■CAST&STAFF |
監督 |
楊靜塵 |
出演 |
王冠雄 |
宗華 |
龍君兒(ロン・ジェンエール) |
李強 |
史仲田 |
谷曼青 |
盧迪 |
陳信一 |
古錚 |
關洪 |
馬如風 |
孫嵐 |
張宗貴 |
朱少華 |
蕭堯 |
史亭根 |
陳金海 |
扈漢章 |
何維雄 |
林光榮 |
武術指導 |
李強 |
關洪 |
脚本 |
柳松柏 |
音楽 |
黄茂山(ウォン・ムーサン) |
制作年度 |
1979 |
上海灘馬素貞/十面威風
Brave Girl Boxer in Shanghai
■
馬素貞である。
馬素貞といえばやはり「地獄から来た女ドラゴン」(未レビュー)が代表的か。当HPでは
燕南希(ナンシー・イェン)の「ドラゴン覇王拳2」がある。
とりあえずその前に馬永貞ものを知らない人は「上海ドラゴン英雄拳」「ドラゴン覇王拳」「暗黒街 若き英雄伝説」辺りを観て欲しい。
んで、上海の街に消えた兄・馬永貞を追ってやって来る妹の話が、この馬素貞ものである。
本作ではデビュー当時の初々しい龍君兒(ロン・ジェンエール)が馬素貞に扮して、その可憐さにそぐわない抜群のスタミナと根性を披露している。
■流れ
今とメイクが違いますね。
上海からの連絡が途絶えた兄・馬永貞を追ってやって来た馬素貞。
もう来たらすぐさま黒社会同士の抗争に加わって易原と大勢の手下を蹴散らし、馬永貞の舎弟だった聞江龍と合流するが兄の位牌を目の前にして泣き崩れ、復讐を誓う。
超アグレッシブ!
全く様子を伺うとか作戦を練るとかしない直情型の馬素貞(笑
怪しいんじゃねーの?と思ったチンピラやらそのボスやらを片っ端からボコボコに(笑 女の子なのに(笑
再び易原と対決するがもう考え無しに死地に飛び込むので大勢に囲まれてピンチの馬素貞、謎の男・楊洋が現れて彼女を救ってくれる。
楊洋は易原の用心棒になるという仮契約をし、彼らに敵対意識は無いと見せかけていたが、実はその裏で色々と馬素貞に情報提供。
馬素貞たんはとにかく名前聞いたら乗り込んでって大暴れ!
を繰り返す。
もうとにかく戦い続け。どんなスタミナしてんだってか、他の展開がほとんど無い作品である。
ほんのちょっとの束の間に色々と助けてくれる楊洋とは仲を育んでいくのだが、兄・馬永貞の面倒を見てくれていた譚四爺と合流するも、彼は謎の集団に殺されてしまう。
さらにこっから馬素貞たんはそこらのチンピラ殴って蹴って無理やりその謎の集団の正体を掴もうと戦いまくり。遂には謎の集団が斧頭党であることがわかり、何の恐怖も無くアジトに踏み込んでいく馬素貞たん。映画の冒頭から死はずっと覚悟済みなのである。
斧頭党のボスは笑顔の素敵なあのねのね陳鴻烈さん。
素敵な笑顔を披露した後は怒涛のラストバトルに突入!
楊洋や聞江龍も加わって激しいド突き合い蹴り合いが続くのであるが、
物語の終焉は意外なところに落ちるのであった・・・
終劇
■
「帰って来たドラゴン」の梁小龍(ブルース・リャン)と倉田保昭はラストバトルを延々と戦ったし、ジャッキーは「ヤング・マスター/師弟出馬」で黄仁植(ウォン・インシック)と延々と戦った。王羽(ジミー・ウォング)さんも「ドラゴン武芸帖」や「唐人票客」でアイデアの限りを尽くして迫力のど突き合いロングバトルを展開した。
そして本作。
スピードもテクニックもアイデアも全て今挙げた作品より劣ってはいるが、もう全編とにかく龍君兒ちゃん戦いっぱなし、終わるが終わるまでもう延々殴るの蹴るので大暴れ。
何を於いてもまず伝わって来るこの龍君兒ちゃんのスタミナ底力の凄さ、どう考えても過酷であったろう撮影の厳しさを乗り越えてファイトする精神力ド根性にとにかく圧倒される。
中途半端なドラマや中途半端なアクション、モサモサした動きの拳闘シーンであれば退屈してしまうのであるが、この作品は全編に渡って殴る蹴る殴る蹴る殴る蹴るつるべ打ち!テクニック云々の前に画面から伝わってくるのはスタミナと熱気!ここまで続けられると"どれだけ戦い続けられるのか?"という記録映画じゃないか?と思ってしまうぐらいにその受ける印象は変わる。そりゃこの映画観ればみんな思うよ、龍君兒は根性のある女優だ使えるなと。
んで、全体の8割は戦っているだけみたいな印象の作品、
このままで終れば総評として高いものを与えるわけにはいかないのだが、
ラスト、衝撃の展開で全てが変わります。
私はラストの龍君兒さんの熱演、感動しました。
他馬永貞もの、馬素貞ものでもちょこちょことラストのオチは変わっているのですが、本作もどんでん返しが待っていますのでお楽しみに。
同じ馬素貞ものである「ドラゴン覇王拳2」より本作の方が私は好きです。
いやぁ、これだなぁ龍君兒さんの代表作は。
考えてみれば、数々の幻と言われた功夫映画が日本でもソフト化されて嬉しい限りであるが、やはり台湾製作のものになってしまうとまだまだではある。
「ドラゴン武芸帖」始めとしてジミー作品や上官靈鳳(シャンカン・リンフォン)の主演作など台湾国内では次々と時にはちゃんとリマスターされて発売されているだけに、日本の業者が手を出していないのは誠に残念。
「ドラゴン武芸帖」なんか「片腕ドラゴン」のように豪華に出して欲しいんだけどなぁ。
「地獄から来た女ドラゴン」さえ未だに日本発売されてないのでアレなのだが、本作も傑作である。ソフト化して欲しい一作だ。
|
■CAST&STAFF |
監督 |
傅清華 |
余漢祥 |
出演 |
龍君兒(ロン・ジェンエール) |
楊洋 |
陳鴻烈 |
易原 |
聞江龍 |
梅芳玉 |
王秋雄 |
顏玉龍 |
岳峰 |
呉東橋 |
林中林 |
呉建賢 |
邵羅輝 |
翁小虎 |
武術指導 |
顏玉龍 |
呉東橋 |
脚本 |
陳小島 |
音楽 |
