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夢醒時分/醒夢季節
Mary From Beijing
果てぬ想い



「香港電影広告大鑑」(ワイズ出版)という書籍に掲載されている本作のポスターの主演・鞏俐(コン・リー)さんが
"清楚で可憐"
って感じが可愛かったのを記憶しており、また張艾嘉(シルビア・チャン)の監督としての腕前にも興味がありながら今まで観ていなかった事もあり鑑賞。
それにしてもまた張藝謀(チャン・イーモウ)が関わってるのね。
鞏俐(コン・リー)といい、章子怡(チャン・ツィイー)といい・・・・・・まぁいいや。今日は黙っとこ。

私は何回か書いてるとおり、ラブストーリーは苦手なのですが本作はすんなり楽しめました。その理由は明確ですが、これから一つ一つ追って行きましょう。

流れ

北京から香港にやって来た鞏俐(コン・リー)さん。
"香港生まれの北京育ち"
ということで、香港で働く権利はあるのですが、
"出生証明書"
などなど色々なものが必要であり、移民局がなかなか自分に働きOKのIDパスをくれません。
ということは、働けなくって路頭に迷うところですが、香港で出来た彼氏・林俊賢(ウィルソン・ラム)はとっても金持ちいわゆるボンボンだったので働かなくても生活には困りませんでした。その代わり、
彼女なのにロクに相手にされず、置物のように扱われる毎日が続きます。ほとんどパトロンみたいなもんです。

で、その隣に移り住んできたのが鍾鎮濤(ケニー・ビー)。
こっちはイギリス帰りで、親父の後を継いでこれから中国進出でバリバリ働こうと頑張っている青年です。
しかし、元妻とは離婚調停中で友人の姜大衛(デビッド・チャン)にも相談してますが、慰謝料の問題でなかなか引きずる感じ。

今日もボンボン林俊賢は仲間と自宅で大騒ぎ。
その仲間らに給仕のように扱われるだけの鞏俐は自分は彼氏に相手にしてくれないわ、うるさくて迷惑だわでちっとも面白くありません。

「隣はうるせーな」
と中国進出のために北京語の勉強をしていた隣の鍾鎮濤は夜の散歩へ。
「やってらんね」
と今日も香港移民が許可されない鞏俐も夜の散歩へ。
神は2人を引き合わせたもうたのでした。
以前、鞏俐は泥酔してこの鍾鎮濤のベッドで寝てしまったことがあり(隣なので間違った)、恥ずかしく相手に出来なかったのですが、
鞏俐の飼い犬バビーを通して2人は仲良くなります。

そ、それにしても・・・
話の途中でまた不謹慎で誠に恐縮ですが
ちちでかっ
これは天然ですよ。何もこんな映画で巨乳自慢する必要どこにもないし、彼女がそんなことする必要無いですもん。
ちなみに私は巨乳フェチではないですけど、やっぱ目がいきますね。こんだけでかいと。

はぁ、鞏俐はボンボン息子の助けを借りないで生きたくて今日も仕事を探すのですが、面接も上手く行きません。
思わず鍾鎮濤にペロッと漏らしてしまいます。
はっきり言って鍾鎮濤は鞏俐に惚れちゃってます(ま、大抵惚れるわ)。
亭の良いことに鍾鎮濤には北京語を上手く話せないという悩みがありました。
鍾鎮濤は中国大陸進出に悩みが
鞏俐は香港ひとり立ちに悩みが
合い重なる悩みから鍾鎮濤は"自分と北京の橋渡し"の仕事を頼みます。
それが非常に嬉しい鞏俐でしたが、
「IDパスも無いのに許可するなんて、その男おかしいだろ」
とボンボン彼氏の林俊賢が許しません。
「じゃ、仕方ないな」
と鍾鎮濤は北京出張へ。ついでに鞏俐から出生証明書に必要な家族の写真や手紙を貰ってきて欲しいと頼まれます。

北京。
現地調査もほどなく終わった鍾鎮濤は鞏俐の実家を訪ねます。
ここでの鞏俐のお母さんがすっかり"未来の娘の旦那さん"を見定める目になってるのが印象的です。嫌味な目じゃなくて、
「この人が娘の選んだ人なのねぇ」
って感慨深そうにするとこなんか細かい。

鍾鎮濤は両親からのお土産とビデオレターと出生証明書に必要なもの抱えて帰ってくるのでした。
さすがに鞏俐の心も本格的に揺れ出します。
プレゼントオンリーの彼氏と自分に切に優しくしてくれる鍾鎮濤。
"人が本当に欲しいのは心の支え"
"香港に生きる女は金第一、それは香港の男尊女卑が作り出した悪しき習慣から来るもの"
ここでの監督・張艾嘉の主張がまさに女性そのものですね。

果たして彼女は
・ボンボンを選ぶのか
・鍾鎮濤を選ぶのか
はたまた・・・

終劇




軟硬天師の「軟」である林海峯(ジャン・ラム)と鍾鎮濤のミニコントが合間合間にちょろちょろと続くのだが、これにどういった深い意味があるのかあんまりわからない。
でも楽しいので、ブレイクタイムという意味なのかな。

