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■倉田保昭  


死對頭
One By One



「古い功夫映画観たいものベスト3」に今のところランクインの本作品。
理由は資料に載っていたスチール写真の格好良さ。
これに小学生の頃からしびれてる。
倉田、カム・コンの二人がぼっろぼろのジージャン、ジーパンで戦ったりしている。かっこええっスチールを載せられないのが非常に残念・・・と思っていたら遂に見つけました!
←これっす!
なぜかしらガキの頃、この写真にシビレてた〜! そして遂に入手!
おおよそ16,7年待ち焦がれた作品が我が家へ!

・・・久しぶりに観る前ドキドキしましたね〜 ほんでね〜
俺もそんなにアホやないので、この作品絶対面白い!超期待してるッ!!・・・ ・・・とは思ってないんですよ、実際。
製作されたのも俺が生まれて1,2歳の時のものだしね。
ただただでもでも、子供の時に上記のスチールを見て衝撃を受けた記憶が忘れられなくて、本当に内容を確認したかっただけなんですよね。

で、
・・・へっへっへっ何というか俺のセオリー言いましょうか。
「映画は期待して観るな」
と思いますね。
そして映画を観る前には出来るだけ予習をしない考えない事です。
人の想像力に叶う映画なんて絶対にありません。予想じゃないですよ、想像。言い切れます。ありません。思い描いてるイメージが小さいほど、映画は楽しんで見れると俺は思うのです。どうでしょ?

で、この映画の感想なんですが、なんというかひゃっひゃっひゃっ
「意外におもろいでやんの。」
失礼ですが、もっともっと駄作を正直予想してましたので、なんか笑ってしまいました。

名作洋画「手錠のままの脱獄」のパクりであるところも、面白くしている原因だと思います。下手にオリジナルの脚本書くよりね。

流れ

まず冒頭。
森林の中を手錠にお互い繋がれたまま逃げ走る二人。
金剛と倉田保昭。

金剛を御存知無い方は、ジャッキーの「少林寺木人拳」を思いだして下さい。あの映画で鎖に繋がれててジャッキーに拳法教えた悪いおっちゃん師匠です。

そして、逃げまくる二人を写しながらのタイトルバック。

ちなみに、このタイトルバックで掛かってる曲は「帰ってきたドラゴン」のタイトルバックと全く同じです。それどころか、表示してる文字フォントまで同じ。 武術指導に梁小龍の名前が・・・あ、そうか。 その「帰ってきたドラゴン」より更に前の作品なのね。

二人は警察と警察犬と格闘になりながらも、手錠のまま打ちのめし更に逃亡します。途中、チンピラを載せたトラックに遭遇。二人でヒッチハイク!
倉田・金剛 「おーい!おーい!」
チンピラボス  「・・・・スピード上げろ。」
上げろって・・・君・・・あああ!?
速度上げたおかげで二人の手錠がトラックに絡まってしまい、二人とも猛スピードのトラックに引きずられるハメに!はっはっはっはっ!
(上の画像見ながら想像して下さい)
やっぱり結局、チンピラと闘う事に。
そのチンピラの中には梁小龍がっ!!
梁小龍の綺麗な跳び廻し蹴りっ!!
アピールしてますねー彼。
チンピラからトラックを強奪。
金剛が乗る前に倉田さんが大笑いしながらトラック爆走!!
金剛「待たんかいっ!?待たんかいっ!?待たんかいっ!!」
はっはっはっはっ!そりゃそうだ。だって二人は鎖で繋がれてるもん。
倉田さん、そんな事したら繋がれてるんだから、倉田さんの方が振り落とされるんじゃ・・・・ほらね。 もう、この辺で思ってました。
「この作品イケてるっ」

そして早くも倉田vs金剛。
・・・そんな事してる暇があったらもっと逃げたらいいのに・・・
倉田 「お前はデカだろう!!一緒に逃げて、俺を騙してるなっ!!」
金剛 「そんな事はないっ!!俺が捕まったわけは・・・・」
ここで、金剛が捕まった回想、二人が一緒に逃げ出す経緯が描かれます。 まぁ、それはともかく。問題はこの手錠。

二人は何だかわかんない感じの修理小屋みたいなとこへ。
倉田 「この鎖を切ってくれ。」
店の人 「はぁ?」
倉田 「この鎖を切ってくれ。」
店の人 「はぁ?」 倉田
 「この鎖を切ってくれ!!」
店の人 「はぁ?」
倉田 「きさまぁ!!!!」
ブチギレの倉田さん(誰でも怒るわな)!
どうも耳が不自由なようで。
なんだかんだで、手錠を外す事に成功!
・・・ふと見るとそばに乗用車が・・・

金剛を刑事だと信じて疑わない倉田さん。こっそり一人で車で脱出!!
まんまと逃げられたと思ったが、次の瞬間金剛さんバイクにまたがり(突然出てきた)追走!!
今度はカーチェイス・アクション!!なんだかこの映画凄い早いテンポ!! 途中で車を捨てた倉田さん。今度はトロッコに乗って逃亡!
・・・車の方が早いんじゃ・・・・ 今度はトロッコ・アクション!!
途中で放り出される金剛!
うわあああ!!本当に凄い映画のテンポ!!

