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■ドラゴン佳作・珍作選13  
 


決鬥太陽塔
Duel with the Devils


李小龍(ブルース・リー)の何が偉いって、とにかくこの塔形式のバトル展開を考えたことが偉い。
だってそりゃ本作のような「死亡的遊戯」のバッタもん功夫映画がたくさん作られたのは勿論のこと、小説やマンガアニメ、ゲームに至るまであらゆる娯楽メディアがこの塔形式バトル展開を取り入れ、いやむしろ特に格闘モノに関しては展開に困ったら塔を作れ!ぐらいで何しろ連載マンガなら後しばらくは敵出して倒して登っての繰り返しを延々描いてればいいわけで、最早今は格闘モノの王道中の王道な展開になっていると言っていいだろう。

ただね、これを映画でやってしまうとだな、どうしてもその塔に至るまでのあらましが御座なりというか荒い作りになってしまうというか、つまらないものが多く塔に登るとこまでシーンを飛ばしたくなるのよね。
そういえばそれで思い出したけど遥か昔、色んな映画の死亡遊戯的な塔バトルばっかり編集でくっつけて何十階もあるような塔を作った方がいたけども、あれ俺も作ってみたいよなぁ、その辺の知識技術ともに無いので出来ないけど。






幸せに暮らしていた譚道良(レオン・タン)一家が日本兵に襲われた。父も幼き弟も殺され

妹・龍君兒(ロン・ジェンエール)をさらわれた譚道良は復讐を誓い、故郷を去る。

町に着いた譚道良は米を持って日本兵から逃げていた鄭富雄(チェン・フーシェン)を助けると気の良い鄭富雄と友達に。そこで譚道良はさらわれた自身の妹と瓜二つである鄭富雄の幼なじみと

女性・龍君兒(二役)と出会う。
これこっちは何のために出てきたかさっぱりわからない。

だってゲスト出演の茅瑛(アンジェラ・マオ)さんも結構出番があって華がスクリーンに無いわけではありませんからね。

楯突く譚道良を処理したい日本兵たちは鄭富雄と龍君兒を誘拐。鄭富雄は拷問に龍君兒は遊廓に飛ばされた。そこで龍君兒が目にしたのは自分と瓜二つの遊女であった。

当然譚道良が助けに行くのだが結局は鄭富雄も死に、遊女をさせられていた妹・龍君兒も死んでしまう。

改めて復讐の鬼と化した譚道良は単身、奴らが待ち受ける太陽塔に乗り込んでゆく。


一階はフェンシング


二階はダブルキン肉マン
開脚キック!


三階は鞭使いの龍飛(ロン・フェイ)さん・・・ってあなた確か、
こちらは「新死亡遊戯/7人のカンフー」の龍飛
こっちでも鞭使いやってたがな


四階は金剛(カム・コン)


最上階は金世玉の空手・・・随分と本家「死亡的遊戯」の池漢戴(チ・ハンタイ)戦を意識した戦いになっております。


終劇





これも完全なる俺様映画であるが、それだけに譚道良の作品に掛ける意気込みがとても強いのが伝わってくるし、まぁそやね端的に言っちゃうと陰惨でつまらない作品でもあるんだけど、いつもは巨漢なのでイロモノ扱いな役しかもらえない鄭富雄が主人公の相棒役として感じの良い若者を好演しているとこなんか何とも微笑ましく、作品にほのかな明るさを持たせているし、俺様(譚道良)だけでなく

茅瑛さんのアクションも彩らせて一本調子にならないよう配慮しているのも評価出来るポイントである。

ただこの映画のメインである塔バトル、工夫は凝らしてあるものの、やはり奇人変人大集合なイロモノ色が強くなってしまっているのは残念だ。
まぁ予算とかブッキングの難しさとか色々わかるんだけどさ、やはり本物のフェンシングの達人と戦ってほしいし、日本刀にしても鞭にしても空手にしても同じ。
譚道良自身がハイレベルな武術家であるがためにそう思うのだ。
勿論、それなりに良いアクション見せてはいるんだけどね。それなりにじゃなくて譚道良ならもっともっと凄いアクション出来るだろってついつい思っちゃうのよね。


