■CAST&STAFF |
監督・製作 |
余充抗(デニス・ユー) |
出演 |
石天(ディーン・セキ) |
ケ浩南(マーク・チェン) |
健新 |
浩光(アンソニー・タン) |
樓南光(ビリー・ロー) |
王米高(マイケル・ウォン) |
夏文汐(パット・ハー) |
陳嘉玲(チャン・カーリン) |
李香琴 |
谷峯 |
田青 |
周比利(ビリー・チョウ) |
曾光展 |
高妙思 |
王曼 |
余慕蓮 |
黄静儀 |
羅強 |
嘉生 |
胡志龍 |
蘇漢生 |
西瓜〔包リ〕 |
趙仕齋 |
馬敬之 |
張興財 |
徐國強 |
何霊霊 |
顔義基 |
武術指導 |
羅強 |
脚本 |
呉爵希(ン・チュクハ) |
林冠喬(ラム・コーンキュー) |
音楽 |
鐘定一(ダニー・チャン) |
策劃 |
伍潤泉(トーマス・ン) |
制作年度 |
1985 |
恭喜發財
Kung Hei Fat Choy
アラン・タムの特撮SFX/異星人大騒動
■
石天さん監督作品の登場です。
石天さんの監督作といえば処女作に「出家人/色慾和尚」があり、その後シネマシティ設立後に
「専[才毛]牆[月卻]」
「全家福」
「烏龍大家庭」
とこの本作がある。あまり関係無いがサモハンの監督処女作である
「少林寺・怒りの鉄拳 :三徳和尚與春米六」で彼が助監督を務めているところが何だか興味深い。勉強したかったのか、サモハンが教えてもらったのか。サモハンは黄楓(ファン・フェン)から学んでるしな。
でもって、この作品。
やっぱ作品って監督の色というか表現したいものってのが表現されるからこの作品を通して
「石天さんという人はそもそもどういう人なのか」
ってところも見え隠れする部分があると思うのよ。
だからその辺を探りつつ、鑑賞してみたりなんかしました。
■流れ
はぁさてさて。
香港に突然隕石が落ちてくる。
その後、少林寺では不思議な5人の幽霊が出てきては騒動を起こすのだった・・・って、そりゃ
「拳精」じゃ!
と、1人ボケツッコミを挟んでる間に現れてたのは幸福の神様・譚詠麟(アラン・タム)であった。
警察から逃れて今にも潰れそうな食堂を営む石天(ディーン・セキ)家に潜り込む宇宙人というか神様の譚詠麟。
石天さんの1人息子に幸福な時間をプレゼントして自分を神様と認めさせたりする。このシーンで出てくる粘土漫画(正式な名前忘れたなぁ)功夫劇が興味深い。
福の神が家に!?
ってことで、当然至極お金を強請る石天さん。
「金は自分で稼ぐもの」
と金を出してくれない譚詠麟であったが、その代わりに店が上手くいくよう、協力してくれることに。
「笑顔の誠心誠意で尽くせば必ず儲かります」
ということで、石天さんは元々得意の営業スマイルで頑張る頑張る。
ところが、店の売上に納得がいかないテナントを貸している親分・林子祥(ジョージ・ラム)が
「ここを雀荘にする!」
といって追い出しにかかる。
「追い出されてたまるかっ!」
と、神様と石天家vs林子祥と子分の陳惠敏(チャーリー・チャン)らのすったもんだが始まった!
・・・すったもんだの末に、
林子祥は神様の暗示にかかって改心、店はそのままにみんなが和解して良い感じ。
林子祥のオフィスで敵味方合わせてパーティを。
これにて一件落着。
・・・・・・・・・・・・・・・とはいかなかった!
神様(宇宙人)の生け捕りを画策していた政府の秘密部隊が神様を捕まえんと強襲に来たのだ!
今度は香港警察vs神様!
とはいっても、人間が神様に勝てるはずもない。
最後は神様・譚詠麟、黄金の雨を降らせて町中の人たちに幸せを与えると、楽しい思い出を共にした石天家の人々に別れを告げて、颯爽と夜空へ飛び立っていくのだった・・・・
終劇
■
この映画を観てわかることはまず、
「悪がいない」
ということである。敵役として林子祥と陳惠敏がいるはいるが、この辺は完全コメディの演技であってラストにはみんなで和解するし、オチのオチとしては林子祥が改心したおかげで念願の市長に、陳惠敏も改心して立派な警察官に、といった具合にみんながハッピーエンド。いかにも過ぎるほど香港娯楽映画らしい終わり方をしている。
やはりは石天さんも
「まず観客が幸せな気分になれる映画を作るぞ」
の香港娯楽映画人だった・・・
というのは勿論余りに簡単な結論ではあるが、まさしくそうだ。
も少し深く考察すれば、
この映画で神様は結局、
「人を幸せにしてあげれば何れ自分も幸せに」
ということをそして「まじめに働くこと」を伝えており、
このHPの特に「石天(ディーン・セキ)特集1」を読んでもらえばわかるとおり、幾多の作品の中で何度も何度も守銭奴、金の亡者、そしてイジワル師範代を演じてきた石天さんではあるが、逆に彼の本当の姿は「真面目に楽しく働く人」であったというところが垣間見られると思う。だからこそ演じられたのであろう。
んで、
この映画、結局面白かったか否かってところだが
「まぁそこそこ」
なところか。如何にも全盛のシネマシティ、
「悪漢探偵」っぽいテイストは結構あって楽しめるところはある。
個人的には陳惠敏のおとぼけぶりが最も笑えた。似合わないところが面白いんだもん。
ただ全体的にはちょっと面白さが希薄に感じられたかな。