まぁ、この後もくっついたり離れたりして、倉田さんも一向に金剛を信じず、だったら金剛もさっさと別れればいいのに、
「友達だから」
という無茶な理由付けで、倉田さんから離れません。
ほんでもって、倉田さんはやはり悪い組織のボスだった。
やがてアジトに帰り、金剛が本当に刑事じゃないのか、半ば拷問にかけます(しょぼいけど)。拷問を乗り切った金剛。やっとこさ、倉田さんに気に入られ組織の仲間入りって感じか。

で、そのまま夜が明けたら、悪い組織同士の取引があるって事で、取引現場に。目まぐるしい〜
それにしても二人とも・・・少なくとも倉田さんぐらいは囚人服から着替えたらいいのに・・・・ 取引は無事成功・・・と思ったら相手組織が裏切って強襲してきた!(100%そうだと思ったけど)

金剛は取引のスキを見て、自分の手錠(まだ付けてたんかいっ)の裏を開けるっ。 なんと、金剛の手錠は通信機だったっ!!!!
これにはちょっとびっくり。早速、応援を呼ぶ金剛。ウーウーウー

その後、バイクで逃げる金剛と、追走する倉田さんのバイク、他チンピラのバイク・自動車、 パトカーとかが入り乱れての大チェイス!!(というか、何だかわかんないというか・・・)

結局、チンピラどもは警察に御用。
それでも逃げる倉田さん(さっきまで追ってたくせに)、
それでも追っかける金剛さん(さっきまで逃げてたくせに)。
なんか俺は倍速で観てるんじゃねぇか!?
と勘違いするようなこれこそまさにジェット・コースター・ムービー!!

倉田 「やっぱきさまデカじゃねぇかっ!!偽の回想シーンまで作りやがって!!」
怒り爆発の倉田さんと金剛の最後の戦い!!
二人とも上半身裸体をさらしての激闘を繰り広げます!
(それにしても倉田さんやっぱ凄い体だな)
最後は水中で倉田さんに再び手錠をかけ、二人は元の手錠のままに。
ここで、警察の恐らく金剛の上司さん登場。

倉田 「お、お前は!?・・・・耳の不自由な店のやつ!!??」

劇終

■CAST&STAFF
監督 劍龍
出演 金剛(カム・コン)
倉田保昭
姜南(チャン・ナン)
李家鼎(リー・カー・ティン)
劉大偉
陳有倫
康大同
李強
胡秋萍
史亭根
趙強
岑潛波
龍方
金銘
梁小龍(ブルース・リャン)
趙天成
武術指導 梁少松
梁小龍(ブルース・リャン)
李銘文
脚本 朱何敢
音楽 周亮
策劃 陸駿
製作 黄車漢
制作年度 1973


麒麟掌/獨覇拳王
Fist of Unicorn
The Unicorn Palm



はっはっは!
・・・いやいやすいません、なんですか私ねー

結構楽しめちゃったりなんかしちゃったりして

まず最初にめちゃめちゃ画質の悪いビデオだったので、
ようわからんとこもあった上でのレビューです。ご容赦下さい。

なんかこの頃、
俺"面白感覚"が麻痺してるんじゃないかって気がしてきたな。
なんでもそれなりに楽しんでる気がする。
ま、たまにな〜〜んにも書く気の起こらない作品もありますが。

そして今回紹介するこの作品は、
ええとまぁ一応知らない人のために概要説明しますね。
李小龍(ブルース・リー)の親友、小麒麟(ユニコーン・チェン)の単独初主演作!!
李小龍は小麒麟を当然応援し、武術も幾つか指南!製作会見にも出席!
大スター李小龍の協力を得て完成させた作品だったが、
劇中には李小龍が武術指南しているところなどを隠し撮りしたフィルムが無断で挿入され、裏切られた李小龍との仲は決裂。
劇中のドラマよりもよっぽど製作まわりのエピソードの方が強烈なのである。
「だって小麒麟だけじゃ売れないもん」
という理由もあるだろうが、何よりも"李小龍が出るのなら何でアレ儲かるに違いない!"と金だけに製作側が走った酷い行為である。

