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■ほい三兄弟(ほんとは四兄弟)2  

で、こっちは許冠傑特集とかです

最佳拍档
Aces Go Places
悪漢探偵



エースシリーズとなる記念すべき第一作。
香港現代アクション・コメディのお手本。
他の項目でも何回か記述しちゃってるような気がするが、

ジャッキーが「師弟出馬/ヤング・マスター」の後 “脱・功夫映画宣言” をして、その後出てきたのは「ドラゴンロード」「プロジェクトA」と 「でも、クンフーしてるじゃないすか」 とモタモタしてる間に、
“脱・功夫映画宣言”映画の見本のように出てきたのが本作。

「香港アクション映画のテンポがよくて泥臭くて怪しくて」
「ハリウッド映画の派手さスマートさスケールの大きさ」
両方の良いところがバッチリ噛み合った
素晴らしい作品だと思います。
007やらスパイ大作戦やらピンク・パンサーやら海外での人気アクション・シリーズのいいとこ一杯もぎ取ってますね。メインテーマから007アレンジだし。

で、なかなか香港の特にアクション映画に出来ていないことなんだが、
「キャラクターが立ってる」 これがバッチリです。
真ん中は陳星
泥棒で女好きだけど決定的な悪ではないキングコング(許冠傑)。
はっきり言って真面目な時が片時もない刑事コチャック(麥嘉)。

まだまだ若くて可愛らしい
男勝りの女刑事、でも稀に女性的なハ・タン刑事(張艾嘉)。
この3人がガヤガヤやってるだけで、もう楽しかったです。


吊るされてるのは石天さん
ゲスト出演なのに、こんな酷い扱いの石天さん。しかもこれ作ったシネマシティの当時副社長。ま、社長も頑張っているからね。

この作品もTV放映時には「声優さん頑張ってるなぁ〜」って印象を受けました。
麥嘉はベテランの大塚周夫さん。悪役善役つぶれ役でも何でもあり。
サミュエルは井上和彦さん。美味しんぼの山岡司郎と言えばわかりますか。
そして張艾嘉は何と研ナオコさんです。これがピッタシ。
この声優トリオが「悪漢探偵」「皇帝密使」のどうやら2つだけというのは残念ですが。字幕版でも別に広川さんじゃありませんから、充分楽しいですけどね。

しっかしこれを撮ったのが「大福星」のチビ(曾志偉)なんですから、 何度も言ってるけどすんごいよなぁ〜
まぁこれ制作してる麥嘉自体がハリウッド育ちのインテリ社長だし、張艾嘉は監督として確かな手腕で現在も大活躍だし、ゲスト出演の石天さんは言わずもがな・・・あれ?

このラジコンvs自動車対決も当時は新鮮だったなぁ・・・
なんとなく傑作の雰囲気がぷんぷんしてます。

このジャンプも凄かった・・・
超おすすめ。

日本劇場公開当時、ボードゲーム「悪漢探偵」が日本で発売されてるご存じの方いらっしゃるだろうか? でも堂々とおもちゃ屋さんで売ってました。さすがに強請れませんでしたけど。誰か持ってる方、どんなゲームだったか教えて下さい(いないか?)。

■CAST&STAFF
監督 曾志偉(エリック・ツァン)
出演 許冠傑(サミュエル・ホイ)
麥嘉(カール・マック)
張艾嘉(シルビア・チャン)
石天(ディーン・セキ)
陳星(チン・セイ)
古嘉露
陳令智
徐克(ツイ・ハーク)
曹達華(チョウ・ダッワー)
金彪
何柏光
杜少明
黄百鳴(レイモンド・ウォン)
林子祥(ジョージ・ラム)
韓國財(ハン・クォ・ツァイ)
武術指導 程小東(チン・シュウトン)
劉志豪
胡志龍
脚本 馮永
黄百鳴(レイモンド・ウォン)
音楽 泰廸羅賓(テディ・ロビン)
主題曲 「最佳拍〔木當〕」許冠傑(サミュエル・ホイ)
製作 麥嘉(カール・マック)
石天(ディーン・セキ)
制作年度 1982


最佳拍档 大顯神通
Aces Go PlacesU
悪漢探偵2



当然のように作られた第二弾。
こちらもその年の興行収入No.1を取った。しかし、当初の「悪漢探偵」が当たらなかったこともあってか、はたまた「第二弾の出来が悪い」と配給会社が判断したのか日本での劇場公開はされていない。
ほんでもって、長らくの間私自身がビデオ化されていた事を知らず、知った時には既にレンタル屋に並んでなくて見ることが出来なかった。
「皇帝密使」のオープニングに本作と「悪漢探偵」のハイライトが使われていて 「おお、2も面白そうだ!」 と期待していたのだが、その出来は如何に?

やっぱ面白いよ
個人的な面白さ順番で言えば、
悪漢探偵>皇帝密使>悪漢探偵2=スペクターX 新最佳拍档?
な感じで。
「新最佳拍档」は未見だが劉家良監督なので絶対クンフーもんになってると思われ。「最佳拍档之酔街拍档」なんてのもあるが、こちらは譚詠麟主演で こっちの主演トリオは誰一人出ていないので除外。

なんつーかなー この辺の表現力が俺に無いんだけんども、

「悪漢探偵」はさー 「プロジェクトA」と同じように
始まったらいきなり名作の雰囲気が漂ってる」 って感じがするのよねー。
"名作の香り"というかなんちゅーか。
これ自体やっぱり意図して出来るもんじゃない。ウチのおかんが

「奇蹟/ミラクル」を鑑賞中に
「これは名作だ・・・」
といきなり断言したりして、俺としては
「そう言われればそのような感じもあるけど・・・」
と"名作の香り"をイマイチ感じ取れなかったりもして、その辺ももちろん十人十色だし。

で、続編のコレとしては"名作の残り香"っていうかな。
同じ監督なんだから当たり前なんだけど。香りが残ってるのよね。
それで救われてる部分は確かにある。

■冒頭

音楽聞けば誰だってわかるように「007」のパロディが始まりだから冒頭も自ずと準える。
シリーズ全部通してオープニングアクションのテンポが良いんだよね〜
ベストは「皇帝密使」。
女に襲われてエッフェル塔でジョーズ男と戦って川に落下してそのままジョーズ潜水艦に追われて・・・ 本作はどうか。


ロボットに襲われて逃げてバイクで逃げて大ジャンプ!
・・・ いや結構面白いんだけど前作と似てるのはちょと頂けない。

■結婚

いやーこれがね。
ちょい残念ちゅうかなんちゅうか。冒頭でサミュホイがタキシード着て逃げてるから 「なんでかな?」 と思ったら、

麥嘉&張艾嘉の結婚式だったのね。
うむむ。結婚式は話の最後に来ると思ってた・・・
確かに馴れ初めは前作で表現しちゃってるので、不必要と言えばそうなんだが 「プロポーズ」 って面倒臭そうなシチュエーションを頑張って作って欲しかったな〜 なんつったって麥嘉&張艾嘉コンビは「出会っていきなりおしどり」だからね〜 どんな風にプロポーズまで流れていくのか、とても楽しみだったんだけど・・・

■倉田さん

要は前作の陳星のポジションなのよね。この辺、
「旧クンフースターも登場させたい」
という監督の気持ちでもあったのだろうか。それとも
クンフーじゃない新しい演技の場を提供した
と言うべきか。正にこのシリーズ自体が香港映画の「脱・クンフー映画」を決定的にしたわけで、深く考えるとクンフーをしない陳星、倉田さんらがこの映画・時代を象徴しているのかも知れない。

で、当の倉田さんはというとスーツでバッチシ決めてクールに格好良い・・・ とは思わなくもないが物足りない。陳星なんかはアクション無くても良かったのだが。この辺、実に難しい。アクションスター→演技派ってのも大変かも。 あんまり見せ場は無かったなぁ・・・

貴重かもしんないツーショット

関係ないけど真っ二つで走る車が凄い

■徐克


そんな倉田さんに比べてえらく目立ってるのがこの人。
ぴーぽーぴーぽーぴーぽーぴーぽーぴーぽーぴーぽー・・・
大体、「なんでこの映画に出てるんだろう?」って事もあるのに
この吹っ切れ快活な爆笑演技は何!?
物語の節目に登場して実は結構重要な役目を仰せ・・・でもないけど。ただ、彼がいるのといないのとでは映画の明るさも随分違うと思う。
拍手!