龍君兒さん的には泣かされるばかりで見所無しか。


■CAST&STAFF
監督 林白
出演 譚道良(レオン・タン)
龍君兒(ロン・ジェンエール)
茅瑛(アンジェラ・マオ)
鄭富雄(チェン・フーシェン)
金剛(カム・コン)
金世玉
譚道恭
魏平澳(ウェイ・ピンアウ)
龍飛(ロン・フェイ)
李海龍
蘇祥
馬場
游英明
閔敏
陳金柱
韓瑛
武術指導 黄國柱
潘章明
脚本 林俊雄
潘榕民
音楽 周福良
製作 黄天才
製作総指揮 譚道良(レオン・タン)
制作年度 1977


決鬥死亡塔
The True Game of Death


この頃は龍天翔さんの出演作を何作かレビューしてたので、今回は彼の主演作をレビューしたいと思います・・・って、これかよ!!
って作品がこれです。

これもあれやな。
私の小学生時代に
「ドラゴン大全科」(秋田書店)だったかなぁ?違ったらごめん。
そこに紹介文(紹介文が完全に筆者が呆れてます)とポスターが載ってて、そりゃ本家・李小龍(ブルース・リー)まんま使ったポスターだから格好良いんですよ。だからその小学生の時でも
「どーせ、つまんねーだろうな・・・」
とは思いつつも、いつか観れるのだろうか?という思いも馳せていたのね。

で、観ましたけどね。
何と武術指導を洪金寶(サモ・ハン・キンポー)が手掛けたというこの作品ではございますが。


とにかく、ほわちゃあ!!





心底どうでもいい展開がなんや色々あって・・・
「死亡遊戯」みたいな展開を低予算で頑張って再現したようなちっとも再現出来てないような、いやそれなりに素人として頑張ってるような細かく説明しませんよ、わたしゃ。
知りたきゃ観るか、他サイト検索で。

トラックスーツ(黄色)発見!
着るっきゃない!
続いて塔発見!
上るっきゃない!

ノリノリの龍天翔
結構気に入ってないか?この役。


一階は偽ダニー・イノサント。
しっかり額の傷も再現(笑
もうまんまの仕草

二階はお相撲さんダブル
胖三(バン・サン)なんだよな
鄭富雄(チェン・フーシェン)や彼のような巨漢タレントの中で、日本で一番有名になったのはこの胖三である。鄭富雄も

「Mr.BOO!!インベーダー作戦」や「クレージー・モンキー/笑拳」「ブルース・リーを探せ!」等で日本お目見えはしているが、

胖三は何たってキョンシーブームで「来来!キョンシーズ」の警察隊長を演じた人である。吹替えにはベテランの内海賢二さんということで、憎たらしくて面白いデブ警察隊長のキャラクターをしっかりと確立させてくれたのもありがたい。当時の日本の子供たちの脳裏にしっかり焼きついたことだろう。
一人目の相撲取りは
余裕で倒す
胖三に苦戦か!?
やっぱ余裕で倒す
んで、鄭富雄は柔道の名手らしいんですね。
でもこの胖三は・・・単なるデブのような・・・違ったら失礼。

最上階は黒人ボクシング
・・・特に見所なし。


終劇





・・・あのー素人が撮ったんだとしたら、よく出来た傑作かと。
だってこれ、確かに塔上るまでのシーンはそもそも作る必要も無かった気がするんですが、もういきなり塔上る映画ってことで十分じゃんって思いましたが、塔バトルはイロモノ的に笑えて面白いし、本当に洪金寶が武術指導したのか?って知りませんが、確かにアクションはテンポ良くホチャホチャ!とやっててこれはこれで結構面白いんですね。展開も「死亡魔塔」のようにダルダルになったりせずポンポンと進みますし、龍天翔のヌンチャクさばきも決まってましたし。「死亡魔塔」「新死亡遊戯/7人のカンフー」と比べたら本作が一番塔バトルが面白かったです。

まぁ本作は私的にいつかは紹介・・・と言うよりもこの場合消化という表現が近いのだが、つまんなくともなんでも当HP的に書いておかなきゃならんでしょうみたいな、そんな作品だったのでやっとその使命が一つ終ったなっていう感じであります。そういう使命をこっちで勝手に感じてる作品がまだまだ結構あるんだよなぁ。「香港電影百科」に載ってる作品とか、王祖賢(ジョイ・ウォン)の伝説だとか・・・