で、
作品の評価こそがむしろ一番有名なんじゃないかと思うぐらい私の脳裏にも焼きついていて、
李小龍(ブルース・リー)、倉田保昭、池漢載(チ・ハンタイ)、黄仁植(ウォン・インシック)、今となっては火星(マース)、さらには端役で成龍(ジャッキー・チェン)までもが出演しているこの映画ではあるが、
"ちっとも面白くないのだ"(確か「ドラゴン大全科」という書籍)
という例に倣って一様に"つまんない"とされている作品である。
李小龍挿入如何はともかくとして作品の出来栄えがよければ・・・と思うところもあるのだが。

しかし!
"結構楽しめちゃったりなんかしちゃったりして"
と言ったからには、ここは一つチャレンジをしてみたい。
まるで、
あれ?この映画、結構面白いんじゃないか?
と思わせるようなレビューを全く嘘をつかないで書けないかチャレンジしてみよう。

流れレビュー

とりあえず李文泰(リー・マンチン)が変なおっさんの仕込み杖で殺される。
続いて川原にいた母子の下に変なおっさんが襲い掛かる。
その母を強姦しようとしたが逆らったため、逆上して殺害。
止めに入った子供の手にも傷を負わせた。

数年後

立派に成長したその子供、小麒麟(ユニコーン・チェン)は今日も仇討ち目指して功夫修行。
ここで例の隠し撮りされた李小龍が登場する。ちょろっとね。

オープニング
これがまたちょっと

(これは「少林與武當」のオープニング)
こんな感じでなかなか気合が入っている。小麒麟の手手手!
ちなみに撮影は
燃えよジャッキー拳/廣東小老虎」監督である魏海峰(ナン・ホイフン)が担当している。

本格的に仇討ち探しの旅に出た小麒麟。
馮敬文のおっちゃんを仇討ち相手と間違えたりなんかする。
それにしても馮敬文はもう若くもなんともないな。

コケコッコー

実に素直な朝の表現も爽やかに橋の下で目を覚ます小麒麟。
橋の上からバック転して現れるクソガキ坊主登場!
梁小龍(ブルース・リャン)映画でお馴染み、
天才子役・孟海(マン・ホイ)の登場だ!
孟海の軽快な動きに目を見張る小麒麟。

小麒麟 「小僧、やるじゃんか!しかし見てろよ!」

と、さらに連続バック転を決めてみせる小麒麟。

ガキと張り合ってんじゃねーよ!!

とはいっても、小麒麟。
彼の特徴は身が軽いことである。
これだけについては回転技の不得手な李小龍も太刀打ちできまい。

いやー・・・・・・・
それにしても主役張る顔じゃねーなー

いかんいかん!アクティブにアクティブに!フラバンジェノール!!
孟海は小麒麟の技にトキメイて早速仲良くなり、
小麒麟は孟海とその母親のところでしばらく厄介に。

一方で、
まだまだ「悪客」な顔した倉田保昭兄貴登場!
あ、兄貴!・・・・・・眉毛濃く描きすぎです!
魏平澳(ウェイ・ピンアウ)が「そうですかー」「ありがと」と日本語挟みながら話してるが、何の話かわからず。

村では功夫旅芸人一座(雑技団みたいな)が、パフォーマンス中。
レンガを頭で割る気孔術を披露しているのは若き火星(マース)くんだ!
そしてこの団員の紅一点・孟秋が連続バック転をして観客達を喜ばせる。
観客の小麒麟と孟海も楽しそうにその様子を見守っていた。
「うひひいひぃぃ!ぐへへへへへぇ!」
と気持ち悪い声をあげていたのは金帝(ティン・チィ)ですっかり孟秋に一目惚れのご様子。

金帝 「ぼぼぼ、ぼ、ぼ、ぼくは・・・孟秋ががが、す、す、す、好きなんだな・・・・」
火星 「ぼぼぼ、ぼ、ぼ、ぼくは・・・あ、あ、あんたみたいな、な、奴に・・・孟秋は嫌なんだな・・・」
お互いに山下清なみのドモリのやり取りが野次馬どもを楽しませる。

しかし、金帝は村で強大な権力を持っている組織ボスの息子で、
その奥様、陳菁(リリー・チェン)らも登場してさらに孟秋に迫る。
この辺のモメモメに口を出したのはクソガキ孟海だった。
小麒麟が孟海を諌めたが、メンツを潰された陳菁(リリー・チェン)らはそうはいかない。

「俺の股をくぐれ!」

一味に言われて小麒麟は「内心カチーン」と来ていたが、グッと堪えてここは股をくぐることに。

この様子を遠巻きから見ていた池漢載(チ・ハンタイ)が登場!
小麒麟に代わって組織との対決に申し出た。
池漢載のテコンドーになぎ倒されるザコども!
始まってすぐ後ろに蹴飛ばされているのがジャッキーっぽい(たぶん違うと思います)。
そして、いつ始まるかと期待していた対決は結構早く始まった!
すなわち、

池漢載vs黄仁植(ウォン・インシック)!!

