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■成龍(ジャッキー・チェン)1995  
 


紅番區
Rumble in the Bronx
レッド・ブロンクス




休暇でロスの叔父を訪ねてきた刑事のジャッキー(ジャッキー・チェン)は、 ストリートギャング同士の抗争をたまたま邪魔したことから目を付けられ、 さらに叔父のスーパーにショバ代を取りに来たギャングを撃退したため、集団でリンチされてしまう。
しかし、血塗れになったジャッキーを介抱したのは なんとギャングの仲間(フランソワーズ・イプ)だった。



完全なメジャーとしてジャッキーがアメリカ進出した記念すべき作品。
本作品でジャッキーはメジャーのハリウッド・スターの仲間入りを果たした。 とはいえ、個人的には唐李禮(スタンリー・トン)監督とは思えないほどの出来だと思った。
畳み掛けるようなストーリー展開の合間に ちょっとしたギャグを入れていく前の演出が好きだったのに、本作ではあまり活かされておらず、ラストのホバークラフトでボスを轢くあたりも コミカルな演出が納得行かない。なんだそりゃって感じ。

ただ、アクションそのものはやはり一級品でビルからビルへの大ジャンプや、ホバークラフトにブラ下がってのアクション(これが面白い)等々、命懸け連続である。実際、橋から船へ飛び移るシーンでジャッキーは足を骨折した。 なんかチャールズ・ブロンソンの「スーパーマグナム」のコメディ版みたいな感じ。 あまり話が盛り上がらないなぁ。

■CAST&STAFF

監督・武術指導 唐李禮(スタンリー・トン)
出演 成龍(ジャッキー・チェン)
梅艶芳(アニタ・ムイ)
董驃(トン・ピョウ)
フランソワーズ・イブ
マーク・エイカーストリーム
ガービン・クロス
周華健(エミール・チョウ)
モーガン・ラム
岳華
武術指導 成家班
脚本 ケ景生(エドワード・タン)他
製作 (バービー・トン)
製作総指揮 何冠昌(レナード・ホー)
制作年度 1995


霹靂火
Thunderbolt
デッド・ヒート




マフィアのボスであり、有名なレーサーでもある(だからなんじゃそりゃ)ジョンは香港での取引を前に公道を荒らし回っていた。それを取り締まるために召集された車整備工場主任のジャッキー(ジャッキー・チェン)は、深夜の公道でたまたまジョンと接触。ジョンを捕らえるためカーチェイスを繰り広げてしまう。勝利したのはジャッキーだった。しかし結局、ジョンは証拠不十分で釈放になってしまう(なんでやねん)。
ジョンはジャッキーの家を襲い、妹二人を誘拐。
返して欲しくば、日本の仙台のレース場で俺と勝負しろ!と言って立ち去る。(そんなアホな)
レースに向けて準備するためジャッキーは記者のユン(アニタ・ユン)と、スポンサーに日本のレースチーフ(加山雄三)に協力して貰うことになる。
で、レースに勝利した。(ええーっ)



これほど一個人の為に制作された映画は無いというほどに、
ジャッキーによるジャッキーのための映画。
本人が一番楽しかったと思う。とにかく全編車だらけ。
専門用語も一杯飛び出してジャッキーのマニア心をくすぐる。
カーマニアが観てこの映画が面白いのかどうか知らないが、こっちにとっちゃよくわからん。
武術指導もサモ・ハン・キンポーに任せている辺り、
ジャッキーのクンフーへのやる気の無さが伝わる。
とはいっても、サモハンなのでそういったシーンもそれなりに楽しかったのだが、誰が凝ったか監督なのか、ウォン・カーウァイのようにカメラアングルがぐるぐる変わり過ぎてアクションがよく見えない。
クンフーは横から撮ればいいんじゃ。

設定がいきなりマフィアにして有名なレーサーというのもよくわからん。
意味が通じてない。
今回は日本が舞台になっているが、パチンコ屋の奥にサウナがあったり、 その中の客が全員入れ墨してたり親日派であるはずのジャッキーの 日本認識のメチャメチャさを改めて感じさせてくれる。
香港のスタジオにパチンコ台を持っていった為、スタッフの間で大流行して撮影が進まなくなったそうだ。金かかってないのに面白いんかい。

