが)
個人的にこりゃ夢の(別に夢じゃないが)金魔王vs銀魔王対決じゃないか!わはは!・・・と思っていたらその通りになりそうだ!(笑

んで今回の武芸大会では各流派の総帥呼んでダイナマイトで全員爆死を企んでたりなんかして!これはいかん!しかも大会始まってます。
これはいかんがダンジョンから出るのに四苦八苦する羅烈、やっとのこさこさえんやこらでダンジョンから抜け出した羅烈さんの前にはやっぱり裏切り者だった金童それに龍飛が立ち塞がる!
結局最後まで子分としてちょこちょこ着いてきた鄭富雄&小亮哥という犠牲を出しながらも何とか二人を倒すと会場へ!

いよいよ各総帥の前で真実を明らかにされた黄家達!

最後はほんまに

金魔王vs銀魔王的な壮絶なラストバトル!!


終劇





金魔王vs銀魔王の意味は「ドラゴン太極拳」を観れば一発で理解出来るのですが、あれだけはなかなか日本でソフト化されないし、海外でも大して良いソフトが存在しないんですよね。ほんとあれだけはプレミアムエディションで発売して欲しいです。日曜洋画劇場バージョンだとオープニングがオリジナルだったりするし、吹替えは銀魔王扮する内海賢二さんの演技が最高!そして石丸博也さんも水島裕さんもバッチシ出ているし、その辺も当然収録して出来れば黄家達のインタビューも付けて出して欲しいところ。後、当時の解説者・淀川長治さんがどんな解説で紹介していたのかも見たいですね。その部分はウチのビデオには無いですから。

というわけで、なかなか面白かったっす!
傑作!・・・までにはいかないけどスッキリしてたし。
この出演面子見れば誰がどう悪役主役やっててもおかしくないのだけれど、そこで何故か羅烈さんが今回は出し抜いて主役やってるのも何だかおかしくて・・・いや笑っちゃいかんが。何てったって羅烈、黄家達、龍飛、張翼ですよ!誰が誰の手下とか敵とかもうあらゆるパターンやったでしょう。当HPでも随分とそんな作品を紹介しましたよ。これからも紹介するでしょうし、そんな中で何故か出し抜いて今回は羅烈さんが主役!ってのが何とも言えない面白さがあったりします。これだけは何本も何本も観ないと感覚としてわかりにくいだろうなぁ・・・
テンポもよくアクションも結構良かったし、十分満足な一本でした。


■CAST&STAFF
監督 羅熾(ロー・チー)
出演 羅烈(ロー・リエ)
黄家達(カーター・ウォン)
金童(クリフ・ロク)
張翼(チャン・イー)
汪萍(ワン・ピン)
龍飛(ロン・フェイ)
鄭富雄
小亮哥
陳全
陳少鵬
張樹林
歐立保
翁小虎
柯佑民
原森
余松照
唐偉成(ウィルソン・タン)
劉立祖
戴徹
汪洋
張義貴
王圻生
周潤堅
史亭根
侯伯威
林仲
武術指導 陳全
脚本 張信義
音楽 周福良
製作 雷鳴
制作年度 1977


~拳霸腿追魂手/旅
The Boxer's Adventure


うーん、この作品はぁ・・・・
観ました観ました。つまんなかったす。おわり。
で文章終わりにしたい作品やった。がっくし。
もうほんま一応観たので記録付けとこうとそれだけやなぁ。




主演の四人衆
孟飛(メン・フェイ)
譚道良(レオン・タン)
柯受良(ブラッキー・コー)
龍世家(ジャック・ロン)
が、戦いまくって最後に一番悪い奴倒しました。


終劇





・・・いや確かに怒涛の功夫アクション連打連撃!
ちゃんと各四人の得意技も振り分けてあって、その四人の出演配分もバランスよく、最初から最後まで戦いまくってる作品で功夫シーンお腹一杯の作品ではあるんですよ。
柯受良の開脚キック!
武術指導・柯受良の振り付けはスピードもテンポも良くて気持ち良いし、龍世家はぴょんぴょん飛び回ってくれますし、譚道良のフラッシュレッグもバンバン炸裂!
じゃ、どこが悪いの?って聞かれたらそりゃ物語で、この何してるかわからん四人組が戦って最後の悪い奴倒しましたってそれだけというか、それさえもあったのかどうかわからんような作品なのよね。
惹き付けられるものが何一つありませんでした。おしまし。