この対決である。
ご存知の人はご存知の通りのテコンドー師弟対決!!

さらに言わずもがなが続くが、池漢載は「死亡遊戯」で李小龍と戦ったテコンドーの超達人。あの黄仁植の師匠なのだからそりゃあもう、ケンシロウとリュウケンみたいなもんだ。
そして黄仁植も「ドラゴンへの道」で李小龍と戦い、何と言っても「ヤング・マスター/師弟出馬」でのジャッキーとの勝負が名高いあの黄仁植である。
こんなところにこんな夢の対決が実現しているのだ。
対決の結果はまぁ、顔を立ててというとこか。

「世話になったな。俺は仇討ちするまで他と戦うのは嫌やねん」
と一旦、小麒麟は孟海のもとを立ち去る。

興行を終えた一座は移動の最中。
そこに、倉田・黄仁植軍団が現れた。
倉田 「ボスの命令だ。孟秋はもらっていくぞ!」
一座との間で戦いが始まり、火星くん孟秋ともども善戦はするが遂には団員らは殺されてしまう。
孟秋は負傷しながらも何とか逃げた。

金帝の屋敷。
孟秋のことで頭がいっぱいの金帝にブス2人用意したが、まぁおっぱい出せば良いってもんじゃないってことで気に入らない。
それよりもわざわざこんなシーンを京劇風に演出している画期的な試みの意味がさっぱりわからない。
ただし、金帝がドモリのバカ息子ということで、憎憎しさを一層表現することに成功しており、
「ドラゴンへの道」では、
「待ち受けるのは銃とナイフ、それが彼の運命なのだろう・・・」
という名セリフを吐いた気の良いおっちゃん役から見事な変身ぶりだろう。
というか、この後も悪役ばかりになってったが。そう言えばテンテンちゃんとも戦ったね。

孟秋はたまたま見つけた小麒麟が助け、小麒麟とともに孟海家に戻っていた。
どこから情報聞きつけたか知らないが、ここに倉田軍団が捜索にやって来た。
ちなみにこの倉田軍団の1人がまたジャッキーっぽいが、やっぱ違う可能性が高そう。
小さい家の中で孟秋捜索が始まる。
見つかるか見つからないか単純なスリルを味わえるスリリングなシーンだ。
結局、見つからず一旦退散。

しかしこれはフェイクだった。
改めて柔道家(これも手下)が登場。孟秋を見つけられてしまう。
追い詰められて流石に小麒麟も戦うしかなくなってしまった。
身軽な小麒麟vs柔道家!
単なる燕返しもスローでダイナミックに演出し、対決を盛り上げる!
戦いの末、敗北を悟った柔道家は命乞いをしたが、ここに現れたのは実は生きていた火星くんだった!
今度は柔道家vs火星くん、孟秋!
頭突きが得意の火星くんだったが、ほとんど自滅と言っていいような実に情けないやられかたで息絶える。
何のために出てきたのだね!!
孟秋が柔道家を倒して仇討つがまたしても悲しみを重ねてしまうのだった。

と、次のシーンで小麒麟にからむ黄仁植軍団。
ここで、本当にジャッキー登場!
2秒ぐらいはっきりと顔が確認できます。

小麒麟vs黄仁植!!
「たんろんがー!」
でお馴染みの構えをここでも披露の黄仁植。どうしても「ヤング・マスター/師弟出馬」のイメージがあって、
小麒麟なんか屁でもない気がしてならない。それだけに実際も一応の苦戦を強いられる。

耳ぴくぴく
耳ぴくぴく


見たか!これが麒麟掌!!

必殺の麒麟掌が炸裂!!あっという間に昇天する黄仁植!!