麥嘉(カール・マック)、徐克(ツイ・ハーク)、黄百鳴(レイモンド・ウォン)のゲスト出演もお楽しみに。
|
■CAST&STAFF |
監督 |
石天(ディーン・セキ) |
出演 |
譚詠麟(アラン・タム) |
石天(ディーン・セキ) |
柏安[女尼](アン・ブリッジウォーター) |
林子祥(ジョージ・ラム) |
小林〔三〕林〔三〕 |
陳惠敏(チャーリー・チャン) |
女〔兆〕友雄 |
曹達華(チョウ・ダッワー) |
傳宏達 |
任浩 |
楊又祥 |
馮敬文 |
余慕蓮 |
劉良發 |
余子明 |
莫景華 |
成福安 |
成運安 |
成奎安 |
關珠華 |
陳志輝 |
馮錦雄 |
馮世雄 |
呉志明 |
スティーブ・ダウ |
ジョージ・ヘイズ |
ジョナサン・ワッティス |
マーティン・リー |
バートン・キタン |
ジョブ・スティワート |
ステーィブ・スマート |
ジョン・ニスベット |
エリック・リンチ |
ビル・ブレア |
デビッド・ショー |
ジェラルド・ベア |
麥嘉(カール・マック) |
徐克(ツイ・ハーク) |
黄百鳴(レイモンド・ウォン) |
脚本 |
黄百鳴(レイモンド・ウォン) |
製作総指揮 |
石天(ディーン・セキ) |
麥嘉(カール・マック) |
黄百鳴(レイモンド・ウォン) |
制作年度 |
1985 |
功夫大拍賣
Kung Fu On Sale
フラミンゴ殺法 天中拳
■
"お笑いとは無縁にハードなアクションを売る作品をいつの間にか「本格功夫」と呼んで区別するようになった。本作品もその一本"
香港電影百科(芳賀書店)抜粋
さて、本作では再び石天さんにイジワル師範代に戻って頂きましょう。
長らく入手困難とされてきたこの作品ですが、この度アメリカからDVDが発売されるに至り・・・というか私の持っているものは入手先が全然違うのですが、とにかく人の目にやっとさらされる状態になりました。そんなこと言ったって正規だとはとても思えないのですけど、そして正規なんか今さらもう関係あらへんやんって感じですけど。
監督は蘇真平(スー・ツェンピン)。
蘇真平といえば「英雄有涙」での殺陣に全く個人的に評価があり、役者として関わった「ドラゴン・カンフー/龍虎八拳」などもあるということで、自ずとというか私だけ勝手に期待してしまう感じなのであります。本作の武術指導者は私の持っているものではよう確認出来なかったのですが、監督が彼だし彼がやってるんじゃないかなぁという気がします。
■流れ
家は金持ちだけどお父ちゃんが金の亡者ってことに嫌気がさして家出中の青年・司馬龍。
功夫習って強くなりたいとその気合だけは頼もしいが、ようは就職もせずにフラフラしているトーヘンボク。
ああトーヘンボク。
どーん!
トーヘ・・・
すすす、すいません。
この人、めちゃくちゃ怖いんですけど、メンチ切られてるんですけど。
実態は「爆笑少林寺」の呉明才(ウー・ミンサイ)とそんなに変わらないくせに・・・そしてどこが青年じゃ!
ま、まぁともかく功夫が習いたい。
というわけでつよーい宗華の道場へ・・・練習を覗き見。
「何やっとんじゃお前は」
覗き見の司馬龍を師範代の石天さんが見逃すはずもなかった。
まだまだ功夫素人の司馬龍が石天さんに叶うはずも無く・・とはいっても筋肉ムキムキでひょろひょろした石天さんの方が明らかに弱そうなのですが、勝てません。
「勝ってるやん!」
ってこれは司馬龍にくっついてきた謎の老人・蘇真平のアシストによるもの。
改めてその謎の老人の下で修行を積んだ司馬龍は、
石天さんと再戦!
やっぱり出ました
その結果、やっぱ得意のガチャ目が炸裂!
一方で司馬龍の父の金と命、そして司馬龍本人の命をも狙っていた殺し屋が現れ、司馬龍家は大あらわ。
さらに必死の思いで謎の老人の下で修行を重ね、ついには必殺のフラミンゴ殺法をマスターする司馬龍。
殺し屋との決戦へ!
竹林でのファイトにいくばくかの工夫が認められるなかなかのラストアクション。
んで、そのフラミンゴ殺法とは・・・!?
・・・・・・これ!?
決戦の末に殺し屋を倒した司馬龍。
謎の老人が実の祖父とわかってハッピーエンドなのでした。
終劇
■
・・・どこが正統派やねん!
冒頭に書いた文章ですが、あの流れで「本作品もその一本」と言われりゃ"正統派"と思いますよねぇ。バリバリのコメディ功夫でしたよ。バリバリ「酔拳」亜流です。
この映画、死人が出ないんですね。血が流れない。
その上で水準に達している功夫アクションを見られるということでそれなりに評価できるところもあると思います。
|
■CAST&STAFF |
監督 |
蘇真平(スー・ツェンピン) |
出演 |
司馬龍 |
石天(ディーン・セキ) |
蘇真平(スー・ツェンピン) |
宗華 |
方正 |
李昆(リー・クン) |
鄭富雄(チェン・フーシェン) |
武術指導 |
蘇真平(スー・ツェンピン)? |
制作年度 |
1978 |
蛇鶴丹心震九州
The Secret of the Snake & the Crane
■
その展開がジャッキーの
「蛇鶴八拳」に似ているということで評判の、この作品の登場です。
・・・ん?
さて、本作では石天さんに・・・・・・なぬーっ!?
こ、今回はなんと超シリアス悪役だ!