■CAST&STAFF
監督 徐天榮
出演 孟飛(メン・フェイ)
譚道良(レオン・タン)
柯受良(ブラッキー・コー)
龍世家(ジャック・ロン)
仇天嬌
龍天翔
王侠
張紀平
曾超
張威
歐立保
龍宣
蘇祥
林仲
朱少華
葉海清
武術指導 柯受良(ブラッキー・コー)
脚本 張信義
音楽 周福良
総策劃 藍天虹
製作 呉玉雲
制作年度 1979


冷刀染紅英雄血/江湖一盞燈
Revenge of the Shaolin Master


さて、ゴールデンウィーク(今日は2011.5.3)ということで、かといって中三日は全然暇なのでここは一つと狂ったように更新をしておりますです。
当HP初となる一日で四作品レビューやるぜ!この作品で四作目だ!

ええと、譚道良(レオン・タン)さんはfakeさんも言及してましたが、ご本人のポテンシャルは申し分ないんですがどーもアクション映えする作品に出ていないというか、彼ほどの足技の達人ならもっと凄い功夫シーンが出来るんじゃないの?っていうね、そういう気持ちが強くなる映画が多いんですね。そこで彼のこれまで良かったなっていうバトルを思い出すと、

やっぱり「ジャッキー・チェンの秘龍拳/少林門」と「潮洲怒漢」(未レビュー)、んで「胡惠乾血戰西禅寺」でのラストバトルぐらいかなぁと思うわけです。
それで気がつくのは「ジャッキー・チェンの秘龍拳/少林門」と「潮洲怒漢」はそれぞれ武術指導が洪金寶(サモ・ハン・キンポー)と劉家良(リュー・チャーリャン)・・・ああ、やっぱなるほどなぁ一流どころがやってるわけねぇ・・・

おっ!?
と、そこで思い出されるのが
こちらも一流武術指導家の袁和平(ユアン・ウーピン)。
しかも袁和平と言えば譚道良と同じくテコンドファイターの黄正利(ホアン・チョンリー)や劉忠良(ジョン・リウ)を相手に抜群のアクション演出を施したお方。だいたい劉忠良は譚道良の弟子だ!
袁和平&譚道良。
それならばさぞかし面白い作品が出来るでしょうね。
んで、そんな作品が本作である。

しかし、
・・・・だーっ!


■流れのような



護送の隊長をしていた

譚道良だったが

山賊の江島集団に狙われて荷物全部獲られますた。

なので逆に罪人になって(?)
捕らえられて島流し?
ってところを

妹の劉珊が助けてくれて、
まぁ色々あったけど結局は譚道良の上官である

蔡弘や龍飛(ロン・フェイ)が江島らを指揮していた盗賊の首謀者で、
突然登場の陳星(チン・セイ)
最後の最後に政府の偉いさん陳星が事件を全部暴いてくれて、ラストバトルになったら譚道良ではなく陳星がラストバトル!?
いやいや勿論

譚道良も戦ってくれます、みたいな。


終劇





いやさすが!!
さすが袁和平ですね!!
もうちょっとしたそうですね具体名は出しませんが、ちょっと良い線いってるぐらいの武術指導家と袁和平では格が違うぞ!みたいな。
センスだなぁセンス。
その上、敵役で絡むいわゆるザコキャラ達は袁信義(ユアン・シュンイー)や元奎(ユン・ケイ)なわけですから、その辺のバックアップも抜群。
もう全編に渡ってみんーな良いアクションですよ!
勿論、最後は突然の陳星登場に美味しいところを一部分持って行かれてしまいましたが譚道良の足技も十二分に炸裂していてほぼ満足!

それ以外は全く面白くなかったですけど・・・


■CAST&STAFF
監督 羅臻
出演 譚道良(レオン・タン)
陳星(チン・セイ)
龍飛(ロン・フェイ)
張復建
劉珊
蔡弘
徐忠信
原森
趙〔女亭〕
沙利文
胡威
閔敏
江島
茅敬順
袁信義(ユアン・シュンイー)
元奎(ユン・ケイ)
陳金海
何興南
楊若蘭
梁少華
張宗貴
葛長生
袁祥仁(ユアン・チョンヤン)
葉照旭
武術指導 袁和平(ユアン・ウーピン)
袁祥仁(ユアン・チョンヤン)
製作 郭廷鴻
制作年度 1979


