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■夢の対決!なるこう vs fake!  



はい。
最近は夢の対決で盛り上がりましたが、1つ大きな対決を私は忘れていました。

それは なるこう vs fake !


「香港電影的日常之二風雲再起」 管理人のfakeさんです。
HPを始めて直接的にも間接的にもfakeさんからお教え頂いた事は数知れません。同じように長くHP運営を行ってきた者同士でもあります。
お付き合いさせて頂いてからすでに9年もの月日が経っているのですが、そういえば未だにリアルタイムでお話をさせて頂いたことがなかったのです。
そこで今回はチャットで対談をさせて頂き、それをまとめて掲載といった特別企画を用意してみました。
fakeさんも大変お忙しい中、快く承諾して頂いてもらってよかったです。

それではいきましょう!
夢の対決! なるこう vs fake !


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なるこう > まずはこうやってチャット上ではありますが、お話しするのは初めてですね。
fake > そうですね、知り合ってからは随分たちますが。
なるこう> そうなんです。fakeさんとネット上でお会いしたのは恐らく1999年、それからあっという間に9年、時代も随分変わりました。
fake> 塵屑功夫惑星(※1)さんとか、功夫波止場(※2)とか無くなってしまって。
なるこう> そうですねぇ・・・
fake> なるこうさん、最初はもっとトンガってましたよ。
なるこう> 色々出来てはなくなって、また出来て一回り以上してます。・・・トンガってた?
fake> そうそう、塵屑さんところでもご自分のところでも。今は大分丸くなってますよ。
なるこう> あの時はネットの場が公であるということ自覚してなかったかなぁ・・・
fake> それはお互い様だと思いますがねぇ(w
なるこう> 色々ありましたからねぇ・・・
fake> 逆に私の第一印象は?
なるこう> なんだこの人は!?知りすぎ! と思いました。
fake> それは良い方?
なるこう> 良い方ですよ。ハッキリ言ってこのジャンルではかなり自分は詳しい方だと当時の方がむしろ思ってたくらいですから。
fake> そりゃ間違いではないですよ。
なるこう> まずこのジャンルを愛好する人がそんなにいると思っていませんでした。私からも質問いいですか?
fake> どうぞ!


なるこう> 最近は香港映画だけではなく広い範囲でのレビューを執筆されはじめてらっしゃいますが、この辺はどういうきっかけで?
fake> 以前からリクエストはあったんです、メールとかで。
なるこう> あ、そうなんですか。
fake> で、休んでいる間に功夫系増えてるし、あえてやっているところはあります。
なるこう> 功夫系増えてるし←やっぱりそれもありますよね。
なるこう> 某管理人さんとも話をしたのですが、
fake> はい
なるこう> 気にせずマイペースでとお互い励ましあいましたね。活気付くのはいいことですから。
ffake> 相互刺激はいい結果を生みます。
なるこう> fakeさんから幾つ勉強させてもらったか(しみじみ)
なるこう> というとこで次の質問です。


なるこう> もともと、映画方面に強く関心を持たれたのは何がきっかけだったのでしょうか?
fake> 親族です、ちょっと説明させていただきますと・・・祖母が東映と西部劇、母が東映。ウチは母子家庭なので母方の親族しかいないのですが、三人の叔母が・・ 上から、洋画、ミュージカルとコメディ、日活映画のファンで・・
なるこう> いきなりほぼ全ジャンルが・・・
fake> 物心ついた頃には映画に関する知識は英才教育だったんです。
なるこう> まさに英才教育!!
fake> でしょ(w、親族が付き合う人達も全部映画ファンでして・・
なるこう> なるほど。
fake> 大人の映画ファンに囲まれてたものだから・・
なるこう> 刷り込みのように・・・
fake> 小学校上がるまでには映画の歴史はそらんじてた。
なるこう> はやっ!
fake> もう同級生には、やっぱ映画は監督で観ないと・・・とか言って(w
fake> そーなんですよ、ヒッチコックは・・とか、ジョン・フォードは・・・とか、自分がそんなガキ見たら張り倒したくなりますが(w
なるこう> ははは!そこでやはり香港映画への関心はもちろん李小龍(ブルース・リー)から?