周亮 |
策劃 |
駱海南 |
制作年度 |
1972 |
鬼吼段魂刀
The Knife of Devil's Roaring and Soul Missing
■
龍君兒(ロン・ジェンエール)が数々の台湾功夫映画に出ていた女優なら、羅烈(ロー・リエ)は数々の台湾功夫映画に出ていた俳優である。
故にこの二人が共演している作品は多く、本作もそんな一本になります。
両者に共通しているのは幅広く役柄を請け負うということ、またどちらもラスボスをこなせるということ、香港製功夫映画に比べて台湾製はサスペンス調の作品が多く、誰が真犯人か?ってな物語をやる場合、両者どちらかでも出演させとくとサスペンスが深まるんですね。例え小さな役で出ていたとしても後でボスとして登場するかもなぁって思いますから。
普通のサスペンスものと違って功夫映画ですから最後はラストバトルというものが当然あるわけで、だとすると出演している役者の中で功夫出来なそうな役者は当然容疑者から外れていくわけですね。なのでどんなに物語が工夫されていようと出演者を功夫出来る人達で固めておかなければ゛あと動けるのは彼だけだから彼が犯人゛になっちゃうわけです・・・なんか話がズレたかな。
さて、本作もそんなサスペンス調の一作なのですが。
そして上記のパッケージは格好良いから惹かれたのですが。
■流れ
いきなり冒頭から謎の黒覆面が親子剣客3人殺します。
と思ったら1人は生きていて、何とかかんとか自分の道場に戻って事件を報告。
「それは許せん!」
と早速仇討ちに向かったその道場の師範代(と思われる)・譚道良(レオン・タン)。
捜索の旅の間にも黒覆面が殺人を繰り返す。
墓場の前で怪しい剣客を見かけた譚道良さんは早速犯人と決めかかってバトル!・・・しかしこいつはさっきのいまわのきわに残した話をちゃんと聞いてたのか?(全然容疑者と容姿が違うやん)
スキをついて怪しい剣客には逃げられ、譚道良(レオン・タン)自身は
龍君兒一行に囲まれる。
龍君兒 「きさまが黒覆面か!?」
すぐさま龍君兒vs譚道良!・・・ってだからこっちはこっちで容疑者の身なりをちゃんと聞いたのかと小一時間・・・
どちらも黒覆面を仇討ち相手にしていることがわかったので和解。
んだけど、今度は
羅烈一行が現れて・・・また同じことの繰り返しなんですけどね。
譚道良、龍君兒、羅烈、皆敵は同じ謎の黒覆面。
・・・って言いつつも、
「いやいやどうせ犯人は羅烈なんじゃないの?」
って正直言うと私自身が羅烈に対して疑い光線出しまくり。
協力すりゃいいのに各々で動くからもう。
譚道良には占い師や給仕や黒覆面本人やら様々な刺客が襲いかかって、
一方で龍君兒のお父さん・魯平は何故か秘密の洞窟で1人で命懸けの修行をしていて(この人が何がしたかったのか一番わからんかった)。
もうとにかく黒覆面は鍔が回転して音出してその音が脅威となる奇妙な剣を持っていたので厄介な敵であると。ほんで、これに対抗するためにサンシャインソードを手にして修行を始める譚道良。
・・・ってなんかラストバトルの前に羅烈が黒覆面に倒されてしもうたがな!
あんたが真犯人違ったんかい。うーん、今回はほとんどゲスト出演みたいなもんでした。
んじゃ謎の黒覆面は誰か?
そして黒覆面の真の目的とは?
終劇
■
うーん
一応オチは言いませんが特に大したことは無かったです。
隠す程でもないです。
イマイチかなぁ。
冒頭のツカミも良い感じでテンポも最初は良かったのですが、段々登場人物増えて来ていったい何のために出てきたのかわからん人がゾロゾロと。まぁそうしないと消去法で犯人わかっちゃうから人多く出したってことなんですけどオカルトっぽい展開になっちゃうとちょっと醒めるなぁ。
アクション面では結構各々が持っ武器に趣向を凝らしてあるし、龍君兒ちゃんの武器も譚道良さんの武器も格好良いんですけどね、立ち回りのレベルは後ほんのちょっとは上を目指して欲しかったかな?
特にフラッシュレッグな譚道良の足技をもっと活かして欲しかったところ。
あ、そうか。
というわけで、というか
龍君兒ちゃん出演作としてオススメ、というわけでもないし主演の譚道良出演作としてオススメ、ってわけでもない。勿論羅烈も。
その辺の役者の魅力が出てないってのが本作一番の欠点かもしれませんね。
|
■CAST&STAFF |
監督・製作 |
李冠章 |
出演 |
譚道良(レオン・タン) |
龍君兒(ロン・ジェンエール) |
羅烈(ロー・リエ) |
董力 |
邵羅輝 |
萬重山 |
歐陽鐘 |
魯平 |
趙〔女亭〕 |
史仲田 |
張方霞 |
陳寶亮 |
呉可 |
費雲 |
祖勃林 |
楊奎玉 |
夏侯俊 |
金劍 |
歐陽慧 |
周明 |
章少君 |
李影 |
劉依蓉 |
胡光 |
林鳳勝 |
王耀 |
史亭根 |
應h |
武術指導 |
小英哥 |
脚本 |
金劍 |
音楽 |
周福良 |
制作年度 |
1976 |
金三角群英會
Mission of Justice
■
黄金の三角地帯を扱った作品は多くあり、製作当時に実際の麻薬王から圧力をかけられたとも噂される
「ポリス・ストーリー3」も三角地帯に踏み込んでいく内容であったし、大島由加利(シンシア・ラスター)が華々しい悪役デビューを飾った「天使行動」も正に三角地帯映画で、黄金の三角地帯を舞台に善悪役柄どちらも演じて出演した大島由加利は黄金の三角地帯女優と言いたくなる人、本作もタイトルで一目瞭然、三角地帯が舞台の作品である。
■流れ
いきなり李賽鳳(ムーン・リー)vsゲイリー・ダニエルズですか!
いや意外とあっさりゲイリーが倒れたのは残念。
「シティハンター」でもジャッキーと良いファイト見せてただけにね。
しかし彼の最新作は「エクスペンダブルズ」だ!