まず、このいわゆる"金を取るか情を取るか"って選択方式の典型的な恋愛ものが非常に楽しめた理由は2つある。1つは
日本人ではわかりえないドラマ部分があるから
移民ってのは日本ではあまり馴染みのあることではないし、同じ中国人なのに北京語広東語で意見が通じ合えない、文化の違いに戸惑うようなジレンマも日本国には存在しない。
彼らが生きているベースの部分が日本人にとっては新鮮に映るので、その辺で飽きないんですね。 もう1つは
全然ベタベタドロドロしていない
・離婚調停中に他の女といるようだから裁判を有利に運んでやろうと画策する元・奥様とか
・「俺の女に手出しやがって!」と半狂乱になるボンボンの姿や
・ 鞏俐の境遇にやっかむ他人の陰湿な虐めや
・それに泣き叫びヒステリーになる鞏俐の姿や
こういったいかにも恋愛ドロドロものにありそうな面倒くさそうなシーンが全然無いんですね。いかにもそういう展開になっていきそうなシチュエーションばかりなのにも関わらず一切ありません。
疲れるんですよ、個人的にドロドロは。犬も喰わないって感じで。
それだけに作品全体としては地味な印象なのですが、私はこの辺のサラッとした感じが好きですね。ラストも良い感じです。

相手に対して
「これはいいことだろう」
って行いをした後に
「ありがとうっ」
なんてお礼を期待しちゃいけない。

これ、私の反面教師から来る持論なんですけれども、女性は一概と言えるほどそういうとこあります。
「こういうことじゃないのっ!」
って感じでよく怒られますね。男としては。だけど、ここで怒っちゃいけない。男だって子供なんですから。
優しくしたのに怒られたからこっちも怒った
では、それこそ
「男ってだから嫌なのっ!」
ってことになっちゃいます。最初から期待しちゃいけないんですよ、こういうの。
なぜならば・・・・・・
ってところで、この作品が非常に役立ちます

これを観ると女性がどうして怒っているのか、例えば
「ちゃんと優しくしてるし、プレゼントもあげてるのにどうして怒っているのか」
なんて理由がよーーくわかります。
その辺で彼女と揉めた方も是非ご覧になってみて下さい。

というわけで、
張艾嘉の監督としての評価ですが、さすが上々と言わざるを得ませんね、これは。
主張もハッキリしていながら、嫌味でなく爽やかな後味って感じでしょうか。

後は往年スターの姜大衛(デビッド・チャン)が非常に良い味出してます。
恐らく鍾鎮濤(ケニー・ビー)との年齢差は結構あると思うのですが、友人役を見事こなしていましたね。

■CAST&STAFF
監督・脚本 張艾嘉(シルビア・チャン)
出演 鞏俐(コン・リー)
鍾鎮濤(ケニー・ビー)
林俊賢(ウィルソン・ラム)
姜大衛(デビッド・チャン)
張郁蕾(シンシア・チェン)
林海峯(ジャン・ラム)
白樺
何鴻〔女宛〕
朱牧(ジュー・ムー)
鮑方
劉國昌
ケ振搖
黄錦〔火木〕(メルビン・ウォン)
李世江
苑〔王京〕丹
徐〔三壽〕
黄樂桐
周寶珍
陳偉来
劉竿愉
候尉霧
韓俊
黄光輝
李佩玲
王敏明
王維コ
梁鎮光
フランシス・ヤウ
ピーター・ストーン
スザンナ・ジャクソン
李光複
洪宗義
徐元奇
李暁耕
趙運
音楽 音楽工房
撮影 杜可風(クリストファー・ドイル)
策劃 張藝謀(チャン・イーモウ)
製作 韓培珠
朱子明
製作総指揮 鄒定?(アンソニー・チョウ)
制作年度 1979


一个都不能少
Not One Less
あの子を探して



ある意味全くレディ・ドラゴンではないのだが、
ある意味非常にレディ・ドラゴンな映画でした。
1999年ヴェネチア映画祭グランプリ作品。

先にサクッと流れを

簡単に流れ

中国の貧しい村。
小学校のカオ先生は諸事情で一ヶ月ほど学校を離れることになったが、その間に学校を任す先生がいない。
そこで、まだ中学生の魏敏芝(ウェイ・ミンジ)が代理先生をやることに。
村長から50元もらえるということで引き受けた魏敏芝だったが、
・金はカオ先生が帰ってきてから
・生徒が減ったら金を貰えない
という条件がついてしまった。

やんちゃな28人の生徒達と、それを取りまとめられるはずもない多感なティーンエイジャーの魏先生。
カオ先生が大事に使ってたチョークも大事に扱えない魏先生だったが、
「なんとしてでも50元もらってやる!」
といった心意気は執念に近いものがあった。

そんな時、村一番の韋駄天であった生徒の1人が村長の推薦によって街に連れられてしまう。これで生徒1人減り。
さらに一番の悪ガキ、
「将来はコイツ、悪い大人になりそうやなぁ」
という個人的な私の感想の張慧科(チャン・ホエクー)は家庭が貧しいので幼い年端でこちらも街に出稼ぎに出てしまう。

「2人も減ったら、50元もらえないわっ!」
と焦った魏先生は、何としても街へ張慧科を連れ戻しにいくぞ!と固く決意。
残り生徒のお前ら、バス代集めじゃ金持って来いっ
とさすが中学生、メチャクチャなことを言ってのたまう。
カツアゲじゃないすか。

まぁ色々あって、何とかバスに乗った魏先生。
「タダ乗りさせないよっ」
と降ろされる魏先生・・・タダ乗りだったのね。
「このまま、こんなとこで村に帰るわけにはいかないっ」
と、遂に魏先生は街まで歩き始める。