fake> あ、香港?それが違うんですよ。
なるこう> え、違う!?
fake> 母は東映以外も全般の映画に詳しくて、昭和27年から37年までに公開された邦画、洋画全部観てる人。
なるこう> ええ、ええ。
fake> 当時キャセイと東宝の合作映画「香港の夜」ってのがあって、それで母が香港に狂った。
なるこう> 母先ですか!
fake> それを見さされたのが最初。で、73年に母が香港行って・・・
なるこう> ええ、ええ。
fake> 帰ってきたらもうダメ(w、香港は呪文だった

fake> で、次が「新座頭市/破れ!唐人剣」。
なるこう> 呪文?完全香港マニアですか?
fake> マニアでしたね、チャイナきて原語で歌を唄ってました。
なるこう> "死の五本指"(「キング・ボクサー/大逆転」)どころじゃありませんね。
fake> そう(w、へんな人。
なるこう> そこからやっと李小龍ですか?
fake> で、その後が「バニシング60」(※3)。
なるこう> バニシング60って確か車の・・・
fake> そうです、B級カースタント映画。
「燃えよドラゴン」
fake> その映画に行ったら次回予告が「燃えよドラゴン」だった。とにかく観たことがない映像だったから、予告の意味がわかんなくて・・興奮して、もう一回予告だけ観た。

なるこう> おお!これは! 私と似てる!
fake> あっ、似てるって?
「ドランク・モンキー・酔拳」
なるこう> 私も「ジャンクマン」 などのカースタント映画が好きで見てたらその予告で「ドランク・モンキー・酔拳」です。
fake> それはゴールデン洋画劇場?
なるこう> ゴールデン洋画劇場だったかなぁ・・・?
fake>「ドランク・モンキー・酔拳」の最初はフジ系列だからゴールデン洋画劇場だよ。
fake> あっ、「ジャンクマン」作った人が、「バニシング」作った人だ!
なるこう> ゴールデンでやってたのは「ジャンクマン」じゃなかったです。それはロードショーで見ました。
fake> HBハリキ、「ジャンクマン」が遺作なんですよ。
なるこう> 思わぬ符合がありましたね。遺作←らしいですね。これ覚えてます。
fake> 符合ですね! 話を戻すと、それでドラゴンになるんですが・・・
なるこう> はい。



fake> 功夫映画に目覚めたのは「嵐を呼ぶドラゴン」を観たから。
なるこう> ええ!?「燃えよドラゴン」じゃなくて?
fake> もちろん李小龍には狂ったんだけど、ジャンルとしてハッキリ認識したのは張徹(チャン・ツェー)。
なるこう> そうなんですか。
fake> つまり、面白いのは李小龍だからじゃなくて、功夫映画だからと思った。
なるこう> ほとんどの人は逆ですよね。
fake> ですよね、当時でも同級生とかには支持されなかった。
なるこう> うーむ。
fake> 私は功夫映画としての面白さを力説するんだけど、李小龍以外は認めない的風潮がありまして、

なるこう> 「嵐を呼ぶドラゴン」や「帰って来たドラゴン」もダメでしたか?
fake> 面白いけど・・・李小龍とは違う!とか、李小龍だけは本物だけど・・とか。
なるこう> まぁデカすぎるからなぁ・・・李小龍という人は。
fake> それは解るんだけど、李小龍も功夫映画じゃない!とは思ってた。
なるこう> 思うでしょうね。同じような思いしてるなぁ・・・
fake> そうですか・・・なるこうさん世代はジャッキー・ブームでしょ?



なるこう> まさにジャッキーブームです。fakeさんから見て、ジャッキーの登場は当時どのように映りましたか?
fake> 私は単純に新しい功夫映画の登場を喜んだ方。リー信者は随分否定的でしたよ(苦笑
なるこう> 僕は子供でしたから大騒ぎ! 私の世代にも少しだけ残ってましたね→リー信者は随分否定的 じゃあジャッキーブームに対しては冷静だった?
fake> いえとんでもない! 李小龍ブームは去っても、私は功夫映画ファンだったんですよ。
なるこう> ええ、ええ。
fake> 喜んだに決まっているじゃないですか! で、やっぱりリー信者とは話が合わない・・・(w
なるこう> 信者はそんなにジャッキーを見放してましたか・・・
fake> 見放す人と、斜に構えて見てる人と半々だったか
なるこう> 虚構感を感じるとかでしょうかねぇ・・・

fake> 特にジャッキーの人気が上がって、「死亡の塔」公開頃がヒドかった。李小龍のファンクラブの人とかはポロカスに言ってた。
なるこう> 予備知識の無い私が楽しく見れた作品ですね。
fake> 「死亡の塔」面白いもんね!この頃の李小龍ファンはやっかみがほとんどだったとは思うけど。
なるこう> やっかみ←こぶ平もしょこたんも同じようなこと言ってます。
fake> そうなんだ。


