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■まぁ要はクンフー無しの香港映画のレビューです。  
 


高度戒備
Full Alert


ああ、自分の作風を高めているなぁ。

そんなことを最初に思ったのが本作だった。作風を高めていると感じたのは勿論監督の林嶺東(リンゴ・ラム)のことで、

「友は風の彼方に」「プリズン・オン・ファイヤー」「スペクターX」など傑作・佳作の多い監督ながら、その自分のある種熟成しているタッチ、ノウハウに満足しないで、
「もっと良い見せ方はないか、もっと良くならないか」
と常日頃から創意工夫に努力を積み重ねた来た1つの形が本作にとてもよく見えていると思う。

個人的には今まで観た林嶺東作品の中で本作がベスト。
1997年香港返還という重要な時期に作られた本作はその一見静寂に見えて実は混沌としている時代を見事に反映している。

流れ

殺人事件発生。
事件を担当した劉青雲(ラウ・チンワン)チームはあっという間に容疑者・呉鎮宇(フランシス・ン)を恋人の李惠敏(アマンダ・リー)と共に逮捕。

この事件は大きな事件の始まりにすぎなかった。
呉鎮宇の家から爆弾とMAPが見つかったからである。
「何かの犯罪計画を立てているのか!」
「殺した人間は仲間だったのか!」
と尋問は続くが、呉鎮宇はノラリクラリとこれを交わす。
それどころか、
「刑事さんも俺も人殺しは人殺しだよ」
とささやき、劉青雲を悩ませる。
呉鎮宇は彼が刑事という仕事に悩んでいることを見抜いていたのだ。

だが、悩んでいる暇は無い。
呉鎮宇は元大学出のエリートで爆破専門のスペシャリスト。彼と結託して計画を実行させたい台湾人の高捷らは何としても彼を脱獄させたい。
呉鎮宇護送の時を狙って高捷らが動き出す。
この事態を予測していた劉青雲チームとのカーチェイスが始まる。
壮絶なカーチェイスと銃撃戦で呉鎮宇を無事護送することに成功はしたものの、高捷一味はとり逃がし、その上部下が1人死んでしまう。
「また死人が・・・」
目の前の出来事に呆然とする劉青雲。
怒り狂う部下の錢嘉樂(チン・ガーロッ)を静止することも出来ない。

死人まで出して護送を遂行させたにも関わらず、今度は刑務所の守衛が、高捷一味から賄賂をもらって呉鎮宇を脱獄させてしまう。苦労が水の泡。

脱獄した呉鎮宇は高捷と合流すると早速行動開始。
劉青雲に奇襲をかけ挑発。怒り狂って追う劉青雲は謝って市民を誤射。市民の一命は取り留めたものの劉青雲はさらに茫然自失。しかしここでへこたれないのがこのおっちゃんの強いとこ。押収したMAPが一体何処のMAPなのかを探り当てることに成功する。

競馬場の監視室で張り込みを続ける劉青雲チーム。
その裏で今度は呉鎮宇が遂に劉青雲の家族を襲う!
急いで自宅に帰る劉青雲だったが、妻も子も拘束された以外は何もされていなかった。
劉青雲vs呉鎮宇
何度も駆け引きや戦いを続ける中で2人の間には他人には全く覗い知ることの出来ない共感が芽生え始めていた。

計画実行。
高捷チームと呉鎮宇の狙いは競馬場の金庫にあった。
海底からダクトを通って金庫室に辿り、爆破して金を奪おうという腹だ。
計画を阻止せんとする劉青雲、実行せんとする呉鎮宇。
2人の戦いをクライマックスを迎えていたが、
ここには思わぬ落とし穴が・・・!

終劇




「お前が撃った市民はどうなった?」
「一命は取り留めた。大丈夫だ。」
「それはよかった。」

「狼 男たちの挽歌・最終章」でも「ザ・ミッション 非情の掟」でもない、2人の男の関係が素晴らしい。彼らの間に友情は生まれないが、共感だけが芽生えるのだ。またクライマックスにおける呉鎮宇の熱演ぶりがまた見事なもので、彼が台湾人を演じている高捷に対して取った行動、劉青雲に対して取った行動がそのままこの香港返還という時代の迷いを表現している。
本作で一番秀逸なのはその大筋そのものではなく、その大筋に動かされるキャラクターの描写そしてキャラクター描写に投影された時代そのものなのだ

'80年代後半から流行ったいわゆる香港ノワールと呼ばれる作品のような、それこそ林嶺東監督が以前得意としていたアクションに於ける派手さはこの映画に無い。'97年にしてそのアクションが流行りでないのも明確なのだが、それでも魅せる画作りに成功している林嶺東の手腕は見事。見事というかこの辺で彼の腕前が上がっているのを感じるのである。

まぁ役者的には劉青雲も良かったが、呉鎮宇の熱演が全てを喰った感があるかな。
ちなみに部下役で出演している錢嘉樂(チン・ガーロッ)の燃える闘魂ぶりもキラリと光っている。

つーか日本で発売しろよ。
劉青雲(ラウ・チンワン)、呉鎮宇(フランシス・ン)、どちらも早く日本で認識されたい名役者である。

■CAST&STAFF
監督 林嶺東(リンゴ・ラム)
出演 劉青雲(ラウ・チンワン)
呉鎮宇(フランシス・ン)
陳法蓉
李惠敏(アマンダ・リー)
錢嘉樂(チン・ガーロッ)
高捷
曹永渡
關寶彗
容錦昌
金楊華
霍永富
周銅葵
呂毅
李兆基
呉志雄
逸東
脚本 劉永健
林嶺東(リンゴ・ラム)
音楽 金培達(ピーター・カム)
製作総指揮 李國興
制作年度 1997


衝鋒隊怒火街頭
Big Bullet


つーか、劉青雲(ラウ・チンワン)の映画だとお話が敵が味方だったり主人公だったり、味方が敵だったりとややこしいことが多いので、これも「うーむ」と唸るように観ていたのだが、なんちゅうか陳木勝(ベニー・チャン)監督らしいちゅうか、むしろテイストとしては唐李禮(スタンリー・トン)みたいな感じの印象を受ける本作。ポリスアクション。

