長輩
My Young Auntie
レディークンフー激闘拳
■
これも本当に約20年も待ち焦がれた作品(いや凄い年数ですな)。
第1回香港金馬最優秀主演女優賞受賞。
それがさらに見たい度を上げてくれたのだが、なんてったって受賞したのは我が功夫アイドル・惠英紅(ベティ・ウェイ)なわけで、それも功夫片での受賞となれば自ずと期待も高まるというもの。さらに、長い間未開発部分であった劉家良(リャン・チャーリャン)の絶頂期作品の1つであることも胸躍らせる要因で、まぁとにかく欲しいぞ欲しいぞとずっと思っていた作品なのだ。
・・・期待にそぐわぬ出来でしたねバッチリ。
それでは流れ。
■流れ(推測入ります)
名家の大金持ちの爺ちゃんが死にかけの感じ。
後妻(?)であると思われる惠英紅(ベティ・ウェイ)はその大金持ち爺ちゃんの後を継いで、当主となることに。
爺ちゃんの息子たちである4兄弟のうち、3番目の息子・王龍威は
「俺が当主になるつもりだったのに!!」
ということで気に喰わない。
危険を察したのかどうかはわかんないけど、とにかく惠英紅は王龍威の下を離れ、海を渡る。
代々この名家に仕えてきた親戚の(と思われる)劉家良(リャン・チャーリャン)家、は、
「大旦那様の奥様がやって来る!?」
と大慌て。
船着場に奥様を迎えに行ったが、まさか自分よりずっとずっと若いギャル・惠英紅が奥様だとは思わず、すれ違い。
ここにチンピラが絡んできて早速若奥様、大暴れ。
めちゃくちゃ強い奥様
「私は当主!しっかりやってもらいます!」
と、惠英紅様はお堅い感じ。
こういったシチュエーションに萌える私は実にナイスなキャラクター。
またこれを邪魔する奴が現れるんですな。
実は惠英紅と一緒の船だった劉家良の息子であるチャーリーこと小候が仲間と帰郷。
「親父をびっくりさせたい」
というわけで、こっそり親父の部屋に忍び込むがそこにいたのは薄着の惠英紅!
当然大暴れ!
後に惠英紅が自分の大叔母様だったことがわかり、素直に罰を受ける小候であったが、父・劉家良とひっそりこの罰を上手くやり過ごす。つまり全く懲りてないわけ。
「買い物に行くわよ!」
大叔母様・惠英紅はおニュー(古い表現だなぁ)の着物が欲しいらしい。金は幾らでも持ってるもんね。
街で新しい口紅や衣装に見とれて惠英紅は無我夢中。
暇なお付きの小候は待ちぼうけ。
洋服に見とれた惠英紅はそのまま買っちゃったり着ちゃったり 。
ほんでもってケンカ。
いやはや実に血の気の多い大叔母様です。
すぐ側には惠英紅を亡き者にして当主の座を虎視眈々と狙う王龍威の息子たちが目を光らせているというに。
完全アメリカかぶれで広東語の途中で英語を挟み込んで話すはっきり言ってうざい小候くん。
彼にとっては自分と同年代で美人の大叔母様の存在が面白くてたまらない。さらにはその大叔母様が古式を重んじる方だからなおさら。
友人の劉家輝(リュー・チャーフィ)らに手伝ってもらい、なんとか仮装パーティに連れ出したい小候くん。
見事、大叔母様は挑発されて仮装パーティに参加。
仮装パーティではジュリエットの格好する惠英紅。
パーティでは小候の友達のフリして惠英紅を狙う王龍威の息子や部下達が三銃士に扮して待ち受けていた。
三銃士vsジュリエット
惠英紅は、
「これもダンスだというの!?」
とバトルしてんだかダンスしてんだかわかんないままファイト。
して警察にご厄介へ。
これを父・劉家良が釈明釈放にこぎつけるため署に行ったのだが、これこそが罠。
この間に当主の証明である首飾り(?)が劉家が盗まれてしまったのだ。犯人は当然王龍威の手下。
というわけで、王龍威に潜入。
明らかに殺そうとしているトラップをくぐりぬけた後に
小候vs権永文
惠英紅vs唐偉成(ウィルソン・タン)
なバトルが楽しめるのだが、王龍威の策略により捕まってしまう惠英紅さん。
伝え聞いた劉家良は残りの兄弟である曹達華(チョウ・ダッワー)らとの協力を得て、王龍威屋敷に乗り込んでゆくのだが・・・!
終劇
■
というわけでラストバトルの美味しいところは全部劉家良師匠が持っていってしまい、王龍威vs惠英紅が見られないところは残念なところであるが、この作品で残念なのはそこだけ。
非常にユニークな作品だなぁ。
時代は西洋化の流れ。
古式がどんどん廃れていき、その混沌と困惑の中で悲喜こもごもと生きる人たち。
これが徐克(ツイ・ハーク)作品ならば「ワンチャイなんとか」になっていくんだろうが、この映画はその部分を極めて明るく捉えている。要は気の持ちよう、これこそたくましく生きる香港人の活力が伝わってくるではないか。
という時代をバックにおいて、
我が功夫アイドル惠英紅が、古風な女性から「絶不低頭」
の苗可秀(ノラ・ミャオ)さんのようなセクシーチャイナドレスも着こなし(着こなしてなかったのだが)てセクシーファイトもあり、ジュリエットに扮してソードバトルを繰り広げたら、今度は薄化粧の戦闘服で戦ってくれたりと言う事無し。
また古式の惠英紅vsアメリカナイズの小候のケチな小競り合いが非常に楽しく、翻弄されてる時の惠英紅がごっつ可愛い。惠英紅迷は迷わず買い。
また小候の方もいちいち英語がうっとうしいが、彼が悪さしすぎる
「新少林寺三十六房」よりも感じが良く、彼自身としても代表作の1つと言っていいだろう。その功夫レベルの高さはお墨付きで素晴らしい。
さらに私のような功夫映画依存症の人間にとっては
"功夫バトルが良かったからまぁいいや"
って思う傾向にあるものなのだが、この映画は余計な血も出ずに単なる仇討ちとか復讐に終わらず、その上でキチンと激しいバトルシーンも構築できているってことで、脚本も結構良いものがある。全体的に明るく楽しいってところが良いやね。ゲスト出演の劉家輝(リュー・チャーフィ)が梅艶芳(アニタ・ムイ)さんが
「奇蹟」で唄った「Rose
Rose I Love You」の広東語版をギター弾きながら歌ってくれたりするんですよ
まぁ平たく言やぁ
"ドラマ、アクション、惠英紅可愛い"
このバランスが上手く取れているってわけですわ。
特にドラマ部分が疎かにされることの多い、功夫映画というジャンルの中でドラマ部分も良かったってのは大きいっす。
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■CAST&STAFF |
監督 |
劉家良(リャン・チャーリャン) |
出演 |
惠英紅(ベティ・ウェイ) |
劉家良(リャン・チャーリャン) |
小候 |
王龍威 |
唐偉成(ウィルソン・タン) |
権永文 |
曹達華(チョウ・ダッワー) |
劉家輝(リュー・チャーフィ) |
元コ(ユン・テイ) |
麥コ羅 |
京柱 |
林輝煌 |
王沙 |
矯冬瓜 |
神仙 |
王清河 |
黄枚景 |
秦山 |
劉秋生 |
武術指導 |
劉家良(リャン・チャーリャン) |
京柱 |
小候 |
脚本 |
劉家良(リャン・チャーリャン) |
李秦亭 |
音楽 |
王居仁(エディ・ワン) |
製作 |
邵逸夫(ランラン・ショウ) |
方逸華(モナ・フォン) |
制作年度 |
1980 |
Kill Bill
キル・ビル
■
さぁはっきり言って私が尻尾巻いて逃げ出したような映画がこれだ。
僕にこの映画をどうこう言う資格はない・・・のかなぁ、いやあのね完全に好みの問題でしてね、一言で言うと特にVol.1に関しては
"二度と見たくない"
って感じなのよ(二回見たけど)。
なぜかって言うとね、
「怖いの」
やっぱ怖いのダメや。僕怖い。
もう肉がブシャブシャしつこくブシャブシャ「もういいよ」って思ってるのに肉がブシャブシャブシャブシャだんだん気持悪くなってきたっす、おえーっ
・・やっぱ言う資格ないかな・・・こっそり言おうっと(そんなわきゃいかんが)
■こっそり
改めて色々な感想を読みましたよ、この映画については。
他のここで紹介してる映画ってどこのサイト探しても感想なんか載っとりゃせん映画ばっかりやからね。だからあれなんですよ、ほんと、このHPに載ってる作品の感想をもっと頂きたいッス。意見の相違があってこそ作品への考察も深まれば、交友も深まりますしね。平和的な論議で語り合いたいところです。
で、この映画の他の方の感想ですがほんとにパックリ別れてる感じですね、5:5で賛否って感じで。
で、私の意見としてはやっぱり否ですね。
なにがって言うとそのなんちゅうか、これ
「デッドヒート」なんですよジャッキーで言えば。
"誰用?"
