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元彪(ユン・ピョウ)2  


亡命鴛鴦
On the Run
オン・ザ・ラン 非情の罠



本作が作られた'88年にほぼ同じスタッフ・監督で撮った映画がサモハンの「恋はいつも嘘からはじまる」で、本作はそれの後に見たのだが、実はこの両作品、向こうはラブコメディ、こっちは完全ハードボイルドとジャンルは全く違えども、扱っているテーマは全く同じである。それを偶然続けてみたのが何だか不思議。

全ての元彪主演作を観たわけではないが、本作が役者として元彪の代表作の一つであることは間違いない。彼が最近活躍が少ないのが心底残念というかさっさとハリウッド呼んでやれ!ジャッキー!サモハン!

お話

離婚調停中の妻とレストランで移住の相談をしていた刑事・元彪。
妻は麻薬課の警部であり、しかも殺人課警部の秦祥林(チャールス・チン)と不倫をしていた。
話もそろぞろに一旦レストランを後にした元彪。その間に女の殺し屋・夏文汐(パット・ハー)が妻を殺してしまう。
妻は麻薬取締りから自分の不倫相手であった秦祥林が麻薬取引していたことを知ってしまい、逆に秦祥林が雇った夏文汐によって殺されたのだ。

夏文汐と秦祥林の間で仲介していた男が金をせびったために、秦祥林の怒りを買い消されることに。
トラックでひき殺したかに見えたが、男は重傷で一命を取り留める。
この男に見覚えのあった元彪は早速病院に向ったが、
秦祥林の部下であり完全に腐った犬達である、羅烈(ロー・リエ)、元華(ユン・ワー)、高飛(コー・フェイ)が先に男を始末。
虫の息の男は何とか元彪にダイイングメッセージを託す。

ダイイングメッセージを元に殺し屋を捜した元彪が目を付けたのは、ご名答の夏文汐だった。つーか夏文汐さん、挙動不審すぎ。
夏文汐を捕まえた元彪、まだ確信も無いのにビシバシ夏文汐を叩いて
「お前が女房を殺したのか!!」
と怒鳴った。優しい元彪らしからぬ演出だが、これこそ彼の気合の入りようが見て取れよう。
「殺したっす」
あっさり認める夏文汐。やっぱりいつも優しい人が怒ってこそ効果を発揮するのだ。

茶化している場合ではなく、
問題だったのは元彪がまだハンサム、いやいや秦祥林が首謀者であることに気づいてないことで、あろうことか秦祥林そのものに
「殺し屋を捕まえた」
と連絡。
問答無用で夏文汐を殺そうとした(口封じ)殺人課の刑事達の前で、思わず夏文汐をかばって被弾してしまう元彪。やっぱ優しい!(いや情報がなくなるからだが)
成り行き上、夏文汐と逃げる羽目になってしまうのだった。

しかしこれで、さすがに元彪も秦祥林を怪しみ出した。
妻の不倫相手だし、その辺考慮してもやっぱ変だ。
でも、それよりも被弾した治療が先だ。

実家の上の空家に逃げ込み、義母と娘と共に隠れつつ夏文汐に治療してもらう元彪。それにしても夏文汐さんの脚線美が文字通り美しい。
怪我で疲労して寝込んだ元彪の近くで、夏文汐と元彪の娘との触れ合いが描かれる。ド・レ・ミ

翌朝。
秦祥林率いる殺人課が信用できない元彪は信用できる仲間のいる政治部に協力を要請する。しかし、ここにも秦祥林の目が光っていた。
実家には殺人課が先に現れ、義母が殺されてしまう。
娘にも殺人課の文字通り殺人の恐怖が迫ったが、助けに来た夏文汐が
ド・レ・ミ
で助ける(詳しくは本編を見てね)。

元彪はまたも被弾しながらも夏文汐の協力を得て、娘と共に逃げ出した。

妻を殺された刑事と
その妻を殺した殺し屋

どう考えても敵であるはずの2人は危機的状況と奇跡的に起こった事件と行動で、いつの間にか奇妙な関係になっていた。
ここで、夏文汐が胸元の大きく開いたドレスに何故か着替えるのだが、
メッチャクチャ可愛い!
あんた、こんなに可愛かったのか!
劇中でこのシーンに来るまで気づかなんだ! なんかもったいない!

やっぱり間に感想入れてる場合じゃなくて、
元彪は信用おける同僚を呼び出し秦祥林が怪しいことを告げる。
早速、秦祥林の自宅を調べにかかった同僚2人。
床から大量のヘロインを発見するも、秦祥林らに見つかり、
同僚の1人は殺されてしまう。
何とか生き残りの同僚は元彪たちに「逃げろ!」と伝えるものの、
その後の秦祥林の尋問でこの同僚も殺される。

最後の望みであった夏文汐のツテである旅館に逃げ込んだが、
ここでさえ秦祥林の目の届くところであった。
奇跡的な夏文汐の活躍によって死地から脱出成功するも、
元彪に抱き抱えられていた娘は知らずのうちに被弾していた。

