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黒侠
Black Mask
ブラックマスク


まぁ・・・
あの大したレビューになりませんでした、すまん。
という感じになっちゃった。
どっちにしろこのダークはあんま好みでないのね。


流れ

痛みを感じなくてごっつ強い人造人間701部隊が開発されるが、政府はこのプロジェクトを中止。隠蔽のため部隊を抹殺しようとするが、黒侠と呼ばれる人造人間の1人、李連杰(ジェット・リー)は死地から脱走し、香港の図書館員に成りすます。しかし、生き残りは彼だけではなく他の生き残り部隊も暗躍する。

香港ではヤクの密売組織が次々と抹殺されていく事件が発生。
図書館でジェットと知り合い、友人になった警部・劉青雲(ラウ・チンワン)がこの事件を担当するが、ジェットが警部を爆死の危機から救ったため、ジェットがこの事件と関連があると疑う。
事件はさらに続き、黄秋生(アンソニー・ウォン)、熊欣欣(ション・シンシン)が仕切っていた残りの密売組織も701部隊の生き残り・葉芳華(フランソワーズ・イプ)らによって潰される。警部も巻き添えを食って危ないところだったがジェットが助けたことにより、警部は彼を事件の重要人物と認識する。

701部隊は長官であったジェットを仲間に引き入れようとするがこれを拒否したため強襲。たまたま現場に居合わせた図書館員の莫文蔚(カレン・モク)と共に逃げることに。
ジェットの教え子であったフランソワーズとジェットは再会するのだが、ここにも意外な罠があった・・・


終劇




こうなんちゅうかスプラッターな表現が多いのが気持ち悪くて好かんのだが、それもこれも含めてどうも全体的に幼稚に見えてしまうんだよなー申し訳ないけど。このダークな雰囲気を好きか嫌いかそれがほとんど全てのような映画に感じる。

翻ってジェットのアクションは確かに抜群で、個人的にはそこだけが救い。
全体的なトーンが全て黒なので(ブラックマスクなので仕方ないけど)、せっかくの彼のアクションはもっと明るいところで観たいのよねぇ。
劉青雲(ラウ・チンワン)に関しては競演したこと自体に有意義さは感じるし、持ち味も作品の中にしっかりと出しているのだが、どこか何かが足りないような感じがしたのも確か。もう一歩、彼の役柄に深みを持たせたかった気がする。

■CAST&STAFF
監督 李仁港(ダニエル・リー)
出演 李連杰(ジェット・リー)
劉青雲(ラウ・チンワン)
莫文蔚(カレン・モク)
葉芳華(フランソワーズ・イプ)
龍剛(パトリック・ロン)
黄秋生(アンソニー・ウォン)
熊欣欣(ション・シンシン)
陳豪
錘景輝
駱達華
方平
劉國昌
史美儀
陳淑儀
動作導演 袁和平(ユアン・ウーピン)
武術指導 谷軒昭
林廸安
脚本 徐克(ツイ・ハーク)
許安
陳コ森(テディ・チェン)
馬偉豪
音楽 泰迪羅賓(テディ・ロビン)
策劃 陳コ森(テディ・チェン)
製作 徐克(ツイ・ハーク)
製作総指揮 向華強(チャールズ・ヒョン)
制作年度 1996


中南海保〔金票〕
The Bodyguard From Beijin
ターゲットブルー


李連杰(ジェット・リー)が当たらない・・・
よく考えてみると彼の作品で未見のもの、もしくは未レビューのものが結構多かったのでここは一つと意識的に借りたりしているのだが、どうも個人的に当たりが少ない。ファンには申し訳ないが。
そもそも彼の作品で私が好きなベスト3ってなんなのだろうと考えてみると、

「少林寺2」「阿羅漢」「フィスト・オブ・レジェンド」
ってなとこか・・・あらら、随分昔の作品が2つも入ってしまった。

「天地大乱」は日本公開当時に私に大きな衝撃を与えたことは事実だが、徐克(ツイ・ハーク)のいつもの息苦しい時代の雰囲気が個人的に好きになれず、後に続くシリーズも同旨。サモハンが撮った

「天地アメリカ」は結構好きな作品だな。娯楽に徹していて苦しくないもの。あれってどこまでがサモハン監督でどこまでが劉家榮(リュー・チャーヨン)監督なんだろうね。

「方世玉」シリーズは昔観たきりなのでまた観てからということで。後は

「英雄」も悪くない、ハリウッドでは「キス・オブ・ザ・ドラゴン」も悪くない。どの作品もそれなりなのだが、個人的にはどの作品もそれなり止まりなのだな。最新作の

「SPIRIT」でやっと「これはいい!」って思えたのだけど。

というわけで、本作も期待が思わず先走ってしまいどうだったか。


流れ

中国でSPやってたジェットが殺人事件を目撃してしまった女教師・鍾麗〔糸是〕(クリスティ・チョン)の護衛をすることになったので香港へ。
女教師クリスティというフレーズだけで「いけない!クリスティ先生」のような変体妄想をしてしまうスケベ親父な年齢に入ってきた自分はともかくとして、香港の刑事・鄭則士(ケント・チェン)と一緒に護衛をすることになったジェット、やっぱ中国の宮仕えということで堅い堅いジェットさんでありましたが、ダレダレで仕事してるケントやクリスティの爽やかお色気に参っていくのでありました・・・じゃなくて、段々と打ち解けていくのでした。
しかしもって当然クリスティを暗殺しようとしていた奴はいるわけで、ジェットはクリスティを過剰なまでに守りながら仲を深めていくわけですが・・・

