Contents
 
トップへ
掲示板

■成龍(ジャッキー・チェン)2004  


80日環遊世界
Around the World in 80Days
80デイズ



ここに1つ極まれり
1つが極まることは終わりではなく始まり
それは新しいフロンティアの道のり

・・・になるはずだったのだが、そうもいかん感じ。
本作は素晴らしい作品である。
だかしかし素晴らしい作品に成り得なかった作品でもある。
だってヒットしなかったんだもん。ああ残念。

個人的にはハリウッドジャッキー最高傑作と思っているのが本作。ジャッキー本人が"自分が観た映画ベスト10"の中に本作の元である「80日間世界一周」('56)を入れているだけあって、オファーを受けた時の喜びはひとしおであっただろう。元の小説は勿論ジュール・ヴェルヌ。

ストーリーは単純にして明快ながら80日間で世界を一周できるのか?といたスリルは、80日間どころかもっと速くに世界一周出来てしまう現代でも通ずるもの。ところどころで反則的演出が出てこないでもないが、とてもわかりやすく大人から子供まで ドキドキワクワクと十分楽しめると思う。ただ
「一周できるに決まってる」
と思って観てる人にはちっとも楽しめないかもしれない。でもそれはそもそも楽しみ方の間違い。結果ではなく行程を楽しむのがこの映画の醍醐味なのだ。
素直にその行程を楽しんでいけばラストにて十分のカタルシスを得られるだろう。

■ジャッキー

私がこの映画のジャッキーで何を一番評価しているかと言えばアクターではなく、アクションコリオグラファーとしてである。
袁和平(ユアン・ウーピン)が、甄子丹(ドニー・イェン)が、元奎(ユン・ケイ)が、袁祥仁(ユアン・チョンヤン)がと香港からたくさんの武術指導家がハリウッドに招かれていった。彼らがハリウッドで求められたのは勿論功夫アクション、それも基本はワイヤーアクションだろう。時には李連杰(ジェット・リー)の振り付けであったり、エンジェルのワイヤー吹っ飛びであったり。

彼らとジャッキーが全く違うのはここで、武術指導家としての腕前を買われて海を渡った彼らであるが、彼らがしたことは何だったか。
「いつものやつをやってくれ」
というハリウッドの要望に対して、過去の引き出しからあれやこれやと持ち出しては再演するという形でしかなかったアクションではなかったか。
これは演じた役者のポテンシャルの問題もあるが、何より彼らにアクションを自由に演出する権限が無かったことにも起因する。
対して
ジャッキーはアクション俳優として認められてハリウッドに飛び立ち、
「何かやってくれ。あんたスターだから安全に。」
という向こうの要望に対して、最初は過去の引き出しからあれやこれやと持ち出しては再演するという形でしかなかったアクションが、やり続けることによってスタッフの信用を得、ついにはジャッキーの手でハリウッドでのジャッキーアクションを構築し始めたことの違い・・・って、この辺のくだりは「シャンハイナイト」でやった気がするのでまぁこの辺にしておくとして、とにかく全編に彩られたジャッキー印のアクションは監督のアイデアと相まって時にシンプル時に複雑と非常に愉快痛快虹色とうがらしな素晴らしい出来になっている。他のハリウッドに行った香港映画人はワイヤーアクションによる荒唐無稽なアクションを作り上げ、ハリウッドのアクション(特に格闘)も大きく変わった、この功績は勿論高く評価すべきことである。
しかし、彼らに鍋をよけた人間がフライパンに当たって棚が落ちて腕を挟まれ、足に当たってまたも腕を挟まれ、痛さの余りにふんぞり返って汽車からついには転げ落ちてしまうアクションを誰が構築できたであろうか。現在、そのようなアクションでジャッキーの右に出る者はいない。

■キャラクター

スティーヴ・クーガンを主役に引っ張った監督のセンスは凄いっすね。彼自身道化をやらなくとも彼の表情だけで十分笑える。コメディアンではないが、その表情一つ一つで笑いを誘う様相は、同じく映画のワンショットの表情を収めるだけで何だか笑いを誘ってしまう香港の喜劇王・許冠文(マイケル・ホイ)を連想させる。彼とは根本から違うけど。

