Contents
 
トップへ
掲示板

 


Shoot Fighter/The Fight To The Death
シュートファイター 暗黒ドラゴン伝説


これは珍しいボロヤンこと楊斯(ヤン・スエ)の主演作である。
しかもハリウッド!
パッケージを見た時に
「どう考えても悪役だろうな」
と思ったのだが、シンゴという日本人の空手家という設定で、今までの獣扱いだった数々の作品に比べて、非常に良い演技をしており、彼が単なる肉体パフォーマーに留まらないことを示している。

流れ

香港。
地下闘技場でボロヤンの試合が行われている。
相手の攻撃を軽く受け流し、次々と手刀を叩き込むボロヤン。歳は取っても流石の貫禄ファイトだ。
程なくしてボロヤンが勝利を収めると、次の試合へ。
次はボロヤンの知人である若き日のロジャー・ユアンと強そうな白人の鬼熊。
「気をつけろ」
というボロヤンの注意にも空しく、ロジャーは首を折られて敗北、というか死亡。

この時のボロヤンが見せる失念の表情そして演技が本作に対する気合を感じさせる。
ちなみにロジャー・ユアンとはジャッキー

シャンハイヌーン」でボス役を務めた人物で、引き続き「シャンハイナイト」にも義勇団の1人として登場、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ&アメリカ 天地風雲」にも出演と香港俳優と関わりの深いハリウッド俳優である。また

ラッシュアワー」で殺される運転手役を演じていた人も本作で審判をしている。
「次はお前の番だ!!」
そう言って立ち去る鬼熊であった。

アメリカ。
香港遠征から帰ってきたボロヤン。
ボロヤンはアメリカで空手道場を営む道場主で、何故か弟子は子供ばかりというファミリーキッズ空手教室な暖かいムードだ。そこにボロヤンの怖い面は似合わない、このミスマッチこそが面白い。
ボロヤンにはシェリルとルーベンという自慢の弟子がいた。こいつらがなかなか強いナイスガイ。

アメリカに戻って地下闘技場を続けていた興行主、というかマフィアはいつも自分ところの戦士が負けて悔しい、だから強い手駒が欲しい(

マッハ!」と一緒です) 。
というわけでこのシェリルとルーベンがスカウトされる。

「やめとけよそんなの」
いぶかしむボロヤン師父をほっといて2人は地下闘技場に参加。次々とファイターを打ち倒し名を挙げる。
しかし2人は仲間割れ。
シェリルは他の誰かと、ルーベンはボロヤンに着いてトレーニングすることに(ここのトレーニングシーンがなかなか面白い)。

友情は壊れてなかった。
シェリルが相手ファイターにボコられてグロッキーなところを間近で見て耐え切れなくなったルーベンは試合に乱入して大騒動を起こす。これでマフィアの顔は潰された。

最終的にはボロヤンが出て行って、あの鬼熊と宿命の対決を迎えるのだが・・・・

終劇




限りなくB級映画ではあるが、勢いに任せて作ったような投げやりな感じではなく、オープニングからエンドクレジットまで努めて丁寧に作ってあるのに好感が持てる。ボロヤンの主演作にしてこれだけ丁寧に作ってある映画なんてそうそうないでしょう。

それだけに

「燃えよドラゴン」で強烈な殺人マシーンの印象を与えてしまったボロヤンではあるが、本作では十分に貫禄ある演技を披露しており、

また小さい子供に空手を教えたりお菓子を配ったりするシーンなどはとても微笑ましく、彼本来の人柄が伺える良いシーンである。

アクション面で言うとやや厳しい評価になってしまうのは仕方の無い所なのだが、まぁそれというのもボロヤンは最初とクライマックスしか戦わないわけで、それでもクライマックスに魅せるボロヤンの槍術(彼が槍使うのは珍しい!)もキレがあって見応えはあるにはある。
決して悪くは無い作品だ。

Zさん、日本語タイトル情報提供ありがとうございました。
以下はZさん、伊東かんふーさんより頂いたご投稿です。
----------------------------------------
ご無沙汰してます Z
投稿日:2005年9月20日<火>17時41分
「シュートファイター 暗黒ドラゴン伝説」のタイトルでビデオが リリースさせてますね。後、ボロ・ヤン物はシリアル・キラーの 拳法家を演じた「タイガークロー」 科学者兼ストリートファイター を演じた「未来警察TC2000」なんかもありますよ。
---------------------------------
Res:なるこう(管理者)
題名:re: 投稿日 : 2005年9月21日<水>00時06分
Zさん、お久しぶりです。 >「シュートファイター 暗黒ドラゴン伝説」 おお日本でソフト化されていたんですね! ありがとうございます、さっそくHPに反映させて頂きます。 他ご紹介くださった2作品も邦題があるということはソフト化されてるんですね! ボロヤンもなかなか喰えない奴だなー
---------------------------------
Res:Z 題名:特に「タイガークロー」のヤンは
投稿日 : 2005年9月21日<水>11時50分
普段は柔和で勤め先の道場の門下生からもからかわれ気味という、 今まで見た事無い役でしたねw 本性見せるシーンとうまく対比 になってました。 アメリカで活躍する様になってから芸域も広がった のか、「炎のマーシャルアーツ」では女装も披露してますしw
---------------------------------
Res:なるこう(管理者)
題名:re: 投稿日 : 2005年9月23日<金>22時37分
>柔和で勤め先の道場の門下生からもからかわれ気味 「空手ヘラクレス」の彼を考えると有り得ない役柄ですね。 >「炎のマーシャルアーツ」では女装も披露してますし あれ?なってましたっけ?今度確認しとこう。
---------------------------------
Res:Z 題名:そういえば「炎のマーシャルアーツ」の
投稿日 : 2005年9月24日<土>11時42分
製作・脚本担当のデロン・タナーズってどっかで聞いた事あるな〜と 思ったら、タン・トウリャンの事だったんですねw いっそカメオ 出演でもしてくれてたら良かったのに・・・   ボロ・ヤンの女装は銀行襲撃のシーンで観られますよ。えらくごつい 婆さんがパワー殺法披露してます。
---------------------------------
Res:なるこう(管理者)
題名:re: 投稿日 : 2005年9月24日<土>23時45分
そうなんですか!? あの作品が譚道良プロデュース、しかも脚本書いてるなんて知りませんでした。
---------------------------------
Res:Z 題名:ホント驚きました。
投稿日 : 2005年9月25日<日>00時18分
ひょっとしたら

「死闘伝説」で紹介されたテコンドー道場が儲かった から色気出したのかな〜なんて思いましたが。 タン・トウリャンと云えば「決闘太陽塔」は傑作ですよね! 「抗日」+「死亡遊戯」とかなり欲張っててw  後、弟の タン・タオゴンは仕事選ばない姿勢がすばらいと思います。
---------------------------------
Res:伊東かんふー
題名:ボロやんを囲むものたち
投稿日 : 2005年9月25日<日>01時29分
こんばんは、横レス失礼します。 「シュートファイター 暗黒ドラゴン伝説」のレビュー拝見しました。この作品確かにB級なんですけど、共演者が意外に豪華なんですよね。 ヒロイン(てほどの役でもないですがw)に