流れ


バリバリの刑事だった劉青雲は事件の際に部下を過失で死なせてしまい、降格。
劉青雲はパトロール隊の隊長に。
部下には真面目すぎる陳小春、
ガンマニアの張達明、
中年のおっさん林尚義、
紅一点でありながらPCオタクの李綺虹。

同僚の刑事・呉鎮宇(フランシス・ン)に慰められるが納得行かない。事の発端は自分ではなく無能な他の刑事によるものだもの。

本筋は逮捕されていた于榮光(ユー・ロングァン)と劉青雲との出会いから始まる。
于榮光護送中に警官に化けた黄秋生(アンソニー・ウォン)らが襲撃。
ほどなく警察官を撃ち殺し、劉青雲率いるパトロール隊の追っ手をくらまして于榮光奪還に成功。

・・・というかさぁ、
今まで何度香港映画で護送中とか拘置所そのものとかに悪漢が襲撃して悪役が逃げ出す映画があったかねぇ、香港のセキュリティはそんなに甘いのか?と思えるほどどの映画でも当たり前のように逃げ出しおるし、これじゃ何度捕まえても一緒じゃんかよ。


どっからどう見ても本職の2人。
黄秋生と于榮光の極悪最強コンビ。怖すぎ。
怖すぎの2人はまずインターポールの段偉倫をレストランで射殺。腕を吹っ飛ばして持ち去る。
現場にいた呉鎮宇らと銃撃戦になり、呉鎮宇は彼らの後を追うが逆に于榮光に刺殺される。ゲスト出演終わり。

友人を殺されて怒りに燃える劉青雲は隊を引き連れて独自に捜査開始。
「英雄になりたいんだろ!」
と反抗する陳小春ともめあいながら話は続く。

極悪コンビは大銀行から金を大量に強奪。
これを察知していた劉青雲パトロール隊が追うが、後一歩のところで獲り逃がしてしまう。

「つーかお前、独断で行動しすぎ」
と上司にこっぴどく叱られ、おまけに隊長から降ろされてしまうのだが、代わって隊長になった陳小春は言った。
「やっぱり隊長はあんたじゃないと」
仲間の気持に感動する劉青雲、改めて事件解決を誓う。

李綺虹のハッキングによって、極悪コンビの脱出路が軍事基地の飛行機だということを知った劉青雲らは基地に向かい、軍人の遮りを交わし、ついに極悪コンビと離陸し始めた飛行機の中でラストバトルを迎える!


終劇



なんか物語がね、ジャッキーのいないポリス・ストーリーみたいな匂いがする。めちゃくちゃ勧善懲悪。
最強極悪コンビは悪の行いに苦悩することも無く、完全悪役。
当然、劉青雲にジャッキーばりのアクションを期待することははなから間違ってるのでその辺のパトロール隊での触れ合いドラマが劉青雲ならではってところだろうか。

そのドラマ部分もさすがは陳木勝監督って感じでテンポも良く進んでわかりやすくなかなか面白い。各パトロール隊員の描き分けも明確で各々に感情移入しやすい。これが

ジェネックス・コップ」そして「香港国際警察/New Police Story」の原点と考えると興味深いシーンも実に多い。
楽しいハッキング
仕事でハッキングしてるのに楽しくて笑いが止まらない李綺虹が可愛い。彼女と「香港国際警察 New Police Story」での蔡卓妍(シャーリーン・チョイ)がちょいかぶる。

どうしても劉青雲ものだと
「複雑な物語の奥に何かが・・・」
とえぐりたくなるものだが、本作はその点での奥深さは感じられず、ラストも「太陽にほえろ!」みたいな終わり方をするがアクション映画としては十分及第点で面白いものだろう。極悪コンビの存在感ももの凄いからね。

■CAST&STAFF
監督・製作 陳木勝(ベニー・チャン)
出演 劉青雲(ラウ・チンワン)
陳小春
林尚義
張達明
李綺虹
黄秋生(アンソニー・ウォン)
于榮光(ユー・ロングァン)
呉鎮宇(フランシス・ン)
呉廷Y
陳小〔王昆〕
梁聴
トニー・レニー
蘇偉南
梁日豪
林コ勝
谷コ昭(ヴィンセント・クック)
林尚義
黄華和
黄志強
劉穂生
葉景文
チャールズ・シェン
ビクター・ホール
馮寶文
何科誼
段偉倫
李莉
温國良
黄成想
呉成達
楊容蓮
ジョン・ウェークフィールド
麥詠麟
莫天月
古炳傑
陳展鵬
迎風
魏コ禮
曾守明
ブルース・フォーテーン
デビッド・サンダース
黄子華
徐家麟
マイケル・ランバート
スティーブ・ブリッティンガム
リチャード・パーキン
郭威
白耀燐
武術指導 馬玉成
脚本 馬偉豪
陳淑賢
陳木勝(ベニー・チャン)
音楽 金培達
製作総指揮 鄒定歐
制作年度 1996


英倫越戰
Phantom War
ソルジャー・オブ・マフィア/愛と復讐の戦士


こういう映画が一番困る。
突っ込みどころがなくただただつまらない。
いや、なんかやろうとしてることはわかるんだけどねぇ。

流れ

ベトナム戦争の後遺症に苦しむ呉毅将。
彼は新妻・藍潔瑛を引き連れて後遺症を吹っ切るためにロンドンへ。
んだけど、そこにいたのは戦時中の敵・高飛(コー・フェイ)だった。

それはやばいということで、
叔父のマフィアのボスに助けを求める呉毅将。
ボスは快く彼に協力してくれたのだが、呉毅将の登場で組織関係の状況が変わってきた萬梓良(アレックス・マン)がそれが面白くない。

ということで、萬梓良は高飛と結託。
呉毅将の妻である藍潔瑛を殺害。
怒りの炎を燃え滾らせて、呉毅将は彼らに復讐を。
ベトナム戦争 in ロンドン。

終劇




まぁやっぱりこれだけだな。
戦争が終わっても、その苦しみから解放されず、その苦しみを持ち続けてなければいけない男の苦しさと戦争の愚かさを表現したいんだろうな・・・ってわかるけど、
香港ならともかくロンドンに何でその敵の高飛や中国人の萬梓良がいるんだってところにご都合主義を感じ、またそれではせっかく本当に海外ロケをしているのに香港で撮影する普通の香港映画と大差が出ないだろうってところもある。ロンドンが異国の地になってないのだ。

