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■天皇巨星・ジミー・ウォング(王羽)4  


縱天下
The Invincible
必殺!ドラゴン飛龍剣

ドイツ語?

この作品は1977年に「必殺!ドラゴン飛龍剣」のタイトルで日本でTV公開されており、後程その概要が王羽(ジミー・ウォング)主演、「聾唖劍」の馬海倫(ヘレン・マ)がヒロインを務める武侠片と知って大変観たくなった次第。
日野先生の「ドラゴン大全集(芳賀書店著)」にも「琴と歌で愛を訴えかけられる」 との作品紹介があり、琴を奏でるヘレンと佇むジミーの姿にワクワクしたものだ。


流れ


時代は金朝が北宋を滅ぼした後の時代・・・たぶん。
のっけからオープニングの合戦シーンが凄い。中国ロケが許されない時代にどこでロケしたのだろう?というような(台湾でしょうけど)広大な荒野で膨大な数の馬が駆け巡り、人が斬り合うスペクタクル感溢れるオープニングである。

・・・・・・今のでかなり予算を使ったか・・・急にグレードが・・・下がっ
ジミー映画常連の龍飛(ロン・フェイ)率いる軍団がヘレンを追っている。
戦闘になるとうわ!
聾唖劍再び!
って感じなんですね!
「聾唖劍」は1971年製作なんでやっぱそこからのスピンオフな感じがあるのでしょうか。ヘレンさんかっちょいいす。
しかし、龍飛軍団に多勢に無勢、すんでのところで
かっちょいい登場
ジミー先生が助けに入って剣も抜かずに拳一つで龍飛軍団を退散させて、彼女を助ける。

美人助けて良い気分で故郷(?)に戻ったジミー先生だったが、村は金朝の焼き討ちに遭っており全滅。打倒金朝を心に固く決意する。

江湖に強敵現る!
の情報は龍飛からダダ漏れしており、その後も山茅(サン・マオ)軍団が、王永生軍団がジミー先生に襲い掛かるが、その度に蹴散らすジミー先生・・・であったが不思議と剣を抜かないのだ。つまりトドメを刺さない。

これには訳があった。
実は彼らは北宋の生き残りで、ジミーも同様。
敵らしい敵が味方、誤解も解けて改めて団結する・・・ジミー映画常連悪役を揃えておいてこんな展開になるとは思ってもいなんだ。

味方らしい味方が実は敵。
冒頭に助けたヘレンは実は金朝の皇帝・張沖(ポール・チュン)の娘だったのだ。

味方集め、
ということで剣豪であったが、今は落ちぶれている薛漢(シュエ・ハン)のおっちゃんをスカウト。今回は薛漢のおっちゃん久しぶりの剣豪役である。
落ちぶれていたのは訳があり、自分の愛娘を張沖に奪われ強姦され、目の前で娘が自害するといった惨劇を目にしていたからなのだ。
ここからしばらくエロエロ大魔王であることが発覚した張沖のおっぱいショーがしばらく続く。昔の映画は必ずなぁ・・・

殺せ!
エロエロ大魔王!ということで、
荒野移動中に奇襲をかけたジミー先生であったが、逆に張沖必殺の弓で足を射られてしまい、囚われの身に。
尋問の末にジミー先生は目を抉られることになるが、ヘレンがその場を利かして逃れると、夜半にジミー先生を逃がす。そしてヘレンの部屋にかくまう。

んでこの後のヘレンさんの部屋で
"琴と歌で愛を訴えかけられる"
のシーンになるわけですね。

ヘレンさんの助けを得て逃げ出したジミー先生は仲間と合流すると最後の戦いに向けて準備を始めるのだが、すっかりヘレンさんとラブラブになって恋心にも強く悩む自分がいることを悟っていた。しかし、そんな事も言ってられない。

決戦のその日、ジミーの迷いを断ち切る事件が起きる!