って感じがするのね。誰用?
自分が好きだった映画を一杯詰め込んで、かつそれだけじゃ勿論いけないから、タランティーノがタランティーノであるエンターテイメントをしっかり持たせた、ってわけでしょ?だからタランティーノファンにしてみれば、
「タランティーノ作品にはなってるなぁ」
になるでしょう、まぁ9割方。
「デッドヒート」も同じよ、ジャッキーの好きな車のことを一杯詰め込んで、それだけじゃダメだからいつものジャッキーアクションを加味させて、ジャッキー印の作品の水準を何とか保った(本人はこの映画は失敗だったと理解しているようです)。だから、例えつまんなくとも
「ジャッキーの映画ではあるけどなぁ」
にはなるわけ。その点でこっちの「Kill Bill」の方がその水準が高い、でもそれだけのことに感じるなぁ・・・だってねと下に続く。
■アクション
そんなに良かったかなぁ。まずここ。
「クン・パオ!燃えよ鉄拳」でも言ったんだけど、自分の好きなカンフームービーってのに挑戦するのなら、そしてタランティーノ監督ってもんであれば、
"さらにもっと出来へんもんかな"
って贅沢言いたくなるなぁ、
「人材もいないのに、そんなの無理やん」
って思いもあるんだけど、やっぱり挑戦して欲しいのよ、絶頂期の香港功夫映画というものにどこまで近づけるかに。
個人的にはその辺の欲求は満たされなかったな。別にショーブラのオープニングが入ってようとパイ・メイが出てこようと面白いとは思えんかったし、笑いもせんかったよ。
つまり、別に功夫映画好きが観たところでそんなにどうだっちゅうことないじゃん。
日本映画好き!
この人に聞きたいですね昔の邦画好きの方に。
その邦画欲は満たされたのかって聞きたいです。私はVol.1で服部半蔵が持ち上げられといて、Vol.2の劉家輝(リュー・チャーフィ)にボロクソ言われるのも気に食わなかったし、邦画の真似事してるから何だっていうのもようわからんかったな。ルーシー・リューと國村隼とのやり取りも昔の名邦画というよりは大槻ケンヂ主演の「空想科学任侠伝 極道忍者ドス竜」(倉田プロ出身の松井哲也も出てるアクション映画で、原作永井豪ということもあってこちらもゲロゲロブシャブシャな映画)での古谷一行と安岡力也のやり取りみたいな印象(こちらも生首登場)、つまりはつまんないB級の感触しか受けなかったし、それを狙って果たして面白いのか、それにどれだけ近づいているのか・・・うむむ。
ちーちゃん(栗山千明)が
「バトル・ロワイヤル」っぽく「片腕カンフー対空飛ぶギロチン」の武器持って登場するのがそんなに嬉しいことなのかなぁ・・・
■なので
キャラクターは立ってると思いますよ。
ルーシー扮するオーレンなんかアニメまで作ってバックボーン描いてるし、サーマンも子供にシリアル作りたい奥様も立ってます。
だけどこの映画、功夫好きには物足らない、邦画好きには?がついて、結局「誰に向けて作ってるの?」って感じが強く残るの。元からの自分のファンに納得してもらうためのある程度の演出をした後は自分だけ楽しんでいるということ?
それじゃあタランティーノ自身はショーブラや他の数々の傑作功夫映画、そして邦画を見てきたあなた自身は楽しめた?満足のいくものなの?
そもそもこういうことを思ったのは、Vol.2に出てくるパイ・メイこと白眉道人のモデルである作品
「続・少林虎鶴拳 邪教逆襲」の影響が強いんですよ。あの映画は羅烈(ロー・リエ)という役者としてはベテランでも監督としては決して小慣れているとは言えない人で、新人に近い監督の作品でありながら、
「功夫映画好きはこれが観たいんだろ?ほらほら!」
って感じで、あまりにもピンポイントなの。誰用?迷うことなく功夫映画好き用ってところで。その辺がムチャクチャ素直。普通、自分が監督となりゃあ「あれもこれも」とやりたがってマスターベーションに陥ることが多いのに、
「功夫映画好きな人にどうぞ!」
って感じの迷いない功夫映画好きへのサービス精神が見事なの。1も2も無く功夫好きは間違いなく満足するよ、この映画は。でも功夫映画が嫌いな人だって一杯いるからさぁ、そんな人にとってみれば話は単純、後は功夫だけかよって感じで一気に駄作に陥りかねない作品なのよ。
本作はどれもこれも自分には中途半端な印象を受けたなぁ、先の「クン・パオ!燃えよ鉄拳」の方が難はあってもやりたいこととしてはよっぽど素直で直結で好感だと思うけどなぁ。
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ここからはVol.2の感想。
こう言えばもっとわかってもらえるかな、
「功夫の少ないこっちの方が面白かった」
ここまで功夫映画集めてレビューしてる奴がそう感じてるっす。
ぶっちゃけるけど、
どうせ大して出来ちゃいない功夫なんかスプラッタ表現も激しく見せられるぐらいだったら、そんなもん無くていい、監督自身の元もとの表現だけで見れればいいそのつもりで見るから。
ただ俺も間違いと自覚してることはある。
張徹(チャン・ツェー)だって、他の武侠片とかだって、残酷表現の多い香港ものは実に多いよ、それが流行ってたんだから。それをタランティーノがやってるというのに、そっちだけ責めるのはおかしいんじゃないの?って自分でもそう思う。だけど、昔の香港映画の残酷表現なんてさぁ・・・怖くないのよね、別に。本作は技術の発展した現代の映画ですからもうリアルなので同じコトやられると怖いっす。
さぁそんな腰抜けの感想ですが、
こっちは良いなぁ、ゴタクたくさん良い演技たくさん良いキャラクターたくさん、マイケル・マドセンが個人的には良かったけど余りに呆気ない幕切れでしたねぇ。ダリル・ハンナ扮するエル・ドライバーの最期は
「少林寺
怒りの鉄拳」のラストみたいですねぇ、ここで場と合っていない軽いチャイニーズBGMでも流せば完璧でした。
セリフが多すぎるきらいがあって、少し疲れましたけどそれでもクライマックスのデヴィッド・キャラダインの小話とか聞き入っちゃいましたね。Vol.1見ないとようわからんだろうから、これだけってことにはならないけどね。
劉家輝(リュー・チャーフィ)扮するパイ・メイ(白眉道人)とのやり取りはあれですよ、タランティーノの夢を1つ叶えたってとこでしょう。
「スウォーズマン
女神復活の章」のレビューでやってますよ、私も。東方不敗の人生相談ってのを。こういう想像して楽しいものの究極の発展でしょ。
「東方不敗とのデートで昼飯がマクドだったら殺される」
「白眉道人に口答えしたら目をくり貫かれる」
こういう想像をタランティーノは本当に映像化しちゃったんですねぇ。
この映画で一番凄いことはあれですよ、
こういった映画なのにまるでオシャレ映画のように広報できてしまう話題を作ってしまうハリウッド広報の力ですよ。
よくもわからずに流行りものだからと観に行った人も多いでしょう。
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■CAST&STAFF |
Vol.1
監督・脚本 |
クエンティン・タランティーノ |
出演 |
ユア・サーマン |
デヴィッド・キャラダイン |
ダリル・ハンナ |
ルーシー・リュー |
千葉真一 |
栗山千明 |
ヴィヴィカ・A・フォックス |
劉家輝(リュー・チャーフィ) |
ジュリー・ドレフュス |
マイケル・マドセン |
マイケル・パークス |
麿赤兒 |
國村隼 |
北村一輝 |
田中要次 |
風祭ゆき |
大葉健二 |
シャナ・スタイン |
ボー・スヴェンソン |
マイケル・ジェイ・ホワイト |
武術指導 |
袁和平(ユアン・ウーピン) |
音楽 |
RZA |
ラーズ・ウルリッヒ |
製作 |
ローレンス・ベンダー |
クエンティン・タランティーノ |
製作総指揮 |
E・ベネット・ウォルシュ |