セシル・ドゥ・フランスの前歯の間が空いてるのが気になるんだよなぁ。

観れば判るとおり、イジワルなジム・ブロードベントと痛い目にばかりあっている警部補、ごく少数ながら重要キャラクターはしっかりと立たせてあって、まわりを彩るのが豪華ゲスト出演者という組み立ても面白い。莫文蔚(カレン・モク)はとてもラッキーでしたけど。

ただシュワちゃん以外は自分は香港映画迷だからこそ楽しめたって部分でしかないかな。ジャッキー映画超常連の盧惠光(ロー・ワイコン)はいいとして、洪金寶(サモ・ハン・キンポー)、呉彦祖(ダニエル・ウー)、奥雲偉信(オーウェン・ウィルソン)とどれも楽しいけどそれは俺が知ってるからの話だしね。一般的にはシュワちゃんとギリギリキャシー・ベイツってとこか。



ともかく、本作はハリウッドジャッキーの集大成にして既存のジャッキー映画にあまり捉われないジャッキー主演のハリウッド映画に成り得ていたと思う。ヒットすれば完全に成り得たのだが。

日本で成功しなかった点において、広報の甘さがやっぱり目立つ。長いことファイティングニモだと思っていた「ファインディングニモ」やその他ディズニー印の映画と比べるとイマイチアピールが弱い。パッと子供が見て、
「面白そうなので観てみたい」
と思わせるようなシーンは一杯あったのに、その辺を上手く生かせなかったのではないか。オフィシャルサイトのタイトルロゴ、左半分が暗くて、冒険物の想像すると怖い敵や妖怪、爬虫類とかが出てくるような印象を受けるのよ。それだと子供を惹き付けるのは難しい。ここを工夫するだけでも随分違うと思うんだけどなぁ(全国に貼られるポスターも似たような感じでしたから)。

ほんでもって個人的にはこれ以降「ラッシュアワー3」とか「メダリオン」みたいな中途半端になってしまう映画にはハリウッドだからといって無理して出なくて良いんじゃないかなぁ。

■CAST&STAFF  
監督 フランク・コラチ
出演 成龍(ジャッキー・チェン)
スティーヴ・クーガン
セシル・ドゥ・フランス
ジム・ブロードベント
ユエン・ブレムナー
ロブ・シュナイダー
莫文蔚(カレン・モク)
イアン・マクニース
キャシー・ベイツ
アーノルド・シュワルツェネガー
ジョン・クリーズ
奥雲偉信(オーウェン・ウィルソン)
ルーク・ウィルソン
マーク・アディ
洪金寶(サモ・ハン・キンポー)
呉彦祖(ダニエル・ウー)
フランク・コラチ
盧惠光(ロー・ワイコン)
動作指導 成龍(ジャッキー・チェン)
脚本 デビッド・ティッチャー
デビッド・ベヌロ
デビッド・ゴールドスタイン
原作 ジュール・ヴェルヌ
音楽 トレヴァー・ジョーンズ
製作 ビル・バダラート
ハル・リーバーマン
製作総指揮 成龍(ジャッキー・チェン)
アレックス・シュワルツ
陳自強(ウイリー・チェン)
蘇志鴻(ソロン・ソー)
フィリス・アリア
制作年度 2004


新警察故事
New Police Story
香港国際警察 New Police Story



タキシードを脱げ」と内容が被るのであれなのだが、やっぱここのところのハリウッドジャッキーを見ていて
いつまで経ってもキャノンボーラー(※)」
どうしてもこの印象を払拭するような作品が現れない、そしてジャッキーが
「ハリウッドは僕に演技を求めていない」
というところで、
「この先もずっとキャノンボーラーだろうな」
ってところに行き着き、本作を観て
「やっぱもう香港ベースで撮った方が良いすね」
という結論に達してしまったところが俺の中ではある。
※「キャノンボール」「キャノンボール2」参照

やりたいこととやらなきゃいけないことのすり合わせ。
この作品はそんな境界線の中で生まれたものだと思う。
もう刑事モノにはうんざり
こんな発言はジャッキーから何度も聞き取れた。
スタローンの「ランボー」「ロッキー」然り、シュワちゃんの「ターミネーター」然り、「ダイハード」然り、マツケンサンバの「暴れん坊将軍」然り、田村正和の「古畑任三郎」然り・・・ってもうええわ。
だから個人的には
「ポリスシリーズはもうやりたくないんだろうなぁ・・・」
と思っていた。実際、
"やりたくなかったはずである"
じゃ、何故やったのか?

