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■成龍(ジャッキー・チェン)1992  


双龍會
Twin Dragon
ツイン・ドラゴン




病院で双子の片割れを人質にした強盗のおかげで、双子は生き別れになってしまう。
香港の整備工場で働く半分チンピラのジャッキー(ジャッキー)と、
アメリカで高名な音楽家として活躍していたマー(ジャッキー二役)の2人が、生き別れのそれであったが、2人とも知らなかった。
ある時、コンサートの為香港に訪れたマーはひょんな事からジャッキー一行が起こしていたマフィアとの抗争に巻き込まれていく。ついにお互い顔を見合わせた2人は一致団結。2人してマフィアのアジトに向かった。

香港の著名映画人が揃って作ったアクション映画。
「出演・武術指導」の枠内を見てください。すんごいメンバーがずらり。
なにげに著名映画人オールスターな映画だったりする。

興行収入はほとんどがスタントマンのための保険会社設立に当てられた。 実はジャッキーをはじめ香港のアクション映画でスタントをしたために重傷を負い、障害者になった人もたくさんいる。
本作はジャッキーが皆を引っ張ったというわけではなく、著名な映画関係者が協議した結果、
「主役はジャッキーしかいないだろう」
ということで連れてきた感が
強い。まずは、この映画にどんな奴らが顔を揃えているのか皆様のご協力を期待しつつ、迫ってみましょうか。

豪華な出演者たち

まずは泰迪羅賓
ジャッキーの相棒役で出演。なんかこのコンビ違和感あるんだよなぁ。
古くは「愛情的代價」('70)の主演で
みゃうにゃ〜にゃうにゃうにゃ♪にゅにゃうにゃ〜♪
強烈な猫声ボーカルを披露する彼(予告編で聞いただけですが)。
以前、香港人の芸名についてが話題になったことがありましたが彼の場合は奥雲偉信(オーウェン・ウィルソン)の逆パターンと言いますか何でしょか。 これは最初から"テディ・ロビン"と発音する当て字のようです。ミュージシャンだからかな。背が小さくて猫声でやかましくて役立たずと、ま、劇中の彼もあまり個人的には好きなキャラではないのですが、スタッフとしての裏方仕事は凄いですからね。
許冠傑主演で共演、監督作の「飛龍伝説オメガクエスト」はあの"ウェズリーもの"を原作として冒険アクション超大作でそりゃ面白さも・・・うーん・・・
元彪主演でサモハンを悪役に配した監督作「愛と欲望の街/上海セレナーデ」もまさに混沌とした上海を描いたアクション大作でそりゃ面白さも・・・うーん・・・
・・・ま、監督としてはアレなのかもしれませんが、音楽家としての仕事は凄く、傑作「悪漢探偵」の音楽は彼!・・・でいいんだよね?
ユンファの傑作「友は風の彼方に」も彼であれば、「獣たちの熱い夜 ある帰還兵の記録」のプロデュース・音楽も彼。また「獣たちの熱い夜 ある帰還兵の記録」の本作劇中の彼からは想像もつかないような、味があってせつな〜い音楽はよかですねぇ〜

続いて張艾嘉
個人的に「酔拳2」のアニタ母ちゃんより、この張艾嘉母ちゃんの方が納得行かないぐらいなのですが、まぁ初共演ということでよしとしましょう。彼女が呼ばれた意味も女優さんとしてだけでなく、監督としての評価で呼ばれていることは言うまでもないでしょうね。

おお姜大衛
ショーブラ解禁のおかげで最近は彼のレビュー作も増えてきました。た、確かジャッキー初共演。製作も兼ねていることからこの辺の元亜洲影帝が筆頭となっていたんではないかと思いますね。劇中ではアクションも見せてくれます。

王晶
ふざけた霊媒師役で登場。
・・・なんつーか、出てきた途端に「王晶映画」みたいなテイストになっちゃってるのはさすが!?