■浮気


ハゲー!後ろー!!
いやいや、別に麥嘉が浮気した事なんてシリーズ通して無いのですが(もてないよ)、今回もサミュホイにしてやられてこんな図になっちゃってます。今見ると、怒りを沸々と煮えたぎらせている張艾嘉のくるくる変わる表情が可愛らしいのよね。この後は無関係な李家鼎一行とのバトルに。(武術指導 劉家榮はここだけ担当したのか?)麥嘉は嫁はんにそのバットで打たれてスープに顔突っ込んで溺死一歩手前に。ちなみに麥嘉さんの頭が先天的なものであれば、先に謝っておきます。ごめんなさい。

■ヤッターマン

前作のラジコン対決から今度は何するか?

やっぱり冒頭のロボロボ対決第二弾に。そりゃそうだよな。

麥嘉&サミュホイは倉田さんに爆弾装着させられて戦わせられることに。
爆弾装着だってよ、ジャッキー。それにしてもさー
俺ガンダム全然知りません
俺の世代で知らないなんて「有り得ない」らしいんですけどね。「北斗の拳」見てないのと同じぐらい有り得ないらしいのですが、全然見てません。ロボットに興味無いのよね、昔から。超合金とか言われてもトキメキません。成人してから「エヴァンゲリオン」とか観たりしたけど、やっぱだめ。話如何よりロボロボが戦ってるシーンで眠くなるの。肉じゃないと萌えない。
本作についても同じことが当てはまるのがちょと不運かな〜
展開はかなり「ヤッターマン」なので、ロボット好きにこのシーンがどう映ったのか興味あるところ。

■ラストは


麥嘉&張艾嘉でちょっぴりしんみり。
前作は麥嘉&サミュホイ。

それよりも徐克と曹達華御大で強引に幕を閉じてった展開には爆笑しました。

■かぶる

十分面白いんだけど、前作とかぶるパターンが多いのよね。
陳星が倉田さんに、白手袋が黒手袋に。この映画ならではが"ロボット"だけだとしたらそれはキツイ。ちょっとネタ切れの感が・・・
曾志偉が本作限りで監督を降りてしまってるのもその象徴ではないかな。

■CAST&STAFF
監督 曾志偉(エリック・ツァン)
出演 許冠傑(サミュエル・ホイ)
麥嘉(カール・マック)
張艾嘉(シルビア・チャン)
倉田保昭
徐克(ツイ・ハーク)
汪庭歓
祖袖文
曹査理
葉夏利
グレン・トムソン
域陀布烈
曾志偉(エリック・ツァン)
黄百鳴(レイモンド・ウォン)
韓國財(ハン・クォ・ツァイ)
曹達華(チョウ・ダッワー)
李家鼎(リー・カーティン)
施明
陳立品
關雪麗
ケ孟霞
李劍川
凍敬文
萬文袖
呉殷智
西瓜〔包リ〕
劉良發
慮賢
泰山
櫻南光(ビリー・ロー)
ケート・ジェームス
ロバート・シンパー
武術指導 劉家榮(リュー・チャー・ヨン)
製作・脚本 黄百鳴(レイモンド・ウォン)
音楽 泰廸羅賓(テディ・ロビン)
夏安達
韋摩頓
製作総指揮 麥嘉(カール・マック)
石天(ディーン・セキ)
制作年度 1983

最佳拍档之3女皇密令
Aces Go PlacesV: Our Man From Bond Street
皇帝密使



本作では監督が徐克にバトンタッチ。
徐克のやりたい放題かと思ったけど、作品のテイストは失われず、エースシリーズ・ワールドをちゃんと継承しています。徐克自体はこの作品、あまり好みではないようですが、俺的に彼の代表作です。

ところで、コチャック刑事とハ・タン刑事。
第一作でちょっと恋人気分(この辺の演出もよかったなぁ〜)。
第二作で結婚!
本作でガキ誕生と関係が進化しております。

おしどりになってる二人

冒頭、ハイライト見せてからエッフェル塔でのリチャード・キールとの格闘、 飛び降りて河に飛び込み、潜水艦に吸い込まれるまでの演出テンポが素晴らしい。 一気に映画に引き込まれます。
ぐいぐいどきどきのアクションの合間に、早速やってる新婚夫婦の掛け合い漫才が笑いの良い清涼剤に。ガキも早速、笑わしてくれます。
スパイ大作戦の本家ピーター・グレイブスや、ジョーズのリチャード・キール、 サンダー杉山(ハロルド坂田の真似で)や、007のショーン・コネリー(ニセ)、 果てはレーガン大統領(ニセ)まで登場してサービス満点です。
ただし、ここがエースシリーズの面白さ頂点かなぁ・・・

■CAST&STAFF
監督 徐克(ツイ・ハーク)
出演 許冠傑(サミュエル・ホイ)
麥嘉(カール・マック)
張艾嘉(シルビア・チャン)
ピーター・グレイブス
許冠英(リッキー・ホイ)
リチャード・キール
王嘉明(ウォン・カ・ミン)
サンダー杉山
盧冠廷(ローウェル・ロー)
脚本 黄百鳴(レイモンド・ウォン)
音楽 許冠傑(サミュエル・ホイ)
制作年度 1984

最佳拍档4千里救差婆
Aces Go PlacesW
スペクターX



スケールは大きくなった感もないこともないこともないぐらいだが、冒頭からすぐにストーリーが読めてしまう事と、それをやっぱり裏切らなかった事、嫁さんの張艾嘉が誘拐されてしまうために、その辺の掛け合いが楽しめなかった事、最後のアクションがジャッキー・サモハン映画とかぶる事と、アイデア・勢いともに失墜せざるおえない第四作ではある。
ただまぁ、これよりつまんない香港アクション映画も腐るほどあるわけで、その中で言えば充分面白い出来だとは言える。

お馴染みのカーアクション

社長さんも命懸けスタント敢行!
というか何で監督が林嶺東なの?って感じもするが (撮ってた映画のタッチが違うだろ)。
張艾嘉が普通の美人奥さんに成り下がってる感が嫌だった。 彼女だったら悪漢が来たところで蹴倒すぐらいの強さがないとちょっとイメージが・・・

