逃學威龍3之龍過鶏年
Fight Back to School 3
ファイト・バック・トゥ・スクール3 秘密指令は氷の微笑
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よく考えてみるとこの映画は呉孟達(ン・マンタ)が出ていない。その上、代役っぽいのが陳百祥(ナット・チャン)か。
ほんっっとに好みの問題だが陳百祥、俺好きじゃないんだよなぁ。なんか鬱陶しくて。
まぁなかなかPart3ってのは面白くするのが難しいわね。
個人的には「
ポリス・ストーリー3」しか面白いの3映画で思いつかないけど他に何かあるかな?
・・・と検索してみる。
「うる星やつら3 リメンバー・マイラブ」
俺、このシリーズは3が一番面白かったな。
「ダイ・ハード3」も結構面白かったなぁ。
「ロッキー」も3までは悪くなかった・・・こんなもんか。
と、その中で本作の3。
いやぁ考えましたなぁ・・・・・・
「これのどこが続編なんじゃ!」
呉孟達出てない、学校行かない、上司がまた違う、監督も違う、つながってるのは潜入捜査とヒロインの張敏(チョン・マン)だけ。
これぞ王晶(バリー・ウォン)の荒技、当時流行っていた「氷の微笑」を持ち込んで全然違う映画として面白く仕上げてしまうのだから。
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流れ
2件の大手柄を立てたにも関わらず、今日も大して出世してなくてガラクタ刑事の陳百祥(ナット・チャン)を警護するという何とも情けない仕事をしている周星馳(チャウ・シンチー)・・・であったが、シンチーそっくりの大富豪の主人が何者かに殺されるといった事件が発生、早速その主人に成りすまして大富豪のお屋敷に潜入捜査。
「もう潜入捜査しません」
と婚約者・張敏の前で誓っていただけにその張敏大オカンムリ!
シャロン・ストーン(この頃見ないな)ばりのセクシー開脚を披露したのは大富豪の妻である梅艶芳(アニタ・ムイ)。
主人に化けたシンチーを引っ張ってお屋敷に戻ったが、シンチーが全然家族構成を把握していなかったので、偽者ではないかと疑う。
この富豪の友人であった黄秋生(アンソニー・ウォン)の誘いでクラブに赴くシンチーとアニタ。
「良い女がいるんだよな」
と黄秋生が言ってきたのは何とシンチーの婚約者である張敏で、ここで魅せる張敏と男装のアニタとのセクシーなダンスが大きなポイント。
引き続き行われる潜入捜査。
その黄秋生がいつもの如く、やっぱり黄秋生なのでかなり怪しい感じであったが、学生癖のあるアニタも未だミステリアス。
困惑しながら捜査を続けるシンチーであったが、結末は意外なところにあるのであった・・・!
終劇
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サスペンス妙味はかなり早い段階で読めてしまうが、黄秋生の顛末などに工夫が見られたし、本格的なミステリーコメディという意味では十分面白かったと思う。
またまたまた「賭聖」になってる周星馳のギャグも好調で全編に渡って笑える仕上がりはさすが。
それでいて王晶作品にしては珍しく余計な血は飛ばないし、最後の最後でアニタが明るく登場するシーンの何とも言えない切なさの締めが非常に独特なものにさせている。意図してこういったラストシーンを演出できるだろうか、かなり秀逸なラストシーンじゃないかなぁと思う。
さすがは王晶
やっぱり王晶
色々な表現があると思うが本作においては間違いなく前者である。
やはり改めて思うのは梅艶芳というアクトレスが唯一無二に近い存在だったのだと思い知らされる。これこそ言葉で表現するのが非常に難しいのだが、硬軟使い分けは当たり前に唄や踊りも文句無しで、彼女にしかない妖艶さと彼女にしかないコメディセンスは香港の、いやアジアの女優において郡を抜いていると思う。本当に残念。