終劇




・・・うーむ。
すまぬ、俺ってジェットに対して贅沢?ジャッキーに対して甘い?
なんつーか開き直れば俺って明るい映画が好きなわけですよ。
ジェットの押し黙って「むぐむぐ・・」といつもしてるところを見てるとどーもなんつーかイライラするつーかなんつーか・・・

「ザ・ワン」って映画自体は好きじゃないけどジェットが悪役善役どっちもこなしててベラベラ喋るのね。んだけどその彼の上手いのかそうでないかわからんような英会話が正直気持ち良くて、「この人、話して活きるやん」と思ったので、どーもこんな風にムグムグ状態の彼を見るとジレンマというかなんつーか・・・
ケントさんも頑張ってるし倪星(コリン・チョウ)との対決もいいかなって思うんだけど今一歩好きになれないかなぁ。
■CAST&STAFF
監督 元奎(ユン・ケイ)
出演 李連杰(ジェット・リー)
鍾麗〔糸是〕(クリスティ・チョン)
鄭則士(ケント・チェン)
倪星(コリン・チョウ)
梁榮忠
伍衛國
朱威廉
武術指導 元奎(ユン・ケイ)
元コ
脚本 陳嘉上(ゴードン・チャン)
陳健忠
音楽 胡偉立
製作 李連杰(ジェット・リー)
クレジットは李陽中
制作年度 1994


七劍
Seven Swords
セブンソード


人によっては駄作が傑作だったり、傑作が駄作だったりするし、
俺個人としても
「駄作とわかっちゃいるけど好きな作品」
ってのもある。だから面白かったのは傑作選に入れてそれでまぁ大体は問題は無いんだけど、こっちのカテゴリーはハッキリ言って選考基準がバラバラである。
・つまんなかったもの
・良かったけどどう考えても珍作なものバカ映画過ぎるもの
・面白くないことはないが、もっかい観たいと思わないもの
なので、このカテゴリーにある作品全てが全て駄目駄目だということはない。巷の評判が大変良いものに偏っていると知っていても自分の気持ちに正直にこちらのカテゴリーに入れた作品もある。
その中で本作をこのカテゴリーに入れた理由は上記の3番目にあたる。
面白くないこともないが、特にもっかい観たいと思わない
徐克(ツイ・ハーク)はある意味で素晴らしいのだが、ある意味で湧いて尽きせぬ才能の泉は涸れてしまったのかと思わざるを得ない作品だ。

大体・・・・・・

「ミッドナイト・エンジェル/暴力の掟」「蜀山奇傅・天空の剣」「皇帝密使」「北京オペラブルース」「男たちの挽歌」「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」「スウォーズマン/剣士列伝」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズ、さらに言えば「ドリフト」・・・・・・・・・・・
いつでも香港映画界の先頭をきって突っ走っていたのはあなただったではないか。それが

「天上の剣」という先駆的作品の存在もさることながら、ブームの後追いをする必要がどこにあったというのか。
いや、どこかにあるはずだ。その必要が。


流れ

清朝が発した"禁武令"により、武芸者たち更に彼らを住まわせる村々が武芸者を殺すことで金儲けする孫紅雷(スン・ホンレイ)一味の襲撃を受けて大量に殺戮される。
これに奮起した劉家良(リュー・チャーリャン)は6人の仲間を伴い"天山"に向かうとそこで各々セブンソードを授かり、彼ら7人は清朝そして孫紅雷一味に戦いを挑む。

終劇





最初に観た一言素直な感想としては
「・・・・・・普通じゃん」
だった。
これも香港で最近撮られた武侠片ですよ、と徐克映画と知らないで観たならば、
「ああ・・・まぁなかなかじゃないの」
という感じか。

ようはこれ、冒頭に言った様に
散々他の人に先を越されてるのに何故また武侠片か?
というところでその徐克が放つ"新しい何か"が正直見出せなかったのである。
何かあるはずだ。彼ならば何かあるはずだ・・・・・・・・・あれ?
私の観点や洞察が浅すぎるのだろうか。

確かに果てしなくいつもの徐克映画ではある。
まさに徐克が好む混沌とした世界、そこに息苦しく生きる人々の描き方は今までの彼の作品と同じだ。さらに黎明(レオン・ライ)や楊采女〔尼〕(チャーリー・ヤン)の新境地的な役柄、孫紅雷(スン・ホンレイ)の魅力的な悪役、白彪(パイ・ピョウ)、威冠軍(チー・クワンチュン)、王敏コ(マイケル・ウォン)、そして劉家良(リュー・チャーリャン)師父とベテラン勢の絶妙なキャスティングも素晴らしい(特に白彪が印象に残りましたね)。この辺は徐克の得意とするところである。
しかし、それ以外に何があったというのか。
そのようなものはこれまでの徐克作品にもあったではないか。
以前とどこが違う?どこが新しい?