オープニングで手手手!と言ったように、"てのひら"を変換すれば"掌"となるように、
この映画の必殺技は麒麟掌なのだ!さらにその麒麟掌が炸裂するその時、
なぜか小麒麟の耳がピクピクとするのだ!!(なんで?)
従って(従ってもくそもないが)、「Unicorn Fist(小麒麟の拳)」の英題はおかしい。
「Unicorn Palm(小麒麟の掌)」が正しい表現になる。
タイトルロールでも「Unicorn Palm」と表示されています。

小麒麟が黄仁植と戦ってる間に、孟秋を連れて行く倉田。
なるほど、そういうことか。
「止めておくれ!」
と引き止めた孟海の母は倉田の肘鉄一発に沈むのだった。

金帝 「うひひいひぃぃ!ぐへへへへへぇ!」
遂に孟秋は金帝に犯されてしまうのか!!
これを危機一髪で助け出したのが、
孟海の母の死を前に完全に怒り爆発させる小麒麟と孟海だった。

遂に小麒麟vs倉田保昭!!
一方で最早ザコだけになっていた金帝とこの手下どもを一手に引き受けて戦う孟秋。
このザコの中にもジャッキーがいそうだなぁ・・・・・・

と思いつつも、この孟秋さん。
全般に渡って女ドラゴン真っ盛り
。元気に動き回って功夫に頑張っており、
すこぶる美人!・・・というほどではないが独立プロと考えりゃまぁ頑張ってるのだ。
それもそのはず名前に「孟」と付くということはすなわち!・・・・・・すなわち!・・・・・・???
孟海の姉弟子なのかもしんなくて、京劇出身だったりするのかもしれないぐらいしか思いつかないけど。

一方でガシガシガシガシ戦い続ける小麒麟vs倉田保昭。
ついに時刻は夕方に差しかかろうとしていた。
倉田の足技をその自慢の跳躍力でかわす小麒麟。
こちらもスローモーションを多用しており、お世辞ではなく倉田さんの飛び蹴りスローなんかは結構興味深く、
出来の良い対決シーンである。
こちらも戦いの末に、倉田兄貴不利と見るやナイフを持ち出した!

耳ぴくぴく
耳ぴくぴく


見たか!これが麒麟掌!!

必殺の麒麟掌が炸裂!!あっという間に昇天する倉田兄貴!!

いやね、
李小龍が友人だったからこそ影響がちゃんと良い方向に出ている唯一の事柄が小麒麟のアクションで、
観る前は麒麟掌なんて言うんだから、掌一発アチョー!!
"李小龍ちっくなアクションなんだろうかな"
と思っていたがどっこいどっこい。
李小龍に倣わず、空中横転で倉田兄貴の後頭部に攻撃するなど小麒麟の持ち味である身軽さを存分に発揮、
こと功夫アクションに関しては李小龍傾倒せずにちゃんと自分なりのものを構築しているのだ。

ついにここで金帝の父、組織のボスが登場する。
魏平澳も白人ファイター亞力山大(アレキサンダー)を助っ人に連れて来た。
見るとボスは杖をついている・・・・・・あの杖は仕込み杖!!

小麒麟 「きさまだ!!きさまこそが俺の仇討ち相手だ!!」

いともあっさりと亞力山大を倒してボスに迫る!
さっきからずっとパンツ一丁で逃げ回っていた金帝も孟秋に倒される。
なんつーかあなた、
普通に孟秋さんにアプローチすればよかったのにねぇ・・・ダテ喰う虫もなんとかってあるんだから。

息子を殺されたボスと、
両親の仇である小麒麟。
孟秋も加わって最後の戦いが始まった!!

劇終

最後の方にも李小龍が出てくるはずだったような気がするが、このビデオは出てこなかったので確認できず。



日本公開するほどじゃないだろうと言われれば全くその通り、
お話については読めばわかるとおり、うすっぺら〜いもんで
小麒麟さんも主役張るような器には到底見えず寂しいもんがある。

ただ個人的にはレビュー作品である
少林寺秘伝拳」「太極八蚊」「黄飛鴻四大弟子」等よりこっちの方が面白かった。
それは一重に二重にとこの映画の見所を書き出してみればわかるのだが、
・夢の対決! 池漢載vs黄仁植
・李小龍登場
・倉田保昭登場
・ジャッキー登場
・火星くんも結構活躍

"李小龍とジャッキー"が一緒のスクリーンは「燃えよドラゴン」とかあるし、
"ジャッキーと倉田保昭"は「七福星」で対決してる。
でも、"李小龍と倉田保昭"はこれだけでそこにジャッキーも登場となればまさにこれ一作だけ。
そして、アクション面については1973年にしてみれば十分結構な出来栄えだとも思うし、
孟秋さんの女ドラゴンっぷりも気持ち良いし、良いとこ書き出そうと思えば結構あるのだ。
李小龍が出ている経緯を考えると、いけないことなんだけどね。

どうですか?
結構、面白そうな感じに読めましたか?
いやぁ、映画ってほんとに良いもんですね?