■CAST&STAFF
監督 Chen Tien-Tai Steve
出演 龍天翔
※クレジットは小龍(Bruce Lee Hsao Lung)
Ali Tayler
Kamson
李文泰(リー・マンチン)
胖三(バン・サン)
唐家拳
武術指導 洪金寶(サモ・ハン・キンポー)ほんまかいな
製作 Cheung Tien Wai
制作年度 1979


刀魂
Clutch of Power


刀魂・・・って、また何とも凄いタイトルやな。

孟飛(メン・フェイ)と龍君兒(ロン・ジェンエール)と言えば「少林寺舞扇拳」での仲の良い恋人設定が印象的な二人であるが、本作もそんな二人の再会的な共演作である。であるが、興味深いのは本作が協利電影作品であるということで、協利作品参加の孟飛と龍君兒はどんなもんかと身を乗り出す気分だ。

と思ったら脚本は古龍・・・
いやあの小説としては傑作が多い方ですし、彼の描く武侠絵巻は他の作家と比べて抜きん出て独創性が高いのですが、これを映画用に脚本化してしまうと、綺麗に映像化出来ていたのはショーブラザーズでの楚原監督ぐらいで、後のプロダクションは予算が厳しくてそれに見合ったセットを組めなかったり相応しいスターをブッキング出来なかったり、はたまた監督はじめスタッフの力量不足であったり、気がついたらグッチャグチャのわけわからん作品になっちゃった、あーこりゃこりゃ。
勿論たまには力作と呼べる良い作品になってるもんもあるんだけんどはてさて本作はどうでしょうか。


■冒頭からもう・・・



・・・いやあのね・・・そんな長々と最初から説明されたら・・・・・・
いきなり物語理解できる自信無しになるじゃないすか・・・

・・・いやあのたぶん、密書をね。
国の重要な機密文書を奪って来いって感じで雇われた

剣豪・王冠雄が、
今回スマイルが少ない
孟飛さんはスマイルが魅力なんだけどなぁ・・・
ええと、王冠雄が孟飛の父を殺し、孟飛は仇討ちの旅に出ると。


お付人にブレイク前の任世官(ニン・シークァン)。

頼れる兄貴として登場する梁家仁(リャン・カーリャン)。
このような人たちのアシストを受けて

やっぱり悪役な高飛(コー・フェイ)とかを倒して旅を続けて、


物語も後半になって優雅に登場の龍君兒。
彼女の爺ちゃんの下で修行と言うか花摘みをする・・・
そんなことやっとる場合かい!そして

お花畑でつかまえて♪
っていうか、またまたまた盲目役の龍君兒。
知ってるだけでもう4作目ですよ。

王冠雄を雇ってた真の黒幕は下のクレジット読めば、すぐわかるとして
後は

この人ねぇ、手が刀になるんですよ。なんか気合で銀色の手に。

ほんでもってラストバトルだー!
って感じですが、
花摘みしてただけの孟飛と王冠雄では力の差が歴然かー

と思ったらこの花が重要な鍵を握ってたりなんかして・・・
いやあのね・・・そのオチはちょっと無理ないか・・・


終劇





梁家仁は凄い男である。
ご自身がインタビューでハッキリ述べているように功夫を習ったのは映画界に入ってからということであるが、本作では任世官と共同で武術指導まで担当しており、その武術指導家としての仕事ぶりは作品を観る限り十分立派と言える。
スピーディーだし武侠片ならではの跳んだり跳ねたりのバランスも良い。惜しむらくは龍君兒さんが今回ノーアクションであることだが、そりゃ武術指導家の問題じゃないし。

やっぱり今回も中々に古龍脚本は難解であったが、大筋はシンプルだったので比較的すんなり楽しめた。オチに無理は感じたが、頼れる兄貴な梁家仁やひたすら伝説の技を見たいが為に(これがオチ)戦い続ける王冠雄などキャラクターはなかなか魅力的である。
孟飛はもう少しスマイルが欲しかったかな。