全ての望みを絶たれた2人。
夏文汐 「私は金になる殺ししかしないわ。」
元彪から小銭を受け取り、2人は秦祥林の下へ向かう。

今、生死を超えた最後の戦いが始まろうとしている・・・


終劇



正直、「恋はいつも嘘からはじまる」と同じ監督とは思えないほど作品の出来が素晴らしく、途切れない緊張感、物語の展開への
「このあと、どうなるんだろう?」
「どうやって秦祥林を倒せるんだろう?」
こういった興味深さは尽きることなく、世界観の統一もバッチリで傑作と呼ぶにふさわしい作品、褒めちぎる言葉は幾らでも出てきそうである。

欲と不満は一点ずつ。
元彪が最後、功夫アクションで締めていれば言うこと無し!
(全編に渡ってやってとは言ってない)
・・・だったけど、これは好みの問題で今回のような演出だったからこそ良いのだ!という人もたくさんいるだろうからあくまでこれは個人的な欲だろう。
不満としては、終わり方があれでOKなのだが、あのメッセージ一つがあるせいで随分嫌な感じになってしまうのね。ハッピーじゃだめなの?
どっちにしても個人的主観なんだけどさ〜

主役の2人はどっちも素晴らしい。

元彪なんか冒頭、妻の死を知る直前の表情からして、もう演技の気合の入れようが全然違うもん。渋味も可愛さも優しさも強さも持ち合わせているし、それでいて新境地でもあるしと、元彪の元からあった魅力と新たに輝き出した魅力が溢れている作品と言えよう。

夏文汐に関しては設定で甘いところが感じられなくも無いが、
殺し屋としての孤独さそして格好良さハードボイルドさは、むしろ女性であるということで色気という武器をさらに装備して、輝きを増している感すらある。
さながら夏文汐に守られている元彪を見ると女版「レオン」というか、ジャン・レノもびっくりして牛乳吹き出しそうな勢いだ。
アクション的にも旅館から脱出するシーンでのガンアクションの格好良さは短いながらも個人的に屈指かもしんない。
それでいてあのドレス姿のチャーミングさはグッ!と来たってことで、こりゃまた半端なく素晴らしかった。

悪役に徹した、秦祥林にとっても新境地・・・と言えるかどうかはちょっとわからないが、ラスト手前の狂った秦祥林なんかはほんとに憎憎しげでちょっと昔だったら石堅さんのように石投げられたんじゃないかって思うほど。
部下の三人組、羅烈、元華、高飛なんかは功夫大好き叔父さんたちなので、こいつらと功夫対決あったらなと思わなくもないが、ま、それはいいとして
最後の最後になって1人1様のキャラクター描写が出てきたりして面白い。
いつも漂わせている巨大悪役のオーラを見事消し去ってしょぼい悪役になっている元華が特に注目だろう。

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1997年香港返還に関する俺らよそ者ではわからない苦悩が元のテーマ
であることは見逃せない。やはりこの当時、香港人が求めるものは
"未来への安心" だったのではないか。
そのために"移住権""お金"を特に強く求めている姿が偏重的に描写されているのだろう。
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上記枠内は、「恋はいつも嘘からはじまる」で書いた文章なんだけど、
本作を見てもらえばわかるとおり、テーマはこれと全く同じである。

ポリス・ストーリー3」でジャッキーはこう言った。
「どうせ1997年になれば香港も同じ中国だぜ〜今の差は気にすんな」
フロント・ページ」で許冠傑はこう唄った。
「香港返還までまだまだあるぜ♪カラオケでもして忘れようぜ♪」
(一語一句、正確ではないが)
これらの作品には
「暗くなることなんかない、香港は大丈夫!楽しく生きようぜ!」
といった彼らから香港人への元気づけるメッセージがあったのに対し、
サモハン製作、張堅庭監督の「恋はいつも嘘からはじまる」と本作はその当時、香港返還に関連するテーマに真正面から取り組んだ作品なのだと言えそうだ。
それだけ、ほんとに俺らではわからない葛藤が香港の人にはあったのだろう。本作はそれが垣間見える作品でもある。

って、これは余談なんだけど、
2003年12月に行われたサッカー東アジア選手権、
日本が対戦したのは「中国」「香港」「韓国」。
って、中国がなんで2チームも出してるんだー!ナチュラルにー!
そんなこと言ったらアラスカとアメリカから2チーム出てきてもおかしくないようなことになるが、香港は例外なのかな?