というわけで(なにが)、
陳樓が麻薬組織の他ボスとか何とか全部殺しました。
さらに別麻薬組織のボスである麥翠嫻が取引していたので警察の呉家麗(ン・ガーライ)さんが取り締まりに向かいましたが逃げられました。
これはいかんと警察が動きました。
李賽鳳と由加利さん行ってらっしゃい。
はぁ着いた着いた
すぐ温泉行く?
バスタオルどこだっけ?
露天風呂どこよ?
はぁ温泉行きたいなぁ・・・
いや日帰りじゃなくて泊まりで。
今月か来月は下呂温泉行こうっと。
いやいやいや。
早速、温泉・・・じゃなくてミッション開始する二人。
っていうか、あれですよ。
追ってる犯人3人、麥翠嫻がまずそのホテルのラウンジに来てて、陳樓・黄光亮が隣の部屋にいるって簡単な感じどうよ?捜索必要無しかよ。
早速、麥翠嫻を尾行するが逃げられた感じの上に、李賽鳳はグッドバトルを展開するも捕まってしまう。
李賽鳳とはぐれてホテルに帰って来た由加利さんは、 露天風呂どこよ?
って1人で温泉に・・・じゃなくて隣の部屋の陳樓・黄光亮にターゲット変更。
良い感じで盗聴して上司の呉家麗にFax送ってたが、盗聴返しされてしまって陳樓・黄光亮にバレちゃって逃走。
同時に何とか身分をごまかしてた李賽鳳もやばい感じで逃げたって、何か逃げてばっかりやなこれ。敵も味方も。
とはいってもここまでテンポよく進んでなかなか楽しかったのだが、
正直下らないドラマが悪役側メインで進んでしまい、
レビュー的にも書く気が無くなり、
なんかラストバトル含めてイマイチ盛り上がらないまま終ってしまいました・・・
終劇
■
前半だけやなぁ、面白かったのは。
いや、テンポも良く緊張と緩和のバランスも特に前半は良い感じ。
観光客のフリした李賽鳳と大島由加利共に可愛らしく、またいざ仕事となれば功夫炸裂で気持ちが良い。前半は李賽鳳の扇子アクションが特に良かった。
ところが後半になって寝返りや身分バレ、裏切りが重なってくるとせっかく良かったテンポが狂ってくる。なんかむしろ、悪役の人物模様描写に力を入れてどうすんの?って感じで李賽鳳&ラスターがお座なりな感じなのはダメでしょ。
なんか前半と後半で目指すものが変わったか、前半は王羽(ジミー・ウォング)作品のように純然な勧善懲悪娯楽映画で迷いが無いのに、そのままの勢いで後半撮る前に迷いが出た、って感じですね。迷わずそのまま突っ走ればよかったのに。悪役同志でごちゃごちゃしようがどうせ負けるんだからさ。
うーん、結構期待してたんだけど・・・
|
■CAST&STAFF |
監督・脚本 |
王振仰 |
出演 |
李賽鳳(ムーン・リー) |
大島由加利(シンシア・ラスター) |
呉家麗(ン・ガーライ) |
黄光亮 |
麥翠嫻 |
陳樓 |
馬安 |
ゲイリー・ダニエルズ |
マーク・ホートン |
李浩群 |
蘇菲亞 |
楚爵年 |
豐川艷 |
志葉真 |
拉娜灣 |
愛淋歡 |
姚文基 |
動作指導 |
元寶 |
音楽 |
ケ少林 |
製作 |
蕭景佳 |
制作年度 |
1992 |
K星風雲
The Story of the Gun
■
上記パッケージの劉家輝(リュー・チャーフィ)は恐らく
「続少林寺三十六房」の画像で、確かに本作に彼は出演していますが
なかなかダンディじゃないすか
長髪にヒゲという全然違う格好です。
大島由加利(シンシア・ラスター)さんの一つの転機と思われる作品であり、
また調べていくうちに面白い事実にも出会った作品である。
いやさてさて
劉家輝、大島由加利、鄭浩南(マーク・チェン)、蘇菲亞(ソフィ・クロフォード)。
1992年当時でこの名前を並べられたらわからない。
何がって、誰が悪役善役?
・・・結局、製作者もわからなかったようで作風に思いっきり迷いが出ている。
■流れ
宝石強盗に使われた銃から武器密輸組織を洗いだし叩き潰すために劉家輝刑事が派遣される。早速捜査開始する劉家輝刑事の一方で、勝手に内紛が起きていたのは李文泰(リー・マンチン)ボス率いる当該の武器密輸組織。
情婦役ですか!?
李文泰の情婦(?)である大島由加利は李文泰に拾われ用心棒をしていた鄭浩南と浮気のフォーリンラブ、
長いことイチャイチャしてばれました
それが李文泰にばれていたのだった。
劉家輝刑事の方はなんか捜査してんのかと思ったらひょんなことから知り合った積木優とフォーリンラブ。こっちは息子一人、妻おらずなので手を出しても問題無しということでいくとこまでいってます。仕事しろっ
まぁ予想通りに鄭浩南は李文泰を殺害、大島由加利と共に組織を牛耳ることになるがヒヨっ子の悲しさ、羅烈(ロー・リエ)組織との取り引きは相手に裏切られた上に警察にも筒抜け。羅烈を倒して何とか逃げたものの色んなことがおじゃんに。
この腹いせなのかなんなのかここがようわからんかったが、鄭浩南は劉家輝刑事の息子そして追って来た積木優をも誘拐、劉家輝刑事は蘇菲亞(ソフィ・クロフォード)刑事と共に鄭浩南&大島由加利との決戦に挑むのであるが・・・
終劇
■
観りゃわかるが、鄭浩南&大島由加利は恋に仕事に悩む若者みたいな描き方をされており、かと言って「悪役だろ?」って言われれば悪役で、ウダウダグズグズした演出が実に煮え切らない。
劉家輝刑事と鄭浩南&大島由加利、どっちが主役やねんってのがとにかく不満で、期待していた 劉家輝vs大島由加利 も無く、ラスト劉家輝は銃で撃つだけ。キャラクターとしてはダンディーな劉家輝さん好きなんですけどね、劉家輝がアクションで素晴らしい活躍をする映画とは言えないし、ラブラブしている鄭浩南&大島由加利はラブラブしているので、大島由加利さんもそないにアクション活躍するわけでもない。ま、ただ大島由加利さんが恋愛劇を真面目に演じて(そりゃ相手鄭浩南ですから)抱き合って長いことチュウチュウするシーンなんて滅多に見られないでしょうから貴重は貴重なんですけど。
最後までラブラブしてます
見せ場を作る人間がいないよぉ!
