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■成龍(ジャッキー・チェン)1988  


飛龍猛将
Dragon's Forever
サイクロンZ


現在のところ、ゴールデンコンビ最後の共演作。
旧お正月映画として公開された。

いやこの映画。
まさに見所目白押しの盛り込みようで、大した破綻も無くテンポ良く続き、さらに3人のキャラクターもバランス良く描かれ、アクションも抜群と
"サモハンオールスター映画決定版"
とも言える完成度の高さだと私は思っている。
全てが無理なく保っているギリギリのところの演出・編集が素晴らしい。
また、いわゆる「お馴染みのあの顔」といった人達が集まってくれた最後の作品でもある(サモハン側的に)。

■しーふー!!

始まって数分で飛び出す、田俊、元華、高飛、周比利、李家鼎と当時でも "名前知らんでも顔はバッチリ"
と今となってはこういったメンバーがバッと出てくるシーンから興味深い。
しかし病気でもないのにあっさりと殺される田俊のおじさんが可哀想〜
当然、陰に隠れてたジャッキーが
「しーふー!!」
と駆け寄って来てくれたりはしないのであった・・・

■うぉうちょーひー!!

殴らんでもええがな。
よく考えると
"レイプした容疑者(成奎安)を弁護する弁護士ジャッキー"
"レイプされた女"
ということで、ジャッキーが女に金を渡して和解を持ちかけているのだが、成奎安ところのゴロツキに邪魔されてケンカになると。冷静に考えればかなりおかしい気がするのだが、まぁいいか。
それにしても被害者の女性はレイプされるわゴロツキに殴られるわ、おまけに相手方の弁護士にも殴られるわで散々ですな(そりゃ泣くわ)

■しんふいおん

当時の中坊ながらの成奎安の第一印象としては
"こんないかにもレイプしそうな奴、よく見つけてきたな(苦笑)"
というのが成奎安の第一印象だったなぁ・・・

■くりすたるこぉ

今回の弁護士ジャッキーの特徴はプレイボーイ。
オールスター映画にありがちな"キャラクター設定適当"というのが今回の主キャストには無く、どの方もそれなりにキャラを立たせてる。

今回のヒロイン、楊寶玲。

それと「ナイスガイ」のヒロイン、李〔女亭〕宜(ミキ・リー)
で、「デッドヒート」のヒロインの1人、江黒真理衣。
・・・どれも、よう似とるのぉ・・・
恐らく全部ジャッキーの趣味なんだろうけども、3つともサモハン絡みなのも気にかかるなぁ。
楊寶玲さんは・・・うん、
「ポリス・ストーリー/香港国際警察」で張曼玉(マギー・チャン)は若さとセンスで乗りきって、大御所ヒロインの林青霞(ブリジット・リン)にも劣らないインパクトを示したけれども、今回の楊寶玲は葉徳嫻に喰われまくり。これはサモハン監督であり、サモハン的に見せ場をサモハン&葉徳嫻で作ったからというのもあるんだけど、厳しかったかな。でも「ナイスガイ」の李〔女亭〕宜より5倍ぐらいマシか。

■お人好し

元彪はホントに良い人だ。
彼はホントに叩いてもホコリが出てこないのではなかろうか?
例えホコリが出てきても"今までの良い人っぷり"というのがあるので、私的には帳消しである。それぐらい良い人だ。

男たちの挽歌2」冒頭でのチョウ警部の誕生日パーティ。
チョウさんは〜良い人だ〜♪
なんてわけのわからん唄のシーンがあるけども、あの曲を元彪に差し替えて唄いたいぐらい良い人だ。
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大哥成 
「おお、ジム!今度また3人で共演するからな!どこどこに何時集      合!」

