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■レディ・ドラゴン選16  


小雨絲絲
A Misty Love



まぁたぶんこれでレビュー900本目になるのかな?
いよいよ1000本まで後100本になりました。
1998年に始めて今や時は世紀末を遥かに超えた2011年。
今年なんか思うけど原発が三機もメルトダウンしたし、世界各国で震災人災色んなことが起きてるし、何が起きても不思議ありませんね。
だからこうやって更新して仕事して・・・ってサイクルもいつ何時何が起こるかわかりません。せめて1000本行くまでは何事も無く進んでくれるといいんですけどねぇ。身辺安全を願うのが正直な気持ちです。

さて今回はいやまた龍君兒(ロン・ジェンエール)さんなのですが、
龍君兒さんにとっては大変珍しい剣劇や功夫ではなくメロドラマに挑戦した現代劇であります。この人は全盛期は全部が全部アクション映画ですからその中でこれは珍しい。
そもそも個人的には龍君兒さんがカジュアルな服を着てるとこさえ見た事がありません。
まぁもうその辺だけで楽しみな作品だったりして・・・
と思ったら監督は歐陽俊・・・
いやこの人ってば「ドラゴン少林拳」とか「少林寺マスター」とか「幽幻道士4」とか撮ってる人でしょー?
どのジャンルが得意か知らんが大丈夫かいな。






秦漢は工場働きでバイク乗りで貧乏で、親父は大金持ちの屋敷の用務員。
今日はそのお屋敷のお嬢様がどっかから帰って来るということで、幼馴染でもある秦漢は楽しみにして空港に迎えに行ったのだが、残念ながらお嬢様はフィアンセを連れて帰ってきました(涙
ウジウジばっかりの秦漢
幼馴染が既に他所で幸せ見つけてたので、すっかり腐る秦漢。
ちなみにお嬢様は
なんか今回はなぁ・・・
蛇猫鶴混形拳」で華麗な功夫アクションとボーイッシュな可愛さで魅了した恬[女丑](ティアン・ニウ)さん。「蛇猫鶴混形拳」とは相当イメージが違いますが恐らくこっちが十八番・・・だけど何だか目立ってないなぁ・・・

徹底的に腐ってく秦漢は乗馬デートしてるお嬢様たちをバイクで脅かしたり、凱旋パーティを台無しにしたりと腐り暴れ。あげく、
「俺たち貧乏人はなぜこんな目に!」
となんか個人的な恋愛の恨みと貧富差社会の問題をごっちゃにしやがってそれは違うやろと思ったりもうどうしようもない奴。これ、主人公がどうしようもないんだよ。

バイクのガソリン切れた。
だからガソリンスタンドに行きましたら
初のカジュアルな龍君兒さん
そこで店員してた龍君兒と出逢いまして、お嬢様に全く相手にしてもらえない秦漢は、まぁこの時は客と店員の関係でしたが色々あって彼女をナンパ。

ジーパンは珍しいなぁ
早速ディスコ行って飲んで色々あってずぶ濡れで部屋帰って着替えて
ら、らんじぇりー!?
唯一無二のシーンと思われる龍君兒さんの下着姿。
ほんであっと言う間に

二人は恋にそして濃厚な接吻を・・・もうなんか龍君兒さんの
「今回は功夫じゃなくて普通のドラマやれるぜ!」
ってそれやれてる嬉しさから来る気合を感じるなぁ・・・
さらにこの後、

濡れ場シーンに移行といつもとは違う意味で体張ってる龍君兒さん。
・・・なんかそれでも濃厚な接吻はしたがやっぱりお嬢様への想いを捨て切れない秦漢はそれ以上の一線は越えられなくて、

まぁ男としてこっちを頑張るかとバイクレースに参加。
見事に優勝して一躍有名人の仲間入りを果たすのだが、その祝勝会。
祝いに現れた龍君兒を
「汚いカッコしてくんな!」
と一喝。もう優勝しただけで早速セレブの仲間入り気分の秦漢。
いやそりゃせっかくセレブの仲間入りを果たした気分でいたのにそこに下々女が来たから怒ったって、わがまま過ぎでしょう。