日本のパッケージには萬梓良が主演のように書いてあるが、彼がバリバリ悪役なので注意されたし。
■CAST&STAFF
監督 鄒鳳
楊兆光
出演 呉毅将
萬梓良(アレックス・マン)
藍潔瑛
高飛(コー・フェイ)
劉兆銘
蕭玉龍
霍永富
豹華
動作指導 鹿村泰祥
豹華
音楽 李廣添
製作 高飛(コー・フェイ)
製作総指揮 張錫鉅
林ョ婉美
制作年度 1992


鎗王
Double Tap
ダブルタップ


こりゃまたレビュー書くのが難しいなぁ。
俺のような語彙の乏しい人間にはなぁ・・・

張國榮(レスリー・チェン)主演のサスペンスアクションで、とにかくこだわりにこだわりまくっているのはガン。
ええと、"ダブルタップ"ってのは同じとこに連続して二度当てるってことらしく、これが出来るのは数少ないとか。そりゃそうだわな。

流れ

射撃の達人である張國榮は警察鑑識課の谷コ昭(ヴィンセント・クック)に射撃を教えたりしていた。競技会にさして興味は無かったが出場することに。

この射撃競技会に出場していた刑事の方中信(アレックス・フォン)と張國榮は勝負でしのぎを削ることに。方中信がすんでの差で大会を優位に進めたが、この競技会の最中に方中信の同僚である刑事が株でとーさんかーさん破産と来たよということで暴発。いきなり人を撃ち出す(むちゃくちゃな)。
競技会どころでなくなって、
この騒動を鎮めるために方中信は銃を抜くが、同僚であるため引き金を引くことに躊躇する。
ダン!
引き金を引いたのは彼ではなく、張國榮であった。

方中信は同僚を救えなかったことに苦悩し、張國榮は人を殺した時に喜びを感じてしまった自分に衝撃を受ける。

3年後。
ホテルの一室で、やり手の刑事たちが全員銃殺されるという事件が発生。
調査の結果、犯人はダブルタップ可能な人物、とすると容疑者に上がるのはやはり張國榮だった。

意外とあっさり捕まる張國榮。
でもやっぱり証拠が無いので釈放に。
ところが、張國榮の恋人である陳法蓉(モニカ・チャン)が銃器無届所持で逮捕(勿論これは張國榮のもの)。

街に出た張國榮。
恋人を釈放させるために次々と殺人を犯す。
チームを組んで出動する方中信であったが、チームは張國榮たった1人に全く敵わずボロボロに。

「釈放させなければサツを1人ずつ殺す」
その言伝どおりに張國榮は殺しまくり。
遂には恋人と引き換えに方中信が命を賭けて決戦に臨むのだが・・・

終劇




凄いですねぇ、その手のミリタリーマニア・・・っていうのかな?ガンマニア?その辺にはたまらない映画になっていると思います。
監督・羅志良(ロー・チーリョン)の趣味(?)が偏重してしまうととかく

「デッドヒート」のような映画になりがちなのでありますが、本作はその興味ない人なら細かすぎる疲れちゃうガン演出も引っ張っていける力がありますよね。

その力となっているのは勿論、張國榮そして方中信が魅せる男の苦悩な名芝居で、何となく呉鎮宇(フランシス・ン)と劉青雲(ラウ・チンワン)がしのぎを削った「高度戒備」を連想させるところも興味深い。方中信の演技は劉青雲のそれに十分匹敵させるものも持っているだろう。

流れとしては精神異常から殺人者になってしまった張國榮が大量殺人を起こして死ぬまで・・・なので、そこにアクション映画の定番である巨大な組織や用心棒なんて存在が皆無なところに希薄さを感じてしまうかもしれないが、逆に言えばこの非常にシンプルな展開を退屈させること無く一気に魅せてしまう演出はなかなか優れたものだと取れる。
何はともあれ今は亡き張國榮の素晴らしい演技が見れる映画というところで今では貴重な一本だ。

残酷描写はややきついので注意を。
■CAST&STAFF
監督 羅志良(ロー・チーリョン)
出演 張國榮(レスリー・チェン)
方中信(アレックス・フォン)
黄卓玲(ルビー・ ウォン)
谷コ昭(ヴィンセント・クック)
陳法蓉(モニカ・チャン)
張民光(ジョー・チェン)
製作 爾冬陞(イー・トンシン)
制作年度 2000


順流逆流
Time and Tide/Seunlau Ngaklau
ドリフト


なんかあれですね、
この作品がわかりにくいというのを良く耳にしたのですが、拝見してみて
「そんなにわかりにくいかなぁ?」
というのが正直なところです。
別に私は娯楽映画好きで高尚な映画が理解できる御人ではとてもありませんのですが。これはわかったけどなぁ。
とにかくこの作品を観ると徐克(ツイ・ハーク)という人が
「良い悪いに関わらず進歩の努力をしているなぁ」
とやっぱり評価してしまうのであります。

流れ

バーテン、謝霆鋒(ニコラス・ツェー)。
お前はバーテンなんだから静かにカクテル作っとけ。
・・・と言いたいところだが二枚目のニコラス君。
飲んでいた徐子淇(キャシー・チュイ)を上手いこと口説くと、そのままLet's自宅でエッチッチ。いや、こんな難しそうな女をあっと言う間に口説いてしまうんだから凄いやね。素直に羨ましい今日この頃。

9ヵ月後。
"できちゃった結婚!!"
・・・とはいかなかった。
徐子淇にも謝霆鋒にもその気は全く無かったのだから。
逃亡資金を作るため、ニコラスは借金している黄秋生(アンソニー・ウォン)のところに潜り込む。そして要人のボディガード。
ここでニコラスは謎の夫婦である伍佰(ウー・バイ)&盧巧音(キャンディ・ロー)と知り合う。
「一緒に警備会社を作らないか」
そう持ちかけるニコラスであったが、コトはそれどころではなかった。
伍佰は元軍人にしてテロリスト"天使"の凄腕メンバー。
しかし足を洗って夫婦で幸せになりたいと願う。

当然、それを許さない"天使"たち。
このままでは妻ともども組織に消されると確信した伍佰は先んじて手を打つ。
"天使"のボスを狙撃。
このボスを護衛していたのが又もニコラスのいる黄秋生チームで、ニコラスは伍佰と繋がりがあったことから護衛任務失敗原因の疑いをかけられる。

ボスを殺されて黙ってるはずのない"天使"たち。
意地でも伍佰を消すための総力戦に臨む。
一方で何とか疑いの晴れたニコラスは自宅へ戻るのだが、この自宅がある九龍城のボロアパートで"天使"たちが待ち受けており、ニコラスを巻き込んで"天使"vs伍佰の壮絶な銃撃戦が展開。
戦闘場所を変えて今度は空港へ・・・なんて言ってる場合ではなく妊娠していた盧巧音が出産しそうだー!!