『007リビングデイライツ』のボンドガール・マリアムダボ。弟子その1は

『ベストキッド』でダニエルさんをイビったウィリアムザブカ。鬼熊にはそのコブラ会頭領で

『ランボー2』にも出てたマーティン・コブ(代表作『ランボー者』・笑)、そして弟子その2マイケル・ベルナルドは…、あのK―1ファイター、マイク・ベルナルドの若き日の雄姿!! いや〜優男ですよね、今とは別人ですw それにしても『炎のマーシャルアーツ』に譚道良がからんでたとはビックリしたな〜もう。 と言うわけで失礼しました。

※後日、マイク・ベルナルドについてはやはり別人だということが判明いたしました(白扇仔様、情報提供)。
-----------------------------------
■CAST&STAFF
監督 パトリック・アラン
出演 楊斯(ヤン・スエ)
マリアムダボ
ウィリアム・ザブカ
マイク・ベルナルド
シーガル・ディアマンテ
マーティン・コブ
エドワード・アルバート
ジェームス・パックス
ラン・ヤン
アレクシア・デモン
リチャード・エデン
ジャック・ワン
ジョージ・チャン
ハキム・アルストン
サンダーウルフ
ロジャー・ユアン
ジョー・ソン
エリック・ベッツ
クリス・カサマサ
ジョン・バレット
製作 アラン・アミール
制作年度 1992


忍者在中国
Ninja the Final Duel
忍者大戦


中古ビデオゲット。
羅鋭(アレクサンダー・ルー)主演で載徹(ロバート・タイ)監督となると
「ああ・・・まぁああいうやつね・・・」
となる。
ああいうやつっていうと
「少林寺逆襲ラマ剣法」
「激突!少林寺必殺ラマ剣法」
「戰籠」
↑こういうやつね。
とりあえず簡単な流れがあるにはあって、後はラストに向かって
・功夫功夫功夫
・死ぬ死ぬ死ぬ
・エッチエッチエッチ
と延々続くってパターンでして、こうなってくるともう最初から見所は功夫シーンそのものだけになるっていうもんですわ、ははは!

と、まぁなんですか。
投げやりな気持ち盛りだくさんで鑑賞してみた本作ですが果てさてな。

流れ

日本で絶大な勢力を保っていた伊賀忍者。
彼らは中国へも勢力を伸ばすため遠征。
しかしそこにはあの少林寺が立ち塞がっていた。
強大な少林寺の力の前に破れる伊賀忍者たち。
指揮を執っていたボス忍者は切腹。
日本の天皇は中国との衝突を避けるために少林寺へ
"天下第一寺"
の額を贈る。
しかし、少林寺館長は
「これ掲げてると他から挑戦受けるから嫌や」

日本にて。
伊賀忍者は少林寺への復讐を企む。
早速、首領を筆頭に最強の忍者部隊を編成。
長々と続く馬鹿みたいな特訓が面白いやら呆れるやら。
特には水蜘蛛部隊が最高だ。水が無い場所ではどうするつもりだあんたら
しかも

「燃えよドラゴン」サントラ勝手に使って、妙に迫力出てんじゃん。
さぁいくぜ!打倒少林寺!!

一方、日本の少林寺卍派では・・・
って、少林寺卍派ってなんじゃ!?
そんなん日本にあったか!?
宗道臣が作った少林寺拳法でなくて!?違うやつ?
そこで羅鋭が最終試練を・・・
ってあんた日本人のつもり?
なにぃ役名が雲之助!?
「大師匠、もう十分じゃないですか?」
「いや中国に行くにはまだまだじゃ!」
とやり取り交わすのは羅鋭の師匠である王圻生と総帥の王侠である。王圻生が優しい師匠役なんて珍しいなぁ実に珍しいなぁ、はい。
命からがら修練をクリアした羅鋭は晴れて友人の松田くん(役名)連れて中国へ。
・・・って、ロケ地は台湾だろうなぁここの。
最初から日本なんかでロケしてないよ。

少林寺夜襲。
館長はこれ以上の争いはしたくないということで、少林寺閉鎖。あっさり閉鎖するもんですな。
せっかく日本から来た羅鋭と松田くん。
閉鎖されちゃったので寺に入れません。
せっかくカリフォルニアの西洋少林寺から来た白人僧侶達も閉鎖されちゃったので入れません。
白人僧侶さんたちは本場中国少林寺で本場の拳法を修業して持ち帰り、西洋少林寺の名を挙げたいそうです。
ここで寺に入れない羅鋭らと白人たちは何故か襲われている女性を発見、救出して介抱そして人工呼吸!
「何しやがるスケベな白人め!」

いやはや。
皆さんまだ読んでますか。
そして業を煮やした白人僧侶たちは少林寺に突入!
しかしここに高弟の李藝民(サイモン・リー)が立ち塞がる!
功夫ブームからだいぶ経った後の映画だけど同じようなことやってる李藝民が素敵だ、素敵か?
敗北する白人僧侶。
館長の
「騒ぎが収まってからにしてくだされ」
の言葉に渋々カリフォルニアの西洋少林寺まで引き揚げていくのでした。

一方で中国上陸中の伊賀忍者軍団。
邪魔な同胞の羅鋭、いやその友達の松田くんを捕獲。
首領の洗脳攻撃によって伊賀忍者軍団の1人となってしまう松田くん。

そんなことは露とも知らない羅鋭。
昼に介抱した女性がまだ意識回復していなかったので、
全裸にしてお風呂に入れて楽しむ
人工呼吸どころか全裸にしてるよ!こいつ!!
「さぁ俺も体を綺麗にしてと・・・いひひ」
と川で行水開始のスケベ羅鋭。
全裸でお風呂で寝てた未だ正体のわからない女性。
と、そこに伊賀忍者が強襲!!
わけのわからないまま叩き起こされた女性は
全裸のまま刀持って忍者と戦う!!
ご丁寧に空中ご開帳をスローで見せてしまう有様だ!
もちろんこのビデオは日本リリースなのでモザイクだ!

恐らく規制の無い国では完全ご開帳だ!
ご開帳って言葉はあまり聞かなくなったな。
多勢に無勢の上に全裸でモザイクがチラチラしている女性はたまらず助けを呼んだ!
「くものすけー!!」
その声を聞きつけて早速駆けつける雲之助こと羅鋭。
ずっと意識不明だったくせにいつの間に女性が彼の名前を覚えたのか不明だ!