■CAST&STAFF
監督 張堅庭(アルフレッド・チョン)
出演 元彪(ユン・ピョウ)
夏文汐(パット・ハー)
秦祥林(チャールス・チン)
羅烈(ロー・リエ)
元華(ユン・ワー)
高飛(コー・フェイ)
陳玉蓮
李香琴
杜コ偉
林立三
林保怡
張采眉
鮑起鳴
敖志君
潘震偉
陳卓欣
武術指導 元華(ユン・ワー)
錢嘉樂(チン・ガーロッ)
洪家班
脚本 張堅庭(アルフレッド・チョン)
黄宏基(ウォン・ワンケイ)
音楽 林敏怡(バイオレット・ラム)
策劃 陳友(アンソニー・チェン)
製作 洪金寶(サモ・ハン・キンポー)
製作総指揮 何冠昌(レナード・ホー)
制作年度 1988


黄飛鴻之鬼脚七
Kickboxer
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝 鬼脚



借りてから
「これ午馬監督じゃん」
と、この頃俺の中ですっかり監督としての評判を落としている午馬作品。
これまで観た彼の作品の中でベストというかベターはまぁ強いて「帰って来たMr.BOO!!ニッポン勇み足!」か。これは午馬監督というより許冠文が面白かったという方が正しいだろう。許冠文大好きだもん。
実は個人的に超傑作の「少林寺」('76)助監督だったりするが。

後はダラダラとたりー映画が多い。観てるほどでもないよなシーンに感じることが多いんだよね。例えるなら
"スーパーの食品売り場で流れてるインストBGMみたい"
あのボーカルが安いキーボードのやつね。つまり余りにも味が薄いってことかな。

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こんにちは♪その一言で〜♪
ららららららら ららららら〜(歌詞忘れた)
こんにちは♪その一言で〜♪
今日がらららら ららららら♪

あの人と〜こんにちは〜♪
この人と〜こんにちは〜♪
今日も触れ合い近商ストア〜♪
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などと、突然思い出した近商ストア(近鉄沿線にあるスーパー)の歌を歌ってみたりする。こういうのからヒットまで行っちゃったのが「サカナの唄」ってわけだね。
しかしどこも地方はそうかもしれんけど、地元の京都なんかさ〜
"スーパー建てすぎ"
そんなにいらんやろ。俺が帰郷するたびに増えてるような勢いやぞ。
お前らそんなに建てすぎたらお客がチリジリになって共倒れや。


ええと・・・気を取り直して、
この作品はそうですねぇ、「サイクロンZ」での共演を最後にジャッキーとのお仕事も一旦休止、初監督作の「香港魔界大戦」も終え、邦画「バカヤロー4/サギるなジャパン」に功夫とは関係ない役柄で主演(オムニバスの1話)すると、元彪がいよいよゴールデンハーベストから飛び出して幅広く活躍しだした時代の1本。製作年度的に見ても'92年に大きな作品が見当たらないことから結構気合を入れた1本なんだろうかなと推測される。

当時、大流行の「黄飛鴻」ものにあやかってしまってるのが少々残念だったが、身の軽い元彪が鬼脚七役というのは非常に期待できるところ。

■流れ

しかし、期待も空しく流れてくるBGMがほんとに
"スーパーの食品売り場で流れてくるようなBGM"っぽいのはどうか。
というか、この辺の作品はこういうの多い。


元彪(鬼脚七)は午馬の紹介を受けて黄飛鴻の"寶芝林"入門しにお土産抱えて。
ロンゲ似合わね〜
ところが悪友だった太保がそのお土産の荷に自分が密輸してきた阿片を隠しいれてしまいます。それにしても長髪はあかんやろ。気持ち悪いよ。すっきりしようぜ。
可愛いす呂秀菱
カメラ持ってるし西洋かぶれでその服装から思い切り關之琳の"十三嬢"とかぶるのですが、まぁ要はそういうとこなんですよねぇこの映画の悪いところって。でも呂秀菱は可愛いす。

病気か・・・・・・・・では死ね〜!(違う)
太保は名士ながら裏で阿片取引してウハウハしてる元華の手下。
阿片を盗むことに失敗した元華組織は阿片取締り長官の任世官を利用して
そのまま元彪を阿片密輸犯にしてしまいます。つまりですな、
今回は任世官は阿片を許さない正義の味方なのだ!
この顔で!このヒゲで!うそつけ!ヒゲ剃れ!

この娘、李麗珍に似てる
というわけで、その後証拠不十分で釈放されたもののチンピラ上がりでもある元彪は信用を失い、"寶芝林"どころか町全体的に村八分に。じゃ村じゃなくて町八分か。ともかく元彪可哀想・・・・こんな良い人なのに・・・
だって考えてもみろよ。
もし、ジャッキー、サモハン、元彪。この三人ともが
"俺が俺が!のストライカータイプ"
だったらどうするよ
。ジャッキーとサモハンの間で常に中和剤であり続けた元彪がいたからこそ「プロジェクトA」「スパルタンX」はうまくいったと思わないか?三人とも我が強かったら絶対もっと大きいモメモメが起きてるよ。
元彪が
「まぁまぁまぁまぁ、ジャッキー落ち着いて・・・」
「ぱぁぱぁぱぁぱぁ、大哥成も穏便に・・・」
何回も何回もそれとなくやってたんじゃないかと思いますね。

元華も当然"七小福"ですから
その辺のところを汲んでやって自分の組織に入れてやるのでした(違うぞ)。
遂に、元彪は"寶芝林"を裏切り寝返ってしまいます。
やっぱり元華兄ちゃんの側が居心地良かったか?
いやいやとんでも8分歩いて7分、元彪は任世官との示し合わせのもと、自ら進んで汚れ役になっていたのでした。これこそ、

「任世官(ほんとは役名)さんには指一本触れさせないぞ!!」 (「龍拳」より)

おお!悪役同士のバトル!
若干、マニアックなマッチがこの映画を個人的に救ってくれます。
任世官vs元華!!常連悪役対決!!
普段、悪役ばっかりやってる人同士はあまり戦わないんですよね。そりゃ、善役側と戦いますので。
なんか他に"夢の悪役同士バトル"ってあるかな?