終劇




幾らでも解釈出来そうだし、別にしなくても良い映画、それが本作である。
徐克にしてはいつもよりずっと難解な作品であるが、そこに得意の娯楽アクションを盛り込んであるので、別腹は満たされるっていうかな。

まぁあの・・・文で書くのがどうも難しいのだが自分が当HPで述べてきた徐克の世界観

(「ブレード/刀」「上海ブルース」「男たちの挽歌3 アゲイン明日への誓い」)、これは本作でもやはりあってこれぞ徐克ワールドなのだが、その「ブレード/刀」でも同主旨を述べたように
・いつどこで何が起きるかわからない危機感
・逃れる場所の無い狭い閉鎖感
といったシチュエーションが観ていて息苦しさに繋がるところはある。
ただこれは画面に映される色が「ブレード/刀」が赤茶けた土色メインなのに比べて、こちらはスタイリッシュな現代片ということで白と青がベースになっているのでいつもよりは開放感も感じられるかな。

独特なカメラワークに関しては、そうだなぁ・・・
アクションシーンで効果的に使われてるところは流石に良いんですけどね、普通のシーンは無理に使う必要があんまり感じられないし、アクションシーンも場合によっては効果的ではなく単に見難くなっているところもあって、これもやっぱ要所要所に使えばいいのになと思うところがある。ただそれだと昔の徐克作品と何ら変わらないので、絶えず進化を続けようという姿勢の表れなんでしょう。

で、確かに凄いのはそのアクション。
特に九龍城での銃撃戦は他に類を見ないもので、CGに頼った「スパイダーマン」より遥かにかっちょ良い香港のスパイダーマンたちが重力を無視するかのように壁面を飛び回り銃をぶっ放すサマは最高である。

物語的には黄秋生が途中で消えちゃってる感があるし、ニコラスと伍佰との交流の描き方も中途半端に感じられるところはある。この辺は今まで説明のための演出ばかりして疲れた徐克がその前説を全て取り払った結果であろう。その出来が決して良いとは思わないだろうが、これがわからない人間は正にマニュアル世代の人間だとも思う。

■CAST&STAFF

監督・製作

徐克(ツイ・ハーク)
出演 謝霆鋒(ニコラス・ツェー)
伍佰(ウー・バイ)
盧巧音(キャンディ・ロー)
黄秋生(アンソニー・ウォン)
恭碩良
(ホヴェンティノ・コート・リモティギュー)
徐子淇(キャシー・チュイ)
武術指導 熊欣欣(ホン・ヤンヤン)
脚本 許安
徐克(ツイ・ハーク)
音楽 韋啓良(トミー・ワイ)
恭碩良
(ホヴェンティノ・コート・リモティギュー)
制作年度 2000


無間道2
Infernal Affairs II
インファナル・アフェアII 無間序曲


そのとっつきの悪さにしがみついてさえいれば非常に面白い作品。
最初から3部作として考えていたのか、1作目がヒットしたから作られたのかわからないのだが、とにかく続編としての期待は果たしているかなと感じた。

ただ、オレねー
どっちが陳冠希(エディソン・チャン)で余文樂(ショーン・ユー)なんだか2人の顔が似てる気がしてよくわかんねー(わかったはわかったけど)

流れ

※ネタバレ注意

1991年。
黒社会の総元締めが殺される。
元締めの息子である呉鎮宇(フランシス・ン)はすぐにも抗争に発展しそうなこの事件を一旦丸く収めると、静かに復讐の炎を燃やす。
そして呉鎮宇の腹心であった曾志偉(エリック・ツァン)のところにいた陳冠希(エディソン・チャン)は警察に、警察にいた余文樂(ショーン・ユー)は呉鎮宇ファミリーに潜入する。

数年後。
事件の黒幕を突き止めた呉鎮宇は、全てのクリアニングを敢行。
刑事の黄秋生(アンソニー・ウォン)にしょっ引かれている間、当時に造反を企てていた4人の頭を謀殺。
主犯である曾志偉の妻・劉嘉玲(カリーナ・ラウ)が夫の知らないうちにその黄秋生と共謀して元締めを殺していたという証拠のビデオテープを黄秋生本人に突きつけると余裕で警察を後にする。

全てに決着をつけたい呉鎮宇ファミリーは、残りの残党であるタイに逃げた曾志偉らを始末することを決意。
陳冠希は劉嘉玲に惚れていたが守ることができず、呉鎮宇の手下に劉嘉玲は殺されてしまう。
続いて曾志偉にも刺客が送られ、絶体絶命と思われたが急死に一生を得る。

一方で、殺人教唆の疑いをかけられた黄秋生はキャリアからの尋問を今もなお受けていたが、この一連の抗争劇に終止符を打つ役目を負う。

遂に香港返還1997年にその人生を賭けて呉鎮宇、曾志偉、黄秋生三つ巴の戦いが始まる・・・

終劇




すいません、なんか下手糞な物語解説になっちゃいました、えへへ。
冒頭からいきなり何人もの登場人物が出てくることからわけがわからなくなるのだが、逆にわけがわかるとこの正に"香港小教父"な(あれはリトルになるが)物語が渋くて面白く、本家ゴッドファーザーの大ファンであるサッカーのキングカズにもオススメしたい作品である。

むしろ、まだこの無間道シリーズに手を出してない方はこちらから1に下った方がより面白いのではないだろうか。物語的にはそれで繋がるし、この前作と同じ・・・なんていうかな、美味しいピザの生地は一緒だけど、乗ってるトッピングは前と全然違う美味しさって感じで前作の雰囲気を継承しつつ、前作と違う魅力を押し出してくる辺りは、例え物語の歴史の前を描くというアリがちな発想で作られた本作だとしても、それだけに終わらなかったところを大いに評価したいところ。