答えは作品を観て頂ければ一目瞭然であろう。
まぁその辺は改めて後述。

流れ

※ネタバレしておりますので、鑑賞予定の方はご注意ください。

成龍(ジャッキー・チェン)扮するチャン警部は狙撃も格闘術も一流のポリスエリート。冒頭の強盗立て篭もり事件も自らが体を張って解決し、同僚や上司からは一層の賞賛を 、そして若い部下からは羨望の眼差しで憧れの対象になる。さらに婚約間近。まさに油の乗り切った充実人生を満喫していた。

そんなある日、アジア銀行が襲われる。
駆けつけた警察官たちをシューティングゲームのように撃ち殺すことを楽しむ若者犯罪集団。現場に急行した刑事の王傑(デイブ・ウォン)はこの犯罪集団から強奪した金を奪い返すことに成功するが、犯罪集団の検挙は逃してしまう。

「3時間で解決してみせます」
数々の難事件を解決してきたチャン警部にとっては、こんな若者が起こしたバカバカしい事件の解決なぞ朝飯前だと思っていた(実際夕飯前だったみたいだが)。
そんなちょっとした油断が彼を地獄に招く。
自らが育てた精鋭部隊を引き連れて敵のアジトに乗り込むチャン警部。部隊の中には自身の婚約者・楊采〔女尼〕(チャーリー・ヤン)の弟・呉宏康(ディープ・ン)の姿も。

最初からこのために計画を実行していた犯罪集団。
アジトに張ったトラップも用意周到なものばかりであった。
まるでTECMOの「影牢シリーズ」をプレイするかのような卑怯なトラップに次々とはまっていく精鋭部隊。そこには対集団組織攻撃マニュアルのセオリーは全く通用しないのであった。精鋭部隊は全て捕らえられ、彼らの命を賭けてチャン警部と呉彦祖(ダニエル・ウー)率いる犯罪集団の死のゲームが始まる。
銃の組み立て戦、安志杰(アンディ・オン)との功夫対決、部下の命を賭けられて動揺するチャン警部に勝ち目は無かった。その度に命を落としていく部下達。ついには呉宏康も含めた部隊全員が皆殺しにされる。
すんでのところで脱出したチャン警部であったが、全てを失った彼は最早生きる屍と化していた。

1年後。
チャン警部はただの飲んだくれとなっていた。
Boy'zコンビのただのカッパライにもボコられ、ただ息をしているだけの生活が続く。
"巡査1667"
そう名乗る若者・謝霆鋒(ニコラス・ツェー)が彼の前に現れる。チャン警部の相棒として赴任したそうだ。
未だやる気のないチャン警部は渋々警察署に同行するが、同僚の警部・于榮光(ユー・ローグァン)はチャン警部に冷たく当たった。

以前のカッパライBoy'zを得意の酔拳・・・であるはずもないが二日酔いの身ながら今度は簡単に捕まえて見せるチャン警部。謝霆鋒の献身的なフォローもあって少しずつ自信を取り戻し始めていた。

犯罪集団の事件に最初に携わった王傑の下を訪ね、それをきっかけに犯人の居場所を知るチャン警部。尾行していた于榮光も居場所に駆けつけるのだが、王傑が騒動の中で被弾する。苦しい息の下から彼がチャン警部に残した言葉は驚くべき告白であった。
騒動をきっかけに起きたバス暴走を命からがらで止めたチャン警部と謝霆鋒。
しかし謝霆鋒はなぜこんなにもチャン警部に優しく、そして事件解決にまい進しているのか。

話は大詰めを迎えようとしていた。
呉彦祖の策略もあって、一時は拘置所に監禁までされて絶体絶命のチャン警部と謝霆鋒であったが、全ての事情を察した于榮光や他警官たち、そして署長の廖啓智(リウ・カイチー)は彼らに協力的になった。
さっそく呉彦祖を追う彼らであったが、呉彦祖も彼らを追っていた。なぜ?