ハーヴェイ・ワインスタイン |
ボブ・ワインスタイン |
制作年度 |
2003 |
Vol.2
監督・脚本 |
クエンティン・タランティーノ |
出演 |
ユア・サーマン |
デヴィッド・キャラダイン |
ダリル・ハンナ |
マイケル・マドセン |
劉家輝(リュー・チャーフィ) |
マイケル・パークス |
サミュエル・L・ジャクソン |
パーラ・ヘイニー=ジャーディン |
ボー・スヴェンソン |
ラリー・ビショップ |
シド・ヘイグ |
音楽 |
RZA |
ラーズ・ウルリッヒ |
製作 |
ローレンス・ベンダー |
クエンティン・タランティーノ |
製作総指揮 |
E・ベネット・ウォルシュ |
ハーヴェイ・ワインスタイン |
ボブ・ワインスタイン |
制作年度 |
2003 |
漂亮媽媽
Breaking the Silence
きれいなおかあさん
■
自分でやっといて「Kill Bill」の次がこの作品ってのも凄い展開ですな。血がでろでろどろどろぶしゃぶしゃの復讐劇から今度は大陸で1人頑張るお母さんの姿ですよ。
■流れ
鞏俐(コン・リー)は聴覚障害児の息子、カオ・シンの母。
その辺の兼ね合いで関係がもつれた旦那とは既に離婚。
鞏俐は
「1人でもこの子を立派に育ててみせる!」
と躍起になっていた。
何とか学校に入れさせて、ちゃんとした教育を受けたさせたいのだが、息子が試験に落選。
「働いていては子供に言葉を教える暇が無い」
ということで、収入よりも子供を選び、新聞配達や友人の斡旋で無許可屋台のバイトなどをこなす。
そんな時、カオ・シンがよその子供とのケンカから大事な大事な補聴器を無くしてしまう。もうそんな高価なものを買う金など無いというのに。
補聴器代も兼ねて必死で働くお母さん。
しかし世間の風は実に冷たい。
学校もなかなか息子を受け入れてくれず、自分をメイドとして快く受け入れてくれたタバコ屋の旦那もスケベ目的に過ぎなかった。
真から優しく接してくれるのは学校の一先生だけ。
「なんで私だけこんな辛い思いをしなくちゃいけないの」
一時は全てに空しさと絶望を感じる鞏俐だったが、
いとおしき息子を抱きしめ明日も強く生きていこうと心に決めるのであった。
終劇
■
登場する町の人たちの冷たい感じが
「あの子を探して」に似てるのよね。同じ中国だから当たり前だけど、みんなの冷たいこと冷たいこと。
鞏俐(コン・リー)という今でも西太后役など軽くこなして見せるだろう大女優が、当たり前のように貧乏な母ちゃん役を演じきり、その幅の広さが半端じゃないところが凄い。
個人的にグッと来るシーンは、彼女が一時的にお母さんという役柄を演じていることに絶望を感じて逃げ出そうとするが、息子を見てやはり自分は母なのだと再覚するところ。
また例によって
「タレントを子役と動物が喰う」
とはよくいったものでカオ・シン君の素直な演技も見もの。
個人的には泣けるといったほどではないが、テンポも悪くなく見れる良い作品と言ったところかな。ラストについてはあれ以外に表現のしようがないかもね。
|
■CAST&STAFF |
監督・脚本 |
スン・チョウ |
出演 |
鞏俐(コン・リー) |
カオ・シン |
シー・ジンミン |
リュ・リーピン |
ユエ・シウチン |
ダー・ホー |
リン・チン |
脚本 |
リュウ・ホン |
スン・チョウ |
シャオ・シャオリー |
音楽 |
チャオ・チーピン |
制作年度 |
2001 |
雪嶺劍女
Vengeance of Snow-Maid
Vengeance of a Snow Girl
■
さて、こういう作品も紹介していくのが当HPらしいところ。
全く陽の当たっていない作品を紹介するということは、
「この作品詳しく紹介してるの俺だけ(in JAPAN)」
ってな自己満足に繋がるからだ。
とはいっても、こういう無名の作品でそれが面白かったら筆もスイスイと進むというものだが、全然ダメだった場合・・・まぁ高い確率で全然ダメなんですが、何を書けばいいものか・・・書くこと全く思いつかないや・・・じゃあ書かなきゃいいじゃん、いや!それでも書きたい!となるわけです。淀川長治さんが、
「どんな映画でも1つはチャームポイントがある」
と仰ったように、確かにどんな映画でも面白いと思えるポイントはある・・・・・・・・・・と、ということにして楽しんだ方が、瞬時に判断しちゃって
「これつまんねー、ぽいっ」
よりもよほど楽しいというものだ。
なかにはまっっっっっったく面白くない映画から無理やりひねり出すようにチャームポイントを引き出さざるを得ないこともあるんやけどね。呂小龍(ブルース・リ)の「達磨鐵指功」なんかはその典型的な例です。
さてさて、
ほんでもって今回の作品ですがこれは結構簡単にチャームポイントを見つけられたぞ・・・というか、それが無かったらどうなるんだって気もするのですが。
■流れ
敵対する剣士によって傷ついた身重の女剣士。
雪山深くの気持ちわるーいババァの所に匿われます。
この隠れ家で女剣士は出産するのですが、手負いの傷と出産が重なり、そのまま死去。
10数年後。
なぜか化粧してたりして
その雪ババァの下で功夫の修行をする女剣士の忘れ形見である娘・甄珍。
なぜ雪ババァが功夫の達人なのかはようわからんが、とにかくそこでメキメキと腕を上げておりました。
しかし、
「っていうか私は誰?なぜ雪山?親はどこ?」
ということで雪ババァに詰問を。
真相を聞かされた甄珍は死んだ母の墓前で悲しみに暮れ、そして仇討ちを決意するのでした。
さっそく下山して町に行く甄珍。
強姦されそうになる町娘を助けます。
さらには客棧でも強そうな鈍ら坊主を軽くひねり上げ、いつしか彼女は"雪女"と呼ばれる身に。
客棧には、病弱な娘を腕の良い医者に看てもらうために旅をする一行が。
"雪女"はひょんなことからこの一行が自分の両親と関わりがあることを知り、
おてんば雪女さまっ
そしてこの一行の誰かが母を死に追いやった憎き相手だと推測し、戦いに臨みます。
その戦いをのらりくらり交わす相手の剣士・武家麒。
しかし、この物語。
あっさりした復讐劇ではないのでありました。
闘うことによって、一つ一つ明かされていく"雪女"甄珍の出生の謎、両親の謎、そして一行の目的・・・
物語は武家麒との対決を迎えてクライマックスへ!
終劇
■
個人的に見事に知っている人が出ていない映画である。
物語は冒頭の母が戦うシーンが勝ったんだか負けたんだかようわからん曖昧なものにしてあるのが事の発端で、仇討ち目的で旅立った何も知らない雪女が、旅をする一行と戦いを重ねることで自分の素性を少しずつ知っていくという単なる復讐じゃないところが良い・・・・と思うのだが、如何せんまぁ80%ぐらいしか理解していない俺がいたりなんかもする。
また、タイトルに雪嶺が入っているのに雪山が登場するのは冒頭だけで、後はどう考えても雪山とは関係無いところでロケしてるのが不満。全然雪じゃないじゃん。
主演の甄珍さんは丁善璽(ティン・シャンシ)監督の「百萬新娘」や胡金銓(キン・フー)も参加したオムニバス映画「喜怒哀楽」、李翰祥(リー・ハンシャン)監督の「騙術奇〔言標〕」などに出演している女優さんですが、どれも未見。今回が私、初見でございます。
まぁここまでの画像とコメントで察しが付きますが、この映画のチャームポイントはその甄珍さんの可愛さ美しさにあります。
とてもお美しゅうございます
美しさはスクリーンの上で永遠ですね。
彼女の他の出演作品も観たくなりました。
持っている武器からして明らかに
「大醉侠」の"金燕子"鄭佩佩(チェン・ペイペイ)を真似ているのですが、この当時にしてみれば殺陣もなかなかスピーディで結構頑張ってる方かなと思います。武術指導・白鷹となっていますが、これが役者の白鷹(パイ・イン)のことなのかどうかは不明です。
ウリは甄珍さんの美しさ!
