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■レディ・ドラゴン選14  


林投姐
Lin Tou Jie



施思(シー・ズー)さんの恐らく銀幕最後を飾る作品が本作である。
この作品でもまだ当時34歳なので非常に早い女優引退なのであるが、考えてみればおしなべて香港の女優さんは引退が早い。
まず
何莉莉(リリー・ホー) さんが女優→大富豪セレブ♪
の道筋を作ったらしくその影響も非常に大きいだろうが、それよりも宗教的にも結婚すれば家庭に入るといった習慣に従っている感の方が強い。この辺は日本と比べると結婚後は芸能活動しないという傾向は香港の方が強いという印象がある。
しかし逆算すると
「霹靂拳」18歳
霹靂拳」や傑作武侠片「K店」出演時にまだ18歳なんですね。
そりゃお肌もピチピチなはずだ。
24歳
風流残劍血無痕」でもまだ24歳ですからそりゃお綺麗に決まってますよ。

本作が34歳
彼女が最後に選んだ作品は怪談"林投姐"で、丁善璽(ティン・シャンシ)が新たなアレンジを加筆したもの悲しいストーリーとなっている。


流れ



施思は、大金持ちの旦那・孫曉威と3人の子供に恵まれて何不自由ない幸せな日々を送っていた奥様。
しかし、旦那が知り合って義弟となった
何と姜大衛が大悪役!!
姜大衛(役名は周)を連れて戻って来たとこから悲劇は起こる。
この男、勇気も腕力もそして弁も立つキレ者であり、だからこそ旦那も惚れ込んだ男だったのだが、心根は完全な鬼畜。

ハナから旦那の財産目当てで近寄っていた姜大衛は、旦那を酔い潰すとその場で財産権利の譲渡書にサインさせ、合法的に金品を強奪。
酔いが醒めて問いただす旦那を口八丁で諌めた後に、宴会の席で部下に密かに殺害させて河に沈めた。

突然の旦那の死に心を痛める施思。
旦那の執事はその一部始終を知っており、また忠誠心高い執事は姜大衛を殺害しようと彼の寝床に乗り込むが、財産譲渡は合理的で殺人の証拠も何も無いという彼得意の口八丁で襲うことが出来ず、逆に自害。

奥様・施思の前で遂に鬼畜の本性を表す姜大衛、
施思を犯そうと襲い掛かる。これそのものは未遂で終ったものの、旦那も財産も失い、改めて復讐に向かった施思は逆に姜大衛の部下により殺され、"林投"の木の枝に吊るされる。

こんな卑劣な姜大衛は見たことない
邪魔者を全て消し去り、その財産を全て手中にした姜大衛。
彼にとって目障りな者がいるとすれば、施思が遺した3人の子供だけ。


悪霊となって蘇った施思は、3人の子供を元・女中、そしてその家族に託すと姜大衛に復讐開始。

田豐(ティエン・ファン)道士
たまたま旅をしていた道士・田豐は悪霊の姿を見つけて姜大衛の屋敷に行って、
「あなた呪われてますし、このままじゃ殺されますよ」
ってことで、施思と対決することになるのだが、そもそもこの道士は姜大衛が悪者であることを知らず・・・


終劇





既にかなりの昔ごとながら、これを最後に引退なさったのか・・・
という何とも寂しい想いが
悲しい物語と現世から去っていくラストシーンに相俟って何とも切ない気持ちにさせてくれる作品である。

原作と比較して個々相違があり、原作では旦那は事故死、周は財産を持って逃亡、子供は飢え死にし、奥様は"林投"で首を吊り自殺。その後、周に復讐だったはず。

単純にホラー映画として怖いどうのこうのは微塵も思わない作品であるが、全体を通して絶望的なもの悲しさがある作品として評価できる趣がある。
勿論、評価したいのはスター街道を突っ走って来た姜大衛の非常に珍しい悪役ぶりで、いつもの彼のスマイルがこれほど憎らしい作品は無いと言っても過言でないはず。古くから同じ釜の飯を食ってきた施思さんへの餞(はなむけ)として悪役を演じたのではなかろうか。

って、あの別にまだまだ施思さん出演作品はレビューする予定なのでどうだってことはないんですが、感慨深い作品です。

ほんで、施思(シー・ズー)じゃなくてこの人"スージー"さんかな?
英語当てはめ。
ちなみに泰廸羅賓(テディ・ロビン)はそのまま英語を無理やり漢字変換だし、狄龍(ティ・ロン)の"狄龍"は阿倫狄龍(アラン・ドロン)のドロン(笑
どろんどろん(笑
ラストシーンは冥界へドロン(笑

変なオチにしてもうた


■CAST&STAFF
監督・脚本 丁善璽(ティン・シャンシ)
出演 施思(シー・ズー)
姜大衛(デビッド・チャン)
田豐(ティエン・ファン)
林光寧
顏鳳嬌
孫亞東
孫曉威
劉引商
薛彰文
古錚
張嘉泰
常山
房勉
朱昆洋
林光進
陳維欣
張嘉恬
音楽 黄茂山(ウォン・ムーサン)
策劃 張蜀生
製作 劉永安
製作総指揮 李淑如
制作年度 1988


飛頭魔女
Witch With Flying Head



幽靈神功」「林投姐」とホラーものをレビューしたので3作ホラーレビューをお届けしようと鑑賞した結果、これは別に観なくて良かったなと思った作品がこれ。
もうタイトルまんま。