■CAST&STAFF
監督・脚本 唐迪
出演 小麒麟(ユニコーン・チェン)
孟秋
黄仁植(ウォン・インシック)
倉田保昭
孟海(マン・ホイ)
金帝(ティン・チィ)
火星(マース)
顧文宗
成龍(ジャッキー・チェン)
唐迪
李文泰(リー・マンチン)
陳菁(リリー・チェン)
孫榮志
金霏
徐忠信
池漢載(チ・ハンタイ)
王沙
馮敬文
魏平澳(ウェイ・ピンアウ)
趙雷
戴綺霞
亞力山大
李影
周小來
韓義生
湯錦棠
李小龍(ブルース・リー)
武術指導 小麒麟(ユニコーン・チェン)
武術顧問 李小龍(ブルース・リー)
音楽 王居仁
制作年度 1973


~龍小虎闖江湖
Call Me Dragon
帰って来たドラゴン



日本で「燃えよドラゴン」の大ヒットを飛ばしてから、後に続けとばかりに大量に香港の 空手映画(当時はこう呼ばれた)が入ってきたが、ほとんどが観るに堪えない駄作だった。 その中で2,3本は李小龍じゃなくてもキラッとした作品もあった。これはその一つ。倉田さんの代表作でもある。

当時、本作にて香港で大スターになった梁小龍は、名前がバッタもん臭いが その腕前は李小龍本人以上かとも呼ばれるほどの実力者で、本作でも冒頭から凄い足技の連続。

空中で左右にいる敵を片足で交互に蹴ったり(見てもらったほうが早い)、
3連続飛び回し蹴りとか(見ろ見ろ)。
そして凄いジャンプ力!どんな体のバネじゃ。

日本になだれ込んできた他の空手映画と決定的に違うのは映画のタッチが非常に明るいところ。陰惨じゃないんですよ。全体的にスカッとしてる。
残酷なシーンも無いし。
石天さん(ディーン・セキ)もいつもの調子で良い味出してる。
もしかしたらこれが最初のコメディの入ったクンフー映画かもしれません。

ちなみに監督の呉思遠はジャッキー「酔拳」をプロデュースした人です。やる
な。この作品が登場するまで、香港では悪役専門の俳優は町で石を投げられたそうですが、本作でごっつ格好いい悪役(考えてみれば全然悪いことしてなかったような)のブラック・タイガー(倉田さん)の登場で、悪役は格好悪くて醜いものといった香港映画の概念を変え、 倉田さんはスターダムにのし上がったのでした。さらに倉田さん日本人なのに、凄いな。

ラストの闘いを見れば分かりますが、梁小龍と倉田さん、延々闘ってます。 なんか戦闘場所に飽きたら、 また次の場所へ走って。また次の場所へ走って・・・って感じで。 みんなで考えたそうです。
「う〜ん、ブルース・リーと同じ事やっても勝てないな・・・・。」
「よし!李小龍が一発一発決めていくやり方なら、こっちは手数を増やそう!」
こうして生まれたのがマラソンファイトだそうで、走っては闘い走っては闘いの名シーンが生まれました。このファイトは第二弾「香港小教父」にも引き継がれています。下記記載。

しんどかったろうなぁ、この撮影。
倉田さんの名シーンである、壁に足をかけて建物を登るというのはこの映画です。

■CAST&STAFF
監督・脚本 呉思遠(ウー・セイ・エン)
出演 梁小龍(ブルース・リャン)
倉田保昭
韓國財(ハン・クォ・ツァイ)
孟海(マン・ホイ)
石天(ディーン・セキ)
姜南(チャン・ナン)
黄韻詩(ウォン・ワンシー)
黄建軍
譚天
湛少雄
周小來
王友浩
孫嵐
武術指導 梁小龍(ブルース・リャン)
製作 王建軍
呉思遠(ウー・セイ・エン)
制作年度 1973


香港小教父
Little Godfather From Hong-Kong
無敵のゴッドファーザー/ドラゴン世界を征く



「神龍半式闖江湖」パート2って事でほとんど同じキャストですが、 ローマロケを敢行しています。本作の醍醐味はローマロケです。これに決まりです。 お話は残念ながら面白くありません。陰惨でした、今回は。
だけど、ローマロケ。
なぜそれほどまでに口走るかというと、
『全部隠し撮り!!』
ローマの方々にじぇんじぇん許可を得てないんですね。
隠して隠して撮ってます。 そこがおもろい。
だからこそ、本当は撮影しちゃいけないような建物やシーンが一杯入ってます。そんなとこでクンフーするんですよ。物凄い違和感。
みんな普通の通行人やら観光客やらなんですが、
「なにやってんだ、こいつら??」
って感じでみんな見てます。嘲笑しあってます。
その中で真面目にクンフーしてます。
圧巻なのはローマ法王が有り難い説法を、物凄い群衆に向かってしているんですが (これって確か一切撮影禁止のはずじゃ・・・
TVでも見たこと無いぞ) その中で戦ってます。なんて不謹慎な撮影。
凄い群衆がみんな 「なにやってんだ、こいつら??」 って感じです。