劉家良
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱」が先に日本公開されてたらもっとウケただろうなと思う医者役。

曾志偉
どっかのAVプロデューサー役。ちょろっと出てきただけで本領発揮するんだよなぁ、いつもの。

徐克
車工場の工員役。トランプ中。
というか彼が落ち着きのある役柄を演じていたのは強いて「最後勝利」の兄貴ぐらいか。あれも何するかわからんデンジャラス度は抜群だけど。 この人、いっつも落ち着きが無いの。

呉字森
神父役。 ・・・しかしさぁ、今こそハリウッドで呉字森+ジャッキーに期待したいんだけどなぁ・・・契約がどうのとかで難しいのかなぁ・・・
今は同じハリウッドということで、この2人はいつもちか〜くにいるような感じなのに、「ジャッキー・チェンの少林門/秘龍拳」以来、一緒に作ってないんだよな。口出ししたいジャッキーの口にピタッとテープでも貼っつけて、呉字森の演出で俳優ジャッキー観てみたいなぁ・・・

探しています

つーか、見つけようとしてませんでした。もしくは顔知らない。
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というわけで、
香港電影乃館HP管理人Toru様
香港電影的日常HP管理人fake様
が情報提供して下さいました!
「ツインドラゴン」
Toru 投稿日:2003年11月17日<月>01時05分

張堅庭→悪党ボス、クラブでは音痴な歌を披露。
黄志強→冒頭で赤ん坊を人質に逃げる逃走犯人。
黄霑→成龍の父親
張婉〔女亭〕→赤ん坊の成龍(悪ガキの方)を拾って育てる売春婦。
羅卓瑤→育て親の墓参りにて墓地でたたずむ女性(一瞬)。
陸劍明→利智を追いかけ回す恋人、自分より強い成龍を師と仰ぐ。
高志森→陸劍明と成龍の格闘中、あたふたしてるデパート店員。
程小東→オーケストラのリハーサル場面、たぶんバイオリン弾き。
林嶺東→車修理工場で徐克と呉思遠と共にトランプしている。

こんな拙い説明でお分かりでしょうか?
許鞍はよくわかりませんでした、程小東は木琴叩いている方(横顔なもので)かバイオリン弾きかどちらかだと思うんですが、たぶんバイオリンの方だと思います。

Res:Toru 題名:おまけ(笑)
投稿日 : 2003年11月19日<水>16時20分

皆さま、今晩は!
「ツイン・ドラゴン」 ラストに出演者の名前が出演順にずらっと出てくるのですが、一番最初の名前が許鞍華(アン・ホイ)、彼女はたぶん出産シーンの看護婦さんではないでしょうか!
香港電影バラエティブックという本に詳しくこの映画の事が出ているんですが、その本によれば冒頭でアメリカに向かう飛行機の中で張艾嘉と黄霑が行方不明となった赤ん坊を諦め悲しみにくれている場面では、乗客の中に方令正や唐基明がいるそうです、この本を見ると本当に大勢の導演が出演してますよね!

fake 題名:追加だよ
投稿日 : 2003年11月19日<水>11時18分  
出てこなかった人をいくつか・・・。  
マーの誕生パーティのシーンには『ドラゴン・イン』の李惠民、UFO組の李志毅と陳可辛に、『風雲』の劉偉強も。  呉思遠さんも徐克とのトランプ組です。陸劍明はショウ ブラの功夫スター『唐山五虎』なんかが印象深い。その陸 劍明とジャッキーの場面で、あたふたするレジ係が張之亮 だったり。他にもいるはずだけど、ちょっとどの場面だっ たか思い出せないっす。
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以上、本当に有難うございました!かなり気分スッキリです!

では改めて各ゲスト出演者の簡単な解説を。

張堅庭(アルフレッド・チョン)
プロデューサーから、監督、脚本、出演とマルチな才能を発揮する映画人。元彪主演の監督作「オン・ザ・ラン 非情の罠」は高い評価を得ています。 ウチでは彼主演の「夏日情人」をレディーコーナーでレビューしています。

黄志強(カーク・ウォン)
ジャッキー「新ポリス・ストーリー」の監督さん。
「ビッグヒット」でハリウッド監督デビューも果たしました。私は「ガンメン男達のバラッド」が好きだな。

黄霑(ジェームス・ウォン)
音楽家。

張婉〔女亭〕(メイベル・チャン)
有名な女流監督さん。代表作だけでも「誰かがあなたを愛してる」「宋家の三姉妹」「玻璃の城」とヒット作揃い。

羅卓瑤(クララ・ロー)
監督さん。作品に「ジョイ・ウォンのリインカーネーション 輪廻転生」「YES一族」などがある。

陸劍明
三級片や珍品の監督から武侠片の監督から何でもこなす。最近では倉田さんも出てる「暗鬥」

高志森(クリフトン・コウ)
李麗珍(ロレッタ・リー)の「ロレッタ・リーのハード・ロリータ〜禁断の果実」といった三級片も監督。後に許冠文(マイケル・ホイ)と組んで「ホンコン・フライド・ムービー」を監督します。

