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■成龍(ジャッキー・チェン)1999  


瑠璃樽
Gorgeous
ゴージャス



C.N.チェン(ジャッキー・チェン)は大会社経営の側ら、株取引も自ら積極的に行い莫大な富を築く、香港のエリート大富豪である。しかし富を蓄積し、ビジネス界における地位を築く中で、チェンに敵対心を持ち、 彼を失脚させようとするものも少なくない。日々の業務をこなしていく一方で、絶えず命の危険にさらされているチェン。彼には心休まる日がない。そんなある日、チェンはまたしてもおとずれた絶対絶命の危機の中、 一人の女性と運命的な出会いをする…。

思えば、何度も停滞期・転換期を乗り越えて今の地位にいるジャッキーに深く尊敬したくなった。
第二の李小龍と太鼓判を押されて大失敗した初期のジャッキー。
その後、「彼の作品は当たらない」とまで言われてたジャッキーが「醉拳」でスターになるまで。
プロジェクトA」でジャッキー映画の基盤を作るまで。
バトル・クリーク・ブロー」「プロテクター」でのハリウッド進出失敗。
プロジェクト・イーグル」でジャッキーワールドを極めるまで。
レッド・ブロンクス」でやっとこさハリウッド成功を収めるまで。
そして1999年、
もう何度目かもわからないジャッキーの新たな展開が見られた。
ラッシュアワー」でジャッキーは見せた。
「ハリウッドではこんな風に頑張るよ」と。
Who am I ?」でジャッキーは見せた。
「命懸けアクションの釣瓶打ちはこれで最後だよ」と。
そして「ゴージャス」。
淋しながらも勇気ある宣言の映画だった。
「もう実は限界なんだ。だから、こんな風の映画を香港では撮って頑張るよ」と。

こう言ってしまうと、本作は駄目駄目なのかって聞こえるだろうけど、それは違う。ごく普通の感想として面白かった。こっから普通に感想を書こう。

本作はジャッキー初の本格ラブストーリー映画である。
に・・・似合わねぇ〜
なので、俺も全然期待していなかった。
アクション無しでがっかりして帰る子供のファンを見たくなかったし。
期待しなかったので、それだけ面白かったのだと思う。

お話はとても典型的で
ジャッキー扮する大金持ちの若手社長が、漁村の田舎町出身の純真無垢な女の子と恋をして結ばれるまで。「王様と私」とかああいうパターンか。

オープニングから信じられない程、ロマンティックな音楽で幕は開け、そしてヒロイン(舒淇)がイルカにおとぎ話を聞かせている。「赤毛のアン」とか「魔女の宅急便」の旅立ちシーンとか、ああいった感じ。
な、な、な・・・・ラブストーリーとは知ってはいたが、
こここ、こんなにも・・・これは・・・
イルカが拾ってきた瑠璃樽をヒロインが開けると、そこに愛のメッセージが書かれた手紙が。 ヒロインは瑠璃樽を流した「素敵な王子様」を探して香港に向かうのであった・・・
「ははは・・・なかなか辛い・・・」
またずっとバックで流れているロマンティック・オーケストラなBGMが耳にうざい。あんたら音楽で誤魔化そうとしているやろ。
香港であっという間に瑠璃樽を流した本人の家へ(住所書いてあったからね)。この本人が梁朝偉扮する男で、よかったよかったTHE END・・・
の訳がない。実はこいつはホモだった。ヒロインがっかり。しょうがないからとりあえず友達に。海でクルージングを楽しんでいたヒロインは、途中で豪華フェリーの船上で格闘を繰り広げる男を見てしまう。ヒロインは男を助ける為、モーターボートを一人走らせた。つまりジャッキーとの出会い。

なんだかんだあって、二人は愛し合っていくようになる。
ただ、ジャッキー本人はそれに気づかない。

ライバル会社の社長が子分がいつもジャッキーにボコボコにされているのを見兼ねて、キックボクサーを雇った。駐車場ではじまる壮絶な戦い・・・・
の末に負けたのはジャッキーであった。
落ち込んでがっかりするジャッキー。
ヒロインの慰めからジャッキーの猛トレーニングがはじまった。

この辺が凄く感慨深い。
スクリーン上でいつも凶悪な敵と戦って勝っていたジャッキーが1v:s1の勝負で完敗する。これはジャッキーが今までのアクション映画に決別した宣言シーンのように思えてならない。それからの猛トレーニング。
「年くって凄いアクションが出来なくなったけど、俺は頑張る」
といったジャッキーのメッセージに思えてならない。
いつの間にやら、ラブストーリーな映画は完全にジャッキーのリベンジ映画になっていた。