ジム  
「まじっすか!楽しみっすね!それで今回僕は何の役っすか?」

大哥成 
「俺はその辺、よう聞いてないんやけどな、山東砲に聞いてみてくれや」

ジム  「わかったっす!」
・・・・・・・・・・・

ジム  
「山東砲兄ちゃん久しぶり!今度はまた共演っすね!」

山東砲 
「おお、貴様か。またよろしくな。」

ジム  
「僕は何の役柄なんすか?この前は山東砲の相棒ということで何故か眼鏡掛けさせられたんすけど・・・??その前はイジワル役やったし・・・??」

山東砲 
「・・・・・・・動物好きの役や。」

ジム  
「動物好き?」

山東砲 
「そうや、凄い友達想いの奴でな、友のためには命も惜しまない、それでいて動物も大切にする格好良い役や。」

ジム  
「まじっすか!楽しみっす!」

撮影当日

ジム 
「山東砲兄ちゃん、これなんすか?」

山東砲 
「・・・金魚や。」

ジム  
「それはわかるっすよ。なんでチューブの中に入れてるんすか?」

山東砲
 「・・・台本、読んでみぃ」

ジム 
大兄貴の映画で台本なんか配ってないすよ。」

山東砲 
「ほれ」

ジム 
「・・・・・・・・・・・・・あーっ!!・・・・・・お、俺ってキ、キチ×イの役っすか・・・・・・(涙)」

大哥成 
「何やってんだ、おまいら!本番行くぞ〜!!」

ジム  
「はーい(涙)」
山東砲
「はーい(嬉)」
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・・・書いててホンマに涙が出そうになってきた。悲しくて。
無論勿論、これは想像の産物であり、実際とは何の関係もありません。
元彪は納得の上でオファーを受け、楽しく演じられたに決まっています!
当時のドキュメントでもその様子はうかがえます! (じゃ、書くなよ)
ただし撮影当時、ジャッキーと元彪の2人が吹き出しあってふざけあい、 グラサンかけた怖〜い大兄貴が
サモハン 「おまいらー」
迫力たっぷりに怒りを抑えつつ迫ってきたのは事実です。
その時の弁解するジャッキーと元彪、怒るサモハンにはとっても「七小福」な香りがしましたなぁ・・・

■豪儀やなぁ・・・(メシ食わずに帰るのも、出てる役者も)

俺ならせめてタッパに料理詰めて持って帰り・・・
なんて貧乏くさいことは良いとして、ほんの一瞬だけ登場する羅烈さんを皮切りに、一流の功夫職人どもがバッタバッタと端役で登場する有名なシーンが始まります。
まず最初に目に付いたのは林威(デビッド・ラム)in BAR。
サモハンに変形スープレックスで叩きつけられる痛そうな端役です・・・って、 なんで端役!?
彼の場合、本作1つ前のジャッキー作品が「プロジェクトA2/史上最大の標的」、つまり彼の大悪党ぶりが見られる映画で強烈なインパクトを残していただけに、この小さな役とも言えない役で崩れ去っていく彼を見て、
成り下がりはやっ!?
と当時思ったことを覚えております。
戦闘場所を船上に移し、さらに色んな役者さんが端役扱いで登場します!
鐘發←ジャッキーに椅子を叩きつけられる
劉家榮←とにかく殴られる
馮克安←中2Fからジャッキーに落とされる
山怪←とにかく殴られる
汪禹←下腹部蹴られてから落とされる
狄威←船そのものから蹴り落とされる
太保はいつもこんなもんか。

新人使えよっ!!
どの方もこのHPで主演級の作品レビューがあるよ!!

ほんと功夫映画というジャンルで大成している素晴らしい方ばかり。
もうこれは"サモハンの首領としてのパワー"+"暇だしやるかな気分"+"ゴールデントリオならとりあえず出て損は無さそうだ"この辺、3つでしょうかね理由としては。

■さすが大哥成

"とくに日本ではジャッキー中心にしないとウケない"

そう考えていたと思われるサモハン兄貴は "ならアクションじゃなくて他のとこで" とさりげなくそして濃く(どっちや)、美味しいとこ持っていくのはこのシーン、サモハン&葉徳嫻でしょう。明らかに以前の「ピックポケット」から持ってきてるところが彼らしいですが、それだけに2人の息もピッタリ。ここに名カップルの1つが誕生したのでした。

■ついに三つ巴が!

当時誰もが夢見た対決、ジャッキーvs元彪vsサモハン!
これは間違いなくサモハン兄貴の粋な計らいでしょう。
まぁ半分おふざけですが、見れただけでも良しとしておきますか。

■つーか・・・

・・・こんな弁護士、二度とオファー来ないぞ。

■こわすぎ

ここまでちっとも怖くない横山やっさん風の元華ボスに比べ、サモハンの前に仁王立ちのベニー・ユキーデ。
構え1つ取らないでニヤニヤしてる顔が怖すぎます。太りましたね。
と、同時に迫り来る期待感に初見の時はドキドキトキメキメキトキスでした。 なぜって、そりゃ

「スパルタンX」のリターンマッチがもうすぐ始まるぞ!!
なのですから。
初見にしてみれば、"最後はリターンマッチ"と思って観ていたので そりゃその辺の盛り上がりってのは凄いもんでしたね。