伊賀忍者は今度は白昼堂々少林寺突入。
弱い僧侶をぶった斬って門前を血の海と化す。
未だ争いたくない館長。
「君は奴らと同じ日本人じゃからの。客人も来るしの」
ってことで羅鋭を軟禁。
客人とはインド法王のことだったぁ!!
もはやなんのことやらようわからんが!!
そしてインド法王が登場・・・って、黒人じゃねーかっ!!
そして早速お帰りです。

狙われていた女性。
哀れにも無残にも伊賀忍者に首チョンパされてしまいます。
名前も目的もなーーんにもわかりませんでした、この女性。

お帰りのインド法王。
その女性の無残な亡骸を見て悲しみ、彼女を弔います。
そこへ羅鋭が!!
「お前が殺したのか!!」
とインド法王vs羅鋭!
とはいってもだからこの人、どうみても黒人なんだけど。

ま、その誤解は解けたものの、引き続くインドに戻ろうとする法王。
1人で砂浜を歩いていると・・・って法王がたった一人ですか!?
伊賀忍者強襲!!
さすがはインド法王も強くザコ忍者を蹴散らすのですが忍者首領の卑怯なやり口で敢え無く昇天。

客人を殺され、怒り爆発の少林寺。
遂には館長もブチ切れて忍者撲滅指令を!
ここにお互いの存亡を賭けて、
少林寺vs忍者の一大バトルが繰り広げられる!!

終劇




・・・・ふう。
まだ読んでますか。

荒唐無稽な物語を結構真面目に書いてみました(そんなことないか)。
とにかく全編これ全くの予想通りで奇想天外なアクションと滅茶苦茶な展開が盛りだくさん!ブラウン管に向かって
「なんでやねん!」
とツッコミたいだけツッコンで下さい。

これでも中古ビデオゲット品としては上物です。

■CAST&STAFF
監督 載徹(ロバート・タイ)
出演 羅鋭(アレクサンダー・ルー)
李藝民(サイモン・リー)
王侠
王圻生
制作年度 1985


千刀萬里追
Dynasty/Super Dragon
空飛ぶ十字剣


数々の名フォトを残している映画である。
いや、それこそ超個人的なところか。全くそうです。
まずは「香港電影百科」(芳賀書店)での紹介ページ、密林の中、林に捕まり遥か高い所から敵を見下ろす譚道良(レオン・タン)のフォト、今にも高所から飛び掛って来そうな想像力掻き立てるフォトである。続いて隣は譚道良が敵を丸太でズブリ!かなり衝撃的なフォトだがその下はもっと凄い、白鷹(パイ・イン)が馬場(今回の師匠役)さんに攻撃をしているのだが、何と腕が貫通ししかも掌が鳥の骨のようになっているところで、幼い時にはこのフォトに戦慄を覚えたものである。
続いて日野先生が編集した「ドラゴン大全集」(同じく芳賀書店)。
こちらは裏表紙が本作の1シーンになっており、譚道良が白鷹に飛び蹴りを喰らわすシーンである。中にもカラー写真があり、こちらは譚道良が身代わりの術を使った後らしく丸太に譚道良が着てる服と同じ服が着せてあり、敵が両手を斬られた後のシーンで、こちらは作り物の手があるのがハッキリとわかるのはまだ良いのだが、斬られたはずの敵の手がハッキリ写ってしまっているという逆に衝撃的な写真であったりする。

というところで、
その残酷なシーンや迫力のありそうなシーンのフォトを何度も観ることによって想像力を掻き立てられていたのだが・・・

流れ

朝廷を牛耳っていた宦官の白鷹(パイ・イン)はその権力を完璧なものにするために、皇帝の弟までその手にかける比類なき残虐さ。
その魔の手は少林寺(?なのかな)までにも及び、館長の馬場はじめ一同皆殺し。

この魔の手からからくも逃げ出していた腕っ節の強い若者・譚道良(レオン・タン)は仇討ちを決意。

白鷹の側近の金剛(カム・コン)を森林バトルの末に倒すと、白鷹の側に潜り込んでいた同じく白鷹を狙う男と協力して白鷹との対決に臨む。

終劇




どう考えても大筋はこれだけ。
この単純明快な大筋の元に台湾初、アジア初かな?の3D立体映画は進む。
当時の日本公開時のコピーが
「超立体映画 ウルトラ・キュービック 驚異の大迫力!
剣が、ヤリが、人間の首が、唸りをあげて飛び出してくる!!」
といったもので、私が観たのは当然平面版(逆に3D版なんか今さらあっても困るな。メガネいるし)なので迫力は全く無くて、剣や槍が飛び出してきてもコミカルなだけなのだが、その辺のチープな演出が逆に面白いというかこの正直どうしようもない映画を救っている。
救っているといえばやはり譚道良のアクションで白鷹とのラストバトルではその白鷹が振り回すタイトルの"十字剣"に美味しいところを持っていかれてしまったが(確かに結構迫力あります)、金剛との森林バトルは写真どおりになかなかのものである。

後は個人的なマイナーポイントと言えば何時に無く馬場さんが少林寺館長という非常に大きな役で出演しているといったところで、白鷹とのバトルも面白いのだがおぞましい程の残酷な殺され方があまりに悲惨。馬場さんといえば
"必ず血を吐いて死ぬ8番手ぐらいの悪役"
というポジションを演じさせたら天下一品というかそればっかりやんという感じだが、その中でも本作は群を抜いて殺され方がえぐい。

その他もコピー通りにそのアクション演出は非常に残酷で、
「そこまでせんでも」
と非常に後味が悪い。その手の映画が好きな人なら逆に薦められるのだろうが。

まぁただ、
幼い頃から功夫映画を観て、功夫本何度も読んで過ごした私としては何度も何度も目を過ぎたタイトルであるので拝見できたことは非常に良かったなぁ、これで1つ制覇したなぁと思う今日この頃であった。
こういう映画だったんだなぁ・・・

個人的にはDVD再発なんて別にいらん。
■CAST&STAFF
監督 張美君(チャン・メイシュン)
出演 譚道良(レオン・タン)
白鷹(パイ・イン)
金剛(カム・コン)
馬場
制作年度 1977


Shanghai Joe
Il Mio Nome e Shanghai Joe
My Name is Shanghai Joe
荒野のドラゴン


これまた幼少時代から功夫映画本を買い集めた輩であれば一度や二度と目にしたことのあるタイトルながら、やっぱり指をくわえて妄想に更けるしかなかったタイトルである。
しかしもってHPを開設してからというもの、とはいえ開設してから随分と経ってしまいましたが、1つ1つと幻のタイトルが復刻されてきました。嬉しいことですねぇ、こうして1つ1つ幼少時代に妄想に更けったタイトルが我が手にあるのですから。

流れ

上海ジョー(早川明心)はマカロニ・ウェスタンの世界を孤独に旅する功夫マン。
町の親父が
「皿洗いとかなら紹介するぞ」
と仕事の斡旋をしてきたが
「そういうのはもういい」
と堂々と断わり、旅を続ける。
どうやら彼はカウボーイになりたいらしい。でもカウボーイって何?馬に乗ってるのになぜカウなのだろう?と今さら言ってみる。