なんか「金三角群英會」と同じとこに行き着くんですけど、勧善懲悪難しいこと無しの単純娯楽映画にしとけば良いのに。
この本作撮影当時は恐らく鄭浩南&大島由加利カップルが実生活でも一番燃え上がっていた時期ではないかと思われ、結果として彼女はここで運命を左右する岐路に立っていた、と考えると感慨深いものもある=本作が面白いではないが。
ただもう一つ面白いポイントがある作品で、劇中劉家輝と結ばれる積木優
さんは日本人なのだ・・・だけでなくて。
可愛らしい人だなと思ってました。
清純な役だったので
いや、いくとこまでいってますが
いや、まずびっくりしたのはラストバトルは劉家輝でもソフィ・クロフォードでもなくてですね、
大島由加利 vs 積木優 なんです。
つまり日本女性対決。
そこに至るまでずーっとアクション出来る素振りを見せずに可愛い感じで、ラストでいきなり動き出したからびっくりしました・・・だけでなくてですね!
検索すればすぐわかりますが積木優さんは現在香港在住イラストレーターとして活躍されてまして、ブログもやってらっしゃいます。今も変わらずお綺麗なのが凄いス。ご自身も劉家輝の彼女役をやって云々って書いてらっしゃいます。いやぁこんな所にこのような素敵な方もいらっしゃるもんですね。
羅烈さんはレビュー作何本目・・・もう知らん!今数えたってまた増える!
|
■CAST&STAFF |
監督・脚本 |
ケ鵬騰 |
出演 |
劉家輝(リュー・チャーフィ) |
大島由加利(シンシア・ラスター) |
鄭浩南(マーク・チェン) |
積木優 |
羅烈(ロー・リエ) |
蘇菲亞(ソフィ・クロフォード) |
田青 |
李文泰(リー・マンチン) |
黄雄 |
肥財 |
張標 |
洪新南 |
朱威廉 |
王友浩 |
林華勳 |
動作指導 |
薛春偉 |
音楽 |
曾廣華 |
策劃 |
王太慶 |
製作 |
王太慶 |
羅雲城 |
製作総指揮 |
邱伯仁 |
林摎Y |
制作年度 |
1992 |
猫變
Devil Cat
■
もう上記画像見るだけでわかりますね。
大島由加利(シンシア・ラスター)主演作の中でもかなりの珍作です。
いやいやいや観てみて思ったけどこれ実に勿体無いなぁ!
由加利さんをそんな使い方しますか!って作品なんだけど勿体無いなぁ!
■流れ
猫です。
単なる猫です。
そして時代はちょい昔の話です。
猫ですが何故か変身!!
猫女王・由加利様!!
もうながーいこと生きているらしい猫女王が人間化!!
なんで人間化したって?そんなん知りません。
んでもって、近くにいた狼も人間化!(犬に見えたけど)
猫女王・由加利様とバトルするが由加利様が一枚上手!
狼は500年以上猫女王を追い掛けており、結婚してくれよと。
結婚してその血と肉をくれよと・・・えっ、それは結婚じゃないです。
彼女ゲット!なんて言いますが血と肉ゲットするわけではありません。
それは殺戮です。お願いします。
なので、由加利様が功夫バトルの末に撃退しました。
時代が1990年代に来ました。
夜釣りして魚ゲットで帰ろうとしている方中信(アレックス・フォン)でしたが、
「いたいよ〜いたいよ〜」
と声が聞こえてきたので声のするところを探すと、
由加利様が泣いていました
足を怪我したらしいス・・・ってこういう萌えな演技を由加利さんがしてるのが物凄いものがあります。可愛いですけど物凄いものもあります。
なので、人の良い方中信はすぐさま水と救急箱を持って来ますが、その時には由加利様はいませんでした。そして、魚も取られてました。
多分、猫女王・由加利様がこっそり食べたと思われます。
それにしても
現代で人間化したらちゃんとカジュアルな服も着てるってどういうことよ?
誠に残念なことにここから物語がガラリと変わりました。
大陸から香港へやって来た沈威と嫁。
香港で一旗挙げようと祝杯しますが、悲劇の始まりでした。
すぐさま病気になった沈威は入院。
嫁は入院費を払う為に織機工場で夜遅くまで残業。
どうにか金を貯めたものの、強盗に獲られてしまいます。
絶望の嫁は通りがかった女に助けられ、職を紹介してくれたのですが水商売で、そこの店の支配人に気に入られた嫁はレイプされてしまいます。
夢も希望も無くなった嫁は沈威に遺書を残して入水自殺。
病院を抜け出して復讐に向かった沈威でしたが、逆に支配人の車に轢かれてしまって死んでしまいます・・・
いったい、この救いの無い悲劇と猫女王・由加利様がどうくっつくのかと。
どうくっつくのかと申しますと、支配人が沈威を轢き殺した場面を方中信の彼女がたまたま目撃していて、支配人は黒社会のボスでもあり、すぐさま目撃者の彼女、そして方中信に襲い掛かってきたので、なんかこっそりと方中信の彼女の部屋に侵入していた
猫の時のお姿
猫女王・由加利様が助けるという・・・
まどろっこしすぎるわ!!
それとこれをくっつける為だけに、
沈威と嫁の悲しくてつまらなくて陰惨なドラマ見せられてたんかい!
シンプルに助けてくれた方中信に恋するだけでOKなんちゃうんかい!
みゃおみゃお
みゃおみゃお・・・
みゃおみゃお♪
みゃおみゃお。
みゃおみゃお。
みゃおらく・・・じゃなくて脈絡がありません。
とにかく、由加利様は空も飛べるし功夫抜群で、みゃおみゃお鳴けば仲間の猫もバンバン呼べます。
だから黒社会とかいっても、由加利様には適いません。
いつの間にか支配人は先に由加利様を狙ってた狼によって憑依。
最後は支配人の体を通して由加利様とのラストバトルが始まるのでありますが、
みゃおみゃおーっ
ザコを蹴散らして、
みゃおみゃお
方中信の彼女も助けて、
みゃおみゃお
みゃおみゃおっ
みゃおみゃお
みゃおみゃお
終劇
■
ほんでさぁ、方中信とその彼女が由加利様のこと全然スルーなのはどういうことよ!?