幽霊を信じる信じない、
って話になると私は20歳までは妙な体験をしていた(それが霊云々と関係あるかないかなんてわからないけども)、という事実があるはあるのだがそれを霊だ何だと断言することは全く出来ないし、人生の中で一度や二度、信じられない偶然や出来事に遭遇しても不思議ではないと言われれば全く反論出来ない。
なので、基本は否定派である。
しかし、完成度の高い怪談話は好きだし、猟奇ミステリーもグロテスクな描写さえなければ嫌いではない・・・猟奇って言ってる時点でグロテスクは絶対あるんだけんど。
なので霊如何については事業仕分けをしてほしい、
ってのが個人的な思いである。

知っての通り、霊感商法だの霊能者だの無形のものをさも有形のようにのたまって人から金を巻き上げる、それどころか悲劇が重なれば命さえも失ってしまうこともある卑劣な霊如何(を利用する悪人)も当然たくさんたくさんあるわけで、こういった嘘物の怪の類は徹底的に叩き潰して欲しいが、
一方で私たちは
それぞれの物や行いには精霊(神)が宿っており、それこそトイレの神様に至るまで存在し、もしトイレを汚したら
「トイレの神様、ごめんなさい」
と謝って掃除を行うと。
物は大事にしなさい、目上の人を敬いなさい等などそういった人が人であるための良識を子供たちに教える為に霊・お化けという媒介を通す、これは非常に良い事だと思うんですね。
私の世代であれば恐らく誰もが知っているであろう
"もったいないお化け"
食べ物を大事にしないと、夜もったいないお化けが出るぞ〜
そして出たぞ〜って公共広告機構・・?だっけ?のCMが昔はあったのですが、あれがとても良い例で私たち日本人は基本が無宗教ですから、一神ではなくて様々なのものに精霊が宿っているという概念は実は結構大切な教えだったりすると思うんです。

日本という国は宗教紛争が原因で国が割れたことはただの一度もありません。翻って世界を見回せばどうでしょうか。
ほとんどの日本人が霊やお化けの教えを受けて子供から大人になっていくわけでそういった意味も含めるととても大事なものなのかもしれませんね。

さてさて。
しかしこれはあまり大事じゃない作品の登場だ(笑


流れ(も、適当に。気持ち悪いんだもん)


タイトルそのままです。
それなりの屋敷に住んで幸せにやってた3姉妹・・・
そういや、こいつらどうやって生計を立ててるんだろ。まぁいいや。
とにかくその姉妹の1人、甄秀珍は何故かしら大蛇から変身した妖怪蛇男によって放たれた小蛇に体内に侵入されてしまい、
内臓は置いてこいよ!
頭と内臓だけ飛び出して、それで人を襲う飛頭魔女に夜はなってしまいます。
なんで?
って言われても知りませんよ、そんなこた。
ほんで、本人は襲うつもりは全然なくて夜に飛頭魔女になると勝手に動いて困っちゃうってわけで。
ほんで、じゃ蛇男はなぜそんな呪いみたいなもんを甄秀珍にかけたのか?ってそれもようわかりませんよ、ほんまに。

牙のサイズがデカすぎますよ
うしゃしゃしゃー
なので、これはいかんと僧侶の柯佑民らに何とかしてくださいって頼むんですが、いざ夜になるとその頼んだ本人が飛頭魔女になって
凄い勢いで炎も吐きます!
原理不明。
まぁそれを言っちゃあ飛頭、この妖怪は飛びますからね、原理不明で。
なので坊さんではどうしようもなく殺されてしまいます。

内臓はプラスティック製ですが
しかしやっぱ気持ち悪いのは気持ち悪い。
当HP屈指の気持ち悪い画像です。
やめておこうかと思いましたが、これ掲載しないと作品が伝わりにくいので。
これ、下の内臓は体にしまっておいて首だけにしてくれんかのう。

だから自殺するー!!
とか悩む甄秀珍さんですが(そりゃそうだ)、残る姉妹が引き止めてくれるとか、そんなんやってるうちにですな・・・

彼氏見つけて結婚して子供できたりして!!


まじかよ!
年月どんだけ経っとんねん!
その間にどんだけ殺してんねん!(描写が無いから知らんけど)
意外と幸せにやっとるやんけ!
そして夜になると飛頭魔女なのに子作りはどうやって!?昼か!?

しかしこれ監督がですな
いや途中で言ってしまいますが、
女優さんがたくさん出てくる作品なのに、どの女優さんの魅力もちっとも活かせてない様な演出センスの無さ・・・
ノーマル状態の甄秀珍さんは美しい方です。
この辺をもうちょっと強調してあげないと、だってこれ
もう顔がいっちゃってます
これで主演とは余りにも可哀想で・・・

最後はまぁそうですよ。
冒頭の蛇男と対決して勝ちますし、
なんか偉い爺さんが妙な実を飛頭魔女に食わせて元の美人さんに戻ってハッピーエンド。


終劇





・・・まぁあの、ほんまにホラー映画に造詣は浅いので、
これ観て何か言えって言われても困っちゃいます。
何か調べてみるとこの首から内臓お化けは洋モノに元ネタがあるみたいです。そっちは観たいと全く思いませんけど。内臓がいらん内臓が。

個人的にはもう言っちゃいましたが、フォローするわけでもなく甄秀珍さんは非常に美しい方なので、せめて妖怪になる前は綺麗に撮ってあげてよって思いますね。その対比も大事だし。



■CAST&STAFF
監督 張人傑
出演 甄秀珍
劉尚謙
馬沙
金靈芝
陳美華
邵羅輝
柯佑民
胡翔評
李淑貞
曾超
岳峰
李春長
劉文斌
蘇國良
萬宗
脚本 偉文小組
音楽 張従龍
製作 劉永安
金超白
制作年度 1982