奪棍
The Fighting Fool


いやしかし2011年6月はロクな月じゃなかった。
電気カミソリ壊れて、マウス壊れて、モニター壊れて、インドア趣味はダメだから外にドライブだと思ったら梅雨だからロクに晴れてる休日も無く、晴れたとしても6月20日で高速休日千円が終ってしまって出かけられず(涙
どうしろと。
しかしドライブというものは国内のごく一般的な庶民に残された唯一の楽しみではなかったか?と思うほどなのですが、高速が通常料金に戻ってしまって出かける人も少なくなりますね。遠出が凄い減る。高速千円の好影響で増築改築新築を行ったサービスエリアや観光施設は日本中にゴマンとあると思うのですが、そのほとんどが大損するのは明らかでしょうね。高速料金が安いからこそ観光地に客はお金を落とせるわけですから、本当に全くもう・・・

さて、今回は再開の軽くウォーミングアップ気分で。
本作は功夫映画の中でもかなり馴染みの無い役者が大挙して出演している作品である。
まさに、こう言っちゃあ失礼だがショーブラザーズの大部屋役者大集合といった感じで、知らないことはないけれども詳しくはやっぱ知らないみたいな役者さんばかりである。
であってもだ。
これだけのハイクオリティの功夫映画を撮ってしまうのだから当時の香港映画界にはどれだけアクション映画のイロハが根付いていたのかと考えると感嘆するところである。
主演は「龍虎門」や「カンフー仁義〜復讐の刃〜」にも主演している孟元文・・・とは言ってもやはり彼も馴染みが無いんだよなぁ七小福出身ではあるんだけんど・・・


流れ



のっけからオープニングアクションが素晴らしい。
流石は武術指導・徐蝦に七小福・孟元文といった取り合わせである。

物語はいきなり師匠から棒術稽古でしごかれている弟子の孟元文といった図式の上に、このやり取りは「クレージー・モンキー笑拳」からまんま持って来ましたな、といった感じなのでベタベタなのかと思いきや意外な展開に。

何かしら秘密の棒に隠されたお宝探し。
早速、ボス敵・關鋒が現れてとっても強いので師匠を捕まえて去って行っちゃいます。

師匠を誘拐されたので秘密の棒の手がかりやら捕まった師匠の行方やら捜して旅に出る孟元文は、強盗の秦煌と正面衝突ゴッチンコして強盗犯も自分も間違って捕まり、そして二人して脱走犯になって孟元文と秦煌という奇妙なコンビでお宝と師匠の行方を捜すのであるが・・・


終劇(これからですが)





だいだいこんな感じか。
ベタベタな展開なのかと思ったら実はそうでもなくて、孟元文と秦煌の凸凹コンビコメディがメインストーリーになるとは思わなんだ・・・と思ったら脚本は王晶(バリー・ウォン)だったりするんですよね。言われてみると確かにゴチャゴチャしたコメディでありながら功夫シーンは高濃度抜群って感じでその辺の本来の旨味を忘れることなくって感じは如何にも彼らしいなぁと思いました。

コメディとしてはまぁまぁそこそこ楽しく、功夫シーンは十分に良いもの見せてますので功夫迷なら結構楽しめるかなぁと思います。
ただスターがいなくて華が無い作品と言われればまっっっったくその通りですが。


■CAST&STAFF
監督 袁浩泉
出演 孟元文
秦煌
關鋒
王沙
潘冰嫦
陸劍明
林輝煌
劉晃世
元コ
元輝
鐘榮
江正
呉杭生
王坤
尹相林
馮侠蘇
潘健君
盧慧
張華
江道海
班潤生
徐松鶴
李發源
周江
杜偉和
林志泰
李恆
陳少佳
黎強權
馮明
何寶星
何志偉
譚寶
王劍風
彭潤祥
鄭家生
夏國榮
陳鴻
蔡國強
林威
丁東
譚偉民
戚毅雄
徐建華
關仁
杜永亮
梁心
張照
袁成就
武術指導 徐蝦
脚本 王晶(バリー・ウォン)
區華漢
音楽 王居仁(エディ・ワン)
策劃 黄家禧
製作 邵逸夫(ランラン・ショー)
制作年度 1980