ほんでもって、この恋の行方はどうなるのかって、三角関係にも全く何にもならんかったどころかお嬢様には相手にもされませんでした。
だから最初からフィアンセいたじゃん。

ちなみにお嬢様の名前が小雨で龍君兒が絲絲です。


終劇


劇中に流れる挿入歌やらサントラが全然物語と合ってないんだけど、歌詞はわからないのでなんとも言えんか。

いやね、主人公の腐り具合が半端なくて
男ならシャッキリせい!
って見ててイライラする。
てっきり三角関係の恋愛模様を描くのかと思ったらそうでなく、貧富差問題でもやるのかと思ったらそうでなく、じゃあ青春の暴走劇かと思ったらやはりそうでなく、一本筋の通ったメインテーマが無いのが痛い。
これでは感想も散漫になってしまうのも致し方無いことだろう。そもそもメインを観て面白いかそうでないかの判断にも行き着かない。


加えて龍君兒さん自身は相変わらず可愛いらしいし、ランジェリーにキスシーンに頑張ってるのは間違いないのだが、演技面に於いてアクション映画と特に大差無いのは残念か。
おきゃんな演技しか観たことなかった張曼玉(マギー・チャン)が

「欲望の翼」で見せた演技は衝撃的だった、ってのがあってそりゃあ幾ら何でもあれを本作の龍君兒さんに要求するのは酷で間違っているが、もう少し変化を付けて欲しかったな。監督がそんなこと要求してないか。

カジュアルなお姉ちゃんと言えば先日「ドラゴンへの道」レビューでやったばかりですが、あれと比べるとこっちはそんな華やかさは無いです。

■CAST&STAFF
監督 歐陽俊
出演 秦漢
恬[女丑](ティアン・ニウ)
龍君兒(ロン・ジェンエール)
劉尚謙
韓甦
葛香亭
盧碧雲
儀銘
雷鳴
菫徳齢
李敏郎
宋玲玉
李莉莉
劉依容
向新鹿
王玉環
劉永昌
紀光榮
脚本 董炎良
ケ育昆
張信義
音楽 駱明道(ロー・ミンタオ)
黄茂山(ウォン・ムーサン)
策劃 陳伯虎
製作 李寶堂
制作年度 1977


功仔七侠丐/攀月鬼手
Beggars Have No Equal



さて「小雨絲絲」から龍君兒(ロン・ジェンエール)さんに再び女ドラゴンに戻ってもらいましょう。
本作の何に惹かれたかってタイトルですね。
なんかかっこいいじゃん。

期待通りにオープニングも面白いんじゃねって感じなのだが果たしてさてはて。






何だかかんだかオープニングのこれ格好良いんですよね。

ま、

とにかく武林を牛耳りたい感じの陳星(チン・セイ)が・・・
なんかこの人は牛耳りたい支配したいってその役柄ばっかやな。
今回強いス
部下の張紀平とか使って邪魔者を次々と消し、相手が強敵ならば自ら出向いて片付ける、毒を盛るとか汚い方法も使いやがって。
いよいよこの世はワシのもんだって感じで町民に御触れを出すが、これに反抗していきましょうよと

戚冠軍(チー・クワンチュン)と龍君兒が立ち上がると。


さぁ倒せ!


・・・これで大体終わりだったら、この作品全然面白くないんすけどね。
実際この辺までは物語の整理が付いてなくて、つまんないす。

ところが、
鉄腕ルー!!
えーこの人は龍君兒も出演していた

ジャッキー「カンニング・モンキー/天中拳」で鉄腕ルーって強い悪役を演じてた江志平って人で、その時はジャッキーと対戦して龍君兒は絡まずに終ったのですが、本作ではバッチシ鉄腕ルーvs龍君兒ってのが実現してます!・・・ってそんなところに面白さを見つける俺ってほんまに。

頑張って恐怖の鉄腕ルーと戦う龍君兒だがやっぱり鉄腕ルーの方が強かったりなんかして。

結局、龍君兒と戚冠軍の腕はまだまだ未熟で二人とも不利に。
遂には戚冠軍は捕らえられ、絶体絶命の龍君兒は


ナースに転職! なんでやねん。
乞食だけど達人だった陸一龍に助けられ一晩明かした寝巻き姿がこれ。
白衣の天使な格好ですが。ピンクだから白衣じゃなくてピンク衣か。
可愛らしいナースコスが気に入った龍君兒さんは

そのままの格好で修行開始!

