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■成龍(ジャッキー・チェン)1986  


龍兄虎弟
Armour of God
サンダー・アーム/龍兄虎弟



“アジアの鷹”として名を馳せているトレジャー・ハンターのジャッキー(ジャッキー)は、 神の武器とされる3つの財宝を捜索していた。原住民の村で一つは手に入れたものの、 後の二つは暗黒教団のもとにあるとされ、ジャッキーは危険を承知で教団のアジトに乗り込んでゆく。(よく考えたらこれだけやな)

これは子供の時、私が思っていたんだけど、

"ジャッキー絶対レイダースやるよな"
スピルバーグの「レイダース」(インディ・ジョーンズシリーズ)を観て、やがて思い出したことは、まぁジャッキー見てりゃ誰だってそうだっただろうけど
レイダース+ジャッキー=超大傑作!?
といった図式だ。
それは「レイダース」は無理に文句を付ける気もない傑作であり、ハリソン・フォードは格好良いし、ハリウッドにはハリウッドのやり方があるので何もケチつけないが、 もしジャッキー・アクションも加わっていたら・・・
と考えざるを得ないこともジャッキー迷ならまた然りだったろう

それはジャッキー本人も考えてたに違いない。だから本作があるのだ。
ご存じじゃない方のこともいらっしゃると思うので、製作あらましを改めて。

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最初の原住民と闘う場面、木から木へ飛び移るシーンでジャッキーは過って落下、頭蓋骨陥没の大怪我を負う。当時、日本のスポーツ新聞でも「ジャッキー再起不能!?」と掲載され話題になった。実際のところ本作の監督は曾志偉だったのだが、怪我から奇跡的に復活したジャッキーは撮影が遅れた事に強い責任を感じ、以後はメガホンを取った。ていうかこんな怪我しといてまたやるのが凄い根性。
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というわけで、
俺にそのスポーツ新聞を見せることをためらった親父が印象的。
そりゃ、子供やったら泣きそうになるわな。いつそんなことがあってもおかしくないと子供ながらに思っていたので泣かなかったけど。
復活ジャッキーの不屈の映画魂のおかげで、本作はその年の香港No.1大ヒットに輝いた。

■たられば語ってもしょうがないが

でも語ろう。
本作で一番スリリングさに溢れているのは冒頭である。
土民族の何かの儀式に始まり、すぐジャッキー乱入→戦闘→逃走、 とそのテンポは半端なく素晴らしく、これから始まる物語への期待を十二分に感じさせてくれる秀逸なオープニングアクションだ。
このオープニング、実はアレと展開が似てるんです。

アレって、 曾志偉(エリック・ツァン)監督の「悪漢探偵」冒頭
マフィアの取引現場から→サミュエル(泥棒)乱入→戦闘→逃走、
しかも逃走経路が同じ飛行機(サミュエルのはしょぼいが)
だからここまでは曾志偉監督の演出なのだ と思われる。

基本となっているキャラクター設定も微妙に「悪漢探偵」している
・冒険家で勇敢なジャッキー(でもロザムンドに失恋中)
・友人の陽気なチキン野郎アラン(でもロザムンドの恋人)
・三角関係に揺れ動くヒロイン・ロザムンド
・そこに絡むもう1人の美女・ローラ

いわゆる悲喜こもごも抱えて上手いこと持っていけばジャッキー&ローラ
アラン&ロザムンドといったところで、麥嘉&張艾嘉カップルを彷彿とさせるよな発展性もあったのではないか?
もし曾志偉監督のままで続けられていたら、この辺が上手く発展した可能性もある。 まさに"たられば"話なのだが、冒頭がサミュエルの件と似てるだけに残念なところはあるよな。