終劇





ジミーさん初期の武侠片はどれも面白いものがあるがこれも例に習って中々の傑作で、個人的には聾唖劍再び!な展開が嬉しい作品だ。

何にしても際立っているのは立ち回りで、ジミーさんもヘレンさんもキレの良いアクションを頑張って披露しており、ことジミーさんに於いては「吼えろ!ドラゴン 起て!ジャガー」以降の作品ということもあって徒手空拳での戦いも多く、戦闘シチュエーションでも工夫を凝らしてあるところに好感が持てる。

物語は救いが無いがまぁ武侠片ストーリーはこういうのが基本だしなぁ、というか侠の世界観が。

うん、良い作品だと思いますよ。
この辺のジミーさんの傑作武侠片も日本でDVD化されていって欲しいですね。

■CAST&STAFF
監督 羅臻
出演 王羽(ジミー・ウォング)
馬海倫(ヘレン・マ)
張沖(ポール・チュン)
馬驥
曹健
薛漢(シュエ・ハン)
關毅
原森
柯佑民
張亦飛
齊後強
王永生
謝興
龍飛(ロン・フェイ)
山茅(サン・マオ)
楊烈
金萬希
藍雲
曾明昌
何維雄
陳信一
張義貴
侯伯威
李強
關洪
白玲玲
王國輝
武術指導 謝興
脚本 郭嘉
音楽 王福齡(ワン・フーリン)
林贊庭
制作年度 1972



獨臂侠大戰獨臂侠
One Arm Chivalry Fights Against One Arm Chivalry



王羽(ジミー・ウォング)さんの片腕ものである。
片腕必殺剣
続・片腕必殺剣
新座頭市/破れ!唐人剣
片腕ドラゴン
「片腕カンフー対空飛ぶギロチン」
獨臂拳王勇戦楚門九子
獨臂雙雄
そして本作でジミーさんの片腕ものレビューは制覇、になるのかな?
製作年度1977年1976年頃と言えば「片腕カンフー対空飛ぶギロチン」や「ドラゴン修行房」も撮っていた時期で、本作合わせた三本に共通しているのは劉家榮(リュー・チャーヨン)が武術指導及び役者として関わっているということ。後に「燃えよデブゴン3/ダーティタイガー」等に主演し、功夫スターとして果ては大ヒット作「魔界天使」で監督としての才能も評価されることになる彼の才能を最初に発見したのはジミーさんだったのかもしれない。その証拠に本作はジミーさんと劉家榮のW主演を形を取っている。


流れ(推測たっぷり)


江湖で起きた謎の殺人事件。
江湖に集結した各流派の長達が取り敢えず名うてのジミーさん派遣決定。
ジミーさん捜査開始。
・・・って、あれ?片腕じゃなくて両腕ドラゴンですよ?ありますよ?
と思ったら、この捜査自体が黒幕が仕掛けた罠。
捜査途中に暴漢に襲われている女・易虹を発見したジミーさんは当然これを助けたのだが、実は易虹も敵で後ろからジミーさんの左腕に毒針グサリ!
易虹 「毒が回って死ぬのも時間の問題よ!」
王羽 「そうはいくか!」
というわけで自ら左腕を斬り落とし、体に毒が回るのを防いで高笑いするジミーさん!今腕斬り落としたばかりなのに余裕がありますな!
余裕がありますなどころではなかった!
ここぞと目掛けてジミーさんを倒しにかかるザコ敵たち凡そ20人か!
その約20人相手にたった今自分で左腕を斬り落としたばかりなのに、そのままガンガン戦うジミーさん!んなあほな!手当ては!?