龍君兒さん的にはそないに取り立てて言うポイントも無いが、前回レビューの「功仔七侠丐」で強豪を次々と蹴散らす女ドラゴンを演じたかと思えば本作では虫も殺せぬ、か弱き乙女とやはりそのギャップ、幅広さは興味深いものである。


■CAST&STAFF
監督 張鵬義
出演 孟飛(メン・フェイ)
龍君兒(ロン・ジェンエール)
陳星(チン・セイ)
王冠雄
梁家仁(リャン・カーリャン)
高飛(コー・フェイ)
任世官(ニン・シークァン)
魯平
古錚
王若平
馬場
洪化郎
張鵬程
陳寶亮
歐立保
游澎生
閔敏
曾明昌
張宗貴
茅敬順
武術指導 梁家仁(リャン・カーリャン)
任世官(ニン・シークァン)
脚本 古龍
音楽 黄茂山(ウォン・ムーサン)
製作 張仁道
葉振峰
製作総指揮 呉協建
制作年度 1977


大鐵牛
The Dumb Ox


役者として金剛(カム・コン)さんは好きである。

思い返せば「片腕カンフーvs空飛ぶギロチン」での盲目僧侶もとんでもないインパクトだし、「蛇鶴八拳」での威圧感たっぷりの悪役も見事、個人的に一番印象に残るのはそりゃあ「少林寺木人拳」での洞窟に繋がれた男になるが、「怒れるドラゴン/不死身の四天王」での無鉄砲な男っぷりも格好良かった。
そして忘れちゃいかんのが「死對頭」での大活躍だろう。

そんな金剛さんの完全ピン主演作が本作である。
監督は午馬(ウー・マ)。
本人の見た目や芸風とは裏腹に骨太な男の熱いアクション映画を撮れる監督である。






さっそく宋錦成率いる強盗団登場。
三人の男たちを殺すと金品奪って逃亡。


殺された男たちは馬驥道場の門下生で、馬驥の娘である
メイクがなぁ・・・
燕南希(ナンシー・イェン)や
楽しそうな三人
師範(?)の龍飛(ロン・フェイ)や山茅(サン・マオ)が捜査開始。
ちなみに門下生の1人が
太保(タイ・ポー)
この人だったりして。結構出番があります。


一方、刑事(?)である雷峻は既に事件前後から鍛冶屋の金剛に目を付けていた。
金剛は今はカタギだが元々宋錦成や午馬と組んでいた盗賊であり、宋錦成に裏切られて投獄。刑期を経て出所という経歴の持ち主だ。

太保さん爆笑
金剛と力比べして負けてしまう山茅
ぷぷぷっ(笑
思わず本番中なのに笑ってしまう金剛さん(笑 (演技です)

やがては馬驥道場の連中の推理も容疑者・金剛に行き着き、バトル。
こ、この型は・・・!?
大勢を相手に一歩も引かない金剛のパワープレー功夫が炸裂!
しかもなんとこ、この型は・・・!?
こっちは「蛇鶴八拳」の金剛
「蛇鶴八拳」でジャッキーが散々苦労したこのどっしり型だ!
本作でも金剛さんがこの型を駆使して戦ってくれるぞ!嬉しいね!

はぁ一番書きたいことは書いたのでスッキリ。

実は現在の宋錦成の仲間は龍飛&山茅と予想通り。
雷峻は真相に気付いたが返り討ちに遇い殺されてしまう。

偶然それを目撃した金剛は雷峻を埋葬すると強盗団が奪った宝箱もゲット。 一時は道場の連中に捕まって絶体絶命になるも、龍飛が正体を現した為事態は急変。


金剛は過去の落とし前を着ける為、
復讐に燃える燕南希と共に宋錦成&龍飛&山茅との最後の戦いに臨む!