婚約者の存在を突き止めた呉彦祖は刑事に扮して、彼女に時限爆弾を突きつける。
後から駆けつけたチャン警部が
「絶対に死なせない!」
と解体に挑戦、解体には偶然も重なり成功したかのように思えたが爆発。彼女は負傷して集中治療室へ(ジャッキーは大丈夫やったんかいな)。

「もう許さねぇ!」
打ち震える怒りを体中に充満させて犯罪集団との最後の戦いに向かうチャン警部と謝霆鋒。

そのラストの戦いがコンベンションセンターで繰り広げられようとしていた。
今、全てを賭けて最後の戦いが始まる!!

終劇




呉宏康(ディープ・ン)は呉耀漢(リチャード・ウン)の息子かよ!!
そういえば確かに面影あるわぁ、その他にサモハンブラザーズなど二世の若者が一杯出てるんだねぇこの映画。謝霆鋒もそうなんだし。

これがいわゆるフツーのポリスシリーズ、ジャッキーいつもの大活劇であれば、いきなり堕落した飲んだくれのおっさんジャッキーが登場するオープニングは有り得ない。いつもなら冒頭からいきなし潜入捜査→いきなしオープニングアクションとなるはずである。もうそれだけで
"ただのジャッキー映画ではない"
ということがはっきりと伝わってくる。
それにしてもオープニングを倒置法にしてあるのは良い演出ですよね。バッと謎かけされるみたいで。
それにしても謝霆鋒(ニコラス・ツェー)が去年ビルからジャンプした窪塚くんみたいだな。そういえば窪塚くんもジャッキーなみにビルから落ちても死ななかったな。まぁそれはいいか。

シャンハイヌーン」でたくさんの若い近衛兵の中で1人おっさんジャッキー近衛兵が明らかに浮いていたし、「タキシード」で1人の女の子に告白することも出来ない50歳のおっさんというのも余りにも違和感があった。「酔拳2」は半分シャレだからまぁ良いんだけど。
とにかく最近の映画ではジャッキーの実年齢と劇中の役柄年齢に明らかな格差があったことは確か。
そんな中、本作は
"若い連中に銃の指導してる老獪警部"
ってことでその若い連中から慕われるやらおちょくられるやら、実年齢にほぼピッタシ、なのだ。これは観ている方として納得の行く役柄であろう。

部下を皆殺しにされる衝撃的なシーンに面白い対比が存在する。
頼れるジャッキーが上司ということで、経験もあるし余裕しゃくしゃくの若者部隊。
「俺たちが捕まえてやるぜ!」
この日のために用意周到にトラップを仕掛けた若者犯罪集団たちも余裕しゃくしゃくで
「返り討ちにしてやるぜ!」
ゲーム感覚であったのは、どちらも同じではなかったか

謝霆鋒がジャッキーを楊采〔女尼〕のとこに連れてきてハッピーバースデーなところ、謝霆鋒の片目が充血しているのが気になるんだよねぇ結膜炎のようにさぁ。
それにしてもジャッキーがこんなにまでも絶望し泣き叫び生きる意味を失ってフラフラする役柄は珍しい。珍しいというか初めてと言っていいだろう。ここに今までに全く無かった新たな演技を披露するジャッキーが確かにいる。今まで無かったのかよ!とも思いたくもなるのだが、無かったんだなぁそれが。怒りの演技というのは一杯あったんだけど絶望の演技の方は本当にことごとく無かったよ。本当に彼はスーパースターであるということで演技の幅を狭くしていたんだねぇと強く実感したのでありました。

暴走バスのアクションは完全にジャッキーからのサービスですね。それと自身の「ポリス・ストーリー2/九龍の眼」をオマージュさせることで、
「これの新シリーズである」
ということを明確にしてます。お手の物のこのスタントも息を呑む迫力で素晴らしかったと思います。