今回のチャームポイントは簡単だったなぁ・・・
ああ、でも私の下にはチャームポイントを見つけてくれと待っている無名の作品がまだまだあったりして・・・
見つけられるかなぁ・・・
|
■CAST&STAFF |
監督・脚本 |
周旭江 |
出演 |
瓢珍 |
武家麒 |
曹健 |
魏蘇 |
鈕方雨 |
儀銘 |
陶述 |
明格 |
葛小寶 |
工官亮 |
姜條 |
林彬彬 |
王菲 |
張保夫 |
高少鵬 |
武術指導 |
白鷹 |
音楽 |
王居仁(エディ・ワン) |
製作 |
沈幼芳 |
制作年度 |
1970 |
掌門人
Lady is the Boss
■
はっはっは!
だめだな、こりゃ。
作品がダメなんじゃなくて俺がどうせ
「惠英紅(ベティ・ウェイ)大好きー!」
になるだけだわ。ロクなレビューにはならんな。
本作を観た感想として
「そんなことしていいのか」
って気になったのがまず第一。
そんなことしてもいいわな・・・面白きゃ。
さてさて・・・
■流れ
「道路作るのに邪魔だからどいて」
現代の香港にある功夫道場。
弟子も5人しかいないじゃんということで、立ち退きを迫られていた。
それでアメリカに住む大師匠がやって来る。
道場の師範である劉家良(リュー・チャーリャン)、兄弟子の谷峰(クー・フェン)、なぜか馮敬文のおっちゃん、
そして弟子5人、
劉家輝(リュー・チャーフィ)、
汪禹(ワン・ユー)、小候、張展鵬、麥コ羅。
彼らが空港に大師匠を迎えに。
・・・・・・大師匠来ねぇ・・・・・・
と、そこに現れたのはハイカラな洋服着たオネータン。
なんとこのオネータンこそが大師匠の娘で助っ人にやって来たのだった!
「私が当主デース!従ってもらいマース!」
と、惠英紅様はアメリカナイズな感じ。
でもアメリカナイズということで上下関係が若干緩く、弟子にとっては良い感じ。
旧態依然の精神が染み付いている劉家良師範は困惑気味。
早朝練習。
師範の厳しい基本訓練・・・!!!!
と、思ったら
その背後に惠英紅ヌードチックなシルエットがーー!!
師範がいなくてこの状況なのでとても練習に身が入らない弟子5人。誰だって入らん。
って、勿論ヌードじゃなかったのだが
タンクトップだったー!!
惠英紅迷にとってはこれでも相当のお宝だー!!
下品になるので書かないがとにかくバッチシだ!!
あれですね。
自分の中にメーターってもんがあるんですよ。
あのあれ、欽ちゃんの仮装大賞に出てくる温情次第でどうとてもなるよな合格メーター。わかるよね?
かく観る映画によってそのメーターの上がり方ってもんはそりゃ違うし全然メーターが上がらないものもあれば、いきなり合格ラインに到達するものもあれば、後にコラムやら見直しやらして、1、2段ピョコピョコ上がるものもあればって感じで、本作にしてみれば
惠英紅登場 ブ(1段上がった音)
惠英紅衣装替え ブ
タンクトップ惠英紅 ブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブ!!合格ーーー!!
チャチャチャーーーーーチャチャッ!!
ってクライマックスに到達する前にいっちゃいました。
さらに
この姿でそのまま基本足構えアクションを披露してくれるのだ!
何を興奮しているのだ俺は!!
というわけで、臨界点が余りに早いのも困りものだ。
物語は続くというかこれからだ。
早速、アメリカナイズなカルロス・ゴーンな(違う違う)改革を始める惠英紅姫。まずは道場生集めだ。
Let's Go Dancin'!!in Disco!!
なんでやねん!!
惠英紅はこの辺でアーパーなギャルやいかれた兄ちゃんたちを勧誘。巧みな(?)英語と美貌によってあっと言う間に若者達をかき集めたが、他道場のチンピラ、林輝煌らと騒動も起こす。
「どないなっとんじゃ、こりゃ!!」
劉家良師範が道場に帰ってくると訳の判らぬ若者がウジャウジャ、その上弟子5人までもが感化されてアメリカナイズなファッションに身を包み、劉家良は激怒するものの事の発端は全て惠英紅様で反抗できず。
淋しく部屋に戻る背中が孤独を醸す。
「そんなことは関係ねーぜ!」
とガンガンいってる惠英紅様。ホリエモンを彷彿とさせる・・・ことは全く無いが人情の機微というものはあまり理解されてらっしゃらないようだ。
一方でその林輝煌がいた道場とは対立が深まる一方。
惠英紅自転車部隊を結成してのバイシクルアクションで大暴れ!
しかし結局は捕まってしまう惠英紅。
惠英紅プリンセス奪還を目指して、体育館で大バトル!
少なくとも、個人的な薦めだがこの作品を鑑賞する前に
「レディークンフー激闘拳(長輩)」
「少林寺三十六房」
「続少林寺三十六房」
「マッドクンフー猿拳(瘋猴)」
最低この4つは鑑賞しておくことを強くオススメする。
そうしないと勿体無い。
五毒vs劉家班!
冒頭ですでに合格メーターを使い果たしたこの映画ではあるが、このクライマックスin体育館が凄いのだ!
各々方々で戦って惠英紅姫も開放した後は
劉家輝vs五毒メンバーの孫健(スン・ジェン)!
すげーぜ!
さらに今回・・・っていつも凄いが小候がまた凄いのだ!
もう彼にしか出来ないようなスーパーアクロバティックアクション炸裂!!
やっぱり
シメはまたかよ劉家良vs王龍威!
じゃあもうほんとに全く同じじゃんかって感じじゃんじゃん。
終劇
■
「そんなことしていいのか」
例えば
「インファナル・アフェア」の次回作が、劉コ華(アンディ・ラウ)が潜入捜査官で梁朝偉(トニー・レオン)がサツに送り込まれたマフィアの物語になっているみたいなもんだ。
オチまで一緒じゃん!
というわけで、意図してこのレビューは上記の「長輩」と若干似せて書いてみた。だって同じだもん。
本作の制作は1983年。
功夫功夫で行けばOKの時代が終わりを告げ、そろそろ現代アクションでいかないとダメな雰囲気。
ライバルのサモハンやジャッキーはこの移り変わりに上手く対応し、ヒット作を連発する黄金時代に入っていくが逆に今回の劉家良、そして袁和平(ユアン・ウーピン)にとっては乗り遅れてしまって息苦しい過渡期となる。これは
「スウォーズマン
剣士列伝」が登場する1990年まで続く。劉家良は1986年に
「阿羅漢」をヒットさせたことは確かだが、明らかに相当な制作費と日数がかかっており外目から見ても儲けはイーブンの雰囲気がするし、第一これは現代アクションではなく彼得意の功夫映画である。
それもこれも本作が決してヒットしたとは言いがたい成績だったことが起因だったのかもしれない。
「長輩」のスクリプトをほぼそのまま現代に置き換えれば本作は完成する。出迎えに行くところから次のセクシーシーン、中盤の奇妙な戦いからクライマックスを劉家良が結局持っていき、オチまで一緒と何から何まで同じだ。
さらにはクライマックスが体育館ファイトになっているというところに、具体的にはスタジオからだが、功夫映画の箱から飛び出していけなかった印象が強く残る。
慣れない現代劇を撮るにあたって、新たに脚本のアイデアが浮かばなかったのではないかと思うし、昔のスクリプトを掘り起こすことで堅実に作ろうとして失敗したとも取れる。何にしろこれが「長輩」の後の彼の大作となれば、新鮮味に大きく欠けてしまうのは当然だわな。
だからこそ、時代と関係なくなった今観た方が本作は面白いのかもしれない。
惠英紅迷は自ずと必見だが、それ以外の人にもその体育館ファイトはオススメできる素晴らしい功夫アクション満載のシーンだ。 |
■CAST&STAFF |
監督 |
劉家良(リュー・チャーリャン) |
出演 |
惠英紅(ベティ・ウェイ) |
劉家良(リュー・チャーリャン) |
劉家輝(リュー・チャーフィ) |
汪禹(ワン・ユー) |