■元彪良かったあるな〜

ついにクライマックスの団体戦!
サモハンは薬漬けにされて見せ場無しでしたが、
その分頑張ったのが元彪!
"どうだ!山東砲には出来んだろ!"
とばかりのアクロバティックな動きは最高でしたね。
仰向けから一気にエビ反り返って周比利の足に攻撃する辺りも凄かった。 それにしても周比利の後頭部は大丈夫だったのか?
いつ見ても心配になります。
おっと、小悪党に過ぎないながらちゃんとキャラクター設定されていた高飛vs楊寶玲なんてのもありましたね。

■いよいよ・・・

元華の華麗な(?)動きが観る者を爆笑させている頃に始まる
ジャッキーvsユキーデ、リターンマッチ!!
ジャッキー本人が「これは古典である」と言ったように、スタイルこそ違えこの戦いも素晴らしいものがあります。しかし、これこそ"書いてどうなるもんでもない"ような気がしますので未見の方は是非観てほしい名勝負の1つですね。

終劇


■すげー味濃い

上記に挙げ連ねただけでもたくさんですが、小さいイベントも数たくさんあり、ホントに楽しい要素がいっぱい詰まった映画です。特筆すべきは
"それでいてギリギリ破綻していない"
ってところですね。もの凄く味の濃い映画でありながら、美味しいの範囲内ギリギリでまとめるみたいな。

それでいて英語題、「Dragons Forever」からもわかるように一連の'80年代の作風に別れを告げる最後の作品であったことも間違いないでしょう。

その後、元彪+サモハン、ジャッキー+サモハンといった共同作品はあってもゴールデントリオ出演の映画はありません。
もう無いのかなぁ永遠なのかなぁ・・・
こればかりは3人に期待しながら見守るしかないのですが、 いつかまた3人がケンカするような映画が観たいですね。

■CAST&STAFF
監督 洪金寶(サモ・ハン・キンポー)
出演 成龍(ジャッキー・チェン)
洪金寶(サモ・ハン・キンポー)
元彪(ユン・ピョウ)
楊寶玲(ポーリン・ヤン)
葉徳嫻(ディニー・イップ)
郭錦恩(クリスタル・コオ)
喬宏(ロイ・チャオ)
元華(ユン・ワー)
ベニー・ユキーデ
高飛(コー・フェイ)
李家鼎(リー・カーティン)
周比利(ビリー・チョウ)
馮淬帆(フォン・ツイフェン)
成奎安(シン・フイオン)
鐘發(チュン・ファット)
劉家榮(リュー・チャーヨン)
馮克安(フォン・ハックオン)
林威(デビッド・ラム)
狄威(ディック・ウェイ)
午馬(ウー・マ)
山怪
汪禹(ワン・ユー)
羅烈(ロー・リエ)
太保(タイ・ポー)
武術指導 洪家班
成家班
音楽 黄炳耀(ジェームス・ウォン)
脚本 梁耀明
陳嘉上(ゴードン・チャン)
司徒卓漢(シー・トウ・チャ・ホン)
製作 成龍(ジャッキー・チェン)
元奎(ユン・ケイ)
製作総指揮 何冠昌(レナード・ホー)
鄒文懐(レイモンド・チョウ)
制作年度 1988


警察故事續集
Police Story Part2
ポリス・ストーリー2/九龍の眼


◆爆弾テロリストと特捜刑事ジャッキー(ジャッキー・チェン)との壮絶な闘い。(一行で済んだな)

前作から3年を経て、その間に頭蓋骨骨折で生死の境を彷徨う事もありましたし、 ゴールデントリオの再競演もありました。それこそ色んなものを吸収して前作からどのようなシリーズ展開を見せるのか?

つーか盧惠光こんなに出てたのか
当時はまだまだ印象の薄い青年ですが、
・消防士の役
・刑事の役
・刑事の役2 ジャッキーとちょっと絡む
と3回出てます。ま、考えてみればその前の「プロジェクトA2」にもはっきり出てるのですが。

先に難を言うと、この映画は新味が少ないんですね。
あれから3年経った張曼玉の成長ぶりは伺えますが、他は同キャスト、敵役も成家班の面々を使っているということで、なんちゅうか新しい何か ってのが見あたらない。あっても目立っていない。強いて言えば不具者でありながら強敵黎強權の足技ぐらいか。これにしても