■スーパーカー

何だか当時のジャッキー映画だと"三菱製スーパーカー"が必需品だった気がするが、いわゆるスーパーカー的なものはそんなにたくさんあったわけじゃない。

「キャノンボール」→ロケット噴射、アダルトビデオ等も見れる
「キャノンボール2」→前車のパワーアップでさらに水陸両用、水中OK
「スパルタンX」→営業用の屋台車。開店・閉店がスムーズに行えるだけ
本作→ジェット噴射、中に座席型三輪バイク(?)装備
4つだけ。
ただそれ以外でも毎回、三菱の車そのものは出てきていたので、相当ジャッキーは三菱に貢献したと思われる。
ところで三菱と言えばJリーグ浦和レッズのメインスポンサー。
その辺で、ジャッキーが浦和と関係しないかと期待しているがダメそうか。

■龍兄鼠弟

まぁ「悪漢探偵」の麥嘉よりも遙かにこっちの譚詠麟が
"別にいなくてもいい存在"
なのがイタイんだよな。存在意義薄すぎ。
ぎゃーぎゃー要求多いだけで何にもしないんだもんな。俺はやだ。

■黎小田最高!

またかよって感じですが、今回も彼のサントラ最高。
やっぱジャッキーというキャラクターに一番合ってたよ。
今回、一番好きな音楽は4人の女ドラゴンと戦うとこだな。



その女ドラゴン達と戦うシーンは大好きなんだけど、個人的にはこの作品あんまり好きじゃないのね。まぁ当時、レイダース+ジャッキー と勝手に期待を膨らませたこともあってだろうけども。
あれだけ危険な目に遭っても映画を撮り続けた根性と勇気はもの凄く尊敬しますけど、だから映画も面白かったですというのは違うと思う。
何となく"曾志偉監督のまま撮影続行してほしかった"というのが伝わってきたと思うがこれは、当時の自分でさえそうだったな。

■CAST&STAFF
監督 成龍(ジャッキー・チェン)
曾志偉(エリック・ツァン)
出演 成龍(ジャッキー・チェン)
譚詠麟(アラン・タム)
ローラ・フォルネル
關之琳(ロザムンド・クワン)
火星(マース)
ケン・ボイル
ボジダ−ル・スミルジャニック
鍾鎭濤(ケニー・ビー)
陳友(アンソニー・チェン)
劉嘉玲(カリーナ・ラウ)
黎強權(ベニー・ライ)
武術指導 成家班
劉家榮(リュー・チャーヨン)
袁振洋
音楽 黎小田(マイケル・ライ)
原案 曾志偉(エリック・ツァン)
脚本 ケ景生(エドワード・タン)
司徒卓漢
慮堅(ロー・キン)
ジョン・シェパード
製作総指揮 鄒文懐(レイモンド・チョウ)
制作年度 1986


[才丑]計雑牌軍
Naughty Boys
クラッシュ・エンジェルズ 失われたダイヤモンド



ジャッキープロデュースによる現代アクション・コメディ。
ジャッキーは冒頭の刑務所シーンでチラッとゲスト出演。

作りとしてはジャッキー映画にあった明るく楽しいほんわかした部分と成家班のコメディアクションだけ抜き取って一本完成させたっていうかな。
つまり、 ダイヤモンド争奪戦のストーリーでありながら、スリルとサスペンスは全く感じさせない緊迫感のない展開なのだ。
しかし、いつもいつもスリルとサスペンスが無いとダメなわけではない
そう感じさせてもくれる一本だったとお母ちゃんを見て思った。
この作品は母ちゃんお気に入りなのだ。

じゃなぜそういった年輩の方が気に入るような作品なのか考察してみたい。

あらすじ

いつも通りカンタン。
ムショ入りする前に、ダイヤを隠した仲間達(火星、高飛ら)は刑期を終えて早速ダイヤを探した。・・・が見つからない。
高飛 「火星が裏切ったかあのやろっ」
と、裏切り者扱いされる火星くん。
火星くんの彼女である惠英紅や事件に巻き込まれた劉嘉玲も加わって、やがては大きなマフィアの絡んだ大事件に発展していく。
果たしてダイヤの行方は・・・?