今回その美味しいピザ生地にのっかっている美味しいトッピングはまさに海千山千のベテラン俳優達の演技合戦。
曾志偉に黄秋生に劉嘉玲に呉鎮宇、特にこの4人の演技合戦を十分に堪能して頂きたい。
さりげなく惠英紅(ベティ・ウェイ)が出演している点も個人的には嬉しいところ。

まぁ今回は梁朝偉(トニー・レオン)も劉コ華(アンディ・ラウ)も使わずに良くやったと言いたい。

■CAST&STAFF
監督 劉偉強(アンドリュー・ラウ)
麥兆輝(アラン・マック)
出演 陳冠希(エディソン・チャン)
余文樂(ショーン・ユー)
曾志偉(エリック・ツァン)
黄秋生(アンソニー・ウォン)
劉嘉玲(カリーナ・ラウ)
呉鎮宇(フランシス・ン)
杜〔三文〕澤(チャップマン・トウ)
張耀揚(ロイ・チョン)
惠英紅(ベティ・ウェイ)
胡軍
廖啓智(リウ・カイチー)
動作指導 李達超
脚本 麥兆輝(アラン・マック)
莊文強(フェリックス・チョン)
音楽 陳光榮(チャン・クォンウィン)
製作 劉偉強(アンドリュー・ラウ)
製作総指揮 馬保平(マー・パオピン)
雲〔目軍〕翔(ダニエル・ユン)
荘澄(ジョン・チョン)
制作年度 2003


精装追女仔2004
Love is Many Stupid Thing
インファナル・アンフェア 無間笑


王晶(バリー・ウォン)は実に喰えない男だ。
こんな商業的に天才的で恥というものを全く知らない男は見たことが無い。
彼にとっては周囲の批判や嘲笑など鼻でせせら笑うようなことなのだろう。本当に彼には参る。

流れ

・・・って、ストーリーなんか説明する必要があるのか?
まぁいいや。

警察学校にいた余文樂(ショーン・ユー)、杜〔三文〕澤(チャップマン・トウ)、林子聡(リン・ヅーソォン)は上司・陳百祥(ナット・チャン)の命を受け、黒社会に潜入する。
一方で黄浩然(レイモンド・ウォン)は警察にイヌを潜入させることを専門としていた黒社会の小ボス・曾志偉(エリック・ツァン)によって、警察潜入。

「それにしてもどうやって黒社会に入ったらええの?」
ってことで取り合えず暴れてみる3人。
捕まえたのは婦警トリオ美人で彼女達に3人一目惚れ?
とにかくモノにしたい所存であった。
潜入する手助けのため、偽ブランドの腕時計を3人に渡す
陳百祥。嫌々ながら彼らは曾志偉のところに向う。

表では車修理屋を営んでいた曾志偉。
曾志偉のボスとしての貫禄が余りにもふがいないので次々と辞めていく手下たち。手下のいなくなった曾志偉は彼ら3人を喜んで迎えるのであった。

黒社会の元締めである王天林の殺害計画だか何だかようわからんが、とにかく王天林はたくさんの美人ギャルを与えられ大興奮!興奮しすぎて心臓発作死去・・・実の父にこんなことやらせる王晶っていったい・・・しかも王天林も美人に囲まれ心底嬉しそうだしこの親子っていったい・・・

コトは動き出す感じもする。
元締めの息子であった偽ハウが四天王をまとめあげると復讐を画策。

しかし物語の主軸はそこではなくて、アホ3人と婦警トリオのイチャイチャコメディだったりするから色んな意味でたまらない。

曾志偉は警察に忍び込ませた黄浩然と共に有利にコトを進める(何が進んでんだかわかりませんが)が、偽ハウらの魔の手はそこまで迫っているのであった。
そこまで迫っていようと無かろうとしつこいようですが、物語の主軸はイチャイチャコメディなのです。

終劇




ストーリーもやっぱ書いてて段々バカらしくなりました。
本作の原題は「精装追女仔2004」、シリーズというほどでもないが1987年に彼が撮った

「精装追女仔(男たちのバッカ野郎)」はタイトル通り、「男たちの挽歌」を目一杯パロった作品で、個人的には面白くなかったので未レビューのままであるが偽狄龍(ティ・ロン)は出てくるし、またしてもというかやっぱりというか曾志偉は周潤發(チョウ・ユンファ)の真似しまくってラストは本家そっくりのシーンに李子雄(レイ・チーホン)と同じ姿で登場するし、何つったって主役が周潤發その人だ!
「精装追女仔2」は観てないので何のパロディなのか知らないが、長く時を経たシリーズ最新作の今回は「インファナル・アフェア」と「インファナル・アフェアII 無間序曲」をすき放題パクった(さらに他の作品も)パロディ映画なのだ。

そのパクり精神の徹底ブリがいつになく凄い。
本家に登場した曾志偉、余文樂、杜〔三文〕澤を連れて来て出演させてるだけでも凄いのに、劉嘉玲(カリーナ・ラウ)より美人じゃないか?というような女性は出てくるし、数々の名シーンをことごとく再現、中でも陳百祥が演じた黄秋生の死に様のパロディはインファナルが好きな人にとっては必見!・・・とも言えるしイメージ壊されたくなかったら絶対見ないほうが良いかもしんない。ちなみに偽ハウだけは呉鎮宇(フランシス・ン)とは似ても似つかないとっちゃん坊やが扮していて、笑って良いのかなんだか・・・もう。
さらには本当に劇中でもチラッと登場してしまう朱茵(アテナ・チュウ)はじめ、周星馳(チャウ・シンチー)や他香港スターの裏話(嘘話)を次々とセリフに取り入れ、極めつけは劉×強と麥×輝の・・・

で、「精装追女仔」については個人的な評価は低いのだが本作は流石にこなれた王晶ということもあって実に面白かった。これぞ香港恥知らず娯楽映画の王道である・・・というか王晶の王道か。勿論、監督本人も登場してます。
主役のアホ3人の1人に林子聡(リン・ヅーソォン)を持ってきたところも憎いね。