張展鵬 |
小候 |
麥コ羅 |
谷峰(クー・フェン) |
王龍威 |
孫健(スン・ジェン) |
龍天翔 |
林輝煌 |
馮敬文 |
岑潛波 |
武術指導 |
劉家良(リャン・チャーリャン) |
京柱 |
小候 |
脚本 |
劉家良(リャン・チャーリャン) |
李秦亭 |
黄抜景 |
音楽 |
蘇板厚 |
成錦榮 |
製作 |
方逸華(モナ・フォン) |
製作総指揮 |
邵逸夫(ランラン・ショウ) |
制作年度 |
1983 |
千年女妖
Chase from Beyond
チェイス・フロム・ビヨンド
■
まぁこのレビューをやるということで、1つここはどんなもんなのか軽く調べてみた。
王祖賢(ジョイ・ウォン)の当たり役と言えば、やはり女幽霊やくである。その次に多いのが幽霊じゃないけどバケモノ扱いされる役(つまりは同じか)、その辺がどのくらいあるものなのか。その系統の作品を挙げてみた。
「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」が1987年、そして
「ジョイ・ウォンのゴースト・ラブ・ストーリー」('88)
「ジョイ・ウォンの霊界伝説」('89)
「ジョイ・ウォンの リインカーネーション」('89)
「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー2」('90)
「ジョイ・ウォンの幽女伝説」('90)
「ジョイ・ウォンの紅い愛の伝説」('90)
「サンダーボルト/如来神掌」('90)
「チェイス・フロム・ビヨンド」('90)
「チャイニーズ・レジェンド/魔界英雄伝説」('91)
「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー3」('91)
「ジョイ・ウォンの時空伝説」('91)
「ジョイ・ウォンの妖女伝説」('92)
「ジョイ・ウォンの魔界伝説」('92)
「青蛇転生」('93)
「ジョイ・ウォンの聖女伝説」('93)
たった6年間に実に16作もの同じような作品に出演しているのだ。
・・・いやはや。
最早、題名が似通っていてどれがどれやら思い出せませんや。レビューに無い作品の半分は観てるのですが、もうどれがどれやら頭の中ぐっちゃぐちゃですわ。しかも
「面白かったなぁ」
って感想がほとんど出てこない。まぁ私自身が女幽霊モノってジャンルに大した興味が無いってのもあるんですが。
それにしてもしかしですな、
こうしてまた彼女の主演作をレビューしておりますように、私の趣味である"中古ビデオ屋まわり"をするとですな、やたら引っ掛かってしまうのが彼女の主演作と劉コ華(アンディ・ラウ)の主演作なんですね、この2人は出演作が多い上に日本でリリースされた数も非常に多いですから、中古屋にやたら出回るんですよ。ジャッキーよりよっぽど多いよいらんよ、ほんとにもう。
■流れ
魔界の魔女・林建明(リン・チェンミン)と、人間界の道士・谷峰(クー・フェン)が決戦。
谷峰の弟子である姉妹、王祖賢(ジョイ・ウォン)と葉蘊儀(グロリア・イップ)が応援に向うが間に合わず、谷峰は倒されてしまう。続いて魔女vs姉妹。
戦いの焦点は地獄魔玉と太陽魔玉という玉の奪い合いに集まる。葉蘊儀が身を挺して(氷漬け)王祖賢を逃がすと、王祖賢は未来の世界へ太陽魔玉を捜しにタイムスリップ。続いてチェイス・フロム・ビヨンド、魔女もその後を追って未来にタイムスリップした。
時は現代。
腕利きの刑事・張學友(ジャッキー・チュン)は今日も事件を解決し、モテモテで部下からは厚い信頼を受けていた。
そんな彼のもとに迷い込んだ謎の美人、というか王祖賢に張學友は一目惚れ。自分の家に匿ってやることにする。
部下の許志安は不審な上司の張學友が
「幽霊に憑依されているのでは?」
と疑って、師匠である霊媒師の小候に相談。
すったもんだの末に、魔女との戦いが始まり、
遥か昔と未来で魔玉を争う壮絶な戦いが始まるのだが。
終劇
■
まぁだいたいこんな感じで、皆様が頭に思いつく予想通りの画が出てきます。
王祖賢と張學友との時を越えた結婚まで全然いかない切ない恋愛に、張學友自身が熱唱する主題歌が盛り上げる・・・ってんだけど、余りにベタベタやし、まぁこういった展開は監督の腕次第で良くも悪くもなるものだが大した感情移入が出来なかったのが正直なところか。
アクションについてはまぁほとんど自分では演じてないのだが、ワイヤーアクションはなかなか頑張っている。
残念なのは小候が大したことないってとこか。
翻ってこんなところに注目する香港映画迷は李小龍(ブルース・リー)を第1世代というならば、僕のようなジャッキーから始まっている第2世代っていうのかな、その辺のごく一部しかいないと思うが、どうしても注目しちゃうのは強敵の魔女を演じているのが
林建明(リン・チェンミン)だってところか。
ちなみに葉蘊儀(グロリア・イップ)は最初と最後のシーンしか出てません。
というわけで、今回も王祖賢の伝説は大したものじゃなかったのですが、中古屋によくあるのでまた他の伝説をレビューすることになるでしょう。
|
■CAST&STAFF |
監督 |
鄭永潮(エルビン・チェン) |
出演 |
王祖賢(ジョイ・ウォン) |
張學友(ジャッキー・チュン) |
葉蘊儀(グロリア・イップ) |
林建明(リン・チェンミン) |
谷峰(クー・フェン) |
許志安 |
小候 |
太極樂隊 |
劉玉〔女亭〕 |
司馬燕 |
羅青浩 |
曹達華(チョウ・ダッワー) |
譚倩紅 |
細亀 |
楊偉耀 |
脚本 |
譚偉成 |
製作 |
劉志和 |
鄭庭棟 |
製作総指揮 |
陳維智 |
制作年度 |
1990 |
赤裸特工
Naked Weapon
レディ・ウェポン
■
以前、友人がfromインドから
「凄い功夫映画を観た!」
と言って来たことがあったのだが、その作品がこれ。
まぁ逆にジャッキー世代の功夫映画を観ていて、その後特にワイヤーが駆使され始めてからの功夫ものを観てない人がこの映画をいきなり観たらそりゃあなかなか凄く感じることは理解できる。面白いでしょうね。
で、もう今回もいつもいつもですが感想というのはやはり個人的になるのですが、
「暗すぎてイヤ」
の一言で終わりにしたいような気分はある。
A級でもB級でも何級でも良いけどあんまり暗い映画は好きじゃないのよね。この映画はサディズムな人にオススメしたい。
製作・脚本は王晶(バリー・ウォン)。
・・・うん、実に彼らしい映画だ。本当に彼がせっせせっせと精力的に商業映画を送り出すその仕事ぶりはもうそのそこそこどれも一定に保たれた水準と膨大にリリースされる作品数のせいで尊敬するしかないよ、ほんまに。彼が関わった映画ってどれくらいあるのだろう、名前外してプロデュースしてる映画もあるって言うしさぁ。
■流れ
離れ小島に誘拐した少女一杯連れて来て、そこで訓練受けさせて一流の殺し屋に育てるという組織があった。
生きては出られない。
この島から生きて出るために仲間を殺し、生き残るしかないのだ。
壮絶な女同士の殺し合いが続く。
その果てに生き残ったのは李美〔王其〕(マギーQ)と安雅(アンヤ)そして李幸〔草止〕(ジュエル・リー)だけであった。
ボスの黄佩霞(アルメン・ウォン)に呼ばれて会食をしたが、媚薬が仕込まれており3人は陵辱されてしまう。
SEXも武器とするために。
島を出てから3人の殺し屋・レディウェポンたちの暗躍は続く。
彼女らを追っていたCIAの呉彦祖(ダニエル・ウー)はマギーQの母、鄭佩佩(チェン・ペイペイ)とコンタクトを取る事に成功するのだが、マギーQが情にほだされて裏切るのではないかと疑っていたジュエル・リーが鄭佩佩に襲い掛かる!