黄仁植vs黄正利!!

いきなり答え出たな。これ以上の期待できるマッチはないでしょう。

つーか、すいません。
「指1本」とか言いながら任世官は殺されてしまいます。
元彪は元華組織との最後の戦いへ!

おお!常山さん!
その日本人ぽい名前が親近感を感じさせる台湾功夫映画で悪役常連の常山さん登場です。ここではレビューに「少林門刺嚇」「ゴーストパワーを持つ少女」等あります。
これは良いとこに目をつけたぞ午馬監督。

常山vs元彪!
テコンドーの達人と七小福きっての使い手の対決!
この組み合わせは良いですねぇ楽しくなりますねぇ。
このマッチもマニアックに興味深いす。

まさに山東砲にはできね〜
元彪さんの身の柔らかさから繰り出される変幻自在の足技は素晴らしいです。もう「今のどうやって出したの?」って感じで。
本作は元彪のアクションがたっぷり見れるところが非常に救い。

やっぱそれか
さてさて。
なんかお前ら
"寅さんとたこ社長か"
ってぐらい、いっつもケンカしてる印象ですな。知ってる限りで挙げてみるか。

「イースタンコンドル」
元華の変な拳法に元彪歯が立たず。
「タイム・ソルジャーズ/愛は時空を超えて」
接戦ながらも戦いを制したのは主役の元彪。
「香港魔界大戦」
同じく、戦いを制したのは主役の元彪。

そんな中でも個人的には今回のバトルがベストかな。

終劇




まぁつまりですな。
内容はこんだけですわ。
"もう功夫がなかったら中身スッカスカ。食べるところ無いやん"
元彪を中心としたアクションがあってギリギリ成り立っている作品やね。
なんの含蓄も無い。

例えば、王晶作品なんか含蓄とかテーマとかそんなもん無いけど
"ここも楽しんで!ここも面白がって!怖がって!"
みたいな楽しませようぜ精神がアクション以外の部分にも感じられるのだが、この作品はアクション以外にそれを全然感じない。台本通りに画を作ってるだけ。

まぁ個人的には元彪アクションたっぷりと、元華vs任世官、常山vs元彪という面白いマッチと、期待してなかった元彪vs元華が良かったので良しとするけど、"寶芝林"の連中には午馬をはじめ面白い連中も揃ってたんだし、その辺をもっと掘り下げて欲しかったなぁ・・・

■CAST&STAFF
監督 午馬(ウー・マ) クレジットは馮午馬
出演 元彪(ユン・ピョウ)
呂秀菱
元華(ユン・ワー)
任世官(ニン・シークァン)
午馬(ウー・マ)
陳淑蘭
陳山
太保(タイ・ポー)
常山
金十二
周元武
黄國泉
賣仕峯
趙鷲江
張東升
慮海潮
邵立人
高志煌
孫少偉
徐鶴鳴
蔡鑑洲
田暁紅
梁釣強
梁永健
巌徳良
呉小玲
王躍華
陳紹能
動作指導・製作 元彪(ユン・ピョウ)
武術指導 元武 クレジットは周元武
脚本 李敏才
音楽 ケ少林
黄世昌
制作年度 1993


馬永貞
Hero
暗黒街 若き英雄伝説



向こうでは有名な実在の英雄"馬永貞"ものに挑戦した一作。
普通にTV鑑賞。
製作の方逸華(モナ・フォン)は元の張徹(チャン・ツェー)監督・陳觀泰(チェン・カンタイ)主演の「馬永貞」('72)にもショーブラザーズだから関連していただろう。

相変わらず元奎(コリー・ユアン)らしい作品だな、とは思いつつも、世界観の統一もハードボイルドにしっかりしており、出てくるキャラクターも立っていて力作。
馬永貞演ずる主演の金城武も結構なハードアクションを見せており、王家衛(ウォン・カーウァイ)作品や日本のTVドラマ・映画での活躍ぐらいしか知らない人であれば、目を丸くすることであろう。彼も立派なアジア俳優なのだ。
(「恋人はスナイパー」は彼がやってもいいかも。格好良すぎるかな。)

また元彪(ユン・ピョウ)扮する譚四がこれまた味わい深い演技で一際輝いており、彼が最近活躍が少ないのが心底残念というか
さっさとハリウッド呼んでやれ!ジャッキー!サモハン!コリー・ユアン! 
と「オン・ザ・ラン 非情の罠」と同じことを言ってみたりする。
でも、呼んでるけど元彪が来ないのかも。

お話

上海ドリームに憧れて、兄の元華(ユン・ワー)と共にやって来た馬永貞(金城武)。まぁ出稼ぎとも言う。
つーか、元華が兄貴って!