アクション面についても同様の感触を抱いた。
トータルとしては成功しているとは言えないが画期的である徐克作品「ドリフト」で見せた九龍城でのアクション、あれは観るものをしびれさせジェットコースターに乗せてくれるような躍動感溢れるシーンだった。
「そうだよこれが徐克だよ」
と思わせるにふさわしいシーンであった。
考えてみれば数々の彼の傑作にはみんなそんなところがあるのだ。

「天地大乱」で久々にアクションシーンから受けた強い衝撃を俺は忘れていない。
本作のアクションは「ドリフト」で見せたあのアクションはどこに行ってしまったの?というようなアクションばかり。リアルに抑えていると言って劉家良師父の色が濃く出ているわけでもない。唸るようなアクションシーンだけで言うならば劉家良作品

「超酔拳」で見せた劉家良vs劉家輝の方が遥かに素晴らしい。勿論、これは俳優のアクションポテンシャルも関係してくるところであって、確かにこちらのラストのドニーvs孫紅雷だけは手に汗握る良いアクションシーンであるが、これはそれこそアクションポテンシャルが高いから。ドニーファンには迷わずオススメ出来る作品ではあるのだが、やはり腑に落ちない点が残る。
「ドリフト」で華麗なアクションを見せた伍佰(ウー・バイ)はアクションの経験豊富な俳優であったのだろうか。彼の詳細は触りだけしか知らないのでこれ以上私に言う資格は無いが、ただドニーよりもアクションポテンシャルが高いか低いかに関しては言うまでも無いだろう。

私は本作に「ドリフト」発展系+劉家良どっしり功夫の合体を想像し、それは実現不可能な気がするアクションではあるが、
「徐克ならば・・・」
という期待を持って観てしまったので、いささか残念なところである。

も一つ言うとこれ、

続片腕必殺剣」にも似てるよね。
あの敵役の頭半剃り女が意外にあっさり死んだのには驚いた。
めっちゃ目立ってたのに。
■CAST&STAFF
監督 徐克(ツイ・ハーク)
出演 黎明(レオン・ライ)
甄子丹(ドニー・イェン)
楊采女〔尼〕(チャーリー・ヤン)
孫紅雷(スン・ホンレイ)
劉家良(リュー・チャーリャン)
陸毅(ルー・イー)
金素妍(キム・ソヨン)
張静初(チャン・チンチュー)
戴立吾(タイ・リーウー)
周群達(ダンカン・チョウ)
威冠軍(チー・クワンチュン)
白彪(パイ・ピョウ)
王敏コ(マイケル・ウォン)
動作指導 劉家良(リュー・チャーリャン)
武術指導 董〔王韋〕(ツン・ワイ)
熊欣欣(ホン・ヤンヤン)
脚本 徐克(ツイ・ハーク)
張志成(チョン・チーセン)
秦天南(チュン・ティンナム)
原作 梁羽生(リャン・ユーシェン)
音楽 川井憲次
製作 張志成(チョン・チーセン)
李柱益(リー・ジョウイ)
馬中駿(マー・ジョンジュン)
潘志忠(パン・ジージョン)
製作総指揮 黄百鳴(レイモンド・ウォン)
洪鳳哲(ホン・ボンチョル)
張勇(チャン・ヨン)
制作年度 2005


少林叛徒
Rebel of Shaolin
少林寺への道 ラマ僧の復讐
少林寺への道4


何故かしら台湾功夫映画ってのはやたらと人が裏切ったり裏切られたりする展開が多い気がするというかそればっかりというか・・・特に黄家達(カーター・ウォン)が出てる見事に裏切りだらけというか全くほんとにもう。


流れ

少林寺では何者かによって少林僧そして館長が殺されるという事件発生。
解決できないまま時は経ち、何れ少林寺に軟禁されている達人張翼(チャン・イー)の俗家弟子であった黄家達(カーター・ウォン)に少林僧殺しの容疑がかけられる。無実のカーターであったが事態は悪化。朝廷から預かっていた香炉が番人を殺されて紛失。おまけにその現場にたまたまカーターがいたから容疑は決定的に(でも無実)。

カーターは取りあえず逃げ出し香炉は見つからないということで、
「朝廷にバレたら少林寺はどうなってしまうのじゃ」
って感じだがあっさりバレたりして。
「どうしてくれる!」
と江南皇帝はお怒り。妹の龍君兒(ロン・ジェンエール)もご立腹。
しかしもって、皇帝は
「この事件を機に少林寺を一気に潰せる!」
と内心は喜んでいたのであった。

カーターは少林寺からも朝廷からも追われる身。
張翼師匠に習った蘇真平(スー・ツェンピン)などの刺客を倒していくうちに、実は同門である上官靈鳳(シャンカン・リンフォン)と出会う。
上官靈鳳が少林寺に帰ってきてみると大変なことになっていたので彼女も捜査開始。しかしもって未だに真犯人は見つからない。

少林寺はどんどん様相悪化。
遂には少林寺を閉鎖し、弟子たちは皆殺しにという厳しすぎる処罰を受けることになったのだが、事件は意外なところに結末を見た。


終劇




1983年製作と言われてもカーターさんが出演している作品はイマイチこの辺が怪しいのよね。もっと古いような・・・
それはともかく、 低予算の台湾功夫映画と思えばなかなかに頑張っている作品ではある。特に台湾少林寺はその定義が余りに滅茶苦茶でこの作品で女性の上官靈鳳が少林寺出身というかなり苦しい設定がある。今更言うなって感じではありますが。アクション面についても武術指導そのものの工夫は足りないのだが、程よく功夫シーンが散りばめてあって、まぁこれも頑張っている方ではないだろうか。
ラストのバトルは笑える。

しかし「少林寺への道」でも何でもないけど。
■CAST&STAFF
監督 デビッド・リン
出演 黄家達(カーター・ウォン)
上官靈鳳(シャンカン・リンフォン)
龍君兒(ロン・ジェンエール)
張翼(チャン・イー)
江南
蘇真平(スー・ツェンピン)
制作年度 1983