ヒッチハイクでトラクターを捕まえた魏先生(良かったね)。
ついに街へ。

「いなくなった!?」
張慧科の出稼ぎ場所に来るものの、当の張慧科は街に着いた当時から行方不明。
「おんどれー!ここまで来たら絶対に探し出しちゃるっ!」
と魏先生はくじけるどころか、さらにファイトを燃やして張慧科探して街を徘徊し始める・・・・
さぁ、果たして張慧科は見つかるのか・・・

終劇




自分が小学生のときに、"校区外"って言葉があって
自分の住んでる周りから大人の許可無しに出ては行けないってのがありました。
これがまた俺が住んでた地域の校区外が狭くてね〜
近所のスーパーさえも校区外になってたりなんかして、ちょっと一駅ほど1人で行こうもんなら、ちょっとしたアドベンチャーになってましたからね。

劇中で魏敏芝ちゃんが旅する距離は恐らく短く、一時期流行った「電波少年」等のロードムービードラマとは程遠い。
彼女にとっては大冒険だけど、大人なら造作も無いこと
ここが作品の私的ポイントで、
とはいっても彼女にとってはこれは大冒険だよ
と共感できて嬉しいところがある。

それにしてもこの娘は凄い。
というか中国人は凄い。
俺なら魏先生の立場に立たされたらもっと早い段階でワンワン泣きそうだ。
でも魏敏芝は泣かないんだよね。最後の最後まで。
というか中国人は冷たいなぁ。
まぁアジア一人旅なんてすると"あんなものだ"ってのは友人から結構聞いたけど、あんたらさぁ
あれだけ彼女が一生懸命探してたら1人ぐらい親身になって聞いてくれる人がいても良いんじゃないの?
ってぐらいに誰も聞かない。誰も聞かないのだがさらに凄いのは魏敏芝もフラフラ街を彷徨う張慧科もくじけないんだよね。引き下がらない諦めない。ここが凄いよ。

またいかにも子供らしい、そして子供が成長していくサマがうまく描けているなぁと思ったことは
"お金目的で動いていた彼女が最後には何が何だか目的がわからなくなる"
といったところで、そりゃあ
・金をまず貰わないと話にならないぜ
・でも流石にこれだけ探して見つからないと心配だぜ
・つーか、私なんであんな悪ガキのためにこんなことしてんの?
・つーか、メチャクチャ腹減ってるんですけど
という感じで、元からある執念や後から生まれた苦しみや心配の感情が最後はグチャグチャになっちゃってるんだよね。彼女が最初から綺麗事で動いているわけではない。それでもいつの間にやら色んな感情が彼女を支配し、彼女を動かし、それがいつかは中国の大きなTV局を巻き込んだ事件に発展していてしまう描写は非常に興味深いところである。

初恋の来た道」に比べると格段にドラマは複雑に織り成され、ちゃんとまとまっていて面白い。
魏敏芝はじめ、出ているキャストはみーんな素人なんだけどね。

それにしても中国の都会と僻地は未だあんなにも差があるのか・・・

■CAST&STAFF
監督 張藝謀(チャン・イーモウ)
出演 魏敏芝(ウェイ・ミンジ)
張慧科(チャン・ホエクー)
田正達(チャン・ジェンダ)
高恩満(カオ・ユンマン)
孫志梅
脚本 施祥生(シー・シアンション)
音楽 三宝(サン・パオ)
制作年度 1999


一屋兩妻
The Happy Bigamist
香港ラブストーリー
香港アーバン・ラブ・コメディ夫婦前妻<めおとぜんさい>!



今年の個人的ブレイクの女優さんは

夏文汐(パット・ハー)さんです。
彼女と元彪(ユン・ピョウ)主演の「オン・ザ・ラン 非情の罠」はなかなかおすすめ。
ということで、今回も入手してみたのがこれ。 SPIKEから出ていたDVDではタイトルが「香港ラブストーリー」となんか純愛モノみたいな仕立てがありますが、劇中を表す邦題としては
「香港アーバン・;ラブ・コメディ夫婦前妻」
の方がより正しいでしょう。以前、確か「ZIP!」という雑誌の中に本作が面白かったという記事が載っていたことを覚えていまして、結構楽しみにして観た作品です。 この当時のサモハン直轄、寶禾影業有限公司(ボーホー・フィルム)のさらに下(?)、二友公司では張堅庭(アルフレッド・チョン)と陳友(アンソニー・チェン)で様々な新しい映画の製作が試みられていたみたいですね。
それにしても陳友(アンソニー・チェン)じゃなくて、
陳友だからフレンド・チェンって君・・・
(劇中ロール表示のこと)

簡単に流れ

陳友(アンソニー・チェン)が
梅艶芳(アニタ・ムイ)と再婚しましたー
んだけどアニタさん料理だめっすーまずまずっすー
それでもアツアツお二人さんなのでした・・・・

ところがっ!