本当に面白いところはやはり、
梁小龍v:s倉田のマラソンファイト第二弾ですね。
なんか突然トランプを取り出して投げつけてました、リャンに。


■CAST&STAFF
監督 呉思遠(ウー・セイ・エン)
出演 梁小龍(ブルース・リャン)
倉田保昭
孟海(マン・ホイ)
シャーリー・コリガン
唐沙夫
コンサルボ・デルアルティ
武術指導 梁小龍(ブルース・リャン)
脚本 呉思遠(ウー・セイ・エン)
童賜
音楽 周福良
製作 色明(パイ・ミン)
制作年度 1974

梅花椿大破方世玉
The Secret of the Shaolin Poles
少林寺マスター/少林寺舞扇拳



この映画、オープニングの演舞シーンがメチャ格好いいっす!
音楽も最高!(パクりだけど)
で、キャスト挙げてみて思うけど、意外に豪華なメンバーですよね、これ。
武術指導も劉三兄弟だし。
そう言えば空手の朴三姉妹といっぺん組み手してみたかった(超内輪話)。 後はまぁ、クンフーシーンがもし素晴らしい出来上がりだったら傑作になったかもなー・・・って感じ。

タイトルの梅花椿は“杭をたくさん打ち付けてその上に立ち、そこで戦って落ちたら死亡”の 試合形式の事で、その打ち付けた形が「梅の花」であるから梅花椿である。
非常に危険な撮影だったらしいが、そのおかげでスリルたっぷり手に汗握るアクションシーンが 誕生したわけではなく、おっかなびっくり及び腰のシーンに仕上がってしまったとさ。

せっかく神の足譚道良が出てるのに、びっこの役なので足技も披露しないのが不満。

倉田さんを倒した後に、張翼と戦うパターンも思いっきり前作「方世玉」とかぶる。そう言えば流石に孟飛のクンフーは成長してたが。

ほんで、テンテンちゃんの「キョンシーズ」覚えてますか?
TVシリーズ放映もありましたね。 あれに“金おじいさん”って爺さんが出てくるんですが、実はこの作品に出てます金爺さん。
一瞬だけアップになるのではっきりと確認できます。わかるかな?


■CAST&STAFF
監督 欧陽俊(オー・ヤン・チュン)
出演 孟飛(メン・フェイ)
倉田保昭
譚道良(レオン・タン)
張翼(チャン・イー)
龍君兒(ロン・ジェン・エール)
劉家榮(リュー・チャー・ヨン)
左艶蓉
葉小益
藩祖祖
馬駿
黄小龍
江青霞
楊平安
金塗(キン・トー)
武術指導 劉三兄弟
脚本 呉恒
邸剛健
策劃 伍玉麟
製作総指揮 黄麗英
制作年度 1975




飛刀・又見飛刀
Return of the Deadly Blade
激突!少林拳vs忍者



スタッフ・キャストが実は結構豪華なアクション大作(にしようとした気概は感じられる)。

まず、監督の黄泰來は後々周潤發の「江湖情」(「愛と復讐の挽歌・野望編」)「英雄好漢」(「愛と復讐の挽歌」)を撮ることになる人で、周潤發を貫禄たっぷりに撮った 監督のフィーリングはこの映画でも存分に生かされ、姜大衛の近藤正臣っぷりがますます冴え渡っている。

ほんで、武術指導が程小東。

香港ワイヤーワーク・アクションを華麗に演出し、ワイヤー武侠片(「東方不敗」「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」等々)の一大ブームを 巻き起こした張本人と言っていいだろう。本作にもそのハシリになるワイヤー・アクションが ちょこちょこと張り巡らされていて興味深い。

またまた、音楽が俺の大好きな願嘉輝さん担当で、オープニング演舞シーンのスローテンポな主題曲でも、中盤で得意のマーチのリズムを挟み入れ、 願嘉輝ここにありの名曲に仕上げている。今まで担当した数々の名曲、 「ドラゴン怒りの鉄拳」の主題歌や、「ドラゴンへの道」のオープニングなどと聴き比べてみるのも面白い。

しかし、キャストにしても梁小龍がひょっこり僧侶役で登場してクンフーしたり、 なんかコミカルな拳士が出てきて「あっさり死んだなー」と思ったら、なぜか羅烈だったり(ゲスト出演?)。

