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殺人壕 Battle Creek Braw The Big Braw バトル・クリーク・ブロー ◆ ストリートファイトのチャンプを決める「バトルクリーク大会」でマフィアのドミニカ一家はいつもライバルマフィアのチャンプ、キッス(H・B・ハガディ)に負け、大損していた。 チャイニーズレストランのいざこざでたまたま活躍したジェリー(ジャッキー・チェン)がドミニカに目を付けられ、ジェリーの兄の婚約者を誘拐、返して欲しくば「バトルクリーク大会」に 出場し、優勝しろとジェリーを脅迫。 その日からジェリーと師匠(マコ)との激しいトレーニングが始まった。 ■ 「オーストラリア、アメリカ、カナダ、日本、台湾で大ヒット!家族揃ってどうぞ!」 嘘つけ! これは「香港電影百科」136Pに載っております香港版本作のポスターコピー翻訳なのですが、この映画、当たっておりません。日本は当たったと言えるのかな。 それにしても早いですよね。まだ移籍して1作しか作ってないのに、確かにそれは香港で成功したけど。 「羅維の追っ手から逃れるためにアメリカ逃避」 の方が意味合いが強かった気が正直します。 そうこれはジャッキー、ハリウッド進出第一弾。 本来ならば結構記念すべき映画なのです。 ■ラロ・シフリンはいいねぇ ばばん ばばん ばばっばんばん 観てる側の興味の気持ちを少し小踊りさせてくれるよな音楽作るのがうまいよね。 監督のロバート・クローズは「三流、三流」と罵られているけど、こっちのラロ・シフリンは一流。最近の「ラッシュアワー」でもイントロからドキドキッとさせてくれました。 ■あ、やれそう・・・ やれそうというか「やってみたい」よな気がするのは、マコ師匠とやる「テニスボールよけ」。ここは「よけ」が始まってから、終わってそのままマコ師匠と組み手の流れが凄くテンポいいんですよね。テンポの良さの大きすぎる一因はやはりサントラにあるんですけれども。ところが組み手自体は遅い・・・ってか「香港がコマ落としするからだろ!」ったらそうなのですが。 これならちょっと練習すりゃ俺にもできそう・・・えっ?ムリ? も一つはチンピラと最初のバトル。 ここは難しいことしてないので、ある程度俺にもできそう・・・えっ?ムリ? アイデアそのものは「コロンブスの卵」で、仰向けに倒れそうになりながら蹴りを放つとか、知らんふりして目を突くとか、先に考えた者が一番偉いですからね。偉いですよ。真似しましたもん、ここのバトル。 えっ?誰とって?・・・一人で。 その後の、「ブルース・リー物語」では何宗道の友人役、「片腕ドラゴンvs空飛ぶギロチン」では足の裏の固いキックボクサーを演じてた岑潛波が敵役で出てくるとこのシーン。 これならちょっと練習すりゃ俺にもできそう・・・えっ?しつこい? でもお客さんに「俺でもできそう」ってなったジャッキー映画はやばいですよ。特にこの当時なら。もちろん、「できねー!」ってシーンもありますがね。 ■お前らおせーんだよ 殺陣を付けてたのは恐らくジャッキー、口出して来たのは監督はじめ向こうのスタントの方たち・・・でしょうか。 まぁこの辺で相当監督とモメモメしたのは誰でも予想がつきそうですが、とにかくアメリカ人の「トロさ」ばっかりが目についてしまって困ったちゃんです。ジャッキー段違い。 「逃げてくる時に李海生と蟹江さんぐらい連れてくればよかった・・・」 とジャッキーの嘆きが聞こえてきそうです。他が相手にならない。 そういや、「燃えよドラゴン」でも私、そう思いました。リーが段違い。 ラストはやたら爺さんの吹けば飛ぶよな頭を「ぱこーん!ぱこーん!」って蹴ってたイメージが。 ま、それはいいとしてやはりまず「逃げ主体」ありきだったのでしょうか? つまり本作作るのは理由に過ぎないと。とりあえず作っておけばいいじゃんと。せめて相手方に黄仁植などの猛者がいれば、もっと違ってきたと思うんですけどね。H・B・ハガディなんかヘボヘボですわ。(ま、確かにあんな路上でバックドロップなんか喰らったら終わりだというのもありますが) ■あっさりやな 「娘は返してやる!おめでとう!」 ばばん ばばん ばばっばんばん・・・終劇 そんなあっさり契約履行するんだったら、最初からジャッキー側と普通に交渉したらいいのに。友人が傷ついたりする必要も無いやんかいな。これ、もし大ヒットでも飛ばしたら続編の予定でもあったのかな? ごっつ、続編作るの簡単やで。 ■なぜ失敗した? なんか今までで大体説明ついたような気がするんやけど、 「アクションできそう」 「アメリカとろい」 「ジャッキーならではが・・・」 というわけで、ジャッキーの持ち味が「明るさ」って部分はちゃんと出てると思うんだけどこれじゃー 「ちょっとアジアで売れてるスターがついでにハリウッドにも出た」 程度の活躍しかしていないように思えるというかしていない。 納得行かなかったでしょうご本人。 ご自身は 「ジャッキーパンチじゃ一発で倒れる気がしない」 とみんなに言われたそうで、「ブルース・リー」を求めて行った観客に(スタイルが全然違うので) 受け入れられなかったというのも、もちろん大きな理由ではある。 しかし、ジャッキーならではの 「スピーディなアクロバットクンフー・アクション」 「もっともっとたくさんの小道具を織り交ぜて」 「ラストに強力な敵を配置(クンフーできる奴)」 を盛り込む事ができれば、つまりこの時点で 「ジャッキー流の作り方」を通せれば結果は違うものになっていた可能性は大いにあるのではないだろうか。 (いや、通せなかったからジャッキーが参ったんだけども) しまりがなくて、すまぬ。 ■性の開花? 余談。 日本公開版ポスターのジャッキーが右腕出してガーッ! とやってるやつ(わかるよね?わかるよね?)。 あれの右横に全然関係ないビキニの外人ねーちゃんがセクシーポーズ決めてるんだけど(いないのもある)、 なんとなく小さい頃あのねーちゃん見てポーッ・・・となった事がありますなぁ。凄い変な感覚だった。あれ以来あんな感覚は二度と体験していない。 恐らくあれが最初の開花。かなりどうでもいいこと失礼しました。
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