元祖・黄飛鴻も出てます

こんな人も出てます

これは当時、譚詠麟の「魔界天使」とともに日本上映され、皆さんも来日されて結構な盛り上がりを見せた。コケたけど。

■CAST&STAFF
監督 林嶺東(リンゴ・ラム)
出演 許冠傑(サミュエル・ホイ)
麥嘉(カール・マック)
張艾嘉(シルビア・チャン)
葉 [イ菁]文(サリー・イップ)
喬宏(ロイ・チャオ)
關徳興(クワン・ダッ・ヒン)
王嘉明(ウォン・カ・ミン)
石堅(シー・キェン)
曹達華(チョウ・ダッワー)
馮敬文
動作導演 朱繼生
脚本 林嶺東(リンゴ・ラム)
麥嘉(カール・マック)
音楽 盧東尼
製作 麥嘉(カール・マック)
石天(ディーン・セキ)
黄百鳴(レイモンド・ウォン)
制作年度 1986


鬼馬狂想曲
Fantasia
新世紀Mr.Boo!ホイさまカミさまホトケさま


日本でもいつか、「男はつらいよ」をリメイクするような動きは出てくるのであろうか。その時は一体誰が寅さんをやるのだろう。

本作は・・・
まぁ言わずもがなだが許冠文(マイケル・ホイ)の傑作コメディを隅々までリメイクしたパロディで、そのマイケル役を演じるのは劉青雲(ラウ・チンワン)、サミュエルは古天樂(ルイス・クー)、リッキーを陳小春(チャン・シウチョン)が演じている。
実際のこのホイ兄弟は実に興味深い人物たちで、何故3人してこうもハッキリクッキリとキャラクターが分かれて出来上がっているのだろうと不思議になる。
ドケチでインテリな長男マイケルと、
いつも頼りなさそうな三男リッキー、
二枚目モテモテの末っ子サミュエル。
ピンで其々ヒット作を持っている彼らではあるが、集まることでよりそのキャラクターの魅力を考え直すことだろう。

「マイケルの真似なんか出来るわきゃない」
正直、タカをくくって鑑賞した本作であるがはてさて。


流れ

探偵社を経営する・・・
って、流れを説明する必要があるのだろうか?
まぁいいか。
経営するマイケルと社員のサミュエルとリッキー。
美術館(?)の警備をしていたが早速油断してコソ泥に入られてひと悶着。
悶着してる間に美術品と次々と壊して二人とも70歳まで弁償働きというわけで。

事務所に戻ってくすねてきた古ぼけたランプをリッキーがこすってるところで、リッキーの従姉妹の鍾麗〔糸是〕(クリスティ・チョン)がアメリカで発狂したことを知り、彼女に惚れているリッキーは貯金箱持って渡米。
その後、古ぼけたランプから劣等性魔女の張柏芝(セシリア・チャン)が飛び出してきて願いを叶えるというが、マイケルらは彼女を頭の発狂したリッキーの従姉妹と勘違いして追い出してしまう。
追い出されたセシリアは呉鎮宇(フランシス・ン)率いる追い剥ぎ団に襲われて妹のお箸を奪われてしまう。
悪人に舐められると悪人に、善人に舐められると善人になってしまうお箸はフランシスに舐められてしまったために悪人の蔡卓妍(シャーリーン・チョイ)、鍾欣桐(ジリアン・チョン)に変身。
妹も行方不明になって、ご主人も願いを叶えてくれないということでマイケル事務所に住み着くことになったセシリア。

彼女の事を魔女だと一向に信用しないマイケルとサミュエルであったが、巷では不可思議な現象が起きようとしていた・・・

終劇




井筒監督の「ゲロッパ!」が霞んで見えるこれぞ香港喜劇の王道作品である。
不思議なのはセシリアからフランシスまでコメディを嬉々として演じていることで、ハツラツハイテンションなコメディ演技が実に気持ち良い。毎回言ってしまうがホントにこのどうしても四角四面を整えておせち料理にしてしまう邦画には見られないこの爆発、映画という鍋からバカバカしい楽しさが何の迷いも無く飛び出してくる香港パワーの妙味には頭が下がる思いである。人ってほんとは非常に下らないことが好きな生き物で、人生のほとんどを食住種のために捧げる他生物には申し訳ない次第だと思っている。
その非常に下らない生物である人間たちが非常に下らない楽しさと笑いで二時間過ごして非常に下らない悩みと怒りを忘れてられる、本作はそんな作品であると言えるだろう。
出てくるキャラクターは簡単に言えばアホばかりで、そのアホ加減のさじ加減の無さにはもう笑うしかない。やっとクリスティが出てきたかと思えばやっぱりこいつもアホやった・・・(笑

主観としては「高度戒備」で命を削る死闘を繰り広げた劉青雲と呉鎮宇が、今度は実に下らない爆笑バトルを繰り広げるってことでここだけでも絶妙なコンビである演技派の2人を観ているだけで楽しい。セシリアハリーポッター(林亞珍)には日本の女優さんにもこの臨機応変の演技力を見習ってもらいたい(何よりそのトライする気持ちを)一方で、ラストまでいつものお美しい姿を垣間見られなかったのは日本人的に残念なところ。眼鏡を外せば実は超美人でそれでサミュエルが惚れてしまったとなれば物語的にわかりやすいがそれでは陳腐になっちゃうかな。

んで、全く持って遅いのだがとにかく去年発売された

こっちを全て観てから鑑賞しないと損するのでお気をつけて。
しかも出来れば全作、広東語日本語どちらもチェックしておこう。


■CAST&STAFF
監督・製作 韋家輝(ワイ・カーファイ)
出演 劉青雲(ラウ・チンワン)
古天樂(ルイス・クー)
陳小春(チャン・シウチョン)
張柏芝(セシリア・チャン)
呉鎮宇(フランシス・ン)
鍾麗〔糸是〕(クリスティ・チョン)
蔡卓妍(シャーリーン・チョイ)
鍾欣桐(ジリアン・チョン)
葛民輝(エリック・コット)
劉以達
張達明
陳朗
劉小慧
路斯明
劉コ華(アンディ・ラウ)
許冠文(マイケル・ホイ)
動作導演 元彬(ユン・ブン)
脚本 韋家輝(ワイ・カーファイ)
歐健兒(オー・キンイー)
音楽 泰迪羅賓(テディ・ロビン)
製作総指揮 向華強(チャールズ・ヒョン)
制作年度 2004


馬路小英雄
Backalley Princess


羅維(ロー・ウェイ)監督は・・・なんというか作品によって非常にムラを感じる監督である。どうも実力を推し量れないのだ。
SB時代には何莉莉(リリー・ホー)主演の女版007を撮ってヒットさせているし、鄭佩佩(チェン・ペイペイ)主演で撮った「空中必殺 雪原の血闘」もちゃんと成功を収めている。ちょっとここでレビューした監督作品を並べてみるとだな、

