算死草
Lawyer Lawyer
ハッスル・キング
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やっぱりこれだ。
成龍(ジャッキー・チェン)にしか出来ないことがあり、許冠文(マイケル・ホイ)にしか表現出来ないことがある。そして周星馳(チャウ・シンチー)にしか出来ないこともある。
本作はその点をよく踏まえて作られた作品で、シンチーのポテンシャルを信じて作られた脚本である。
■流れ
相変わらず嫌味とウィットで毎日を生きる弁護士・シンチーは今日も弟子の葛民輝(エリック・コット)らと乞食派をおちょくっていた。
おちょくる中にも和を求め、乞食派党首とも和解に持っていくところが凄い。あんなにめっちゃくちゃにしたのに。しかしもってのっけから下ネタだらけ。
葛民輝が一目ぼれした人形師の邱淑貞(チンミー・ヤウ)を家に招待し、シンチーは葛民輝とくっつけるフリして実は一番美味しいところを頂こうとする・・・が、留学に出ていたはずの妻の莫文蔚(カレン・モク)が突然帰ってきたため事態は大混乱に。
自分を餌に邱淑貞ゲットを企んでいたシンチーに葛民輝は怒って大喧嘩。
末にはシンチーの家を出て香港へ。
香港で道化師でもして暮らそうかと言った葛民輝であったが、あっという間にそれどころではなくなる。「男たちの挽歌2」の石天さんよろしく、殺人犯に仕立て上げられてしまったのだ。
新聞でそれを知ったシンチー一家は彼を無罪放免にするために香港へ乗り込む・・・
終劇
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なんか・・・説明が下手ですいません。
とにかく本作のウリは如何にして難攻不落な裁判を、彼のしゃべくりハイテンポギャグで勝利に導いていけるかであり、武術指導のクレジットが無いのは「そんなもんいらない」といったシンチー独自の時代劇としての気概の表れである。シンチーそのものの魅力と功夫は本来無関係に等しいのだから香港時代劇といえば必要不可欠と言っても良い武術指導の存在がシンチー映画だからこそいらないのだ。
そこに来て本作はまぁ、下ネタが多すぎるところが個人的にどうかと思うところもあるのだが、十二分にシンチーギャグが炸裂していて、裁判劇にも無茶な演出が見られるものの、カタルシス的には十分なものがあり、面白い。特にその口一つで真犯人を追い詰めていくクライマックスは見所。ただ最後までその口一つで解決まで導いて欲しかったんだけどね。
まぁ要はジャッキーがシンチーの真似をする必要も無ければ、シンチーが本気でジャッキーやブルース・リーの真似をする必要も無いのだ(パロディという意味ではまた全く別の話になるし、とっても面白くなるのだが)。
最新作の「功夫2」がどのようなものになるのか全く不明だが、功夫ものであれ何であれ、シンチーはシンチーであればよいということを踏まえて作ってもらいたいなぁ・・・
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