可愛らしいですね。
んで、ガッツリ功夫修行に打ち込む龍君兒さんを観るのもこれが初めてかも。

一方で牢屋に入った戚冠軍もそっちはそっちで上手いこと修行してたりします。
というかこれね、最初はバトルシーンでも戚冠軍の方が目立ってるんですが、後半は龍君兒さんに美味しいとこ持って行かれて主演は完全に龍君兒になってます。


秘技・功仔七侠丐を会得してガンガンに強くなった龍君兒たん。
だからこっからね、戚冠軍は未だに捕まったままで、

遂に鉄腕ルーも撃破!
ほんで陳星の手下総勢20人ぐらいかな?
強敵も含めて全部龍君兒たんが1人で倒します。大活躍大暴れ。


やっと牢屋から出てきた戚冠軍だが、ラストバトルのvs陳星も七割ぐらい龍君兒さんが担当しました・・・戚冠軍はスケジュール調整厳しかった?


後一歩のところまで陳星を追い詰めた龍君兒&戚冠軍でしたが、
乞食師匠・陸一龍が登場して意外な結末が・・・!?

・・・いやあの、そのどんでん返しみたいなの、いらないです。
スッキリ倒して終わりでよかったのに・・・・


終劇(なんか・・・最後なによ・・・)





それにしても陸一龍の乞食師匠が中々好演でロクな役柄を見た事がない陸一龍さんの珍しく美味しい役でした。
いやしかし、ラストのどんでんかんでんはいらなかったなぁ。

ああこの物語はこうなっていくんだとわかるまでの展開があまり面白くないので、その辺はハイライトにして龍君兒&戚冠軍の二人が如何にして敵を知り、自分の未熟さを知り、修行を行って強くなっていくのかを中心に描いて欲しかったかな。
危うく面白くなるまでに作品の評価を決めてしまうところだった。
修行を開始してからの展開は面白く、ガッツリ修行してる龍君兒さんの姿が健気で可愛らしい。まとめて強敵を相手にするクライマックスに向けての孤軍奮闘ファイトも相変わらずのガッツ十分でそこも評価したい。
主演のようで結局助演になってしまった戚冠軍はちと残念か。

龍君兒さんファンならオススメ、それ以外の人は微妙か。

■CAST&STAFF
監督 鍾福文
出演 龍君兒(ロン・ジェンエール)
戚冠軍(チー・クワンチュン)
陳星(チン・セイ)
陸一龍
曾超
張紀平
江志平
程敏芳
K鷹
梁楓
王凱
初本科
夏侯俊
史亭根
陳信一
荊國忠
歐立保
唐家拳
葉照旭
余松照
魏孔生
張鴻基
呂雲保
脚本 嚴仲
武術指導 李小明
音楽 傅立(フー・リ)
製作 程蘭榮
製作総指揮 田鳳仙
制作年度 1980


碧血洗銀槍
The Silver Spear



先に言うとまぁ評価してはいけない作品になってしまいました。大して物語を理解してもいないのに総評しちゃいけないわよね。
いや頑張ってるんじゃないの?って作品ではあります。





三人の男が雪山の中の宴席でくっちゃべってました。
その男達は
孟飛(メン・フェイ)
宗華
田鶴
彼らは腕試しなどしていたが酒に毒が入っており、三人とも死亡のゲスト出演でした。

何故かその様子をずっと観察してたというか、三人からガッツリ見えるところにいたので見学というかの田鵬(ティエン・パン)。
後から少林派の李允中・古錚やら易原やらすぐ駆けつけたが

その前にチラッと龍君兒(ロン・ジェンエール) さんの姿が。すぐ消えたが。
彼女が毒殺の犯人か。
ありゃ死んじゃったと李允中とかが検証してたら田鶴だけ生き返ってどこへなと。
それはそれとして旅を続ける田鵬。今度は雪山で遭難してた女発見。雪山いうてもセットですが。