終劇





うーん話自体は凡庸で凡庸は凡庸なりにテッパンの盛り上げ方というものがあると思うのだが、その辺の演出面で物足りなさを感じてしまうかな。
元仲間だったくだりから裏切り、決戦とベタで良いから盛り上げられたと思うのだが。

功夫シーンでは金剛さんの力強いどっしり功夫が見られて結構満足。
宋錦成は見た目的にラスボスに見合わない感もあるが、アクションのキレは抜群な人なのでその辺も良かった。

ただ燕南希さんも頑張ってはいるものの、彼女は正直弱々しく見えてしまいますね。

まぁどっちにしろ金剛さんの魅力はしっかり表現されてる作品ですので、興味のある方はどうぞ。


■CAST&STAFF
監督 午馬(ウー・マ)
出演 金剛(カム・コン)
燕南希(ナンシー・イェン)
丁香
宋錦成
龍飛(ロン・フェイ)
山茅(サン・マオ)
馬驥
雷峻
關洪
太保(タイ・ポー)
金銘(トミー・リー)
午馬(ウー・マ)
王太郎
李發源
武術指導 金銘(トミー・リー)
梁少松
脚本 倪匡(イ・クオン)
制作年度 1974


武僧
Guards Of Shaolin
Ninja Vs Shaolin Guards


いやぁやっぱり顧嘉輝(ジョセフ・クオ)はいいなぁ・・・

全編に渡って「ジャッキー・チェンの秘龍拳/少林門」のテーマ曲が流れる本作ですが、いやしかし映画に音楽というものは本当に重要だというか、前々から言ってますが個人的に技術があったら音楽、効果音を差し替えて功夫映画を編集してみたいのよね。
例えば「マッハ!!!!!!」のサウンドを全編ジャッキー映画のサントラに差し替えるとか、「イップ・マン 葉問」の効果音を昔懐かしいのに差し替えるとか。勿論一個人で楽しむものにしとかないとダメですけどね・・・って、
本作全編に渡ってパクっとるやないかい!

本作はいわゆる羅鋭(アレクサンダー・ルー)の例のパターンどっぷりな作品で、もうなんちゅうか今回で、
ああそうか。結局そういうことか。
と思ったこともあったので、スッキリと説明出来るんじゃないかと思うんですけどね、本当に良い例題になる作品なので。






顧嘉輝の音楽にシビれる韓鷹バトルのオープニング。
全く少林拳なんか使ってない気はするが。

女の子が、
おっぱいぼよーん
ええもの見たわい・・・
堪能してる隙にボカッ!と

裏切り者・韓鷹がド突いて館長が殺られて、少林寺を乗っ取られました。

そして、

羅鋭ら門弟がスケープゴートにされて逃げながら、
やっぱあんたね
李海興とかの刺客と戦いながら、
お色気要員のヒロイン
中途半端なヒロインと合流して最後はやっぱ

羅鋭vs韓鷹になると。


終劇





・・・やっぱそれで終わりかい。

ってなもんで、
大方の予想通りな展開は悪い意味で(笑 何一つ裏切ることなく終わりましたけどね。

この辺の羅鋭主演作品というものは李作楠(リー・ツォナン)や呉國仁、張建佶らが監督してたりで本作は張旗が監督してますが、推測になるけど武術指導クルーの権力の方が大きかったんじゃないの?
ってぐらいに誰が撮っても同じに見える。アクションシーンはカメラワークまで武術指導クルーが決めていたのかと思うほど同じである。
違いを感じたのは劉忠良(ジョン・リウ)と共演した「必殺!ドラゴン復讐拳(新南拳北腿)」(未レビュー)ぐらいか。あれはその劉忠良がいるからなぁ。

んで、何がどう他の功夫映画と比べて羅鋭作品が違うのか、例のパターンと言ってしまうのか、これは全てが子供っぽいってことなんですね。
褒めてんのか何なのかになっちゃうけど、

本作での・・・いや羅鋭作品での素晴らしい功夫シーンはもう子供が喜びそうなわかりやすい演舞のオンパレードなんですね。ガンガンバンバンと必要以上にバック転やバック中その他様々なアクロバティックな動きを繰り返すけどこの辺は子供にとって非常にわかりやすいそして喜びやすい動き、彼らが表現した功夫シーンってのは極単純に功夫に於いての見た目派手な格好良い動きをひたすら繰り返すってこと。だから子供に対して凄さが伝わりやすく、ダイレクトに喜ぶと。
これは考えてみれば功夫シーンに限らず全体的におっぱい攻撃などのちょっぴりお色気や血がブシューの残虐描写、強大な敵に仲間の死という至極単純なストーリー、その羅鋭作品お馴染みの展開は一昔前の週刊少年ジャンプを読んでいるようで、正しく子供が喜びそうな展開が満載なんですよ。子供はそういった刺激が大好きですから。そして大好きでしたから私も。
今でこそ少年マンガは規制が厳しいですから、エッチも残虐描写も無い・・・そんなんで少年マンガなんか売れるのかしら・・・?