そこに陳友の前妻である夏文汐(パット・ハー)が戻ってきてしまいました。
相変わらずのショートカットがたまりません(個人的)。

「五福星」でのゲスト出演では同じくゲスト出演の葉童(イップ・トン)にショートカットを取られてしまったので、違う髪形で名前どおりにパットはしませんでしたが(それでも太保(タイ・ポー)の彼女役というのが何だか面白い)。下手なシャレでごめんなさい。

なぜこんな可愛い奥様と別れるのだね

という個人的な思いは捨て置かざるを得ませんが、
とにかくこれでは新妻のアニタさん、ショートカットがたまりません以上に別の意味でたまりません
普通は例えパットさんが家自体に相続権を持っていてしても引きずり倒してでも家から追い出すでしょう。なんてたって新妻のまえに前妻ですから。これ以上の天敵はいません。

あーっ!あーっ!あーっ!
というわけで、アニタさんはパットに見せ付けるためにいや聞かせつけるために、夜の夫婦生活の足音を聞かせます。
実際声出してるだけなんですが。

むかっ

女性は一旦決めたら、後は未練無く。
と言いますが、すぐ隣でこんなことされたらパットさんも苛立ちます。
むかついたので料理できないアニタを尻目にバッチリ美味しそうな朝食を作ってみせるパットさん。

だからなぜこんな可愛くて料理の得意な奥様と別れるのだね

という個人的な思いは捨て置かざるを得ませんが、
その後も当たり前至極当然空前絶後に、2人のいがみ合いそして挟まれるアンソニーすったもんだは続きます。
必要以上にクドくない演出がなかなか素敵です。
クドかったりエグかったりすると疲れますからね、こういうの。本当は犬も喰わない部分なんだし。

パットさんが家に戻ってきたのには理由がありました。
友人に裏切られて借金を持たされ、無一文になって漫画家の夢も叶わずということだったのです。帰る実家も無いみたいですね。

わーん!!

と号泣するパットさんが非常に可愛くてもう困ったなこりゃ(なにが)。
事情を知ったアニタさんもやっと和解し、
アニタさん、パットさん、アンソニーの奇妙で楽しい共同生活が始まるのでした・・・・



って、これで終わるのは余りに男女の形として不自然かつ不謹慎ですな。ここで

大丈夫日記」なら回教になって2人とも妻にして劇終と相成りますが。
ってことで、パットさんに新しい男を紹介することに。
候補に上がったのが京劇役者の鍾鎮濤(ケニー・ビー)でした。アンソニーよりよっぽど格好良いですな。
じゃあ晴れて不思議の無いカップルが二組出来てめでたしめでたし・・・



・・・とは簡単にいかないのが男の情けなさ。
男は一旦決めても、後味とても情けなく。
と言いまして、パットさんとイチャイチャしだした鍾鎮濤を見てアンソニーはジェラシーをメラメラと。

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Silent Jealousy
Don't you leave me alone
悲しみに乱れて
戻れない愛を飾る
繰り返す孤独の中に
Tell me true 
何処に行けば 苦しみを愛せる
I still want your love 
愛を止めて
くるい咲く記憶を消して・・・♪
             作詞作曲 YOSHIKI
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懐かしいXJAPANの「Silent Jealousy」をお届けしました。
単なるジェラシーをここまで叙情的にダイナミックな楽曲にしているのが凄いです。そんな大袈裟なあんた。

ああ、男ってのは情けないなぁ。
アニタさんという新妻がいてもう別れてるっていうのに
パットさんに未練たらたら。

恋の行く末はこの先どうなってしまうのでしょうか?

終劇




梅艶芳(アニタ・ムイ)さんが最初から最後まで決して綺麗な格好をしないのがピリッとしない。一回だけで良いからどこかのシーンですんげぇ美しいアニタさんってのを演出しておけば、
"アンソニーがこっちに行くのもわからんでもない"
ってな気持ちで説得力も出るのにパットさんばっかりが綺麗なイメージで終わってしまうのはちょい残念やな。

凄い強烈なコメディではないけれど、そのややぼんやりとした映画のテンポはわりかし心地よく進みます。こっちものんびりと見てると結構楽しかったですよ。

今は無きSPIKEDRAGONからDVDが出ています。この作品は色んな店で売ってるところを結構見掛けたので、わりかし入手しやすいんじゃないかなぁ。
夏文汐(パット・ハー)さんに興味の湧いた方は是非どうぞ。

■CAST&STAFF
監督 陳友(アンソニー・チェン)
出演 梅艶芳(アニタ・ムイ)
夏文汐(パット・ハー)
陳友(アンソニー・チェン)
鍾鎮濤(ケニー・ビー)
呉君如(サンドラ・ン)
苗僑偉(ミウ・キウワイ)
ケ丹珊
ケ孟霞
孟浪
楊又祥
游佩玲
秦煌
動作指導 袁振洋
脚本 羅啓鋭(アレックス・ロー)
黄宏基(ウォン・ワンケイ)
黄志(ウォン・チー)
張堅庭(アルフレッド・チョン)
音楽 周錦祥
策劃 張堅庭(アルフレッド・チョン)
製作 洪金寶(サモ・ハン・キンポー)
製作総指揮 何冠昌(レナード・ホー)
制作年度 1987


あずみ
Azumi



うーん・・・・・・・
どうしたもんか。
つまりある視点から観れば
"とてもよく頑張っている"
だけど視点変えれば
"全然イマイチ"
ってところで、自分の視点をどこに合わせていいもんかどうにも基準線の目安に困ってしまう作品ではある。
一言で感想済ませば
"彩ちゃん可愛い"
ってそりゃ当たり前というか映画無くても関係無いやんって話になるな。あかんやん。

なので、色んな視点から思ったこと書き出してこのレビューは良いんだか悪いんだかさっぱりわからんような文章になると思う。

※いつものことですけど、ネタバレしてます。


全体を通して

まず原作を知らない、同監督の他作品を観ていないということが前提だけれども
"なんだか昔の真田忍者ものみたいやなぁ"
ってのが私的な私の全体的な感想で、自分が書いたドラゴン傑作選4←このページに出てくる作品群に何だか似ているなぁってところ。特に似ているのは