一番面白かったのは、ジャッキーが加山雄三に怒鳴られて
「すいません。」
とカタコト日本語で情けなく謝ったシーン。これは笑った。
今まで観客の為だけにまさに命を捧げて映画を撮っているジャッキーなので、こういう作品があっても全然構わないとは思う。

■CAST&STAFF

監督 陳嘉上(ゴードン・チャン)
出演 成龍(ジャッキー・チェン)
袁詠儀(アニタ・ユン)
楚原
黄子華
加山雄三
江黒真理衣
澤田謙也
トースティン・ニッケル
盧惠光(ロー・ワイ・コン)
火星(マース)
錢嘉樂(チン・ガー・ロッ)
王敏徳(マイケル・ウォン)
段偉倫
胡凱欣
文頌嫻
呂米高
韓俊
羅禮賢
容錦昌
成奎安(シン・フイオン)
元奎(ユン・ケイ)
アクション監督 洪金寶(サモ・ハン・キンポー)
武術指導 洪家班
成家班
カースタント指導 陳勲奇(フランキー・チェン)
製作 蔡瀾(チャイ・ラン)
製作総指揮 何冠昌(レナード・ホー)
制作年度 1995


鼠膽龍威
Highrisk
ハイリスク



李連杰現代アクションの一つ。
軍属だったリーは爆弾テロリストに家族を殺され、無念のウチに失業。
数年後、リーは香港のスーパー・スター、フランキー(張學友)の用心棒兼スタントマンになっていた。フランキーは「スタントを使わないスター」として有名だったが実は使っており、その黒子がリーだったのである。
そんな時、高層ビルにて名士を招いてパーティが行われる。
スターであるフランキーも当然参加するのだが、そこにはテロリスト達の魔の手が伸びてきていた・・・



いろいろ推測してしまうなぁ。 ここ読んでる人は既にこの映画観てる人が多いと思うけど、念のため説明すると フランキーは勿論、ジャッキーのパロディ。 そして、ジャッキーのマネージャー陳自強そっくりな人、そしてジャッキーのパパそっくりに扮装したフランキーの午馬パパも出てきます。
要はジャッキーとそれを取り巻く環境を面白可笑しく皮肉ったサブプロットが果ては 本筋を喰ってしまうような目立ちようで、逆に
「ジェット・リーの見せ場があんま無かったような・・・」
気にまでなります(ないと思う)。

推測というのは、この映画に対するジャッキー本人の対応のことで
「言い当たってないからこそ特に文句を付けてない」
「言い当たってるからこそ特に文句を付けてない」
「作品自体の存在を知らない」
「文句を付けたことを単に私が知らない」
等々が考えられます。
実際、人って当たってる事言われた方が腹立つもので思わず、
「お前に言われたくない!」
なんて口走ってしまうものですが、どうだったのでしょう。
それにね、
「やっぱ台本が無いのかなぁというか、どんどん変わっていくのかなぁ」
だって李連杰にオファーが来た時点で
「ジャッキーをパロったりして面白みは張學友の方が持っていきます」
なんて台本だったら引き受けないでしょ。
自分が主役なのに美味しい部分張學友に喰われてる上にこの作品に出ることでジャッキーと確執が出来る恐れもマイナスでしかないし。

私自身はジャッキーに関して
「これはダブルを使った、これは本人だ、これは元彪だ、やれ火星だ」
なんて事自体に興味がないというか香港映画やジャッキーに興味を持ってくれた人に対し悪い影響しか与えない(そんな事して何をもたらすと言うの?)と思っているので、このHPではそのような揚げ足取りを目立たせ取り沙汰するつもりはない。

ともかくまぁ今回は、
午馬も出てるし動作導演は元奎だしジャッキーとも気心知れてる仲間も参加してるってことで 「笑って許して」 の世界だと思って楽しみましょうってな気持ちでした。
まさか全員脅されて出演・・・なんてことはないよね?