あのね、一目瞭然由加利様はこっそり方中信に恋して助けてるんだけど冒頭で会ってるし、方中信の彼女も画像見ればわかるけど助けてくれてる由加利様をハッキリ眼で確認してるわけよ。それやのに、その辺の触れ合いドラマは全くなし!二人とも由加利様のことは話題にも上げずにそんなことは何も無かったとばかりにそのまま劇終ってそれじゃあ由加利様が全く救われないというかなんちゅうか、もう少しその辺のドラマをちゃんと作って欲しかったよなぁ、由加利様と方中信をくっつける為だけにわざわざあのつまんないドラマを作るぐらいだったらそっちを練って作って欲しかったよ。
んで誰向け?
ってのも全然整理されてはいない。
猫が変身して可愛い女の子になって、っていう人魚伝説改変みたいなお話は山ほどこの世に出ているけれど、まぁそのちゃちいSFじみた演出も合間ってだいたい子供向けに作ると思うのよ、こういう映画って。メルヘンチックなお話なんだからさ。
だけどいざ本編を除いてみるとやたら女を襲うレイプシーンが多くて陰惨さも目に付くし、とても子供が見て喜ぶようなそして親が見せたいようなシーンじゃないわけ。じゃ、大人向きかって言うとちゃちいSFシーンやメルヘンチックな物語はどう考えても大人向きじゃないし・・・
あっ!?そうか俺向きの映画か!?喜んでるの俺か!?
というわけで、まぁ確かにあの大島由加利さんが萌え萌えな役柄というのは非常に貴重感があって、にゃおにゃおと可愛くよくやってくれたものだと、そして劇中無敵の爽快感アクションってことでその辺は結構良いんですよ。
だから勿体無いってのはそういうことで、
余計な陰惨ドラマを挿入させなくても、その辺の可愛い演技と方中信とのささやかな触れ合いから、方中信の彼女との可愛い三角関係バトルや、間にむさ苦しい男どものケツを蹴っ飛ばして、ベタベタな演出でバンバンやっちゃってスカッと90分終ってくれりゃそれだけで十分面白かったのにな。功夫映画でなかなかそんな萌え映画はありませんから。
前も言ったと思うけど、名作アニメと無理やりくっつけたら全部面白いような。
「燃えよ!うる星やつら」とか
「不思議の島のカンフー・フローネ」とか
「アルプスのカンフー少女・ハイジ」とか
「カンフーかぼちゃワイン」とか。
「きまぐれオレンジドラゴンロードへの道」とか。
「男はつらいよ」でそれやるとつまりは「刑事物語」になっちゃうか。
あの〜
ほとんどの製作者たちが大島由加利さんの出演作を見ればわかる通りに
・悪い組織を潰す役か、潰される役
この2パターンしか彼女に役柄を与えられなかったことを考えると、彼女にこういった萌えな役を演じさせた意気込みは買いたいと思うんですね。
|
■CAST&STAFF |
監督 |
周祥 |
出演 |
大島由加利(シンシア・ラスター) |
方中信(アレックス・フォン) |
沈威 |
阮沛〔王宜〕 |
朱麗音 |
林語桑 |
田明 |
高美鳳 |
K龍 |
何維雄 |
高明 |
黄〔女亭〕 |
劍龍 |
巌仲 |
傳偉祈 |
許立坤 |
脚本 |
巌仲 |
製作 |
張永傑 |
製作総指揮 |
戴新台 |
制作年度 |
1991 |
決鬥老虎莊/九紋龍
Duel at Tiger Village
Iron Monkey Strikes Back
■
陳觀泰(チェン・カンタイ)である。
彼を見ると「ドラゴン大全科」を思い出す。
これは芳賀書店のシネアルバム「ドラゴン大全集」のことではなく、秋田書店から出ていた大全科シリーズのことで、今では入手はどうも難しい。
ケイブンシャの大百科シリーズと同じサイズの文庫本って言ったらいいのかな?小さいサイズの本で。
この大百科シリーズは調べてみると面白いもので、
「ジャッキー・チェン大百科」
「ジャッキーチェン2大百科」
「ジャッキー・チェン3大百科」
「ジャッキー・チェンずっこけクンフー大百科」
「ジャッキー・チェンスーパーアクション大百科」
「ブルース・リー大百科」
「クンフースター大百科」
「ユン・ピョウ大百科」
ちなみに伝説のジャッキーVS竹中直人はここから生まれている(「ジャッキー・チェンずっこけクンフー大百科」だったかなぁ?)。
当時子供達のアイドルであったジャッキーがこのシリーズで書籍化されたのは当然の成り行きであったが、この「ドラゴン大全科」は今思い返すととても小学生向きとは思えない大人が知りたい情報満載の書籍で、何しろ特集を組んでいるのが陳惠敏(チャーリー・チャン)やショー・ブラザーズ作品の紹介、譚道良(レオン・タン)、傅聲(アレクサンダー・フー・シェン)、そして陳觀泰等など日本未公開作品と知られざる功夫スターの紹介ばかり。本当にこんな情報を小学生が欲していたのか?と今読むと信じられない驚きがある。
「お父さん、ドラクエ買って〜」
なら親も買ってやれるが、
「お父さん、"ファイターの挑戦"買って〜」
と言われたところで親はどうしようもない(ファイターの挑戦=「ワンス・アポン・ア・タイム英雄少林拳」のこと。日本では2006年にやっとDVD発売)
そもそもビデオデッキ普及もまだまだこれから・・・の時代であったのだが。
そんな小学生には遠く手が届かない作品をたくさん紹介していた書籍だったのだ。その中でも陳觀泰という功夫スターの紹介は私にとってとても印象深かったのだ。
実際に陳觀泰出演作を初めて観たのは「上海13」であったが立ち回りはほとんど披露してくれてなくて地団駄踏み踏み、「鐵拳」が初めて観た彼の主演作だが、その時には既に私はHPを始めており、「ドラゴン大全科」を読んだあの頃から既に10年以上の時が経っていたのだった。
書いてて改めて気づかされるというか話反れるけど、HPを始めた初期は陳觀泰出演作さえロクに観たことがなかったんだよなぁ・・・
本作もそんな彼の主演作の一つで独立プロの作品である。
英題では「Iron Monkey Strikes Back」となっているが、彼の代表作の一つである「鐵馬〔馬留〕(Iron Monkey)」とは何の関連性も無い。
■流れ
外出していた史仲田皇帝が野盗に襲われる。
何とかその辺を打ち倒したが、その辺からおかしなことが起こる。
屋敷で妻と楽しんでいた史仲田皇帝であったが、胸の刺青を見て妻は彼が自分の夫でないことを見破る、が殺される。
何者かが(史仲田だが)皇帝に成り済ましており、偽皇帝は妻殺しの容疑から逃れるために、陳星(チン・セイ)将軍に捜査を指示。陳星→張方霞→陳觀泰と命令が下りて来て陳觀泰が捜査することに。手がかりは小刀だけであったが、陳觀泰はすぐにも持ち主を割り出して出頭させる。
まだ重要参考人に過ぎなかった出頭者であったが、陳星はこれを拷問にかけて牢屋に入れると差し入れを入れに来た女に出頭者を殺させる。
真犯人が彼であるはずがないと疑念を持った陳觀泰は引き続き捜査を続行、乞食党党首の嘉凌(ジュディ・リー)もこれに参戦して二人で・・・いやしかしこの二人は仲が悪くてイチャイチャとケンカするほど仲が良いって、
結局イチャイチャしてます
いや全くもう仲が良かったらケンカしないだろうと思いますが。
当然、敵からの妨害も多くてその度に功夫アクションが多い本作ですが、何せ敵が正体を吐く前に自害することが多くて捜査が進まず。
やっとのことで犯罪組織"老虎莊"の存在を知り、イチャイチャと陳觀泰&嘉凌で潜入。
"老虎莊"へようこそ!