■CAST&STAFF
監督・脚本 王晶(バリー・ウォン)
出演 曾志偉(エリック・ツァン)
余文樂(ショーン・ユー)
杜〔三文〕澤(チャップマン・トウ)
林子聡(リン・ヅーソォン)
黄浩然(レイモンド・ウォン)
余安安
2R
陳百祥(ナット・チャン)
苗僑偉(ミウ・キウワイ)
馮淬帆(フォン・ツイフェン)
莫少聰(マックス・モク)
王天林
朱茵(アテナ・チュウ)
動作指導 李達超
製作 王晶(バリー・ウォン)
葉健忠(クラレンス・イップ)
製作総指揮 張國忠
李子明(テリー・リー)
制作年度 2004


暗戰2
Running Out of Time2
デッドエンド 暗戦リターンズ


うーんこの映画。

その前の「暗戦 デッド・エンド」が無ければ、そしてそれを観ていなければにんともかんともな作品である。
構成は前作とほぼ同じ。
劉青雲(ラウ・チンワン)交渉人と愉快犯(主役)とのしのぎを削る対決が魅力の全てで、それは前作で全て出し切った感もあるのだが今回はその愉快犯を鄭伊健(イーキン・チェン)が務め、前作のオマージュというかパロディ的作品となっている。


流れ

ある企業で起きていた一連の盗難事件には何かウラがあるという劉青雲の勘から彼のチームはその企業を盗聴していた。

一方で自殺願望があるのか、謎の男・鄭伊健はビルの屋上に今にも飛び降りんと1人佇む。つくづく本シリーズの犯人は高いところが好きである。
前回は喋りベタのドジな悪党を演じていた林雪(ラム・シュー)だったが今回は何と交渉人役!か、彼が!?
彼に交渉など出来るのか!?という疑問はすぐに氷解する。鄭伊健との交渉でコイン裏表当てのゲームに全然勝てない林雪は何度も負けるうちに交渉を忘れてゲームに何とか勝つことだけに没頭。なるほど無能な交渉人してはピッタリである。
そこに現れた劉青雲、読唇術が出来る鄭伊健に出方を知られてしまってまた逃げられる。
「俺が運転するタクシーには何故か犯人が乗ってくるんだ」
・・・ほんまに前作と一緒やな。

前作と同じように鄭伊健との凌ぎを削る劉青雲。
企業の盗難事件と鄭伊健はつながりがあるとして、企業社長の林煕蕾(ケリー・リン)のところに押しかけると捜査開始。
劉青雲らを煙たがっていた林煕蕾だったが、2人して鄭伊健を追ううちに次第に愛も芽生え始め、少しずつ鄭伊健を追い詰めていくのだが結末は意外なところに見た。

終劇




前作の劉コ華(アンディ・ラウ)が余命いくばくかの命であるという悲劇性を今回は全く取り除いて、全体的にややコメディチックに物語は進む。込み入ってるように見える物語は本当は実にシンプルで、劉青雲vs鄭伊健、林煕蕾とのほのかなラブもあるよといった具合。
今回の犯人がマジシャンということもあって、
「今のはどうやって逃げてん」
というようなツッコミが前作と違ってより多く出来てしまうというところは話が話だけに残念なところである。そういうところに曖昧な表現にはしてほしくないところ。やっぱり前作を気に入った人ならある程度楽しめると思うのだが、その前作には遥かに及んでないのは確かか。対決の部分がやたらと大袈裟になっているのでその辺のユーモアさを楽しむことは十分できるのだが。

で、これって前作はまだわからないでもないが、全くデッドエンドでも無いし、暗い戦いでもないのだが。むしろ2人の爽やかな明るい戦いなのだが。

鄭伊健自身はとてもよく頑張っていました。
ツンデレちゃんの林煕蕾が個人的に萌え。
今回は林雪のやや意味不明な顛末が好き。
あんたは何に吹っ切れたのよ。
■CAST&STAFF
監督 杜h峰(ジョニー・トゥ)
羅永昌
出演 劉青雲(ラウ・チンワン)
鄭伊健(イーキン・チェン)
林煕蕾(ケリー・リン)
許紹雄(ホイ・シューハ)
林雪(ラム・シュー)
黄卓玲(ルビー・ウォン)
脚本 游乃海(ヤウ・ナイホイ)
歐健兒
銀河創作組
音楽 黄英華(レイモンド・ウォン)
製作 杜h峰(ジョニー・トゥ)
製作総指揮 向華強(チャールズ・ヒョン)
制作年度 2001


星願
Fly Me To Polaris
星願 あなたにもういちど


いやあのね、やっぱなんちゅうかなんですな。
僕なんかいわゆる功夫映画馬鹿って奴ですから、たくさんその辺を観ている割には
「女子に見せたい映画」
ってのが意外とあんまし無いのよ。

「これ面白いよ!はい、片腕カンフーvs空飛ぶギロチン。」
とか言ったって知らない女の子だったらタイトル聞いただけで引いていく一方でしょ。
「これ面白いよ!はい、女デブゴン強烈無敵の体潰し。」
「これ面白いよ!はい、噂のテディ・ロビン 美女美女スパイにご用心!
「これ面白いよ!はい、邪拳迫る!死守せよ少林秘伝。」
噂の・・・って何が噂なんだよ。だいいちこれつまんねーし。
最後のタイトルなんか読むだけで話わかるじゃん。

何しろどこにも女子がトキメキそうなワードが無い。男でも興味の無い奴は怪訝な顔するだろうし。
そりゃ観た後に面白さをわかってくれる子もいるだろうけどそうそうはそうはいかんわな。
だいたい・・・
同ジャンルHPを運営している者に問いたい。
外で堂々と香港映画ファンだと言えるかね!
俺はそこそこにしか言えへんね。
「まぁあの・・・香港とか・・・アジアの映画が好きっす・・・」
とどうしてもモジモジしながら言ってしまうなぁ。しかも若干ぼやかして。
板の上に立てばバリバリ喋ることの出来る俺がこの体たらくか!
まぁ流石に男友達にはみんな知られちゃってますが。
知られちゃってるのはいいのよ、別に。
どんどん知られちゃって構わないのよ、別に。
ただ「そうですよ」ということに対して、まぁかなり女子を惹きつけられない趣味だってのは淋しいとこだやね。
趣味でアピールなら俺なら絶対、ギターとか打ち込みで曲作るとかそっちを言うもん。第一趣味のように。