食うや食わずやペコペコくんだったが、今日も重労働で力自慢で、力の弱い元華引っ張り回して汗をかいていた。
現場の最高責任者である元彪(譚四)の馬車の前でつまらない諍いを起こしてトラブルメーカーっぽかった馬永貞は、
その元彪に金貨一枚投げつけられる。
内心カチーン
と来ていた馬永貞だったが、元華の
「もらっとけもらっとけ!」
の声もあって拾おうとする。そこへ元彪キックが!

元彪 「金貨一枚でプライドを失うか!男なら自分で稼げ!」

ゴッド・ギャンブラーU」の劉コ華(アンディ・ラウ)がやったように、足で金挟んでバック中して空中キャッチが一番良いと俺が提案したものの却下されて物語は進む。

元彪 「この金時計が獲れたらお前にやろう。」

この挑戦を受けた馬永貞は、走行馬車上での戦いに臨む。
結果は物別れに終わったものの、
「1日で7人のボスを殺し、上海の頂点に立ったあの元彪様と互角にやりあっている!」
とたちまち労働者の支持を集めるのであった。

つーか、元彪メチャメチャ格好良いやんけ

改めて、元彪がやってるクラブに挨拶へ。
元奎とドラム対決だー!
斧頭党とバトル。
未だどこの所属でもない馬永貞だったが、斧頭党に対しても強烈なイメージを残すのであった。
ほんでもって、歌手の宣萱に恋をしてしまう。
宣萱の方もノリノリ。

白人から洋服とかパクって宣萱と待ち合わせをするが、
その前に警察にパクられてしまう馬永貞と元華。
その警察は斧頭党首領・元コと結託しており、警察署で馬永貞は
元彪襲撃の噂を耳に。脱出。
ワナにはまっていた元彪を危機一髪のところで助ける。
この一件で元彪はクラブを馬永貞に任せて隠遁しようと決意する。

結局、宣萱との待ち合わせはすっぽかされたまま。
宣萱はクラブ歌手を辞めて叔父の元奎と立ち去る。

自分のシマを持った馬永貞は、
宣萱を失った悲しみそして元彪にフラレた周嘉玲(キャシー・チャウ)の煽りもあって、保護料(ショバ代)の高い斧頭党のシマにも手を出す。
これをきっかけに馬永貞はシマをどんどん拡大し、一躍上海のボスに名乗り出る。

暴走する馬永貞に、危険を進言したのは元彪だった。
しかし、かつて周嘉玲が幾ら危険を諭しても暴走を止められなかった元彪自身のように、馬永貞も止まらず、ついに兄貴の元華まで追い出してしまうのであった。

暴走した馬永貞の結果は明らかだった。
哀れ、斧頭党の罠にはまり、斧で体中を切り刻まれて、
さらには周嘉玲にも裏切られて川に叩き込まれる。

もっと可哀想なのは元彪だった。
元彪が力を保っていた唯一の根源である英国とのつながり、友人・ロリンソンは自分の部下の裏切りによって殺され、警察はもちろんほとんどの組織が元コの下についた。元彪だけは逃がすという約束で馬永貞を罠にはめた周嘉玲だったが、その約束が守られるはずもなく、元彪についていた部下は皆殺し、周嘉玲は陵辱された上に顔を傷つけられてしまう。
元彪本人はロリンソン殺しの罪を被せられ死刑判決。

馬永貞を亡き者にして、元彪は刑務所。
さらに自分は市長選と高笑いが止まらない元コ。しかし、
川に叩き落とされた馬永貞は元華も拾っていた宣萱、元奎の小船に引き揚げられ、一命を取り留めていた。

その後、ボロボロの周嘉玲と再会した馬永貞。
元彪の死刑が執行されると聞いて、ある画策をする。

華やかな市長選演説の席で、
馬永貞は死刑にされた元彪の棺桶を抱えてやって来る・・・

劇終




1997年という製作年度にふさわしくないんじゃないかと思うぐらいに任侠劇である。張徹如何のリスペクトは当たり前としても、ここまで男の血の気たっぷりで豪儀な映画がこの年代に製作されているのも興味深い。
ラストの金城、元彪vs元コなんかは張徹監督呼んだんじゃないのかって思うぐらいに血みどろ壮絶である。
同じく元奎作品「クローサー」でのストーリー展開も含めて(あれは女だが)、元奎さんも結構"任侠"を重視した映画を撮る人だなぁと思ってきた。
本作は任侠アクションとしてなかなか良い出来の作品だと思う。


これが

陳觀泰じゃなくとも

羅鋭(アレクサンダー・ルー)みたいな濃い顔した人の主演なら、
「仁義なき戦い in 上海〜血まみれの英雄」
みたいなタイトルになりそうなもんだが、「若き英雄伝説」とあるように、
金城武のキャラクターが爽やか好青年なのでデンスターライオン、
金城くんでなんとか'90年代後半の作品らしさは漂わせた、つまりは金城くんのおかげでオシャレ香港映画ファンでも見るに堪える作品だろうと思う。
個人的にも金城くんには格好良いし頑張ってるし何の文句もありません。 本人が 「コメディに出たい」って言ってるので、将来的にそういうので面白いの出来るといいなぁ。