王羽 「どないなっとんじゃ!」
集結時にも顔出してた薛漢(シュエ・ハン)の所に取り敢えず訪ねるジミーさんであったが、知らんがな状態でその場を後にする。
その後に現れた謎の片腕ドラゴン・劉家榮によって薛漢は殺されてしまう。

今度は薛漢殺しの罪も被ってしまうジミーさん。
非常に立場がまずいです。
真の黒幕から送られて来た刺客のラマ僧4人組を倒すも、まずい立場は変わらず。
遂には各流派全員から襲われるジミーさん。
やはりは主役なのでとても強かったのだが敵の内には梁家仁(リャン・カーリャン)なんて強敵もいて負傷!
このままメッタ斬りにされて死ぬよりは!
ということで自害しようとするジミーさん、しかしこれを助けたのは華山派の王冠雄、ジミーがそんなことをするはずはないと思っていたのだった。

一旦は逃げ出して身を隠すジミーさんと王冠雄。
彼らの回りで暗躍していた謎の片腕ドラゴン・劉家榮と合流することで、彼から真の目的を耳にする。
かつて名士の息子であった劉家榮は、梁家仁そして真の黒幕によって家族を皆殺しにされ、幼き弟とは生き別れになっており、彼も真相を探っていたのだった(薛漢は犯人の1人?)。

とは言っても
王羽 「落とし前はつけねばならん」
ってなわけで結局は各流派の長達が見守る中で決戦を開始する
ジミーさんvs劉家榮のW片腕ドラゴンバトル!
戦いはジミーさん優勢に傾いたが、そこに全ての真相を知る梁家仁の手下を捕まえた王冠雄によって遂に真相が公に。

ジミーさんと劉家榮で梁家仁をぶっ殺せ!・・・になるのかと思ったが、
あっさりと出てきた劉家榮生き別れの弟・程天賜も関係しちゃって、
王羽 「ほな、後は頼むわ」
って感じでその場を立ち去るジミーさん。
ジミーさんにとっては梁家仁は小物扱いか。

代わって対決 梁家仁vs劉家榮
彼らの初対決はこれなのかな?この後も他作品で何度か対戦しますからね〜

一方であっさりと真の黒幕のアジトを突き止めるジミーさん。
黒幕はやっぱというかなんちゅうかほんちゅうか・・・
やっぱり龍飛(ロン・フェイ)さんなのですが・・・
君ら何回対戦したら気が済むねん・・・
わぁ!対戦が不利になったら出ましたよ!
ジミーさんのケチクサイ戦闘スタイル!!


終劇





・・・そういえばこういった映画に必ず顔を出す羅烈(ロー・リエ)さんが珍しく出ていないな。

江湖の一大騒動を題材にしたストーリーは時に古龍武侠片っぽくもあり、時に張徹(チャン・ツェー)作品っぽくもあってそれほど悪いものではない。
ただ主人公の片腕ドラゴンを二人にしたことによってどちらもあらましの描写不足、「新座頭市/破れ!唐人剣」での片腕ドラゴンジミーさんと勝新太郎扮する座頭市のようにお互い戦わざるを得なくなった悲しき二人の剣士、ってところまでこちらが感情移入に浸るほどではないのが実に惜しい。逆にそこまで持って行ってりゃ傑作になり得たかもしれない。

というのもことアクション面で腕が一つ減れば当然殺陣のバリエーションも限られてくるわけで、その割には武術指導家として今回の劉家榮はテンポの良い立ち回りを振付けてよく頑張っている。アクション面は良いだけにストーリーが描写不足なので惜しいなと・・・まその辺で。

いわゆるジミーさんらしいはっちゃけ度っていうのもやや薄いので、本当に全体的にそこそこの作品ですな。

監督・脚本 金聖恩
出演 王羽(ジミー・ウォング)
劉家榮(リュー・チャーヨン)
龍飛(ロン・フェイ)
梁家仁(リャン・カーリャン)
王冠雄
魏平澳(ウェイ・ピンアウ)
程天賜
易虹
喜翔
關洪
薛漢(シュエ・ハン)
田明
李影
K鷹
高飛(コー・フェイ)
夏侯俊
余松照
岳峰
金萬希
王太郎
黄哈(ウォン・ハー)
劉幼斌
何維雄
張義貴
陳森林
茅敬順
金龍
陳金海
呂雲保
武術指導 劉家榮(リュー・チャーヨン)
製作 黄卓漢(ウォン・チェクホン)
制作年度 1977