龍在天涯
Dragon Fight
ドラゴンファイト


これは初監督作

「ファイナル・ファイター鉄拳英雄」がコケて、失意の(?)2年後に作られた作品でアメリカロケ。李連杰(ジェット・リー)2番目の奥様となる利智(ニナ・リー)と初対面の映画(前妻は黄秋燕)。功夫映画から現代アクション映画へと流行りは移行し、ジェットとしても暗中模索の中で撮られた作品である。


流れ

アメリカ興行にやってきた中国武術団の一員であったジェットと狄威(ディック・ウェイ)。
彼らの素晴らしい演舞に見とれたのはアメリカで働いていた中国人・周星馳(チャウ・シンチー)であった。
と思ったら狄威が彼らしいいつもの如くいつもの如き行動に出る。空港から亡命を図った狄威は警察を殺害。狄威は逃亡、巻き込まれたジェットがつかまってしまう。これをひょんなことから助け出したのが先のシンチーであった。いわゆるチャラ男ながらも気の良いシンチーに面倒を見てもらうジェット、時を経て狄威と再会するのだが彼はマフィアの一員となっていた・・・

終劇




変わった角度から見るとこれは狄威の結構ワンマンな映画とも言えなくも無い。
貧しい境遇に嫌気が差して大金を求めて悪者に転身、果ては身も心も持ち崩すという如何にも彼にピッタリな役柄を演じている。
また武術指導として彼が単独クレジットされているのは大変珍しいと思うのだが、その殺陣師ぶりは流石はショーブラ張徹からサモハンそしてジャッキーとの交流と様々な一流武術指導家の近くで仕事をしていた彼だけあってまだまだ不慣れな現代アクションをジェットがやるにおいて格闘シーンは成功している。確かに最初の演舞シーンが何よりも素敵であるのはあるのだが、クライマックスの戦いもやっぱり狄威ということでサモハンライクな肉や拳がぶつかり合うファイトは中々のものである。

利智その人には本作での魅力を余り感じなかったが、本作もう一つのポイントは勿論シンチーとの競演だろう。まだまだ新人であるはずのシンチーだがもう既にこういった役柄に対して小慣れている印象があり安心感もある。流石はシンチーと言わざるを得ない感じだ。ラストは悲惨だが。

トータルとしてはそんなに面白い作品ではないのだが、アクションは悪くないしジェット&シンチー夢の競演が果たされた作品なので観てみるのも一興かと。
■CAST&STAFF
監督 ケ衍成(ビリー・タン)
出演 李連杰(ジェット・リー)
周星馳(チャウ・シンチー)
利智(ニナ・リー)
狄威(ディック・ウェイ)
方平(ヘンリー・フォン)
武術指導 狄威(ディック・ウェイ)
脚本 阮世生(ジェームス・ユアン)
製作 方平(ヘンリー・フォン)
制作年度 1989


黄飛鴻'92之龍行天下/龍行天下
The Master
ハード・ブラッド


これと上記の「龍在天涯」が混同してたんだよなぁどちらも若き日の李連杰(ジェット・リー)アメリカロケ作品だからどっちがどっちだか。しかも、本作は「黄飛鴻」の大ヒットにあやかって後から「黄飛鴻'92之龍行天下」とタイトルを改変しているようでさらに事態がややこしかったのだ。しかしもって何でジェットはこの短期間の間に2回もアメリカロケの作品に出たんだろうな。その辺が本作が徐克(ツイ・ハーク)ものということも含めて謎が多い。


流れ

漢方屋と功夫道場をロサンゼルスで営んでいた元華(ユン・ワー)だったが早速ここに白人武闘団が来襲。得意の功夫で応戦したものの多勢に無勢だったということで元華は手負いになりながら身を隠す。
中国から師匠である元華訪ねてジェットがやって来るが家はもぬけの殻。
知り合ったチンピラ3人とともに元華師匠を捜索開始。
やがて師匠の場所を突き止めるのだがアメリカの武術会制覇を狙う白人武闘団が目をつけていたのだった・・・

終劇




まぁこれがあったから次の「ワンチャイ〜」シリーズにつながったしジェットの再ブレイクのきっかけのきっかけ作品ではあるんだけれども、どうにも合点がいかない点が多い。
まずもって徐克はジェットという稀有なアクションスターで最初に何をしようとしたのかが明白に見えてこない(製作もしているし、単なる雇われ監督的役割でもなさそうだし)。徐克ならジェットのその前の作品がアメリカロケ「龍在天涯」だったことぐらい知らないわけはないだろうし、またしても中国からジェットがアメリカにやって来るという同じような展開を敢えてしている意味も正直さっぱりだ。だってシンプルに言ってこっちの方がさらにつまらない。
なぜ同じようなアメリカロケのアクションにしたんだろう。何かこれが徐克の映画と思いたくないようなそんな作品。
■CAST&STAFF
監督・製作 徐克(ツイ・ハーク)
出演 李連杰(ジェット・リー)
元華(ユン・ワー)
郭錦恩(クリスタル・コオ)
アン・リチェッツ
ルーベン・ゴンザレス
ジェリー・トリンブル
武術指導 元華(ユン・ワー)
制作年度 1989