牧場に仕事を貰いに来た上海ジョーだったが、牧場主はじめチンピラたちは彼をからかいたかっただけ。怒り心頭のジョーは毛唐どもを空手でぶち倒す。
面子を潰された牧場主は町の悪い奴らとつるんでさらにジョーを倒そうとするが、銃を持ってるくせにジョーの空手には全く通じず、ただただ負けるのみ。
その腕を見込んで別に白人が
「一緒に仕事をやろう」
と誘う。
とりあえず乗ってみたジョーだったが、仕事の内容が奴隷の監視(殺害)だったので中止。その白人どもを蹴散らして1人の奴隷を逃がす。

その1人の奴隷の娘が美人な感じで、エッチッチなシーンでもあるのかと思ったがその方面は無し。

考えてみればこの映画、
何でこの後も白人が執拗に上海ジョーを狙うのかようわからんのだが、とにかく今度は様々な殺し屋を雇って差し向ける。

まずは皮剥ぎの殺し屋。
コイツは殺した相手の頭の皮を剥いで人形にかぶせて楽しむ最低の変態野郎。
足を被弾して捕まっていたジョーは絶体絶命だったがすんでのところで脱出してこの変態を倒す。
続いては様々な罠を仕掛けて殺すトリッキーが立ち塞がったが戦いの末に自分が仕掛けた罠にハマって死ぬのさトリッキー。

目には目を、功夫には功夫を。
ということでラストに登場するのはサムライのミクリヤ・カツトシ!
功夫じゃないじゃん。
とにかく始まる対決。
さすがに両者とも凌ぎを削る名対決・・・いや迷対決。
しかしもって、不利になったミクリヤ・カツトシ、
ななな、ななんと銃を懐から出して撃ち始めたぁ!!
さっきの戦いの最中に撃てよ、おまえ!

これを黄飛鴻もびっくりの体裁きで翻すとミクリヤ・カツトシを倒し、上海ジョーは荒野に去って行くのであった。

終劇




私、マカロニウェスタンを観たことが無いので聞いているイメージしか知らないのだが、なるほどこんな感じの荒唐無稽の残酷アクションがウリということでいいのかな。

なかなかの面白いB級作品である。
全く期待していなかったアクションシーンは思ったよりもずっとキレがよく、流石はスカウトされただけあって早川明心さんの空手技も見応えがある。
次々と奇怪な殺し屋が登場してひたすら対決を繰り返す後半の怒涛さもテンポがあって楽しい感じ。

まぁ幼少時代にこのタイトルを目にしたことがある人は観てもいいかも。

ちなみにネット検索してわかったのですが、早川明心さんはつい最近お亡くなりになられたそうです。ご冥福をお祈りいたします。

■CAST&STAFF
監督 マリオ・カイアーノ
出演 早川明心(チェン・リー)
クラウス・キンスキー
ミクリヤ・カツトシ
カーラ・ロマネリ
ピエロ・ルリ
ゴードン・ミッチェル
ロバート・ハンダー
脚本 カルロ・アルベルト・アルフェリ
マリオ・カイアーノ
ファブリツィオ・トリフォーネ・トレッカ
音楽 ブルーノ・ニコライ
製作 レナート・アンジョリーニ
ロベルト・ベッシ
制作年度 1973


八百羅漢
Arhats in Fury
八百羅漢


うむむ、これは・・・・
まぁここのカテゴリーだなぁ。

流れ

少林寺じゃないけど
どこかの寺は政府から圧力を受けていたが、
"一切闘うこと禁止"
というわけで闘わないのなんの。
1人の僧侶が
「立ち上がるべきです!」
と進言したがはね付けられて、この僧侶は寺を追放に。

それでも時代が政府の圧力を止めようとはしなかった。
弾圧を受ける小さな村。
ここを寺出身で今は追放されてる若い僧侶が得意の功夫でバッタバタ。英雄視される僧侶であったが、寺に帰ると厳しい処罰が待ち受けていた。

戦わない戦わない。
村で知り合ったヒロインがもの凄く正論を説いているものの、
「俗世間に言われる筋合いは無い!」
と突っぱねる寺の住職。

・・まぁこれ、寺が戦わないって言ってるんだから政府もほっとけばいいのにやたらその寺を攻撃したがるんだよね。
遂には寺を包囲する政府軍。
1人1人と処断されていく僧侶たちに耐えかねて住職は

「やっぱり戦うべきだ!!」
あほかお前は!!

終劇




というわけで、まぁその一点につきますな。
演出が下手だと思いますよ、これ。好みの問題もありますが。
まず舞台が少林寺でないために
「そんな知らない寺の話されてもなぁ・・・」
とイマイチ乗り切れないし、僧侶が戦わないのは十八番だがこれじゃあ
"右の頬を打たれたら左の頬を出しなさい、左を打たれたら右を、右を打たれたら左を、左を・・・"
と永遠ループを繰り返すばかりでストレス充満。
頼みの功夫シーンも正直少なく、救いはヒロインの正装に戻ってからのお姿が非常に美しかったということか(なんかつまんない映画の時はいつもそこにポイントを求めてますが)。

かなり非オススメ。
■CAST&STAFF
監督 王星磊(ウォン・シンロイ)
出演 劉振嶺
高鴻萍
何福生
王志華
李コ成
劉秀萍
安亞平
李冠起
王新武
王海生
孫志強
武春生
徐元國
龍小媛
韓志コ
村里
程亞林
李立
方世綿
劉海亭
朱松
韓志凱
張旭初
張光燐
徐同生
趙西陵
候秀華
武術指導 麥飛鴻
羅抜
黄哈(ウォン・ハー)
脚本 陳曦
音楽 呉大江
製作 呉仰前
製作総指揮 韓丹(ホン・ダン)
制作年度 1986


奪命刺客
Call Him Mr.Shatter/Shatter

暗殺指令シャター/シャッター


シャタシャタシャタシャタ♪
シャタシャタシャタシャタ♪
このメインテーマが妙に耳に残る珍作がこれだ。
ショーブラと英・ハマープロとの合作である。

鑑賞前の風の噂は決して良いものではない印象であったのだが果たして?