雑なのかアートのつもりかよくわからんが、カメラアングルが歪なため、アクションはなかなかのものだと思うのだが見づらくて困っちゃう。

姜大衛は正臣よろしくクールに決めて格好いいやら流石にサブイやらだが、 対称的にもう一人の主役、倉田さんは粗野で豪快乱暴だけど、女・子供に優しい豪傑を演じていて こっちの方が段違いに格好いいです。俺的には。 ラストが
「話をまとめられなくなりましたー!!」
ってまるで懺悔してるような、やり逃げエンディング。
日本版ビデオ出てましたよ。

■CAST&STAFF
監督 黄泰來(テイラー・ウォン)
出演 姜大衛(デビッド・チャン)
倉田保昭
徐少強(ツイ・シャオ・チャン)
羅烈(ロー・リエ)
楊〔目分〕〔目分〕(パメラ・ヤン)
中村勇
張天愛
楊澤霖
梁小龍(ブルース・リャン)
武術指導 程小東(チン・シュウトン)
音楽 願嘉輝(ジョセフ・クオ)
原作 古龍(クー・ロン)
製作 鍾志文
制作年度 1980


精武英雄
Fist of Legend
フィスト・オブ・レジェンド/怒りの鉄拳




李小龍「精武門」(「ドラゴン怒りの鉄拳」)のリメイク作。
ただ、タッチは本家のそれとは随分違い、いささかコミカル(倉田さんが)。 本家の「精武門」に出演依頼されていながらも、プロダクションの違いから共演できなかった倉田さんが久しぶりにトレーニングを積んで意欲満々で挑んだ作品である。
タッチが一番違うのが、勧善懲悪ではないというところ。
反日感情バリバリの映画ではない。

だって、いきなりドラゴン(以前は李小龍の役、これは李連杰)が、

日本人の嫁さん(なぜか中山忍)貰ってるんだもん。
どこをどうしたらそうなるねん。
ほんで、大学でみんなにからかわれて李連杰さん怒って猛反撃、冷やかした連中の関節をみんな外してしまいました。その後、嫁さんの叔父さんである倉田さんが

「わっはっは、ばかものめ。」
とベタな登場しながら外した関節治してすけど。

嫁さんが日本人なので道場主にもなろうかとしていた李連杰さんは逆に追い出されるはめに。なんかバラック小屋で中山忍と暮らし始めます。なんか変なの。

そこに挑戦してくる倉田さん。
非常に爽やかな決闘が始まるのですが、
「おいっちにぃ、さん、しぃ、おいっちにぃ、さん、しぃ。」
と倉田さんが準備体操を礼儀正しく始めてしまったので(年だからね)、
「さぶ〜」
ってな気持ちの李連杰さん。さぶさぶ作戦にすっかり引っかかっています。 「さ、始めようか。」
「・・・・・。」
対峙する2人。
「あ、足袋履くの忘れた。ちょっと待て。」
「・・・・・・(おい)」
ここまで来て李連杰さんの気持ちはすっかり醒め醒めですが、試合は始まります。
うおー、あちょー、てやー、あいやー
いきなり感想ですが、やっぱり凄いですよ。倉田さんも。
李連杰相手に一歩も引いてない。なかなかの名勝負です。
勝負は引き分けになって、
「いい汗、かいたなぁ」
と倉田さんは去っていきます。爽やかやな、きみぃ

話が飛びますが、ラストは周比利との一騎打ちです。
ここで、普通の拳法が通じないと悟った李連杰は戦法を「ドラゴン拳法」にチェンジします。 (あの、李小龍が手を広げて舞う、あれね)
なんかちょっと李連杰さんには不似合いな小刻みなステップを踏んで(李小龍のやつね)、最後は周比利をうち倒すっす。
やっぱり袁和平さんが武術指導やと安心して見れるなぁ。
■CAST&STAFF
監督 陳嘉上(ゴードン・チャン)
出演 李連杰(ジェット・リー)
倉田保昭
中山忍
周比利(ビリー・チョウ)
錢小豪(チン・シュウ・ホウ)
蔡少芬(エイダ・チョイ)
秦沛
袁祥仁
高橋利道
黄新(ウォン・サン)
譚淑梅
樓学賢(ジャクソン・ルー)
武術指導 袁和平(ユアン・ウー・ピン)
脚本 陳嘉上(ゴードン・チャン)
葉廣儉
林紀陶
音楽 願嘉輝(ジョセフ・クオ)
製作 李連杰(ジェット・リー)←クレジットは李陽中
制作年度 1994
 
 
 
麒麟掌/獨覇拳王
帰って来たドラゴン
無敵のゴッドファーザー/ドラゴン世界を征く
少林寺マスター/少林寺舞扇拳
激突!少林拳v:s忍者
フィスト・オブ・レジェンド〜怒りの鉄拳
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