いつも爽やか笑顔が決まってます
クンフーアイドル孟飛(メン・フェイ)くんの一作。
彼の主演作「武道大連合/復讐のドラゴン」は東南アジアで大ヒットを飛ばし、スターダムにのし上ったのであるが、彼のその後の主演作、フィルモグラフィーを見てみてもどーーーーもB級、この人SB張徹
「続・少林寺列伝」を除いてB級映画以外には出演していないんじゃないかと思われるというかたぶんそうだというか、ことごとくがB級功夫映画である。
それゆえにB級としての面白い作品には幾つか主演しているものの、正直つまんねー作品も数多くあり、本作と同監督である「小老虎」もまぁ一般から観ればどうしようもなく、拾いどころの無い作品だったりする。
彼がもしショーブラやゴールデンハーベストに招かれて大作の主演でもしたならば、もっともっと有名な功夫スターとなっていたかもしんないと残念な気分である。元々台湾をメインに活動している人なのでそうもいかんのか。
■流れ
幼き兄弟は父を殺されて生き別れ。
成人後、弟の孟飛(メン・フェイ)は
・兄を捜索するため
・そして仇を討つため
「蛇鶴拳」の奥義書を散らつかせて街を闊歩していた。
仇討ち相手である皇帝は、自分が仇討ち相手とも知らずに腹心の石天(ディーン・セキ)に奥義書を奪ってくるよう命ずる。
「今回、ガチャ目は無しだ」
若くてハンサムでクールな石天さんはなかなか格好良く、
完全な悪役なのに何だか応援したくなる気分になるから不思議だ。
一方でその生き別れの兄である譚道良(レオン・タン)は石天と同じ腹心の部下となっていた。勿論、これは皇帝の命を狙ってのこと。
まぁそうなると合間の楊慧珊らが起こすすったもんだが正直どうでも良いものになっちゃうのだが、正直どうでもいい。
おしろいを塗りすぎたのだ
そんなことより、孟飛くんとCOOL石天との奥義書を巡るやり取りの方がよっぽど興味深いってなもんだ。
かくして再会を果たした兄弟はその「蛇鶴拳」をもってして皇帝とのラストバトルへ!
鎖鎌振り回すCOOL石天
皇帝強いッス
皇帝さん、あんたそんなに強かったら奥義書なんていらんでしょ?ってぐらい強いッス。
終劇
■
面白かった。
何がってそりゃ石天さんの悪役っぷりが。
それ以外はまぁなんちゅうか別にって気持が強い。
展開はジャッキー「蛇鶴八拳」と確かに似ているが、
単純に午馬は陳誌華(チェン・シーホワ)(「蛇鶴八拳」監督)に演出力で負けている。金正蘭(クム・チンラン)や苗可秀(ノラ・ミャオ)といったヒロインや乞食党などなどキャラクターが立っていた「蛇鶴八拳」と比べてこちらはキャラクターに思い入れが湧くほど立たせていない。孟飛(メン・フェイ)のマスクは確かなものだから、彼の使い方1つでもこの映画随分違ったものになったと思うのだが。
また武術指導の面では、足技使いの譚道良が"蛇拳使い"の役なので、彼の持ち味が発揮されていない点でも気になったかな。
|
■CAST&STAFF |
監督 |
午馬(ウー・マ) |
出演 |
孟飛(メン・フェイ) |
譚道良(レオン・タン) |
楊慧珊 |
石天(ディーン・セキ) |
游天龍 |
王若平 |
王龍 |
午馬(ウー・マ) |
李昆(リー・クン) |
制作年度 |
1976 |
小殺星
The Singing Killer
■
※タイトルの「殺」は旧漢字表示ですが、表示できないために現在の「殺」にしています。
石天(ディーン・セキ)さんの俳優としての活躍は'60年代後半からと言われているので、これもデビュー作ではないのでしょうが、その当時にあって大きな役という意味では恐らく最初かそれに近いと思われる作品。簡単に言えばデビュー当時の作品である。
その作品というのが
「報仇」の大ヒットでノッテいた張徹(チャン・ツェー)監督作品というのだから、一見ミスマッチに見える張徹ワールド
in 石天さんのキャスティングは興味深い。その後も「憤怒青年」とかに出演しているのだが。
張徹作品を数多く観たわけではないのでまだまだなんとも言い難いところはあるが、この映画「報仇」や「刺馬」などの世界観を意識して臨むとなかなかに裏切られるところもある。では流れ。
■流れ
※推測入ります
姜大衛(デビッド・チャン)扮するジョニーはクラブの大スター。
「嵐を呼ぶ男」の裕次郎扱いでキャーキャーキャーキャー黄色い声が飛び交う中、今日もコンサートをこなしていた。
始まりが「香港ノクターン」でも始まったかというような演出で、まさに井上梅次監督(「嵐を呼ぶ男」)みたいな感じ。
張徹が井上梅次に挑戦というのか!?
余りに世界観が違う感じのする2人だが、日本映画を観て一生懸命勉強した彼らと考えればそりゃそうだなというところもある。第一本作はかなり邦画っぽい。昔の邦画には全然疎いのでこれ以上言及する術を持たない私であったりするが。
ジョニーには暗い過去があった。
以前は"小殺星"と呼ばれる荒くれ者のチンピラでつるんだ仲間と悪いことばかりしていた奴だったのだ。
そのために恋人である水仙(汪萍)を失った。
んで、更正して今はスターになっているということだ。
水仙と別れてからは今は消息知らず。
ジョニーは喜んでいた。
その水仙が帰ってきたというのだ。
コンサートを終え、指定の場所に向うジョニー。
しかし待ち受けていたのはジョニーではなく、昔つるんだ悪仲間(だと思われる)である谷峯、金霏、王鐘、劉剛、そして石天(ディーン・セキ)であった。
石天さん・・・いやこの映画では
若干24歳!
ということで、石天くんと呼んだほうがしっくりくるか。
石天くんは悪仲間というよりもそれの後ろにくっついてきているだけの気弱な小僧といった感じか。金霏の弟だと思われる。
とにかく、
「水仙に会いたければ1萬ドルよこせ」
という感じで、ジョニーは脅迫される。
当然、足を洗ったジョニーはそんなことしたくなかったが、多勢に無勢、水仙と再び出会うためしょうがない。
クラブのオーナーである陳星(チン・セイ)に
「1萬ドル貸してほしい」
と頼むジョニー。ジョニーのお蔭で大儲けしている陳星は
「お前を信用しているから好きに持っていけ」
と寛容に金庫の鍵を貸した。
何悪いことするでもなくお金を用意したジョニー。
谷峯にお金を渡して水仙と会えるかと思ったがこれこそが罠だった。
金庫を開ける際のジョニーの一部始終の行動を8ミリカメラが収めていたのだ!こここ、こんな時代になかなか現代的ですな!(昭和45年)
「お前は泥棒だ!もう逃げられないぜ」
金庫から金を取る前に鍵を取るような行動をしたのが不味かった。にしても、これも谷峯の指示だったのだが。
そして、そんなところ誰が8ミリカメラで撮ってたのか。
実に寛容に見えたオーナー陳星こそが罠を張った黒幕だったのである。
陳星の家へ。
ここで若き日の馮克安(フォン・ハックオン)や袁和平(ユアン・ウーピン)もチラリと登場。
見事にジョニーを悪に再び陥れた陳星が持ち出した計画は
「隣の宝石店に強盗する」
ことだった・・・別にジョニーがいなくてもあんた達でやればいいじゃん・・・と思うところだが、大スターのジョニーなら向こうも気を許してVIPルームに入れてくれるだろう、そしてそこにたくさんのお宝がある、と。
予定通りに宝石店に入るジョニー。
まずは店長の楊志卿からVIPルームに案内してもらうことが目的だ。
がっ!!!