東方巨龍
Dragons Of The Orient
ジェット・リーの軌跡


まぁ一般的にはダマシな作品ですな。
なんつったって"ジェット・リーの軌跡"なんて邦題付けてるんだもの。向こうに騙されて日本企業が買ったものをしょうがないので日本企業が今度は消費者騙して販売したという感じですな。もしこれを李連杰(ジェット・リー)目的で購入された方がいらっしゃいましたらお察しします。ただ中には
「いや、それなりにでも楽しめたよ」
という方も稀にいらっしゃるかもしれません。
妙な話になるかもしれませんが、本作は李連杰作品の中でもかなりレアな作品で、個人的には題名は知っていたもののその内容は全く知り得なかったもので、日本企業が間違って買っちゃったなんてことが起きなければ手元まで届かなかった作品でありましょう(こちらから精一杯手を伸ばして欲しいものではないので)。
そして個人的にはこの作品、観るべきポイントが結構ある作品だったりします。


流れ

女性記者であり武術家でもある楊菁菁は"少林寺及び李連杰"をメインに功夫を取材する。
取材中に出会った李連杰の兄弟子だという王群と一緒に取材を続ける楊菁菁、反目しあうこともあった2人だが最後は意気投合し、抱き合うのであった・・・

終劇





中途半端なドラマがいりません


最初からドキュメントオンリーでいきゃあいいのに。
これじゃあ一般的には
"知らない女と男が何故か下手なドラマする"
それだけの映画で終わっちゃうし、文句言えませんよその通りだもん。

ただ楽しみ方は大いにあります。
まずは買うな。レンタルで(笑
その時の認識として
"ドキュメント 少林寺と功夫"
を観るつもりでいましょう。NHKの特集ドキュメントみたいな気持ちでいればグッド。
そうするとほうら。
オープニングから少林寺や万里の長城を俯瞰視点でたっぷりと眺めることが出来、その全容がうかがい知れてとても興味深い。その後も知らない男と女が少林寺やその他の観光名所をテクテク歩いてくれるので主に背景を見ていよう。そここそが肝だ。楽しく勉強になります。
勿論、功夫演舞の数々はとても素晴らしいものばかりですし、必殺の鷹爪壁虎功!は必見です(これはびっくり)。
・・・しかし、なぜだ!?
普通に功夫映画を観てる時には何にもならないのに、

「ドキュメント 燃えよカンフー」と同じく女性が演舞すると何で俺は萌えるのか!?(知らんわな)
そこのあなた(勿論男へ)!萌えませんか!?

さぁ。
ここまで書いておいて
「おいおいアレには触れないのか?」
と思ってる方もいらっしゃることでしょう。大丈夫。
アレとはだいたいの方が"知らない女"と答える
楊菁菁さんのことです。
以前にレビューした

スタントウーマン」は楊菁菁さんの実話が元になっている、とのことらしいのですが、その物語で楊菁菁(楊紫瓊扮する)さんは恋人と共に大陸(中国)に行くんですね。その恋人とは結局うまくいかずにまた香港へ戻ることになるのですが、本作が大陸撮影を行っていることを考えるとその辺の現実とリンクしてきそうな気がします。もしかしたら恋人と行った時に向こうで誘われて仕事したのかもしれないという推測が出来ます。
加えてその「スタントウーマン」ではスタントマンのボスであるサモハンがチンピラに襲われて入院し、楊菁菁さんが代わりに武術指導を担当するといったシーンがあるのですが、本作が「武術指導 楊菁菁」とクレジットされていることを考えるともしかしたらそっちとの事実関係があるのかもしれない、といった推測も出来るんですね。彼女が単独でクレジットされている作品は個人的には他に見たことありませんし。この辺が興味深いんですよ。

興味深いと言えば楊菁菁さん、知らない人には知らないどうでもいい女に映ってしまうでしょうが女性記者で功夫使いというカジュアルな彼女は中々珍しく、また超ミニホットパンツ姿という非常にレアなファッション(足きれい)も披露しますので変な意味で(笑 功夫映画マニアの方にも是非。

ただ王群って誰だ?
それと気功演舞は俺は嫌いだなぁ(痛そうだし)。

■CAST&STAFF
監督 石兼眞
出演 王群
楊菁菁
李連杰(ジェット・リー)
武術指導 楊菁菁
脚本 羅基石
策劃 蒋忠志
製作 劉コ宣
製作総指揮 熊兼中
制作年度 1988


蜀山傳
The Legend Of Zu
天上の剣 The Legend Of Zu


ふーむ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ふーむ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ふーむ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・感想一言・・・・・・・・・疲れた。
まぁ好きな人には良いんでしょうけど。

何をどう思おうが勝手だが個人的には本作の全編に渡るCGよりもジャッキーが帽子脱いで後ろにファッと投げて引っ掛けにちゃんと収まるシーンの方が凄く感じる。でもよーく考えてみるとこっちのCGの方が凄いのだろう。その映像を作り出すにはまず監督の創造力が必要なわけで、それを具現化する苦労を考えたとき、1アイデアに過ぎない帽子の件は軽く吹っ飛ばされるはずだ、本当は。でも俺の中では吹っ飛ばされない。やはり映像として帽子一つのアクションにこの映画は負ける。

今回展開そのものはご自身の目で見て頂くとして、どうだろうこれ。
本作は徐克(ツイ・ハーク)自身の作品

「蜀山奇傳 天空の剣」のリメイクである。遂にリメイクするネタが無くなって自分の作品のリメイクしましたか(笑
だけどさぁ・・・自分の作品のリメイク作って自分の元ネタに負けてる気がするのはどうにもこうにもどうなんだろう?