血玉
Along Comes a Tiger


まぁあの勝手に一人で盛り上がってますが、いやしかし面白いのでまだまだ続ける龍君兒(ロン・ジェンエール)さん出演作品レビューということで、こりゃ彼女のリンク頁作らなあかんなといやいやもうこうなったら日本で一番彼女のことを扱っているサイトになろうと、とは言っても私は情報系のサイトは作れないんですけどね、その辺のアンテナは弱いから。

本作は王道(ワン・タオ)主演の非常にハードボイルドタッチな功夫映画で、午馬(ウー・マ)監督作品としても非常に渋味のある作品だ・・・同じこと二回書いただけか(汗

ただそれにしても・・・


まぁだいたいの流れ


幼い時に父を殺された

王道は様々な戦いを経て仇討ちを成し遂げた・・・
あっ、説明終わってもうた。
でもまぁそれだけっちゃあそれだけで。

すげー大袈裟な登場します
冒頭から早くも迫力抜群の登場シーンでかましたスキンヘッドの高飛(コー・フェイ)。
潔癖症かよ!
ちゃんと手を洗ってから戦いに臨むところが何とも弱酸性ビオレ♪
すぐに王道戦
・・・って高飛もう負けてるやん!
てっきりラスボスなのかと思ったらサッサと出番終わりの高飛さんでありました。あの迫力たっぷりな登場シーンはなんやってん。

今回は中ボス役です
武林を一手に牛耳っていたのは金銘(トミー・リー) で、高飛が殺されたということで、支配下の午馬派閥や龍君兒(ロン・ジェンエール)派閥に王道ぶっ殺せ指令発令。

渋いな〜
「プロジェクトD(デブゴン)」での明るいコメディ演技からは考えられない程に渋いキャラクター演じてる董〔王韋〕(ツン・ワイ)に絡まれたりしていた王道はひょんなことから知り合った少年と共に物語を進めて、

バブル全盛期
仕掛けてきた龍君兒派閥と一戦、いやいやこれ
ジュリアナ東京お立ち台戦法!
こんなんで殺されたら悔やんでも悔やみきれんわ。
扇子でかっ
というわけで王道戦
しかしもって
王道は必殺の武器(画像で持ってる棒)持っててこれを取り出すとより強くなるので龍君兒さん、敢え無く敗退出番終わり・・・こんな書き方してると石天(ディーン・セキ)さんと同じ扱いになってくるがまぁいいか。

なんか格好良い2ショット
断片的に良いシーンは撮れてる作品なんですけどね。

まぁほんでもって、
午馬派閥も勿論倒してラスボスの金銘も倒しておしまい。


終劇





ただそれにしても、午馬監督ってのは張徹(チャン・ツェー)監督の助監督として修行を積んだ割にはそないに張徹作品と似てないのよね。呉宇森(ジョン・ウー)の方が助監督時代短かったはずなのにガッツリ似てるんだけど。もう確かに様々なジャンルの映画を撮れる監督さんなんだけどどーにもなんつーか午馬監督らしいっていうか、そういう独自色が各作品の中に見出せないっていうか、全く毛色の違う作品を撮っても同じ人なら根底のタッチは変わらないのは当たり前なんだけど、この人の場合は違うっていうかうーん。
んで撮る作品によって随分と面白いつまらないでムラが出る監督さんにも感じるのよね。

本作は功夫シーンたっぷりの作品でその功夫アクションもそこそこ良い感じなんだけど、全般的な評価はまぁまぁかなぁ。熱いストーリーのはずなのにどーもイマイチこっちは乗り切れないみたいな、なんかそんな感じ。ハードボイルドな渋い雰囲気は良い感じに出てるんだけど。


■CAST&STAFF
監督 午馬(ウー・マ)
出演 王道(ワン・タオ)
董〔王韋〕(ツン・ワイ)
金銘(トミー・リー)
龍君兒(ロン・ジェンエール)
午馬(ウー・マ)
高飛(コー・フェイ)
龍方(ロン・ファン)
薛漢(シュエ・ハン)
李文泰(リー・マンチン)
史亭根
歐立保
李強
葛炮
葉飛揚
陳舊
王圻生
侯伯威
杜偉和
張宗貴
紀光隆
王曼釧
侯伯威
郭竹卿
王國輝
呉俊雄
武術指導 金銘(トミー・リー)
脚本 韋辛
製作 王〔王王〕
制作年度 1977
 
 
 
 
 

大地龍種
奇門怪拳
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~拳霸腿追魂手
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奪棍
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なるこうのお店!
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