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■周星馳(チャウ・シンチー)1995  

百變星君
Sixty Million Dollar Man
ミラクルマスクマン〜恋の大変身〜



やっぱりなんちゅうかその、段々と過渡期になってきてるんだなぁっていう気もするのが本作。
かといってダメかと言えばそうでもない。
いやね、香港で既にビッグスターとしてのエンターティナーとしての地位を確立している周星馳(チャウ・シンチー)がなぜ今さらジム・キャリーをやらにゃいかんのか?
「ジャッキーが今さら誰かの物まねするか?」
・・・いちいちジャッキーと比較するからおかしくなるのだが。
まぁそんなところで、周星馳の次の目標を見失ったまま暗中模索の一作という気がする。

流れ(簡単に)

大金持ちの周星馳は傲慢で小市民を虐める嫌な奴。
奇天烈な大学の博士・徐錦江(チョイ・ガムコン)やその娘・粱詠h(ジジ・リョン)とハチャメチャやって遊んでた。
というところに、マフィアの謀略にかかって周星馳は実の父親であった呉孟達(ン・マンタ)を助けるために爆死。

奇天烈博士によってシンチー復活!!
さらに何にでも変身出来るスーパーマンになった!!
・・・はずだったが・・・変身の出来るのは身のまわりの家電や練り歯磨きだった・・・

シンチーが昔いじめた兄ちゃんの紹介でまた「ファイト・バック・トゥ・スクール」のように教師になるシンチー。
いやぁこれがまたその作品よりも本作では生徒達が徹底して悪!悪!悪!
徹底的にボコボコにされるシンチー、これじゃあ泣き虫先生の戦争も起こせようはずもありません。
しかしもってシンチーは自分の変身機能を使って生徒達を遂に返り討ち!!
大人になって妙に色っぽくなった粱詠h(こっちが本当だが)もゲットしつつ、自分を爆死させたマフィアどもと対決へ!

終劇




そうなのよね。
俺なんか小学生の時からずっと知ってた同級生が高校生になって大人びてくると、
「あれぇ?こんなに可愛かったっけ?」
ってなって、
"なぜ、俺はあの時もっとアプローチしなかった!?"
と自分自身に強い後悔を胸に抱いて今に至る。
"可愛くなるなら早い段階で言え"
と思えば、逆にこういうパターンもあった。
小学生の時はクラスのアイドル的存在だった女の子が高校になって再会して見ると、
「あれぇ?こんなぐらいだっけ?」
"普通になるなら早い段階で引退だ"

本作は前半の南の島みたいなとこで起きてる傲慢な兄ちゃんと変態博士とのバカ話、これが一転後半は教師の奮闘ギャグ物語と化し、クライマックスには爆笑!ロボコップvsターミネーターになってしまうグチャグチャな展開である。
ゆえに、トータルで観てしまうとあんまり評価できないところがあるのではないだろうか。統一感が感じられない。

かといってダメダメかと言えばそうでもない。
特には変身能力を持って学園に飛び込んだあたりから俄然面白くなってくるし、ラストの戦いも面白い。まぁ見所が余りにもはっきりしてる映画だな。他の見所としては徐錦江の変態博士っぷりってところか。

後半は面白くなるので、シンチー映画としての水準はちゃんとあるかな。ジム・キャリーは超えてないけど・・・って、なんかそれってジャッキー映画みたいだな。

■CAST&STAFF
監督・脚本 王晶(バリー・ウォン)
葉偉民(イップ・ワイマン)
出演 周星馳(チャウ・シンチー)
粱詠h(ジジ・リョン)
呉孟達(ン・マンタ)
徐錦江(チョイ・ガムコン)
孫佳君
文雋(マンフレッド・ウォン)
ケ祖(チェン・チォ)
黄一飛(ウォン・ヤッフェイ)
江欣燕
ケ兆尊
孟波
宋本忠
洪小雲
胡英傑
李健仁(リー・キンヤン)
動作指導 林袖安
音楽 李漢金
温浩傑
策劃 胡兆昌
製作総指揮 向華強(チャールズ・ヒョン)
蔡松体
制作年度 1995


西遊記第壹佰零壹回之月光寶盒
Chinese Odyssey Part1 Pandra's Box
チャイニーズ・オデッセイ1 月光の恋



面白いの一方でもぞかしいのだ。
周星馳(チャウ・シンチー)作品には得てしてそういうことが多い。
「カンフーハッスル」然り「喜劇王」然り「破壊之王」然り。
本作は西遊記を2部構成に渡ってお送りする一大巨編であるが、まさにこれももぞかしいのだ。