それは比べてみれば明らかで、
一言で言って「蜀山奇傳 天空の剣」は小ネタのたくさんたくさんある映画、冒頭の「水路か?陸路か?」ってくだりから敵軍のサモハンとの出会い、師匠・ 鄭少秋(アダム・チェン)との出会い、親睦。ライバル関係にある 劉松仁(ダミアン・ラウ)、 孟海(マン・ホイ)と出会って仲を深めながら奇妙キテレツ様々な妖怪どもと戦って見目麗しき林青霞(ブリジット・リン)や李賽鳳(ムーン・リー)とジャレあって師匠は魔王に憑り依かれ、様々なことを乗り越えながら元彪くんは最後は翁倩玉(ジュディ・ウォング)やサモハン(白眉老師)のアシストを得てこの世に平和をもたらすといった展開は見ていて飽きることが無く、確かに如何にも'80年代ムービーで現代のテイストにはマッチしないかもしれないが、そのアイデア溢れる画作りは素晴らしいものがあった。
こうして書くだけで十分ではあるが、本作の皆様出てくるキャラクターが大言壮語にご立派な台詞を言う割には物語が全然進行していないような、つまりはCGがグルグルグルグル回ってるだけで何もコトが動いていないわけですな。エピソードが余りに少ないわけです。

魔王が復活した。主役の面々が力を合わせてこれを倒した。よかったね。
物語の幹がこれだけなのが問題ではなく、そこから伸びる枝葉が少なすぎるのが問題なのだ。伸びている枝葉はCGだけ。つまりはCGシーンが好きじゃなかったらもうそれでこの映画はおしまいなのだ。元ネタと本当に同じ監督か?と思うよ。
個人的にはそのCGシーンがTVゲームの間に流れるストーリームービーのような印象を受けた。思わずスタートボタン押して飛ばしたくなったのが正直なところ。

うぬ。
オススメシーンは大陸出身同士の対決、呉京(ウー・ジン)vs章子怡(チャン・ツィイー)これだけか。これもやたらダブル使ってる気がするけど。張柏芝(セシリア・チャン)にしても以前の林青霞が演じた役柄の方をもっと見たかった。

徐克はもうだめか?
完全に俺とはズレてきてる。
■CAST&STAFF
監督・製作 徐克(ツイ・ハーク)
出演 鄭伊健(イーキン・チェン)
張柏芝(セシリア・チャン)
古天樂(ルイス・クー)
呉京(ウー・ジン)
章子怡(チャン・ツィイー)
洪金寶(サモ・ハン・キンポー)
動作指導 袁和平(ユアン・ウーピン)
脚本 徐克(ツイ・ハーク)
製作総指揮 向華強(チャールズ・ヒョン)
制作年度 2001


東京攻略
Tokyo Raiders
東京攻略


何かついにやることやっちゃいましたか。
って感じの作品。
日本ロケにして日本の俳優を一杯使った香港映画、とくれば大抵オシャレ系の映画になるようなもんで、

恋戦。OKINAWA」みたいな映画が完成する。そこをほとんど日本ロケなのに、完全な功夫アクション映画にしてもうた珍しいタイプの作品がこれ。いったいどうしたいのか何が表現されようがどうでもいいのかのようなカテゴライズ無視の作風が如何にも無国籍香港アクションである。


流れ

ラスベガスで挙式予定だった陳慧琳(ケリー・チャン)だが新郎・仲村トオルは失踪。追って日本へ。
東京新宿では探偵の梁朝偉(トニー・レオン)がヤクザボス・阿部寛の依頼により行方不明の仲村トオルをこちらも同じく追っていた。
日本に着いた陳慧琳、仲村のオフィスに向かうとそこには鄭伊健(イーキン・チェン)が新居建設費の取立てにやって来る。
「なんで私が払わなきゃいけないのよ」
ってことで、2人して仲村を探すことになるのだがここに敵襲来。
得意の功夫で応戦する鄭伊健であったが多勢に無勢、すんでのところで謎の女・遠藤久美子が助けてくれる。
遠藤は梁朝偉の助手で2人は彼も仲村を追っている事を知ると3人で仲村捜索開始。この何だか半分お気楽なトリオが事件の真相に迫っていくのだが、はっきり言ってやはりは中国人そしてこれは香港映画、意外な裏切りやどんでん返しが彼らを待ち受ける・・・

終劇




発想は面白い。
俺なんかよく考える。ジャッキー好きなら皆考える。
日本ロケのバリバリ功夫映画。
その点ではクリアしていると言っていいというかやり過ぎなくらいにこれはもう完全な立派な功夫映画、功夫職人と言えるような俳優が全然出てないのにバリバリの功夫映画である。
単に監督の夢だったのか知らないが何故こんな映画を作ったかようわからん。
どうしたいのかさっぱりわからん。
アクションコメディと言ってしまえばそれまでだが、アクション演出という点では明らかに陳木勝(ベニー・チャン)や唐李禮(スタンリー・トン)の方が上手で彼らに本作を任せていたらもっと良いのが出来たな(特にカーアクションなんか)と残念なところがある。ついでにこの1人がバリバリのコメディやってて1人はシリアスしてたり、1人は007やってたり、日本ロケなのに音楽が何故かサンバだったりするゴチャゴチャの雰囲気も統一してくれたのではないかと期待するのだが。余りに出来た画がバラバラで何を見せたいのか全く伝わってこない。一つのキャンバスに抽象画と写実画とモザイクを散りばめたような印象を受けた。
おまけに功夫職人が出てないということの影響か、アクション時のカメラワークがうるさすぎてこれはスタイリッシュではなくて単に見難い。