「空中必殺 雪原の血闘」
「ドラゴン危機一発」
「ドラゴン怒りの鉄拳」
老虎殺星
チャック・ノリス in 地獄の刑事
「レッド・ドラゴン」

「少林寺木人拳」
「キラー・ドラゴン・流星拳」
「成龍拳」

「飛龍神拳」
「拳精」
「龍拳」
そして本作「馬路小英雄」、こんなもんかな。
ちなみに「龍拳」以降はプロデュースに専念したため監督作品は無い・・・はず。
彼のムラという部分で問題となってくるのがどーも
「どこから本当に監督してるの?」
って部分で、間違いなく彼の代表作である「ドラゴン怒りの鉄拳」自体、撮影にまともに参加してないような話が有名で、あの作品はほぼ全て李小龍(ブルース・リー)という偉人の力で名作になったのではないかというのがどうしても想像してしまうところ。
というのも、その続編であるジャッキーの「レッド・ドラゴン」、制作費の問題やジャッキーの当時の俳優としての力量を差し引いたとしても、本家にも出演していた羅維監督ご本人の登場や、本家のヒロイン苗可秀(ノラ・ミャオ)、本家に出ていた韓英傑(ハン・イェンチェ)、さらに韓英傑は本家でもこっちでも武術指導を担当と、他のいわゆるバッタもんと言われるような精武門モノと比べて随分と恵まれた続編を作れる環境の中で考えるとシンプルに言って出来は芳しくない。李小龍という巨大すぎるスターの不在による質の低下が避けられないの至極当然の話ではあるが、いわゆるストーリー展開という部分は監督のスキルの問題であり
「これはこれで面白い」
との感想を残せる作品にしようと思えば出来そうなもんであるが、興行成績も惨敗している。

サモハンが悪役出演している「老虎殺星」に関しては個人的にかなり評価が低く、羅維監督のスキルをかなり疑ってしまう作品ではあるが、「チャック・ノリス in 地獄の刑事」はなかなかの力作だったりする。
古龍武侠片であるジャッキーの「キラー・ドラゴン・流星拳」「成龍拳」「飛龍神拳」は個人的には低予算ながら頑張ってるという印象もあるし、「拳精」「龍拳」うーん・・・・・・ちなみに「少林寺木人拳」については監督クレジットはされているもののジャッキー自伝によるとほとんど撮影には参加していないことになりそうだ。ここにも彼の
「本当に彼が撮ってるのか?」
という疑惑が持ち上がる。

思い返せば張徹(チャン・ツェー)監督にしても助監督をしていた呉字森(ジョン・ウー)や午馬(ウー・マ)、 鮑學禮に部分で監督を任せていたというし、ジャッキーや袁和平(ユアン・ウーピン)を含む他の監督さんにしてもそのような話は非常にポピュラーなのでキリがないと言えばそうなのだが・・・

全然話がまとまりませんでした。
さて、許冠傑(サミュエル・ホイ)の銀幕デビュー作である。


流れ

サミュエルと上官靈鳳(シャンカン・リンフォン)はケチな詐欺師にして貧乏人。今日も貧しく楽しいドジな毎日を送っていた。
彼らは口上と功夫芸で薬を売っていた功夫道場の人間と知り合いになり、そこでお金持ちのお人よし劉永(トニー・リュウ)を巻き込みながら騒動を起こしていくのだが、ある時売春組織にさらわれそうになった娘を助けようとした道場の黄家達(カーター・ウォン)が逆に殺されてしまい、悲しみに暮れる2人は道場の紅一点・茅瑛(アンジェラ・マオ)も連れて売春組織潰しに乗り出す!

終劇





小慣れている。
というのが最初に観た感想だった。
同年にショーブラが公開しているオールスターコメディ「七十二家房客」(監督は楚原)には興行収入で負けてしまったが、ゴールデンハーベストオールスターな(苗可秀(ノラ・ミャオ)も出て欲しかったけど)本作もヒットしているし評価通りの成績という気がするな。余談だが同年の「冷面虎」の方がどーもヒットしているみたいなのが疑問だが・・・あの映画そんなに面白いのかな?

かくして羅維監督の能力という点においてだが、
「ああこの人、やる気次第だ」
という感じだろうか。
本作は脚本も本人が書いているようだし、「Mr.Boo!ギャンブル大将」が登場する前の現代コメディと考えれば十分なクオリティであろう。しかし、他の監督作品を見ると「?」の付く作品もあり、要はちゃんと熱を入れて撮れば良い映画が撮れるが適当な時は本当に適当な作品が出来上がる・・・っておかしいな。「レッド・ドラゴン」は本腰入れて作ったと思うのだが・・・

日本でも「ベスト・オブ・ホイブラザーズ・ショウ」として発売された大ヒットTV番組「精装雙星」でのサミュエルのハンサムなのにドジなことどんどんやる明るさ屈託のなさという魅力は本作でもそこそこに出ており、まぁまぁのデビューか。主題歌を彼が唄えば最高だったけどね。

マニアックなツッコミ入れるが何ですか、
韓英傑(ハン・イェンチェ)は飛び蹴り喰らいマニアですか?
この人、数々の人間から飛び蹴り喰らってる気がするのですが・・・
しかも自分が武術指導・・・

■CAST&STAFF
監督・脚本 羅維(ロー・ウェイ)
出演 上官靈鳳(シャンカン・リンフォン)
許冠傑(サミュエル・ホイ)
茅瑛(アンジェラ・マオ)
黄家達(カーター・ウォン)
江帆
田豐(ティエン・ファン)
劉永(トニー・リュウ)
韓英傑(ハン・イェンチェ)
王莢
呉家驤
黄宗迅
馮毅(フォン・イー)
唐晶
張俊英
高魯泉
銭月笙(チェン・ユーサン)
呉明才(ウー・ミンサイ)
尓群
金山
陳烈
林正英(ラム・チェンイン)
関敏
李兆隹
謝地
羅維(ロー・ウェイ)
青山
張帝
馬海倫
林偉h
武術指導 韓英傑(ハン・イェンチェ)
音楽 願嘉輝(ジョセフ・クオ)
製作 鄒文懐(レイモンド・チョウ)
制作年度 1973


衛斯理傳奇
The Legend Of Wisely
飛龍伝説オメガクエスト


いわゆる衛斯理ものである。
といったところでわかりにくいかもしれないが、
衛斯理という冒険家のアクションアドベンチャー小説が原作。
原作を書いているのはあの倪匡(イ・クオン)である。
要はインディ・ジョーンズ博士香港版と言ってしまえば、わかりやすいか。
この小説を脚本にした作品は多く存在し、当HPでも
セブンス・カース 七番目の呪い
衛斯理之覇王卸甲
・・・あれ?2本しか紹介してなかったっけ?
ま、まぁ他に李連杰(ジェット・リー)の「冒険王」などがある。


流れ


伝説の秘宝"ドラゴンパール"を追って、衛斯理に扮した許冠傑(サミュエル・ホイ)がネパールへ。
友人の泰迪羅賓(テディ・ロビン)と共に山奥深き寺院を訪ねるが、当然ドラゴンパールを守る僧侶たちと大バトル。
何とか逃げ出す衛斯理とテディであったが、セスナ機が墜落したためテディは消息不明に。
再び僧侶に捕らえられてしまった衛斯理は総長である少年のドラゴンパール返還の懇願を聞き、再び失われたパール探しをするのだが・・・


終劇





他の衛斯理ものと比べて話が非常にシンプルである。
ただ従来にありがちなオチではないところには新鮮味を感じるかな。その展開は倪匡というよりもむしろ古龍のような印象を受ける。

だが残念ながら非常に微妙な作品である、というのは個人的な感想で、本家"インディ・ジョーンズ"に香港映画は様々な挑戦をしたという事実がある。

ジャッキーの「サンダー・アーム/龍兄虎弟」「プロジェクト・イーグル」"アジアの鷹"シリーズや、D&Bの「チャイナ・ウォリアーズ」、徐小明(ツイ・シャオミン)監督「天山回廊」などは全て香港流"インディ・ジョーンズ"といった作品である。その中で成功しているのはやはり"アジアの鷹"、「天山回廊」といったところか。成功の要因はジャッキーのスター性など色々あるが一つにはこれらの作品にあって本家"インディ・ジョーンズ"に無いものが作品にちゃんとあるということである。
その一つとは勿論、アクションシーンのことでどちらも本家に追いつけ追い越せな命がけアクションを展開しているというところであり、そのアクションの過激さはスティーブン・スピルバーグも舌を巻く、といったところであろう。