この宝石店で働いていた店員の中にジョニーが捜し求めていた水仙がいたのだ!!
再会を感動し抱きしめ合う2人・・・・
近すぎるわっ!隣やんけっ!
何のことはない、水仙はジョニーがコンサートをしていたクラブの隣の宝石店で働いていたのだ!
これを外から眺めていた陳星一行。
ジョニーが水仙と出会ってしまったことで、状況は一変する。そりゃそうだ水仙と会ってしまったらジョニーが強盗なんかするわけがない。
計画はすんでのところ頓挫したものの、強引にその潰れた計画を実行する陳星たち。水仙を跳ね除けてVIPルームに谷峯たちが押し入った。
「あの人ったら、まだあんな悪たちと付き合っていたのね!」
再会はしたが、ジョニーがまだ小殺星であったことに悲しむ水仙。本当は違うのに・・・・
VIPルームではジョニーvs谷峯たちが繰り広げられていた。
「これはヤバイ」
と察した金霏と石天くんは警察が来る前にスタコラと逃げ出す。
警察が駆けつけて発砲することで、谷峯、王鐘、劉剛は銃弾に倒れる。
そしてジョニーも強盗一味と間違われて被弾する。
ジョニーと水仙は石天くんが用意した車に乗って逃げ出すのであった。
事の一部始終を見ていた宝石店店長の楊志卿は
「ジョニーは違う」
とこれまたジョニーの知り合いであった刑事の馮淬帆(フォン・ツイフェン)に伝えたかったが、持病の心臓病が事件で悪化し伝えることなく事切れてしまう。
さらにジョニーが金庫を開けているフィルムを馮淬帆が見つけてしまってジョニーに強盗、窃盗の容疑が。
若いのなんの
ジョニー、水仙、金霏、石天くんの4人で逃避行を続ける。
ここで短く流れる歌が"暴走した青春"を代弁していてなかなか印象深いシーンである。
現場(宝石店)に踏み込まないことで容疑から逃れていた当の陳星はジョニーを捕まえるために遂に汚い手を使い出す。
手下の王青(ワン・チン)らを4人が逃げていた旅館まで追わせるとその旅館で金霏、石天くんを撃つ。ジョニーが王青らをやっつけるが時既に遅し。
「水仙よりも私はあなたを愛してたわ・・・」
そう言うと金霏は乱れた青春の先に終わりを見る。
ここまで悪役でもなく金霏をフォローして実に美味しい役どころであった石天くんだったが、ここの一発死にで出番終わり。最後まで生きていたら実に美味しい役だったんだけどなぁ・・・張徹らしいや。
怒りに打ち震えるジョニーは水仙を1人逃がすと、陳星との最後の対決に向けて被弾した体のまま屋敷へ。
まだ髪はあるが・・・
その頃、先の刑事・馮淬帆はフィルムを何度も繰り返し見ることで、トリックがあることを見破る。
「ジョニーは仕立て上げられただけだ!」
真の黒幕を突き止めたキレモノ刑事もまた陳星の屋敷に向う。
ラストバトルの先はハッピーエンドか悲劇なのか!?
終劇
■
やっぱり張徹イズムである。
大スターなのに恋人から逃げられた孤独マンで、さらに昔の仲間に脅迫されることで逃げ場を失い、絶望の道をひた走る。その前の仇討ちのためだけに全てを賭けた孤独の戦士「報仇」の姜大衛と境遇は凄く似ている。
始まりが井上梅次監督っぽいのでどうなることやらと思ったが蓋を開けてみればやはり男節炸裂の物語だった・・・
しかし、物語の結末を知り、この映画がやっぱりアイドル映画に近いことを知る。それこそこの結末は製作前から大ボス・邵逸夫(ランラン・ショウ)の指示によって決められていたのではないかと思うほどだ。逆に単なるアイドル映画じゃ我慢できない張徹が中身に自分の色を持ち込んで外飾をアイドル映画に仕立てたということか。
石天くんは前半は悪仲間の一番下と言うこともあり、ずっと出ずっぱりながら顔はピンぼけ、全然ピントを合わせてくれなければセリフもなかなかない。しかし、物語が後半になると俄然出番は増え、さりげなく主人公らをサポートする役として初々しい演技を披露。結構印象に残る良い役だと思う。最後は酷いが。
強烈な張徹イズムを期待すると肩透かしを喰らうかもしれないが、荒れた青春の群像劇、そして数々の著名な映画人が脇でちょこちょこ出ているのを観ていれば結構楽しい映画であったかな。
狄龍(ティ・ロン)はギター弾きでちょっとだけゲスト出演。
劉家榮(リュー・チャーヨン)はクレジットにあるのだが、どこにいるかわからんかった。
|
■CAST&STAFF |
監督 |
張徹(チャン・ツェー) |
出演 |
姜大衛(デビッド・チャン) |
汪萍 |
金霏 |
谷峰(クー・ファン) |
陳星(チン・セイ) |
馮淬帆(フォン・ツイフェン) |
楊志卿 |
石天(ディーン・セキ) |
王鐘 |
劉剛 |
葉寶琴 |
郭怡 |
李寿棋 |
藍偉烈 |
鮑嘉文 |
黄培基 |
劉家榮(リュー・チャーヨン) |
羅威 |
王青(ワン・チン) |
馮克安(フォン・ハックオン) |
袁和平(ユアン・ウーピン) |
狄龍(ティ・ロン) |
武術指導 |
唐佳 |
劉家良(リュー・カー・リャン) |
脚本 |
倪匡(イ・クオン) |
邱剛健 |
音楽 |
陳勳奇(フランキー・チェン)
クレジットは陳永U |
製作 |
邵逸夫(ランラン・ショウ) |
制作年度 |
1970 |
仙女下凡
The Human Goddess
■
この映画に石天さんが出ていることはパッケージを見るまで知りませんでした。で、出てたのでさっそく鑑賞。
監督は「北京原人の逆襲」の何夢華(ホー・メンファ)。実際鑑賞してみて「ああなるほど」と思うところもあるのでした。
さてさてそれでは
■流れ
天宮
ここは天空。
天空には天宮、神様が住むお城があるのでした。
そして天宮にはたくさんの女神様、というか仙女様がきゃっきゃっきゃっきゃと下界を眺めています。
そして下界の香港でラブラブするあまたのカップル達を覗き見しながら、
女神達 「きゃーいいわねー!」
なんて羨ましがっていました。
女神の一番末っ子(?)である七妹(李菁)は自分もそんな素敵な出会いをしたくて、こっそり下界。
仙女様の下界大冒険が始まるのでした。
さっそく仙術で貧しい子供たちに食べ物与えたり、
強盗を捕まえる手助けをしたり。
でも本当は恋がしたいのかな?