夢醒血未停
Dreaming the Reality



「ブルース・リーと101匹ドラゴン大行進!」(洋泉社)という書籍の中で、

李賽鳳(ムーン・リー)の出演作はタイトルまでもが毒々しいと書いてあるのだが全くそのとおりで本作のタイトルは「夢醒血未停」・・・

うーん実に毒々しい(笑

誠に余計なお世話ながら李賽鳳さんのフィルモグラフィを見て残念だなと思うところがあって、それはこれだけ動けて美しい女優さんでありながら他メジャースター及び監督との共演が少ないという点、確かにデビュー当時は徐克(ツイ・ハーク)に元彪(ユン・ピョウ)に成龍(ジャッキー・チェン)に「霊幻道士」とメジャーどこに顔を出しているが逆にアクション女優として開花してからは全くと言っていいほど出ていない。

この辺は離婚後の復帰作にジャッキーと共演の「ポリス・ストーリー3」を選び、その後はトントン拍子にスターダムを駆け上がって行った楊紫瓊(ミシェール・ヨー) さんと比べるとどうも李賽鳳さんにはそのようなチャンスさえ訪れていないようで昔事ながら甚だ残念である。

「イップ・マン 葉問」が公開された今、例えば李賽鳳さんが詠春拳の創始者である"詠春"そのものを演じる映画なんかあったらいいなぁと勝手に思ったりなんかする。小柄な李賽鳳さんならピッタリだと思うのだが・・・洪金寶(サモ・ハン・キンポー)と甄子丹(ドニー・イェン)で作ってくれませんかね?


流れ


・・・ふむ。


幼い頃から殺し屋として育てられた
今回妙に色っぽいラスター様
李賽鳳、大島由加利(シンシア・ラスター)、男(芸名不明)、
この人はこんな役ばっかやな
ボスの爺さん・高雄(エディ・コー)の新たな指令で

また殺しに出向くのだが、そこで誤って幼稚園のバスを爆破してしまい、幼児を死なせたことに著しく心を痛める李賽鳳。
高雄はそんな彼女を気遣う気も無く、さっさとタイに次の仕事をして来いと言い渡す。

タイではキックボクシングの賭けに明け暮れる

豪快姉さん・胡慧中(シベール・フー)と
彼の話はまた次の機会に
弟のキックボクサー林國斌(ベン・ラム)が楽しく暮らしていた。
この辺は話がずっと分割されてるのですが。
(彼の話はまた次の機会に→「火爆浪子」)

これは関係ないけど徐蝦さん。流石に歳くったな。

早速仕事に取り掛かった李賽鳳は仕事失敗して頭負傷して、そんな胡慧中らに助けられてをしたが、怪我のショックで一時的な記憶喪失に。
・・・ああ、だから「夢醒血未停」ってタイトルなのね。
胡慧中・林國斌と段々仲を深めていく李賽鳳であったが、組織に再合流させようとする大島由加利とバトル。
綺麗な由加利様の飛び蹴り!
大島由加利とは強い絆で結ばれていたので、殺し合いには至らなかったけれどもその一緒に育った男って奴が大島由加利を殺害。さらに李賽鳳を庇った林國斌も殺されてしまったので

李賽鳳・胡慧中で復讐だ。


終劇





実にやる気の無い文体になってしまった。
まぁ結局なんか・・・どの作品も同じように感じてしまうからなぁ彼女のこの辺の作品は・・・

この二人は何本競演してるのかな?数えてないけど。

もうこの辺の作品は要はつまり
悪い組織 + 主人公 = ぶっつぶす
であり、+αが何なのか?ってそれだけの方程式なんだよな。
まぁそれが恋愛であったり、何故か悪者同士の確執にこだわった映画もあったり(「金三角群英會」)、で今回は+αがちょっとした

「ゴッド・ギャンブラー」な展開であったと。つまり殺し屋・李賽鳳が記憶喪失になって純な乙女ちゃんに・・・いやだったら!
あなた達「ゴッド・ギャンブラー」観たんでしょ?参考にしたんでしょ?
あれは周潤發(チョウ・ユンファ)様がクールで格好良い賭神と知恵遅れバカの両極端を演じることでキャラクターに凄い魅力が出たのね。だったら、李賽鳳さんにやらせる時もそのギャップを激しくしなきゃダメよ。可愛らしい時は徹底的に可愛らしく、クールな時はよりクールに。その「ゴッド・ギャンブラー」と同じように彼女が覚醒する似たようなアクションシーンもあるんだからもっとその辺を煮詰めて作って欲しかったな、そうすりゃもっと李賽鳳さんがもっと魅力的に映えたと思うんだけど。
李賽鳳と胡慧中で話が分割してるのも、賭神としての活躍する周潤發と単なるチンピラ兄ちゃん劉徳華(アンディ・ラウ)の関係性を引っ張って来てるのがよくわかるけどさ。

加えてアクション面に於いても、「これは」といったファイトシーンが無く全体的に中途半端、キャスト陣は十分頑張っている・・・というのは理解できるがこのシーンは良かったな・・・というほどのものを残していない。その李賽鳳が覚醒して銃を取るシーンぐらいかな、良かったのは。

いやその、

今回も前述の書籍通り、彼女は血みどろで頑張ったんですけどね・・・

いやほんと李賽鳳主演で「詠春」って妄想してしまうなぁ・・・

■CAST&STAFF
監督 王振仰
出演 李賽鳳(ムーン・リー)
胡慧中(シベール・フー)
大島由加利(シンシア・ラスター)
林國斌(ベン・ラム)
高雄(エディ・コー)
李浩群
楚爵年
徐蝦
范展鴻
陳棟暖
宋邁猜
史泰倫
占士賓
夏占士
尹相林
曾醒光
蔡國平
動作指導 龍生
范展鴻
脚本 王振仰
李浩群
音楽 區新明
策劃 呉雄超
製作 徐發
製作総指揮 陳志強
制作年度 1991