隻眼であったがこれはメイクで

こっちが素顔だった汪萍(ワン・ピン)さん・・・
いやむしろ反対だろって思ったが。
気の強い女だったがすぐ仲良くなったけど、

田鵬を容疑者と睨んだ易原が立ちはだかったので戦っていたら、易原さん誰かに石投げられて死亡。軽い死に方やな〜

麗しき美女から会食の招待をもらい向かったらそれが田鶴の妻で三人で飯食うかとなったら突然その妻を田鶴が殺して、自身も毒で自害した。
またここに少林派の李允中・古錚やらがやって来て、さすがに容疑者扱いの田鵬。
おまけにまたも田鶴が生き返って、自分で殺したくせに
「俺の妻を誰が殺したー?!」
って三問芝居してまた毒死(笑)
なんかむしろそれが趣味かみたいな。

んで、田鵬は全然動揺しないんだよな。
立場はどんどん悪くなってるのに。なぜって彼が監督だから(笑
ってのは冗談としてもいよいよこっから真相に向けて、まだまだ出てくるゲスト出演。

秦沛(ポール・チュン) や

陳星(チン・セイ)や

田野(ティエン・イェー)・・・
いやしかし、主演で一番目にクレジットされてる龍君兒さんが全然出てこないのはどういうことですかー?!

龍君兒さん、クライマックスでやっと出てきて田野と戦ってなかなかのソードバトルでしたけどまた超あっさり死んだー(笑
いや何が(笑ってこれじゃ馬場さん扱いかよって思ったもので。意味不明の方はこれを読んでもらえると→馬場さん
しかしもってどこが主演じゃ!

龍君兒さんの存在感が実に薄かった作品ですが、その一因として

金剛(カム・コン)ドラキュラ!わははは!
インパクトありすぎ!
・・・って、えーっ!?
強かったのですが、超あっさり田鵬が倒した!


終劇





ま、だいたいは物語も理解出来ましたけどわからんとこも多いので濁して書きました。そしてちゃんと理解出来たらもっと面白いかなとも思います。

主演じゃないですよ
主演とは名ばかりの龍君兒さん的にはかなり残念な作品ですが、

他にも綺麗どころが結構登場する作品なので、女優陣は華やか。


アクションシーンは全体的にそんなに多くは無いのですが、中々に見応えのあるファンタジーチャンバラが良かったです。

・・・ま、後は田鵬ワンマン映画として十分彼を堪能出来るかと。
・・・それだけか。


セットながら美しいワンシーン

■CAST&STAFF
監督 田鵬(ティエン・パン)
出演 田鵬(ティエン・パン)
汪萍(ワン・ピン)
龍君兒(ロン・ジェンエール)
陳星(チン・セイ)
林伊娃
金波
秦夢
唐威
金剛(カム・コン)
孟飛(メン・フェイ)
田鶴
宗華
古錚
蔡弘
秦沛(ポール・チュン)
田野(ティエン・イェー)
李允中
易原
赤曼麗
史仲田
張宗貴
潘耀坤
朱客
武術指導 潘耀坤
張鵬
原作 古龍
音楽 周福良
策劃 范建功
製作 李清源
製作総指揮 呉武夫
制作年度 1979


蠍子
Sasori Scorpion
さそり



水野美紀は日本の女優として稀有な存在である。
デビュー当時から「チューして」のCMで大ブレイクを果たし、TVゲーム「ストリートファイターU」のCMでは春麗に扮して若い世代のゲーマーを魅了した。世間的に一番有名なのは「踊る大捜査線」への出演になるだろうが、

「恋人はスナイパー」「千里眼」等でバリバリアクションする彼女を見ている私からは物足りなく感じたものである。世間的にはこれがイチオシみたいだが。
本作はその「踊る大捜査線」から外れて事務所を独立してからの作品で、この辺が望んだのか、やむを得ずなのか本人しか知らないだろうが、まるでアクション女優の水野美紀を待っていた人の為かのようにバリバリアクション映画に出演しているのだからそれこそ希有である。
逆ならわかる。
アクションばかりやらされて嫌だから独立したってことならよくある話だ。しかしアクションやりたいから独立ってのは他に聞いたことが無い。第一線で活躍する女優さんならなおさらだ。その辺が稀有なのである。