・・・じゃなくて!
1人芝居中ですが、じゃなくて!
別に香港映画好きを武器に女を口説けないのか、なんて話をしてるわけじゃなくて、普通に友人の女性にも薦められたり出来る映画がそういえば俺、あんまし知らないなぁ、だってそもそも白人のラブものって見ないもん。
「女だってラブラブしてりゃいいってもんじゃないわよ」
って意見も当然あります。十人十色五里霧中。
そりゃその通りさ。
だけどね、統計の話になるとやっぱりあの韓流ブームは統計的に女性はそのような話が好きである確率が高い・・・ってのは見逃せない事実なわけで。
まぁなんだっけ。
どんどん本題から外れていくなぁ、いきあたりばったりで書いてるから何だかサモハンの映画みたいになってきましたがはてさて!!

そんなラブ物好きの女の子に堂々と薦められる作品が登場だ!!
「これ面白いよ!はい、星願 あなたにもういちど。」
おお!
ここまでタイトルがいってしまうと、今度はちょっと言うのが恥ずかしいぐらいだ!

・・・まぁ何にしても今回の本作で色々と考えさせられましたよ。
「俺って勉強不足だなぁ」
って。
「映画って何だろうなぁ」
って。

それとやっぱりステーキばっかり食べてると、ラーメンが食べたくなると言いますか、ここんとこ血生臭い功夫映画の鑑賞が多かったので、そうすると今度は違うフィーリングに手を出したくなるというか、まぁさすがの私もそんな時がありますわ。


軽く流れ

少年時代の事故から目と口をダメにしてしまった任賢齊(リッチー・レン)は、病院で入院&仕事を貰って暮らしていた。彼は障害者でありながら乙武くんのように明るく爽やかな青年ということで、周りのナースや親友の曾志偉(エリック・ツァン)、主治医の蘇永康(ウィリアム・ソー)みんなから可愛がられていた。
中でも彼と一番仲が良いのはナースの張柏芝(セシリア・チャン)。
はっきり言って彼は彼女が大好きだ。

劇中の台詞で
「私ってガチョウみたいな声でしょ?」
とあるが、まさしくその通りであのグワッグワッ聞こえる声から目の見えない彼はどんな女性を想像したのだろう。どう間違っても關之琳(ロザムンド・クワン)タイプの女性は想像しないだろう(なぜロザムンドを出したのか俺もようわからんが)。そういえば俺、以前声優をやってる女性の方と話をさせて頂いたことがあるが、声に"お"をつけて"お声"と言わなければ失礼なくらい、ずっと聞いていたい良いお声でした。
まずこの映画はここがポイントで、彼はこのドジなガチョウナースが実はアジアの力を総結集してお送りする超大作

「PROMISE」のヒロインに抜擢される程の美人だとは知る由も無いのだ。それでも既に大好きなのだ。ガチョウが。

任賢齊&張柏芝で夜空を眺めてイチャついたりなんかして。
もう既にラブラブですなこいつら。
彼女の気持ちが自分に近づいていることを感じ取った任賢齊は嬉しくてたまらない。
嬉しすぎて飛び出した先は車のビュンビュン走る道路。
哀れ、彼は車に轢かれて死んでしまうのであった。

霊界。
「君が当選だ!おめでとう!」
何だかよくわからないがとにかくに何かに当選した任賢齊は1つだけ望みが叶えられるという。
「じゃ生き返らせて」
当然言うわな。
しかし・・
・生きられるのは五日間
・他人は君を君と認識しない
・認識させようとしても君はしゃべれない
それでもいいと即決した任賢齊は早速現世界に還って来るのだが、彼は彼じゃないわけだから当然問題は起きるわけで・・・

終劇




とりあえず、ご覧になってない方のためにこれ以上はウチでは書かないでおこうっと。そして、興味を持たれた方は是非鑑賞なさってみてください。絶対、体に良いです。

俺は実に打算的な男だ。
と、時々自分に対して落ち込む時がある。
「男なら泣くな」
と言った高倉健が最後に泣いてしまう「遥かなる山の呼び声」は俺も涙腺開放の方向でとりあえず毎回じわーっとさせることが好きである。
泣くという行為はまぁそうですね、
ここまで生きてくると一人でわんさか泣いた夜なんてのも現実的にあるわけなのですが、そんな時でさえ心の奥底で、
「泣くのは新陳代謝に良い」
なんてひねくれて思ってたりするんですよね。
人生で絶望的な状況になったことありますよ。そりゃあんまりここでは語りゃしませんが、そんなに平々凡々な人生でも無かったしね。しかも意図的にそうしてきたというよりは何故かいつもそうなっていたという感じで。そんなことは誰でもそうなんでしょうけど。

まぁ性別関係なく状況的に泣ける時は思いっきり泣いた方が良いというのは持論です。自分は泣ける時はむしろ「チャンス」と思って流せるだけ涙流します。その辺が打算的なんですけどね。
肉体的にはともかく、精神的にはそれがスイッチバックになってとても良いんですよ。非常に吹っ切れるというか新たな気持ちを持てるというか。とにかく泣くことはオススメです。体に良いです。

だからこの映画を入手しろ!
もうその一点に尽きますかね。

後は箇条書きでいきましょうか。
・終わるまで全然退屈しないテンポ最高
・流石に馬楚成、カメラワーク抜群
・役者陣の演技も皆様言うことなし!
一歩間違えば当たらなかった月9のドラマみたいになりそうなシチュエーションの物語をよくぞここまで素晴らしい映画にしてくれた!