烈日狂風野火
Scorching Sun, Fierce Winds, and Wild Fire



いやほんと、また張翼(チャン・イー)です(笑
今回は全然気にせずに作品を選んだはずなのにまた彼です。
もうこの人の作品ばっかり紹介してるな。
流石に連続すると書くことが無くなって来たな、じゃ書くなってことですが。


流れ(あんまりわからんかった)


普段は一般市民だが実は謎の美女・紫さん(バイオレットって呼ばれてる)がボスの義賊組織一員である龍方(ロン・ファン)や李強の下に指令が。
というわけで、名家の秘宝を護送中に強奪。


そしたら勿論、名家のNO.2である張翼が許しません。
今回の張翼、必殺の武器は毒ナイフ。これで刺されたら毒が回って体が溶けてしまいます。こわっ

続きましての紫さん指令で義賊仕事に向かった龍方でしたが、これは巧妙に張翼が仕掛けた罠にはまった上に、その紫さんが現場に急行するさいに
「オイラも一旗挙げたい」
と絡んできた

田鵬(ティエン・パン)のせいで現場到達が遅れ、龍方は捕まってしまったり。

当然拷問にかけられる龍方であったが、これを救ったのは
名家の長女である

茅瑛(アンジェラ・マオ)とお付きの劉皓怡。

こちらは主演並み扱いの龍方と
女少林寺」でのアクションが素晴らしい劉皓怡。

一方、全然関係ないようなところで囚人として強制労働させられてた

譚道良(レオン・タン)と

羅烈(ロー・リエ)は途中で脱出。

二人は二人で「手錠のままの脱獄」(或いは「死對頭」)を続けていつの間にやら紫さん組織と合流。

ほんでもって実はやっぱり自分が秘宝を手にしたいと思っていた張翼がNO.1を殺して裏切ったので、

最後はみんなでバトルだ・・・みたいな。
そもそも紫さんの正体は誰でしょう?
ってそりゃあの女ドラゴンに決まってますがな。

こんなシーンもあるよ!


終劇





今回の文体にやる気が無いのは、わかりにくい部分があったからであって、
いやいや意外と悪くなかった作品です。
オールスターそれぞれにちゃんとアクションシーンが用意されているし、ラストバトルもなかなか良いと思いますが、もう少し茅瑛さんのアクションが見たかったかな。突然姿を消す譚道良、羅烈はスケジュールの都合だろうな。

そういや(書くことないので)、

当HPでも余り登場しない田鵬さんですが、

彼の主演作「少林寺への道」が日本公開されたのは1983年。
しかし1983年と言えば既に「プロジェクトA」が存在しており功夫映画ブームは終焉、彼の功夫スター人生は短かったんだなぁと当時のちびっこなるこうは思っておりましたが、そもそも「少林寺への道」の元映画とされる「十八銅人」は1975年製作とも言われており(結局この作品は見つかってない?)、それよりずっと昔から活躍している剣劇スターだと知るのは随分経ってからでした。逆に今後は彼の主演作も当HPでまた掘り起こしていくことになりそうですね。

■CAST&STAFF
監督 孫金源
出演 茅瑛(アンジェラ・マオ)
田鵬(ティエン・パン)
張翼(チャン・イー)
譚道良(レオン・タン)
羅烈(ロー・リエ)
劉皓怡
呉佑之
龍方(ロン・ファン)
※クレジットは李健民
崔福生
劉明
李強
翁小虎
朱飛
史亭根
趙榮來
金萬希
沈乃相
陳金海
高飛
楊平安
李錦廣
程天賜
張紀平
小劍龍
潘章明
張紀龍
茅敬順
歐立保
葉飛揚
閔敏
初本科
金劍
關毅
小黄龍
葛長生
張樹林
武術指導 金銘(トミー・リー)
※クレジットは銘仔
黄國柱
陳世偉
小英哥
龍方(ロン・ファン)
※クレジットは李健民
音楽 陳勲奇(フランキー・チェン)
策劃 李冠章
鄭錦雲
製作 姜中平
何建Y
陳文森
製作総指揮 何頌業
制作年度 1979


十八玉羅漢
The Eighteen Jade Arhats



本作主演の上官靈鳳(シャンカン・リンフォン)にしてもそうで、要は台湾武侠・功夫映画は余りにも陽の目を見ていない。
ショーブラザーズ作品が日本でも掘り起こされ、協利作品までもが発売されるに至った今こそ次に手を付けるべきは台湾功夫映画だと私は言いたい。
私自身多くの傑作を観てきたし未だ観ていない傑作にもこれから必ず出会えるはずである・・・と思って、本作も鑑賞してみたのだが・・・


■流れなんか書いてない


今回は簡単に書くっす。
いきなり冒頭から
なんだこれ
こんなん相手に
なんじゃこれ
練習してる上官靈鳳。
ああ、オープニングからバカっぽい雰囲気満載だなぁと色んな意味で楽しみにしたのですが、
要は
高飛(コー・フェイ)
羅烈(ロー・リエ)
ヒゲ無し龍飛(ロン・フェイ)
張翼(チャン・イー)
と当HPレギュラーメンバー大集合を相手に

上官靈鳳と李龍華が戦うってお話です。

超要約しました。
だって因果関係や時系列がようわからんもん。


終劇






翻って功夫シーンはなかなか良く出来ており、
高飛と玉乗り対決!
みたいにバリエーションもそこそこ豊か。殺陣スピードもあって面白かったんじゃないかと思います。

おしまい

■CAST&STAFF
監督 張傑
出演 上官靈鳳(シャンカン・リンフォン)
羅烈(ロー・リエ)
張翼(チャン・イー)
芳芳
董力
范丹鳳
龍飛(ロン・フェイ)
高飛(コー・フェイ)
川原
江青霞
李龍華
李超
喬峰
荊國忠
小小王
暁喬
齊後強
曾超
李強
歐立保
岳峰
柯佑民
張宗貴
鄭世耕
葛長生
武術指導 李超
喬峰
脚本 姚慶康
音楽 周福良
製作 李信
顏武東
製作総指揮 葉南山
制作年度 1978