翻って本作は正にハリウッド式を準えて製作しており、功夫ファイトもあるにはあるが狄龍(ティ・ロン)を除き、アクションの出来ない女優である王祖賢(ジョイ・ウォン)と本職がアクションではない許冠傑ではその功夫ファイトの仕上がりも知れているというのが正直なところで、後は単なるハリウッドの猿真似に終わってしまっては勝てるべくも無い。
もう一つ言えば本作に一番足りない要素、それはスリルである。
生きるか死ぬかギリギリのところでピンチを華麗に脱するハリソン・フォードやジャッキー扮する"英雄"のアクションアドベンチャーが醍醐味であるはずなのに、余りに本作はそのスリルが足りなさすぎたのではないか。ラストもあまりに呆気ない。
うーん、どうしてもこの辺は監督の泰迪羅賓を責めたくなってしまうなぁ・・・

本作の製作はシネマシティ。
無論、許冠傑といえばシネマシティの大ヒット作「悪漢探偵」の主演であり、今回は製作も兼ねている許冠傑の意気込みから考えると、エースシリーズに変わり得るシネマシティのドル箱的作品目指して本作は製作されたのではないか。残念ながら失敗に終わっているみたいだがそういうことだと思われる。

ちなみに本作に登場しているブルース・バロンは当HPでレビューした何誌強(ゴッドフリー・ホー)のかなりどうでも良い作品「Challenge the Ninja」「忍者伝説/シナンジュの秘宝」等で主演の白人忍者を演じた人物である。それがどうした。

もう一つちなみに本作の日本語吹替版でテディ演じているのは石丸博也さんである。
石丸さんと言えばジャッキーというイメージがあるから、いつも強いなんてイメージになってしまって、本作の弱い石丸テディに違和感を覚える人もいるかもしれないが、

本来「未来少年コナン」でのオーロ役や、「ダイ・ハード」でのクリス(ジョンの奥様に言い寄ってるヒゲ)役など、軽くて弱くての役は得意とするところなのである。

うーむ、個人的には衛斯理ものにはそんなに面白いものがない・・・

■CAST&STAFF
監督 泰迪羅賓(テディ・ロビン)
出演 許冠傑(サミュエル・ホイ)
王祖賢(ジョイ・ウォン)
狄龍(ティ・ロン)
泰迪羅賓(テディ・ロビン)
ブルース・バロン
ハイジ・マキネン
柯受良(ブラッキー・コー)
馮永
李嗣興
林進豊
陳純昆
劍勲
葉永誠
呉朝亮
李コ成
動作指導 柯受良(ブラッキー・コー)
音楽 羅大佑(ロー・ターヨウ)
製作 許冠傑(サミュエル・ホイ)
制作年度 1987


煎醸参寶
Three of a kind
Mr.BOO!花嫁の父
Mr.BOO!愛憎バトル


まず最初に誰もが文句付けたくなっちゃうのが日本メーカーの製品仕様で、ジャケット見るだけで歴然としているが、やる気がねぇ〜
ソフト仕様も特典無しでただ字幕付けただけのしょぼい感じ。
なんだ!このイーネットフロンティアってメーカーは!
と思ってサイト行ったらおっぱいおっぱいばっかり売ってる会社だった。
なるほど。
新世紀Mr.Boo!ホイさまカミさまホトケさま」でゲスト出演を果たした許冠文(マイケル・ホイ)とその作品で許冠文そのものに扮した劉青雲(ラウ・チンワン)が勢いそのままに今度は本格競演を果たしたコメディ作品。久しぶりの許冠文コメディとあって地元・香港では成功を収めた作品である。


流れ


可愛い娘・楊千〔女華〕(ミリアム・ヨン)と暮らすマイケルは、幼い頃に勇敢な父・羅奔(ロー・マン)を見て育ったので武術家を目指したいところだったが、その父に諭されてインテリを目指して有名な武侠小説家になり、現在に至る。
しかし、既にアイデアは出しつくされた感があり13年も新作が書けずに印税で暮らす毎日。助手の許紹雄(ホイ・シューハ)のアドバイスも最悪なもの。

一方、娘のミリアムはキャリアウーマンとしてはバリバリだったが恋の方はさっぱり。社長のプレイボーイ劉青雲にも諭されるが、大体好きな人がいない・・・ってところで、劉青雲の家が火事になって焼け、劉青雲はマイケル家にこっそり居候・・・さっそく見つかる。

「プレイボーイが俺の娘を奪いに来た!」
というわけで、早速追い出しにかかるマイケルであったが、別にミリアム目的で居候しているわけではない劉青雲は気が無いことを証明するためにたくさんの美女を屋敷に招聘。
有名小説家であることも手伝って途端にモテモテになるマイケルは嬉しくなって劉青雲とは毎日女遊びをかます悪友同士となってしまう。

しかし、その場凌ぎな女遊びも飽きてきた劉青雲はいつの間にやら自分がミリアムに恋していることに気づく。
筋肉モリモリの格好良い庭師・葉山豪とのミリアム争奪戦を何とか勝ち抜いてプロポーズしようとしたが先んじたのはミリアムの方で、めでたく2人は結婚・・・・するはずはなかった。
それを許すはずは無い父・マイケルは何とか娘と劉青雲を引き離そうと画策するのだが・・・


終劇





決して悪い作品ではないし、出演陣始め面白いシーンは多い作品である。
ただここが難しいところで、香港人の需要と私のような海外迷の需要はどーも違うようである。
どーしても私のような海外迷から見た香港コメディであると、気恥ずかしいぐらいにベタベタなギャグを挟んで、全編やかましいくらいにドタバタの喜劇をどーしても想像してしまう。
本作にもドタバタ感があるシーンにはあるのだが、全体的にやはり小洒落てしまい、全ての出来事が大人しめに感じてしまうのである。
致命的なのはテンポである。
その「新世紀Mr.Boo!ホイさまカミさまホトケさま」は時代を意識しないスピードあるドタバタコメディをちゃんと形成していたが、本作は特に結婚するとなってからのテンポが遅い。本当はここからが最も面白くなるはずなのに、どーもだらけてしまった感がある。編集の妙も薄いし、もう少しやりようがあったのではないか。
とはいえ、終盤になって見せる武侠シーンはどれも数秒のシーンながら妙に力が入っていたり、そういえば武侠片というものに一切出演していないマイケルの時代劇扮装はとても貴重だし、武侠片のウンチクも存分に盛り込まれていて監督・製作・脚本をこなした馬偉豪(ジョー・マー)が本気で撮っていたことは十分伝わってくる。
そしてマイケル・ホイはやっぱりマイケル・ホイ。
2時間のトークライブでも60歳を超えているとは全く思えないパワーでまさに2時間喋り通し。時事ネタ下ネタ乱発のくだらなくておかしい話だけを2時間するという内容なのに全く退屈させない彼のパワーは恐るべきものがあり、終わりには全く泣ける話なんかしてないのに、彼のエナジーそのものに感動して目頭熱くなるような思いだった。
本作でもそのパワーと軽妙さ、そして天性のコメディアクターとしての役割は十分堪能することが出来るし、もう彼が頑張っているだけで嬉しくなってしまう自分がいることも正直なところ。