功夫シーンについてはクライマックスの安志杰(アンディ・オン)との対決は迫力もあってとても素晴らしいものでしたし、それ以外にも十分とあって功夫ファンとしても満足の一言。この辺については何も文句は無かったですね。今回はほとんど自分でやってるようだし、満足しました。

キャストについての前に、個人的に残念なとこも挙げておこうかな。まぁ単純に
"もうちょっと切れるやろ"
と思ったことは確か。もうちょっとカットカットで編集しても良かったのではないかな。カットカットしたらドラマ部分がお座成りになるでしょうってことで、それじゃあ"新ジャッキーじゃない"って言い分も自分の中ではあるのですが、やはり124分はちと長い。飲んだくれジャッキーのシーンが被っているところもあったしもうちょっとスリムに編集した方が良いんじゃないかなって気は確かにしました。
ストーリーについてはほぼ異論は無いのですが、謝霆鋒の顛末に関しては疑問符、というよりもそれじゃあ犯罪集団を倒す動機が薄くなってしまうだろ命を賭けてまでのことにならないのではと思ってしまうところはあった。

蔡卓妍(シャーリーン・チョイ)はほとんどゲスト出演扱いでしたね。それほどの活躍があるわけではなかったのですが、清涼剤としては十分機能していたと思います。
呉彦祖(ダニエル・ウー)と尹子維(テレンス・イン)だとどうしても「ジェネックス・コップ」を連想してしまうなぁ、さらにその「ジェネックス・コップ」の方が2人とも大人大人してたので、今回年齢が遡っている感じは違和感というかまぁこれは面白かったね。それにしても盧惠光(ロー・ワイコン)はことごとく出ていますね。今となっては彼こそがNO.1のジャッキー映画常連者でしょう。

香港の新しい時代を背負って立つ若者世代がたくさん出ているだけで明白だが、この映画が今までのジャッキー映画と決定的に違うところはそこである。
始皇帝は始皇帝こそが全てだった、それがジャッキーであったのに対し、今回ジャッキーは劉備になったのだ。
関羽、張飛に見せ場を与え、他の五虎将にもそれぞれの役割と役柄キャラクターを植付け見せ場を作る。
"ジャッキーが若手に譲歩した!"
ここはもの凄い違いであろう。感想は「ジャッキー最高!」だけではないはずだ。

"やりたくなかったはずである"
じゃ、何故やったのか?
やっぱり答えは一目瞭然でしたね。
ジャッキーはこれからの姿勢・決意を明確に打ち出しました。それは即ち、
・今までの自分のスター演技からの脱皮
・若手にもチャンスを与えて譲歩もして後輩を育てる

これを適えた上でさらに、一般のジャッキーファンに愛されている「ポリスシリーズ」であれば大ヒットも見込める。
それであれば演じすぎた刑事モノであっても、ジャッキーが取り組むことは至極最もだと思います。

更なるジャッキーの飛躍に期待!

それにしてもあれが岑建勲(ジョン・シャム)だなんてさっぱりわからなかった・・・

-------------
ポリスシリーズ一覧
ポリス・ストーリー/香港国際警察 :警察故事('85)
ポリス・ストーリー2/九龍の眼 :警察故事續集('88)
ポリス・ストーリー3 :警察故事V・超級警察('92)
ファイナル・プロジェクト :警察故事W・簡単任務('96)
新ポリス・ストーリー :重案組('93) ←シリーズではないが
■CAST&STAFF
監督 陳木勝(ベニー・チャン)
出演 成龍(ジャッキー・チェン)
謝霆鋒(ニコラス・ツェー)
呉彦祖(ダニエル・ウー)
楊采〔女尼〕(チャーリー・ヤン)
蔡卓妍(シャーリーン・チョイ)
王傑(デイブ・ウォン)
安志杰(アンディ・オン)
尹子維(テレンス・イン)
ヒロ・ハヤマ
蒋怡(ココ・チャン)
呉宏康(ディープ・ン)
于榮光(ユー・ローグァン)
伍佰(ウー・バイ)
廖啓智(リウ・カイチー)
Boy'z
連凱(アンドリュー・リン)
何華超(トニー・ホー)
洪天明(ティミー・ハン)
洪天照(サミー・ハン)
彭敬慈(サミュエル・パン)
伍龍(フィリップ・ン)
孫淳(スン・チュン)
岑建勲(ジョン・シャム)
黄玉郎(ウォン・チュンロン)
盧惠光(ロー・ワイコン)
動作指導 成龍(ジャッキー・チェン)
李忠志(リー・チュンチー)
成家班
脚本 アラン・ユン
音楽 トミー・ワイ
製作 陳木勝(ベニー・チャン)
陳自強(ウイリー・チェン)
蘇志鴻(ソロン・ソー)
童韻詩(バービー・トン)
製作総指揮 成龍(ジャッキー・チェン)
楊受成(アルバート・ヨン)
陳自強(ウイリー・チェン)
楊歩亭(ヤン・ブーチン)
制作年度 2004