ま、事情があってヒロインとは悲しい別れを一旦はする。
そしてリベンジ・マッチ。物凄く壮絶なクンフー・ファイトの末、ジャッキーは勝利を収めた。ひっさしぶりのジャッキー名勝負だと思う。この頃は車やブルドーザー等を使っての大団円が多かったし、昔は必ず出てきていた、敵役の達人ってのが存在してない映画が多かったので。
う〜ん、今回対するのは白人の小柄なブラッドリー・ジェームス・アラン(通称アランくん)、素晴らしい動きだった。

最後は大事な人の大切さを知ったジャッキーがヒロインを取り戻しに漁村に行き、結ばれてハッピーエンド。

ラブストーリーだからNG集は無いんかな?
と思っていたが、しっかりあった。

ヒロインの舒淇がとっても可愛くてよろしい。ほんまに可愛い。彼女欲しい。 ほんでもって、ヒロインが可愛くなかったら、これ程観てられない映画は無い。ずっと出ずっぱりだし、無邪気な演技とかがサブくなったら映画は終わりだ。ただ、共演で話題を呼んだ梁朝偉とジャッキーとの絡みが少なかった(1回だけ)のが残念だった。知らん人は全然知らんだろうが、梁朝偉とジャッキーの競演なんて本当に貴重なもので。

そういえばジャッキーと周潤發とのバディ映画とか撮ったら面白いのにな。 アクションも結局はたくさんあった。勿論、命を懸けたようなアクションはもう無いが、 一番好きなクンフーファイトがたくさんあったので、面白かった。 それでいて香港コメディの基本に戻ったベタベタなギャグとかが懐かしく楽しめた。 総評すると冒頭は凄く不安な演出だったけど、思い返せば十分よかったじゃないかって感じ。
今年もご苦労様でした。

■CAST&STAFF
監督・脚本 谷コ昭(ヴィンセント・クック)
出演 成龍(ジャッキー・チェン)
舒淇(スー・チー)
梁朝偉(トニー・レオン)
周華健(エミール・チョウ)
羅家英(ロー・ガー・イン)
ブラッドリー・ジェームス・アラン
任賢齊(リッチー・レン)
劉以達
陳松勇
金燕玲(エレイン・ジン)
張達明
呉君如(サンドラ・ン)
李力持(リー・リクチー)
馮徳倫(スティーブン・フォン)
葛民輝
呉彦祖(ダニエル・ウー)
谷コ昭(ヴィンセント・クック)
盧惠光(ロー・ワイ・コン)
李燦森(サム・リー)
周星馳(チャウ・シンチー)
武術指導 成家班
音楽 (デニー・ウォン)
制作年度 1999


特警新人類
Gen-X Cops
ジェネックス・コップ



いやぁ、面白かったなぁーこれ。
結局、ジャッキーの後継人スターが全然出てこないので業を煮やしたジャッキー自身が謝霆鋒を筆頭に3人の新人俳優を抜擢して製作したアクション巨編。

ジャッキー、サモハン、徐克等々を筆頭に香港アクション映画はその香港独特のパターンを作って製作し続けたわけだが、やがてそのパターンも頭打ちに。
そこでまた新しい形の香港製アクション映画となったのが、本作品である。 21世紀に向けての新しい香港アクション映画の基盤を作ったのが、またもや ジャッキー筆頭とは・・・・・・
決して誉めすぎるわけではないんだけど、これは凄いことだよなぁ。

お話としては、
日本の武器密輸組織のボス(仲村トオル)を捕らえるために、その腹心である呉彦祖のもとに、3人の出来損ない新人警官(謝霆鋒 馮徳倫 李燦森)を潜入させる・・・・ という感じ。
3人の上司には曾志偉。
いやぁ、年取って凄く良い演技するようになったなぁ! と感慨ひとしおです。顔面引きつけ起こしながら闘う格好悪くて格好いい彼の姿は 刑事コロンボや金田一さんなんかを連想させます。よかったよかった。
3人の主役も凄く新鮮で気持ちよく、特に謝霆鋒は男でも「はーっ」とするほど格好いいす。こんなのに生まれたら モテモテモテモテモテにギャルギャルだったのになぁ・・・・・・それはともかく

そうそう、今まで香港映画になかったパターンとしては、キャラ立ちが際だってて面白いってとこ。 ヒロインの名前がYK2(?)だったり(葉佩[雨文])、 他にも役名がエイリアンとか赤虎とか、とっても個性的です。 昔はチャンとかドラゴンとかそんなどうでもいい役名ばっかだったけどねぇ・・・・
(ジャッキーなんかほとんどジャッキーだし。)

で、赤虎は密輸組織のボスの役名なんだけど、
そのボスを演じてるのが仲村トオルっ。
辿々しい英語がちょっとアレだけど、やっぱ格好いいっす。
ラストには3人VS仲村トオルでクンフー対決したりなんかするんですよ、これは「ビーバップハイスクール」でならした腕をとくと披露だ愛徳の仲間ぁ!!!!