久しぶりに出会ったマギーQと鄭佩佩の親子。
かつては仲間だったジュエル・リーを殺し、再会を果たすのだが簡単には埋まらない溝が親子の間に出来ていた。
話はサクサク進む。
ボスの黄佩霞がマギーQを許しておくわけもなかったのだが、先に日本のヤクザ組織に黄佩霞は捕えられ惨殺される。
ヤクザ組織のボスは連凱(アンドリュー・リン)。
友人をレディウェポンに殺されて復讐の炎を燃やす連凱は続いて、マギーQを生死を共にした安雅を捕獲すると、マギーQの前で斬殺。
遂にはマギーQvs連凱のラストバトルが始まるのだが・・・
終劇
■
もの凄いB級感が漂う映画だなぁ。
いくらスタイリッシュにしたって誤魔化せんよそんなもんは。
本作製作の1年前に日本で流行ってた深作欣二作の
「バトル・ロワイアル」を上手いこと混ぜて、「ニキータ」足して王晶好みの可愛いギャル一杯出して、彼女達をSMチックにしごいて出来た作品という感じがする。
流石は彼の選択眼あって、主演のマギーQはじめ3人の殺し屋は皆さんおきれいでセクシーシーンもバッチリあって(だからなおさらB級に感じてしまうのだが)十分楽しめる。
勿論、程小東(チン・シウトン)の息のかかった功夫アクションなのでレベルは十分高く、その功夫は満足出来る迫力バトルであろう。とりわけ、流石にラストバトルだけは皆様にオススメしたい壮絶な死闘である。
何となく本作のマギーQと
「風雲!格闘王」の楊千〔女華〕(ミリアム・ヨン)が被る気がしてなんない。物語的にどっちが裏で表かようわからんが。
あのー
はっきり言うとあれですよ。
本作はアダルトでSMものとか借りてる人にオススメできます。
僕はアダルトでも(今さら借りませんけど)平和な作品が好きです。 |
■CAST&STAFF |
監督・動作設計 |
程小東(チン・シウトン) |
出演 |
李美〔王其〕(マギーQ) |
安雅(アンヤ) |
呉彦祖(ダニエル・ウー) |
李幸〔草止〕(ジュエル・リー) |
鄭佩佩(チェン・ペイペイ) |
黄佩霞(アルメン・ウォン) |
連凱(アンドリュー・リン) |
慮淑儀 |
黎駿 |
陳國新 |
脚本・製作 |
王晶(バリー・ウォン) |
音楽 |
陳嘉業 |
陳光榮 |
製作総指揮 |
荘澄 |
制作年度 |
2002 |
超級無敵追女仔
Love...Love
ビビアン&スーチーの恋する季節
■
ネタがいっぱいあるのになんでこれから先に観てるのかな、俺は。いっぱいあるから軽いやつから観てるのね。やっぱなんか大作!って感じの作品は観るのにも気合がいるからなぁ・・・この頃はネタが多いのは裏腹に色々と私生活がしんどいんですよ。1年にそういう時期ってのはどうしてもありますからね。
さてはて。
上のパッケージ写真を見れば一目瞭然。
"ウリはビビアンとスー・チーの水着!"
他に期待できるもの無し!
さてはてはてさて、本当にそうだったのかしら?
■流れ
優勝すれば人気女優も夢じゃない?
という感じの美女コンテストに出場することになったアバズレの舒淇(スー・チー)と占い好きの変な少女・徐若〔王宣〕(ビビアン・スー)、他数人。
一方で陳百祥(ナット・チャン)、葛民輝(エリック・コット)らのアホ3人組は回転寿司屋を経営していたが、これが上手くいかない感じ。
財閥のボンボンが立場が嫌になって、旅へと失踪。
この寿司屋に転がり込む。アホが1人増えたわけで。
美女コンテストのチラシを手にしたアホどもはコンテストに潜り込んで可愛いギャルをナンパしようと企んで直行。
かなりどうでも良いような、でもスー・チーとビビアンの水着姿だけは可愛いな、他のギャルはイマイチなんばっかりだなみたいなコンテスト前の水着披露会を乗り越えて、ここにやって来たアホ4人組はそれぞれをナンパ。
このアホ4人組がブサイクばっかりで、
「こんなんにビビアンやスー・チーが騙されるというのか!?」
と観てて思うが何故かどんどん騙されて、ナンパと言いながらも仲が深まっていくのですな、どうでもええけど。
邪魔なライバルのこちらもアホ男3人組の妨害を跳ね除けて、アホ組に入ってたボンボンは遂にスー・チーにプロポーズ。そんなこんなでコンテストが始まるのだが・・・
終劇
■
なんかさ、陳百祥のこういう感じのやつ今まで散々観たようなうんざりするほど目にしたような気がするんだけど、その上本作では製作総指揮・製作までこなしちゃって
「あんたそこまでしてこういうの続けたいのか!?いい歳して」
と言いたくなっちゃいますわ。
さてはてはてさて、本当にそうだったのかしら?
本当にそうでした。
水着の他に面白いポイントとしてはむしろカツラ姿がお馴染みになってきている羅家英(ロー・ガーイン)のコンテスト司会者ぶりかな(
「食神」を意識している感じです)。
後はやっぱりビビアンとスー・チーの水着・・・・
どちらかのファンであれば、観てもいいかも。
・・・って、ちょっと待ったぁ!
もう1人忘れてた。
もしこの人のファンというかチェッカーがいたら、この映画を忘れてるかもしれないぞ!
この人とはそう、
李健仁(リー・キンヤン)!!
シンチー作品で必ずオカマで登場する彼(彼女?)である!
李健仁こそがこの映画で最高だ!
冒頭からコンテスト出場者としてかなりさりげなく登場し、水着シーンでは危うく男とバレそうになるも機転を利かして回避、その後もずっと女としてコンテストの最後までいやがるといった感じで、大きな見せ場も無いのに最後までオカマずっとやってるのが凄い。さらにシンチー作品での汚いオカマ姿に比べてこっちではかなり綺麗にお化粧しているのがポイントだ!?
最近のシンチー作品では登場しなくなっただけに、
彼のチェッカーは是非!(さすがにいないか?) |
■CAST&STAFF |
監督・脚本 |
鄒凱光(マット・チョウ) |
出演 |
舒淇(スー・チー) |
徐若〔王宣〕(ビビアン・スー) |
陳百祥(ナット・チャン) |
葛民輝(エリック・コット) |
陶大宇 |
林暁峰 |
張彗儀 |
陳彦行 |
麥家h |
蘭茜 |
劉暁〔丹三〕 |
李健仁(リー・キンヤン) |
李兆基 |
張鴻安 |
駱達華 |
曹永渡 |
趙静儀 |
羅家英(ロー・ガーイン) |
葉廣儉 |
李力持(リー・リクチー) |
動作指導 |
ニ肥 |
音楽 |
羅堅 |
策劃 |
李兆基 |
製作 |
陳百祥(ナット・チャン) |
馬偉豪(ジョー・マ) |
製作総指揮 |
陳百祥(ナット・チャン) |
制作年度 |
1997 |
十面埋伏
House of Flying Daggers
LOVERS
■
いやぁさすがは張藝謀(チャン・イーモウ)監督、実に綺麗に撮れておりました期待通りの作品ですな、
「初恋の来た道2」
・・・・え?違うの!?
■流れ
時代は唐。
捕吏であった金城武は同じく劉コ華(アンディ・ラウ)から
「楼閣の売れっ子No.1が飛刀門かもしれない」
ということを聞いて楼閣に向う。
飛刀門とは反政府組織の最も巨大なもので、唐は先日、飛刀門の首領を倒したばかり。次期首領が誰かということ、そしてその謀殺、飛刀門の壊滅を狙う。
楼閣で楽しむ金城君。
早速No.1の盲目の踊り子・章子怡(チャン・ツィイー)を呼び出して、剣で服斬って拝見して踊らせて我慢できなくなって公の場でそのまま犯そうとする(青春大暴走ですな)。
勿論これは策略で後から来た劉コ華が
「こんなとこで不埒とはけしからん!」
と章子怡を連行しようとする。
舞を舞って劉コ華の機嫌を取るかに見えた章子怡、突如袖に剣を絡ませて劉コ華に襲い掛かる。やはり彼女は飛刀門の1人だったのだ。
投獄される章子怡。
劉コ華は彼女が盲目であることから
「首領の盲目の娘とは彼女のことではないのか?」
と疑いだし、章子怡をエサに現在の首領の存在とアジトを突き止めるために策を練る。
牢破りが現れる。
猛々しい足技で看守を倒したこの男は章子怡を連れて逃げる。
男の正体は金城君であった。
楼閣での初対面で捕吏であることをバラさなかった金城君は素浪人と身分詐称で章子怡と一緒に旅をする。
途中に次々と襲い掛かる唐の役人たち。
自分も本当は唐の役人であるのに仲間を斬り殺さなければ殺されてしまう状況に彼は苦悩する。
一方で騙しあいを続ける章子怡との間に確かな恋心が芽生え始めていた。
「本気になるな!」
泣きそうな顔して制止し、任務から降りることを許さない劉コ華を怪訝に思いながらも金城君は章子怡と旅を続け、遂には飛刀門の首領と会うことになるのだが・・・
終劇
■
書いてみてわかったけどこれ、主軸は金城君なんだねぇ・・・落馬して怪我してしまい、色んな意味で緩慢になったところが非常に残念なところ。
前作「英雄」との決定的違いはここにある。
"血が出てる"
これが不思議なことに「英雄」の方が大軍が戦い、斬り斬られが続く映画なのにちっとも流血しないのね。本作は血が出まくり、クライマックス大雪を赤に染めて闘うシーンとえらい違いである。
アクション的には「英雄」は李連杰(ジェット・リー)も甄子丹(ドニー・イェン)も出ていたということで、特にその面子のアクションにはどうやっても勝てないところがある、あるのだがトータルしてみた場合は私は本作の方が好き。湖面を非現実的に飛び回る姿にファンタジーを認識してもファンタジーを感じることは到底不可能なのだ。認識と感触は別物。そこに行くと本作はそこそこリアルに抑えられていて、CGを使ったアクションは大掛かりではなく小技なので小気味良く楽しめる部分がある。
ストーリーに於いては全く持って「LOVERS外伝」の様子から察する通り、迷いが出ている。
あんなにしつこく「本気になるな!」と言えば誰だって疑うだろうというのもあるけどその前に色んなところで矛盾の不始末を感じてしまう。矛盾があるのはいい、問題なのは矛盾があることではなく、矛盾があることを気にさせてしまうということなのだ。
あなたの大好きな作品を思い出してほしい。
その作品に矛盾は無かったか?