程小東(チン・シュウトン)
ワイヤーワークの第一人者。
チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」の監督さん。古くは主演の功夫映画があったりもします。

林嶺東(リンゴ・ラム)
本作の監督(主にドラマ部分)「友は風の彼方に」「プリズン・オン・ファイヤー」「スペクターX」等々 彼の作品に傑作は多い。

呉思遠(ウー・セイエン)
李小龍に最初にアタックしたのは彼だと言われている(ギャラが高くて断念したとか)。その後も、梁小龍、倉田さん、劉忠良(ジョン・リウ)、黄正利(ホアン・チョンリー)そして武術指導として大きく関わった袁和平(ユアン・ウーピン)がいた袁家班。極めつけはジャッキー。
と、彼が発掘して一人前になったり、スターダムに乗った人間は数多い。まさに今となっては重鎮であろう。

ちなみに呉思遠が関わっているのにも注目したい。 彼のネームバリューに引っ張られた出演者・スタッフもいるのでは。

強気ジャッキー 弱気ジャッキー

どっちも楽しめるこの作品はその辺だけでも、ジャッキー迷にとってお得、 そして上記のようにオールスターというかオールスタースタッフ総出演でなおお得。
場数を踏んで大御所的貫禄までバッチリ成長の張曼玉と、セクシー度バッチリの現ジェット・リー夫人・利智のダブルヒロインでこちらも文句無し。
この時の張曼玉&ジャッキーの「ポリス・ストーリー/香港国際警察」ではなかった何とも言えない違和感がわたしゃ好きだったりする。

盧冠廷さんお得意のほんわかサントラが象徴しているように悪役もユーモア溢れる演技だし、余計な血の全く出ない楽しいコメディ要素が強く良心的な作品、見てて疲れない点がこの映画の良いとこ悪いとこどちらとも兼ねているだろう。

武術面

最初のクラブでの王龍威らとの戦いは袁和平の武術指導ではないかと。
なんとなく雰囲気で。
後はハッキリ言ってクライマックス以外わかんないけど、ボートや車を使ったシーンなんかは徐克はもちろん、徐小明も関わっていたのかも知れない(彼、こういうの得意だから)。

クライマックスは徐克もリンゴもいなかったんじゃないの?
(いやだから徐克はそこに出てるけど)
ってぐらい、車工場でのシーンはジャッキー監督っぽい。
敵と味方の隠れんぼに追いかけっこ、それによって起こるアクシデントコメディ、今までの監督作品が十分証明しているジャッキーオハコのシーンである。さらに言って、ここまで確かにアクション部分での弱さは感じられるところあるものの、このクライマックスの戦いは素晴らしい。
まぁ車工場なんてシチュエーションで成家班なら、もういくらでもアクションバリエーションは考えつくだろうし、そのオリジナリティには絶対の自信を持っていたんじゃないかな。

ちなみに日本公開版のエンドロールに「ポリス1・2」のハイライトが入ってるのは、上映の際、幕が下りる前に次に上映される「ポリス・ストーリー3」の短い予告編を流していましたので、それにつなげるためです。

■CAST&STAFF
監督 徐克(ツイ・ハーク)
林嶺東(リンゴ・ラム)
出演 成龍(ジャッキー・チェン)
泰迪羅賓(テディ・ロビン)
張曼玉(マギー・チャン)
利智(ニナ・リー)
張艾嘉(シルビア・チャン)
王龍威
姜大衛(デビッド・チャン)
王晶(バリー・ウォン)
劉家良(リュー・チャー・リャン)
張堅庭(アルフレッド・チャン)
黄志強(カーク・ウォン)
黄霑(ジェームズ・ウォン)
張婉〔女亭〕(メイベル・チャン)
羅卓瑤(クララ・ロー)
陳友(アンソニー・チェン)
陸劍明
高志森(クリフトン・コウ)
許鞍華(アン・ホイ)
陳可辛(ピーター・チャン)
程小東(チン・シウトン)
林嶺東(リンゴ・ラム)
曾志偉(エリック・ツァン)
徐克(ツイ・ハーク)
呉字森(ジョン・ウー)
武術指導 武師公會
梁小熊
董〔王韋〕(ツン・ワイ)
袁和平(ユアン・ウー・ピン)
徐小明(ツイ・シャオミン)
李健生
成龍(ジャッキー・チェン)
脚本 徐克(ツイ・ハーク)
張同祖(ジョセフ・チェン・ツン・ジョ)
黄炳耀(バリー・ウォン)
原案 徐克(ツイ・ハーク)
泰迪羅賓(テディ・ロビン)
張同祖(ジョセフ・チェン・ツン・ジョ)
黄易
音楽 盧冠廷(ローウェル・ロー)
製作 張同祖(ジョセフ・チェン・ツン・ジョ)
姜大衛(デビッド・チャン)
制作 呉思遠(ウー・セイ・エン)
製作総指揮 泰迪羅賓(テディ・ロビン)
制作年度 1992