黄金部隊/〔足采〕過界
Direct Line/The Golden Corps From China



「黄金部隊」・・・
ま、また大島由加利(シンシア・ラスター)さんの黄金の三角地帯ものかとてっきり思いきや・・・
本作は監督王振仰と共演李賽鳳(ムーン・リー)その他同じスタッフといったお馴染み撮影クルーではなくて、呉明才(ウー・ミンサイ)や
劇中では変な役の鍾發
鍾發(チュン・ファット)が製作参加、共演は午馬(ウー・マ)や李子雄(レイ・チーホン)といったシンシア様との取り合わせがやや新鮮なのがポイントである・・・あの個人的に。
中でも注目は動作指導・徐忠信(アラン・ツイ)だ。
彼が武術指導を担った作品はどれも総じてクオリティが高く面白い。ただそれはトラディショナルな功夫映画での話であって、現代を舞台にしたいわゆるマーシャルアーツムービーではどうなのか?ってところを注目してみたのだが。


だいだいの流れ



特殊部隊である黄金部隊メンバーである李子雄・午馬・〔人冬〕佳敏。
彼らがどのような組織なのかイマイチわかりにくいのだが、いや多分金塊を守る部隊なのかなぁ?でもそれだけじゃなぁ?
とにかく別に悪い組織ってわけではないようで、この部隊の上官を務めていた
悪役ながら今回格好良い徐忠信
徐忠信が組織を裏切り、こっちは悪組織のボス・黄錦〔炎木〕(メルヴィン・ウォン)と結託して悪くなっちゃったので、潰して来いと元後輩の李子雄は命令を受ける。
未だに軽快な役をこなす午馬
早速、徐忠信が暗躍する香港に向かった彼ら。
そこではたまたま
バカンスな由加利様
香港の刑事である大島由加利率いる女三人組がバカンスしていて、李子雄と徐忠信との戦いに突如巻き込まれる。

しかも流れで誘拐されてしまう由加利様。
これで当然警察も動き出す。
久しぶりの李昆(リー・クン)親父
警察側の人間で登場するが可哀想に余り良い役では無かったな・・・

誘拐されたままだった由加利様、
一旦は李子雄が留守の隙に大島由加利率いる女三人組、この残り二人に助けられ

改めて事件を解決して来いと言われ、李子雄が帰って来る前に

また人質として戻り、回りをサツで固めて罠を張る。

罠を張るが李子雄らが悪い奴でないことに気づいたのか惚れたのかこの辺があまりよくわからないが、いざサツが突入となったら結局李子雄と一緒に逃げる由加利様だったりして。ストックホルム症候群ですか?
ああん女ってわからない。


結局は李子雄・午馬と共に徐忠信・黄錦〔炎木〕とのラストバトルに雪崩れ込む由加利様。

というか、李子雄&由加利様の恋愛模様を描くのかと思ったらサッパリと終った。ここ考えろよ。


終劇





というわけで、黄金の三角地帯とは関係なかったのかな?
金塊は登場してましたがそりゃ黄金の意味が違うし。

ハッキリ言って、製作者は由加利様に相当思い入れを持って製作したのがよくわかる作品である。
確かに綺麗に彼女を撮っているし、事件に巻き込まれる誘拐される刑事役というのも彼女の役どころとして異色、誘拐宿でのおっぱいの一幕(詳しくは本編を)や李子雄との純情一夜など女性としての可愛らしい魅力も他映画に比べて随分と描かれており、単なるアクション女優としての需要だけでなく彼女の女性としての魅力も描き出そうとしているのがよくわかって微笑ましい。由加利様迷ならそれだけでチェックしておきたい作品だ。

ストーリーそのものはやはりB級映画の所謂・・・って奴から全く抜け出せていないものでどうだってことはないな。
さて、注目の徐忠信の動作指導・アクション演出っぷりだが、勿論激しいアクションシーンは多く、ラストは由加利様も良いアクションを魅せている。んだけど、徐忠信ならではの何かってものが感じられなかったかな。功夫映画時代のものを髣髴とさせるには至らなかったというのが正直な感想か。

もう一つ考えてしまうのが

李子雄で、早い段階であの頭皮がね・・・弱くなってしまったのも影響してるのかしてないだろうが、

暗戦デッドエンド」ではすっかりスキンヘッドになってましたが。役者さんとして好きなのでもっと色々な役柄を見たいですね。いつも彼に対しては同じ感想言ってますが。


■CAST&STAFF
監督 林展偉
出演 大島由加利(シンシア・ラスター)
李子雄(レイ・チーホン)
午馬(ウー・マ)
徐忠信(アラン・ツイ)
黄錦〔炎木〕(メルヴィン・ウォン)
〔人冬〕佳敏
李昆(リー・クン)
鄭艷麗
鍾發(チュン・ファット)
邵音音
金彪
周匡朝
崔正一
秦貴寶
張榮祥
孟祥麗
潘コ全
雷小明
動作指導 徐忠信(アラン・ツイ)
脚本 朱其瑞
音楽 ケ少林
策劃 鍾發(チュン・ファット)
製作 張寶榮
鍾偉成
製作総指揮 呉明才(ウー・ミンサイ)
賈琴芳
制作年度 1992