流れ

殺し屋のシャター(スチュアート・ホイットマン)は、暗殺指令によって東アフリカのある国の独裁者を暗殺。
いきなりだが独裁者と言ってるわりにはその独裁者がいるホテルにカメラマンを装いあっさりと入り、カメラに仕込んだ銃で独裁者を殺すまで何の問題も無しなのはセキュリティ的に如何なものか?随分安い独裁者である。

とにかく指令を遂行したシャターは報酬を受け取りに香港へ。ここからおかしなことが起こる。
政府としては
「私らそんな命令しとらん、報酬なんかやれん」
と正規ルートだったはずの指令がそうではなかったことに。
おかげでシャターはその東アフリカ小国、FBI、マフィアと様々な人間に狙われる。

FBIのピーター・カッシングに
「香港出行かなきゃ殺すぞこの野郎」
と言われて部下に蹴られて散々なシャター・・・よわっ
たぶんピーター・カッシングは「ドラゴンvs七人の吸血鬼」を撮影中の傍らこっちもちょちょいと出たのではないかと思われる。
今度はホテルの部屋をロケットランチャーでどっかーん!
エッチしようとしてたおっさんがすっぽんぽんで吹っ飛ばされる戦慄というか爆笑というか・・・

泊まるところも無くなったシャターは、ピーターに殴られた時に助けてもらったバーテンの狄龍(ティ・ロン)を頼る。
「100ドルやるから安全に泊まれるとこ紹介して」
友でもなんでもない狄龍であったが、よっぽど貧乏で100ドルが魅力だったか(米ドルか香港ドルかわからんが)、自宅へ案内。
自宅のある雑居ビルの屋上は功夫練習場で、狄龍がそこの師範。またも師範。
まぁその前に李麗麗(リリー・リー)は狄龍の妹という設定なのだろうか、その辺のハッキリした紹介が無かった気がするが、既にシャターとデキているところが流石はイギリスのスパイというか殺し屋である。好色だなぁ。

馮克安(フォン・ハックオン)や徐蝦を相手に組み手を見せる狄龍、本作はなかなかの功夫シーンが満載なのが見所の1つである。しかも知ってるこの顔あの顔ってパターンね。
続いて狄龍はナイトクラブで異種格闘技試合に出場。空手とかキックボクサーとかを一度に相手にして戦う狄龍が凄い。それにつけてこの試合の審判をやっているのが何と李海生(リー・ハイサン)だったりするからまた凄い。この辺の妙味は功夫映画迷にしかわからんでしょうね。
リリーと楽しく試合を鑑賞していたシャターであったが、既に彼を取り巻く敵の姿が・・・
「ほわちゃああ!!」
試合の後でテンション上がりまくりの狄龍が取り巻いた敵を次々となぎ倒す!とても気持ちの良いシーンだ。
敵で最初に飛び出してくるのが袁信義(ユアン・シュンイー)だったりするからたまらない!
次に飛び出してくるのは馮克安だ!
あんた弟子だったくせに何時の間に敵に!!
流石は馮克安、早速師匠を狄龍を裏切る悪役っぷりがたまらない・・・って、「わからんだろう」ってことでまたやられ役やってるだけだが・・・顔が個性的だからわかる人にはわかるって。

狄龍の腕を見込んだシャターはボディガードに指名。
報酬が高いということでアッサリ引き受ける狄龍もなんだかなーって気がするがまぁいい。
物語は真相へ近づく。
香港をまだ出てなかったということで襲い掛かってくるピーター・カッシング一行。今度は狄龍がいるので返り討ち!
その敵の1人は鉄の爪・任世官(ニン・シークァン)だったりするからたまらない。
ピーター爺さんをとっ捕まえたシャターは(他力本願ですなぁ)彼から恐るべき真相を聞き出す。

真の敵がわかったシャターは狄龍と共にアジトに乗り込む!
ほとんど銃撃戦が無く、見せ場は全て狄龍の功夫アクションというところが俺のような功夫バカにはとても嬉しい。
真の敵が放った猛者は来た来た来たーの、
劉家榮(リュー・チャーヨン)と黄培基!
クレジットが無いのでわからなかったが、恐らく本作の武術指導もこの2人、そして陳全(チン・チュアン)といったところではないだろうか。
狄龍vs劉家榮、黄培基!
の末に2人を倒し、真の敵を倒すのであった!

シャタシャタシャタシャタ♪
シャタシャタシャタシャタ♪

終劇




面白いじゃないすか!これ!
・・・って、これはもう功夫映画観てれば観てるほど面白いのではないだろうかしら。
まずもってB級の007な物語は決して悪いものではなく、その真相も興味深いもので捨てがたい面白さがあるし、そのそこそこの007ストーリーの上で、実際は狄龍が著名な功夫職人達相手に功夫アクションをたっぷりと繰り広げ、さらには李麗麗のお色気・・・残念ながらお色気シーンというよりはお色気一歩手前シーンって感じだが、現代のカジュアルな彼女も観られるしなかなかお得。さらにさらには若き日の狄龍の生声、李麗麗の生声が聞ける貴重な作品ということでその辺の価値も非常に高い。

まぁもうちょっとシャターが強くてもオシャレに決めてても良いんじゃないかって気もするが。もし見かけたら安価なら入手してみるのも一興だろう。

・・・はっきりクレジットに出てくる羅維(ロー・ウェイ)がどこにいるかわからんのだが?

中国題があるのなら、ご存知の方に教えて頂きたいところ。


シャタシャタシャタシャタ♪
シャタシャタシャタシャタ♪

■CAST&STAFF
監督 マイケル・カレラス
モンテ・ヘルマン
出演 スチュアート・ホイットマン
狄龍(ティ・ロン)
李麗麗(リリー・リー)
ピーター・カッシング
アントン・ディッフリング
羅維(ロー・ウェイ)
劉家榮(リュー・チャーヨン)
黄培基
馮克安(フォン・ハックオン)
李海生(リー・ハイサン)
袁信義(ユアン・シュンイー)
任世官(ニン・シークァン)
徐蝦
脚本 ドン・ホフトン
音楽 デビッド・リンダップ
製作 マイケル・カレラス
ビー・キング・ショー
邵逸夫(ランラン・ショウ)か
邵仁牧(ランミー・ショウ)
どちらかのことだと思われる
制作年度 1972


殺手之王
The Hit Man
ヒットマン


流石に忌野清志郎の「パパの歌」も知らない人が増えてきたかな。

うーん・・・おかしいなぁ・・・
曾志偉(エリック・ツァン)、谷コ昭(ヴィンセント・クック)、陳嘉上(ゴードン・チャン)と何かこいつらが集まれば面白そうな映画が出来そうなものなのだが。いきなり監督の董〔王韋〕(ツン・ワイ)を責めるのも悪い気がするが、これはなんともはやな映画。当初、李連杰(ジェット・リー)と鍾麗〔糸是〕(クリスティ・チョン)の共演ということで

「ターゲット・ブルー」を借りようと思ったのに無かったのでこれに。

流れ

本当の悪を無償で殺す・ヒットマン"炎の天使"が日本人の悪徳富豪を殺す。
ところがこの富豪は保険をかけており、殺されると同時に
"ヒットマンを殺したら10億ドル"
という殺人レースがここから始まる。

"炎の天使"は誰なのか?
大陸から来て貧乏なのでとりあえず殺し屋稼業を始めてしまった李連杰(ジェット・リー)。この男、実に冴えないが功夫の腕は確か。
その腕をいつ見込んだかようわからんが3流のチンピラにすぎないが何故か威張ってる曾志偉(エリック・ツァン)がスカウト。

早速、殺し屋稼業第一弾として仕事を遂行しようとするが、途中で可哀想になって他の殺し屋の止めに入る始末。
警察の任達華(サイモン・ヤム)のところにお世話になったりなんかして。