ま、これだけ元彪が格好良い演技とアクションを披露してくれたら
しのごの文句言うなよ俺
と、個人的にはそんな感想で「オン・ザ・ラン 非情の罠」に引き続き、役者としての元彪の素晴らしさが存分に発揮されている。
今さらになって、個人的にも元彪好き好き度がガツガツ上がってしまうような作品なので、元彪に興味のある人は見てほしいところ。
ただね、
「検事Mr.ハー/俺が法律だ」「オン・ザ・ラン 非情の罠」それに本作とどれも元彪本人は良い演技なんだけど、作品そのものが暗いんだよね。明るくて楽しい元彪作品が新たに見たいなぁ。

また、元彪、元奎、元華、元コとあるようにあの「七小福」のうち4人もがこの映画に参加しており、ジャッキー、サモハンを抜いた四小福の団結力も見て取れる。
元彪は前述の通りの活躍振りで素晴らしく、
今回は弱気なオカッパ元華がまた楽しい、ほんと彼って芸達者。もっと早く花開けば良かったのに。
元奎さんは監督として。出演中の彼の演技見てるとさ、
これがほんとに「ドラゴン太極拳」で暴れた黒白勝機の白か!?
(ネタがしつこくてすまんけど)
って思うぐらいに鋭い視線はナリを潜めて、極めて温厚的な小太りで、実際の元奎さんの人柄っぷりが反映されている(い、いや人柄は温厚かどうかよく知らないんだけど)。
元コとも貴重な共演そしてその元コは豪快に超嫌な悪役を演じている。
元彪vs元コも非常に興味深い。
しかし本作の悪役がまた元華だったらさすがに食傷するところでしたが。

それにしても元奎と組むときは名前が技安になるんですね(ジェフ・ラウ)。 色々ペンネーム持ってるのはプロダクションに拘らずに活動したいからなのかな。


■CAST&STAFF
監督 元奎(コリー・ユエン)
出演 金城武
元彪(ユン・ピョウ)
宣萱
周嘉玲(キャシー・チャウ)
元華(ユン・ワー)
元コ
元奎(コリー・ユエン)
武術指導 元奎(コリー・ユエン)
元コ
脚本 元奎(コリー・ユエン)
技安(劉鎮偉)(ジェフ・ラウ)
音楽 胡偉立
黄英華
製作 方逸華(モナ・フォン)
制作年度 1997


神偸燕子李三
The Hero of Swallow
黒影 ブラック・シャドウ



というか、関西ローカルは結構香港映画放映してくれるような気がするなぁ、偶然かしら。単なるTV鑑賞からで失礼。

非常に可哀想な映画だと思った。
何が可哀想ってそりゃ主役の元彪(ユン・ピョウ)だ。
先に簡単に流れから行ってみよう。

流れ

"金をある所から無い所へ運んでるだけさ"
金持ちから盗んだ金を貧しい人々に与え、貧民から尊敬されている義賊燕・元彪。
彼には1つの目標があった。
若かりし頃に売り飛ばされた恋人を取り戻すべく探していたのだ。
というわけで、盗みを働くのは売春宿が中心だったりする。

元彪は、道中から知り合ったコソ泥の朱茵(アテナ・チュウ)、戦争帰りの負傷兵・徐錦江(チョイ・ガムコン)らに協力してもらいながら遂に恋人を見つける。
が、恋人は皇族のお嫁に強制嫁ぎの最中。
元彪は取り戻しに行くが、その前に立ち塞がったのは元彪の兄弟子であった高雄(エディ・コー)だった・・・

終劇(いや、これからだが)




徐錦江(チョイ・ガムコン)は良い人なのか!!
ここまでの良い人役である徐錦江は見たこと無い!
いつもは赤ん坊をまさにひねり潰す徐錦江や、
萬梓良(アレックス・マン)の下で人を殺しまくる徐錦江や、
刑務所長となって周潤發(チョウ・ユンファ)をいじめまくる徐錦江や、
挙句の果てに
息子のものは俺のもの!
舒淇(スー・チー)姫を手篭めにする超スケベ親父まで!
と、 悪行の限りを尽くしてた人が今回は
"病気の母ちゃんのために物乞いをする負傷兵"
である。デカい体の割にやたら弱いのがまたポイントだ。

それはいいとして。
"世代交代の哀しさ"
これがここまで露骨に出てしまっている映画はあまりに嘆かわしい。
元彪(ユン・ピョウ)と言えば、主演デビュー作である「モンキー・フィスト/猿拳」で一目瞭然のように、身軽さ天下一品の功夫の達人である。同作での演舞を見ればわかるように演舞のキレも抜群に素晴らしく、これを観れば李連杰(ジェット・リー)でさえも目を丸くすること想像に難くない。