千機變2花都大戰
The Huadu Chronicles Blade Of The Rose
The Twins Effect2
ツインズ・エフェクト2〜花都大戦〜



感想としては前作とほとんど同じなのだが・・・どうしたもんかな。
とにかくとりあえずは記念すべきジャッキー&ジェイシー親子競演である。


流れ(簡単に)

古い時代に女帝・瞿穎(チュー・イン)が支配する都市がありまして、ここでは男は奴隷。家畜人。
んだけど、何れは皇帝となるべき人間が現れてあなたを殺しますよと。
前王朝復活の鍵となる石版なんか管理しておかないとまずいですよと。
甄子丹(ドニー・イェン)と陳冠希(エディソン・チャン)が石版を盗みましたよと。
そりゃあかんってことで女帝は鍾欣桐(ジリアン・チョン)を送りますよと。

梁家輝(レオン・カーフェイ)率いる旅芸人であった房祖名(ジェイシー・チェン)と陳柏霖(チェン・ボーリン)は陳冠希からこの石版を託されて、ひょんなことから奴隷商人の蔡卓妍(シャーリーン・チョイ)と身分を隠して後を着けてきた鍾欣桐の四人で石版を頼りに前王朝の復活の謎に迫りますよと。

終劇




あちこちから酷評が耳に入っていたので全然期待して無い分楽しめたと言うことか。「映画は期待して観るな」の自訓、未だ衰えず。
今更ながら一層冗談みたいなストーリーに一種の微笑ましささえ覚えつつも、前作と同じく彩る豪華俳優陣が凄い。もうね、香港かと、結束力かと、ここまで来るとドニーもスタッフも含めて何でこんなにみんなして真剣にやってるの?と小一時間も問い詰めたくはないが一質問ぐらいはしてみたくなる。

さて、注目はもちろんジェイシーである。
もう観てみたまえ。
柔和でお優しい顔立ちではないか。
彼が皇帝になれば非常に平和日和な世の中が期待できるではないか。
一方でその柔和・純真さを巧みに院や老に利用され、愚帝と罵られる様がありありとも浮かんでくるではないか。
ファンデーションは使ってないかもしれないが、その肌の白さは母親譲りなのであろうか。恐れながら申し上げると顔そのものは笑福亭笑瓶の輪郭に「ヤング・タイガー」の頃のジャッキーが写り込んだような顔をしておりますな。ま、率直に言って不細工ですわ。
普通、顔というものは同級生や仕事仲間なんかもそうですが、付き合っていくことで段々と見慣れてものなんですよ。最初はどうという印象も無かった女性と付き合いをしていくことでいつの間にか好きになるような。ああそうだ、劉青雲(ラウ・チンワン)なんかそうっすよ、初見の印象は「なんやこのおっさん」やったのが終わる頃には好きになってる。ところがですな、ジェイシーの場合、ずーーーーっと映画を観て行くことによって、
「やっぱりブサイクやなぁ」
ってわけでむしろブサイク度が高まったりなんかして。こりゃまずい。
これから彼が俳優としてやっていくのかどうか知りませんが、で、やっていくのは別に顔がアレならアレなりの役柄ってのもありますのでその辺は構いませんが、それよりも心配なのが、パッと見がいかにも「何にも知らない罪も知らないおぼっちゃま」って感じなので、本人が知らずのうちに妙なことに巻き込まれやしないか、その辺が心配ですわ。SMAPの稲垣くんが起こした事件なんかもまさしくそうでしょ。あれも世間知らず罪知らずがたたってるのよ。その辺を上手くクリアして頂きたいところ。