警察故事V・超級警察
Police Story3 :Supercop
ポリス・ストーリー3



東南アジアで50%のシェアを誇る麻薬組織のボス・チャイバ(曾江)一味を一掃逮捕するため、香港国際警察のチェン刑事(ジャッキー)は 中国の囚人キャンプに投獄中のチャイバの腹心パンサー(元華)に 悪者を装い接近する。 中国での補佐官ホア(楊紫瓊)とともに、 チャイバのアジトに「仲間」として潜入し、証拠を掴むのも間近であったが、 偶然チェンの恋人メイ(張曼玉)が組織に捕まり、 チェンが刑事であることがバレてしまう。 組織はメイ解放の条件としてチェンに囚人護送車の襲撃を命じた。

「シャンハイナイト」の公式サイトで
"年代別あなたの好きなジャッキー映画"を投票出来ます。
※現在は出来ません。

というわけで、'70年代'80年代の各ランキング投票結果は
「なるほどなーそうだろなー、なんでジャッキー・チェンのヤング・タイガーに8票も入ってんだよ
なんてツッコミながらもだいたい納得できる普通のランキングだろう。
ところが'90年代以降に入るとこの投票数が面白くなってくる。
現在のところ、
1位が「酔拳2」
2位が「Who am I?
3位が「ラッシュアワー」 だ。
まぁこれ以上、引用するのもアレなので具体的には言わないけど、気持ちとしては「あれーっ?」って感じ。あれーっ?って感じるような作品はみんな中ぐらいの順位。

どうしても自分の世代を中心として捉えてしまいがちだが、サモハンはもちろん、ジャッキーも知らない人は知らない、上手く表現できないが、
「キム・ベイシンガー知ってるか?」
と言われれば、知ってるけど知らないような現況の中のランキングだというのがよくわかる(なんだそりゃ)。

ここ最近では「ラッシュアワー」が一番ポピュラーなジャッキー映画だとも思われるし、あのヌルイ・・・いやいやとにかく観たことない人なら、新鮮に見えたのかも知れない。
そして日本で「ラッシュアワー」の次に公開したのは「Who am I?」。
「ラッシュアワー」でジャッキーに興味を持ってくれた人が、この映画を観て
「すげーじゃん!」
と思ってくれたのは容易に推測できる。

だから1位は「酔拳2」なのだ・・・あれーっ?

【今の若者、さらに推測】

「ラッシュアワー」をきっかけに「Who am I?」を観て凄かったぜ!

先輩から「いやぁ、ジャッキーと言えば酔拳だぜ!」と言われる。

ビデオ屋へとわくわく。ところが「酔拳」が無い・・・
もしくは、「酔拳」パッケージを見て古臭いと判断(そうだけど)。
よって「酔拳2」を選択。

!!さらに新鮮な驚き!!

「酔拳2」は私的にとっても感慨深い映画ではあるが、作品全体のクオリティとしてそんなに高いとは思っていないのが私の本音。ただ、功夫アクションの気合いの入れようは素晴らしく、もうそれだけで俺の中で100点満点に持っていきたくなるような結局はあま〜〜い評価の作品である。
ただ、功夫コメディを知らない最近のティーンエイジャーにとって、「酔拳2」で初めて目にする奇妙奇天烈な戦い方は新鮮に格好良く映ったのではないか(私の世代にとってはリメイクなんだけどね)。

・・・つーか、あれ?
俺「ポリス・ストーリー3」のレビューをするつもりじゃなかったっけ?

