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■周星馳(チャウ・シンチー)1996  

食神
The King of Cookery
The God of Cookery
食神



周星馳(チャウ・シンチー)の代表作の1つとして数えられる本作。

この作品、個人的には
「ああ、そうか。融合してるっぽいな」
と感じたことがある。それはなにか?
って、そんな大した論でもないんすけど。
とにかくいってみましょか。


流れ

香港料理界でその名を欲しいままにしていた"食神"こと周星馳(チャウ・シンチー)の性格は傲慢そのもの。
やらせを配して自分を際立たせたり、他人を次々と侮辱したりと嫌な奴。料理の腕も嘘っぱち?

この周星馳に近づいてきた呉孟達(ン・マンタ)、明らかに周星馳を恨んでいる様子であったが、周星馳が支店を新たに出すと聞いて牛肉のルートを提供することを約束。
と、そんなところに食神・周星馳を慕って弟子入りを願い出る男・谷徳昭(ヴィンセント・クック)が出没。人前でウンコしてでも弟子になりたい谷徳昭。その勢いが気に入って
周星馳は付き人にしたが、からかうためだけに引き入れていた。

出店の日。
可愛いゲスト出演、鍾麗〔糸是〕(クリスティ・チョン)の女子高生姿は必見だ!・・・あれ?
あれ?というのはその可愛い鍾麗〔糸是〕がいつものオカマ・李健仁に変わってしまったことではなかった。
従順だったはずの谷徳昭が周星馳の出した料理を次々と批判、
「あんたは本当に料理の神なのか!?」
と尋問する。
わけがわからない周星馳はその場を逃げ出したかったが、取り巻きがそうもいかない。おまけに警察が現れて
「あんたの店の牛肉が原因で食中毒」
ということで、周星馳は逮捕されてしまう。肉のルートは呉孟達、実は谷徳昭も呉孟達の手下にして料理の達人でこの日から立場は逆転。周星馳は富も名声も失って地に落ち、谷徳昭が"食神"を名乗り出る。

落ち込んで路地裏に座っていた周星馳。
ショバ代争いに巻き込まれて莫文蔚(カレン・モク)の屋台前へ。
ひょんなことから周星馳と莫文蔚、それにチンピラどもの田啓文(ティン・カイマン)や林雪(ラム・シュー)は一致団結。
屋台で大ヒット商品を作り上げてここから再起を試みる。
「爆発!小便団子」
・・・ううう、実に不味そうな名前だ。
しかし、これ一口食べると南の島で豪遊してるかのような超爽快な気分になれる最高の味らしく、早速販売開始。
拒食症の男が団子をムシャムシャ喰ったことから大ブレイク!
事業は一気に拡大し、再び呉孟達は脅威に晒される。

さらに腕前を上げるべく、中国に向った周星馳。
目当ての学校を探したが見つからず。
後から追っかけて来た莫文蔚との鬼ごっこを繰り広げている場合ではなかった。
遂に呉孟達が能動的な牙を剥き、殺し屋を放つ。
哀れ莫文蔚、周星馳をかばって被弾してしまうのであった。

周星馳も何とか殺し屋から逃れて、疲労困憊辿り着いたその先は料理学校ではなく・・・しょ、少林寺!!

なぬーっ!?
やっぱり少林クッキング!?!?


終劇




フィルモグラフィー辿れば一目瞭然だが製作年度は1996年、周星馳がコメディアンとして一通りのことをやりきった後の映画がこれに当たる。

まず、先にこの映画のメインテーマである料理であるが、
昔ジャッキー「ナイスガイ」公開前のこと、
「今度はジャッキーが料理人!」
と噂で聞いて、そりゃあもう楽しみにしたもんだ。
結果はご覧になってる方はまさしくご覧の通りで
「これじゃ料理人でも配達人でも一緒やな」
という設定が全く生かされていない映画で至極残念。
これは全く持って個人的な趣味話になるのだが、美味しんぼを読破している俺にとって、リアリティに欠ける料理物語は余り乗れないのだ。
「爆発!小便団子」
を見て皆さんはあれを美味しそうに感じただろうか、クライマックスに出てくる一品を見て「食べてみたい」と思っただろうか。漫画の骨格だけ真似られても困る。
審査員の薛家燕が料理を食べて七転八倒する姿はとても面白い。「ミスター味っ子」をそのまま実写にしたらこんなに笑えるのかという感じで確かに面白い。しかし、
「味っ子が作る料理は本当に美味しそうだ」
というところと、本作に出てくる料理が余り美味しそうに見えない、というところで凄いギャップを感じてしまうのだ。
つまり「キャプテン翼」を実写にして、演出そのまま漫画でやればそれはそれで面白い。しかし、翼君のドライブシュートや立花兄弟のスカイラブハリケーンが実写にした時、全く格好良いもんでなければ、それは外装は立派で美味しそうなラーメン屋だが肝心のラーメンはマズイ、それと同義だろう。