そして金峰(チン・フェン)に目をつけた。彼の前世は立派な剣士だったらしく仙女七妹はその前世まで見通してお気に入りに。
いいケツしてんじゃん
でもその前にチンピラの石天くんがナンパ。
七妹はよくわからないまま誘われるがままにディスコへ。
まだゴーゴーが流行ってるのか・・・
ひとしきり踊った後、
「ラブホテル行こうぜ」
と誘われるものの、そのホテルの名前が
"Heavens Place"
つまり"天宮"だったため、
七妹 「やだやだ!まだ帰りたくない!」
と拒否。
これを先の金峰が見つけて助け・・・られなかったのだが仙女さまですから仙術でホイ!金峰が屈強な男に変身!
チンピラ石天くんを蹴散らします。
七妹 「私は仙女で天宮から来ました」
金峰 「ラブホテルから!?・・・ああ娼婦ですか」
だからラブホテルが隣にあるからそりゃ誤解するって。
というわけで金峰を誘ってもちっと乗ってくれません。
それでも仙女様、今度は気絶したフリ。
にっちもさっちもな金峰さんはしょうがないのでタクシーで仙女様を自分のとこまで。
というか、石天くんの出番はこれでおしまい。
据え膳女神様
パジャマ勝手に着ちゃって就寝。
金峰は孤児院の所長さん。
しかし経済的な苦しさであと三日で孤児院を閉めなければならないのです。
朝になっても、孤児院の子供達は食べ物にありつけることが出来ず、困っていました。
というわけで七妹は路頭で売ってた肉まんを仙術でカッパラうのですが、それで困っている肉まん売りを見て返却。
あっちを助ければこっちが困るということでどうしたもんか。
七妹 「働くしかないのよ!」
働くしかないにしても仙術使って欲しいものですが、その誘いに乗った子供達は一生懸命働くことに。
おかげで子供達にご馳走を用意することが出来ました。
日増しに金峰との仲も深まっていく日々。
そしてついに金峰と恋に落ちるのだが束の間、
ついに新オーナー爺が孤児院の乗っ取りを開始したのでした。
あんまり事情わかってないのか七妹はそのオーナー爺に気に入られて誕生日パーティへ招待。普通行くわけないんだがな。
パーティの席で
「薬入りの酒呑ませてエッチッチ」
と、ほんとに男の考えはそれしかないのかってなパターンになりますが、これが大失敗。だってこのオーナー、奥様いるんだもん。奥様の横槍でその酒を薬入りとは知らない奥様と奥様の友人ブス夫人たちが酒をガブガブ。
オーナーはそのブス夫人たちに逆に襲われてしまうのでした。
駆けつけた金峰が七妹を連れ出しますが、
金峰 「敵のパーティに抜けぬけと出て行くなんて!」
とケンカ。
このケンカはマジックショーでマジシャンと魔術vs仙術で戦ってるうちに仲直りするのですが、七妹が不思議な術を次々と繰り出すのを目の当たりにした金峰は七妹を幽霊ではないかと。幽霊というか神様なんですけどね。
というわけで、金峰さん。
今度はその言動がおかしいと思われてしまい精神病院送りに。いとも簡単に精神病院に行くよね、香港映画。
これを七妹が仙術使って奪還
空飛ぶ車
仙術で車空に飛ばして逃げます。
「もうあの娘ったら!!」
というわけで、下界に降臨したのは他の仙女様たち、即ち二妹とか五妹とかでした。
他の仙女様たちも全員集合すると、
孤児院の事情を聞いて皆一念発起。
仙女バニー
仙女様たちと孤児院の子供たちで今度は舞台をやってみました。
これが大成功!
で、見事にお金を用意して新オーナーからの孤児院乗っ取りを防いだのです。
収まりつかない新オーナーになるはずだった爺は怒り心頭で孤児院に部下を引き連れて乗り込み大乱闘!