ちなみにマイケル扮する武侠小説家のモデルに関しては、どーしても古龍や倪匡(イ・クオン)を連想してしまう(←わからない方は当HPのスタッフキャスト表まで読みまくれっ)。
彼らのエピソードも入ってるんじゃないかと思ってみるとくすくす笑えるシーンもある。

年を重ねて良い顔になって来た元五毒メンバー、羅奔(ロー・マン)の父親役もなかなかいいぞ。
ところで、許紹雄(ホイ・シューハ)のおっちゃんは許(ホイ)とあるので許冠文(マイケル・ホイ)の親族だったりするのだろうか、確か昔の許冠文作品にも彼の名前があった気がするのだが・・・

■CAST&STAFF
監督・製作 馬偉豪(ジョー・マー)
出演 許冠文(マイケル・ホイ)
劉青雲(ラウ・チンワン)
楊千〔女華〕(ミリアム・ヨン)
金燕玲(エレイン・ジン)
羅奔(ロー・マン)
許紹雄(ホイ・シューハ)
葉山豪
慮淑儀(モニカ・ロー)
袁苑
晋松
李蘢怡
田慈〔女尼〕
潘永鏗
黄翠儀
陳柏〔女尼〕
楊詩敏
趙月明
楊大鵬
邵小珊
張楠
銭榮威
動作指導 薛春〔火韋〕
脚本 鄒凱光(マット・チョウ)
馬偉豪(ジョー・マー)
龍文康 他
音楽 羅堅
製作総指揮 向華強(チャールズ・ヒョン)
制作年度 2004


發錢寒
The Pilferer's Progress
Money Crazy
ジョン・ウーのマネークレージー


いやぁしかし、これも「香港電影百科」(芳賀書店)にポスターが掲載されている一作で、やっと観れたなぁの感が強い作品である。
んで、1977年の配収ダントツNo.1作品だ。
その「香港電影百科」を見直してて改めて思ったのだが、香港での1970年代というのは李小龍(ブルース・リー)が生き永らえていれば彼の時代に間違いなくなったのであろうが、こうして配収ベストテン表を眺めているといやぁ実にホイ兄弟の天下だったと言っていいだろう。
'72年は「ドラゴン怒りの鉄拳」と共にショーブラ時代の許冠文(マイケル・ホイ)主演作「大軍閥」が凌ぎを削り、
'73年は同じく許冠文主演作「一樂也」が頑張った。
その後は正に天下制覇で、
'74年は「Mr.BOO!!ギャンブル大将」
'75年は「天才與白痴」
'76年は「Mr.BOO!!」
'77年は許冠英(リッキー・ホイ)単独主演の本作
'78年は「Mr.BOO!!インベーダー作戦」
これら全てで配収No.1を獲得している。
ジャッキーのコメディ功夫ブームが吹き荒れる間は3年間の沈黙を経て、
'81年「新Mr.BOO!!アヒルの警備保障」
これでそのジャッキー

「ヤング・マスター/師弟出馬」の大ヒット記録を更に上回る大ヒット(勿論No.1)を叩き出したところがホイ兄弟のピークかと思えば、'82年には今度は許冠傑(サミュエル・ホイ)の「悪漢探偵」が香港映画の流れを大きく変える超ビッグヒットを飛ばしてしまうのだ。


流れ


許冠英(リッキー・ホイ)は金持ちのボディガードになってそのオコボレに預かろうとする兄ちゃん。だが失敗続きでなかなか上手くいかず。
呉耀漢(リチャード・ウン)はケチな探偵稼業で今日も金持ち・張瑛の不倫写真を合成作成して張瑛をゆすり、金を巻き上げるといったセコイ稼ぎ。

その張瑛のボディガードとなったリッキー。
ダイヤ運びを張瑛から頼まれるが、これが実はゆすりをしてきたリチャードをハメる罠でリッキー、リチャード共に殺し屋・宋錦成に消される運命にあったのだが、ラッキーなことに宋錦成はロンパリ。
いざ狙撃せんとする宋錦成であったがロンパリなので、なかなか照準が合わないのね。
これに気づいてしまったリッキーがいともあっさり宋錦成を倒すと(こんな弱い殺し屋雇うなっ)、後は謎の美女・趙雅芝を交えてリッキーvsリチャードの大激戦!
力を認め合った2人。
実は張瑛は悪い奴で、元はダイヤも財産も趙雅芝の祖父から騙し取ったもの。

ここは1つ趙雅芝の為にもダイヤも金も取り戻してやろうということで奮起するリッキー&リチャードであったが・・・


終劇





こういうドタバタアクションコメディというのは脚本とそれを演出する監督のスキルが高くないとテンポが悪くなったり、あるシーンが凄く短ければあるシーンはやたら長いといったような尺のバランスを崩しやすく、全体的にグダグダになってしまうことが多い。「噂のテディ・ロビン 美女美女スパイにご用心!」なんかは残念ながらその典型的な例だ。
というところで、実質「Mr.BOO!!」の監督であったとも言われる呉宇森(ジョン・ウー)監督の手腕は凄い。今になってみれば現在はハリウッドの第一線で活躍している監督なので当たり前と言えばその通りだが、この退屈になる前にポンポンポンとテンポよくシーンをつないでいく技術はお見事である。
なんかこの人はある時期から格段に腕を上げている気がしますね。功夫片を撮っている時代の作品はここまで感じないのだけれど。

当時は
「こういうコメディが撮れればヒットするのになぁ・・・」
と他プロダクションも皆わかっていたと思う。
しかし小プロは予算がつかずに歯軋りしており、仮に撮ったとしても今度は監督の手腕が大きく左右される。武術指導の腕前で何とかなるようなシロモノではない。最も、これを製作したゴールデンハーベストにしても毎年毎年社運を賭ける様な思いだったのかもしれないが。
ホイ兄弟を失ったショーブラも数々のコメディも製作はしたが、No.1は一度も撮れなかった。

ホイ兄弟の時代がこれほどまでに長く栄えた理由はそこにある。
李小龍の登場によって同じ映画が粗製乱造されたが、逝去によって早くもブームに幕を降ろしてしまった。
ジャッキーのコメディ功夫ブームも同じく模倣・粗製乱造が横行したが、ジャッキー失踪をきっかけに意外と早くブームに幕が降りた。
しかしホイ兄弟のコメディはホイ兄弟にしか出来なかった。
粗製乱造不可能!
その上、彼らにはスキャンダルや逝去が無かった。
元気元気!
彼らは自身たちがスクリーンに投影した持ち前の雑草パワーで、映画と栄華を築き上げたのだ。

本作は一連のMr.BOO!!シリーズ(本当はシリーズじゃないが)の中で番外編として立派に輝く作品である。許冠文、許冠傑は出演していないがそれでもリッキー&リチャードで十分面白いコメディを演じきった。凄い美人とは言えないが妙にフェロモン度の高い可愛いヒロイン・趙雅芝もいい。

■CAST&STAFF
監督・脚本 呉宇森(ジョン・ウー)
出演 許冠英(リッキー・ホイ)
呉耀漢(リチャード・ウン)
趙雅芝
張瑛
〔赤〕履仁
李鵬飛
鄭淑英
羅蘭
安東尼摩亜
李海生(リー・ハイサン)
兪明
宋錦成
火星(マース)
陳會毅(チェン・フォンイー)
林正英(ラム・チェンイン)
泰山
馮敬文
曾志偉(エリック・ツァン)
林克明
金軍
武術指導 馮克安(フォン・ハックオン)
黄哈(ウォン・ハー)
※クレジットは黄蝦
音楽 陳勳奇(フランキー・チェン)
許冠傑(サミュエル・ホイ)
製作総指揮 鄒文懷(レイモンド・チョウ)
制作年度 1977