まぁはっきり言ってアクションとアクションを繋ぐ、ドラマシーンの冗長が目立って、ハイテンポな映画を見慣れた今にしてみればカッタるい展開が多いのも確か。ただいかにも'80年代香港映画なやり取りが続くのは、今見ると馬鹿馬鹿しくて楽しい部分が結構ある。

火星くん

功夫をマジで見せる作品の少ない火星くん。
今回はこの団体劇の中で一番の主役なのですが、弱いのよね。
強い火星くんって無いなぁ・・・「猿拳」「蛇鶴猫混形拳」・・・
(最近みた香港版「デッドヒート」vsジャッキーぐらいか?)
ただ弱いだけにさぁ・・・彼女の萌え度がより高くなるってわけで・・・
ま、これでいいのかな。
火星くんがそんなに強くないとことも含めてよりドタバタ喜劇性が高まってるとも思いますし、大活躍したらジャッキー映画になっちゃうもんね。

惠英紅たん

個人的ツボは彼女よ、彼女!(いつもこんなこと言ってますが)
今回は何と火星くんの彼女役・・・彼女役!?
つき、すっぽん、とんび、油揚げ!!
ええ女、彼女にしとるな〜前科者でしかも強くもないくせに〜
このシチュエーションは萌え度が高い!
火星君強くない(でも彼女ぐらいは守りたい) & 惠英紅たん(メチャ強くて彼氏を必死でその功夫で守ってくれる)
・・・い、いや僕も彼女は頑張って守りますよ。
ただこれだと彼氏の出る幕が無いですな。
惠英紅たん料理もしてましたし、腕っぷし強いし、これじゃ男はとにかく頑張って金稼ぐしかないよ。頑張ろう。

クライマックスは敵がみんな屈強な男大勢というかなりフリな戦いでほぼ1人で戦ってます。成家班の武術指導だからまさにジャッキーばりに!
ジャッキーばりに!ということは、彼女自身もボコボコ蹴られたり殴られたりしてるんですよね、大変。
(直接ジャッキーが指導してるシーンがエンドクレジットに出てきます)
若き日のロー・ワイコンにもベキベキ蹴られながら・・・
って火星くんの助けが相変わらず役立たずでまた。

ともかく、本作は惠英紅を最初に拝見して「ええな〜」と好きになってもうた映画でもあります。

劉嘉玲

デビュー作・・・だったと思う。
当時は「早く普通の演技したい」って言ってたのが印象的でしたね。
でも得意技が器械体操でジャッキー組の映画に出たら、そりゃやらなきゃいかんでしょう。ということで、今となっては貴重な彼女の器械体操アクションもバリバリ見れるのが本作もう1つのウリで、レオタード姿まで飛び出すのはいかにもデビュー当時って感じがします。



結局、合間合間のドラマにどれだけ着いていけるかだけなんですね。
その辺のドタバタが予定調和なだけに、それを
"新鮮さが無くてつまんない"
"安心できるよな面白さは好きだ"
どちらと捉えるか
でしょう。わかりやすく言えば
「マトリックス」か「水戸黄門」か。
その辺でも、母の場合は
"いつもジャッキー映画に出てくるお馴染みの面々"
"バカバカしいお馴染みのギャグ"
"血の出ない楽しいアクション"

おまけに許冠英がちょろっと出演は影響したか知りませんが、
この3つが重なれば、
そりゃ安心して気楽に見れる映画に仕上がりますよね。


■CAST&STAFF
監督 錢昇〔王韋〕(チン・シン・ワイ)
出演 火星(マース)
劉嘉玲(カリーナ・ラウ)
惠英紅(ベティ・ウェイ)
太保(タイ・ポー)
高飛(コー・フェイ)
張沖(ポール・チャン)
許冠英(リッキー・ホイ)
霍耀良(クラレンス・フォ)
朱鐵和
銭月笙(チェン・ユーサン)
馮淬帆(フォン・ツイ・フェン)
盧惠光(ロー・ワイ・コン)
成龍(ジャッキー・チェン)
武術指導 成家班
脚本 ケ景生(エドワード・タン)
鍾菊芳
音楽 黎小田(マイケル・ライ)
製作 成龍(ジャッキー・チェン)
制作年度 1999

 
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