忍者武芸帖 百地三太夫」 。まぁこれは幼馴染たちが再開して悪将軍にみんなで立ち向かっていくという展開が若干似ているからだけど。
で、どこが似てるの?
っていうとそのやっぱり残酷表現、悪役演技の部分
昔のJAC忍者ものってエログロ路線が爆発していて、
ヒロインの渡辺典子が斬首されて同じく斬首された美保純に首すげ替えられてそれを輪姦とか、惨たらしく村皆殺しとか、死んだ忍者が逆さでぶら下がっている後ろで演技を長時間続けるとか(忍者役の人は頭に血が上ったろうなぁ) 、佐藤蛾次郎が出てきて胃液ゲロゲローッって吐いて攻撃するとか、
俺には本作の気持ち悪い悪役らと残酷表現にこれとの違いをさして見つけられない。ほぼ同じじゃん。

比較対象もおかしいのかもしれんが、

大醉侠」で胡金銓(キン・フー)監督は
"斬ると血が出るからそれも描くしかないじゃん"
といったそれも自然とし演出した。だが本作は、
"血がズバーッと出て格好良いじゃん"
という刺激的なビジュアルだけを意識しており、同じ流血シーンでも質が全く違う。言うまでもないけど。

刺激的なビジュアルだけを意識するとそれは途端にあの'80年代JAC忍者映画の
"何か過激なことやってやろうで引き起こされたもの"
と、こちらも時代劇チャンバラということでとても似てくる。
オダギリジョーを筆頭とした気持ちのわるーい悪役らも、かつて真田広之忍者と戦った千葉真一御大そのものや、ストロング金剛、先のガジロー、中尾彬と変わらない。
オダギリさんも一緒
(画像は「里見八犬伝」の夏木マリさん)
ほら似てるじゃんオダギリと。

なのでやっぱりその辺の残酷表現や悪役の演技に嫌悪感というよりも"シラケ"を個人的には強く感じた。オダギリさんの
"だーめっ!"
とか・・・あ、この辺は原作の影響があるのかな。
金八先生の息子役演ってる佐野くんがいきなりズバーッと斬られたのは笑った。

アクション

ここが問題よ。
そりゃこの私を長く知っている人ならばわかると思うが、
やっぱりここが問題よ。
いきなりまとめますけど、
"チャンバラ知らない若手俳優陣がよく頑張ったなぁ"
というところで大いにその頑張りは評価したい一方で、
それがすげーとか格好良いとは全然思わなかったという気持ちも正直な感じ。CGも特殊効果も歌謡曲でエフェクトされた口パクの歌声みたいなもんで、これじゃ特殊効果じゃなくて補足効果だろうという気がする。
"彩ちゃんはとても頑張った。まぁ・・・以上"
というのが本作のアクションに対する率直な気持ちか。

上戸彩

彼女はキリッとした表情だととても美しいのよね。
笑うと途端に崩れるけど、そのギャップがたぶん可愛さを助長させていると思う。
別に他所の国の女ドラゴンに挑戦するわけではないんだから、本作での若くしての頑張りは素直に評価したい。一貫してショートパンツ(?)でのチラリズムは監督の意向でしょうね。いや良いんだけど。

他役者さん

あずみを取り巻く若き男優陣。
特に目を引く人はいなかったなぁ。女性からの視点からだと違ったりするんでしょうか。格好良いという人も逆にダメって人もいなかったんだけど。望月六郎監督

「皆月」('99)での助演が非常に素晴らしかった北村一輝にも注目してたんだけど、今回は特にはなぁ。
これはむしろ、
"オダギリさんじゃなくて誰々ならもっと怖いのになぁ"
ってその"誰々"の中にどうしても周比利(ビリー・チョウ)や熊欣欣(ホン・ヤンヤン)や甄子丹(ドニー・イェン)とかの名前を入れてしまって妄想に更ける俺の方がどうかと思うんだけど、別にオダギリさん怖くもないし強そうにも見えんしサムイし。
次はいっそこと倉田保昭兄貴でいったらどうよ?
って感じがするかな。趙薇(ヴィッキー・チャオ)&莫文蔚(カレン・モク)の2人でかかっても滅茶苦茶強かったので(

クローサー」)上戸彩ちゃんじゃ無理があるか。
こないにまで竹中直人さんが重宝されるのは日本に役者がいない証拠ですよ。

りょうさんが綺麗な顔だけ見せてさっさと馬に引っ張られて行ったあのシーンは何だったのだろうというか余りに余りなゲスト出演だなぁ。

次は殺陣師に程小東(チン・シュウトン)でも呼べ!
■CAST&STAFF
監督 北村龍平
出演 上戸彩
成宮寛貴
小橋賢児
金子貴俊
石垣佑磨
小栗旬
佐野泰臣
鈴木信二
永山瑛太
山口翔悟
原田芳雄
オダギリジョー
岡本綾
伊武雅刀
松本実
榊英雄
遠藤憲一
清水一哉
坂口拓
北村一輝
佐藤慶
りょう
竹中直人
脚本 水島力也
桐山勲
音楽 Sextasy Room
製作統括 児玉守弘
気賀純夫
亀井修
坂上直行
製作 山本又一朗
中沢敏明
制作年度 2003