ま、それはともかく例えばまたこの作品出しますが「ワンス・アポン・ア・タイム英雄少林拳 武館激闘」のラストバトルなんかは功夫を知ってれば知ってる人ほど唸ってしまうこれぞ功夫!これが功夫!な素晴らしいバトルですが、あくまで派手さだけで言えばアクロバティックな空中回転炸裂しまくりの本作の方が上なんですね。子供はどっちを喜ぶだろうかと。
もしかしてこれを最初から彼らは狙って作っていたのだとしたら、それはそれで凄いことだと思うのだけれど。

単純に本作なんかは羅鋭主演作品として結構面白いと思うかな。


■CAST&STAFF
監督 張旗
出演 羅鋭(アレクサンダー・ルー)
展飛
韓鷹
王龍
李銀淑
劍勳
李海興
戴徹(ロバート・タイ)
金原撤
葉勇
武術指導 羅鋭(アレクサンダー・ルー)
戴徹(ロバート・タイ)
脚本 馬再文
策劃 張金英姫
製作 張旗
五玉麟
製作総指揮 張茜西
董偉雄
制作年度 1984


武僧/永樂恩仇
Wu Seng
Fate and Consequence


さて、23年の月日を経てあの羅鋭「武僧」がリメイク・・・なんてわけはなくたまたま同じタイトルの作品ではありますが・・・あれ?
やっぱある意味リメイク?みたいな作品がこれ。

主演は功夫映画を後世に残していくためにもっともっと非常に重要なアクションアクターとなって欲しい樊少皇(ルイス・ファン)。半端なく濃い顔にはインパクトがあるし、私は樊少皇とですね、これから性格俳優としても伸びて欲しい鄒兆龍(コリン・チョウ)に頑張ってもらいたいなぁと思っているんですよ。この二人主演で呉宇森(ジョン・ウー)監督でハードボイルド作品やってくんないかなぁ。

んで、考えてみれば樊少皇にとって本作の少林僧の役ってのは珍しいのではなかろうか。あんま知らないけど。
それにしても本作はいやぁなんちゅうかうーん。




あれっ?
っていきなり最初から筆を取り合って文字を先に書いた方が勝ちという
どっかで観た!これどっかで観たぞ!?
ってなシーンが始まって・・・いやでもこれ参加人数少なっ!二人やんけ。


この何ともオーラの無い近所の子供みたいな顔した主演の子・毛志強ですが、功夫シーンになると良い動きするから驚きなんですよ。

濃い!
顔のパーツそれぞれ濃いなぁ・・・
ま、たぶん毛志強は政府にとって非常に重要なお子様で樊少皇が逃がしたと。そっから行方不明になったけど毛志強の母ちゃんに行き先聞いて少林寺と。


んで、一応樊少皇さん出家するんだけど驚いたことに本作、お約束の修行シーンは一切無し。どころか樊少皇・毛志強・梁峰三人で少林寺飛び出して逃避行。樊少皇さんは少林寺に入会しただけで何のあれも・・・

わぁ!?
そして彼らを追うのは劉永(トニー・リュウ)宦官。
まさかの劉永ですよ!こんな所にこんな懐かしい顔が!しかし、
これもどっかで観た!これどっかで観たぞ!?
な展開だ。

色々逃げたが梁峰という犠牲を出し、遂に追い詰められる一行であったが

ヒロインの袁文霆(ユアン・ウェンティン)が爆竹投げて敵を混乱させて逃がしてくれた・・・って、
またまたこれもどっかで観た!これどっかで観たぞ!?
な展開だ。

結局少林寺にリターンしたら、
「あんたらもう入れませんよ」
って言われて(そりゃそうだ)、それでも入れろと
トンファー持って
十八羅漢に挑戦
もう!だからこれもどっかで観た!これどっかで観たぞ!?
な展開だ。