大江南北
Double Double Crosser



今や、王羽(ジミー・ウォング)作品の数多くが日本国内でも出回ってはいるが、まだまだ世に知られていない作品が存在するということも確かで、この辺がもうほとんどの出演作を掘り起こされてしまった他ビッグな功夫スターと比べて楽しみがいっぱい残っている、というわけで本作も私が見るのを非常に楽しみにしていた作品である。
大江南北。
タイトルだけでは内容がさっぱり予想つかないので余計に楽しみだったのだがはてさて。


流れ


オープニングが雄大な景色と壮大なテーマ曲から始まるのですが、その雄大な景色が物語とどう関係があったのかさっぱりわかりま・・・大河が映されていたので水路での密輸を連想しろと?

漁港。
さっそく
現代劇では7:3分けが基本(笑
黒いスーツに黒いスーツケースで登場のジミーさん。
今回は現代劇であります・・・?
と思ったらジミーさんが泊まるホテル(笑 は功夫映画お馴染みの二階吹き抜け客棧やから功夫時代劇と変わらへんがな。

まぁ何にしろ大規模な密輸組織を挙げるべく派遣されたスパイ・・・らしい。
早速、先に組織に潜り込んでいた
扮装怪しすぎる孫越のおっちゃん
孫越(スン・ユエ)と嘉凌(ジュディ・リー)から情報提供。
ただ歩いて見回るという基本的な捜査を繰り返している(と思われる)ジミーさんはチンピラとかに絡まれても強いので一網打尽。

組織の腹心である
いつもダンディに決めてます
張翼(チャン・イー)が強いジミーさんを見てスカウトしようかって感じで。
しかし、ジミーさんが先に組織に潜り込ませていた使いの身元がバレテしまって同じく腹心の毎度お馴染み
髪型も変で今回単なるおっさんやな
龍飛(ロン・フェイ)さんに殺され、それを知って怒り心頭のジミーさんはスパイ的潜入な計画台無し関係無し(笑 で
大暴れ!
このシーンはなんと!
ジミーさんが甄子丹(ドニー・イェン)ばりに開脚ジャンプキック!
早速、龍飛とこのチンピラ蹴散らして、さらに龍飛ぶっ殺し。

スパイなんじゃないの?
って思ってたのにあっさり正体ばらして復讐するところがジミーさんらしいが、
こっちのサングラスもどうかと
大ボス・田豐(ティエン・ファン)は来たる
苗天(ミャオ・ティン)兄貴も来ました
苗天との取引準備。
悪役大集合ですな。

張翼が孫越を痛めつけて、

嘉凌がスパイであることを突き止めると
張翼vs嘉凌の末に嘉凌を捕らえるが、
それを早速知ったジミーさんが今度は南宮勳(ナン・ゴンクン)と戦って嘉凌さんを奪還。

・・・さっきから全然現代劇になっていません。
やってることが功夫時代劇と全く一緒。
車の一つも出てきません。いつの時代よ?これ。

やっぱ張翼が一番悪い奴で苗天を殺すと、田豐の片腕とされる張紀平と組んでその田豐を裏切ってNo.1へ。
と思ったらそこにジミー&嘉凌さんが乱入してラストバトル!

アクションはいいです!
どりやーっ
ほいやーっ
はいやーっ


終劇





惜しい!!・・・い、いや全然惜しくないか?