驚天龍虎豹
Lethal Panther
リーサル・パンサー



ああ・・・
自分で選んでおいてなんですが、今年(2004)の締めはこれっすかぁ〜・・・
まさかまさか何誌強(ゴッドフリー・ホー)作品が今年ラストレビューになるとは・・・
思えば今年はあれですねぇ・・・
皆様は振り返ってみてどのような1年でしたか?
私は振り返って良い思い出だなと思えることと、
二度と振り返りたくない出来事がはっきりしている1年でしたね。自分の人生も大きく転機が訪れ、環境の変化に適応するにも時間がかかったと思います。

さて・・・
この作品は「風にバラは散った」を200円で買ったときに、
「300円でもう一本買って良いですよ」
って言われて探したんだけど良いのが無くて仕方なくこれを入手してみたんですね。何も観るものが無いときに流しても良いかなって感じで、はい。

まぁいいか。
で、ですね今までええと4本の何誌強(ゴッドフリー・ホー)作品を紹介してきました。
Vengeance」「Challenge the Ninja」「忍者伝説/シナンジュの秘宝」「Ninja Hunt
・・・まぁ読み直さなくてもいいですけど、なんちゅうかもう
「はぁーあ」
な作品ばかりでございます。
その中でこれはどうだったか。

流れ

アメリカ。
偽札取引していたチンピラを軽くひねり挙げる胡慧中(シベール・フー)。

はい日本。
いきなりエッチッチシーン。
・・・の後にそのエッチの男を殺す女。どうやらどっかの組織のボスなのね。
その後、主演であるマリア・ジョー登場。
他の宴会場を襲って親分子分を皆殺しにしてその場を去る。で、軍隊時代の思い出に浸る。

はいマニラ。
偽札取引は米兵がグルになっているらしい。
あっさり取引現場を抑える胡慧中。
それにしてもこの人「大福星」以後、美貌がどんどん落ちていっている気がするのは気のせいだろうか。

そしてエッチッチ。
マニラの偽札組織。
ここのボスの息子・呉啓華(ン・カイワー)がとんだ食わせ者で、父ボスを裏切ってヒットマンに殺させると組織を牛耳り始めた。
何とそのヒットマンを演じているのは方中信(アレックス・フォン)である。これはびっくり。思い切り悪役やらされてます。駆け出し時代ですね。

マリア・ジョーと死闘の末に友情を交わすようになった同じく殺し屋の宮本洋子。この2人の女ヒットマンが呉啓華組織の実状を知っているということで襲われる。
最終的に宮本洋子は恋人のまたも殺し屋である盧惠光(ロー・ワイコン)に殺され、またまたまたまた殺し屋になっていたマリア・ジョーの弟までも組織の毒牙にかかる。

殺し屋ばっかりやん!!
そして盧惠光がさりげないやん!!

弟も友も失ったマリア・ジョーが全てをかけて組織に挑むが、影では刑事の胡慧中が潜んでいたのだった・・・


終劇



いい加減な書き方してるように読めると思いますが、ほんとにこんな感じなんですよ。展開がいい加減なの。
とはいっても、本作は何誌強(ゴッドフリー・ホー)得意の
"勝手に他映画からシーン抜き取り+追加撮影=勝手に一本の映画に"
といった手法ではなく、ちゃんと一本の映画として撮っているところが他の彼の作品と一線を画している(って、それは普通当たり前のことなのだが)。
武術指導の面でも他に比べればグッとしっかりしており、あくまでも彼にしてみればだが入魂の一作と言えるだろう。
冷静にそれが面白かったかと言われれば、まぁその・・・全然ダメでしたが。

宮本洋子て誰やねん。

ええと、その・・・よいお年を!

■CAST&STAFF
監督 何誌強(ゴッドフリー・ホー)
出演 マリア・ジョー
宮本洋子
胡慧中(シベール・フー)
呉啓華(ン・カイワー)
ステファン・ミラー
マーク・スコット
ブルース・ストーン
シルビア・サンチェス
方中信(アレックス・フォン)
盧惠光(ロー・ワイコン)
脚本 チャールズ・ウン
サイモン・フォン
動作指導 ウェイン・マック
サイモン・タム
フランク・シャム
製作 何誌強(ゴッドフリー・ホー)
ベニー・チャン
制作年度 1990

影子~鞭
The Shadow Whip
空中必殺 雪原の血闘



前々から気になっていた、なにがってこの
ペイペイバニー
耳あてペイペイが。
実際見てて戦ってるときにこの白耳あてがピョンピョンするからうさぎみたいで可愛いのね。

本作は羅維(ロー・ウェイ)がショーブラザーズに在籍していた時の作品で

ドラゴン危機一発」を撮る前の作品。
もともと考えてみて羅維作品って李小龍(ブルース・リー)以外では

拳精」しか面白いのって見つけてないのだが。まぁ、「チャック・ノリス in 地獄の刑事」もそれなりにまとまってはいたけど。
なので、本作へもペイペイバニーしか期待してなかったりなんかするのね。で、どうだったか。

流れ

下男の李昆(リー・クン)を引き連れて叔父でもあり、師匠でもある"影子~鞭"の使い手、田豊(ティエン・ファン)の下に戻ってきた鄭佩佩(チェン・ペイペイ)。

街には色々な侠客が集まってきていた。
賊である三人組王侠、李家鼎(リー・カーティン)、高鳴、田豊を仇と付け狙う岳華、田豊に同僚を殺されたとする谷峯(クー・ファン)。