簡単に言えば

新婚さん予定の水野美紀は
圧倒的な存在感
梁小龍(ブルース・リャン)らに脅迫されて、旦那の父と妹を殺害。
入所
セクハラ
いじめ
・・・いじめじゃなくて殺し合いか。

瀕死の状態で山に捨てられたところを

任達華(サイモン・ヤム)に拾われて

修行して

復讐開始

最後は水野美紀vs梁小龍という凄いマッチ。

彼の存在が作品を一つ高めているが、まぁこんだけか。


終劇





役者を使ってアートを表現するのか、
アートを駆使して役者の魅力を引き出すのか。
本作は前者であると感じた。

大変申し訳無いが本作から伝わって来るのは役者たちの気合い・・・だけである。こういった感想になることは珍しいが、役者の頑張りが非常に伝わって来る作品であるが、それ以外に面白いと思える要素は何一つ無い。
陳腐なストーリーに陳腐なキャラクター設定、水野美紀だというのに全くそそらないエロチックな演出と、全てに於いてどうしようもない。
どうしようもないが役者たちが頑張ってるのはよくわかる。
頑張ってるのに役者たちが活きてない。そんな作品。
少なくとも水野美紀に暗くてジメジメした役は似合わないとつくづく感じた作品だった。後半修行して強くなってからもスカッとしたカタルシスは得られない。
ただ主演を喰ってしまうほどの迫力を見せた夏目ナナと、圧倒的な存在感を示した梁小龍については大きく評価したい。

そもそも

これを水野美紀にやってもらいたかったなぁ。
まぁこっちの評価もイマイチらしいけど。

あの、頭打ちですよ。アクションシーンも。
ハッキリ言って。飽きた。
やはり甄子丹(ドニー・イェン)らによって示された新たな功夫映画の高い基準線。
少なくともその線に迫るほどの功夫シーンを誰であろうとも構築しない限りはそれはもう20年前からやってるワイヤー功夫アクションの繰り返しに過ぎない。

■CAST&STAFF
監督 馬偉豪(ジョー・マ)
出演 水野美紀
黄伊〔三文〕(エム・ウォン)
李燦森(サム・リー)
梁小龍(ブルース・リャン)
郭品超(ディラン・クォ)
夏目ナナ
任達華(サイモン・ヤム)
石橋凌
林雪(ラム・シュー)
曾珮瑜
王志安
凌曉樺
任浩
盧紹宜
李穎兒
葉運強
廖翌舜
李浪鳴
譚幹聰
雷凱欣
慧慧
練官紅
陳巧平
朱秋儀
任督治
羅玉麟
林駿仁
呉漢江
張雪芹
彭偉明
謝曉楊
陳偉強
陳兆基
葉瑞玲
蘇東
動作指導 黄偉輝(ウォン・ワイファイ)
脚本 馬偉豪(ジョー・マ)
李家榮
原作 篠原徹
音楽 吉川清之
羅堅(ロー・キン)
策劃 小貫英樹
福島重幸
製作 梁コ森(サム・レオン)
米山紳
加藤東司
製作総指揮 松下順一
制作年度 2008


龍虎地頭蛇
The Big Fellow
子連れドラゴン女人拳



今年は辰年ですね。
というわけで今年一発目はドラゴンを冠する作品を、でこれ。
ちなみに毎年年始恒例の成こ家班映画金馬賞は去年のレビュー作が少ないので来年頭に二年まとめてやろうかなと思っております。


厳密には「ドラゴン危機一発」なんかは波止場ものではないのだけれど、まぁここからの派生は実に多いというか、そればっか。

波止場ものならやっぱり「空手ヘラクレス」で「上海ドラゴン/英雄拳」に王羽(ジミー・ウォング)「シーマンズNo.7・波止場のドラゴン」に成龍(ジャッキー・チェン)なら「必殺鉄指拳」と。功夫スターなら避けて通れない道のようでございます。


今回その波止場への道を通るのは向華強(チャールズ・ヒョン)。
わお!
怖い人来たアルヨ!
今では香港有数の映画プロデューサーとして活躍する向華強さんであります。
功夫スターとしての作品もたくさんある彼ですが、役者としての代表作と言えばやっぱり製作も兼ねた

ゴッド・ギャンブラー」でしょうね・・・・

と、思ったら波止場への道を通る人がもう一人!