そうこうしてる内に遂に劉永が門前まで迫って来て
考えたこともない対決(そりゃそうだ)

樊少皇vs劉永!という凄い新旧対決!
力王vs電光飛竜拳!
それにしても劉永は衣装もそのまま白鷹(パイ・イン)で戦い方もそっくりだ。

しかし、決着が着く前にいやこれも懐かしい顔ですね、

林威(デビッド・ラム)扮する皇帝が現れまして、物語をシメちゃいました。

いやまだ戦ってる途中だったのに・・・


終劇


・・・安いなぁ。
そもそも本当の少林寺でロケしてません。どっか別場所。
んで逃避行を続ける彼らはなんかほんまに「武僧」を連想させます。

いやうーん、

まずこれは人数少なっ!二人!

これも人数少なっ!敵少なっ!

これも人数少なっ!

過去の名作から引っ張って来たシーンは全て元ネタよりスケールダウンしているのが痛い。
まぁ痛いんだが、これを低予算で作ったのならばよく破綻させずになんとかキッチリ作りましたね、という気持ちもあって別に悪い作品ではない。

「阿羅漢」「残酷ドラゴン/血斗竜門の宿」「拳精」と足していったような展開にオリジナリティ皆無なのはやっぱ痛いけど。

んだけど、功夫シーンは総じて出来が良い。
言わずもがなの樊少皇の高いポテンシャルは見てて非常に安定感があって頼もしく、全体の殺陣構成も非現実的なものが少なく、ちゃんと功夫映画として構成してあるので満足だ。中でも顔に似合わない激しい功夫アクションを披露した新たなカンフーキッド・毛志強は特筆だろう。

・・・いっそのこと、パクりにパクりまくった映画にしても良かったかもしんないが・・・

■CAST&STAFF
監督 何偉
周振榮
出演 樊少皇(ルイス・ファン)
毛志強
袁文霆(ユアン・ウェンティン)
林威(デビッド・ラム)
劉永(トニー・リュウ)
梁峰
徐才根
徐小龍
王嘉慧
武術指導 元寶
脚本 岳野
尹靜
音楽 陳麗
策劃 孫晨
製作 單東炳
張浩
孫永如
製作総指揮 于冬
制作年度 2007


紅衣冷血金面人/鐵二胡
The Golden Mask


まだまだある。
何がって龍君兒(ロン・ジェンエール)さん出演作。
ほんと凄いね、どんだけ重宝されてたんだって感じで、茅瑛(アンジェラ・マオ)や嘉凌(ジュディ・リー)にか弱き乙女を演じさせるには無理がある。龍君兒さんだったら無理がない。
しかし使い勝手の良さ故に、本作なんか簡単に使われてるよなぁ・・・


■むずかしい・・・


とにかく強い戚冠軍(チー・クワンチュン)は

この題名通りである↑紅衣冷血金面人から殺し(たぶん)の依頼を請けて、遂行するつもりであったが直前にこの↑紅衣冷血金面人が現れて先に殺して逃げて戚冠軍は罪を被せられる・・・でもどっちみち殺すつもりだったんじゃ?
なので今度は戚冠軍が金面人を追うことになると。


その後も金面人が少林寺の高僧を殺したりするので江湖は騒然。
色んな派閥が戚冠軍を犯人と疑って襲ったり、

実に地味に登場する龍君兒さんが真実を問い正そうとしたり。
がっつり無視
龍君兒が話しかけても功夫の練習に明け暮れて完全無視の戚冠軍。
むかつく!
っていうか、誰だってこんなガン無視されたら腹立つわ。

んで、

喘息持ちゴホゴホ咳き込む病気の董〔王韋〕(ツン・ワイ) が現れてそりゃどう考えたって考えなくたって金面人の正体はコイツだろうって思うんだけど、えっ?違う?みたいな・・・

にょにょにょん
びょびょーん

最終的に
あっそ
みたいな感じで終わって。


終劇





董〔王韋〕と嘉凱が振り付けた殺陣はなかなかスピーディーで良いのですがそれ以上になんだっていう作品でもないような。
犯人は誰?
ってサスペンスもちょっと盛り上がりに欠けたかなぁ。