ところで前半は

大醉侠」と比べると結構ペイペイさんもニコニコしていて可愛らしい。

「叔父がそんなに酷いことをしたの?」
田豊は昔、守衛であった羅維(ロー・ウェイ)を殺し、宝を強奪した犯人となっていた。
一方、当の田豊にはそんな覚えは無い。
真実はどこにあるのか?
侠客たちが仇を宝をと目まぐるしく動き出す。

李昆を殺されて怒り心頭のペイペイ。

このように迫り来るピンチを幾度も交わして敵を蹴散らした。
とにかく後半はバトルバトルの連続である。


遂には田豊から授かった"影子~鞭"の技を駆使して神事に迫っていくのだがその真相は・・・

終劇




お話としてはこんだけしか無い感じやなぁ。
まぁそこそこ。
アクション部分に関しては武術指導が徐二牛ということでチャンバラシーンは製作年度も考えるとなかなかさすがであり見所はある。
ただ全体的にはもう一味足らんな。
出来は決して悪くないのだが、インスタントラーメンに特製油を入れるの忘れて食べちゃって後から気づいたみたいな、そんな感じ。うーむ。

やっぱこの映画の魅力はペイペイ様の耳あて。

■CAST&STAFF
監督 羅維(ロー・ウェイ)
出演 鄭佩佩(チェン・ペイペイ)
岳華
田豊(ティエン・ファン)
谷峯(クー・ファン)
李昆(リー・クン)
羅維(ロー・ウェイ)
王侠
李家鼎(リー・カーティン)
高鳴
脚本 羅維(ロー・ウェイ)
倪匡(イ・クオン)
武術指導 徐二牛
音楽 周福良
製作 邵逸夫(ラン・ラン・ショウ)
制作年度 1970


絶不低頭
To Kill A Jaguar



苗可秀(ノラ・ミャオ)さん大熱演作品である。

元々は武侠片作家の古龍(クー・ロン)が書き下ろした現代ギャングアクションもので、その様相は古龍なりの「馬永貞」、この辺に挑戦するものじゃないかと思われる。
さすがに古龍原作だけあって、単なる組織争いに終始せず、彼らしい一ひねりも二ひねりもひねりすぎてこんがらがって訳がわからなくなろうとも堂々と話を進める物語で、その独自性は他の追従を許さない。
というわけで、物語はもの凄い展開を見せる。

ゴールデンハーベストからショーブラザーズに移籍した苗可秀さんだが、この映画での彼女はとにかく凄い。
凄いってもうとにかく凄いの。
では流れ。

流れ

※どんでん返し連続の物語なので、鑑賞を予定されている方は絶対読まない方が良いです。楽しみが減りますよ。
当HPは責任持ちませんのであしからず。


in 上海


父を捜して田舎娘の苗可秀(ノラ・ミャオ)がやって来る。
都会での"どこが安全でどこが危ない"を知らない彼女は
知らず知らずに危険の伴う地域へ。
目の前で始まるマフィア同士のケンカ。
いきなり宗華vs王龍威らの戦いである。

これを制した宗華、逃げようとする苗可秀を捕まえると
「俺だよ」
と帽子を取った。
「あなたは・・・!!」
宗華は苗可秀の幼馴染。
宗華、苗可秀、まだ登場していない劉永(トニー・リュウ)は3人仲良しの幼馴染であった。

宗華の紹介で宿を宛がわれる苗可秀。
ゆっくり風呂でも入りますか・・・って、

もう開始5分程度で
「あの苗可秀さんがっ!?」
というような衝撃のシーンが始まります!
要所要所は代役だと思いますがしかしそれにしてもっ!
湯船に浸りながら、思い出にも浸る苗可秀さん。
劉永(トニー・リュウ)は許婚でもあり、過去のラブラブシーンを思い返していたのでした。
と、そこに!
先の王龍威らが乱入!!
全裸で逃げ回る苗可秀っ!!んなあほな!!

これをすんでのところで助けたのが宗華。
しかし、宗華は負傷をしてしまう。
というわけで今度は宗華の治療をする苗可秀さん。
都会で孤独の寂しさと幼馴染であるということから、
苗可秀さんは宗華さんに体を許してしまいます。
つまりベッドシーン!!

もうこの映画の見所はこれで終わったはずだ!
これ以上の盛り上がりはもう無いだろうってシーンが
開始5分頃に始まり開始11分で終わるような感覚を覚えました。
苗可秀さん、あんたよう頑張った!

しかししかしまだまだ導入部であったりして。
実は宗華はマフィアの用心棒。
今回はボスの命を受けて、他のマフィアが経営するカジノ、売春宿に殴りこみ。
この男、女をさらうわ犯すわ殺すわのとんでもない悪者。
「俺はジャガー!人を喰うジャガーだ!」
とは確かに自分で良く言ったものでボスの下、悪行三昧。

カジノでのバトルに袁日初(サイモン・ユアンJr.)と袁和平(ユアン・ウーピン)らしき人物を発見。
恐らくそうだと思うが断定できず。
悪行三昧の宗華の前に登場したのがこの男、
赤い蝶ネクタイ
ニヒルな二枚目凌雲。今回は射撃の名人。
果たして敵か味方か?
凌雲に撃たれるチンピラの一人が元奎(コーリー・ユアン)。

宗華暴れ放題のおかげでライバル組織のボス・樊梅生(フォン・メイサン)は死に、王龍威がいる組織も劣勢に。

一方でそんなことは何も知らない苗可秀さんは
「ちっとも相手にしてくれないんだから!」
とすっかり宗華の恋人気分。

元彪わかりやすい
凌雲に撃たれるチンピラ元彪(ユン・ピョウ)くん。

組織が上海No.1となってウハウハのボスであったが罠が待ち構えていた。
宗華と凌雲、そして王龍威組織(王龍威は手下ですがボスの名前がわからん)が結託。
宗華がボスに。
普通ならここで元々のボスが殺されるはずなんだが宗華は殺さず。
「なぜ私を殺さない!!」
一気に落ちぶれた元ボスはそう叫んだが宗華は不適な笑いを浮かべるだけ。

ここで隙を狙った凌雲が宗華暗殺を企てるが、
1vs1の勝負に負け、飛び降り自殺。
結局、この人なにがしたかったんだろう?