ってことで、個人的には料理を扱った作品としてはそんなに評価は高くない。そもそも自分の見方が間違ってるのだろうと思ったほうが良さそうだ。
この映画を観てある人物を連想した人は私の他にもたくさんいるのではないか。
偉そうで傲慢で守銭奴で憎めない。
と来たらそりゃもうあの人ですな。

個人的にはこの映画、まるで周星馳が彼を目指したような印象を受けますね。
憎めない・・・という部分で本作ではやや行き過ぎた感があるものの、そのキャラクター像と「料理」という1テーマに絞って詰めていく画作りにある種の共通点を感じてしまうのです。
そういった意味では十分成功しているコメディ映画ではないでしょうか。

個人的には少林十八鉄人のくだりが一番笑えました。

■CAST&STAFF
監督 周星馳(チャウ・シンチー)
李力持(リー・リクチー)
出演 周星馳(チャウ・シンチー)
莫文蔚(カレン・モク)
呉孟達(ン・マンタ)
谷徳昭(ヴィンセント・クック)
薛家燕
羅家英(ロー・ガーイン)
劉以達
李兆基
歐錦常
鍾麗〔糸是〕(クリスティ・チョン)
苑瓊丹
江希文
李健仁
田啓文(ティン・カイマン)
林雪(ラム・シュー)
陳東
動作指導 潘健君
脚本 周星馳(チャウ・シンチー)
曽謹昌(K・C・ツァン)
労文生(ロー・マンサン)
制作年度 1996


大内密探零零發
Forbidden City Cop
008皇帝ミッション



チャウ・シンチー/新精武門」からの続きになるのだが、やっぱりまぁそういうことなのだな。この作品と比べるとようわかる。


流れ

皇帝の護衛隊をやっていたシンチーであったが、他の護衛隊の功夫そして肉体自慢に皇帝が賞賛を贈る中で何にも出来なかったシンチーは皇帝から呆れられて解雇。
解雇されても町で妻の劉嘉玲(カリーナ・ラウ)と2人で産婦人科やりながら下らない発明を続けて楽しく生きるシンチー。しかしそこに皇帝の命が狙われているという情報が飛び込んできた。この辺でも何となく阻止に向かうシンチー、肉体的には全く強くない彼は下らない発明品を武器にどうやって戦うのか?

終劇




ゆるい展開が逆に面白い。
008とうたっておきながらも冒頭にでんぐり返りをすることで
「今回、アクションは出来ませんね」
とハッキリ認識させてくれるので、逆にその後の展開がシンチー自身功夫に頼ることなくひたすらハイパーギャグに徹してくれる(功夫を使う敵に対抗して)、この辺が変なジレンマを生み出さずに済むので気持ちが良い。
ギャグでやるならとことんギャグに、
アクションやるならそこはしっかり。
その辺の分け隔てがキッチリ出来ているので迷うことなくギャグを楽しめるのだ。

「ツーフィンガー鷹」で登場した袁信義(ユアン・シュンイー)の二人羽織をご本人が再演してくれているのも嬉しいし、袁祥仁(ユアン・チョンヤン)は「ミラクルファイター」だろうな。
一番面白いのはギャグばかりで中々話の進まないとろい展開の中でひたすら楽しそうに夫婦像を演じてくれるシンチーと劉嘉玲といったところか。こんな夫婦、羨ましいですよね。


■CAST&STAFF
監督 周星馳(チャウ・シンチー)
谷徳昭(ヴィンセント・クック)
出演 周星馳(チャウ・シンチー)
劉嘉玲(カリーナ・ラウ)
李若〔丹彡〕(カルメン・リー)
張達明
羅家英(ロー・ガーイン)
劉以達
李力持(リー・リクチー)
袁祥仁(ユアン・チョンヤン)
袁信義(ユアン・シュンイー)
谷徳昭(ヴィンセント・クック)
朱〔口米〕〔口米〕(シュー・マイマイ)
(ユアン・キンタン)
江欣燕
文雋(マンフレッド・ウォン)
歐錦常
黄志強(カーク・ウォン)
黄一飛(ウォン・ヤッフェイ)
チャールズ・シェン
王英杰
黄老邪
ビル・ロー
王均康
李健仁(リー・キンヤン)
動作指導 潘健君(トニー・プーン)
脚本 周星馳(チャウ・シンチー)
谷徳昭(ヴィンセント・クック)
労文生(ロー・マンサン)
音楽 劉以達
製作 王晶(バリー・ウォン)
製作総指揮  向華強(チャールズ・ヒョン)
蔡松林
制作年度 1996

 
 

008皇帝ミッション
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