新最佳拍档
Aces Go Places V The Terracotta Hit
悪漢探偵X最後のミッション


エースシリーズは個人的に残念なシリーズである。
というのは日本での興行成績のことで、
「悪漢探偵」しても「皇帝密使」にしても「スペクターX」にしても、日本にメインキャスト達が来日してちゃんとキャンペーンを行っているにも関わらず、大して当たっていない。
功夫でもなく、ハリウッドのいいところと香港映画コメディのわやくちゃさが非常に良くブレンドされた素晴らしいアクション映画だというに。

それはともかく本作は最終弾となる第5弾である。
メインキャストの1人であった張艾嘉(シルビア・チャン)が今回参加していないのが何とも抜け目無い。
男勝りの役を演じれるということで当初嬉々として参加していた、ように見えた張艾嘉であったがシリーズのマンネリ化と時代が求める映画ジャンルのズレをいち早く察し、さっさと次の映画作りに専念している(たぶん)。

こっちは残った男たちが
「あの時の夢よもう一度!」
とばかりに相変わらずな作品に力を注いでいるんだが・・・


流れ


かつては"最佳拍档(最高の相棒)"と呼ばれた黄金コンビ、許冠傑(サミュエル・ホイ)&麥嘉(カール・マック)であったが一方は会社を経営しても実業家としては成功せず、一方は妻子と別れて借金から逃れて漁港に隠れて暮らすといった感じで落ちぶれていた。
そんな時、"最佳拍档"が兵馬傭と宝刀を盗むといった事件が起きる。

当然、中国公安がこれを黙っているはずも無く、"中国のランボー"と呼ばれる李元霸(コナン・リー)が香港に送り込まれて早速捜査開始。
いきなりバトルを仕掛けられてわけのわからない許冠傑(サミュエル・ホイ)&麥嘉(カール・マック)は独自に偽の"最佳拍档"を捜索することに。
捜索の結果、偽最佳拍档は張國榮(レスリー・チェン)&利智(ニナ・リー)であることがわかったのだが、当然彼らが真の黒幕であろうはずがなく・・・


終劇(これからですが)





というか・・・
他に誰かいなかったのかよ!?
と思いたくなるような作品である。
これがシリーズものではなく単品のアクション映画であれば、監督劉家良(リュー・チャーリャン)で何の問題も無い。功夫ファイトがふんだんに盛り込まれており、心配されたコメディ部分も無難にまとめているし当時の現代アクションとして十分楽しめる内容である。何となく

少林寺三十六房」ら少林ものの作品のイメージからお堅い映画を撮りそうな劉家良であるが、考えてみればコメディ功夫の先駆けは彼そのものだった(「マジッククンフー神打拳」)なぁ・・・

ただ、「タイガー・オン・ザ・ビート」で主演の周潤發(チョウ・ユンファ)を差し置いて功夫マンの李元霸を大活躍させてしまった失敗があるのにも関わらず、脱功夫映画新アクション映画であり続けたこのエースシリーズを功夫アクションそのものにしてしまうという同じ轍を踏みに踏みまくったこの失敗は頂けない。「タイガー・オン・ザ・ビート」と本作、どちらが先に撮られたかわからないが何にしてもプロダクションの監督選び間違いとしか思えない。ラストとなるこの作品ぐらい、曾志偉(エリック・ツァン)が監督しても良かったのだろうが(そう簡単にいくわけないけど)。

なので、評価の難しい作品である。
あのエースシリーズを台無しにした、という意味ではこの作品の評価は非常に厳しいものがある。
しかし、功夫現代アクションとしては十分高水準な良い作品である。だから私のような功夫映画大好きエースシリーズも大好きな人間は非常に複雑な心境なのだ。
これがラストとなるとちと寂しいが。

麥嘉のスタントダブルで熊欣欣(ション・シンシン)が出演しているのが何ともおもろい。
許冠傑vs莊泉利(ビリー・チョン)というマニアックな対決も見もの。
■CAST&STAFF
監督 劉家良(リュー・チャーリャン)
出演 許冠傑(サミュエル・ホイ)
麥嘉(カール・マック)
張國榮(レスリー・チェン)
利智(ニナ・リー)
李元霸(コナン・リー)
黄錦〔炎木〕(メルヴィン・ウォン)
陳雅倫
李修賢(ダニー・リー)
張耀揚(ロイ・チョン)
袁潔瑩(フェニー・ユン)
莊泉利(ビリー・チョン)
瑪利亞
曹達華(チョウ・ダッワー)
夏志珍
麥鶴頓(マーク・ホートン)
夏占士
呂燕
熊欣欣(ション・シンシン)
劉家榮(リュー・チャーヨン)
動作導演 劉家榮(リュー・チャーヨン)
脚本・策劃 曾國賜
音楽 泰廸羅賓(テディ・ロビン)
※クレジットは衛朋
魯世傑(リチャード・ロー)
製作 麥嘉(カール・マック)
制作年度 1989


紅場飛龍
The Dragon from Russia



これはちょっと・・・
なんか、何にもわからなんだ。
これいったい何してる映画なの?って感じで。
日本のコミックが原作ということで、例によってちっとも許可なんかいないらしく、その辺の関係もあって日本ではソフト化されていない。されていないが、する価値も無いといった方が正しいのだろう。


■流れ?


・・・書こうと思ったが、やっぱりようわからん。
なんか悪い組織がいて、ロシアで功夫のドサ廻りをやっていた許冠傑(サミュエル・ホイ)はそこの争いに巻き込まれて、友人の石天(ディーン・セキ)は殺され、恋人の張曼玉(マギー・チャン)とは離れ離れ、自分は何とか逃げた(?)・・・逃げたかどうかもようわからんかったが、李麗珍(ロレッタ・リー)と元華(ユン・ワー)?だと思うがその師匠に助けられて、そこで功夫の修行。

修行したけど対抗組織の利智(ニナ・リー)とか元コとかに負けて、許冠傑は強制的に冷血な殺し屋にさせられる。
張曼玉と再会して、少しずつ自分を取り戻す許冠傑であったりして、さらに対抗組織の白鷹(パイ・イン)とか呉家麗(ン・ガーライ)がいるところと戦って倒したら、やっぱり元華が一番悪い奴だったので倒しましょう。


終劇





そりゃ字幕推測のみで話を追ってるから語学力に乏しい私ではちとアレなのだが、そんな私でも例えばその辺の翻訳が難しいはずの「高度戒備」なんかは「これは傑作!」と思えるわけで、翻訳問題だけが問題だけではないだろうというのが、正直な感想。

許冠傑主演で他豪華キャストで現代アクション映画と考えれば、誰だって傑作を期待して、傑作とはいかずとも「飛龍伝説オメガクエスト」のようにある種の水準はクリアしていて当然と思ってしまうものなのだが、これは見事に裏切られた感がある。当時で考えれば明らかに斜陽であったシネマシティが制作した作品で、豪華キャストに大幅な海外ロケを考えても社運を賭けた作品であったことはわかるのだが、日本のコミックから脚本をひねり出す辺りにもかなりのネタ切れ感があり、第一この豪華キャストを見事なほど使い切れておらず、どの役者の魅力も出ていない。
しかし、かつては許冠傑のキャラを活かし切ったエースシリーズで大成功を収めたシネマシティが許冠傑を使い切れないというのは非常に寂しいものがある。