しかし、人が神様に勝てるわけもありません。
見事にこれを退治して孤児院に平和が訪れると、
天宮に帰らなければいけない七妹様、
恋人・金峰、子供たちとの別れを惜しんで天宮に帰っていくのでした・・・
終劇
■
ああっ女神さまっ
まさに天からカワイコちゃんが降りてくるラムちゃん形式のパターンって随分前からあったんですね。
本作は基本的に歌劇で全編に渡ってミュージカル的演出が多いです。
仙女様も歌ってばっかりです。
こういうの、のんびりと楽しめない人ってそりゃあ好き嫌いもあるでしょうが、心に余裕の無い人、生き急ぐということと死に急ぐということと勘違いしている人なんじゃないかなぁって気がしますね。確かに現代では映画のテンポも遥かに速く進みますが、こういう時間をゆったり使った歌劇、そりゃ歌劇ですから
「娼婦なんかに用はねぇ」
の一言で済むシーンが歌で2,3分なら随分ゆったりしますよね、こういったものを楽しめる気持ってのは重要なんじゃないかなぁって気がしますね。
またやっぱり何夢華(ホー・メンファ)監督なんだなぁというか、「北京原人の逆襲」と似通ったところは多々ありますね。まずファンタジー好きですね、この人。その上、ちょっとエッチ。主演の李菁さんがエブリン・クラフトさんなみにどうこうってのはありませんが、まわりがエッチギャグに巻き込まれてたりなんかします。基本的に歌劇コメディなので明るいタッチで結構楽しい映画です。
石天さんに関しては、ロール表示が結構最初に登場する俳優なのですが出番は少なかったので残念かな。もっとルーティンに登場してはやられるチンピラ石天くんってのがあったら良かったかもしれません。
|
■CAST&STAFF |
監督・脚本 |
何夢華(ホー・メンファ) |
出演 |
李菁(リー・チン) |
金峰(チン・フェン) |
彭鵬 |
白〔王路〕 |
石天(ディーン・セキ) |
賀寶 |
孫嵐 |
李鴻飛 |
趙雄 |
郭彗 |
〔王路〕華 |
梅蓉 |
傳燕 |
呂紅 |
呉〔王韋〕 |
音楽 |
陳勳奇(フランキー・チェン)
クレジットは陳永U |
製作 |
邵仁牧(ランミー・ショウ) |
制作年度 |
1971 |
叛逆
The Generation Gap
■
バブルの折に、色々なタレントさんが映画を撮りましたよね。
北野武の「その男、凶暴につき」もそれに近いものがあります。桑田敬祐の「稲村ジェーン」なんてのもありましたね。桑田さんはメロディメーカーとしては何十年も第一線を駆け抜ける唯一無二の存在ですが、さすがに映画監督としての資質は全く無かったようで。そういえば小田和正なんか2作も撮ってたっけ。
その中で島田紳助が撮った「風、スローダウン」。この映画、私結構好きだったりします。
主演の若者2人、石田靖と長原成樹(今では関西ローカルタレントですなぁ)が青春の楽しい葛藤を通して、1人はプロのオートレーサーに夢を馳せ、1人はヤクザの大親分になる野望を抱き、それぞれ頑張っていくのですが・・・といった内容で、流石に素人監督ですから冗長するきらいも多く、決して傑作とは成り得てないものの、
「本来、ワルになったりするってこういうことやん」
ってのが、かなり具体的に嘘っぽくなく描けており感心したものです。そのまま監督続けてたら井筒和幸監督みたいになったかもね。
「食卓に明るい家庭が無いから不良になった」
「食卓に明るい家庭があれば更正する」
申し訳ないが随分と綺麗事でこんなこと全く私も信じちゃいません。第一、ずっと俺鍵っ子だったし。
でも、未だに余裕で不良の原因がコレなんていうドラマがあったりなんかしてびっくりします。そのケースはすくねーよ。
本作はまぁそんな荒れた青春群像劇の1つで、日本と香港でその辺でも文化の違いからくる違った青春劇でもあるのかと思いましたが、まぁどこの国でもどの時代でも同じですね。
この映画、評価として非常に難しいところがあります。
■流れ
大学生(停学中?)そしてボンボン息子の姜大衛(デビッド・チャン)は今日も恋人の陳美齡(アグネス・チャン)とバイクツーリングで楽しくドライブ。
♪おっかのうっえ、ひっなげしのは〜なにぇ〜
ではないですが、いきなりアグネスの唄で始まるこの映画。
最近でもお台場に"CHAN'S"という店も開き、公式ホームページも登場してお仕事に余念の無いアグネスさん。ちなみにCHAN'Sには実際私も行ってアグネスさん見て来ました。
これが意外にも男臭い張徹(チャン・ツェー)作品に出演しているんですねーそれも堂々主演で。
ルンルンとお家に戻ってきたアグネス。
しかし、そこには怖い顔した父・楊志卿の姿が。
厳格な父はアグネスが持っていたギターを叩き割り、得意の唄を止めるよう言いつけます。
姜大衛が遊びに誘いに来ますが、
「なんだ君は!」
という感じで追い返されたりなんかして。
アグネスは未成年ながら夜のクラブで唄っていました。
こんなスキンヘッドの石天くんがいるクラブで、未成年なのにそりゃまずいだろうというかもっと上手いやり方もあったはずです。ただこれだけのことが何れ、姜大衛を地獄に追い込みます。
延々とアグネスの唄が続くのもどうかと思います。
「止めろと言っとるだろーがっ!」
怒り心頭の父をよそに、遂にはアグネス&姜大衛で駆け落ち的家出。
貧乏ながらも楽しい生活が長く続くはずもありません。
その父・楊志卿が催していた(?)自宅での晩餐会に一応招待される姜大衛(まだ父は駆け落ちを知りませんから)。そこには親友・狄龍(ティ・ロン)の姿が。再会を喜び合う2人でしたが、この父に駆け落ちがバレテしまい、
不埒はいかんぞ!
黒ブチメガネ狄龍も怒ります。昔から真面目なのね。ジャッキーにも怒ってたしね。さらにアグネスは未だ未成年だしね。
「あんたら何もわかっちゃいない!」
そういって楊志卿を突き飛ばした姜大衛、一斉に客人たちの冷たい目が注がれます。
"姜大衛はとんでもない不良だ"
この噂は一人歩きし、当の姜大衛には止めようがありません。
大学の同級生だった奴ら、
左は若き、許冠英(リッキー・ホイ)!
ホイも冷たくあたります。
このホイが一線級のスターになるとはこの時誰が予想できたでしょうか。
黒ブチメガネ狄龍が姜大衛&アグネスを上手いこと言って車に乗せます。
何処に行くかと思ったらアグネスの家。
真面目な親友は姜大衛の素行を許さないのでありました。
楊志卿に愛しきアグネスを奪い取られてしまう姜大衛。
そして始まる
姜大衛vs狄龍!