監督の田豐と言えば日本ではジャッキー「ヤング・マスター・師弟出馬」「ドラゴンロード」「必殺鉄指拳」での父・師匠役が一番有名か。想像つくとおり昔から映画界で活躍、他印象に残るのは

~刀」「迎春閣之風波」での悪役、「天下第一」での皇帝・柴栄役あたりか。
というわけで役者としてはベテラン中のベテランなのであるが、監督としては些か弱かったか。
話の骨子も登場人物の心情もまともに描けていないというのが本作の感想で、大筋が全然しっかりしていないので、私がちゃんと翻訳しきれていないことを差し引いても物語が余りにスカスカである。
これこれこうでこうなった、だから戦う
というものをもうちょっと丁寧に描く必要があったのではないか。
同時に演者の怒りや悲しみの描写もまるで忘れているかのように薄っぺらいのでこれでは感情移入のしようがない。
そもそも、現代劇なのかなんなのかもよくわからんのだが。

翻ってアクション面ではなかなかの作品で、スタントダブルもあろうが、スピーディーでアクロバティックな立ち回りは随所に見所がある(完全に功夫時代劇での振り付け、ともすればファンタジー武侠片みたいに飛んだりもしているが)。地形や建造物、小道具を活かした工夫ある殺陣も多く、また編集技術の点でもすこぶるテンポの良い流れを形成しているので飽きることがない。ジミーさんもジュディさんもアクションだけはとても良いものを残しているだけに総評として尚更残念な作品である。

ちょっと武術指導の黄國柱は注目しとこうっと。


■CAST&STAFF
監督 田豐(ティエン・ファン)
出演 王羽(ジミー・ウォング)
嘉凌(ジュディ・リー)
張翼(チャン・イー)
田豐(ティエン・ファン)
龍飛(ロン・フェイ)
南宮勳(ナン・ゴンクン)
苗天(ミャオ・ティン)
孫越(スン・ユエ)
薛漢(シュエ・ハン)
王菲
張紀平
高明
曾明昌
閔敏
茅敬順
虞金寶
柯受良
王圻生
侯伯威
武術指導 黄國柱
脚本 王沖
音楽 周福良
製作 王羽(ジミー・ウォング)
製作総指揮 邵峰
制作年度 1976


大殺星
The Professional Killer
The Assassin


※タイトル文字"殺"は旧字体(上記画像参照)
  というか、日本のフォントでもこの辺の漢字が表示出来たらいいのに・・・

あれぇ?
となってしまう作品でした。
1971年頃と言えば「ドラゴン武芸帖」「片腕ドラゴン」「新座頭市/破れ!唐人剣」等々王羽(ジミー・ウォング)作品も傑作揃いなので当然本作にも期待したのだがうーん。


流れ(いやあんまりわからんかったのも確かだけど)


男女がエッチしてるところに押し入った王羽。
タイトル通りに殺し屋である王羽が仕事を遂行するオープニング。
いや、このオープニングは何となくワクワク感があるんですよ。
金くれ、金。
場面変わって酒場で呑んでる王羽。
どうやらお金が無いようで、自分の自慢の剣をあっさりと飯代にしようとしたりして。
近くのテーブルにいた雷鳴が剣を買ってくれることに。
その雷鳴は"保〔金票〕"(物運ぶ護送隊)で、やっぱり護送してたら盗賊どもが出てきたのでバトル。
んで、やっぱ後からその現場を見つけた王羽。
ここが変な感じでいつもの王羽映画なら一も二も無く助けに入るんだけど、本作では女子も襲われてるのに全然助けないの。なかなか助けないの。
やっとこささっき自分が売った剣を取り戻して戦う王羽、盗賊は斬り倒したものの、ほとんど死んでるじゃん。だめじゃん。
でも、凄い腕前だということで雷鳴が自分のところにスカウト。

スカウトなので、てっきり護送の手伝いをするのかと思ったら
また出た苗天(ミャオ・ティン)兄貴
「大江南北」に引き続いて登場の苗天、今回はさらに悪そうな顔をしております。悪いです。
雷鳴のボス・苗天が斡旋した仕事は護送じゃなくて殺し。

ここからアサシン仕事を淡々とこなしていく王羽なんだけど、もうね、
淡々と場面が進んでこの辺から正直全然面白くない・・・
でもここまで観たから頑張って見ようって、
その内に錢蓉蓉というヒロインとラブラブしちゃったりなんかして。