しかしこの李連杰には実は才能があった。
おぼこい顔して曾志偉の美人娘・梁詠〔王其〕(ジジ・リョン)をあっと言う間に惚れさせるとスケート場で楽しくデート。

そのうちに"炎の天使"に殺しを依頼した人物が判明し、李連杰と曾志偉は会いに行くのだが・・・

終劇




うむむむ・・・・
結局、曾志偉のダメパパぶりな演技ばかりが光り、肝心のアクション面ではかなりのイマイチ、まぁラストアクションはそこそこよく出来ているのだが、それ以前の作品で思いっきりそれ以上のアクションを見せている李連杰と考えれば消化不良を起こすのも当然なところである。

加えて日本人をまたも悪党にしているのは良いとしてもその日本人の日本語台詞全編に渡って大根芝居が続くのは日本語のわからない外人なら良いかもしれんが、当の日本人としては興ざめする一方で、ここだけでも日本人からの評価は得られない作品だろう。
炎の天使が実際に
"なんかこいつ大したこたねーな"
と思わせる感じだったのもどうかなと思うし。

個人的には
李連杰(ジェット・リー)作品としてはかなりイケテない作品に感じた。この映画を作った取り巻きは凄いタレントが多いのだが。
■CAST&STAFF
監督 董〔王韋〕(ツン・ワイ)
出演 李連杰(ジェット・リー)
曾志偉(エリック・ツァン)
梁詠〔王其〕(ジジ・リョン)
任達華(サイモン・ヤム)
佐藤佳次
葉廣儉
左建明
何寶生(ティミー・ホー)
程東
佐原健二
五十野琴
福井章浩
加藤宏
動作指導 董〔王韋〕(ツン・ワイ)
谷軒昭
凌志華
陳少華
黄偉亮
脚本 陳慶嘉
谷コ昭(ヴィンセント・クック)
鄭錦富
音楽 T.TWO
製作 陳嘉上(ゴードン・チャン)
製作総指揮 向華強(チャールズ・ヒョン)
制作年度 1998

絶招
Martial Arts
怒れ!タイガー/必殺空手拳


"空中大回転飛び蹴り、背負い空中飛び等約20種にも及ぶ空手の妙技を全篇に散りばめた作品"
香港電影百科(芳賀書店)より抜粋
おお映画は確かに!
ただわしゃ空手でこの映画に出てくるような技習った覚えは無いのだが。

さぁ怒れ!タイガー
・・・・・・誰がタイガー?
それは紐解けばわかるさ。
この道を行けばどうなるものか、危ぶむなかれ。危ぶめば道はなし。踏み出せばその一足が道となる。迷わず行けよ。行けばわかるさ!ありがとー!!
これが猪木ではなく一休さんの言葉だったなんて知らなかった。

・・・ええと。
まぁとにかく私なんかは先の書籍や「ドラゴン大全科」等でこの映画のことは幼い頃から知ってた作品で、まぁ結局あれですわ、
「どーでもええからとにかく確認しておきたい」
そりゃ小さい頃からこの作品に対して妄想膨らましていたんだもの。ましてや、
"お色気シーンがふんだんにサービスされているのでポルノ入り功夫映画とも言われる"
また香港電影百科(芳賀書店)より抜粋
となってくると、子供心にウシシとなってしまっていたこと想像に難くない・・・難くないもなにも俺自身の話じゃん。


流れ

上半身裸で功夫練習中の陳耀林。
親子がその様子を見ていたが見ていなかったか見ていたか見ていなかったか、というところでボンボンガキが登場していきなり子供虐めてうやむやと。
親子の子は陳耀林に弟子入りしたらしい。
まぁその辺で子はいきなし陳惠敏(チャーリー・チャン)というおっさんに成長しているのがもの凄く解せないのだが、まぁそれはヨシとしたくもないのだが。
「出て行け!ゲラウラヒア!」
強くなっちまった陳惠敏が気に食わないボンボンが怒ったりなんかして。
「んじゃさらばだ!」
と、陳耀林は弟子の陳惠敏を連れて武者修行の旅に出るのだった・・・???
その・・・ですな、少年からこのおっさんになるまでの描写が全く無いのでその辺のところが全く掴めるはずもない杜撰な展開はこの後も続く。だいたい母親はどこで何をしているのだ?
で、何となくまた帰ってきた陳惠敏。
なぜまた帰ってくるのだ!?
ボンボンのお屋敷は賊に襲われてる最中。
怒れ!タイガー 必殺空手拳!!


何処かの町にフラリと立ち寄った陳惠敏。
・・・って、ちょっと待ちたまい!!
さっきの物語はどうした!?さっきの物語は!?
町で武芸を披露していた一座がショバ代を要求されている。
怒れ!タイガー 必殺空手拳!!
しかも座長は袁小田(ユアン・シャオティエン)だったりすからたまらない。たまらないが何だかストレスは溜まる一方だ。
「あいつすげぇ!!」
チンピラを蹴散らす陳惠敏の技に大ファンになってしまう何処かの若者。
「使えるわ・・・」
チンピラを蹴散らす陳惠敏の技の虜になったお色気担当女優の胡錦(フー・チン)さん。

・・・やはり私ももう少し空手とか何とか一生懸命練習して強くなっておくべきだったか(僕弱いっす)。
だって強い男ってモテるんだもん。
当然だあね。かくも昔から男が強くないと家族が守れない仕様に動物はなっているんだから、本能的にも女性は強い男を求めるわね。
というわけでチェリーボーイというか実際この当時の陳惠敏って何歳だったんだ?・・・と調べてみると26歳か・・・まぁいいやとにかく都会の危うさも女の艶美も知らない彼は
胡錦の色気に騙されてSEXざんまいの日々を送った(ような感じ)。
「あいつら倒してきて」
すっかり胡錦の用心棒と化した陳惠敏は街を牛耳っていた白鷹(パイ・イン)ボスの組織に殴り込み!
でも白鷹はお留守。
俺が来たのに留守とはどういうことだぁ!!
怒れ!チェリー 必殺筆卸し!!
白鷹の居場所を聞き出すと早速そこへ。
「あっ陳惠敏さんだ!」
と早速ストーキング・ミッションな何処かの若者も。

「なんだお前は?」
全く事情の掴めない白鷹さんは突然変な奴が現れて部下を倒したこの男が意味不明。
怒れ!タイガー 必殺空手拳!!
哀れ、白鷹さん。
事情もよくわからないまま陳惠敏との戦いの末に敗れるのであった。
「すすす、すげぇ技だ・・・・」
さらに見惚れる何処かの若者。

「これで街は私のものよ!アハハハハ!」
高笑いする胡錦さん。しかしこれは三日天下。
街には早速、白鷹の仇討ちをせんがため雷慕士(トロバダー・R・ローマス)とジョン・パットンが乗り込む。
・・・そういえば泥棒に入られた志村けんさんの家はSECOMしてたんだっけ?
何のために陳惠敏してたのだ。
哀れ、胡錦さん。
2人が乗り込んできた時に陳惠敏が今度は留守。
「あいつ使えねぇ!!」
と今さら騒いでも時既に遅し。胡錦さん別の世界へ。

陳惠敏vs雷慕士、ジョン・パットン!!
本作の見所の1つである。
そのバトルはなかなかに良いぞ!
ジョン・パットンに辛勝!続いて雷慕士戦だ!!