ああ、そうそう!
要は(ここまで引っ張って全く要じゃないじゃん)
この俺の大好きな傑作を
今の若者たちは見てないんじゃないか? 
・・・って思うのよ。

シリーズもののジンクスが生む悲劇?

Part1が一番面白い

この一般的なジンクスを破る例外は少ない。
「ランボー」「ロッキー」はかなり象徴的、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(ただこの作品ほど前作とリンクする映画も珍しいよね)然り、「プロジェクトA」然り・・・そう言えば「ターミネーター3」は見てないなぁ・・・

その中で、 「ポリス・ストーリー3」。

最近、新たにジャッキー迷になった人のこと(仮にA君)を考えてみよう。

A君 「この前、借りたポリス1は最高だったなぁ・・・今日は2を借りてみよう!」
A君 「おっ!?ポリスは3もあるのか!?なになに・・・
    えっ?監督はジャッキーじゃないの?そして見知らぬこの女性は誰?     ・・・うーん・・・」
A君 「とりあえず今日はポリス2と奇蹟を借りてみよう!」

という流れになりそうな気配は容易に推測がつく(推測ばっかり)。
それにしてもリアルタイムにこんな楽しみ持った人は幸せ・・・
いやいや、リアルタイムにジャッキー映画を観てきた俺の方が幸せだよな。 とにかく「ポリス3」はその第一印象からして
"ちょっと手を出しにくい感"
があるのではないかと思われる。

ほほー
それでは早速本題へ(早速じゃないじゃん)

音速の興奮!

大袈裟に書いたけど、劇場で観たときは表現の通りだった。
劇場から出てしばらくは俺も友人も言葉が出ない・・・
まるで「プロジェクトA」と「ポリス・ストーリー」というものを初めて観たバート・レイノルズのような気分・・・(これについてはfake様HP日記2002.02.02分をお読み下さい。というか必読!)
さっき見た映像、あれはいったい何なのだ!?人間にあんなことが・・・

ポツポツと口を開き出す俺と友人。
「凄かった・・・凄かったな、凄かった凄かった!」
それからの興奮は話すまでもないだろう。

この映画には余暇が無いのだ

つまり、シーンとシーンの間に前のシーンの感想を考えさせるような間が無く、観客も休むな、ずっと観てろこのやろ。
みたいにほぼ一切の余計なシーンを挟まない。

スタンダードに観てる映画もずいぶんと難しいアートを持ち出していた北野武監督にこの映画の感想を是非伺いたいものだ。
最近は自分と世間のジレンマから、余計な色が付いている感の強い北野作品だが(同情するが)、元々は余計な演出を一切しないことは大きな特色だったはず。

余計な演出は挟まない
そしてちゃんと娯楽映画でもあり、面白い

これこそ最近の「BROTHER」や「座頭市」などの北野作品が目指した先ではなかったのか。「座頭市」は結構良かったけど、何となく違った
これが超カンタンな自分の感想で、北野テイストがしっかり残ってるじゃないかと言われればそうなのだが、残ってるという言われ方をされるということはそれは残り物だからダメなんじゃないの?って気もするからで、
残ってると活かされてるは違うだろって感じの映画だったなって気分である。 って、また話がずれたな。

とにかく"息つく暇無く"とはまさにこういうことを言うのだ。
そんな映画がまさにこれなのだ。
 と私は言いたい。

似たような感じで全然違う映画が一つある。
それは「ナイスガイ」だ。
この映画も始まってすぐアクションアクションアクションアクション アクションアクションアクションアクションアクションアクション アクションアクション終劇 ・・・確かに息つく暇はなかった。
ただし、 息つく暇はなかった=面白い ではないと証明した映画でもある
やはり映画は「話、キャラ、イベント」これら3つがバランス良く混ざってないと幾らテンポが速くでもアクションだけじゃ面白くはならないのだ。

その辺をクリアしている。
それがこの映画の凄いところだ。
確かに話も簡単、主要人物も少数ではあるが、
幕切れを迎えるまでのハラハラなストーリー展開は全く飽きさせないし、
幕切れを迎えた時にジャッキーを除いて強く楊紫瓊と元華の印象が残るだろう。
3つの要素をバランス良く消化した上で、息つく暇ないテンポ感、これらを両立させた素晴らしい作品なのだ。