これをきっかけに姜大衛は完全に自暴自棄に。
チンピラどもの集まりである江島のグループの仲間になるとアグネスが唄っていたクラブを襲撃。
豪華なアップツーショット・・・ですが、ボコボコにされる石天くん・・・可哀想です。今回ゲストスターとしてはっきりクレジットされているのにこの扱い。
クラブからお金を奪って逃げたものの、すぐに警察にアジトを突き止められることに。
ここで、刑事に向って発砲しようとする江島を止める姜大衛。良心が完全に途切れたわけではなかったのに・・・
アジトから脱出して港まで逃げたが、そこで内乱勃発。
「やはりお前は仲間じゃない!」
と江島と江島の手下vs姜大衛
警察が取り囲む中、波止場の沖合いで繰り広げられるバトル。
絶望的な状況の姜大衛に明日はあるのか!!
終劇
■
ラストシーンが非常に印象深く、これは観てからのお楽しみということで深くは言わないがものすごく色々なことを連想させるシーンで興味深い。
このラストシーンだけ見ると青春映画の傑作!と申したくもなるのだが、前半はアグネスの唄ばっかで正直退屈。
またそのアグネスが後半になると今度は出てこなくなり、最後の最後まで特にこれといったアグネスの描写をしていないことが気にかかる。彼女には彼女なりの"叛逆"があって然るべきなのだが、やはり張徹監督なので気にも留めていなかったか。
爽やか青年の若大将がだんだんと追い詰められていき、遂には強盗犯になってしまう、うねりはなかなか面白いんだけど。
うーんそうやなぁ・・・良く出来ている。良く出来ている映画だけど面白かったかと言われれば、素直に退屈した場面もあり、一概には言えないという曖昧な感じか。
また、石天くんの活躍だけを辿るとまぁ姜大衛に殴られたり蹴られたりビールかけられたりと散々ス。若き日の許冠英が見れたことは良かった。
傅聲(アレクサンダー・フーシェン)がちょっとだけ出演。
|
■CAST&STAFF |
監督 |
張徹(チャン・ツェー) |
出演 |
姜大衛(デビッド・チャン) |
陳美齡(アグネス・チャン) |
狄龍(ティ・ロン) |
江島 |
林静 |
葛萩華 |
楊志卿 |
石天(ディーン・セキ) |
江玲 |
盧迪 |
李壽〔王其〕 |
李鵬飛 |
許冠英(リッキー・ホイ) |
黄培基 |
沈勞 |
馮克安(フォン・ハックオン) |
傅聲(アレクサンダー・フーシェン) |
武術指導 |
唐佳 |
劉家良(リュー・カー・リャン) |
脚本 |
張徹(チャン・ツェー) |
倪匡(イ・クオン) |
音楽 |
陳勳奇(フランキー・チェン)
クレジットは陳永U |
製作 |
邵仁牧(ランミー・ショウ) |
制作年度 |
1973 |
陰陽刀
Twin Blades of Doom
■
fakeさんの情報によるとこれが石天さんのデビュー作らしい。ということでさっそく鑑賞。
■流れ(推測入ります)
いきなり対決!
なかなかイカすオープニングである。
その対決を制する凌雲であったが、あんまり戦いたくない果し合いだったのか、その場に沈み
「剣を収めようかな」
とか考える(ような気がする)。
陰陽刀を使いこなす剣客の凌雲が故郷に馬車で帰ってくる。
里帰りしてカタギになってのんびりやろうというわけ・・かな?
故郷に着くや否やいきなり金のお面を被った盗賊に襲われ、これを返り討ち。
実家に着いたものの、
「早く逃げないと仕返しに来る!」
ってことで両親を逃がそうとしたが失敗。
ちょっと目を離した隙に盗賊に両親を殺されてしまう。
「カタギになるのはもちっと後だ!」
再び陰陽刀を手に取る凌雲、仇討ち相手の盗賊を追う。
さっそく盗賊の情報を掴む凌雲。
盗賊の名前は鬼頭党で5人のボスがおり、それぞれ紅・黄・青・白・黒だそうだ。
鬼頭党は"陰陽刀"を狙っているのか、その辺が最後までよくわからなかったのだが、凌雲が自分達を追い始めたことを既に知っている様子。
というわけで、森中で凌雲を罠にかける鬼頭党。
これをなんとか切り抜けたが凌雲は負傷する。
これを助けたのが旅劇団の一座そして井莉であった。
傷が癒えると凌雲は、自分がいると必ずまた迷惑がかかってしまうだろうからということで立ち去る。
一座は六郷村へ。
他の小さな村の宿屋で一休みする凌雲だったが、ここにまた鬼頭党の一味が。手下をひねり上げボスの場所を聞くと
「ボスは六郷村に行った・・・」
・・・一座が危ない!
六郷村を襲い焼き討ちにかかる鬼頭党。
一座の者たちもチリジリになった(無関係なのに)。
村を脱出する一座の馬車に合流する凌雲だったが、乗っていたのは座長と娘の井莉とそのお姉さんぐらいであった。
井莉に鬼頭党の次の行き先を聞いてそこへ向う凌雲。
よせば良いのに井莉らも一緒に行ったりして。
六郷村よりさらに大きい町。
ここで鬼頭党ボスの1人、黒を倒したものの井莉のお姉さんが巻き添えを食って死んでしまう(都合上殺したような気がするが)。
さらに鬼頭党を追う凌雲。
馬車の轍を辿っていったが実はこれが罠。
凌雲を底なし沼に誘う罠だったのだ!よけたけど。
一方で、既に町に到着していた鬼頭党ボスの白・陳鴻烈は国の守備隊が護送する翡翠の宝を目にする。明らかに翡翠に目がくらんでいる様子だ。
その後、守備隊の引継ぎ隊長に扮して現れる陳鴻烈。
右が石天くんです
「守備隊に鬼頭党が紛れ込んだと言う噂を聞きました!」
と隊員の1人から伝言が。
まずい!と思った陳鴻烈は隣にいた石天くんをいきなり刺殺!