王羽のターゲットは全部王羽が殺る前にどっかから飛んできた手裏剣みたいなもので殺されちゃうのよね。んで誰が飛ばしてんだ?どこから?
みたいなサスペンスがあるかと思ったらかなりどうでもいいオチで。

最終的にはもうすんげーあっさりと錢蓉蓉が苗天に殺されて、
怒った王羽が全員皆殺しにしました。


終劇





チャンバラアクションシーンは非常に多いし、当然こういった作品でのいわゆるサビに当たるわけだが、そこに至るまでが淡々とし過ぎていて何の感情移入も出来なかった。
王羽さんの方からヒロインを積極的に抱きに行くなんてのは非常に珍し・・・くないか。「スカイハイ」なんて映画があったもんな。
金は無いが腕は立つ主人公が暗殺仕事をこなしていくうちにヒロインと恋に落ち本分に目覚め、という展開は演出次第でもっともっと面白くなる気がするんだよな。つまり脚本が悪いって感じじゃないのよねぇ。

本作はイマイチかな。

■CAST&STAFF
監督 辛奇
出演 王羽(ジミー・ウォング)
錢蓉蓉
苗天(ミャオ・ティン)
〔人冬〕林
雷鳴
雷峻
蘇真平(スー・ツェンピン)
馮治平
王菲
柯佑民
呉可
張義貴
韓江
劉文雄
萬傑
王秋雄
祖勃林
凡偉
計鳴
脚本 朱向敢
音楽 周亮
策劃 呉添丁
李嘉恩
製作 楊祖光
制作年度 1971


獨行大〔金票〕客
Magnificent Chivalry



ほらぁ!!(「大殺星」とは違って)
となってしまう作品でした。
1971年頃と言えば「ドラゴン武芸帖」「片腕ドラゴン」「新座頭市/破れ!唐人剣」等々王羽(ジミー・ウォング)作品も傑作揃いなので当然本作にも期待したのだが、おお!!


流れ


"保〔金票〕"(物運ぶ護送隊)の大軍隊が移動中。
これに勿論強襲をかけた盗賊ども。
薛漢(シュエ・ハン)、龍飛(ロン・フェイ)、蘇真平(スー・ツェンピン)といつもの王羽作品常連悪役たち。
将軍の軍資金(かな?)をいっぱい強奪されてしまいました。


この事件で政府は剣劇のスーパースター王羽を招聘。
盗賊を成敗し、金を取り戻せ!

いきなり髪下ろしました
ミッション開始の王羽。
素浪人に成り済ますということでしょうか?
この汚さがなかなか格好良いです。

早速、盗賊がいるとされる町にやって来た王羽。
山茅(サン・マオ)先生登場。
もうすぐに盗賊・山茅らに目をつけられるが、いつも通りの王羽さんなのでコイツラが敵うわけがありません。
汚い長髪の王羽格好良いなぁ
さもすれば蘇乞兒的な"キタナカッコイイ"

お前らのリーダーはどこだ?根城はどこだ?
ってなわけで、命からがら逃げ帰った山茅が頭に報告。
盗賊は大胆にも〔金票〕局、つまり警備会社を根城にしていました。
強い奴現る!
ってことで、この辺全然駆け引きをしない王羽さん気持ち良い!
敵に出会ったらすぐ戦闘!そうそうこれが王羽映画の醍醐味ですよ。
と思ったら、
おしとやかに登場
ヒロイン・張清清が登場。
あっと言う間に盗賊に取り囲まれ
多勢に無勢になるのですが
すぐ助けに現れた王羽兄貴
そうそう。
やっぱ王羽さんはすぐ助けに現れないと!