・・・敗北!!
36系逃げるにしかず。
俺なんか今年は寒い冬だというのにまだ一度もコタツに入らず!(まじで)

「ああ、俺の陳惠敏が・・・・俺の陳惠敏が・・・・」
落胆するどこかの若者。

負けてしまってパンチドランカーな陳惠敏。
いやこいつの場合はドランカーでは無かった。
酒よりも女なのだ。
胡錦の殺人マシーンと化していた陳惠敏は今度は売春宿でSEXマシーンに。ゲロッパ!!
「お、おまえ・・・・・・」
陳惠敏がSEXマシーンなところを偶然見てしまった母ちゃん!
それよりこの母ちゃんは今までどこでなにを!?

「もう許せねぇ!!」
1人の若者が立ちあがった。
かつての英雄は女に溺れ、見る影も無い。
そんなのは街に良くねぇ!!殺してやる!!
何処の誰かもわからない若者に意味不明の理由をもって挑戦を迫られる陳惠敏。そうかつて白鷹が意味不明の若者・陳惠敏の前に倒れたあの時のように。

陳惠敏vs何処かの若者!
さぁクライマックスバトルだ!
かつて「キン肉マン」にてそのキン肉マンの参謀的役割を担っていたミートくんが一度だけリングに上がってミキサー大帝と戦ったことがあるのだが、数々の名選手の動きをその目に焼き付けていたミートくん。その目に焼き付けていただけのくせにその動きを完全再現し、見事ミキサー大帝を破るのだ!!何処かの若者もおんなじだ!!
これまで陳惠敏が披露してきた必殺技の数々を次々と封じ込める何処かの若者。しかしもって陳惠敏は百戦錬磨でそれでも付け焼刃の若者の前になかなか倒れない!
怒れ!タイガー 必殺空手拳!!
タイガーとは何処かの若者のことであったのだ!
・・・あったのか?
そんな疑問はどうでもいい!
若者の必殺技は金玉つぶし返し!!
金玉蹴られそうになったところをすかさずつぶし返し!!

あなたたちは兄弟だったのよ!!
駆けつけた母ちゃんまでが意味不明な発言!

「兄さん!チンポコ痛いかい!?」
「痛いに決まってんだろッ!・・・・・がく」


終劇




かつて・・・
かつてこれほどまでに展開を面白く書けた作品があっただろうか・・・あったかもしんない。もう余りにも一杯書いたので忘れた。
とりあえず同じくクズ映画として有名な「麒麟掌」と同じようなパターンで面白く書いてみました。

バトルシーンはスローモーションを多用したカメラワークと、単なる殴り合いに終始せずに関節技、プロレス技を持ち込むバリエーションの豊富さがあって(この辺はやはり

「燃えよドラゴン」の特にサモハン戦をヒントにしているのではないでしょうか)飽きさせない工夫が凝らされている。とても良い仕上がりだ。
それだけに文章で書けば爆笑の、実際に見れば憤怒のストーリー展開がとてつもなく頂けない。もしこれでストーリーも良いものであったら傑作になっていたのに本当に残念な作品だ。怒れ!タイガーのタイガーとは観客のことであったのか。
注目のエロシーンについては期待するほどのものはじぇんじぇんありませんでしたので読み逃がしなく。

最後にチンポコ抑えて倒れて劇終ってのが何ともはやですなぁ・・・・

■CAST&STAFF
監督 徐大川(ハーマン・シュー)
出演 陳惠敏(チャーリー・チャン)
胡錦(フー・チン)
白鷹(パイ・イン)
陳耀林
雷慕士(トロバダー・R・ローマス)
ジョン・パットン
姜南(チャン・ナン)
袁小田(ユアン・シャオティエン)
陳流
鄭麒膺
鄭雷
李家鼎(リー・カーティン)
江島
音楽 周福良
制作年度 1974


黒侠2
Black Mask2 City Of Masks
ブラックマスク2


えっと・・・これはどうしたもんかな(笑
まぁ前作をまだ観てないのでそれに関わる感想は書けないが、
毎度TV鑑賞でスマヌがどうしたもんかな(笑

まぁあの徐克(ツイ・ハーク)のやりたいことはわからんでもないが、これ私の、いや日本人の目から見ると「仮面ライダー」じゃないすか。だって、


流れ

まぁここは一つ文献に一切頼らず脳記憶だけで書いてみましょか。
悪の秘密結社はDNAを操作してスーパー人間を開発することに成功。早速これを利用して世界制覇でもしたかったか何だか。しかし開発された一人、安志杰(アンディ・オン) は脱走。これを捕まえるためにもう一人のスーパー人間が追う。そしてアンディを探しながら遺伝子博士をいっぱい殺していくような感じで。
福岡でも高名な博士が襲われていたがこれをアンディが救出・・・失敗して殺されてるんですけどね。ほんでまた逃げ出す。

どっかの都市では獣の遺伝子を注入してアニマルレスラーを作り出してプロレス興行して儲けるイベントが流行っていた。そこの悪役レスラーであるイグアナが遺伝子バグか何かで暴走。これをアンディが黒覆面被って倒す。
この妙なプロレス組織が遺伝子をいじっていることと自分に関連性を感じたか、アンディは組織に潜入するが逆に遺伝子銃を撃たれ、可愛いギャル博士に匿ってもらう。もらうが獣遺伝子入ってるので自分を見失いがち。

遺伝子アニマルレスラーとアンディを追うスーパー人間と三つ巴で超絶スーパーバトルが今始まった。

終劇




ぬーむ・・・・・・・・・
だからどうした。
これだと子供向けだからクッキリハッキリ勧善懲悪な「仮面ライダー」の方がまだ面白いような・・・

まぁあのこれ失敗ですよ、はっきり言って。
もうイグアナとかカメレオンとかカブリモノ戦闘するような映画作る時点でさぁ、
・バカ映画ならバカ映画として徹底的にやるか
・スタイリッシュをカブリモノで目指すなら予算ケチるな
どっちかですよ。
中途半端な予算で中途半端なCGとカブリモノで格好良いことやられたって格好良くありまへん。そんなもんカメラワークだけじゃいかんともし難いですよ。

「スパイダーマン」は好きじゃなかったけどあそこまで金かけりゃ一般的にはそれなりに観れるものになってますよ。逆にバカ映画一直線ならその方向に猛烈パワーをぶつければいいわけで、そういうのが得意な香港ツイ・ハークにしてみればこれはパワーの持って行き方を間違えたというか、間違えてもいいから持って行ったというような気がするな。失敗予想済みって感じがする。
アクション的にも

「ドリフト」の時に見せた迫力ワイヤーアクションはどこに行っちゃったのかな?って感じた。
そして何故にトレイシー・ローズ?