そんなわけで結局、批判してんだかなんだかの文章が続いてますがこの映画、実は肩の力を抜いて楽しめるなかなか良質なバカらしい映画だったりします。それだけにこちらも変に肩肘張ったりせず気楽に観れる点はいいとこでしょう。

先にこの映画、というか監督の王晶はイマイチ好きじゃないんだが何が嫌かというと
「人の命が軽すぎる」
「新しい演出をこれ見よがしに使う」
この2点かな。
本作でも人がゲームに出てくるザコキャラのようにボコボコ死ぬし、
命の重さを描け!
なんて今更言わないけどせめて
不必要な血は流すな!
とは言いたいのよ。
いきなり画面一杯にチン×を映すとか、この映画じゃないけど猟奇的な演出が流行ってたらすぐそれを取り入れるとかその辺も嫌い。
逆に言えば、書籍などでよく見られるよな彼に対する評価 ・人間ドラマが書けない ・筋立てもムチャクチャ ・勢いだけで突っ走る胡散臭さ ・まさに娯楽映画でしかない作れない私はこの辺全部「彼の良さ」だと思っております。 だって世界中探したってなかなかいないよ、そんな監督。(朱延平監督は近いかな)
映画は娯楽だ!
楽しいモノを楽しく作って何が悪い!
変に芸術に偏って悦に入られる監督もいれば、凡人に楽しんでもらおうと娯楽だけを気楽に追い求める彼の姿勢も評価されてしかるべきだと思います。 そう言えば書きながら思い出しました。
過去にもいましたね、そんな監督が。
映画は娯楽だ!
と割り切って結構な傑作・怪作・カルト作を残してくれたあの人が。
あの人とはそう、
あのひと!
王晶監督のお父さん、王天林(この人も監督さんでした)はどうだったのでしょう。

正直言えば李連杰にとってこの作品は失敗ですよ。
制作費も相当かかってるだろうけどしかしながら、
「李連杰のダイ・ハード!現代の黄飛鴻、ここに見参!!」
なんてイメージには到底ならず
「張學友会心演技!張學友もジャッキーも結局最高だ!」
なんてイメージの方が強く残りますからね。
それにしても張學友の方も良く引き受けたよな。
(今更、何宗道みたいな活動する必要全然ないのに・・・)

他キャラクターは決して悪くもないが、さして目立たずって感じか。
ちょっと重複しますがおかんの感想が(正月実家で見てた)
「気楽に観れて馬鹿馬鹿しくて面白かった」
で、「なるほどな」と思った。続けて
「この頃のジャッキー映画なんかは疲れるとこあるし・・・わかるやろ?」
もの凄くわかったし、考えさせられることもあった(私が考えても仕方ないが)。

最近、何かもの凄く大事なモノを忘れているのでは・・・
大作、大作、超大作。 アクション・ドラマも重厚に、キャストも豪華にギャラかけて。 脚本簡素にすることなく、アイデンティティも大切に。
・・・一見、完璧な映画作りの姿勢にも見えるのだが何か足りないよな・・
いやそれよりも大切な事があるような気がしないでもない。
この製作姿勢で「何が悪い!」って言われたら反論のしようもないのだが。 現時点でははっきりよくわからん(無責任でスマヌ)。

ただ、こんな感じかな?と思うのは
「ここで興奮しなさい、ここで感動しなさい、ここで緊張しなさい、ここで笑いなさい」
この辺がはっきりと定められ過ぎているっていうのかな。
だいたい、こんな事言いながら俺は何に対してモノを言ってるのかもようわからんな。敢えて言えば最近のハリウッド・ジャッキーのことかな。
定められ過ぎていて観客の身がググッと抑えつけられちゃうってのかな? 安堵と緊張のバランスが緊張に傾きすぎっていうのかな?
「楽しみ方説明書」が付いてる映画を観てるよなってのもあるかな?
懐古主義になるつもりも拳シリーズとかにこだわるつもりも毛頭無いとは思うのだけれど、昔はこっちも「ほげーっ」ってな気持ちで見てたよな気もするわけね。映画と観客側に心地よい距離があったような気がするなぁ。突き放すような。情緒もかなり欠けてる気がするしなぁ・・・あーまとめられん。

■CAST&STAFF
監督・脚本・製作 王晶(バリー・ウォン)
出演 李連杰(ジェット・リー)
張學友(ジャッキー・チュン)
楊采[女尼](チャーリー・ヤン)
關秀媚(クワン・サウメイ)
李力持(リー・リクチー)
邱淑貞(チンミー・ヤウ)
林國斌(ラム・クォックバン)
午馬(ウー・マ)
周比利(ビリー・チョウ)
曹査理(チョウ・チャーレィ)
周嘉玲
王霄
楊宗憲
關秀媚
曹査理
林國斌
谷コ昭(ヴィンセント・クック)
段偉倫
盧雄
八兩金
武術指導 元奎(ユン・ケイ)
羅禮賢
制作年度 1995

デッドヒート
ハイリスク
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