張清清さんは盗賊に両親を殺され、妹を攫われていたのでした。
ほんで、盗賊のボスはすげー強いそうです。
というわけで正面から堂々とぶっ潰していく予定(たぶん)だった王羽さんでしたが作戦変更。敵地に潜入してまずは妹と金奪還を第一優先に。
なので、
わざと捕まって
ボス・田野(ティエン・イェー)とご対面
いやでもこれは大ピンチ!
ボコボコにされるのですが
抜け出しましたっ!
このシーンめちゃくちゃしびれます!
縄で縛られてボコボコ殴られる蹴られるのですが、自力で脱出!
おおこれぞカタルシス!スキッとしますな。

引き続き入団試験開始
田野に実力を認められた王羽は入団テストを受けて晴れて合格。
素浪人から盗賊の一員に
さっきの"キタナカッコイイ"スタイルの方が良かったのに・・・

仲間になったフリして首尾よく張清清の妹も見つけた王羽であったが、奪われた金はどこだ?というわけで、妹はそのままにして機が熟すのを待つことにする王羽。なんかまだ計画の途中らしく。
その計画ってのが以下のもので、
"近々、また大規模な護送隊がやって来るが竹剣を持つ名手がこれを護っているとのこと"
んで、田野の親分もそれを知っていたがとりあえず王羽にこれの襲撃を任せる。
山茅らと共に襲撃に向かった王羽・・・いやいやいや実は
その"竹剣を持つ名手"は王羽その人!
襲撃の前に山茅ら全員をぶった斬ると、自らをちょろっと斬って根城帰って
王羽 「竹剣の名手に負けました。すいません。」
田野 「なんですと!」

ここがあんまりわかりませんが田野のやり方が気に食わなかった部下の薛漢、蘇真平は同業者の
またまた出た苗天(ミャオ・ティン)兄貴
「大江南北」「大殺星」に引き続いて登場の苗天、今回も悪そうな顔をしております。悪いです。
彼をけしかけて田野と勝負させる。だが、田野さんが強いのなんのであっという間に斬られてすぐ出番終わりの苗天兄貴でした。

一部始終を屋根の上から見ていた王羽さん。
ここに田野の妻と母がいたので、何となく覗いてみたのですが何と!!
衝撃の展開!
全てに決着をつけるべく動き出す王羽。
まずは張清清の妹を逃がして張清清と合流させ、彼女達をハッピーエンドに導くと今度は田野と共に(まだ仲間と思ってますから)裏切り者の薛漢、蘇真平を始末。ついでに龍飛(ロン・フェイ)も始末(笑 なんで俺まで〜

御用だ!!
田野に自分が竹剣の名手にして政府から勅令された刺客であることをバーンと披露する王羽、
まじですかっ!?
たじろぐ田野だが、恐ろしく彼は強い。

いよいよ
ここに壮絶な
ラストバトルの
火蓋が斬って落とされた!!


終劇





サーバ移行してから画像を多く使えるようになったのですが、その画像の数でもう面白いかどうかだいだいわかるというか。

傑作です!

いや本作は王羽作品でも個人的にはベスト5に入るな、うん。

何でこのような作品が陽の目を浴びてないのか非常に不思議だが、とにかくアクション、ドラマ、キャラクター全て"ちゃんと"している作品で破綻は無い。

まず最強である。
駆け引きせずにすぐバトル。
理屈をこねない。
すぐ助けてくれる。
簡単に言えばこれが王羽が演じる王羽というヒーローの魅力・醍醐味であり、その点においても本作はバッチシ。心地好いカタルシスを提供してくれる。王羽映画ならではの楽しみもしっかり。おまけに言えば前半の"キタナカッコイイ"が素敵だし。

その上で最強の敵として立ちはだかる田野の悪役としての迫力も中々のもんで、ラストバトルに向けてワクワクさせてくれる。

ストーリーは非常に分かりやすく単に悪い盗賊倒しましたってお話かと思ったら、さにあらず!
終盤に向けてどんでん返しが待ち受けており、またそれがクライマックスの一連に於いて抜群の効果を上げているんですね。
一気に物語が味わい深いものになります。
なので単純ながらストーリーも面白い。
すると途端に王羽さん本人も名芝居してるように見えます。