「片腕ドラゴン」しかり「阿修羅ミラクルカンフー」その他諸々含め、 不具者でありながらメチャ強いってのは既出なんですよね。

■バトルは充実

まだまだジャッキーの動きはキレキレですし、ジャッキー式戦闘である天下無敵感の少なさを感じさせながらなんだかんだで大勢の敵を倒してしまう絶妙なバトルは素晴らしいものがあります。
これがサモハン形式だとちょっと「天下無敵感」が強すぎる傾向にあるんですよね。「上海エクスプレス」とかと観比べてみて。まぁこれは良い悪いでなく個性の問題ですけど。
勿論、久しぶりにジャッキーvs黎強權には燃えましたね。
(これ、リアルタイムで当時観た人は誰でも燃えたんじゃないでしょうか)
友人と一緒になって劇場から出てきて
アパアパアパアパやってました

■女優さんは

今ふと思ったんですけど、 ジャッキー映画での女優さんの役割ってほとんどがコメディリリーフ ですよねぇ、いっつも。 今回は張曼玉、受難ばっかりです。劇中でマジギレするのも当たり前。
・曹査理(眼鏡のおっちゃん)に殴られるわ
・1人でバリ島に行かされて拘束されるわ
・バイクで車に突っ込むわ
・誘拐されるわ
・高いところから滑り落ちやらされるわ
早く別れたまえ、ほんとに

■スタントは

もうね、なんかね。
達観した感じさえあるんだよね。この辺。
前半のハイウェイを走って横断→ミニバンに激突!・・・って
なんか今もの凄いスタントがあったような気がするんだけど・・・!?
ってなぐらいにサラッと流してる。
喫茶店でも凄いスタントアクションバリバリなんだけど、当たり前のように繰り広げられるし、特にラスト火薬工場は凄いよ。
・階段を裏から手で昇るとか
・・・・あれは何て言うのだ?落下式ベルトコンベア?の中を落下するとか、もうスタントの嵐。
何でも出来るぜジャッキー!って感じ。

■一番好きなシーンというか無条件に

黎小田万歳!
この映画、いつ観ても条件反射的に涙ウルウルとしてしまうシーンが実は私にはあるのだ。
それはクライマックス、敵に樽を投げつけられながら ジャッキーがベルトコンベアを駆け上がるシーン、 ここでバッとインストで「警察故事」テーマ曲がかかって

ちゃっちゃちゃーー!!ちゃっちゃちゃーー!!
ちゃっちゃっちゃちゃっちゃーーー!!

なぜか涙どーっ!!

とそこまでは大袈裟ですが、ここの配音は超絶妙です。
一気に何だか
ジャッキーが今まで頑張ってきたこと今も頑張ってることに対する感服の気持ちが沸き上がってきて
うおおー!!ジャッキー!!!やっぱ好きだーー!!

音楽が映画の半分とするならば、まさにこういうことを言うんでしょうね。
たまにはまた黎小田さんの音楽でジャッキー新作観たいな。

■気になりすぎ

kingkingさんのHPにて衝撃の事実を知ったのですが、これ。
・朱寶意がちゃんと出演してるバージョンもある
・そしてそれは現行バージョンと全然違うハードボイルドな作品らしい
ですって!
当初、確かに朱寶意出演とされていましたが、いざ日本公開ではいなかったんですね。途中で降板したか何かの事情で丸々カットされたかわからなかったのですが、何でもその際のバージョンではハードボイルド過ぎるということで日本ではウケないと思い、急遽撮り直したそうです。
ここがジャッキー可哀想なことに「急遽」が影響して配給会社も満足な宣伝が出来ず、 この映画は日本でヒットしませんでした。
以来、この辺からジャッキー映画は日本で下り坂を辿り始めます。

それにしても観てぇ!!それ!!


■CAST&STAFF
監督・原案・脚本 成龍(ジャッキー・チェン)
出演 成龍(ジャッキー・チェン)
張曼玉(マギー・チャン)
郭錦恩(クリスタル・コオ)
董驃(トン・ピョウ)
火星(マース)
張牛郎(チャン・ウー・ロン)
黎強權(ベニー・ライ)
楚原(チュー・ヤン)
林國雄
梁韻蕊
梅愛芳
曹査理
戴蘊慧
林國斌
何家勁
午馬(ウー・マ)
盧惠光(ロー・ワイ・コン)
武術指導 成家班
音楽 黎小田(マイケル・ライ)
脚本・製作 ケ景生(エドワード・タン)
製作総指揮 何冠昌(レナード・ホー)
鄒文懐(レイモンド・チョウ)
制作年度 1988

ポリス・ストーリー2/九龍の眼
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