多分に高い可能性であったと思う。でも大好きなんでしょ?
そういうところで矛盾を大きく気にさせてしまうのはまずいのだ。
「英雄外伝」「LOVERS外伝」を見ていると張藝謀監督がとにかく一回でも観客に「おお!?」と思わせようと頑張っているのがよくわかる。でも今までの張藝謀作品はそういうところが魅力だったというのだろうか。得意とする人であっただろうか。
他の張藝謀作品は波の無い静かな湖に時に大きかったり小さかったりする波紋を投げ落とすように、静かに、しかし強く生きる人々の心の葛藤を描くことこそが魅力であったはずである。
それこそ
「あの子を探して」の中にこっそりと功夫があったりしても良いはずだ。武侠の世界といっても彼独自の内なる波乱を隠しつつも静かな江湖があってもいいはずだ・・・まぁ要は
「単騎、千里を走る」の演出で武侠片にしてみることは出来ないのかってこと。
本作の印象としてはやっぱりどうしても章子怡が来る。
章子怡が舞い、はだけて、舞い、汚れて、走って、笑って、エッチして、闘って、笑って、泣いて・・・
とにかく画面狭しと彼女の魅力だけが発散される。この映画は「初恋の来た道2」ではないのか、これは半分冗談ではない。
金城君も頑張ったし、劉コ華は流石の演技力を見せてくれたがやはりな。
しかし「LOVERS外伝」の章子怡と張藝謀とのやり取りを見ていると最早、ラブラブしているというよりその時期を越えて円熟期のカップルのような印象を受けますな(あくまで印象ですよ)。
他界されてしまったので梅艶芳(アニタ・ムイ)様を張藝謀(チャン・イーモウ)ワールドで見れなかったことが至極残念。
ああ、それにしても武侠映画ファンタジーの認識を植え付けさせるのではなく、触れて
「ああ、ファンタジー」
と感じさせてくれる、そんな映画を撮れちゃう監督ってのは胡金銓(キン・フー)監督以降もう出てこないのかねぇ・・・
|
■CAST&STAFF |
監督 |
張藝謀(チャン・イーモウ) |
出演 |
章子怡(チャン・ツィイー) |
金城武 |
劉コ華(アンディ・ラウ) |
動作指導 |
程小東(チン・シウトン) |
脚本 |
張藝謀(チャン・イーモウ) |
李馮(リー・フェン) |
王〔文武〕(ウォン・ビン) |
音楽 |
梅林茂 |
製作 |
江志強(ビル・コン) |
制作年度 |
2004 |
五嬌娃
Bruce and Kung-Fu Girls
■
これは凄い作品だ。
何と言ってもこの作品の何が凄いってさ、
「この映画どれぐらい楽しめるかでマニア度計れる」
って感じでさ、もうあれよ、とりあえず
身も蓋も無いこと言うのは一番最後にしましょうね。
ということで。
■流れ
謎の透明人間による強盗事件が発生。
警察は相手が透明人間だということでなす術無し。
こちらは屋内プールサイド。
上官靈鳳(シャンカン・リンフォン)、楊惠珊(ヤン・ホイサン)、施心慧らギャルグループは泳いだりなんかしてリラックスなひと時。
ここに何故かチンピラに追われている青年・安平が登場して大騒ぎ。安平を助けるために上官エンジェルス(もう勝手に呼称します)が大暴れ!
滅茶苦茶強い上官お姉さまを筆頭に楊惠珊も当然強いし、後のギャルもゴスロリっぽいバカキャラがいたりとバラエティにそこそこ富んでいて楽しい感じ。
一通りチンピラどもをプールに突き落として安平を救ってみたらこれがなかなかの二枚目(オレには全くそうは見えなかったが)ということで、上官エンジェルス一同に天使の矢が突き刺さる。天使が天使の矢に刺さってどうする!
「あの二枚目はアタシのものよ!」
何故か今度はレオタードに着替えてトレーニングしてる上官エンジェルスはハンサムの奪い合いでひと悶着。
彼女達は実は警察の雷鳴警部のお抱え特殊部隊だったのだ。だからなんだ。
中盤に正直どうでも良いような内容のロマンスと、上官おねえたまを筆頭に様々なコスチュームで楽しませた後はいよいよ透明人間の捕獲プロジェクト開始!
お宝展示会の会場にトラップを仕掛けて透明人間を捕まえようというわけだ。
見事に捕まえる上官エンジェルス!やったね!
・・って、
なぜ衣装が
黒レザーでミニスカホットパンツヘソだしー!!
fake様の弁である
"トチ狂った様な揃いの制服"
これほど的を得ている表現は無いだろう。
これははっきり言ってトチ狂っている。これぞトチ狂っているだ!
透明人間の正体は安平だったー!
彼は母を誘拐されて脅迫されて
「愛奴」でもそのセクシー演技を披露した貝蒂さん組織に利用されていたのだったー!
怒りに燃えた上官エンジェルスは貝蒂さん組織にそのままの衣装で殴りこみ!
パンチラキックー!
パンチラパンチー!
パンチラジャンプー!
「だからなんだ」
と思わず途中で最後まで耐えられなくて身も蓋も無いことを言ってしまった俺ー!!
組織は壊滅したものの、ボスの貝蒂は自ら透明人間になって逃走を計るぞ!どうする上官エンジェルス!!
終劇
■
いやぁ面白・・かった・・・ぁ?
その需要である。
男は狼。
狼といっても食べ物は美味しい方が良いに決まってる。
そこにいくと例えば2003年にキューティハニーを佐藤江梨子が演じたけれども、自分だったら誰がいいかな?
香港女優でいけばやっぱり
鍾麗〔糸是〕(クリスティ・チョン)か?
俺は鍾麗〔糸是〕(クリスティ・チョン)じゃなきゃもうやだ!
楊紫瓊(ミシェール・ヨー)だとアクション度は抜群だがセクシー度は激減だな?
章子怡(チャン・ツィイー)は違うだろ?とはいっても好きな人ならとにかく観たいか?
じゃあマギーQが。マギーQ!?
例えば「チャーリーズ・エンジェル」を誰にやってもらいたいか。
やっぱり鍾麗〔糸是〕(クリスティ・チョン)か?
俺は鍾麗〔糸是〕(クリスティ・チョン)が入ってなきゃもうやだ!
じゃあ舒淇(スー・チー)で。舒淇(スー・チー)はやっただろう?やったか。
じゃあ上官靈鳳(シャンカン・リンフォン)に決定。
ああ上官靈鳳。
上官靈鳳?上官靈鳳ッ!?決定ッ!?
それでも楽しめるあなたはこの世界にどっぷりハマリすぎです。俺と同じ。そりゃ確かに本作の彼女はキュートなんだけどさぁ。
冒頭から透明人間が登場して・・・いや透明人間だから登場してないのか・・・と、とにかく後はエンジェルスのコスプレショーとアクションとパンチラとロマンスのつるべ打ち!
しかも主演は時代劇衣装のイメージが強い上官靈鳳だ!
過度の期待はしないべし!