アクションそのものでも様々な武器や戦闘シチュエーションが用意されているし、ラストバトルはお互い泥塗れになって長期戦でヘロヘロでも剣を振り合う実に熱いエモーショナルなファイトがよろしい。

全般的に飽きさせないテンポもよくて、いやぁ久々に王羽作品の傑作に出会えたなぁと嬉しいことしきりであります。
王羽さんのボックスセットもまた出してほしいよなぁ・・・

■CAST&STAFF
監督 李溯
出演 王羽(ジミー・ウォング)
田野(ティエン・イェー)
張清清
苗天(ミャオ・ティン)
薛漢(シュエ・ハン)
陳佩玲
蘇真平(スー・ツェンピン)
龍飛(ロン・フェイ)
山茅(サン・マオ)
周新貴
陳震
于恆
蒋青峰
王菜
陳慧樓(チェン・ウェイロー)
金萬希
張公順
制作年度 1971


血連環
The Deadly Silver Spear



とりあえず成龍(ジャッキー・チェン)、洪金寶(サモ・ハン・キンポー)、元彪(ユン・ピョウ)で思い返してみても、いわゆる幻的作品がまだあるのかどうかという点で、流石に現在ではそんなに気になる作品は残っていない。

そういえば倉田保昭さんの「飛虎小霜王」も結局観てないなぁ。
王羽(ジミー・ウォング)さんはまだまだ多い。
キリが無いな。

そんな中、本作も個人的にはどんな作品かなぁ?
と永らく想像していた作品である。




・・・・・・。
なんかあれだな、パターン化してるなぁ


・・・まぁどっちにしろあれなんだけど・・・


逆ハーレムの胡錦(フー・チン)さん。叶姉妹かっ


今回ヒロインの徐楓(シー・ファン)さんは功夫できないか弱い役・・・
に、似合わない・・・


幽霊戦法の柯受良うらめしゃしゃ
まぁ他にも水中戦を仕掛けるやつとか斧使いとかその辺の奇人変人集合させてまとめてジミーさんが面倒見ていくというね、そのパターン。


ジミーさんと張翼(チャン・イー)さんは時を同じくしてゴールデンハーベストを出て行ったのかなぁ。だいたい時期は一緒。


んで今回の変人トリがこの血連環。空飛ぶギロチンの亜種。
ただもうこれドローンのようにほとんど自由飛行だね、原理どうなってるの?


逆に英題の「Deadly Silver Spear」はジミーさんが持つ槍のこと。


ジミーさん大ピンチ!ってか危ないよこのスタントは。
体張ってるなぁジミーさんも。


だから動力原理を教えろっての




最後にそんなエピソードあったの?今さら出すの?
って感じだが、まぁまぁ面白かった。
ほんとに「片腕カンフーvs空飛ぶギロチン」前哨戦映画って感じやね。

こうして見るとあれだな、
要はジミーさんワンマン活劇ってのは奇人変人様々な敵と戦って、それらをどうやって打ち破るかということに魅力があり(発端は「片腕必殺剣」つまり張徹だと思うが)、またそれをやり過ぎたが為に段々と飽きられたというかな。
故に「手足情深」や「判決」等の一風変わった社会派ドラマやジャンルとしては成人映画に分類される「避孕大全」に出演して新境地を狙ったりもしたんでしょうね。
.
いや何しろまだ紹介していないジミー作品が沢山ありますからね。


■CAST&STAFF
監督 宋廷美
出演 王羽(ジミー・ウォング)
徐楓(シー・ファン)
乾コ門
張翼(チャン・イー)
胡錦(フー・チン)
武家麒
蕭堯
謝興
張宗貴
歐立保
高振鵬
王國輝
柯受良
武術指導 劉家榮(リュー・チャーヨン)
脚本 陳朱煌
音楽 周福良
製作 顏武東
制作年度 1977
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
獨臂侠大戰獨臂侠
大江南北
大殺星
獨行大票客
血連環
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