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■成龍(ジャッキー・チェン)2006  
 

寶貝計劃
Rob・b・hood
プロジェクトBB


しかしねぇ・・・
皆さんどうですか?今年の冬。
こっちは西日本なんすけどあんま寒くないんすよ、まじで。
いや私は極度の暑がりで寒さに関しては人並み以上に強いのですが、それを差し引いても今年の冬はヌルい。
いよいよ温暖化が本格的に始まったっていうのかな。温度がどうこうの前に酸素が無くなるような気もしますが、とにかく北極や南極の氷も溶けまくり、どうすることも出来ずこのまま滅亡の一途を辿る・・・せめて俺が生きてる間はそこそこまともでいてほしいなぁと思う今日この頃、新たな生命ベイビーに対して思うのです。この子達の未来は大丈夫なのか?って。

さて
日本公開も決まった最新作をいち早くレビュー・・・するのは不味いのですが、観ちゃったので我慢できずにネタバレあんまりせんように書きますので許して。公開を楽しみにされている方は公開まで読まないように。

流れとしては至極当然なところ。
ただジャッキー作品というのは往々にして世情や需要に合わせて作られている傾向にはある。
その傾向が顕著になったのはやはり最後のワンマン監督作「プロジェクト・イーグル」以降の話であっと言う間にそれも16年も前の話になっちゃって流石に俺も自分の年齢を言うのが嫌になってきたというのはともかく、ジャッキー本人が早くから語っていた「ファイヤーマン」の企画始め、李連杰(ジェット・リー)や他一流ハリウッドスターとの共演、数々の噂話が10年単位で流れ続ける中で実際に作られるのは日本市場に合わせて作った(失敗した)「シティハンター」や実録犯罪ものの「新ポリス・ストーリー」、古装片ブームにでっかい楔を打ちつけた「酔拳2」その他色々あって、2005年「The Myth/神話」もジャッキー本人の意向というより周りの強い力によって製作された傾向が非常に強いと推測される。
つまり、自分の作りたいものより市場の需要に合わせて作ることに重きを置いている・・・その製作姿勢は当たり前と言えば当たり前なのだが、時間は冷酷で最早「ファイヤーマン」を今更製作しても「バックドラフト」は遠い昔の名作と化し、その間には「ファイヤーライン」といったジョニー・トゥの傑作消防アクションドラマも香港製で作られており、第一ジャッキー自身の衰えも否めず、もし製作したとしても傑作と成り得る可能性を私は感じない。「忠烈圖」等からヒントを得た「プロジェクトA」の構想3年というのはむしろ構想期間としては短く、勢いそのままに作れたので傑作になっているが構想は暖めてナンボではなく実現してナンボだ。
各アクションスターの共演話に移れば、シルベスター・スタローンと共演した「アラン・スミシー・フィルム」、アーノルド・シュワルツェネガーと共演した「80デイズ」とどれも本格共演ではなく記念共演であって、実際彼らの絶頂期も完全に過ぎており、「プロジェクト・ランボー」や「ターミネーター・酔拳」などのほのかな夢は霞を食べるが如くに消えてしまった。李連杰に関しても「SPIRIT」で脱功夫映画宣言をしている上に、アクションにスタントダブルの影が見え隠れするようになってしまった今では望むべく形での共演は非常に難しいと感じる(着々と進んでいるといつも言われますがね)。

あんまり文章が繋がってなくて恐縮だが、本作は「香港国際警察/New Police Story」「The Myth/神話」とシリアス傾向に強い作品から一転してコメディ映画である。まぁシリアスばっかり続くのもどうかと思うので至極自然な流れであろう。


流れ

泥棒3人組の許冠文(マイケル・ホイ)、成龍(ジャッキー・チェン)、古天樂(ルイス・クー)は今日も荒稼ぎしてギャンブルや衝動買いや貯金に勤しんでいた。
しかしもって各々の諸事情と泥棒が泥棒に入られるといったことから状況は一転。元々人は傷つけない主義で通していたが大金欲しさに二人に内緒でマイケルが"赤ちゃん誘拐"の依頼を受けてしまう。
何も知らずに大金に目がくらんでコトに及んだ二人は赤ちゃん誘拐に及び腰であったが、マイケルの説得に負けて犯行。
かくしてここに赤ちゃんを巡って、泥棒3人組、刑事の元彪(ユン・ピョウ)、そして赤ちゃんを付け狙う謎のマフィアが三つ巴となってバトルが始まる!

終劇





まぁここはイントロダクション程度に。
まず単純に嬉しいのは勿論、許冠文、元彪との共演であろう。さらに言えばショーブラといったらこの人!的な谷峰(クー・フェン)の出番も古くからのファンであれば嬉しいところ。
キャスト陣を語ればむしろ出演していないジャッキー映画が存在するのだろうか?というぐらいになってきたスーパー常連・盧惠光(ロー・ワイコン)、彼の初出演は「プロジェクトA2/史上最大の標的」('87)・・・で合ってるのかな?その前年のジャッキー製作「クラッシュ・エンジェルズ 失われたダイヤモンド」の例があるようにジャッキー主演でなくてもジャッキーが関わったあらゆる映画にも出演。・・・おお(思い出した)そういえば「サイクロンZ」には出演していない・・・・んだっけか?