えっ?子連れ?
い、いやちょっと子供は学童に預けてから来てくれんかのう

えっ?それも間違い?


流れ

ま、あの

親戚の紹介で波止場で働くことになった向華強は、

腕っ節は強いが貧乏。
貧乏だから波止場で働くんだけど。

非常に早い段階で社長の

蔡弘がライバルの商工会会長殺してその罪を向華強になすりつけ。

ところがこの現場をガキ二人が目撃してたわけね。
だから
子連れ
ってわけですか、なるほど。

とりあえず負傷しながら現場から逃げた向華強を看病したのは

子連れで、この弱々しそうな女性が実はドラゴンなんだな・・・
とか思ってたら
んあ!?
突如現れた女性がドラゴンだった!
ありゃこっちが孫嘉琳(スン・チャーリン)さんだったっけ・・・え、つまり
んが!?
左が女ドラゴンで、右が子連れ・・・
・・・子連れドラゴンちゃうやん!!
子連れは普通に子連れやん!!

孫嘉琳は殺された商工会会長の娘で仇討ち探しの途中だったと。

蔡弘の策略により対決する孫嘉琳VS向華強であったが、
すぐばれて

蔡弘とラストバトルですな。


終劇





・・・だからあれよ。
子連れ(普通の子連れ)
ドラゴン(これが向華強)
女人拳(んでこれが孫嘉琳)
って分けて考えないと意味通らんってことやね・・・ややこしわ!


作品の総評としては波止場を舞台にしたお決まりのストーリーに女ドラゴンの活躍を足して新味を出そうとした作品ですね。
残念ながらそれは凡庸既存と凡庸既存を足しただけなので新味になろうはずもなく、特に破綻無い展開ではあるが結局は陰惨な結末だし(あのラスト子供はどうなるのよ) 面白くはないかな。

アクション面では動きにキレがあってなかなか悪くないが、下手な李小龍(ブルース・リー)アクションと言われると反論出来ないような。

■CAST&STAFF
監督 巫敏雄
出演 向華強(チャールズ・ヒョン)
孫嘉琳(スン・チャーリン)
紀寶如
金廷勳
陳明利
蔡弘
許天徳
程日青
林仲
張人傑
梁楓
程蛟龍
李勇衛
周清義
武術指導 程蛟龍
李勇衛
音楽 王居仁(エディ・ワン)
製作 郭清江
制作年度 1973


滾滾紅唇
Red Lips



ウォーミングアップ。
結局、どうしたかったのかさっぱりわからない映画。



大陸から香港にやって来て身寄りの無い少女・倪雪を高飛(コー・フェイ)が面倒見るが、結局高飛は悪い奴だったのでその倪雪に銃殺される。
一方で關海山(クワン・ホイサン)をボスとするマフィアのファミリーだった狄威(ディック・ウェイ)はその關海山を裏切って銃殺すると自分がマフィアのボスにのし上がるが、關海山の娘であった惠英紅(ベティ・ウェイ)が親戚のマフィア谷峰(クー・フェン)の助力もあって仇討ちした。

おしまい




うーぬ・・・
ニコイチ映画でもないというのに、高飛の話と狄威の話が繋がっていない。
惠英紅なんか最初と最後しか出てこないような感じで、ほとんどは倪雪の香港に来て、恋愛もしつつ段々とアバズレっぽくなって最後は高飛に騙されて殺人を犯しておしまいという。

なんか各役者のスケジュールだけ押さえてとりあえず撮ったみたいな。
高飛と惠英紅はクンフーファイトを見せてくれるが、ただの一回といったところでアクション満載の作品とは言い難く、かといってドラマもどうかみたいな感じで作品の軸が無いのが残念だなぁ。



監督 范丹
出演 高飛(コー・フェイ)
惠英紅(ベティ・ウェイ)
狄威(ディック・ウェイ)
谷峰(クー・フェン)
倪雪
關海山(クワン・ホイサン)
徐曼華
林迪安
邵音音
周江
金彪
何柏光
麥鶴頓
武術指導 高飛(コー・フェイ)
林迪安
豹華
脚本 范繼堯
音楽 成錦榮
製作 范丹
制作年度 1991