実際のところ、「シャンハイナイト」で一応のガチンコファイトは見せているものの、ジャッキーvsドニー!だけでまだまだ十分一本作る価値がある。その価値をこの作品で使ってしまったのは勿体無い気もするが、本作が無ければ対決も実現しなかった可能性は高いのでやっぱりよかったか(なんじゃそりゃ)。
ワイヤー使ってようが何であろうがここまで彼らのガチンコをバッチシ見せてくれれば個人的には「シャンハイナイト」での消化不良をバッチシチャラにできる満足度である。ジャッキーの髪型も若っぽく見えて格好よかった。本作一番の見所である・・・・・・・・・って、やっぱり全体通すとそれはまずい。どちらもゲスト出演みたいなもんなのだから。
ここまで彼らが抜群のファイトを繰り広げてしまうとツインズのねーちゃんが前作よりも更に頑張っているとしても見劣りは避けられない。当たり前だ。
ツインズはまだいい。ジェイシーなんか何もしてねぇ!
香港でスターになろうと思ったら、動き回り、走り回り、喜怒哀楽過剰表現、早口台詞をマスターしないととても無理だろう。シリアスな演技はそれからでも遅くない。少なくともツインズは頑張ってやってる。前作の感想で
" 「この若い力をみんなで応援しようじゃないか」
という頼もしい気概を感じるのだ。 "
と書いたが、本作のそれが万が一、大人のヨイショであるならばとても危険だ。

まぁジェイシーのことはかなり悪く書いてしまった気がするが、やっぱり応援したことには変わりは無いのであしからず。


 
■CAST&STAFF
監督 梁柏堅(パトリック・レオン)
元奎(ユン・ケイ)
出演 房祖名(ジェイシー・チェン)
蔡卓妍(シャーリーン・チョイ)
鍾欣桐(ジリアン・チョン)
甄子丹(ドニー・イェン)
梁家輝(レオン・カーフェイ)
陳柏霖(チェン・ボーリン)
呉彦祖(ダニエル・ウー)
成龍(ジャッキー・チェン)
范冰冰(ファン・ビンビン)
瞿穎(チュー・イン)
陳冠希(エディソン・チャン)
制作年度 2004


大〔イ老〕愛美麗
Enter The Phoenix
エンター・ザ・フェニックス



今では流行のミュージシャンの名前もロクに言えない私でありますが、元は私も実はミュージシャン。えへ。
結構作曲・作詞もしていたなるこうであります。えへえへ。
今では時間と労力が無くて温まるばかりでありますが、えーと・・・つまり昔友人と自主制作のアルバムを作ったことがあるのですが(初めてのアルバムですね)、それを聞かした他友人などの感想が、
「色んなものがごっちゃになってますね」
という感じで、まだまだ未熟者が作った楽曲であるからゆえ、メロディも歌詞も過去に影響を受けたミュージシャンのテイストごった煮状態なんですね。岡村靖幸、バービーボーイズ、サザンオールスターズ、コナミのゲームミュージック、ユニコーン、筋肉少女帯、ジョン・レノン・・・etc・・・
とは言うものの、一夜漬けの勉強程度で作ったことを考えればそれなりのものが出来たなと腕組したくなる気持ちもありまして、まぁ40歳を迎えたら絶対にまたアルバムを作ろうと思い描いている次第でございます。