末路狂花
A Serious Shock! Yes Madam!
Death Triangle



私自身がとてもあまのじゃくな性格で、善人・英雄役が多い役者は悪役演じてる所を見たいし、悪役専門の役者は善人を見てみたい。
ジャッキー迷で私ほど成龍(ジャッキー・チェン)が強大な悪役を演じる作品が観たいと思っている方はいないんじゃないかと思うほど、ジャッキー悪役演ってくれジャッキー悪役演ってくれと思ってたりもするのだ。ああ、強すぎて話しにならないぐらい強い悪役ジャッキーを最近の若い衆が力を合わせて倒すみたいなそんな作品も一度は観てみたい。
昔、セガサターン(ゲーム機)でね「天外魔境 第四の黙示録」ってゲームがあったんだけどその中で悪役、いわゆるボスキャラを演じているのが清純派やらせたら天下一品の井上喜久子さんや、ご存知ミスター・ブーでお馴染みの広川太一郎さんや、さらにラスボスは森本レオ!というどう考えても悪役演らない人ばかりそれが楽しくて仕方が無かったんですね。広川節で悪役ですよ、そりゃ聴いてみたいですよ。森本レオさんの語り口で悪役ですよ、そりゃ聴いてみたいですよ。いやしかしそのゲーム作ってた広井王子さんが今はAKB48の舞台演出やってたりするんだから、凄いよなぁ・・・

そりゃともかくこちらは非常に悔しい一作である。

製作陣は上記「黄金部隊」とほぼ同じ面子であるが、いわゆるいつもの結局悪い組織ぶっ潰せ!で終わりなストーリーとは随分毛色の違う作品である・・・のだが・・・


流れ


これ題名の頭が92なのかなぁ?

楊麗青(シンシア・カーン)と李賽鳳(ムーン・リー)の二人は特捜部の刑事。
上官の呉啓華(ン・カイワー)ご自慢の屈強な女刑事コンビである。
今日も二人して事件のか・・・かか・・・かかかか・・・・
見えーーーーーーーん!!
黒が潰れて全然わからんぞ!たぶん事件解決してるぞ!


絆創膏ムーンたんが可愛い・・・が・・・

実は上官の呉啓華と楊麗青は婚約してて、これから幸せな生活を送るというか送ってる最中というか、ムーンさんも当然祝福してたのですが、武術の練習試合で突然キレたムーンさん、試合相手をボコボコに。止めに入った仲間も何もかもボコボコに。呉啓華さんが落ち着かせる為にビンタ一発!
な、殴ったわね!?
殴ったわね!?って、あんたが仲間ボコボコにしてたんですが・・・
どうしたんですか、ムーンさん?

どうしたんですか?・・・どころではなかった。
実は呉啓華を愛しており、かと言って楊麗青は親友で、でも愛しており親友で愛しており親友で愛しており親友で愛しており親友で愛しており親友で愛しており親友で愛しており親友で愛しており親友で愛しており親友で愛しており親友で愛しており親友で愛しており親友で愛しており親友で愛しており親友で愛しており親友で愛し狂ったーーーっ!!!
二人に銃を向けるムーンさん
一気に三角関係に陥る三人、い、いやこれもういきなりの血みどろ!
また全員武術出来るから壮絶な愛憎バトル!
可愛さたっぷり憎さ百倍!!遂に完全クレージーのムーンさんは

呉啓華をもうガッツリと撃ち殺してしまう!!痛そうだ!!痛そうだも何も!

ほんでもってなにかしらもって、
その前髪なによ
前髪の変な曾志偉(エリック・ツァン)が登場したと思ったりなんかして。
んでもって、

ラストはとにかく大島由加利(シンシア・ラスター)&楊麗青で、

トチ狂ったムーンさんとラストバトルだ!!


終劇





何で突然、大島由加利が出てくるんだっていやその大島由加利さんは車泥棒役で出てきて、そっから付き合いが始まってその兄貴分の李子雄(レイ・チーホン)も登場してって物語は当然あるんだけどさ、その辺ほとんど

見えーーーーーん!!
って感じで見えないので見る気失くしたというか見えないんだもん。

はいはい。
本題に触れる前にこの人も!
いやいやいや
いやいやいやむしろこっちの方が珍しい今回の呉啓華さん。
こんなに何にも悪いことしてない抜群に良い人役の呉啓華さんがまず初めて!
呉啓華と言えば意地が悪くていやらしい策士的な悪役の本当に多い人で(例えば「広州殺人事件」とか)、そっちの呉啓華さんはもう散々観てるような気がするんですけどね。
いやいや今回は梁家輝(レオン・カーフェイ)のように格好良かったですよ。

だから残念ですよ。
記述した通りにあのムーンさんが悪役!
愛憎と狂気の果てに悪に成り果てたムーンvs大島由加利&楊麗青!!
って、いつもだったら大島由加利vsムーン&楊麗青、だろうなって図式が全く逆なのがいい!いいけど見えーん!!
せっかくのムーンさんの悪役演技がよく見えーん!!
んで、せっかくもう悪役やらせてるんだから狂気になった後はもっともっと憎々しげに演じてくれても良かったかな、ちょっと演出側が躊躇している感じもあるはあるんだよな。
本作は安易に悪組織出てきて警察出てきてぶっ潰して終わりの物語ではないところはとても買っているのだが、まぁ色んな都合もあって誠に惜しい一作である。

■CAST&STAFF
監督 ョ建國
出演 楊麗青(シンシア・カーン)
李賽鳳(ムーン・リー)
大島由加利(シンシア・ラスター)
呉啓華(ン・カイワー)
李子雄(レイ・チーホン)
黄子揚
谷峰(クー・フェン)
曾志偉(エリック・ツァン)
易天雄
邸小星
李兆基
馮克安(フォン・ハックオン)
程守一
武術指導 馮克安(フォン・ハックオン)
脚本 陳寶華
音楽 マイケル・ファン
策劃 鍾發(チュン・ファット)
製作 鍾偉成
製作総指揮 呉明才(ウー・ミンサイ)
制作年度 1993


鬼福星/駁脚差〔人老〕
Spiritually a Cop



なんかあれだな。

馮淬帆(フォン・ツイフェン)が出ていれば何でも"福星"になるのかといった感じで、実際は

こっちのタイトルが正しいんだけれどもそうすると日本語フォントでは最後の文字が出せないから〔人老〕←こうなっちゃうわけで、なんか格好悪いんすよね、あんまり出したくない。なので鬼福星でいきました。

本作は沈威さんが監督・脚本をこなした意欲作で・・・い、いや知らんけど監督・脚本やってる時点で意欲はあっただろうなっていうことで、またこれキャスティングも中々に豪華!・・・と思ったらそのほとんどが意味があったんだか無いんだかのゲスト出演なのだが。

まぁちっとも面白くない作品で・・・あっ!言っちゃった!先言っちゃった!