だが超マニアックなエンジェルスストーリーとして出色の一本である。
|
■CAST&STAFF |
監督 |
史迪 |
出演 |
上官靈鳳(シャンカン・リンフォン) |
楊惠珊(ヤン・ホイサン) |
夏?? |
施心慧 |
上官愉 |
黄蘭 |
魏森 |
雷鳴 |
蒋光超 |
陳又新 |
安平 |
張紀平 |
史亭根 |
曽明昌 |
貝蒂 |
張冰玉 |
製作 |
謝松培 |
胡鈴燕 |
制作年度 |
1977 |
地頭龍
Hard to Die/Dragon Fighter
リーサル・パンサー2
■
12月の初頭にこれを中古ビデオのワゴンセールで発見した時に諦めました。
「今年の締めもこれか・・・」
去年の締めが「リーサル・パンサー」だったのでこれを発見した時はしょうがない運命を感じてしまったのです。
続編ということになっていますが、前作と関連性はありませんどころか全くの別作品で製作年度もこちらが先、何誌強(ゴッドフリー・ホー)も関係ありません。
ただこれも完全なB級映画ですが、「リーサル・パンサー」よりは面白かったです。
■流れ
数々の企業の社長にして実は黒社会のボスである高雄(エディ・コー)の誕生日。
「今日は争い事はなしだ」
としていたがこれがオープニングなので当然争いこと勃発。
高雄を追っていた胡慧中(シベール・フー)刑事とのひと悶着の最中に、高雄を仇と狙う日本人女性の西脇美智子が機関銃で襲撃!
「トラブルはごめんだ」
襲撃を逃れた高雄は、西脇殺害を命じる。
一方でケチで陽気なチンピラの萬梓良(アレックス・マン)は今日も街をフラフラして小ボスに見つかって小突かれる惨めな感じ。
そこにアメリカ帰りの殺し屋・方中信(アレックス・フォン)が現れるが彼は萬梓良の親友であった。
2人でドライブに繰り出すと良い女発見!
しかし彼女は高雄の息子である呉鎮宇(フランシス・ン)のフィアンセの呉家麗(ン・ガーライ)で、チンピラのナンパなんかには取り合わない。
密かに彼女に惚れちゃってる方中信。
方中信が呉家麗にアタックを仕掛ける一方で、萬梓良は組織に追われて傷を負う西脇を発見し匿う。
「一緒に戦って」
と言われたが、相手が強すぎるので逃げ腰の萬梓良。
遂には組織が牙をむき出す。
賄賂に応じない胡慧中刑事の態度を見ると、彼女の父である田を殺害。
素行の怪しかった呉家麗を調べてみると実は彼女はCIAのスパイ。
婚約者に裏切られて怒り心頭の呉鎮宇は銃撃戦の末に彼女を殺害。
父を殺された刑事。
恋人を殺された殺し屋。
そしてケチなチンピラ。
3人は決死の覚悟で最後の戦いに臨む!
終劇
■
まぁ端的に言えば大して面白くないのだが、
B級で考えれば
「最後の敵をどのようにして倒すのか?」
というスリルはちゃんとあるし、絡み合う人物模様も唐突ながらも破綻は大してしないので理解しやすく、そこそこ面白い。
アクション的にはほとんど人間がダブル使いまくりのなかで、我らが日本人・西脇美智子さんが頑張ってるところがやはり光る。アクションシーンはシチュエーションも色々と凝っており、工夫が伺える。
呉鎮宇の芸風の成り立っているようで成り立っていないようなやはり独特さと悪役なのになぜかピンクの蝶ネクタイなのが素敵。
まぁ他に借りるものが無くて、これがレンタル屋にあったら借りてもいいような、借りなくてもいいような・・・
というわけで、良いお年を!
|
■CAST&STAFF |
監督 |
王振仰(ジミー・ウォン) |
出演 |
萬梓良(アレックス・マン) |
方中信(アレックス・フォン) |
胡慧中(シベール・フー) |
呉家麗(ン・ガーライ) |
西脇美智子 |
呉鎮宇(フランシス・ン) |
高雄(エディ・コー) |
田 |
動作指導 |
徐發 |
制作年度 |
1990 |
花嫁はギャングスター
MY WIFE IS A GANGSTER
■
前から個人的にシチュエーション萌えなタイトルに惹かれてはいたのだが、何となく見てなかった一品をTV鑑賞で失礼。
観てみてまぁ・・・こういうのは好みの問題だな。
■流れ
ヤクザのNO.2であり、過去に大勢相手をたった一人でぶっ倒した伝説を持つ女組長・シン・ウンギョンは、幼い頃に生き別れになった姉・イ・ウンギョンを見つける。
しかし姉はガンに犯されて余命幾ばくの体。
「あなたのお嫁さん姿が見たい・・・」
姉のその一言でシンは結婚することを決意。
だがしかしそれが困ったもんで、恋愛とか結婚に全く興味の無かったシンには色気もまるで無し。こんなんじゃ誰とも結婚できないということで舎弟・アン・ジェモのアーパーな女から色気やオシャレを伝授してもらう・・・が。
お見合い。
・・・ヤクザ身分を隠しているものの、その全く女っぽくない言動から全然お見合いは上手くいかない感じ。八つ当たりで舎弟どもを殴る蹴るところがさすがに怖い姐御組長ですわ。
敵対するヤクザ組織とのいざこざもそこそこに、シンはひょんなことで知り合った勇気あるけど弱くて全く格好良くもないただの公務員のおっさんであるパク・サンミョンと知り合う。
「こいつでいいや」
ってとこで、上手いこと騙して夫にしてしまうシン。
そのやり方は実に強引で見てるこっちがおっさんに同乗してしまうぐらいである。
それでですな。
結婚すれば当然新婚初夜を迎えるわけで。
なんかあれですか?
多くの映画でそうですが、向こうは結婚式披露宴の二次会みたいなとこで招待客は麻雀に興じ(葬式でもなぜか麻雀します)、その間に新郎新婦は赤色でまとわれた寝室にこもって初結合ですか。まだ客がいるのに。
・・・って、これは韓国映画だったー!!
「俺に触れるな」
と、ワクワクドキドキ嬉しはずかし初夜を完全拒否する新婦のシン。旦那さんがっかり。
その後も旦那さんが望んでも蹴り飛ばす毎日は続く。
しかし・・・
「あなたの子供が見たい・・・・・・」
とまた姉さんがポツリ。
実に迷惑な姉だ。余計なお世話だ。
しかしもって死を間際に迎えた姉の頼みとあってはどうしようも出来ず、今度は旦那を押し倒してどこであろうと強引ピストン運動炸裂!
・・・あのね、こんなことされてもなかなか出ませんよ。
下品になって失礼。
とにかく身ごもったらしい。
一方で舎弟のアンがちょっとした油断でチンピラに刺し殺されてしまう。
これを敵対組織の仕業と勘違いしたシンは身篭った体で1人、敵対組織のアジトに乗り込んでゆくのだが・・・
終劇
■
冒頭は凄く良い感じで惹きつけられるものがあり、
「これは面白そうだ」
と食いついたのだが、終わってみて
「うーむ」
となってしまった。
素直に面白いところもあったし、際立ってつまらなくはないのだが食いついたのに乗り遅れてしまったという感じ。
何となく品が無いような気がして・・・
なんかまたこれも取り合わせの気持ち悪さを感じてしまう感じがするんだよなぁ、
枠組みは「ソナチネ」なのに中身はよくわからないコメディになっていて気持ちの悪い「菊次郎の夏」のような感じというか・・・そこまで酷くないんだけど。演出のスマートさとコメディを一度に求めて出してみたらあんまり良くなかったって感じがするなぁ、つまりはね。
俺はご飯にマヨネーズかけて食べても美味しいと思えないんだけど、美味しいと思う人もいるわけで、その辺の好みで俺はダメだったって感じはするなぁ。
まぁ女組長が本当に女組長してるので、萌える萌えないまで気持ちは全くいかないし、旦那さんを演じる人も個人的に馴染みがないのはしょうがないんだけど、その時点で
「ええ、もうちょっと格好良いの旦那にしたら〜」
って思ったまんま映画が終わった気がする。
勿論、ワイヤー功夫的アクションがあるから当HPでレビューしているわけだが、その辺ではなかなか香港には及びませんねぇって感じた。
好みによって好き嫌い分かれる作品だと思います。
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■CAST&STAFF |
監督 |
チョ・ジンギュ |
出演 |
シン・ウンギョン |
パク・サンミョン |
アン・ジェモ |
キム・イングォン |
シム・ヨンチョル |
イ・ウンギョン |
チャン・セジン |
ミョン・ゲナム |
脚本 |
カン・ヒョジン |
キム・ムンソン |
制作年度 |
2001 |
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