血班瑰
Her Vengeance



これはネットだったか書籍だったか、林正英(ラム・チェンイン)が写ったワンシーンが格好良かったので鑑賞してみた次第。
あのグロテスク大好きの藍乃才(ラン・ナイチョイ)監督の割にはこんなもんかと思っていたら、私が見たバージョンは残酷なスプラッタシーンはカットされているバージョンのようだ。



ナイトクラブのマネージャー(?)をやっていた王小鳳(ポーリン・ウォン)は、マナーの悪い客だった5人組(周比利(ビリー・チョウ)や韓義生、成奎安(シン・フイオン)ら)をクラブから追い出したことから恨みを買い、

強姦される。

重い性病にもかかり、心にも体にも傷を負わされた王小鳳は復讐を決意。
全盲の姉・金燕玲やその元恋人で車椅子障害者の

林正英の協力も経て、

女の武器も使って成奎安らを地獄に突き落としていく一方で、
結局は金燕玲や恋人・・・になりそうだった王霄も事件の巻き添えに遭って死んでいく。

大事な人を失った王小鳳、そして林正英は改めて生き残りの周比利、韓義生をぶち殺す為、クラブに罠を張って最後の戦いに臨む。





王小鳳は個人的に好きなタイプの女優さんなのだが、それだけに同時に可哀相だなぁといつも思う女優さんでもある。


可憐でも妖艶でもあった「霊幻道士」での女幽霊役は彼女の当たり役だが、後半はグチャグチャの化け物になった。「ドラゴンキョンシー」でもほぼ同様の女幽霊役で「ターミネーター」のテーマで登場(笑)してヌードを披露した(たぶんダブルでしょうが)。「愛と復讐の挽歌・野望編」ではまともな人間に戻った(笑)が、主演の周潤發(チョウ・ユンファ)にフラれて、悪役に腹を刺される全く美味しくない役、続編の「愛と復讐の挽歌」ではその周潤發を助けるが、直後に脳天を撃ち抜かれて死亡という引き続き全く美味しくない役。日本との合作「孔雀王」では人肉を喰らうゲロゲロのバケモノと事態はどんどん悪化。

だ、誰か彼女に良い役あげて〜!!

藍乃才 「あげましょう」

というわけで、今回はレイプされて、
散々殴られて蹴られて、親しい人全部殺されるけど主役です。

美味しくねぇ!

確かに本作はスプラッタな場面が一番のウリだと思うのだが、それをカットしたこのバージョンでも十分話が成立している通りに完成度は高い。ああ怖いなぁというドキドキ感はあるし、ふざけすぎない、そして下品にエロかったりしない演出はリアリティを高めているし、安易に幽霊などのファンタジーに走っていないホラー好きにはオススメの作品、もしかしたら藍乃才の代表作かもしんない。作品自体は良作です。


林正英はとても渋くて格好良い作品・・・なのは間違いないし

周比利vs車椅子・林正英
なんてバトルもあってファンにオススメしたいところだが、ラストはドン引きで周比利にそこまでせんでもよかろうにボッコボコのバッキバキの目に遭うのでこちらも美味しくない。
実力派の金燕玲や周比利や成奎安の使い方も考えるとちょっとなぁ・・・

・・・プロデューサーは蔡瀾(チャイ・ラン)か・・・
なんか、納得。

いつか王小鳳さんの美味しい作品に出逢えることを期待。

監督 藍乃才(ラン・ナイチョイ)
出演 王小鳳(ポーリン・ウォン)
林正英(ラム・チェンイン)
金燕玲
王霄
周比利(ビリー・チョウ)
韓義生
成奎安(シン・フイオン)
沈威
陳敬
林聰
謝福耀
班潤生
杜偉和
動作指導 林正英(ラム・チェンイン)
李フ柱
脚本 胡雪麗
音楽 陳裴烈
製作 蔡瀾(チャイ・ラン)
製作総指揮 何冠昌(レナード・ホー)
制作年度 1988


豪客
Shanghai Lil and the Sunluck Kid



船を見つめていた ハマのキャバレーにいた♪
風の噂はリル 上海帰りのリルリル♪
甘い切ない思い出だけを 胸にたぐって探して歩く♪
リル リル 何処に居るのかリル 誰かリルを知らないか♪
上海帰りのリル