■CAST&STAFF
監督 徐克(ツイ・ハーク)
出演 安志杰(アンディ・オン)
アンドリュー・ブリニアースキー
トレイシー・ローズ
ロブ・ヴァン・ダム
トビン・ベル
ジョン・ポリト
テレサ・マリア・ヘレラ
スコット・アドキンス
タイラー・メイン
マイケル・ベイリー・スミス
尹子維(テレンス・イン)
武術指導 袁和平(ユアン・ウーピン)
脚本 ジェフ・ブラック
チャールズ・ケイン
製作 徐克(ツイ・ハーク)
向華強(チャールズ・ヒョン)
制作年度 2001


新唐山大兄
Shanghai Affairs
新ドラゴン危機一発


えっと・・・これはどうしたもんかな・・・
しかも「もんかな・・・」の後に"(笑"←が付かないと来たよ。
まぁハッキリ言ってしまえば旧功夫映画の個人的に一番嫌いなパターンの映画の焼き直し作品だ。
甄子丹(ドニー・イェン)が監督・武術指導・主演までワンマンでこなしていながらも、そしてその彼が李小龍(ブルース・リー)に迫れるポテンシャルの持ち主でありながらも、
「はっ、なにが危機一発だ」
とこき下ろしたくなるのが心情である。


流れ

留学から自分の村に帰ってきて開業した医者のドニー。
村は于榮光(ユー・ローグァン)率いるマフィア組織に立ち退きを迫られており、今日もそこのチンピラどもにボコボコにされドニーが助ける毎日。
ドニーは騒ぎを鎮めるために大病院の院長に助けを求め、たまたま院長は于榮光とも知り合いだったので騒ぎは沈下方向になったが遺恨は当然残る。さらには耳の聞こえないヒロインの朱茵(アテナ・チュウ)と恋したりなんかするのだが彼女は于榮光の妹だったりして、
「あの野郎俺の妹に!」
とますます確執深まる。

そんな折、村の子供たちが神隠しに合い、無残な死体となって発見される猟奇事件が起きる。
ドニーはここに臓器密売の裏を感じ取り捜査をするのだが、その主犯は何と知り合いの院長で于榮光と結託している大悪であったのだ。

終劇




この映画のタイトルが「新唐山大兄」だからこそ言わせてもらうが、
小学生3年か4年だったかな、あの李小龍

「ドラゴン危機一発」を観たときの幼い印象としては、
「しょぼい」
だった。ストーリー、演出、変な間がある(ような気がする)編集とカメラワークに至るまで全部しょぼく感じた。幼くてまだまだ映画免疫も漫画免疫も無かったのにそんな印象である。
しかし、全てを失い韓英傑(ハン・イェンチェ)の屋敷に決死の覚悟で乗り込んでゆく李小龍の姿はまさに画面から気合が飛び出してくるような勢いで、伝説のベニヤ板ぶち抜きシーンがある劉永(トニー・リュウ)との戦いや、ラストファイトには凄まじい感情の熱い炎を感じたものだ。
「これが新唐山大兄?はっ」
とこき下ろしたくもなるものである。
物語そのものはドニーが最後に怒りの感情を一気に爆発させるためにあるようなもので、観客は誰もがラストにおける怒りの爆発ファイトを待ち侘びる・・・この映画はそういう映画ではなかったのか。
何とまぁラストはヒロインが死んだ直接の理由が戦闘中の事故によるもので于榮光が殺したわけじゃなし、臓器密売の主犯は弱い院長、ヒロインは于榮光の妹なので于榮光に鉄拳を叩き込むどころかヒロインの骸を静かに渡している・・・
「観客はどこでドニーと一体となって鉄拳をかませばよいのだ!」
以上の流れを踏まえての于榮光とのオトシマエ的ラストファイトはむしろ蛇足にも感じるようなもので、例えば仇討ちに向けてとんでもない怒りのラストスパートをかける傑作武侠片

新片腕必殺剣」なんかと比べるとこの肩透かし感ったらない。

アクションはそのものはそりゃドニーなので十分及第点だとは思うが、これだったら徹底的にナルシズムに走って酷評を得た

ドニー・イェン COOL」の方がまだドニー的にダイレクトで好きだなぁ。この処女作の後、たった2年で

「ドラゴン危機一発'97」(未見)を撮っているのはどういうことか?それはそっちのレビューを何れお楽しみに(いつになるかわからん)。
-------------------------

以下は龍争こ門様より頂きました投稿です。
併せてお読みくださいませ。
龍争こ門様、ありがとうございました。

Res:龍争こ門 題名:秘技・十八武芸拳法は後日拝見…
投稿日 : 2006年5月14日<日>23時32分

こんばんわなるこうさん、龍争こ門です。

ところでくだんのドニー「危機一発」、なるこうさんはずいぶんご立腹のようですが、これは私はそんなに悪いとは思っていないんです。
もともと、この作品のタイトルは別にあったらしく、新唐山大兄だというタイトルはドニーが映画評論家の江戸木純さんに聞いて初めて知ったという話でがあります(改題されたのを知らなかった模様)。おそらく初監督ということもあり、いろいろあったのではないでしょうか?
キャラクターにしてもドニーとアテナは恋愛関係→于榮光にとってはドニーは敵だけど妹の病気を治してくれるから心情はフクザツ→そしてアテナ死亡から望んでいない対決へ…というふうに感じたので悪い気にはならなりませんでした。確かにこのバトル自体は蛇足ではありますけど…

Res:龍争こ門 題名:訂正です 投稿日 : 2006年5月20日<土>10時40分

なるこうさん、レビューへの転記、ありがとうございました
それと訂正です。すいません、前に私が言ってたドニーの「新唐山兄大」タイトル問題ですが、少し間違えていました。
確かにドニーはタイトルが改題されていたことを知らなかった部分は真実ですが、江戸木純さんに聞いて知ったというのは間違いで、その前に別の人から聞いてて、それで同じことをその後江戸木さんに質問された…というのが本当のいきさつでした(見た記事が江戸木さんのだったので混同していました。すいません)。
------------------------

■CAST&STAFF
監督・武術指導 甄子丹(ドニー・イェン)
執行導演 羅舜泉
出演 甄子丹(ドニー・イェン)
朱茵(アテナ・チュウ)
于榮光(ユー・ローグァン)
蒋虹
陳展鵬
甄怡石
盛長濱
文楚嫻
林耀山
李莎
譚文英
音楽 張耀新
策劃 李華(リー・ワー)
製作 陳彩燕
劉俊輝
製作総指揮 黄志明
劉俊輝
制作年度 1995
 
 
 
 
 
 







忍者大戦
空飛ぶ十字剣
荒野のドラゴン
八百羅漢
暗殺指令シャター
ヒットマン
怒れ!タイガー/必殺空手拳
ブラックマスク2
新ドラゴン危機一発
inserted by FC2 system