こうなってくると一気に「少林寺への道」っぽくなるのだが、
数々の罠を抜けて本拠地に辿り着く陳觀泰&嘉凌。
現れたのは偽皇帝と本物皇帝(どっちも史仲田)。
ああ、"老虎莊"のボスが皇帝にそっくりだったので成り代わって・・・という感じかと思ったがどうも様子が違うようで、
ラストバトルは
陳觀泰vs陳星!
ありそうでなかった?あったっけ?
終劇
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あのう、やっぱディテールに凝るということが映画をより面白くするなぁって感想で、特に人物設定に関するディテールなんですが、本作は真の敵が最後まで誰かわからないというサスペンスでありながら、老虎荘というアトラクションに潜入する冒険潭でもあり、話には未整理さが目立つものの中々の力作であると。
それプラスで、本作をより面白くしている要因として登場人物の演出ディテールが凝っているというところだなぁと。
とは言っても陳觀泰&嘉凌の二人のことなんですけどね。お互い始めから意識し合ってるんだけど恥ずかしくてケンカしてるみたいな。その辺の細かい芝居が随所に見られる映画は星の数程ありますが、アクション演出でいっぱいいっぱいの功夫映画では余り見受けられません。なので当時の功夫映画でこういった演出が施してある作品って貴重なんですよ。大抵は犯人探しの部分とアクション演出だけで様相が終わってしまうところをよく監督は頑張って細かいところまでお芝居させたなと思いました。
またアクション面でもラストバトルが中々のもんでギリギリと力をぶつけて戦い合うvs陳星戦は迫力ありますよ。
今回ツンデレタイプな嘉凌さんも可愛らしいです。
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■CAST&STAFF |
監督 |
鮑學禮 |
出演 |
陳觀泰(チェン・カンタイ) |
嘉凌(ジュディ・リー) |
陳星(チン・セイ) |
史仲田 |
田野(ティエン・イェー) |
殷忠誠 |
喬琳 |
翁中芹 |
〔革丘〕東美 |
張方霞 |
李敏郎 |
歐陽莎菲 |
嚴重 |
蘆葦 |
陳木川 |
阿吉 |
偉仔 |
歐利寶 |
李發源 |
岑潛波 |
武術指導 |
陳木川 |
阿吉 |
脚本 |
〔革丘〕蜀美 |
嚴仲華 |
音楽 |
周福良 |
策劃 |
劉國柱 |
王瑜 |
製作 |
周大賚 |
製作総指揮 |
張從龍 |
制作年度 |
1978 |
三頭魔王
Three Head Monster
三頭魔王
■
もうね。
気がついたらこのHPの何たるかの基本に立ち返らせてくれる作品でした。
何がってつまりそもそも香港映画に適当にツッコミ入れてレビューとも言えない文章書き殴ってたのがこのHPの正体で・・・ただ今はそれなりに真面目に書いてたり色気を出したりもしているのですが、基本はツッコミ書いてるだけって感じで、つーかなぁ!!
この作品はツッコミ入れるだけで十分だ!!
むしろあれだろ?
まさかそうだろ?
勿論、この作品は最初から笑える作品を狙って作ったんだよな?
天然じゃないよな?真面目に作ってないよな?マジじゃないよな?
19歳か!
実は日本でビデオ化されながらも一般的に知られてないが(この内容じゃそりゃそうだろ)楊麗青(シンシア・カーン)様がD&Bと契約してアクションスターとなる直前、何と19歳時の出演作まさにお宝的作品なのだ。本人的には黒歴史以外の何物でもないかもしれんが。
いやそれにしても19歳ですか。そしてD&Bでの「香港・東京特捜刑事」でもまだ20歳ですよ。凄いですねぇ・・・色々と。
そんな初々しい19歳のシンシアが挑んだ
アクションアドベンチャー大作である!!??
■きちがいじみた流れ
森の中。
少年・陳英傑は病弱な母ちゃんの為に、ニンジンを探しておりました。
日本で言うなら朝鮮人参ね。霊芝ってやつね。
うそつけっ!!
だから、
ニンジンくん
歩くニンジンが現れました。
歩くどころか広東語話してます。彼を食べると不老長寿!
しかし、すばしっこくて捕まえられません。
ちなみに奈良には"せんとくん"なんて実に気持ち悪いキャラがいますけどね。
結局、インパクトが大事というか可愛いor気持ち悪い実はどっちでもよくて"せんとくん"問題は結果として奈良県に抜群の観光効果をもたらしているんですよね。もう奈良行ったらせんとくんだらけですよ。お土産もせんとくんだらけ。やっぱインパクト残したら勝ちなんですね。
そりゃともかくこの気持ちの悪いニンジンくんを捕まえようと追っかける陳英傑でしたが、その途中に毒蛇に咬まれて失神。このままじゃ命が危ないということで、
・・・・。
こんな奴が登場して助けてくれました。
・・・もういきなり冒頭の数分でこの映画はいったいどこに行くのか?