その辺のむちゃくちゃぶりが突っ込みどころ満載で全くつまらないというわけではない、というのが本作の可愛らしいところ。
何せのっけから梁朝偉が日本語で
「やだ」
と可愛く言って、その後も陳慧琳と一緒に可愛らしいカタコト日本語を連発したかと思えばやっと日本人・遠藤久美子が登場したのに
「しっかりつかまってておってくる」
コイツが何故カタコトなんだー!?と大根芝居レベルを遥かに下回り、最早完全棒読みの芝居を突き通すわけのわからないエンクミ が場を盛り下げ(ある意味盛り上げ)、正直今回の仲村くんは大根に見えるし逆に阿部ちゃんは良い芝居をしてこんだけカタコト中国人、セリフ棒読みアイドル、ブツブツセリフのビーバップ となっちゃえば阿部ちゃん1人浮いてしまうのは当たり前のこと。
張柏芝(セシリア・チャン)は終盤になって華麗に登場してそりゃあ格好良いし可愛いのだが(ところでご結婚おめでとうございます)、役柄を考えると前半からいないとおかしいんだけどまぁいいか。
ブレイク前の柴咲コウが笑えるほどしょぼい役で出演してるのも今となってはイカス(いかさんいかさん)。

ついでに個人的には以前自分の巷であった新宿ロケは嬉しい。
知事の許可も得て、都庁でのアクションもやってくれたらよかったのになぁ・・・
■CAST&STAFF
監督 馬楚成(ジングル・マ)
出演 梁朝偉(トニー・レオン)
鄭伊健(イーキン・チェン)
陳慧琳(ケリー・チャン)
張柏芝(セシリア・チャン)
阿部寛
仲村トオル
遠藤久美子
小沢真珠
森山祐子
白川南
任葆琳
大和武士
柴咲コウ
動作指導 薛春〔火韋〕
脚本 陳淑賢(スーザン・チャン)
荘文強(フェリックス・チョン)
音楽 金培達(ピーター・カム)
製作 陳〔金易〕康
荘麗真
製作総指揮 鄒文懐(レイモンド・チョウ)
制作年度 2000


亂世英雄亂世情
The Brave and the Coward
天魔の剣〜むかし、むかし、中国で〜


なんちゅうか・・・
俺もこれをレビューしますか(笑
日本でビデオ化されて発売されたのだが、その埋没度は計り知れない。かなーり注目されてない作品やな。かといってレア度が高いというのも変やろうな。レアって需要と供給があって初めて成立するやろうし、これは単になんちゅうか、皆さんご存知?


流れ

はっきり言ってタイトルそのままだ。
ほんまにむかーしむかしの中国・・・・・・とは言っても日本と違って向こうは歴史が深いかならなぁ始皇帝なんか紀元前259年からだって。流石は3千年とも4千年とも言われる歴史とは深さが違う。
んで、魔王復活気味。
これは困った。
ということでその魔王を封じ込めるための"天魔の剣"ってのがあったのだが、これを守っていた道士さんたちは黒騎士軍団に襲われてチリジリに。たまたま"天魔の剣"を手にしたのが素浪人(この当時だと単なる原始人?)の戚風で、天魔の剣と共に狙われていたヒロイン・張艶麗とともに奇妙な旅が始まる。
早速黒騎士軍団が2人を襲撃。
その結果、戚風も黒騎士の首領も共に毒ガエルの毒に当たってしまいダウン。
戚風は"天魔の剣"と慣わし深い村に匿われる。

首領の手下であった悪役側のヒロイン(たぶん哈少姚)は"天魔の剣"どうこうよりも実は首領にラブラブで首領が心配。そんなことはお構いなしに毒から復活した首領は早速村を襲う。

最初は
「なんでこんなことに」
と巻き込まれた自分の運命を嘆いていたが、張艶麗に恋しちゃったりなんかして遂には最後まで戦う覚悟を決める。

かくしてここに村の一同vs黒騎士軍団の"天魔の剣"戦争が始まった・・・


終劇





まず設定が珍しいんだよね。時代劇と表しては古すぎる時代を扱っていて、そこまで遡られると当時を再現してるのかどうかももうさっぱりわからん。
その辺かもしくは制作費か政府による制限が影響したのか、大陸ロケという割にはその効果が余り芳しくなく、山谷の中でのロケが多いため雄大な景色があんまり出てないのが残念なところ。アクション面においては逆に
「この頃、功夫なんてあったのか?」
っていうのもあるし、まぁこのぐらいのもんでよろしいのかもしれぬ。
まぁやっぱりポイントと言えばヒロイン・張艶麗になっちゃうか。
衣装が原始人スタイルという

北京原人の逆襲」のエブリンさんのような(あそこまでは露出度高くありませんが)セクシーな格好でとても頑張ってくれる。ラブラブショーな古臭い演出も今となってはアレだが彼女のその後も気になるところ。なんつったって大陸の俳優を使ったんでしょうが、知ってる人が1人もいないべ。

監督が何故か劉松仁(ダミアン・ラウ)なのが何となくおもろい。


■CAST&STAFF
監督 劉松仁(ダミアン・ラウ)
黄宗基
出演 張艶麗
戚風
萬〔王京〕
哈少姚
梁玉瑾
萬潔
崔岱
周コ華
彭友鵬
汪心鏡
巌兵
馬志富
脚本 朱岩
音楽 趙文海
策劃 江漢
製作 劉芳
製作総指揮 廖一原
制作年度 1985