fake> 当時TVでバーっと放送されましたよね?
なるこう> はい。
fake> で、TV放映でブーム、次が少林寺ブーム、で、キョンシーになるけど・・
なるこう> ええ。
fake> 当時は、同じ流れだと思ってました?
なるこう> うーん・・・(考え中)・・・とにかく功夫が入ってればなんでもよかった。当時はそれだけでしたが・・・
fake> ああなるほど、ちなみにこの流れだといくつくらい?
なるこう> キョンシーで中学生ですね。
fake> あっ、じゃやっぱりなるこうさん世代は違うんだ
なるこう> 違うとは?
fake> 私らはこれちょっとずつ切れてるんですよ。
なるこう> 違うブームがくっついて見えてる?
「ブルース・リー/死亡遊戯」
fake> 最初の李小龍から「ブルース・リー/死亡遊戯」まで・・・「ドランク・モンキー・酔拳」劇場公開から、TVブームがくるまで・・少林寺から、キョンシーまでと、その間にちょっとずつファンが・・ 離れたり、増えたりしているんです。私たちの世代はですよ。キョンシーの頃で社会人だったからね。

なるこう> なるほど。

fake> だから、ジャッキー登場で離れたファンが、「プロジェクトA」でビックリして・・・
なるこう> はい。
fake> 戻ってきたけど、途中が抜けてたりするんです。
なるこう> なるほど。私の世代ですと、離れたり増えたりのポイントは「プロジェクトA」とテンテンちゃん(「幽幻道士」シリーズ、「来来!キョンシーズ」)で一時的な増加を見せつつも、減っていく印象のほうがかなり強いですね。減っていったのは「プロジェクトA」、盛り返しはテンテン。
fake> ブームで一気に増加した人たちでしょ、それはいつの世代でも一緒だよ。
なるこう > その通りです。だから流石に中学高校になってくると減りを自覚してましたね。


fake> 長くファンをやっててね、一番悲しかったのは、'80年代後半のオシャレ系ブームの頃。
なるこう> 「月夜の願い」とかですか? 王家衛(ウォン・カーウァイ)かな。
fake> いや、周潤發(チョウ・ユンファ)の「誰かがあなたを愛してる」とかの頃・・・
なるこう> 悲しかったというのは・・・
fake> まあ、やっと一般的に香港映画が認知され始めたんですよ。
なるこう> ええ。
fake> でね、その頃からファンになった人が真っ先に否定したのが功夫映画やキョンシー。
なるこう> ・・・やはり。
fake> あんなのと一緒にしないでくれ!って言われましたよ。
なるこう> それは酷い。
fake> でしょ?でもね、その人たちって'90年代初めの古装片ブームには食いついたの。
なるこう>李連杰(ジェット・リー)だけですね、食いついたのは結局。ワイヤー功夫が面白いとは思えなかった。
fake> まあそうなんだけど、急に手のひら返して功夫映画はとか言い出すから、ちょっと腹が立ったんですよ(w
なるこう> そりゃ腹立つわ!
fake> 当時多く出ていた香港系の同人誌とかみんなそんなの、まだネットなかったから。言い返せなくて悔しかったよ、だって功夫やキョンシーの時代があったから今があるんだし。


なるこう> ワイヤーアクションはどうなんだろ?といっても漠然とした質問ですが。いわゆる空飛ぶ系。

fake> 徐克(ツイ・ハーク)以降の?「風雲 ストームライダーズ」以降の?
なるこう> 強いて言えば徐克以降の。
fake> 徐克映画なら、まだ神怪武侠片の現代版って感じだけど。
なるこう> まぁそうですね。
fake>「風雲 ストームライダーズ」以降はハッキリ違うものが誕生したなって思ったかな。
なるこう> 単純に面白かったですか?→「風雲 ストームライダーズ」
fake> つまり、飛ぶ必然性すら描かなくなったというか・・・面白かったか?なら、まあまあ。
なるこう> 僕は楽しめませんでした。
fake> それは何故?
なるこう> プラスαがないから。
fake> 当時はCGがプラスαだったんでしょう。
なるこう> 「風雲 ストームライダーズ」にプラスαをつけてるのは甄子丹(ドニー・イェン)だけのような気がします。