と、そういう気持ちになりましたね。
お前が危険だよ!
気持ち悪すぎるニンジン王。
危険なのはあんたのルックスだろが!
お昼です。
お美しいです。
森を散歩してたシンシアさん。ですが、
お前だろ!!
シンシア 「うぎゃーーっ!?」
ってなって、そのルックスの余りの気持ち悪さに
逃げ出して転んで足を負傷したシンシアさん。
やっぱりお前が危険だろ!!
お前のせいだよ!
化け物だろっ!
かわいくねーよ!
・・・・・。
へこんでんじゃねーよ!!
しかし実は、
シンシア様はこのニンジン王をゲットしに来た悪いプリンセス。
ニンジン王はシンシア姫の手下から逃げる時にヒゲ(根っこ。つまりニンジンですね)をむしられて、そのヒゲがある墓に落ちたら
ドイツかよ!
墓の中にいたナチス軍人がゾンビ蘇生!!なぜにドイツ!?
そして母ちゃんにニンジン煎じて飲ませてた陳英傑と母ちゃんを襲う!
お色気かよ!
母ちゃんというとオバちゃん想像になりますが、
陳英傑くんのお母さんは美人お姉さんです。
そうやなぁ陳英傑くんのお母さんなら20代の美人お姉さんでも全然不思議はないわけで。そうなんだよなぁ、俺も歳取ったなぁ・・・
その美人お母さんが犠牲になってる内に坊さん呼んできた陳英傑。
違う違う(笑
それは寺のマーク卍です(笑
ナチスマークのハーケンクロイツは左右逆。
坊さんは何の役にも立ちませんでしたが卍マークが一時回避に役立ちました。
役立ちましたが、さっき犠牲になった(仮死状態)母さんをどうにかしないと。
ってことで、裏からニンジン大王がヒゲをむしって薬煎じる鍋に入れてくれましたが、それをナチスゾンビが飲んでしまってさらにパワーアップ!
最後の手段でニンジン大王が地雷地帯(ここはどこなんだよ!)にゾンビを誘って爆死させ!
ってなところで、
ラムちゃんコス♪
ラムちゃんコスプレ?で登場したシンシアさんによってニンジン大王連行。
ニンジンのヒゲで母さんを助けたい。
そしてニンジン大王も助けたい。
そんな思いで、
歩くニンジンにニンジン大王の居場所を聞いたら
教えろよ!
お前のご先祖様だろ!協力しろよと。
いよいよ陳英傑は土地の神様と一緒に旅に!
道しるべは耳巨人と目巨人がしてくれるのですが、
こいつらはM1グランプリと映画撮影を間違えてる!
まずはそのデカい耳と目を使って、
ニンジン大王がどこに幽閉されてるか捜索!
どこ探してんだよ!
だからどこを!
絶妙な漫才の後にやっとニンジン大王の居場所を見つけたと思ったら、
!?・・・・。
66660マイル!?
66660マイル = 107278.871 キロメートル by Google
地球2週しても行けない距離かよ!行けるかよ!遠すぎるだろ!
そして彼らは陳英傑に通信機をくれるのですが、
ぬあっ!!
千里!?
千里 = 3927.27273 キロメートル by Google
無茶言うな!!
千里じゃ全然届かねーだろ!
バカにしてんのかお前ら!!
ほんで、余りにも遠すぎるということで足巨人が送ってくれるのですが、
もうのっそのっそ遅いのなんの。
うそつけ!
一歩が何キロになってんだよ!?
そんなデカい奴なら、ニンジン大王幽閉した三頭魔王ぐらい倒せないか?
・・・着いちゃうんだよな。
66660マイルを3時間で。
でもシンシアたんにすぐ捕まります。
これが三頭魔王
全然デカくありません。人間と同じ身長です。
なので先の足巨人が踏めばすぐ死ぬのに・・・
ですが実は
どこの王女よ
シンシアたんに助けられました。
実はシンシアは母である女王(どこの?)を三頭魔王によって捕らえられており、仕方なく今まで命令に従っていたのでした。
しかしそれを信じない少年・陳英傑が掴みかかってきたので、
そりゃ信じませんよ
ドカッ!と少年を殴り飛ばしたシンシアたん
あんたがやった!
あんたが殴ったんだろうが!
さぁここからクライマックスはシンシアさんの見せ場です。
ガキ演技しろ
ガキ演技しろって
演技力というか演技しようともしてないような陳英傑の隣で、三頭魔王の手下を相手にバトルしまくるシンシアさんがよかです。功夫的シーンは無いかな?と思っていましたがここでしっかりありました。勿論、コスプレ衣装から考えてパンチラパンモロアクション炸裂ですが、情けないのでアップロードはやめておこう。
なんとか母女王を助け出して、三頭魔王倒すための剣もゲットするのですがすでにニンジン大王は三頭魔王に食べられおり(笑
母女王もあっけなく三頭魔王に殺られて
引き継いで戦ったシンシアたんの健闘虚しく敗れてしまいます。
なんてったってニンジン大王食べてますからパワーが半端でないわけで。
なのでもう倒すのは絶望的・・・かと思いきや・・・
終劇
■
また、なんちゅう終り方すんねん(笑
はぁ・・・
遠く66660マイル離れた美人母ちゃんは助られただろうか?
知らんがな。
もうこれ、日本語字幕つけた人もゲラゲラ笑いながらつけたでしょ。
なかなかの作品だ!
ええーっ!
と皆さん思われるだろうが、要は映画ってスクリーンの中でなにやってようがそれが面白いかそうでないかだけだからさぁ、こんだけ笑わせてくれたってことは気持ち悪かろうと無茶苦茶なストーリーであろうと問題無いのよね。
シュールとクレージーは紙一重で、本作はシュールとは無縁というか恐らく製作者達は全くそんなこと意識してないだろうが、これを観てシュールと感じるか
「時計じかけのオレンジ」観て何を感じるかなんて個人の問題でしかないのよ。
本作はもうツッコミどころ満載、いやわかりますよ
「ネバーエンディングストーリー」香港版ってことは・・・どこがやねん!