「こいつこそが鬼頭党のスパイだったんだ!」
と言ってその場をやり過ごす。
石天さんのデビューはアップもセリフも無いもので、演技としては頷いたあと突然殺されてしまう、可哀想なものでした。出番終わり。
その後は凌雲と鬼頭党との翡翠の奪い合いになる。
ボスの1人、紅を倒して陳鴻烈が持ち出して紅に渡した翡翠を届ける凌雲だったが、そこでまだ守備隊と思われている陳鴻烈が
「アイツこそが怪しい」
と言って役人、村人を騙す。
おかげでこの街では
「この盗賊め!」
と罵られる立場になる凌雲。
「これは罠だ!今に本当の鬼頭党が来てお前たちは泣きを見るぞ!」
と言ったが村人の耳には届かず。
すったもんだの挙句、遂には陳鴻烈が翡翠を持ち出し、大ボスの黄・林蚊に届けるのだが開けてみるとそこには壊された金のお面が!
「お前はいったいなにをやっていたんだ!!」
翡翠を1人で独占されたと思われた陳鴻烈は林蚊によって殺されてしまう。
凌雲も騙されるだけではなくちゃんと陳鴻烈に罠を張っていたのだった。
戦いはクライマックスへ。
残りのボスも倒して後は林蚊だけだ。
ところで
この人が林蚊なのだが、実はこの人、
「ドランク・モンキー・酔拳」でのジャッキーのお父さん、つまり黄麒英役を演じていたあの人なのだ。こういう悪役もやっていたんですね。
いつも渋いス
必殺の陰陽刀を振りかざして林蚊との対決を制し、
仇討ち達成と村に平和をもたらした凌雲。
井莉は凌雲に駆け寄っていくのでした・・・
終劇
■
盗賊の手下がみんな金のお面を被っているので、
「こんなところにあの人が!」
ってのが全然わからないではないかー!
なのでその辺の楽しみは奪われた感じ。
いやぁ石天さんのデビューはこんなんだったんですねぇ。
何のキャラクターも見せないまま死んではりました。
作品そのものの評価はいやいやこの当時の時代劇アクションと考えればそこそこ良かったのではないでしょうか。
まぁ陳鴻烈が
「大醉侠」と同じような感じで(白だし)出ているのでその辺の二番煎じではあると思いますが、まぁブームだったんだししょうがないわな。
何かこの映画、監督の独特の持ち味ってのが感じられずその辺が凡庸に繋がってしまうのも否めないのだが、あの当時の時代劇を味わうといった意味では良いかもしれませんね。
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■CAST&STAFF |
監督 |
陶秦 |
出演 |
凌雲 |
井莉 |
林蚊 |
陳鴻烈 |
房勉 |
井E |
劉剛 |
石天(ディーン・セキ) |
脚本 |
邱剛健 |
音楽 |
王福齢(ワン・フーリン) |
製作 |
邵仁牧(ランミー・ショウ) |
制作年度 |
1968 |
虎鬥虎/虎門
The Big Risk
Kung Fu Conspiracy
■
この手の作品が掘り返されると何とかあの手この手を使って売れんもんかと策を巡らすのですが、今回はどっから取って来たかわかんない石天さんの袴姿と酔拳爺ちゃん袁小田(ユアン・シャオティエン)ということで、楽しいコメディ功夫のようにパッケージをあしらってあるのが特徴。
結論から言うと袁小田は一切出てきませんし、袁家班も関わっていません。これで石天さんが出ていなかったら憤慨甚だしいのですがまぁ石天さんは出ていたな。
ただまぁこれらの作品はこういったことでもないとなかなか発掘してくるのは難しいものなので、俺みたいなこんな作品にまで手を出す人間としては有難いものか。安かったしね。
製作は色明(パイ・ミン)。
「必殺ドラゴン鉄の爪」「無敵のゴッドファーザー/ドラゴン世界を征く」などを呉思遠(ウー・セイエン)とともにプロデュースしていた人物で、今回はその呉思遠の名前は出てこないのでありますが、恐らくこれもその路線を狙ったものだと思われます。ロケ地は「必殺ドラゴン鉄の爪」と同じ場所。
このオープニングが如何にもこいつら製作らしい。
それにしてもいつも周福良がチョイスしてくる音楽は良いなぁ・・・それで大部保ってるよ。そのオープニングBGMでなかなかに期待はさせてくれるんですが。
物語はもう本当に予想通りで、
日本軍の機密文書を預かっている中国の悪い組織と秘密捜査官・張力(チャン・リー)との争い。抗日もの。
石天さんが演じているのは組織ボスの息子役で、特に目立った活躍も無く、残忍なことを繰り返す嫌な奴というほどでもなく、女とイチャついて、張力にやられてあえなくダウンといったところ。
vs張力!
でも画像通りいつも通り、弱い石天さんでありました(笑
この映画を観て浮き出てくる感想は
"梁小龍(ブルース・リャン)がいなきゃどうしようもない"
ってことで、梁小龍も決して二枚目ではないものの華の無い張力はとても主役を張る器には見えず、何しろそのアクションで圧倒的な差が出てしまうのが辛い。その一番のウリが無かったらもう何も無いのと一緒。
頭に当たっちゃった!
倒れているのは高雄(エディ・コー)・・ってそんなこたともかく、張力も頑張ってはいるが、頑張ってるのは梁小龍もジャッキーもキアヌ・リーブスも上戸彩も、日本でカンフー・フィットネスを通して中国武術を普及して行きたいと思っている第4回世界武術選手権大会チャンピオンの陳静さん(特技ギョーザ作りが可愛い)も同じなわけで。
ええと、なんだっけ?
・・・そうそう、功夫アクションに少しは見ごたえがないともう如何ともしがたくなっちゃうのよね。
本作は石天迷で無い限り見る必要は無いです。
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■CAST&STAFF |
監督・脚本 |
江洪(ジェームス・ナム) |
出演 |
張力(チャン・リー) |
唐天希 |
江可欣 |
江龍 |
石天(ディーン・セキ) |
馬劍棠 |
湯錦棠 |
黄梅 |
海狼 |
李充中 |
高雄(エディ・コー) |
曾楚霖 |
馬龍 |
染野行雄 |
孫嵐 |
李文泰(リー・マンチン) |
李超 |
島村次郎 |
趙燕玲 |
呂紅 |
武術指導 |
李超 |
音楽 |
周福良 |
製作 |
色明(パイ・ミン) |
制作年度 |
1974 |
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