ジャッキーだけではない

とは言っても、
「魔域飛龍」で監督デビューしたばかりの唐李禮に目を付けたプロデューサーとしての才はかなり大きく買いたい。

監督・武術指導 唐李禮

冒頭にこう表示された時には、僕は大きな不安を感じたものだ。
「えっ?アクションも監督に任せちゃったの?つーか誰?」
そんな感じだったが唐李禮のジャッキー作品次回作「レッドブロンクス」の時には、逆にどれだけの期待をしたものか。

唐李禮監督の客観的な目で余計なシーンを切る妥協無き姿勢、そしてあまたのアクション映画監督さんたちどころか命懸けアクション第一人者のジャッキーでさえびっくりの実験的なスタントシーンの数々。
ジャッキー&元華が1つのロープウェイにぶら下がって、山の頂上から滑り降りた時は俺でさえ、いつものジャッキースタントを観る印象とは違った。

怖ーっ!?

続いて元華
七小福出身で存在も知りながら、なかなかその正体を現さなかったやっとこさ日本デビュー(厳密には違うけどね)な彼の存在は凄まじく大きい。
他にこの悪役を誰が出来ただろう・・・と考えると・・・ん〜
パッと思いつくのは呉鎮宇(フランシス・ン)ぐらいかな。この当時だと若すぎるかも。というわけで、あまりにも元華さんピッタリな役なのだ。
説明だけなら麻薬組織のボス、曾江扮するチャイバの側近でしかない。
だけど、その風貌とやることなすことワイルドで悪でクールで強烈。
おまけに仲間となったジャッキーを故郷に連れて行ってあげる仁義まで垣間見せる。ちなみにジャッキーの偽甥っ子に見せる親戚のおじちゃん的な元華スマイルが素敵。この辺のワイルドでクールなのに牧歌的小市民な一面も見せることで、このキャラクター凄い深みがあるんですね。曾江のおっちゃんがワイワイ騒いでる後ろで細かな芝居をしてる彼にも是非注目してあげて下さい。

てゆーか、楊紫瓊
復帰作としては余りに最高だったっすね。
ジャッキー不仲の真偽はどうでもいいっす。だって、それが劇中に影響してるのならまだしも全然影響してないもん(作品第一主義)。
アクションはジャッキーと半分こ。
復帰したばかりにしては過激すぎるんじゃないの?
ってアクションを平気な顔して(平気なはずはないが)やってのける彼女は素晴らしいですね。
最初は中国の公安ということで、お堅いイメージで登場するもジャッキーの妹に扮したりすることでどんどん緩和。 シンガポールに着く頃には自慢の(知らないけど、脚線美ですよね!)おみ足をスラリと披露。
冒頭の中国ポリスなイメージは何処行った?的七変化がたまりません。

この2人で十分ちゃー十分なのですが、
張曼玉の「ちぇん!かっ!くいっ!」 がすげー可愛くて好きだし、董驃&陳欣健のおっさんコンビも良い味。火星くんがさりげなく出てくる辺りもよか。 ベテラン曾江さんは言わずもがなに、羅烈さんが出てきた時は1人ほくそ笑みましたね〜



というわけで、
'90年代ジャッキー映画ベスト1に私が推すのは本作です。
何回か書いてますが
'70年代 「酔拳」
'80年代 「プロジェクトA」 ってな感じで。
3作品に共通してるのはやっぱり「話、キャラ、イベント」このバランスが素晴らしく良い、ということですね。
Part1が一番面白い
このジンクスを見事に崩した作品なので是非、
「ポリス・ストーリー3」という題名で尻込みな人達はご覧になってみて下さいまし。


■CAST&STAFF
監督・武術指導 唐李禮(スタンリー・トン)
出演 成龍(ジャッキー・チェン)
楊紫瓊(ミシェール・ヨー)
元華(ユン・ワー)
曾江(ケネス・ツァン)
張曼玉(マギー・チャン)
董驃(トン・ピョウ)
盧惠光(ロー・ワイ・コン)
火星(マース)
陳欣健(フィリップ・チャン)
顧美華(ジョセフィーヌ・クー)
羅烈(ロー・リエ)
沈威
韓義生
潘秀燕
段偉倫
キム・マリー・ペン
王菁
脚本 ケ景生(エドワード・タン)他
馬美萍(マー・メイピン)
製作 陳自強(ウイリー・チェン)
ケ景生(エドワード・タン)
製作総指揮 成龍(ジャッキー・チェン)
何冠昌(レナード・ホー)
制作年度 1992

ポリス・ストーリー3
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