その彼が、
本作でのアクションのほとんどをスタントダブルで吹替えている
何と映画の主役を張ってる作品でも、他出演者のために自分がスタントダブルをやる、やれるという彼がである。
これは過言かもしれないが屈辱的ではないか。
自分で何でもこなせるアクションスターが時を経てアクションスターの肩書きを捨てないまま、今度はスタントダブルにここまであからさまに見せ場を持っていかれるなんて・・・
ちょろっとなら良いんですよ、だけど本作はもう本当にほとんどが吹替え・・・

元彪は良い人である。
主演の時に他出演者に代わってスタントダブルをやったように、今度はその元彪兄貴のために若い衆がスタントダブルをやった。それだけのことではないか。
本人も周囲もそういうことで大して気にかけなかったのかもしれない。
いや、そんな良い人だからこそ
周囲がもっと1996年の元彪そのものを活かすアクションを構築しようとなぜ努力しなかったのか
私にはどうしても周囲のスタッフが元彪の人柄に甘えて(これでも良い言い方です)、努力を怠ったように見えてならない。
そのスタントダブルが見せる功夫アクションは決して悪くありません。むしろなかなかのものに仕上がっています。
そんな武術指導クルーの腕前が見えるからこそ、もうちょっと何とかできなかったものか、と残念でならないですね。

■CAST&STAFF
監督 蕭笙(サン・シュウ)
出演 元彪(ユン・ピョウ)
朱茵(アテナ・チュウ)
徐錦江(チョイ・ガムコン)
高宗コ
高雄(エディ・コー)
袁茵
王伯昭
陸建民
方征
曹増銀
邵壮
尚印泉
隋永青
黄河
康凱
徐志國
周仲和
剛立民
劉蘭
候桐江
候連生
武術指導 林満華
脚本 蕭笙工作室
音楽 温中甲
梁志華
策劃 黄耀祖
宋振山
製作 胡錦
張仲平
製作総指揮 時潮欽
韓三平
制作年度 1996


阿修羅
Saga of the Phoenix
孔雀王/アシュラ伝説



当時あれでしたなー
いわゆるメンズノンノ男が大人気で風間トオルなんかもその類かな?
中でも絶大な人気を誇っていたのが今回主役を務める阿部寛で、街を歩けば似ても似つかぬ偽阿部寛に当たる。といった時代がありました。
本作はそんな阿部寛が前作から降りてしまった三上博史の後釜という形で初主演した映画で、倉田保昭氏の下でみっちりとトレーニングを積んで臨んだ本人にとって意欲作である。
前作「孔雀王」は予想以上の大ヒットを飛ばしたのも覚えてるなぁ、結構巷では大好き人間が出没したこともあったんですよ。
さてそんな期待を受けて製作した・・・はずの本作であったが・・・・?


流れ

前作でこの世を魔界にしてしまう、そのカギになる葉蘊儀(グロリア・イップ)が助け出されるわけですが、依然n彼女は危険だということで、寺に幽閉気味。
「外出たい」
という彼女の強い希望と可愛さに負けた勝新太郎師匠は彼女の外出を許可する。いぶかしむ隣の名取裕子さんであったが、どっちみち彼女は下界では七日間しか生きられないのだ。

下界へ。
心配な阿部寛と元彪(ユン・ピョウ)は彼女のボディガード。
さらに彼女は第一の親友である戯鬼(ちっこい怪物)も連れて行く・・・と思ったが、ここに彼女が外に出たことをいち早く察知した女バケモノが刺客を送る。
刺客が作ったアリ地獄に戯鬼が呑み込まれてしまったので助けに行く元彪。
アリ地獄の先は魔界の入り口で、哀れ元彪、女バケモノと対決するも氷漬けにされてしまうのであった。「ドラゴン危機一発」のオマージュである(違う違う)。

「元彪がどこいったの?」
戯鬼は帰ってきたものの、元彪が心配な・・・・・・
と思ったら何かみんな彼のことを忘れて下界でよろしくやってる気がするのですが、気のせいですか?
知り合った記者の李麗珍(ロレッタ・リー)の家に住まわせてもらい、やっぱりルックス抜群の阿部ちゃんということもあってここに国境を越えたロマンスが生まれる雰囲気ありだ。みんな元彪のこと忘れてないか?

楽しい毎日はそこそこ続いたものの、そもそも七日間以上下界にいると死んでしまう葉蘊儀の体は弱っていく一方。
であるならばと女バケモノは戯鬼を利用して彼女から精気パワーを吸い出す画策をする。
ああ、唯一無二の親友だったはずの戯鬼も所詮は鬼だったというのか、というか元彪のことは遠い過去の思い出か。

と思ったら洗脳が解けた戯鬼がいまわのきわに(死にませんが)、元彪がいる場所を告げる。というかそもそもアリ地獄に落ちたんだからそこにいるだろって気もするが。
ともかく今度はその場所で女バケモノと対戦だ!