ちきしょ、ちょっと話を脱線させるぞ。
盧惠光の出演をもっかい整理してみたくなった。
他ページ(今回はコピペ含む)でやったのだがもっかいだもっかい。


盧惠光のジャッキー関連映画出演一味ヒストリー


■クラッシュ・エンジェルズ 失われたダイヤモンド :[才丑]計雑牌軍('86) やたらダサイ黄色のトレーナーで登場する猛者の一人で悪漢一味
惠英紅(ベティ・ウェイ)とバトルを見せるが存在感は薄い。

■プロジェクトA2/史上最大の標的 :A計劃續集('87)  
林威(デビッド・ラム)の手下にして一味
後ろでうろちょろするもアクション的には見せ場無し。

■ポリス・ストーリー2/九龍の眼 :警察故事續集('88)  
確か消防士の役。
どちらの役柄も存在感はバツグンに薄い。
余談だがジャッキーを捕まえに来る若手刑事の一人は今をときめく劉青雲(ラウ・チンワン)である。

■奇蹟/ミラクル :奇蹟('89)  
・・・・・え?
人力車から滑り落ちる前のジャッキーとのバトルに参加した一味・・・だっけ?

■プロジェクト・イーグル :飛龍計劃('91)  
アドルフ組織の一味として登場。
最後はジャッキーらと楽しく大扇風機バトルに参加。これは結構目立ったぞ。

■炎の大捜査線 :火焼島('91)
劉徳華の弟の組織一味

■ポリス・ストーリー3 :警察故事V・超級警察('92)  
曾江組織の一味
タンクトップで登場し、部下に爽やかに死刑を命じる姿が印象的。ラスト列車での危険なスタントに参加。

■シティハンター :城市獵人('93)  
ハイジャック一味そしてホモ役。
彼の素晴らしい足技はドアの開閉だけに使われた。しかもその後浣腸された(涙)。

■新ポリス・ストーリー :重案組('93)  
誘拐一味でまたもホモ役。
深い恩のあるジャッキーに感謝の意を込めてディープキス!

■酔拳2 :醉拳U('94)  
満を持してジャッキー映画にて最強の敵を演じる!
その彼の素晴らしい足技が遺憾なく発揮されたラストシーンは過去のジャッキー映画に登場した猛者達に匹敵する強さを示した。

■デッド・ヒート :霹靂火('95)  
でもまた一味関係に逆戻り。
そこそこのファイトを見せる。

■ファイナル・プロジェクト :警察故事W・簡単任務('96)  
オーストラリアにいるジャッキーを遠く香港から見守る部下役。
ってか、お手伝いで出ただけのようだが。

■ラッシュアワー :RUSH HOUR('98)  
クリス・タッカーに電撃の一蹴を放つ役。一味
クリス 「蹴ったのは誰だ!?」
盧惠光 「みぃー!」
余談で冒頭に火星(マース)がちらっと出演。

■Who am I? :我是誰?('98)
記憶喪失前のジャッキーの仲間の一人。
ヘリが落下してあっさり死亡。

■無問題('99)  
ヒロイン佐藤康恵の香港での彼氏役(?)
心優しき盧惠光は素人の岡村くんをそこそこ乱暴に扱うに留めた。
余談でどっかに火星(マース)がちらっと出演。

■ゴージャス :瑠璃樽('99)  
一味よ一味。
スキンヘッドで登場。いつよりもコメディチックに演じていて好感。

■SPY_N :雷霆戰警('00)  
一味一味よもう一味一味こればっかり。
マーク・ダカスコスとの練習試合でまだまだ元気っぷりをアピール。

■80デイズ :80日環遊世界('04)
フランスでジャッキーを追いかける莫文蔚(カレン・モク)の一味
そればっかり。

■香港国際警察 New Police Story :新警察故事('04)
おっと今回はジャッキー特捜チーム一員にして仲間だ!
でも敵の罠にかかって惨殺・・・・(涙

■THE MYTH/神話 :神話/驚天傳奇('05)
はい、今度は孫周(スン・チョウ)一味として活躍です(呆)

というわけで、他「サイクロンZ」「ツイン・ドラゴン」「レッド・ブロンクス」「ナイスガイ」「シャンハイヌーン」「アクシデンタル・スパイ」「ラッシュアワー2」「タキシード」「シャンハイナイト」「メダリオン」はちょっと思い出せないな。いないと思うのだがいたら教えてください。

というわけで、今回の役どころは!?




一味。




・・・まぁ出番が結構あるので今回は良しとしよう(なにが)。
ここまで来たら一生ジャッキー映画の一味役で通してくれ。

と思ったらその盧惠光の仲間となりつつある葉山豪は第2の盧惠光となるのかーっ!?ついでに尹子維(テレンス・イン)もかーっ!?