その分、確かにワイヤー功夫においては頑張っており、これだけ許冠傑がワイヤー功夫で動き回っている作品は無いだろう。その社運を賭けた作品の動作指導に抜擢された元コの熱意だけはこちらに伝わってくる映画ではあったのだが、何度も言うように旧時代の功夫映画のように功夫さえ良ければ何とか・・・といった時代はとっくに終焉を迎えているだけに、良いアクションは全て作品全体の総評の中に掻き消されている。

うーむ、拾えるところは綺麗処がたくさん出ていてその中でも呉家麗(ン・ガーライ)さんのセクシーシーンということで。
ダメな時はこういうのを堪能するのが良いかと・・・女性はどうするのだ。

■CAST&STAFF
監督・製作 霍耀良(クラレンス・フォ)
出演 許冠傑(サミュエル・ホイ)
張曼玉(マギー・チャン)
呉家麗(ン・ガーライ)
利智(ニナ・リー)
李麗珍(ロレッタ・リー)
孫興
元コ
石天(ディーン・セキ)
元華(ユン・ワー)
白鷹(パイ・イン)
梅愛芳
李麗蕊
劉洵(ラウ・シャン)
アンソニー・マークホン
潘コ銓
盧雄
陳東
張國〔木梁〕
黄明昇
葉進
劉崇峰
ブレット・コールマン
余文炳
洪新南
梁錦榮
何鏡堯
陳盛鴻
張榮祥
秦貴寶
陳碩
動作導演 元コ
脚本 陳寶華
音楽 林敏怡(バイオレット・ラム)
許冠傑(サミュエル・ホイ)
策劃 劉嘉蔚
製作総指揮 石天(ディーン・セキ)
制作年度 1989


天才與白痴
The Last Message



許冠文(マイケル・ホイ)作品がMr.BOO!!シリーズとして日本公開されていった当時に唯一公開を見送られた作品がこれ。
勿論、早くからこの作品の存在は知っていたのだが、日本で公開されなかったことについて、精神病院が舞台であることと題名の"白痴"がまずい(キーボードで"はくち"を変換しても出てこないでしょ?それが証拠)ということで、公開されなかったのだと思っていた。
だが実際作品というのは観てみるもので、公開されなかった理由や、この後の「Mr.BOO!!」が傑作となったことがよくわかるといったものだ。


流れ


許冠文は精神病院の雑役夫。
許冠傑(サミュエル・ホイ)は看護士。
このどうでもいい二人に共通していることはお互い金が欲しいということで、全編に渡ってサミュエルの"天才白痴銭銭銭"を聴きながら、銭銭銭というわけだ。

喬宏(ロイ・チャオ)が入院してくる。
かなりのイカレ具合で重症患者。
この重症患者が持っていた骨董品の破片、姜南(チャン・ナン)のおっちゃんに調べてもらうと高額品だったということで、ここからマイケルとサミュエルのお宝争奪作戦が始まる。

わりには、ディスコで楽しく踊ってるシーンが長かったりして。
サミュエルバンドメンバーの演奏映像としては貴重かも。

死ぬじゃん。
2人が大騒ぎするもんだから、ただでさえ重症患者の喬宏は遂に死亡。
死んだ後の脳波からモールス信号を読み取ろうとするが、ここに隠されていたメッセージとは?


終劇






まぁ簡単に。はい。

色気を出している。
というのが本作への素直な感想で、得意のコメディだけではなく、歌ありドラマあり涙ありと当時の他許冠文作品と比べて、新しいことにチャレンジしている感の強い作品である。
ただ、盛り沢山のように見えるがその実は味が薄い感もある。
精神病院という舞台が画的にも非常に地味であるのもマイナスだろう。

評価の難しい作品である。

それこそドラマ重視で作ったジャッキー「ファースト・ミッション」が超絶アクションを求めていた時代に正当な評価を下されなかったように、本作も他シリーズ同様のギャグてんこ盛りを期待すると肩透かしを喰らう、そんな作品ではある。
しかし、英語題のラストメッセージを意味するシーンは非常に泣けるシーンであるし、錢ゲバギャグの間に盛り込まれたしっとりとしたペーソスが効いている作品として、今の眼で観ればこそ評価出来る作品なのかもしれない。
本作は1975年の興行収入第1位を獲得している。この数字は一見、成功に見えるが「新Mr.BOO!!アヒルの警備保障」までの許冠文作品の中で一番ヒットしてないのが本作であることも見逃せない。

こうして一連シリーズを通して眺めてみると実によくわかるというもので、
処女作「Mr.BOO!!ギャンブル大将」は、
「これこれこういう映画が面白いだろう」
と意気込んで作った挑戦であり成功を収め、次回作にあたる本作で、
「これこれこんな感じはどうなんだろう」
と実験的に作った冒険で、ある程度の失敗を覚悟する。
この2作での観客の評価・反応から時代が求めているものを感じ取り、3作目にあたる「Mr.BOO!!」にそれを昇華させる。
故にこの「Mr.BOO!!」はピンポイントに時代のツボを突き、興行収入を見れば明らかで本作が455万HK$で、次の「Mr.BOO!!」は大よそ倍に当たる853万HK$を稼ぎ出している。
こうなってくると後の2作はノリノリで、「Mr.BOO!!インベーダー作戦」は許冠文のアイデンティティ、コアになる部分を明確にして描き出すが三作目で弾き出した成功の方程式を外す事なく完成させてほぼ同様の大ヒットを叩き出し、最後の「新Mr.BOO!!アヒルの警備保障」に至っては全ての項目に成功の方程式をはめ込んだ集大成にしてその答えたちを奇跡的にバランスよく散りばめた傑作で、数字は1776万HK$のスーパーヒットを記録する。
こうやって流れを書き出すと本作の登場は後の傑作が登場するために必然だったと言える。やはり何にしても一日にして成らず、なのだ。
当HPに関しても、本当に近頃何て言うか・・・お褒め頂いて恐縮な思いで、ほんとありがとうございます・・・で、やはりこれも一日にして成らず、なのだ。
"続ける"って行為は大事なんだなぁ・・・

惜しむらくは、未だに本作が日本でソフト化されていないことにあろう。
今でこそ、正しい評価が下される作品であるのだが。

■CAST&STAFF
監督 許冠文(マイケル・ホイ)
出演 許冠文(マイケル・ホイ)
許冠傑(サミュエル・ホイ)
喬宏(ロイ・チャオ)
艾綺蓮
劉一帆
蕭錦
姜南(チャン・ナン)
馮毅(フォン・イー)
顧嘉輝(ジョセフ・クオ)
石天(ディーン・セキ)
許冠英(リッキー・ホイ)
田俊(ジェームス・ティエン)
曾楚霖(ツァン・チョウラム)
馮敬文
甘露
朱由高
康嘉欣
陶三姑
蓮花樂隊
陸阡
程小東(チン・シュウトン)
黄拔景
閔敏
脚本 許冠文(マイケル・ホイ)
劉天賜
薛志雄
音楽 顧嘉輝(ジョセフ・クオ)
許冠傑(サミュエル・ホイ)
製作 鄒文懷(レイモンド・チョウ)
制作年度 1975

 
 
 
 
 
 
 
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