言っちゃったけど拾えるシーンは結構あったりする作品かなぁと。


流れ


いきなり

高飛vs王龍威!
現代劇なのにえらいトラディショナルな中華武術で戦うお二人。
流石の猛者同士だけあっていいバトルだ。
どちらも悪役ですがここにヘルメットの男が現れ二人を捕獲。
二人とも出番終わり。それだけ。
後から警察が駆けつけるが、誰がやっつけてくれたのかわからない。

ヘルメット男の正体は

こいつ呂方で、何でかようわからんが警察にならずに1人自警団って感じでヘルメットかぶって町を徘徊して事件を解決するという・・・警察入れよ。
しかしもってこいつは調子こいて強盗まで逮捕しようとしちゃったので、逆に強盗に撃たれて死ぬ・・・んだが、幽霊となって復活!
俺たちSpiritually a Cop!
こっちも幽霊の陳龍の助言を得てSpiritually a Copとなる幽霊・呂方。

ってなところで
大島由加利様登場
おお警察上官役だ。とても格好良いす。

物語はこの後、幽霊・呂方と霊媒師の修行を終えた(?)
子供の時から得意の表情
孟海(マン・ホイ)を交えてさらに、
珍しく出てきた汪禹(ワン・ユー)とか
ほんの1シーン登場
陳惠敏(チャーリー・チェン)を交えてドタバタコメディにしたかった・・・
んでしょうね。全然なってませんが。

なのでその辺の物語はどうでもいい感じに観てるこっちがなってきて、
しかし
監督はどこに熱を入れてんだ
途中から監督も由加利様にえらい肩入れしたのか気に入ったのか、
だんだん由加利様を美しく撮るということに執心していき、
なんちゅうか監督さんよぉ、
どの角度から彼女を撮ったら美しく映えるか、
どの表情を撮ったら美しく映えるか、
そればっかり考えたんじゃないすか。
これは珍しい!
ウイスキーーーが♪おスキでしょ♪
勝手に決めんな、ビールかもしれんやんけ。
いやほんでこれはワインですが、ワイン片手に恥らう由加利様が出てきて
ベッドインを前に恥らう由加利様
こういった表情の時に眉毛が八の字になるのが可愛いな・・・
いつの間にか恋仲だった馮淬帆と結ばれることに・・・
ならないのですが・・・
なんか、いつその物語は始まったんだみたいな感じで突然こういうのが始まったりしましたが、まぁそれ以外は大して面白くなくて、

んだけど

ラストは呂少玲(エレイン・ルイ)とバッチリ戦ってくれて、孟海が動作導演やってるからなかなか良いハードバトルですよ!

・・・みたいな映画。

怖いんですけど・・・
いやホラーコメディだから怖くていいんですけど。
ちなみにこの演出が何回か出てきますが、だからなんだってこともありません。


終劇





まぁハッキリ言って

どういう了見で大島由加利を起用したのか何だかわからない作風になってはいるが、やっぱラストはアクションさせないとダメだろ!いやだからしっかりラストバトルはやってもらおう!と監督が改めて気づいたみたいな。
しかしもって、その由加利様のドキドキ恋物語だけが物語面では救われたというか個人的に観るべきポイントだったなぁって感じで、メインストーリーには魅かれない妙な感想が残る作品になりました。出演陣は豪華なんだけどなぁ・・・何がどう鬼福星じゃ!

正直に言うと劉観偉(リッキー・リュウ)が撮ればもっと面白かったかもしれんな・・・(「霊幻道士」の監督さん)


■CAST&STAFF
監督・脚本 沈威
出演 呂方
馮淬帆(フォン・ツイフェン)
大島由加利(シンシア・ラスター)
孟海(マン・ホイ)
高飛(コー・フェイ)
王龍威(ワン・ロンウェイ)
呂少玲(エレイン・ルイ)
黄霑(ジェームス・ウォン)
唯靈
魯振順
曾光展
高雄(エディ・コー)
陳惠敏(チャーリー・チェン)
李國麟
黎漢持
汪禹(ワン・ユー)
楊昇
徐寶麟
洪新南
程剛
馬鋭山
陳龍
沈威
張國華
米奇
周潤堅
張華
周金江
張榮祥
邱國強
丁羽
李俊傑
陳世騰
ョ勝光
肥堅
動作導演 孟海(マン・ホイ)
蕭コ虎
音楽 陳斐烈
策劃 袁コ仁
製作 袁善根
製作総指揮 程萬g
制作年度 1991


初到貴境/新英雄兒女
New Kids in Town /Master Of Disaster



成龍(ジャッキー・チェン)&李賽鳳(ムーン・リー)競演!!
そして何と武術指導は劉家良(リュー・チャーリャン)師父!!
ま、まだこんなところにこんな作品が眠っていたとはぁぁぁぁぁあああ!!