とうとう苗可秀は宗華が自分のボスから奪い取った屋敷に招待される。
そこで苗可秀は驚くべき事実に出くわす。
そりゃ驚いて当然だ、苗可秀を襲おうとした王龍威らが
宗華の取り巻きとしてそこにいるのだから。
「これはどういうこと!?」
さらに驚愕の事実は続く。
なんと、宗華が裏切ったボスこそが苗可秀の父だったのだ!
そして、冒頭の王龍威とのケンカや強姦未遂もみんな苗可秀を騙す罠!
宗華が苗可秀をモノにするために全て計算ずくで行われた茶番劇だったのだ!
「お前は誰とでも平気で寝るのかバイタめ!」
全てお前がやったくせに苗可秀に向けてそう言い放つ鬼畜・宗華。
苗可秀は屋敷内に軟禁されてしまうのであった。

ここまでの展開、冒頭の濡れ場からいきなり全て罠で
こういう流れになってしまうところが凄い。素人では考え付かないような流れだ。
しかし、ここで一旦これからの展開を頭の中で予想してみて欲しい。
まだ幼馴染の劉永が登場していないわけだから、まぁだいたいわかるよね?
しかし!!

陵辱されて絶望していた苗可秀はそのまま泣き寝入りするような女ではなかった。
女性というものはとても強いものである。

「私と寝たいのはだーれ?」
バイタと呼ばれた女は本当にバイタに成り切ったのだ。
地方から出てきた三つ網の田舎娘からもの凄い変貌ぶりである。
あっという間に宗華の手下どもをトリコにする苗可秀。
これを許さなかったのはボスの宗華。
寝室に連れ込むと犯そうと襲い掛かる。が、
苗可秀が無意識に劉永の名前を叫んだことで宗華は強姦中止。
その後、苗可秀は宗華の暗殺を企むが交わされ、地下牢に監禁される。

やっとこさ苗可秀の許婚である劉永が登場。
友人の凌雲が死んだということで、事の真相を探りに来たのだった。
凌雲を死に追い込んだ宗華は幼馴染の劉永を表向きは歓迎、
内心は
「どのように殺してやろうか」
それしか考えてない様子。

宗華と劉永が会食。
バイタテクニックで地下牢から抜け出して来た苗可秀が裏から眺める。
やはりこの会食に罠があり、

宗華vs劉永!
しかししかし、
このラストにまたまた驚愕の大どんでん返しが潜んでいようとは!!

終劇




この映画を単なる復讐劇で終わらせたくないという
原作者と脚本家の何というか執念というものまで感じさせるような驚きの結末である。
始まった途端に宗華の罠が始まっていて、
正義の味方かと思われた宗華が実はとんでもない鬼畜、
中盤で全ての苗可秀ストーリーが罠だったというだけでかなり衝撃なのだが、
後半は不謹慎ながら余計な登場人物も死んでよりわかりやすくなったのに物語は目まぐるしく変化し、
そのひねりまくった物語はむしろジェットコースターに乗っているように痛快である。

まず誰でも目につくのは当然苗可秀さんで、
田舎娘から風呂シーンからウブな濡れ場からアバズレからまさに八面六臂。
功夫映画の出演ばかりで女優としての演技力を発揮できないでいた、苗可秀さんの面目役如といって良いだろう。
そして苗可秀ファンである人は絶対に観なければいけない作品だろう。

また述べたように元彪はじめ、絡み役でも知ってる顔がチラホラ。
上記以外でも賭博場で単なるディーラー役で作品に全く絡まない馮敬文のおっちゃんや、
撃たれて死ぬ一瞬のアップですぐわかる宋錦成など(このシーンは笑った)、
有名人見つけた!ゲームとしてもなかなか楽しめる作品である。

必要以上におっぱいや流血シーンが多いのはこの時代のご愛嬌だろう。
それを差し引いても本作はなかなかの傑作であった。
こういう作品見つけるのが楽しいんだよなぁ。

■CAST&STAFF
監督 華山(ファ・シャン)
出演 苗可秀(ノラ・ミャオ)
宗華
劉永(トニー・リュウ)
凌雲
林才
王清河
麥華英
強漢
金露
睦劍明
王龍威
林輝煌
・森
樊梅生(フォン・メイサン)
韋弘
邵音音
李行
陳灌
華狄斯
〔赤?〕履仁
西瓜〔包リ〕
馮敬文
元奎(コーリー・ユアン)
元彪(ユン・ピョウ)
宋錦成
袁日初(サイモン・ユアンJr.)?
袁和平(ユアン・ウーピン)?
武術指導 袁祥仁(ユアン・チョンヤン)
袁大眠
脚本 李榮章
原作 古龍(クー・ロン)
音楽 陳永煌
製作 邵仁牧(ランミー・ショウ)
制作年度 1977

 
 
 
 
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