本作はそんな私のような若輩者が"古き良き香港映画"に挑戦した作品と言えるでしょう。非常に気持ちのよくわかる作品ですな。


流れ


元彪(ユン・ピョウ)を筆頭とするヤクザ組織は年を重ねてなかなかビッグなものになったが、元彪親分が病気のために死去。出番終わりかい。
実は彼にはタイに息子がいて、その息子に跡継ぎをさせるために側近の羅家英(ロー・ガーイン)とその息子の杜〔三文〕澤(チャップマン・トウ)はタイに向かう。
向かった先で出会ったのは陳奕迅(イーソン・チャン)。
彼を跡継ぎ息子と勘違いした2人は勧誘。
本当の息子は陳奕迅の友人である呉彦祖(ダニエル・ウー)なのだが、ノーボディで育った陳奕迅は
「マフィアボスになりたい!」
ということで、また呉彦祖は様子見をしたいということで、その息子のフリをして跡継ぎになりかわる陳奕迅。

戻った香港での跡継ぎ式も済ませ、正式に組織の新たなスタートになったのだが、ここに立ちふさがるのはライバル組織、陳惠敏(チャーリー・チャン)親分のところのNo.2である馮徳倫(スティーブン・フォン) 。
彼は幼い時に父を元彪組織の一員に殺され、いつか復讐をと思っていたのだった・・・・


終劇





一言で言って結構面白い。
面白い原因は一つ。
プロデューサーが良かったのだ(数が多いので誰とは言えませんが)。
これが馮徳倫の完全ワンマンであればこれほどのものは出来なかっただろう。
というのも、この映画の魅力は明らかに過去の古き良き香港映画の面白いエッセンス、具体的に言えばジャッキーの功夫アクションから、王晶(バリー・ウォン)的下ネタギャグ、香港ノワールの妙味、そして「インファナル・アフェア」的スタイリッシュさ、この辺の味が見事にごった煮されている。
豚骨と醤油と塩と味噌をごっちゃにすれば美味しくなるわけではないというのは誰でも知っていることで、その辺の味のバランスを整えたのは恐らく若き監督というよりもその監督の周りを固めるベテラン勢の手腕というものだろう。そう、観直してみればかなりの監督作に"執行導演"という名目で丁善璽(ティン・シャンシ)や陳誌華(チェン・シーホワ)、陳勲奇(フランキー・チェン)の名前が付いていた成龍(ジャッキー・チェン)のように。
余談だが「プロジェクト・イーグル」も最後のNG集では陳勲奇や火星の姿が確認できますね。

「ツインズ・エフェクト」で同じこと言ったのであれだが、とにかく中国人は団結力が素晴らしい。今回のこの若手監督のためにどれだけのベテラン勢、一緒に育ってきた若手俳優たちが協力していることか。それは下記のキャストスタッフ表を見れば明らかで、彼らを見ているだけでも楽しくなってくる。特に個人的には李健仁(リー・キンヤン)最高!って感じで笑いはいっつも彼が持っていきましたな。元彪の老け役は何だか寂しいなぁ。

傑作と呼ぶには遠いけど、それなりに面白い作品だな。
個人的には功夫アクションが少なかったので次回作「ドラゴン・プロジェクト」に期待したいところ。

■CAST&STAFF
監督・原作 馮徳倫(スティーブン・フォン)
出演 呉彦祖(ダニエル・ウー)
陳奕迅(イーソン・チャン)
莫文蔚(カレン・モク)
馮徳倫(スティーブン・フォン)
羅家英(ロー・ガーイン)
杜〔三文〕澤(チャップマン・トウ)
葉山豪
陳英明
李燦森(サム・リー)
李健仁(リー・キンヤン)
田啓文(ティン・カイマン)
李力持(リー・リクチー)
王家敏
劉思惠
陳惠敏(チャーリー・チャン)
元彪(ユン・ピョウ)
鄭秀文(サミー・チェン)
謝霆鋒(ニコラス・ツェー)
成龍(ジャッキー・チェン)
動作指導 馬玉成
脚本 羅耀輝
馮徳倫(スティーブン・フォン)
音楽 陳光榮
陳嘉業
製作 陳自強(ウイリー・チェン)
蘇志鴻(ソロン・ソー)
製作総指揮 成龍(ジャッキー・チェン)
楊受成(アルバート・ヨン)
陳自強(ウイリー・チェン)
制作年度 2004
 
 
 
 

香港国際警察 New Police Story
ツインズ・エフェクト2〜花都大戦〜
エンター・ザ・フェニックス
inserted by FC2 system