我が母によるとこの唄が昔々は映画館で流れていたそうだ。
50年ぐらい前の話であろう。

本作は施思(シー・ズー)の代表作と言われている…らしい作品で、英題はまさに上海リル。
出演者を見るにこれが台湾製作の作品だと理解するが、リリース元はショーブラザーズで、とは言ってもどうやら天映娯楽からはDVDリリースされなかったようだ。何か結局リリースされなかった作品は「洋肢」はじめ結構あるようで、そんなこと言わんとリリースしてよ。
ちなみに施思さんは台湾生まれ。





無実の罪で投獄されてた(たぶん)金漢は出所して炭坑村に帰郷。
早速、龍飛道場の一派に襲われるが、強いので返り討ち。
我が家でもある道場に戻るが既に潰れ、両親は他界していた。
途方に暮れる金漢、「妹はどうした!?」

その妹・施思は出所した兄を探していた・・・が見つからず

金漢の兄貴分で裏切り者の(たぶん)龍飛

「兄ちゃんはどこ!?」
いきなり道場に乗り込んで来る施思だったが、逆に捕まってしまう。
無謀なねーちゃんやなぁ

炭鉱を牛耳っていた日本人武道家の易原はこの強い金漢を仲間に引き入れようとするが
史仲田と易原
日本人なので金漢は断る。


「誰か助けに来なさいよ!」
捕まった施思は放置のまま(笑 物語は進む。


とりあえず巨漢の鄭富雄(チェン・フーシェン)を雇って金漢にぶつけてみる龍飛一派だったが、

・・・そんなに強くなくて敗退。


人質・施思を盾にされるので手を出せない金漢。

まぁこの辺、易原一派が乱入して龍飛一派を片付けるのだが、
無論、金漢にも牙を剥く。
ハナから日本人どもは力のある者を全て無力化させようとしていたのだ。

捕まった金漢は線路に縛り付けられ、トロッコで両拳を潰される。


一方、施思は人の良い炭鉱夫・金塗(キン・トー)によって助け出される。

金塗さん昔の珍しい美味しい役か・・・いや知らないけども。


龍飛一派は全滅したが易原一派を今度は倒さねば!
ということで、潰れた両拳が使えないので足技と吹き矢の練習を積む。

手始めに手薄だった(?)易原道場を破りにかかる!

施思さん、一人だけで!兄ちゃん行かないのかよ!

女の子に野郎どもが襲い掛かるのを
ポコポコ可愛いパンチで倒していく迫力(?)のバトル!
とても良いファイトシーンですが何かカワイイな。癒されるな。
施思さんの持ち味だな。


「許しまへんで!」

さしずめ李小龍vs馮穀の女性版と言ったところか。

まぁ当然、女剣道家さんも倒して道場ぶっ潰すと
再び兄と合流して

易原一派を殲滅だ!!





…上海リルは?
そりゃタイトルから察するに施思が上海リルとしか思えないのだが、この女性が満州生まれの日本人で後に日本に帰ってキャバレーで働くの?
な感じで、本作の上海リルの定義がわからない。舞台が租界であるとかそんなとこだろうか。どっちにしても歌とは関係無さそうだな。

ま、それはともかく

瞳クリクリの可愛い施思さんが徒手空拳で暴れてむさ苦しい野郎どもを蹴りまくるので気持ちがいい。

ちゃんと女性同士の対決が用意してあるのも心憎い演出だ。
アクションそのものもモタモタせずにスピーディーでなかなかいい殺陣である。


後に金お爺さんとしてキョンシーシリーズで大活躍する金塗さん。
本作では全く弱い役だし、「少林寺マスター」でもトウシロ役だった。本当は若い時から武術を嗜んでいたのか否か、興味を惹くところだ。

傑作には及ばないかなぁと思うが、アクションも良いし、改めてリマスターで鑑賞したい作品である。


監督 諸葛青雲
楊靜塵
出演 金漢
施思(シー・ズー)
易原
史仲田
龍飛(ロン・フェイ)
金塗(キン・トー)
鄭富雄(チェン・フーシェン)
葛香亭
韓甦
常楓
謝興
陳信一
柯受良
脚本 楊靜塵
制作年度 1973
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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