出てくるクリーチャー全て気持ち悪いし、もし紅一点まさに紅一点のシンシア様がいなかったらもう気持ち悪いオンリー映画ですよ。やる気あるんだか無いんだかの陳英傑も困ったもんだし。メインストーリーがもうニンジン、それが全てって話も凄いしなぁ、しかもどうしてナチスの取り合わせ。一つ一つツッコミ入れてたらキリが無い作品というのはボケ部分が笑えればOKというか、まとめられんなぁ。
翻ってシンシアさんのお宝的作品としては明らかに価値ある作品である。
言わずもがな、19歳のシンシア様が姫様コスにラムちゃんコスでお色気もアクションもしっかりあって、ただ画質が悪いビデオなのでデジタルリマスター出たら(出るわきゃないか。出たとしても画質の改善はないわな。)シンシア様だけの為に買ってもいい程ファンにとっては必携作品だろう。
いやでも改めて香港映画恐るべし!というか、ほんまにもう・・・
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■CAST&STAFF |
監督 |
王菊金 |
出演 |
陳英傑 |
楊麗青(シンシア・カーン) |
梵m |
王少君 |
紀明宇 |
李志銘 |
ョ騰祥 |
劍勳 |
林坤芳 |
潘志成 |
李世果 |
武術指導 |
王少君 |
脚本 |
朱〔木愈〕林 |
郭峻明 |
音楽 |
席裕龍 |
製作 |
劉勝忠 |
製作総指揮 |
陳貴堅 |
周安雄 |
制作年度 |
1988 |
醉拳女刀手
No one Can Touch Her
■
これを引く
あれを足す
少なくとも香港アクション映画はそうやって成長してきた。
勿論、それにはパイオニアと呼ばれる存在が必要だが、「ワンス・アポン・ア・タイム英雄少林拳」にコメディを加味して「ドランク・モンキー・酔拳」が生まれ、「ツイ・ハーク ミッション・ポッシブル M:P-1」や「獵魔者」等に足し引きして「悪漢探偵」「ポリス・ストーリー/香港国際警察」等に代表される以降の香港アクション映画は作られていった。
こういった動きはもっとミニマムなところにゴマンとあり、キョンシーとニカウさんをくっつけた「ブッシュマン キョンシーアフリカへ行く」なんかはあからさまに顕著、本作で言うならばアクションでそして酔拳の表現者としてジャッキーには到底敵わない、引かれるからこそ、拳士でありながら同時に女であるという悲劇的で叙情的な描写を加えた、というところが無いものを他の要素で補っている本作の特徴である。
安易と言えば安易だが、若者と老人とあばら家だけで一儲け出来るんじゃないかと考えただけの作品も実に多い中で、無い要素の代わりに他の要素を付け足して補ってある本作のような作品は少ないものである。
■流れ
嘉凌(ジュディ・リー)は酔拳に猫の動きも取り入れた酔猫拳の達人であるが、同時に単なる酒好きのホームレス。
今日も金持ちから相棒の少年と共に酒樽掻っ払って飲んでいた。
今町はそんなお酒泥棒のことなどどうでもよく、盗賊集団の荒江十四妖が現れる情報を掴んだが為に盗賊返り討ちの準備で大忙し。お上に頼んで王宇隊長に来てもらったが完全なるコメディリリーフの彼は弱い上にドジばかり。実際に荒江十四妖は既に町に潜んでいるというのに。
町の実力者である王さんも襲撃に備えて屈強な若者募集。
やって来たのは楊倫という男で、彼の登場にジュディは目を細める。
かつて、名家の娘であったジュディ。
お婿さん候補としての試験をパスした唯一の男がこの楊倫だったのだ。
しかし、ジュディ家は荒江十四妖に襲われて壊滅、自身も両目を負傷し、全てを失ったジュディはホームレス。
しかし、酒に溺れているわけではなく、目の治療に良いらしい?
かつてのお婿さんを遠目に見守るが、楊倫はいつの間にやら王家の娘孫嘉琳(スン・チャーリン)と恋仲に。
ダメだとわかっていても様子を伺ってしまうジュディだったが、二人の愛が確かなものであると悟ると涙を流してその場を立ち去ろ・・・うとしたら孫嘉琳に呼び止められた。
全ては楊倫を前に真実を話そうとせずに身を引こうとするジュディに気づいてもらうための芝居だったのだ。
楊倫と結ばれてメデタシかと思いきや、涙を流すことで目の傷が完治したジュディは幸せよりも復讐を選ぶ。
バカな王宇隊長を利用して銃までを襲撃に備えて忍ばせた荒江十四妖相手に敢然と立ち向かうジュディであったが、ここには恐るべしどんでん返しが待ち構えていた。
終劇
■
やはりは「醉八仙拳」レビューでも述べたようにアクション面では酔拳の表現に非常に苦労しており、個人的には大した功夫アクションだとは思えない出来であった。酔拳+猫爪くずしというパクリパクリなアクションもあまりにも安易というか、まぁそれで良い功夫シーンになっていればまだしもジャッキーみたいに上手く表現し切れていないと思ったのが正直なところ。
ただ、主演のジュディは流石に本作に至るまで数々の役柄(馬素貞、白蛇伝など)をこなしているだけあって、本作の難しい役柄を細やかにこなしている。感情の起伏の大小を上手く表現出来るスキルを備えたアクション役者という存在は非常に少ないと感じる中で頭一つ抜けた演技力を示したところが素晴らしい。
無数にある功夫映画、そしてそのレビューにて私は
"功夫アクションは素晴らしいけど総評としては・・・"
という感想を幾つも書いてきた。これからも書くだろう。
しかし、本作は非常に珍しく
"功夫アクションは凡庸だが、ドラマとして良い作品"
そういう逆の感想を残した稀有な存在の作品なのである。
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■CAST&STAFF |
監督 |
丁善璽(ティン・シャンシ) |
出演 |
嘉凌(ジュディ・リー) |
楊倫 |
孫嘉琳(スン・チャーリン) |
金剛(カム・コン) |
王宇 |
薛漢(シュエ・ハン) |
唐龍 |
余松照 |
乾コ門 |
謝金菊(ツェ・カムガク) |
朱少華 |
矮子王 |
陳金柱 |
馬金谷 |
張登文 |
歐立保 |
馬如風 |
黎小宏 |
鐵人 |
蔡中秋 |
武術指導 |
金剛(カム・コン) |
萬里鵬 |
蔡中秋 |
脚本 |
丁善璽(ティン・シャンシ) |
張永祥 |
音楽 |
黄茂山(ウォン・ムーサン) |
製作総指揮 |
江日昇 |
制作年度 |
1979 |
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