今までの人生で何回泣きましたか?
本作は確実にその一回になります。
とキャッチフレーズまで作ってしまいそうなぐらい泣いちゃったなるこうでございました。

まぁというわけで立ち戻りますが、

「俺って勉強不足だなぁ」
って。
もうこの辺は半分諦めてはおります。
だってそんな昔の映画や興味の無いジャンルまで把握できんもん。

「映画って何だろうなぁ」
って。
結局やっぱりどれだけ観客の心動かせたかってことじゃないの?って気がしますね。
そのために何をするのか、功夫するのか、銃を撃つのか、爆発するのか、笑いを取るのか、恋をするのか、
映画はアート?
それは作り手が思うことじゃない。
受け手がアートだと思えばそれが何であれアートです。

ともあれ泣きたい方にオススメの傑作。
最後に注意しておきますが、やっぱり日本で本作をリメイクした

「星に願いを。」に関しては少なくとも本作の後で観るようにしたほうが良いと思います。もう遅いけど。

■CAST&STAFF
監督 馬楚成(ジングル・マ)
出演 任賢齊(リッチー・レン)
張柏芝(セシリア・チャン)
蘇永康(ウィリアム・ソー)
曾志偉(エリック・ツァン)
葛民輝
ケ萃?
林珊珊
陳文耀
王志財
林翠鳳
陳寶俊
萬歩奇
林偉麟
易美詩
陳逸寧
何可姐
張裕里
脚本 羅志良
楊倩玲
音楽 金培達
製作 陳錫康
製作総指揮 鄒文懐(レイモンド・チョウ)
制作年度 1999


天羅地網
Gun Men
ガンメン/狼たちのバラッド


まぁかなりタイムリーなところから離れておりますがビデオテープ整理の際に見直してレビューしようかなと思った次第でございまして。


流れ

中国内戦。
李子雄(レイ・チーホン)隊長率いる隊は敵対する鄭少秋(アダム・チェン)の軍によって捕獲され絶体絶命のピンチであったが、直前に内戦は終了。鄭少秋は敗北側にまわり、立場は逆転する。李子雄や隊員の梁家輝(レオン・カーフェイ)らは勝利の美酒に酔いしれながら郷へ帰った。

時が流れて---
梁家輝は刑事となりイギリス侵攻による阿片の捜査を担当していた。
翻って鄭少秋は阿片組織のNo.2。
彼らの戦争は終わっていなかったのだ。
阿片密輸に関わる人物として娼婦の李美鳳(エリザベス・リー)と知り合いになると、鄭少秋への執拗な捜査を開始する梁家輝であったが、一緒に捜査をしていた上司が逆に阿片組織のドンパチに巻き込まれて殺されてしまい、その上署には新しい署長として徐錦江(チョイ・ガムコン)が赴任して厳しく取り締まり、梁家輝は制服組に格下げされてしまう。
悪いのは阿片組織だけではなかった。
警察も地元民から保護料として賄賂を受け取る腐った奴らばかり。彼ら腐った警察を何とかしたいと思っていたのは梁家輝も徐錦江も同じであった。
その賄賂において警察と地元民が騒ぎを起こす。
これに巻き込まれた車夫達が反乱。梁家輝を汚い警官と勘違いした車夫らは彼をボコボコにしたが、彼ら車夫達こそがかつて生死を共にした李子雄らであった。

梁家輝の誘いもあって李子雄らは刑事に。
再びチームを組んだ彼らは鄭少秋の組織に迫り、遂には証拠となる阿片を押収・・・・したと思ったのだが、これが勘違い。鄭少秋組織のボスは病に倒れており、阿片と思われた箱の中身はペニシリンだったのだ。とか言ってる間に組織のボスは死亡。
「必ずお前達に復讐してやる!!」
そう鄭少秋は心に誓うのであった。

この一件で警察をクビになった李子雄らは梁家輝と別れて別の街に行くことを決意するのだが、ここを鄭少秋らが襲い事態はそれどころでは無い感じに。鄭少秋によって警察署自体も襲われ多数の死者を出す。

「最早、身分は関係無い!!」
そう気を吐いた署長の徐錦江も加わって、鄭少秋との最後の決戦に臨む!!

終劇




結構隠れた傑作である。

新ポリス・ストーリー」でも従来のジャッキー映画とは違う非常に渋い演出を見せていた黄志強(カーク・ウォン)監督であるが、当然ジャッキー制約が無くて徐克(ツイ・ハーク)という名プロデューサーのもとで撮った作品だけあって雰囲気の統一が抜群、そういえばスローモーションを多用して登場人物の心を描写する手法は呉字森(ジョン・ウー)の影響もあるのだろうか。

渋い世界観、渋いストーリーに乗せて役者陣たちの渋い演技!
怖くて厳しくての署長を演じた徐錦江はいつもの如くいつもの如しの役かと思わせておいて、実は規律には厳しいが悪を許さない人間で最後には一緒になって敵に向かって爆走!(ほんとに爆走という感じでした)これは意表を突かれたなぁ。てっきり梁家輝を苛め抜くのかと思ったから。
主演の梁家輝の器用さぶりにはいつも素晴らしいし、もう1人は何だか頼れる隊長役の李子雄もとても良い感じ。でも何てったって抜群なのは鄭少秋で、いつもの武侠片二枚目キザなハンサム野郎のイメージをぶっ壊して、自分が悪だろうが何だろうが仁義を通して死ぬまで戦い抜くかっちょいい役どころがたまらない。クライマックスにはいったいどっちが主役だったかわからない感じになってます。
それと、呉家麗(ン・ガーライ)さんはもうちょっと評価されても良い女優さんだよなぁ・・・

レンタル屋で見つけたら借りても良いかと思います。

■CAST&STAFF
監督 黄志強(カーク・ウォン)
出演 梁家輝(レオン・カーフェイ)
鄭少秋(アダム・チェン)
李子雄(レイ・チーホン)
徐錦江(チョイ・ガムコン)
ケ浩南(マーク・チェン)
胡大為(デビッド・ウー)
呉家麗(ン・ガーライ)
李美鳳(エリザベス・リー)
羅錦輝
聶宏風
何霊霊
金楊樺
元彬
趙國基
呉玉書
朱豆
黄錦江
徐寶麟
曹敬文
譚天
雷道祥
蔡敏洪
黄雄
動作指導 馮克安(フォン・ハックオン)
音楽 鐘定一(ダニー・チャン)
製作 徐克(ツイ・ハーク)
制作年度 1988
 

衝鋒隊怒火街頭
英倫越戰
ダブルタップ
ドリフト
インファナル・アフェアII 無間序曲
インファナル・アンフェア 無間笑
デッドエンド 暗戦リターンズ
星願 あなたにもういちど
ガンメン/狼たちのバラッド
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