流れ

悪さばっかりしてちっとも天竺旅行に協力しない孫悟空は如来菩薩に怒られて、人間にされて記憶を失い500年後に吹っ飛ばされる。

500年後。
荒野で山賊の大将をしていたシンチーは突如現れた謎の女にしてメチャクチャ強い藍潔瑛に子分からアジトから全てを牛耳られる。何とかして追い出したいシンチーであったが、さらに彼女の妹の莫文蔚(カレン・モク)が登場。
いつもの如く、一目惚れしたシンチーはアタック開始するのだがこの姉妹は何と妖怪であった。妖怪であっても結局めげないところが実にシンチーらしいのだが、ここに変な坊主が現れて
「っていうかお前も妖怪孫悟空だ」
と言われて鏡を渡される。鏡を覘くとそこには自分の顔ではなく孫悟空の姿が・・・

それでも信じられない信じたくないシンチーはめげずにアタック。
ほんま、たくましいな。それどころじゃない気もするのに。
カレンとの仲も深まり真昼間からエッチしようと思ったが服がなかなか脱げずに途中で醒めてしまうくだりが面白い。
その後も「俺が孫悟空じゃない!」とばかりにドタバタを繰り広げるシンチー。
つーか、いつになったら彼は孫悟空になるのだ!?


終劇





ああ、もどかしい!!

いつシンチーがかっちょいい孫悟空として目覚めるのだろうと期待して待ってたら結局ならないでやんの!
確かにそこまでのドタバタは最早安定感をいうものがあり、笑ってみていられる楽しいものであるがいい加減早く孫悟空になれっての!
というわけで、シンチー映画にはもぞかしさを感じることが非常に多いのだ。
「カンフーハッスル」は最後の最後まで覚醒しないし、「破壊之王」も最後の最後まで強くなったんだかなってないんだか。「新精武門1991」でも強くなりたい割には最後まで強くなったんだかなってないんだか。スッキリするのは賭神シリーズぐらいか?

決してこの作品も悪くない。
呉孟達(ン・マンタ)とのいつもの掛け合いはさらに面白いものになっているし、恋のドタバタ大作戦はいつもの通りに面白い。しかし「西遊記」的なカタルシスとは全く無縁の作品でチャイニーズオデッセイというのはちょい力負けではなかろうか。とりあえず後編に向かおう。


■CAST&STAFF
監督 劉鎮偉(ジェフ・ラウ)
執行導演 江約誠
出演 周星馳(チャウ・シンチー)
呉孟達(ン・マンタ)
莫文蔚(カレン・モク)
藍潔瑛
蔡少芬
羅家英(ロー・ガーイン)
江約誠
陸樹銘
呉?瑾
朱茵(アテナ・チュウ)
武術導演 程小東(チン・シュウトン)
脚本 技安(ジェフ・ラウ)
製作 楊國輝
制作年度 1995


西遊記大結局之仙覆奇縁
Chinese Odyssey Part2 Cinderella
チャイニーズ・オデッセイ2 永遠の恋



さてもぞかしい前作から今回はどうなりましたでしょうか?
流石に今回はシンチーと言える作品である。


流れ

前作で500年前に飛ばされたシンチーは自分を孫悟空と目覚めさせる運命の人・朱茵(アテナ・チュウ)に強制家来させられる。家来になっちゃっても色気を失わないシンチーのたくましいキャラクターが実に良いのであるが、自分の剣を抜いた人が運命の人と信じるアテナはシンチーに剣を抜かれてしまい、お互いに運命の人を自覚。しかし、シンチーには既に前作で惚れたカレンという女性の存在が(500年後の話ですが)。
何とか500年後に還りたいとしながらも(無理があるな)、段々仲を深めていくことでアテナとの間に芽生えた恋心を抑えることが出来ないシンチーは全てのことにケジメをつけるために全ての雑念を捨てなければいけない孫悟空になることを決意。
孫悟空になって牛魔王の前でアテナと再会したシンチーであったが、既に人の心は忘れており彼女を冷たく突き放すと牛魔王を倒し天竺へと進むが・・・


終劇





結局この映画はまぁこれに近い話もあるのだそうだけれど、自分も含めてお馴染みの西遊記の話はお遊び程度にしか登場せず、三蔵法師一行のアクションロードムービーだったりはしないわけだ。あくまで西遊記をベースにしたシンチーの映画。
しかしもっていつも失恋劇を絡めるシンチーのこれはベストな恋愛劇ではなかろうか。二部構成にするよりも濃縮して2時間半にしたほうがより良いような気もするが(個人的には自分で編集してセルフエディションを作りたい作品とかあるなぁ・・・)、まぁ良しとしよう。ラストの何とも切ない幕切れはとても良いものである。


■CAST&STAFF
監督 劉鎮偉(ジェフ・ラウ)
執行導演 江約誠
出演 周星馳(チャウ・シンチー)
呉孟達(ン・マンタ)
朱茵(アテナ・チュウ)
莫文蔚(カレン・モク)
藍潔瑛
蔡少芬
羅家英(ロー・ガーイン)
江約誠
陸樹銘
呉?瑾
武術導演 程小東(チン・シュウトン)
脚本 技安(ジェフ・ラウ)
製作 楊國輝
制作年度 1995

 
 

チャイニーズ・オデッセイ1 月光の恋
チャイニーズ・オデッセイ2 永遠の恋
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