fake> 「かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート」のこと?
なるこう>「かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート」が一番顕著ですね。
「グリーン・デスティニー」
fake> じゃ「グリーン・デスティニー」は足りてない?甄子丹じゃないけど・・
なるこう> うーん・・・(考え中)・・・「グリーン・デスティニー」自体は好きな映画です。ただし、ワイヤー部分とリアルな功夫シーンは分けて描いてる気がするのです。
fake> なるほど。進化と深化というものがあるなら・・・
なるこう> はい。
fake> 李連杰の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明」までは両方進んでいたと思う 。
なるこう> その通りですね。
fake> 今は片一方だけで、深化は無くなったと思うな。どんな映画でも 。
なるこう > それじゃいつかは・・・うーん・・・どうなるんでしょうね。余り良い光が見えません。
fake> 無くなりはしないと思うよ、中国人はしたたかな国民だし。でも、かつての功夫映画は・・・劉家良(リュー・チャーリャン)が死んだら終わりかもね。
なるこう> 二度と作れない?

fake> 作れないと思う、何だっけアレ?「超酔拳」?
なるこう> はい。
fake> アレが最後の功夫映画のような気がする。


なるこう> かもしれないですねぇ・・・ただし。
fake> ただし・・・?
なるこう> 馮徳倫(スティーブン・フォン)ってのがいます。
fake> 馮徳倫!
なるこう> 馮徳倫は私と同世代。彼の映画観てて思ったんですよ、
fake> ふむ
なるこう> この人、俺が功夫映画作るなら!って僕が思うような功夫映画作ろうとしてるって。日本にも谷垣健治さんがいるし、同世代で復興を考える同志はまだまだ出てくるんじゃないかと。
fake> それは周星馳(チャウ・シンチー)と同じベクトルでは?ノスタルジーは心地良いけど・・・決して前向きな原動力にはならない。

なるこう> 谷垣さんの「マスター・オブ・サンダー 決戦!!封魔龍虎伝」観ましたか?
fake> まだなんです。
なるこう> あの映画のオープニングがノスタルジーと感じてしまったら確かにそうなのかもしれません。しかし私はそうは感じなかったな。
fake> 生き残る方向で現実論を考えるなら、悔しいけど「風雲 ストームライダーズ」の延長線上でブームを起こす方が手っ取り早い。
なるこう> はい。
fake> 観てはいないんだけど、倉田保昭と千葉真一だったから作り得た世界観なら・・・さっきの劉家良が死んだら終わりなのと一緒で、ふたりがいない世界でもそれが構築できるかという疑問は残る。
なるこう> うーん、疑問が残らないといったら嘘になりますが、あんまり残らないでしょう。
fake> 功夫映画そのものは無くならない、チャンバラや西部劇もそうだったし。でも、かつての光景とは違うものだけが残る。
なるこう > ええ。
fake> それも受け入れた上で、ファンでいたいけどね。
なるこう> 僕は大丈夫だと思っていますよ。人材はいます。私より若いスターもいます。
fake> まとめになりましたか?(w
なるこう> ええ。本日はどうもありがとうございました! また時間が経ったらやりたいですね。さらにディープに。
fake> こちらこそ。今度は他の管理人さんも交えて出来たらいいですね。

※(1)「塵屑功夫惑星」
「塵屑功夫惑星」は当HPとほぼ同時期に開設されたHP。
ショーブラリリースが始まっておらず、オンラインショップがまだそんなに充実していない当時に入手が難しかった功夫映画をたくさん紹介。
当HPにも大きく影響を与えたHPであったが、管理人さんの意向により閉鎖。当HP最初の相互リンク先でもあった。
※(2)「功夫波止場」同じく当時に貴重な功夫映画を紹介しつつ、かつショーブラスターに詳しい印象のあったHP。当HPと直接的な関わりは無かったが、こちらとしては貴重な情報がとても有難かった。
※(3)
話している間はカースタント=バニシングだと思っていたんだけど、

どうも『ラストアメリカン・ヒーロー』だったみたい・・。同じ車の映画には違いないが、どうして記憶がごっちゃになったかなぁ(苦笑)。(fake様後日掲示板談)

2008.02.27(水)対談収録
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というわけで夢の対決、如何でしたでしょうか?

今回は第一回ということもあり、
fakeさんの博識の秘密に迫りながら、香港映画ブームの歴史を辿っていく形を取る広く浅い傾向の流れにさせて頂きました。
月日を重ねた後にまた第二回もやらせて頂きたいと思いますが、その時はさらにディープな話題で盛り上がりたいですね。まだまだ話してみたいお聞きしてみたいことは一杯あります。
fakeさん、二時間の収録にお付き合い頂き、誠にありがとうございました。
今後もよろしくお願いいたします。

なるこう

 

 
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