糊塗妙賊小神偸
The Pickpocket Kid
キー・ホイ・クァンのドロボーズ


もうそろそろ知らない人が増えてきたのではなかろうか。
関継威(キー・ホイクァン)である。
ちなみに名前に頭に"ジョナサン"キー・ホイクァンと付けるのが乙。
1984年に大ヒット作

「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」で13歳にしてハリソン・フォード扮するインディ博士の相棒役、ショート・ラウンドを演じて世界中に名を知られることになり、その余韻覚めやらぬ'85年にこちらも大ヒット作「グーニーズ」でも主演メンバーの一人を務めて彼の印象を決定付ける。日本でもファンクラブが発足したそうだが一般的に言えばその後の活躍は尻すぼみに見えてしまうのが正直なところだろう。
実際には習得していた功夫を活かして当HPでもレビューしている彼の功夫映画主演作「炎のマーシャルアーツ」なんてのもあり、その後は確か製作側に回ったとか何とか・・だったと思う。

本作は当時まだまだ人気の高かったころに台湾で主演した作品で、'80年代独特の呑気で陽気なアクションコメディ。
私と同世代の方なら、
「ああ、その作品なら知ってるけど観てない」
という方が大勢いらっしゃるのではないか。ビデオデッキ創世記の時代だからまだまだ出ているソフトというのもそんなにバリエーションは無かったでしょう。そしてジョナサンのファンでも無い限りは手を出す人も少なかったのではなかろうか。私は手を出さなかった一人である。

ところがですね。
この前レンタル屋で何となく手にとってパッケージの裏面を見たんですよ。
そういえば見たことが無くて。
んで見ると、

「お・・・」

・・・って、まさかそれだけで観ようと思ったわけではありません。
それではサル同然です。
というわけで、再び元の棚に返そうとしたのですが、

「・・・・お!?」

こここ、これはよく見てびっくり!
このエッチぃな格好しているお姉さんは夏文汐(パット・ハー)だった!

「五福星」にちょろっと出演している彼女を見た時は何の印象も無かったのですが、元彪(ユン・ピョウ)と彼女主演の傑作ハードボイルドアクション「オン・ザ・ラン 非情の罠」で見た時はグッと来ましたね。好きになりましたね。グッと来ましたね。好きになりましたね。と2回言ってみる思い入れの深さ。

というわけで、即レンタル・・・・やっぱサル?
だいたいジョナサンのことを多く語っておきながら観た動機が夏文汐様だったりして。


流れ


"ドロボーズ"の邦題通り、コソ泥少年のジョナサンは今日もコソ泥、というかスリ(英語題はピックポケットキッドですもん)。いきなり最初からポリとおっかけっこ。ここでビルの屋上からパラソルで飛び降りるスタントなんかあったりして中々楽しませてくれます。
そして我らが香港アイドル・夏文汐様は要はプチ峰不二子。
今日も
「お・・・」
こんな格好で小金持ちを誘って裸にしてシャワーに入れたところを、財布持って逃走の泥棒を繰り返しておりました。
このシーンでのパンツ一丁で暴れる夏文汐様の豪快さが素敵。

そしてもう一人は自称"強盗"の廖峻(リョウ・チュン)。
・・・知らない台湾の俳優さんですが、この人が強盗を画策してはドジを繰り返して前2人より一番悪いことしようとしているのに一番儲かっていないダメ男だったりします。

ひょんなことから知り合った3人はお互い泥棒稼業ということで"ドロボーズ"結成。小悪を繰り返してセコセコ稼いでおりましたが、いつしか貧乏でつぶされそうな孤児院の仲間たち知り合います。
この孤児院、実は立ち退きを迫られておりドロボーズは
「たまには良いことするか」
と奮起。立ち退きを迫っていた社長が廖峻とウリ二つ(二役)だったことからこれを利用して逆に大金をもぎ取ってやろうと作戦を練るのですが・・・


終劇





そういえば同じく台湾アクションコメディの「ゴーストパワーを持つ少女」なんかはコメディなのに妙な残酷描写があったりして違和感があったりもしたのだが、本作は血も出ない楽しくもバカバカしいコメディである。
期待していない通りに夏文汐様のお色気シーンはそんなにあるわけではないが前述のパンツ一丁のシーンはなかなか衝撃的。

それにしてもこの時のジョナサンの顔は少年なのに老け顔とも言えるような感じだなぁ。「炎のマーシャルアーツ」の青年ジョナサンの方が若々しく見えるぐらいに。

ちなみに武術指導は林萬掌。
何気に

「ドラゴン特攻隊」「炎の大捜査線」そして「カンフーキッド」等、彼が武術指導をしている作品は多い。

まぁジョナサンか夏文汐、どちらかが好きなら観てもいいかなぐらいの作品ではあるが。

■CAST&STAFF
監督 林昌時(リン・チャンシャー)
出演 関継威(キー・ホイクァン)
夏文汐(パット・ハー)
廖峻(リョウ・チュン)
李昆(リー・クン)
呂盈瑩
陸一龍
張順興
丁國勝
魏平澳(ウェイ・ピンアウ)
蔡閨
洪彩菱
文英
薛漢(シュエ・ハン)
武術指導 林萬掌
脚本 姚慶康(ヤオ・チンカン)
音楽 紀明陽(ジェ・ミンカン)
製作 陳コ維
製作総指揮 胡漢鈴(フランク・フー)
制作年度 1986
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 







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セブンソード
少林寺への道 ラマ僧の復讐
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天魔の剣〜むかし、むかし、中国で〜
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