個人的に一番気に入った役者さんは呉鎮宇(ロコ役)。
もう登場して数分後の呉彦祖に 銃突きつけられてるシーンで、あっという間にグッと来ましたね。こりゃ格好ええ!って。
その後「出番が少なかったのが残念だな」っていきなり残念に思ったし。 やっぱ演技巧い人はいいわー。

ラストの大爆発の後、ジャッキーがゲスト出演。
今まで若々しい3人を観ていただけに、流石にジャッキーが年食ったおっさんに見える(しかもかなり)。 思うけどこれ、ジャッキーが若かったら自分が主役を凄くやりたかったろうなぁ・・・・

で、総評としてはストーリーもテンポよく進んで破綻もさせず、アクションも凄いし、特に各キャラクターが個性的で魅力的に描かれたところが凄くいいです。続編も出ているが、主役が変わってしまったのが残念だな。


■CAST&STAFF
監督 陳木勝(ベニー・チャン)
出演 謝霆鋒(ニコラス・ツェー)
馮徳倫(スティーブン・フォン)
李燦森(サム・リー)
仲村トオル
曾志偉(エリック・ツァン)
呉鎮宇(フランシス・ン)
葉佩[雨/文](グレース・イップ)
呉彦祖(ダニエル・ウー)
陳豪(チャン・ホー)
王淑美(ジェイミー・ウォング)
成龍(ジャッキー・チェン)
製作 成龍(ジャッキー・チェン)
制作年度 1999


紫雨風暴
Purple Storm
パープルストーム



うわーっ しまったーっ
食わず嫌いが功を奏しての逆ーっ

とっても良い作品ですだ。

流れ

テロリストが化学兵器を積んだ貨物船を襲う。
銃撃戦の中、テロリストの1人、呉彦祖(ダニエル・ウー)が頭部を負傷し、警察に捕獲される。
しかしもって化学兵器はテロリストの手に。

呉彦祖は頭部の怪我によって記憶喪失。
警察の周華健(エミール・チョウ)はこの記憶喪失、しかも元テロリストである男を使って任務を遂行させる。

しかしながら逆に呉彦祖はテロリスト達に捕まってしまい行方不明に。
呉彦祖の記憶は戻りつつあった。
テロリストのリーダーは自分の父である甘國亮(カム・コクリョン)、テロリストの1人は自分の妻・何超儀(ジェシー・ホー)であったことを思い出す。

----で、
彼は警察に託された任務を遂行するのか?
またテロリストに戻り罪を重ねるのか?

終劇




まぁ流れは簡単に。

「ジェネックス・コップ」を観てるとわかるが呉彦祖くんが殴られたりした時の情けない声って印象に残るのよね。今回は失われた記憶に混乱を呼んで、彼が情けない声を大連発するということで、こりゃあ確かに適任か?

いやぁ観た時期が悪かった。
流石に香港で様々な賞を貰った映画だけあって、さすがに良い脚本と演出。
まだまだ駆け出しの呉彦祖ながらも大変頑張っているし、まるで「シュリ」のハン・ソッキュのような芸風が実に格好良い周華健(エミール・チョウ)、しかもこっちのほうがハンよりずっとハンサム。彼のクールな演技は余り見たことが無かったがいやぁ良いっす。セリフ少なな(結局彼女は耳が聞こえたのか?)何超儀(ジェシー・ホー)のアクションも良かったし、甘國亮(カム・コクリョン)の渋味と貫禄もバッチリ。
「シュリ」やジョニー・トゥ作品や「香港国際警察New Police Story」を観る前であれば、凄い感動したんじゃないかってところなんだけど、これらの作品を観た後ではこの作品が1999年製作でそれらの作品より前だったり後だったりするんだけど、
「これも良い映画だなぁ」
ぐらいで終わってしまった感がある。

冗長するシーンもなく、テンポもスリルもバッチシなので十分楽しめる作品だと思うのだが。
■CAST&STAFF
監督 陳コ森(テディ・チェン)
出演 呉彦祖(ダニエル・ウー)
何超儀(ジェシー・ホー)
甘國亮(カム・コクリョン)
周華健(エミール・チョウ)
陳沖(ジョアン・チェン)
譚耀文(パトリック・タム)
李綺虹(テレサ・リー)
動作指導 董〔王韋〕(ツン・ワイ)
音楽 全培達
製作・製作総指揮 陳自強(ウィリー・チェン)
鐘再思
成龍(ジャッキー・チェン)
制作年度 1999
 
 
 

ジェネックス・コップ
パープルストーム
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