この役損したわ・・
龍君兒さん的にはもっと戚冠軍さんと絡んでいくのかと思ったらそうでもなく終盤ちょっぴりアクションはあるものの、超あっさり死んでしまい見所の無い役で残念。

もっと良い役待ってまーす♪
みたいなこのポーズが一番良かったかと。


■CAST&STAFF
監督・製作総指揮 丁重
出演 戚冠軍(チー・クワンチュン)
龍君兒(ロン・ジェンエール)
董〔王韋〕(ツン・ワイ)
王冠雄
嘉凱
余松照
陳舊
邵羅輝
楊奎玉
張義貴
史亭根
何維雄
胡光
陳金海
扈漢章
徐永康
張宗貴
何中
裴コ雲
王圻生
武術指導 嘉凱
董〔王韋〕(ツン・ワイ)
脚本 韋辛
製作 陳文森
制作年度 1977


小飛龍
Little Flying Dragon


辰年第二弾というわけで今回はこの作品を。
それでいてしつこく続ける龍君兒(ロン・ジェンエール)さんレビュー作品でもあります。まだまだ彼女の出演作品レビューは残っております。今年はネタ切れになるまでやりきりたいな。
後期の彼女の作品は非常に入手しにくいのよね。何とかしたいが。


流れ




なんちゅうかほんちゅうか簡単に。
小飛龍と呼ばれるガキは蘇真平(スー・ツェンピン)師匠のお弟子様。
今日も師匠と楽しくじゃれていたが・・・
っていうかいきなりテレポーテーション使える子供ってのは・・・
無敵感バリバリのガキやな。


なのでいつも下界で悪い人の龍飛(ロン・フェイ)さん。

そこに正義の剣士である戚冠軍(チー・クワンチュン)が現れて、龍飛が恐らく悪いことして手に入れた金銀財宝奪取しました。

女二人のプチハーレム
当然、龍飛のボスである陳星(チン・セイ)が
「なにおう!」
って怒って陳星の方も
ホログラム使えます(笑
妖術屋さんだったので、強いことは強いけど普通の人間である戚冠軍と

その恋人である龍君兒は困ったなって感じで、

途中に陳觀泰(チェン・カンタイ)vs戚冠軍があるので、そこは楽しませて頂いて、

終始ラブラブしている戚冠軍&龍君兒はそれはそれでいいけど、ちょっと化粧濃いぞってなもんで、
やっぱ妖術に対抗するには小飛龍の仙人術しかないってことで、小飛龍くんが陳星倒しました。


終劇





うーん、いやうーん
明らかに子供向けなんだがうーん、ちゃんとその辺が徹底してないですな。描写あやふや。
アクションも製作年度を考えればそこそこだが、功夫と特撮の融合もまだまだ未熟で模索中といった感じかな。


龍君兒さん的にはと戚冠軍と一緒に戦った割には団結感の無かった「功仔七侠丐」、そして戚冠軍にガッツリ無視された「紅衣冷血金面人」と比べて今回はラブラブの間柄で良かった・・・なにが?

ただ本作は後の「カンフーキッド」やテンテンちゃん登場の「キョンシーズ」や「新桃太郎」に当たる系譜の元祖、と言えば大袈裟だが先駆的作品ではあるので、その観点からなら価値がありそうだ。

まぁどれも似たり寄ったりなことになってそうだけどそれでも龍君兒さん引退間近の出演作品には興味がある。林小樓(リン・シャオロウ)と共演しているらしい「人肉戦車」は特に観たい。


■CAST&STAFF
監督 林鷹
出演 廖麗君
陳觀泰(チェン・カンタイ)
戚冠軍(チー・クワンチュン)
龍君兒(ロン・ジェンエール)
陳星(チン・セイ)
藍敏莉
蘇真平(スー・ツェンピン)
馬沙
龍飛(ロン・フェイ)
小亮哥
李金蝉
馬場
張宗貴
武術指導 林光榮
音楽 黄茂山(ウォン・ムーサン)
策劃 張書鵬
孫本樹
製作 許淑美
朱建舜
製作総指揮 黄淑香
制作年度 1982

 
 
 
 
 

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