終劇




ビデオには香港公開バージョンと日本公開バージョンと2つあって、近所のレンタル屋には香港公開バージョンしかなかったのでそれを観た。
なので香港公開バージョンでの評価しか出せないのだが、まぁシンプルに言えば"そこそこ"というところか。前作を超えている、或いは肩を並べているとは到底言えない出来だったと私は思った。

日本公開時に勝新太郎のパンツ麻薬事件でムチャクチャになったことでパンフレットには彼について何一つ記載が無いことや、三上博史の降板劇から出てきた様々な噂話と真実、パンフレットには藍乃才(ラム・ナイ・チョイ)が単独で監督クレジットされているのに何故か本編では劉仕裕という人と共同監督クレジットされていて、どこからどこまでが誰の演出かわからなくなっている点など、本作にはなにやらきな臭いものがまとわりついてしまったことは甚だ残念だが、前作大ヒットのお金は何処に行ってしまったのだろう?と思えるキャスト陣の豪華さのレベルダウンや前作に比べて極端に減っているロケ撮影やセットなど予算がえらくダウンしているのが見て取れる。そのぶん単純にスケールダウンしているのは明らか。
アクション面についても
"より功夫離れしたアクションを"
と良いように解釈することも出来るが、前作の迫力あるアクションシーンに及んでいないのも確か。せっかく頑張って撮影に臨んだ阿部ちゃんのアクションももうちょっと気の効いた殺陣師がセンス良く殺陣付けてくれたらなと思う部分は多い。三上博史と違ってせっかく彼本人が演じているのだから。

個人的には及第点ちょっと下かなぁ?

■CAST&STAFF
監督 藍乃才(ラム・ナイ・チョイ)
劉仕裕
出演 葉蘊儀(グロリア・イップ)
阿部寛
元彪(ユン・ピョウ)
李麗珍(ロレッタ・リー)
勝新太郎
名取裕子
橘ゆかり
早瀬恵子
荒井乃梨子
倪雪
劉錫賢
武術指導 元彬
脚本 陳秀玲
黄翠羊
梁耀明
音楽 陳斐烈
製作 蔡瀾(チャイ・ラン)
製作総指揮 鄒文懐(レイモンド・チョウ)
何冠昌(レナード・ホー)
制作年度 1990


馬戲小子
Circus Kids
幻影拳 ザ・マジック・カンフー



バブルは崩壊した。
ショーブラザーズが映画製作を止めてしまい、劉家輝(リュー・チャーフィ)を始めとする多くのショーブラスターが他プロダクションへ流れていかざるを得なかったように、こうしてみるとゴールデンハーベストでも同じことが起きている。
ジャッキーだけは最後の最後までゴールデンハーベストと付き合ったみたいだが、本作の主演である元彪(ユン・ピョウ)やサモハンなどは他プロダクションへ流れざるを得なかったみたいだ。
本作もそんな他プロへ流れた後の元彪作品で、限りある予算と人材の制限の中で何とか頑張ろうともがいているのがよくわかる作品である。


流れ(簡単に)


サーカス団は大賑わい。
んだけど、満州事変が起きて一団は解散。

何とか劇団復帰を目指したい午馬(ウー・マ)団長であったが、復帰どころか職にありつくこともままならず。
その職に何とかありついたのであるが、何とそこは裏で阿片を作る麻薬工場。
そうとは知らずに働いていた劇団の元彪や林威(デビッド・ラム)であったが、ケンカ好きの元彪は揉め事を起こしてしまって首に。
林威は阿片の臨床実験体にされてしまい、遂には死亡して怒り爆発の元彪らが麻薬組織に乗りこむ・・・


終劇





なんか・・・やっぱこれだけやな。
ハッキリ言ってビックリするほど物語面での面白みは無い。
不必要な血が出ない演出にしていたのはよかったが。
残念ながらこの辺の小プロが放っている作品で物語的に面白かった作品は皆無に近い。
しかしながら、一応ではあるが元彪vs甄子丹(ドニー・イェン)はあるし、前半では替わり身の目だった元彪ではあるが、ラストに向けてそして盧惠光(ロー・ワイコン)とのラストアクションはなかなかのものを残している。特に盧惠光は明らかに「酔拳2」を意識したアクションが見ものだ。ドニーに関してはそのドニーの圧倒的な武技の前に立ち塞がれるだけの相手が見つからなかった感が少し残念で消化不良かな。

ちなみに「プロジェクトA2/史上最大の標的」でジャッキーを苛めた悪徳警官を演じた林威が随分温和な顔になっているのが何だか微笑ましい。こんな優しい顔した俳優さんだったっけ?って感じで。


■CAST&STAFF
監督 午馬(ウー・マ)
出演 元彪(ユン・ピョウ)
甄子丹(ドニー・イェン)
午馬(ウー・マ)
林威(デビッド・ラム)
盧惠光(ロー・ワイコン)
温碧霞(アイリーン・ワン)
李莉莉
龍比意
元武
備魯金
金十二
武術指導 元武
班潤生
陳志文
脚本 李敏才
音楽 盧冠廷(ローウェル・ロー)
策劃 梁程
製作 林江
製作総指揮 陳顯旋
制作年度 1994
 
 
 
 
 
 


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