期待するとがっかりするので期待してなかったが許冠文の出番はなかなかのものではなかったろうか。もっと出番が少なくて「これじゃ広川太一郎が吹き替えしてもな・・・」ぐらいじゃないかと不安だったがこれならOK。是非、広川さんと石丸さんの丁々発止のやり取りも楽しみに待っていたい。今は広川さんが言いそうな台詞を頭に思い浮かべながら一人ほくそ笑んでいよう。
元彪に関してもアクション面ではもうちょっと観たかったが、と言うか見せ場をもうちょっと与えてやれよジャッキー兄貴と言いたくなったが他の点についてはまぁOKか。もっと銭形警部みたいにルーチンのしつこいコメディでも面白かったと思うけどね。

うーむ、コメディという点については残念ながら最近の香港映画は随分と洗練されてしまったところもあってもうハチャメチャコメディという点では昔のようなごちゃごちゃ感が王晶(バリー・ウォン)以外無くなってしまったし、コメディを撮る上で陳木勝(ベニー・チャン)はどうだったのかという気持ちは残る。先の元彪警部はじめ喜劇王マイケルもいるのだからむしろアクションを抑えてでも徹底的にコメディに走っても良かったかなという気はする。「新世紀Mr.Boo!ホイさまカミさまホトケさま」を撮った韋家輝(ワイ・カーファイ)なんか良かったかも(今更だが)。

で、陳木勝の得意とするところは勿論アクション面で刑事と悪漢がいればすぐにもアクションする理由が成り立ってしまうストーリーではなく本作はコメディなので、手に汗握るアクションとコメディの両立という点においてやや苦労をしているなという印象を持った。例えば「香港国際警察/New Police Story」ではその展開する物語のスピード感がそのままアクション時のスピードと融合的に結びついておりビルを駆け下りていくシーンなどは臨場感があったのだが、こちらでのアクションはストーリー自体のスピードがワンテンポ遅いので直接アクションと結びついていない。故にアクションシーンが単発的なひと時のショーのように感じてしまうのだな。まぁこの辺はとても難しいところなのだけれど。
ただアクションそのものについてはいつもの如く、落下スタントあり駆け上がりスタントあり、元彪との絡みあり、さらにちゃんと強敵との対決ありと十分のクオリティが楽しめます。

作品と言うか人物設定という点において各々の登場人物が結びついていないのが残念か。
つまりジャッキーの父親役を演じる谷峰さんはジャッキーだけとのつながりで、古天樂(ルイス・クー)の恋人役を演じる蔡卓妍(シャーリーン・チョイ)はルイスとのつながりだけ。元彪はジャッキーばっかり追っててコトの真相を知らずと人物関係の結びつきも単発的なのが気になった。蔡卓妍はジャッキーの妹役でルイスの恋人にしておくとか、ジャッキーを追ってるフリして事件の真相を実は推測していた敏腕元彪刑事とかにしておくともっとキャラクターの相関図が強いものになったのになと残念。

とは言っても、ここまで言っておいて何だが結構楽しめる出来になったのではなかろうか(どないやねん)。
去年で
ジャッキー52歳。
マイケル64歳。
ユンピョウ49歳。
ルイスも以外ともう36歳と実はおっさん達がこんなに頑張ってる映画だったりするのだ。その意気込みそのものが素晴らしいではないか。とか言ってみたりして。

■CAST&STAFF
監督 陳木勝(ベニー・チャン)
出演 成龍(ジャッキー・チェン)
古天樂(ルイス・クー)
許冠文(マイケル・ホイ)
元彪(ユン・ピョウ)
高圓圓
陳寶國
蔡卓妍(シャーリーン・チョイ)
杜麗莎
應采兒
谷峰(クー・フェン)
盧惠光(ロー・ワイコン)
葉山豪
連凱(アンドリュー・リン)
陳子聰
喬寶寶
尹子維(テレンス・イン)
黄毓民
余安安
張同租(ジョセフ・チェン・ツン・ジョ)
許紹雄
黄文慧
林家棟
王合喜
ジェイソン・トビン
樋口明日嘉
リサ・S
何華超
梁敏儀
蒋雅文
李逸朗
馮皓詩
謝霆鋒(ニコラス・ツェー)
呉彦祖(ダニエル・ウー)
動作指導 成龍(ジャッキー・チェン)
李忠志(リー・チュンチー)
成家班
脚本 袁錦麟
陳木勝(ベニー・チャン)
成龍(ジャッキー・チェン)
音楽 陳輝陽@好好笑
製作 陳自強(ウィリー・チャン)
蘇志鴻(ソロン・ソー)
成龍(ジャッキー・チェン)
陳木勝(ベニー・チャン)
王中磊
製作総指揮 成龍(ジャッキー・チェン)
楊受成(アルバート・ヨン)
陳自強(ウィリー・チャン)
王中軍
制作年度 2006


 
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