■流れがところどころ、うっ詰まり、寸断される



行方不明になった父を探す李賽鳳とジャッキー刑事。
しかし、

彼女が見たものは父さんの亡骸だった・・・

だから中国武術学校では
錢小豪(チン・シュウホウ)&李家聲(ディクソン・リー)が、
何ですかねこれ、香港への特別留学生になったとかそんなのかな?
とにかく祝福されて香港へ。
出迎えてくれる李賽鳳、ここで引ったくりが出てきたので早速
このシーンかっちょいいす!
華麗な功夫技で引ったくり犯を蹴散らす李賽鳳。

ところがこれが単なる引ったくり犯ではなく、麻薬組織の一員でこの件で警察にヤクを没収されたことから組織ボス
この人、顔が怖くて嫌いなんです。
馬愛迪の怒りを買う。

叔父の劉家良も錢小豪&李家聲を快く歓待。
ここで、李賽鳳さんが思わぬ一言を
李賽鳳 「父さん」
と、父さん!?
あんたの父さんはさっき死んでなかったか?
劉家良が父さん!?
じゃさっきの死んでた楊群(ヤン・チュン)は違う意味のパパか!?

引き続き李賽鳳さんの案内で香港観光を楽しむ錢小豪&李家聲。
二人は何しに香港へ来たのだろう?

一方でジャッキー刑事は捜査を続けていた。
事件(なんのやねん)の手掛かりを握るとされる
このサリーさん可愛いんだよね
葉倩文(サリー・イップ)の下を訪ね、黒幕の尻尾を掴む?
孤立無援で頑張るジャッキー刑事

物語も中盤になって李賽鳳さんがトラックの上で戦ったらなぜか!
さんちもー♪なんほんちー♪
ってジャッキーが英雄故事唄って応援だ!(実際はインストです)

なので組織と殺し合いを続けて、遂にはラストバトルだ!

錢小豪が主役のはずなのに全然目立たないなぁ・・・

そして、

李賽鳳さんは全編に渡って功夫アクションばっちり!

しかし!!

劉家良師父を前にして女が活躍するとだな、
「レディークンフー激闘拳」然り、「掌門人」然り、
抜群の劉家良vs馬愛迪!!
最後の美味しいところは全部、劉家良師父が持って行くのだぁ!!
当たり前のように将軍令BGMに乗って(なんでやねん)、ザコどもを蹴散らすとvs馬愛迪になるのだが、
流石は劉家良師父だけあって素晴らしいバトル!

いやぁこのシーンがあってよかったぁ!!
ってか劉家良師父、
あなた、もしかしてこのシーンだけ、
つまり自分の振り付けだけやったんじゃないすか?

一方で

ジャッキー刑事は事件を解決出来ただろうか・・・


出来るわけねーだろ。そもそもなんの事件だよ。


終劇





私は最近までこの作品の存在を知らなかったのだが、
それもそのはずと言えばそのはずで、本作・・・というかこの「初到貴境」という作品とジャッキーの「プロテクター」をくっつけた「Master Of Disaster」というソフトは日本で流通しても意味が無いシロモノなんですね。
何故なら本作の合間に入る「プロテクター」からまんま持ってきたシーンは全てジャッキー版「プロテクター」からのもので、アメリカで公開された正規版「プロテクター」には無いシーンばかり、だからアメリカ人が「Master Of Disaster」を観れば確かにジャッキーの観たこと無い映画、ということにならんこともないと。ならんが。少なくともジャッキーの観たこと無いフィルムにはなると。一応ね。
翻って日本で公開されたのはジャッキー版「プロテクター」なので、日本で流通はさせられないと。そういうわけなんですね。
まぁ李賽鳳という共通項が二つの作品にあったので、「初到貴境」にくっつけたんでしょうね。

いやしかし、時が経てば面白いもので
現在日本で流通している「プロテクター」DVDと言えば

↑になるわけですが、これは正規版「プロテクター」でジャッキー版のシーンは入ってないわけです。
だから今の若い人にはもう正規版しか知らない、って人もいるってことなんですよね。いやジャッキー版「プロテクター」DVDもあるにはあるんですが古いのが。つまり「Master Of Disaster」がある意味通用する時代に日本もなって来ているわけで、いやはや時が経つのは早いもんです。

ただこれね、
いや「初到貴境」としての作品の感想なんですが、
アクションシーン以外は全然つまらないものでドラマも人物関係も全てが凡庸の拾い所の少ない作品であったこともまた確か。
確かにアクションシーンはそりゃあ劉家良・劉家勇指導なのでよかです。
特にさっき言ったけどラストの劉家良vs馬愛迪は素晴らしい出来上がり。
李賽鳳の見せ場も随所にあってその辺も問題なし。
しかし後は問題だらけ。
何か逆につまんないから合間にジャッキー出てきて良かったような・・・


■CAST&STAFF
監督・製作 劉家勇(リュー・チャーユン)
出演 錢小豪(チン・シュウホウ)
劉家良(リュー・チャーリャン)
李賽鳳(ムーン・リー)
李家聲(ディクソン・リー)
馬愛迪
黄子揚
張國〔木梁〕
王敏明
蘇菲亞
麥飛鴻
尹相林
朱剛
黄偉亮
何賽舟
ケ泰和
何永祥
曾醒光
 
以下は「プロテクター」ジャッキー版から
成龍(ジャッキー・チェン)
ビル・ウォレイス
葉倩文(サリー・イップ)
楊群(ヤン・チュン)
李海生(リー・ハイサン)
沈威
馮安克(フォン・ハックオン)
尹發(ワン・ファ)
動作導演 劉家良(リュー・チャーリャン)
劉家勇(リュー・チャーユン)
脚本 劉家勇(リュー・チャーユン)
杜勵智
音楽 成錦榮
製作総指揮 劉玉瓊
制作年度 1990
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
飛頭魔女
夢醒血未停
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